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HEFグループ、PEMFCバイポーラプレート用PVDコーティングを披露

4年 8ヶ月 ago
HEFグループ、PEMFCバイポーラプレート用PVDコーティングを披露

 「第16回 国際水素・燃料電池展FC EXPO 2020」が2月26日~28日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。水素・燃料電池の研究開発、製造に必要なあらゆる技術、部品・材料、装置、および燃料電池システムが出展される中、HEF DURFERRIT JAPAN、ナノコート・ティーエス、TS群馬、TS TUFFTRIDEの4社はHEFグループとして出展。今回は特に、固体高分子形燃料電池(PEMFC)のバイポーラプレート用に開発した、導電性、耐食性、密着性に優れた最新のPVD(物理蒸着)コーティングを披露した。
 

HEFグループのブース

 

 PEMFCは発電源であるセルを直列に重ねた構造で、セルとセルを仕切るセパレータは、表裏両面をそれぞれ流れる水素ガスと酸素ガスを完全に遮断して各々のガスの流れを制御するとともに、発生した電気を効率良く伝える役割を担う。水素ガス通過面(アノード側)、酸素ガス通過面(カソード側)および化学反応の結果生じる発熱を抑えるための冷却水流路と一体化したセパレータは「バイポーラ(両極型)プレート」と呼ばれ、バイポーラプレートの基材には、機械的物性、高い電気伝導性、高いガス遮断性といったセパレータに要求される性能を満たすアルミニウムやチタニウム、ニッケル、ステンレス鋼等の合金が用いられるが、金属表面で発生する電気化学的な腐食への対処が必要になる。この腐食問題を解決するアプローチとしては、バイポーラプレート表面を導電性、耐食性に優れたコーティングで被覆する手法がある。

 これに対しHEFグループでは、ステンレス、チタン、アルミニウムといったバイポーラプレートの基材を問わず、高い耐食性(陽極:1μA/cm2未満・アクティブピークなし、陰極:1μA/cm2未満)・導電性(100S/cm以上)と低い接触抵抗値(0.01Ω.cm未満)を持つバイポーラプレート向けコーティング(コーティング成分:Au、C、Cr)を開発している。
 

PEMFCバイポーラプレート用PVDコーティング

 

 成膜面を最適な状態にする自動洗浄ラインから、最大の生産効率を実現する専用治具、生産性を最大化する最先端の成膜装置、確かな品質保証とトレーサビリティーを実現する自動カメラ検査装置といったすべての専用生産設備は、フランスで設計・開発・製造され、日本で受託加工を行う際にはナノコート・ティーエスに設置される。
 

生産設備:左から自動洗浄ライン、専用治具、成膜装置、自動カメラ検査装置

 

 PEMFCバイポーラプレート用PVDコーティングはいずれも、2020年米国エネルギー省(DOE)技術仕様(IA(アノード電流)/ピーク、IC(カソード電流)/ピーク、ICR(界面接触抵抗))をクリア。システム出力や活動領域、活動地域に応じてすでに検証済みの種々のソリューションを提供できるほか、HEFの研究開発センターのサポートのもとでユーザーに最適な新しいコーティングを共同開発できることをアピールした。

kat 2020年3月17日 (火曜日)
kat

京セラ、MPCポリマーコーティングが科学技術と経済の会 会長賞

4年 8ヶ月 ago
京セラ、MPCポリマーコーティングが科学技術と経済の会 会長賞

 京セラ( https://www.kyocera.co.jp/ )は、東京大学と共同開発した人工股関節の長寿命化が期待される表面処理技術「Aquala」(アクアラ)の開発と実用化について、科学技術と経済の会(JATES)が主催する「第8回技術経営・イノベーション大賞」において、「科学技術と経済の会 会長賞」を受賞したと発表した。大賞は、日本経済の活性化のために、世の中を変革する優れたイノベーション事例を表彰し、そのプロセスを産業人が学ぶことによって、日本におけるイノベーションの推進を図ろうとするもので、2012年度より毎年、表彰が行われている。

左から、茂呂 徹氏(東京大学)、石原一彦氏(東京大学)、吉田 真氏(京セラ)、遠藤信博氏(科学技術と経済の会)

 今回の受賞は、ポリマーの親水性改質の発見から医工連携による研究開発、産業界への技術移転へと進められたイノベーションの優れた事例であり、イノベーションによって関節骨盤の病に苦しむ患者の負担が大きく軽減されることにつながり、これからの超高齢社会への課題解決を果たしたとして高く評価されたことによるもの。


 「Aquala」は、変形性股関節症などの疾患や骨折などによって機能を失った関節部分を置き換えるための人工股関節を構成する製品(寛骨臼ライナー)に用いる表面処理技術。本技術は、人体の細胞や組織との馴染みの良い生体親和性ポリマー(MPCポリマー)を使用し、関節軟骨と類似の表面構造にする同社独自のコーティング技術。Aqualaを用いることによって、これまで人工股関節置換手術の課題とされていた人工股関節のゆるみや周囲の過剰な免疫反応を抑制し、生体内における人工股関節の耐用年数の延伸が期待できる。本技術を採用した人工股関節は、2011年4月28日に厚生労働省より製造販売承認を取得し、これまでに国内で6万例を超える手術に使用されている。

 同社は、2001年より東京大学と共同で、関節面からの摩耗粉の発生を抑制し、人工股関節のゆるみなどの合併症が起きにくい長寿命型の人工股関節の開発を開始した。人工股関節の関節面を生体親和性ポリマーでnm単位で表面処理することにより、生体関節軟骨表面の構造や機能を模倣するというバイオミメティック(生体模倣)技術を創出し、合併症の原因となる「摩耗粉の発生」と「摩耗粉に対する過剰な生体免疫反応」を同時に抑制することに成功した。歩行運動において、股関節は体重の数倍におよぶ負荷を受けるが、本技術を用いた人工股関節は15年分以上に相当する模擬歩行負荷試験において、摩耗粉の発生が従来の一般製品と比べて約99%低減されることが確認されている。また、継続研究では、生体の70年分以上に相当する長期間の試験後も安定して摩耗耐久性を維持するという結果も得られているという。

 

admin 2020年3月12日 (木曜日)
admin

第44回:テクニスト技術研究会が開催

4年 8ヶ月 ago
第44回:テクニスト技術研究会が開催

 技能継承支援機構が主宰運営するテクニスト技術研究会は3月5日、東京都板橋区のMIC-2(板橋区立研究開発連携センター第二ビル)で、「第44回:テクニスト研究会」を開催した。
 

開催のようす

 

 技能継承支援機構は、我が国の国力の維持・充実、国際競争力の強化、持続的な発展を確固たるものにする上で不可欠な、ものづくり技術・技能の継承の支援を様々な側面から行う活動の中核的役割を果たしている。今回開催されたのは、技能継承方法のサイエンスを目指す意味から、「テクニシャン」と「サイエンティスト」を融合させた造語「テクニスト(TECHNIST)」を冠した研究会で、11年目を迎える。

 当日はまず大森 整・技能継承支援機構長(理化学研究所主任研究員)が開会の挨拶に立ち、「本技術研究会は、NEDOのプロジェクトとして、技能継承方法を科学的・システマティックに進めるテーマで、産業技術総合研究所(産総研)との共同研究を始めたことに由来する。職人の持つものづくりの技を可視化し、若い人がその工程指示書に倣うことで早期に同等の技術・技能を実現できるように、“技術・技能の継承・共有化ツール(加工テンプレート)”を開発した。プロジェクトにおけるそうした成果の普及を目的に技能継承支援機構が発足。情報発信型のサポートとして本機構が主宰運営する本技術研究会は、特に継承が難しい技能の見える化、難加工・複雑形状の研削・研磨・切削工程、特殊表面処理工程および成形工程に関わる加工技術などに焦点を当てて話題提供を行う研究会を、年4回開催している。そのほか、産総研側からの話題提供として1月に技能継承フォーラムを実施している。近年では3Dプリンティングやインプラントなどの先端的な医療分野など、トピックスが広がってきている。本日は二人の講師から脳科学、トライボロジーの各テーマで講演をいただく。いずれも非常に難しい問題を包含した異分野と言えるが、こうした新しい分野とのコラボによってものづくり技術が進化し、またその技術・技能の継承の手法確立が一層進むことを期待している」と述べた。
 

挨拶する大森氏

 

 続いて、以下のとおり講演がなされ、それぞれ活発な質疑応答がなされた。

・「三つ子の魂は百まで?脳科学で理解することわざの意味」下郡智美氏(理化学研究所脳神経科学研究センター)…神経回路の基本的な仕組みとしては、軸索(アクソン)が伸びて軸索末端のシナプスが棒状突起(デンドライト)とつながることで情報伝達が行われる。子供の脳はやわらかく、最適な回路を作るためにつなぎ変えが起こるが、このつなぎ変えは大人ではあまり起こらない。経験によって神経細胞の活動が変化するが、どこからの入力が活動を変化させるのかを明らかにするため、神経接続を可視化する技術を開発した。また、神経活動が変わると樹状突起の形が変わるが、特定の神経細胞の形を変える分子の同定に成功した。経験によって影響を受ける神経回路は異なり、分子メカニズムも異なる。そこで脳の中で発現している遺伝子を網羅的に調べておいて、そのカタログを世界中で利用してもらうべく、コモンマーモセットの遺伝子発現カタログを世界で初めてネットで公開している。
 

講演する下郡氏

 

・「血液中における超低摩擦実現のための摺動面設計」神田航希氏(東北大学大学院工学研究科)…体内植込み型連続形式遠心ポンプ左心補助人工心臓では、遠心ポンプが羽根車をモータにより回転駆動させ、発生する遠心力によって血液を左室心尖部より吸引し人工血管を介して上行大動脈へ駆出する。回転軸の血液のシールには滅菌水が循環してシール部を冷却するシステムのメカニカルシールが用いられ、シール摺動面となる二面にはセラミックスが用いられ、摺動面における摩擦制御が機器の性能向上のための鍵を握る。シール流体である血液に含まれる血漿タンパク質は摺動面に吸着し、その状態によって摩擦を増加・低減しうる。そこで、摺動面における表面処理により血漿タンパク質を理想的な状態で吸着させ、血液中において非常に低く安定した摩擦を得ることに成功した。

 

講演する神田氏

 

 講演に続いて、MIC-2内にある理化学研究所大森素形材工学研究室板橋分室の施設見学会が行われ、ナノファブリケーションからバイオファブリケーションに関わる新開発の各種設備が披露された。

 新開発の「ツインノズル式バイオプリンター」を披露。細胞の足場となるスキャホールドと細胞のパターニングを繰り返し、スキャホールドと細胞を多層積み上げることによって三次元構造を有する細胞組織の作製試験を行う装置である。現モデルは2ノズルを搭載しているが、4ノズルまで搭載・制御できる。
 

ツインノズル式バイオプリンター

 

 また、オンデマンド加工システム(通称、ピコマックス)に新開発のAI機能搭載型加工条件適正化システム「サイバーマイスターシステム」を付加して、加工デモンストレーションを実施した。加工時のトルクならびに回転数をセンシング、トルクが増えた際には加工速度を自動的に落とすが、速度を落としても消費電力が下がらない場合には、切込み量を自動で小さくする。こうして、ある工具を用いてある材料を加工する際の最適パラメータを機械学習し、次回からは同じ材料と工具の組み合わせの加工においては設定不要で、最適パラメータでの高品位加工が実現できる。
 

新開発のAI機能搭載型加工条件適正化システム「サイバーマイスターシステム」を付加したオンデマンド加工システム


 

kat 2020年3月11日 (水曜日)
kat

表面技術協会、第71回通常総会および各賞授与式を開催

4年 8ヶ月 ago
表面技術協会、第71回通常総会および各賞授与式を開催

 表面技術協会( http://www.sfj.or.jp/ )は2月28日、東京都千代田区の弘済会館で「第71回通常総会および各賞授与式」を開催した。

 当日は第70期事業報告、会計報告が行われた後、第71期事業計画・収支予算について審議、満場一致で可決された。事業報告では、第139回講演大会および第140回講演大会で合計発表件数326件、登録参加者が897名であったこと、セミナーとして「表面処理基礎講座」のほか、「めっきプロセスの基礎と評価実習」、「ドライプロセスの基礎と薄膜作製」などを開催し、参加者合計が303名であったことなどを報告した。事業計画では、9月に名古屋大学で開催されるINTERFINISH 2020の開催準備・運営や、ISO規格検討専門委員会においてISO/TC107からの提案事項の審議を行うことなどを確認した。

 任期満了に伴う役員改選では、今期より会長に光田好孝氏(東京大学 生産技術研究所 教授)、副会長に本間敬之氏(早稲田大学 先進理工学部 教授)、大塚邦顯氏(奥野製薬工業 常務取締役)が新たに選任された。野田和彦氏(芝浦工業大学 工学部 教授)と森賀俊典氏(東洋鋼鈑 取締役専務執行役員)は前期に引き続いて副会長を務める。

  理事を代表して挨拶に立った光田会長は「6年前に副会長の任を終えて以来、今回は会長として当協会のために尽力することとなった。個人的なことを申し上げさせていただくと、私が東京大学に任官したのが平成3年で、その時に採用していただいた元会長の増子昇先生が色々な学会の会長をしていたこともあり、平成4年頃に“何か一つくらい手伝え”と促されて、紹介者名に増子昇と書かれた申込書にその場で記入をしたのが当協会との縁の始まりだ。皆様ご存知のように、急なことだったが昨年増子先生が84歳で亡くなられた。そのため、“増子先生に言われた仕事をしっかりと引き継いでいますよ”と報告できなかったのが残念だ。また協会の運営としては、今年は東日本大震災、北海道胆振東部地震に続いて、新型コロナウイルス感染症による影響で3回目の講演大会中止となった。今後どうなるか分からないが、秋の講演大会は開催できる状態になって、皆様と楽しく学術的・技術的議論ができる場になれば良いと思っている」と述べた。

挨拶をする光田会長

 当日の席上では、「令和2年度 表面技術協会 各賞授与式」が行われ、森河 務氏(オテック 技術顧問、元大阪府立産業技術総合研究所)が業績「誘起共析型合金めっきの開発とその実用化に関する研究」で協会賞を受賞した。森河氏は、炭素、リン、窒素の非金属およびWやMoの高融点金属を誘起共析させた合金めっきの作製および液の安定化に関して多くの業績をあげた。特に、Cr-C合金めっきに関する一連の研究では、めっき膜の機械的性質や熱処理による構造変化を明らかにするとともに炭素のクロムめっき皮膜への共析機構を明らかとし、湿式法では世界最高の硬度を有するCr-C合金めっき膜の実用化の緒を提供した。また、Ni、Feの誘起共析型の合金めっきとして、P、W、Moの析出挙動を明らかにするとともに、液の安定化策として犠牲陽極分解剤の利用、イオン交換膜システムのめっきプロセスへの導入を検討し、連続めっきに不可欠な膜質の安定化を達成するなどの成果を上げた。加えて、めっき皮膜の評価や析出機構の解析、めっき液のリサイクルやプロセスのクローズド化に積極的に取り組むなど、表面技術への貢献は顕著であった。

表彰される森河氏

 論文賞では、久保田賢治氏(三菱マテリアル)ら5名が「AFM,QCM-Dおよびエリプソメトリーを用いた銅めっき添加剤吸着状態の解析」で受賞。本論文は、銅めっき添加剤、特に抑制剤として用いられている水溶性高分子および界面活性剤を対象として電気化学エネルギー散逸測定機能付き水晶振動子微小天秤法(E-QCM-D)、エリプソトリ-および原子間顕微鏡(AFM)を併用し、界面活性剤および水溶性高分子の金属表面における吸着状態解析を実施したものである。めっき添加剤の吸着状況解析は、現象論から理論に結びつける重要な項目であり、これらの方法で得られた結果を複合的に添加剤の吸着構造を解析することにより、吸着量だけでなく吸着膜の構造、吸着膜の緻密さ、水和水の含有量、吸着速度に関する知見を得て、これらのパラメータが電析抑制作用に深く関与することが示唆された。本論文で用いた分析手法が添加剤作用の解明に有用であることを示し、効率的なめっき添加剤の開発につながるものと期待される。

表彰される久保田氏(左)と酒井氏(右)

 受賞者、業績などの一覧は以下のとおり。

協会賞

・森河 務氏(オテック 技術顧問、元大阪府立産業技術総合研究所)
業績「誘起共析型合金めっきの開発とその実用化に関する研究」

功績賞

・内山休男氏(長崎大学 名誉教授)
・亀山哲也氏(産業技術総合研究所 名誉リサーチャー)

論文賞

・久保田賢治氏(三菱マテリアル)、樽谷圭栄氏(同)、中矢清隆氏(同)、酒井健一氏(東京理科大学 理工学部 先端化学科 准教授)、酒井秀樹氏(同 教授)
題目「AFM,QCM-Dおよびエリプソメトリーを用いた銅めっき添加剤吸着状態の解析」
(表面技術 第69巻 第11号 521~526頁)

技術賞

該当なし

進歩賞

・山本貴代氏(京都市産業技術研究所 主席研究員)
業績「インバー型Fe-Ni合金膜の電気化学的創製およびその熱膨張挙動に関する研究」
(第139回講演大会 講演要旨集 131~132頁 ほか)

技術功労賞

・石川 竜氏(日鉄テクノロジー 八幡事業所 研究試験課 課長)

会員増強協力者

・新井 進氏(信州大学 工学部 教授)
・川口 純氏(日本カニゼン 代表取締役社長)
・坂本幸弘氏(千葉工業大学 工学部 教授)
・柴田正実氏(山梨大学 大学院総合研究部 教授)
・本間敬之氏(早稲田大学 先進理工学部 教授)

 

admin 2020年3月2日 (月曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2020年2月号「特集:航空機の表面改質」「キーテク特集:表面観察」2/25に発行

4年 8ヶ月 ago
メカニカル・サーフェス・テック2020年2月号「特集:航空機の表面改質」「キーテク特集:表面観察」2/25に発行

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2020年2月号「特集:航空機の表面改質」「キーテク特集:表面観察」が当社より2月25日に発行された。

 今回の「特集:航空機の表面改質」では、航空機産業において熱処理で必要とされる設備や機器、留意点などの実用的な情報について、航空機部品への応用を主体に溶射技術の現状と今後の動向について、航空機の機体に使用されるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を加工する際に使用されるダイヤモンドコーティングドリルについて紹介する。


 またキーテク特集「表面観察」では、表面観察・分析技術を通じた表面改質層の評価に関する最近のニーズとそれらに対応する表面観察・分析技術について、高精度カメラによる高難易度の外観検査で自動車分野への参入を図る取組みについて紹介する。

特集:航空機の表面改質

◇航空機部品における熱処理の適用事例・・・上島熱処理工業所 坂田 玲璽
◇航空機における溶射の技術動向・・・エリコンメテコジャパン 和田 哲義
◇航空機分野におけるダイヤモンドコーティングの適用拡大・・・CemeCon アレクサンダー マルクサー 氏に聞く

キーテク特集:表面観察

◇表面改質関連の最新の表面観察・分析技術・・・堀場製作所 三村 享氏 に聞く
◇高精度カメラによる、高難易度の自動車分野の外観検査への挑戦・・・コニカミノルタ 宇田川 純一 氏に聞く

連載

注目技術:ポリマー含浸複合金属発泡体の航空機翼への適用の可能性・・・ノースカロライナ州立大学
Dr.クマガイののんび~り地球紀行 第8回 台湾編・・・不二WPC 熊谷 正夫

トピックス

ASTEC/SURTECH2020など開催、表面改質や表面試験・評価技術が一堂に会す
2019国際ロボット展が開催

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admin 2020年2月25日 (火曜日)
admin

2/28にトライボコーティングシンポジウム・ATF合同技術展示会を開催、共創に向け参加者を募集

4年 9ヶ月 ago
2/28にトライボコーティングシンポジウム・ATF合同技術展示会を開催、共創に向け参加者を募集

 トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 理化学研究所 主任研究員)の主催する第22回トライボコーティングシンポジウムと、砥粒加工学会の主催する先進テクノフェア(Advanced Technology Fair、ATF)は2月28日、東京都板橋区の板橋区立グリーンホールで、合同イベント「技術展示会」を開催する。トライボコーティング技術研究会(tribo@tribocoati.st)では、出展者との共創に向け、参加を呼び掛けている。

技術展示会 ショートプレゼンテーションのようす

 

 今回の合同イベントの狙いとしては、表面改質技術を扱うトライボコーティング技術研究会が、砥粒加工技術を中心とした金型・工具技術、研削・研磨技術、工作機械、計測・評価、マイクロ・ナノ加工技術を扱う砥粒加工学会と連携して、生産現場に直結する新技術創成や協業化を目指した交流の場を設けるもの。

 先進テクノフェア(ATF)は砥粒加工学会が毎年開催するイベントであり、今回、トライボコーティング技術研究会との合同により、異分野連携による新しいものづくり技術の交流と協業発掘の場を目指す。

 技術展示会では、パネルやサンプル展示、ショートプレゼンテーションによって,自社の技術をアピールするとともに、異分野への進出、医工連携、高付加価値な表面創製に向け共創していく。投票によって優秀な技術展示に対して「技術展示賞」が選ばれ、同日17時30分から開催される「岩木賞記念パーティー・技術交流会」の場で贈呈される。

 今回出展する技術展示企業は以下のとおり。

・ケーエンジニアリング https://www.k-engi.com/

・神港精機 http://www.shinko-seiki.com/

・オプトスター http://www14.plala.or.jp/optostar/indexjpn.html

・ジーフロイデ https://www.g-freude.co.jp/

・日本特殊光学樹脂 https://www.ntkj.co.jp/

・新東工業 https://www.sinto.co.jp/

・ナガセインテグレックス http://www.nagase-i.jp/

・池上金型工業 https://www.sinto.co.jp/

・メカニカル・テック社 https://softmatter.mechanical-tech.co.jp/

・システムズエンジニアリング https://www.systems-eng.co.jp/

・ラップマスター・ウォルターズ・ジャパン http://lap-japan.co.jp/

・東京電子 https://toel.co.jp/

・島貿易 https://www.shima-tra.co.jp/products/measurement

 いずれも独自の技術・製品を有する企業のため、トライボコーティング技術研究会では、高付加価値製品の創出や新分野への進出などを目指す企業に共創の機会・アイデアを得てもらうよう、参加を呼び掛けている。

 問合せ先は以下のとおり。

・トライボコーティング技術研究会事務局
E-Mail:tribo@tribocoati.st
TEL:03-5918-7613 FAX:03-5918-7624(理化学研究所 大森素形材工学研究室内)

admin 2020年2月18日 (火曜日)
admin

テクニカルショウ ヨコハマ 2020開催

4年 9ヶ月 ago
テクニカルショウ ヨコハマ 2020開催

 第41回工業技術見本市 「テクニカルショウ ヨコハマ 2020」が2月5日~7日、横浜市西区のパシフィコ横浜で開催された。表面改質関連では、以下の展示があった。

会場のようす

 

 サーフテクノロジー/不二WPCブースでは、小麦粉やコーンスターチなど食品粉体のホッパーやフルイなどへの付着を抑制する効果があり採用実績の多いショットピーニング技術「マイクロディンプル処理®」をベースに、より細かい粉体の付着抑制効果を実現しつつ、食中毒の原因となる大腸菌や黄色ブドウ球菌などの繁殖を抑制、さらには死滅させる技術を紹介した。マイクロディンプル処理による食品粉体の付着抑制(食品ロスの防止)・滑り性向上(生産性向上)の提案に加えて、新たに抗菌性付与という点を謳っていくことで、ユーザーである食品加工工場でのコーティング不使用による異物混入防止に加えて、煩雑なサニテーション作業の低減が可能になることを訴求していく。今回は来場者に、抗菌処理「マイクロディンプル処理®Anti-Bac」を吸い口に施した携帯ステンレスストローをプレゼントした。

サーフテクノロジー/不二WPC 「マイクロディンプル処理Anti-Bac」を施した携帯ステンレスストロー

 

 パーカー熱処理工業 加工事業本部は、アルミシリンダーの摺動性能を飛躍的に高める「PNTプロセス」や全自動低圧浸炭・真空熱処理加工「ICBP」、環境にやさしい高性能のシアンフリー塩浴軟窒化処理「イソナイト®LS」などの受託加工サービスのほか、振動摩擦摩耗試験機「SRV®5」による受託試験サービスの紹介があった。また、同社グループ企業のパーカーS・N工業で行っているDLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティングの受託成膜サービスについても紹介した。PNTプロセスは、ニッケル素地に高硬度を有するSiCを分散させた複合電解めっき「PNTめっき」とホーニング加工との組み合わせによってアルミニウム合金の摺動性能を飛躍的に向上させる技術で、展示会では、過酷な条件下に晒される二輪/四輪車レース用アルミシリンダーにおいて同プロセスがハイレベルな耐摩耗・耐焼付き性を安定的に実現できることをアピールした。

パーカー熱処理工業「PNTプロセス」の処理サンプル例

 

kat 2020年2月10日 (月曜日)
kat

ASTEC/SURTECH2020など開催、表面改質や表面試験・評価技術が一堂に会す

4年 9ヶ月 ago
ASTEC/SURTECH2020など開催、表面改質や表面試験・評価技術が一堂に会す

 「ASTEC2020 第15回先端表面技術展・会議」や「SURTECH2020 表面技術要素展」、「nano tech2020 第19回国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」など13の展示会が、1月29~31日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催、47692名が来場した。

 ASTECとSURTECHでは、DLCコーティングやセラミックコーティング、めっきなどの表面改質技術、摩擦摩耗試験機やスクラッチ試験機、表面張力・形状・粗さ測定機などの表面試験・評価機器などの展示が見られ、各分野における最先端技術の展示を行った。このほか、3Dプリンタやアディティブマニュファクチャリング(AM技術)の最新技術や周辺技術が一堂に会した「TCT Japan2020」、「脱炭素社会を目指したエネルギーマネジメント」をテーマに開催された「ENEX2020」、「Smart Energy Japan2020」、「電力・ガス新ビジネスEXPO 2020」、IoTビジネスを加速するセンシング・ネットワークの最新テクノロジーを集めた「MEMSセンシング&ネットワークシステム展 2020」など多彩なイベントが同時開催された。これら展示会において表面改質と表面試験・評価関連では以下の出展が見られた。

 大塚電子は、顕微分光を用いた微小領域での絶対反射率測定により、形状のある実サンプルのDLC膜の厚みを測定時間1秒/ポイントの高速で高精度に測定できる顕微分光膜厚計 「OPTM series」を展示した。今回披露したリニューアルタイプでは、コントロールボックス内の市販部品を小型化し、基板実装できるものは顕微膜厚ヘッドに実装し内製基板化したことで、コントロールボックスの削除と外部配線の簡素化を達成、設置スペースの削減を実現した。また、ランプの長寿命化を行うことでメンテナンス頻度を抑えることができ、メンテナンス性の向上を実現。さらに、誰でも簡単に精度よくオートフォーカス条件を作成できる機能、“オートフォーカス条件自動作成機能”を開発し、オートフォーカス機能の改良を実現できた。簡単に解析できる“楽々解析ウイザード”を搭載している。

大塚電子「OPTM series」

 協和界面科学は、インクやコーティング材の泡安定性の評価やめっき液中の活性剤の劣化状況の管理、潤滑油の高温化における浸透性の評価などの目的で使用される表面張力計「DyneMaster」シリーズの実機を展示した。今回は、新たに開発した液体膜(泡膜)の持続性(安定性)評価を簡易に行える「液膜安定性評価」を紹介。この評価法は実試料では明らかに差があるにもかかわらず、従来測定法では差が見られない場合などに有効。また、従来測定法よりも試料が少量で測定ごとの洗浄も簡易なため、短時間で繰返し測定を行うことができる。洗浄剤、化粧品、塗料、食品、電子、機械などの起泡性、消泡性、泡膜持続性等の泡トラブル評価に適しているという。

協和界面科学「DyneMaster」

 コニカミノルタは、熟練の目視に近似した感度を持ち誰でもOK/NGの判断を可能とする、コーティング膜表面などの微細キズ・汚れ評価を実現する外観検査システム「ProMetricYシリーズ」を紹介した。人の目と近似した感度を持つ高精度カメラで、ペルチェ素子を用いた高冷却機能による低ノイズを実現、高コントラスト性能と併せて極微細な欠陥も検出できる。また、高いコントラスト分解能12bit (4096)により、識別しにくい欠陥も検出可能なほか、最大2900万画素(6576×4384)という高分解能により微小な欠陥も検出できる。最近は4300万画素(8040×5360)のモデルも登場した。また、目の感度に近いフィルターあるいはIR感度タイプも選択できる。

コニカミノルタ「ProMetricYシリーズ」

 三洋貿易は、米・Rtec instruments社のモジュール交換型多機能摩擦摩耗試験機「MFT-5000」を紹介。同試験機は、ブロック・オン・リングやピン/ボール・オン・リング、高速往復摺動試験、四球試験を標準として様々な試験に対応可能な装置。フロアスタンド型を採用しており、高荷重(5000N)、高回転領域(8000rpm)まで対応する。また、インラインで白色干渉計も搭載可能で、試験中、試験後の表面状態を試験直後にそのまま測定できる。データ収集速度は100KHz以上が可能だという。研究開発からASTMなどの試験法にも対応している。さらに、特殊試験として超高温・低温・湿度環境への対応やブレーキシミュレーション試験などへの対応が可能とした。

三洋貿易「MFT-5000」

 新東科学は、摩擦摩耗試験機専門メーカーならではのノウハウと経験を活かした受託試験、荷重域0.1g~100kgや加熱・冷却・真空などあらゆる条件下での試験に対応する特注試験機の設計・製造をPRしたほか、実機を使用してのデモ測定も行った。今回は、同社摩擦摩耗試験機「トライボギア」のスタンダードモデル「TYPE:40」、一つの試験片で荷重を変えた摩擦摩耗試験が1回の測定で可能になる最上位機種「HHS2000S」、誰でもどこでもどんな角度でもスキルや経験を必要としないポータブル摩擦計「TYPE:37i」、肌触りや感触、なじみ感を数値化することができる触感計「TYPE:33」を展示するなど、同社の摩擦摩耗試験機の幅広いラインナップを示す展示となった。

新東科学のブース

 東陽テクニカは、米国KLA社製の薄膜機械特性評価装置「G200X ナノインデンター」を展示した。DLCなどの硬質材料からゴムや粘着剤などのソフトマターまで、あらゆる薄膜の機械的特性評価試験(動的粘弾性測定やスクラッチ試験など)に1台で対応する。μNオーダーから最大10Nまでの広域荷重での測定に対応するほか、最速1点1秒以下で硬度・ヤング率の高速マッピングを実現。また、高分子材料の過熱環境下でのクリープ評価や加熱粘弾性評価にも対応。さらに、ナノスクラッチ試験によるサブミクロンの膜厚のはく離・耐摩耗性評価や、押込み試験による薄膜の破壊靭性評価も可能。

東陽テクニカ「G200X ナノインデンター」

 中日本炉工業は、加圧冷却式真空熱処理炉「NVF-30P」の実機を披露した。冷却時に加圧することにより焼入性能が向上。冷却時の冷却ガス循環効率を向上したことにより、硬度むらが発生しにくくなっている。ダイス鋼やハイス鋼などの工具鋼やマルテンサイト系ステンレス鋼の焼入れ、焼戻し処理をはじめ、オーステナイト系ステンレス鋼の固溶化処理、析出硬化系ステンレス鋼の析出硬化処理、チタンをはじめ各鋼種の焼鈍し処理などの熱処理に適した装置だという。また、AIを活用した真空熱処理レシピ生成システム「DiMA」のデモ機も紹介。現在のところ販売は未定だという。

中日本炉工業のブース

 ナノテックは、 DLC膜を機能別、用途別に分類した「ICFコーティング(真性カーボン膜)」を紹介するとともに、大電力パルススパッタリング(HiPIMS)法によって水素フリーICF膜を660nm/minの超高速で成膜できるRoll to Roll装置の実機を展示した。同社ではDLCコーティングをはじめとするドライコーティングについて、自社製成膜装置による受託コーティングと装置販売を行っていることをアピールした。また同社では、薄膜や材料の機械的特性試験やDLC膜の品質管理や国際標準化による分類に適した分光エリプソメトリー測定などの表面分析サービスを行っており、同サービスの豊富な経験を活かしてそれぞれのDLC基準片・試験片の販売を行っていることを紹介した。

ナノテックのブース

 ブルカージャパンは、ナノサイエンスAFM(原子間力顕微鏡)「JPK NanoWizard 4 XP」を紹介した。材料と高分子化学のためのAFMで、ナノメカニクス、電気化学から電気、磁気測定までを網羅。クローズドループ原子分解能とXY100μmの広範囲スキャンレンジで、最速3秒/1画像のスキャンスピードを備え、AFMヘッドにはクローズドループスキャンとディフレクションシステムを搭載し、またデジタルVortris™2コントローラーが低ノイズにて高速による信号処理を行う。プローブとサンプル表面の触圧をリアルタイムで測定しフィードバックをするピークフォース・タッピングモードを搭載。測定パラメータの設定はほぼ不要で、触圧を最小にコントロールでき安定した測定が可能。脆くやわらかいサンプル、粘着性の高い試料であっても、長期にわたり安定的に高解像度の画像が得られる。

ブルカージャパン「JPK NanoWizard 4 XP」

 堀場製作所は、コーティング成膜の際などに表面の成膜温度を計測管理できるオンライン放射温度計「IT-480 Series」を展示した。複数台での計測により温度ムラや均一性の確認が可能で、無償で使える便利なソフトで8台までのデータを一括管理できる。小型のため取付けスペースをあまり必要とせず、インライン用途でも適用できる。また、ドライコーティングのプロセスや工業炉による熱処理プロセスなどの管理に適用できるコンパクトプロセスガスモニタ「MICROPOLE System」を紹介した。スパッタリング装置の残留ガス計測や、スパッタリング装置のリークモニタリング、CVD装置クリーニング後の残留ガスモニタリングなど、PVD・CVDなどの薄膜形成工程においてチャンバー内の不純物や残留ガスを計測することで、品質・歩留りの向上に貢献できる。

堀場製作所「IT-480 Series」

 レスカは、各種ペーストや粘着材料、粘着テープ、粘着フィルムなどの粘着力測定を行うタッキング試験機「TAC1000」を紹介。これまで個人差による誤差が大きかったデータを定量的に評価することが可能になるという。測定プローブをサンプルに押し付け、引き上げる過程での粘着力を測定する。ダブル温調により試料片をホットプレートで裏面から予備加熱を行った状態で測定面に加熱されたプローブを侵入させることで、設定温度と実際に評価される試験面の温度を一定化させることができる。また、ホットプレート加熱を停止させることで、常温状態の試験片に対し加圧と同じ時間のみ加熱を行い粘着力計測を行うことができるため、加熱加圧成型における金型との離型性計測や、複写機におけるトナーの定着ベルトに対する離型性を計測することが可能となっている。加圧時間が最短10msecで可能なため、瞬間的な接触により生じる粘着力の計測も可能。

レスカ「TAC1000」

 会期中の1月31日にはセミナー会場で、東京理科大学の佐々木信也教授のモデレータのもと、トライボロジーに関する先端企業の専門家10社が参加してのパネルディスカッション「トライボロジーにおけるオープンイノベーションの課題と将来」が開催された(主催:潤滑通信社)。

 テーマ1「オープンイノベーションを支える開発支援環境の構築」ではエリオニクス、協和界面科学、新東科学、東陽テクニカ、ナノテックがパネリストとして参加し、テーマ2「トライボロジーの新たなビジネスモデル」ではアントンパール・ジャパン、三洋貿易、島貿易、トリニティーラボ、レスカがパネリストとして参加して、討論を行った。

パネルディスカッションのもよう

 

admin 2020年2月10日 (月曜日)
admin

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、台数限定で触針式薄膜段差計の特価・短納期キャンペーンを実施、注文受付期間は~3/20

4年 9ヶ月 ago
ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、台数限定で触針式薄膜段差計の特価・短納期キャンペーンを実施、注文受付期間は~3/20

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部では、触針式薄膜段差計「Dektak XTシリーズ」を対象に「年度末にまだ間にあう! 台数限定&特価・短納期キャンペーン」を実施している。

 2020年3月末納品分までが対象となり、通常3ヵ月納期の製品を短納期で提供する。

 詳細はキャンペーンHP(https://www.bruker-nano.jp/dktcampaign19)で確認できる。

・対象製品
触針式薄膜段差計 Dektak XTシリーズ


・価格・構成例
 DektakXT-Eの場合:1nm~1mm膜厚段差評価が可能、補正値のいらない信頼性の高い評価システム。価格:¥4,980,000~

・注文受付期間:~2020年3月20日迄(注文受付期間)
※仕様により納期が変わるため、詳細は要問合せ

kat 2020年2月7日 (金曜日)
kat

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、3/26に東京でナノインデンテーション試験のセミナーを開催

4年 9ヶ月 ago
ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、3/26に東京でナノインデンテーション試験のセミナーを開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は3月26日、東京都中央区のベルサール八重洲 Room6(https://www.bellesalle.co.jp/shisetsu/tokyo/bs_yaesu/access/)で、「ナノインデンテーションセミナー2020」を開催する。今回は、昭和大学 柴田 陽 教授と横浜国立大学 多々見 純 教授による特別講演を設けている。定員は40名で参加費は無料(事前登録制)。

 問い合わせ先は以下のとおり。
電話:03-3523-6361 / Mail : info-nano.bns.jp@bruker.com
WEB登録サイト:https://mbns.bruker.com/acton/media/9063/ni2020 

 プログラムは以下のとおり。

・13:00~13:15 開会挨拶

・13:15~14:15 【特別講演1】「ナノインデンテーション法による生体組織の力学的評価」昭和大学 柴田 陽 教授

・14:15~14:30 休憩         

・14:30~15:40 【特別講演2】「マイクロカンチレバー試験片を用いた材料のメソスケール破壊特性評価」横浜国立大学 多々見 純 教授(兼 神奈川県立産業技術総合研究所 「革新的高信頼性セラミックス創製」 プロジェクト PL)

・15:40~16:30 「ナノインデンテーション実践的アプリケーション事例」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部

・16:30~17:10 「電子顕微鏡組込み型ピコインデンターがもたらす複合的ソリューション」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部

・17:10~17:30 質疑応答、アンケート

 

ハイジトロントライボインデンターTI980


 

kat 2020年2月7日 (金曜日)
kat

エリコン、ダイヤモンドコーティングのD-Coat社を買収

4年 9ヶ月 ago
エリコン、ダイヤモンドコーティングのD-Coat社を買収

 スイス・エリコンは、ドイツにおけるダイヤモンドコーティング技術のトップ企業D-Coat社を買収した。

 2006年設立のD-Coat社は、高い信頼性が求められる航空機、船舶、自動車、その他分野の構造体に使用されるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)向けの切削工具に成膜するダイヤモンドコーティング技術のリーディング企業として認識されている。また、D-Coat社はこれらのコーティング用途において大手航空機メーカーが選ぶサプライヤーとしても世界的に認識されている。

 熱フィラメントCVD (HFCVD)法を用いて形成したダイヤモンドフィルムの蒸着は、コーティング表面、3Dベースボディ、部品や金型、工具の内面コーティングに適しているという。工具や部品、電極にコーティングした場合は、優れた耐久性を与え、潤滑状態が悪い状況下においても低摩擦で、摩耗性物質との接触に対しても高い耐摩耗性を実現する。

 エリコンのヘッド・オブ・ビジネスユニット・ バルザースインダストリアルソリューションズMarc Desrayaud氏は「D-Coat社が持つ技術により、エリコンバルザースが提供するダイヤモンドコーティング関連サービスがさらに強化される。両社の専門性が融合されることで、同分野における当社の立場がより一層明確になり、テクノロジーリーダーとなることができる」と話している。

 また、リヒテンシュタイン・エリコンバルザースのヘッド・オブ・カッティングツールDr. Wolfgang Kalss氏は「当社は、両社の技術力と専門性のシナジーを活用し、航空・宇宙、自動車、金型(ダイ・モールド)および他産業において切削工具を求める顧客に最高のダイヤモンドコーティングソリューションおよびサービスをお届けしたいと考えている」と話している。

 同グループのダイヤモンドコーティング事業としては、ルクセンブルグ、米国、韓国に続く4番目のカスタマーセンター。規模としては、ダイヤモンドコーティングではグループ最大のカスタマーセンターとなり、同グループ全体では113番目のグローバルカスタマーセンターとなる。

 なお、D-Coat社の日々の事業運営および顧客への対応は従来どおり同社の施設にて継続する。

左から、ウォルフガング・J・シュミッツ氏 (エリコンバルザース リージョナルエグゼクティブ ヨーロッパ)、ディルク・ブライト氏 (D-Coat 生産・開発部取締役)、オラフ・ ディートリヒ氏(D-Coat 宣伝部取締役)、コリーナ・ハインツ氏(エリコンバルザース)、ウォルフガング・カルス氏 (エリコンバルザース ヘッド・オブ・カッティングツール)

 

admin 2020年2月3日 (月曜日)
admin

トライボコーティング技術研究会、2/28にシンポジウムを開催

4年 9ヶ月 ago
トライボコーティング技術研究会、2/28にシンポジウムを開催

 トライボコーティング技術研究会と理化学研究所 大森素形材工学研究室は2月28日、東京都板橋区の板橋区立グリーンホールで「第22回トライボコーティングの現状と将来」シンポジウムを開催する。今回は、砥粒加工学会主催の「先進テクノフェア(ATF)2020」との合同イベントとなる。

 今回のシンポジウムは、ナノ炭素研究所 大澤映二氏(豊橋技術科学大学名誉教授)「2.6nm爆轟法ナノダイヤモンド分散粒子の生産技術の確立とナノダイヤモンドコロイドの事業化」、コマツNTC 前花英一氏、東北大学大学院 水谷正義氏・厨川常元氏「微細ラティスコーティング技術の開発」、IBUKI 松本晋一氏「加飾成形用金型の製造技術ならびにAI援用技術に基づくIOT化事業」の記念講演のほか、技術展示企業よるテクニカルプレゼンテーションを通して先進ものづくりの技術情報を提供する。

 参加の問い合わせなどは以下より。


理化学研究所 大森素形材工学研究室 内
トライボコーティング技術研究会 シンポジウム事務局
tribo@tribocoati.st TEL:03‐5918‐7613 FAX:03‐5918‐7624
URL http://www.tribocoati.st

 

 

admin 2020年1月27日 (月曜日)
admin

三菱マテリアル、銅ナノインクの開発を開始

4年 9ヶ月 ago
三菱マテリアル、銅ナノインクの開発を開始

 三菱マテリアルは、プリンテッド・エレクトロニクス分野のスタートアップ企業であるエレファンテックを評価パートナーとして、銅ナノインクの開発を開始した。

 近年、電子部品を構成する電子回路や素子またはワイヤーハーネスなどを、印刷や塗布によって形成するプリンテッド・エレクトロニクス技術により、電子部品の軽量化、原料ロスの抑制による低環境負荷・低コスト化が進んでいる。東京大学発のスタートアップ企業であるエレファンテックは、必要な部分にのみインクジェット方式で金属ナノ粒子を印刷し、めっき技術で金属を成長させる独自の製造技術により、従来のフレキシブル基板よりもリードタイムを短縮させ、製造コストの削減を実現している。

 今回、三菱マテリアルが開発するのは、このインクジェット印刷に用いる「銅ナノインク」。現在は「銀ナノインク」が広く使用されているが、マイグレーションによる回路内での絶縁不良や短絡が課題となっている。「銅ナノインク」は、それらの課題を解決するだけでなくコストダウンも期待される。

admin 2020年1月22日 (水曜日)
admin

潤滑通信社、1/31にトライボロジーをテーマにパネルディスカッションを開催

4年 9ヶ月 ago
潤滑通信社、1/31にトライボロジーをテーマにパネルディスカッションを開催

 潤滑通信社(https://www.juntsu.co.jp/)は1月31日 10:30~12:15、ASTEC(先端表面技術展・会議)/SURTECH(表面技術要素展)セミナー会場(南3ホール展示会場内)で、東京理科大学の佐々木信也教授をモデレータとして、トライボロジーに関する先端企業の専門家が参加してのパネルディスカッション「トライボロジーにおけるオープンイノベーションの課題と将来」を開催する。参加費用は無料で、登録は不要。

開催のようす

 

 いずれも佐々木教授をモデレータとして、テーマ1「オープンイノベーションを支える開発支援環境の構築」(10:30~11:15)ではエリオニクス、協和界面科学、新東科学、東陽テクニカ、ナノテックがパネリストとして参加し、テーマ2「トライボロジーの新たなビジネスモデル」(11:30~12:15)ではアントンパール・ジャパン、三洋貿易、島貿易、トリニティ―ラボ、レスカが参加して、それぞれ討論を行う。

 テーマ1のディスカッションテーマとしては、「オープンイノベーションを支える評価試験の品質向上と効率化」、「高度化する要求に対応するラボの必要性」、「共創と競争のための評価試験」などを予定。

 テーマ2のディスカッションテーマとしては、「ソフトマターへ」、「トライボロジー 機能性から快適性へ」、「グローバルマーケットへの展開と課題」などを予定している。

 セミナーの詳細は以下のURLで確認できる。
https://unifiedsearch.jcdbizmatch.jp/nanotech2020/jp/sem/astec_surtech/seminar_details/ReWB0wTegco#A29157613

kat 2020年1月22日 (水曜日)
kat

エンハンストマテリアル、大型チャンバーの高生産性PVD成膜システムを追加

4年 10ヶ月 ago
エンハンストマテリアル、大型チャンバーの高生産性PVD成膜システムを追加

 エンハンストマテリアル( http://www.emc-h.com/ )は、VoestalpineグループEifeler Vacotec社製のPVDコーティング装置「alphaシリーズ」を販売しているが、このほど、中型機ながら大型の真空チャンバーを有し、高い生産性・効率で高品質のコーティングを成膜できる最新アーク技術採用の「alpha700P」の取扱いを開始した。alpha700Pは本年9月16日~21日にドイツで開催された世界最大級の国際金属加工見本市「EMO Hannover 2019」で発表され、すでに受注実績を持つ。

alpha700P

 alphaシリーズの全般的な特徴としてはタクトタイムが短くプラズマ密度が高いことから高生産性を達成できること、コンパクトな装置サイズで高効率を達成できることが挙げられる。双対する蒸着源を独立コントロールできることから、近年工具や金型のコーティング被膜として要求が強まっているナノ構造や多層膜といった独自の膜種の形成が可能となっている。

 alphaシリーズとしては主に、中型機で開発・生産用として利用されるalpha 400P、大型機で完全生産用のalpha 900Pの採用が進んでいるが、以前からその中間機種が要求されていた。そこで今回、alpha700Pの開発に至ったもの。

装置構成

 主な特徴としては、まず迅速な冷却システムが挙げられる。独自冷却システムの採用により、工具や部品をコーティングした後の冷却時間を約25%短縮。これにより1日に5バッチの成膜処理が可能になる。

 また、950Lの大型真空チャンバーにより広い成膜ワークスペースを確保、φ10×70mmのエンドミルで1バッチ当たり900本、φ100×150mmのホブで30本を処理できる。
 
 さらに、独自PVD duplexプロセスによって、プラズマ窒化処理とAlCrTiNといったPVDコーティングを1パスで実施でき、両処理に通常費やされる時間を大幅に短縮できるほか、独自SPCS技術によって平滑で密着性の高い膜の成膜を実現している。

 加えてalpha700Pでは、装置デザインをコンパクトなシングルフレーム(Single frame)、あるいはスプリットフレーム(Split frame)から選択でき、設置スペースやレイアウトにフレキシブルに対応できる。

PVDコーティング装置「alphaシリーズ」

 

admin 2020年1月15日 (水曜日)
admin

東北大など、高耐久性DLCの設計指針を明示

4年 10ヶ月 ago
東北大など、高耐久性DLCの設計指針を明示

 東北大学金属材料研究所 久保百司教授、王楊助教(現:東北大学大学院工学研究科)、東北大学大学院工学研究科 足立幸志教授、岩手大学 森 誠之教授、フランス・Ecole Centrale de LyonのJean Michel Martin教授らのグループは、東北大学金属材料研究所に2018年8月に導入されたスーパーコンピュータ「MASAMUNE-IMR」を活用し、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)の摩耗を誘発する原因となるトライボエミッション現象のメカニズムを世界で初めて明らかにした。さらに、DLCの成分や周囲の環境を制御することで摩耗を減らすことが可能であることを示し、高耐久性DLCの設計指針を明らかにした。

 金属材料研究所で開発した大規模分子動力学シミュレータ「LASKYO」を活用し、DLCの摩耗現象をMASAMUNE-IMR上でシミュレーションした。その結果、以下のことが明らかとなった。

1.DLC同士を摩擦した時に、摩擦した表面からメタンやエタン、エチレンなどの様々な気体分子が蒸発するトライボエミッション現象が起こる。この現象は実験的にも確かめられた。

2.1のような気体分子の蒸発が、DLCの摩耗を誘発することを世界で初めて明らかにした。

3.DLCの成分や周囲の環境などを制御することで、「摩耗を減らす」ことが可能であることを示し、高耐久性DLCの設計指針を明らかにした。

 今後、さらにMASAMUNE-IMRを活用して、DLCへの異種元素の添加効果などを明らかにすることで、さらに耐久性の高いDLCの設計を実現し、高耐久性DLCの実用化につなげていく。

スーパーコンピュータ「MASAMUNE-IMR」

 

admin 2020年1月8日 (水曜日)
admin

JFEスチール、高焼入れ性と高圧縮性を兼ね備えた粉末冶金用途向け鉄粉

4年 10ヶ月 ago
JFEスチール、高焼入れ性と高圧縮性を兼ね備えた粉末冶金用途向け鉄粉

 JFEスチールは、メッシュベルト炉で焼結した状態のままで引張強さが800MPa級を示す粉末冶金用途向けのニッケル(Ni)フリー合金鋼粉「FM800」を開発した。

 従来、焼結部品にはNiが4%、銅(Cu)が1.5%、モリブデン(Mo)が0.5%含まれる合金鋼粉を、メッシュベルト炉で焼結した材料が広く使われていたが、焼結後に硬度差が大きくなり被削性が悪化し加工費が増加する上、Niの市況影響を受けやすいという課題があった。

 それに対応するため同社では、メッシュベルト炉で焼結した状態のままで引張強さが600MPa級を示す「FM600」、浸炭焼入れ後の引張強さが1000MPa級を示す「FM1000」、「FM1000」にさらに靭性を兼ね備えた「FM1000S」、高温焼結後に熱処理をすることで引張強さを1300MPa級まで高めることができる「FM1300」といった、多彩なラインナップを持つNiフリー合金鋼粉「FMシリーズ」を開発・販売してきた。

 一方で、800MPa級の引張強さが要求される部品にNiフリー合金鋼粉を使う場合、浸炭焼入れが必要になってしまうことから、顧客のコスト削減により寄与すべく、さらなる商品開発に取り組んできた。

 そこで、同社はCuを3%、Moを1.3%予合金添加した合金鋼粉「FM800」を開発し、メッシュベルト炉で焼結した状態のままで引張強さが800MPa級を超える高強度を出すことに成功した。また、一般的に合金元素の予合金添加によって、粉末の圧縮性は低下するが、製造プロセスを制御することにより高い圧縮性を兼ね備えさせることに成功した。今後自動車部品、建機部品への適用を目指す。

FM800の焼結後ミクロ組織

 

admin 2020年1月6日 (月曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2019年12月号「特集:DLCコーティングの現状と周辺技術」12/25に発行

4年 10ヶ月 ago
メカニカル・サーフェス・テック2019年12月号「特集:DLCコーティングの現状と周辺技術」12/25に発行

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2019年12月号「特集:DLCコーティングの現状と周辺技術」が当社より12月25日に発行された。

 今回の特集では、ディーゼル燃料インジェクターと尿素インジェクターにおけるDLCの適用について、DLCのバイオマテリアル応用に向けた生体適合性・抗菌活性効果の実験と今後の展望について、産業技術総合研究所と全国の公設試験研究機関が実施したDLC膜の摩擦摩耗特性の統計的評価について、パイロットスケールの摩擦摩耗試験機を用いて行った各種硬質薄膜の試験結果について、成膜技術と脱膜技術の概要と両技術を用いて行った超硬ホブカッタ再生の具体的事例について紹介する。

特集:DLCコーティングの現状と周辺技術

◇自動車の環境負荷低減に寄与するDLCコーティング・・・デンソー 越智 文夫
◇DLCのバイオマテリアルへの応用・・・東京電機大学 平栗 健二、小野寺 修、齋藤 一拓
◇産総研・公設試におけるDLC膜の摩擦摩耗特性の統計的評価・・・奈良県産業振興総合センター 三木 靖浩、東京都立産業技術研究センター 川口 雅弘
◇HEFトライボメータによる各種硬質薄膜のリング・オン・ブロック試験・・・ナノコート・ティーエス 熊谷 泰、坂下 武雄、岩﨑 嵩、川本 秀士
◇DLCコーティングの成膜・脱膜による再生技術および超硬工具脱膜技術の応用事例・・・新明和工業 根波 将哉、須田 充顕

連載

注目技術:セラミックスからプラスチック・ゴムなど多様な材料に対応するta-C技術・・・ナノフィルムテクノロジーズ
トップインタビュー・・・ジュリアン グリモ 氏(HEF DURFERRIT JAPAN)
Dr.クマガイののんび~り地球紀行 第7回 東欧ー編・・・不二WPC 熊谷 正夫

トピックス

日本MID協会、第17回定例講演会を開催
エンハンストマテリアル、大型チャンバーの高生産性PVD成膜システムを追加
東京モーターショー2019が開催、各種モビリティに対応する表面改質技術が多数展示
表面改質展2019・VACUUM2019真空展が開催

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admin 2019年12月25日 (水曜日)
admin

高機能トライボ表面プロセス部会、第15回例会を開催

4年 11ヶ月 ago
高機能トライボ表面プロセス部会、第15回例会を開催

 表面技術協会 高機能トライボ表面プロセス部会(代表幹事:岐阜大学 上坂裕之氏)とドライコーティング研究会(事務局:近畿高エネルギー加工技術研究所(AMPI))は12月16日、名古屋大学で、「高機能トライボ表面プロセス部会 第15回例会」を開催した。

第15回例会のもよう

 

 高機能トライボ部会は、自動車の低燃費化・高性能化などへの高機能トライボ表面の寄与が増してきていることを背景に、自動車関連・コーティング関連企業や、大学・研究機関などが参加しての分野横断的な議論を通じ、低摩擦/高摩擦、耐摩耗性などに優れた高機能トライボ表面のためのプロセス革新に向けた検討を行う場として、2014年に設立された。

 当日は上坂 代表幹事が「本部会は、高機能トライボ表面やそれを創成するためのプロセス革新に向けた議論の場として例会を開催しているが、今回は、日本トライボロジー学会や日本機械学会などのトライボロジー研究者に限定せず、応用物理学会などで活躍している第一線の講師の方々に、炭素材料の新しい構造制御法や活用法、分析法などを紹介していただく。いずれもトライボロジー応用に向けた共通の議論ができるものと考えている」と挨拶し、以下のとおり講演がなされた。

上坂 氏

 

「粒子制御型プラズマCVDによるカーボンナノ構造体の合成と構造・物性制御」近藤博基氏(名古屋大学)…H2/CH4プラズマ中の内部パラメータ計測により、PECVD法におけるアモルファスカーボン膜の成膜メカニズムを明らかにした。粒子計測に基づいた成膜機構および物性発現機構の理解と、それに基づく制御が可能とした。また、ラジカル・イオンの定量計測に基づくカーボンナノウォール(CNWs)の成長機構の解明と、Ptナノ微粒子担持CNWsの燃料電池応用やCNWs足場上での細胞培養における電界刺激重畳の効果など、新しいナノバイオ応用の開拓について紹介。活性種(ラジカル・イオン)の定量制御によるCNWsの精密制御合成と、ユニークなCNWs応用の実現が可能とした。

近藤 氏

 

「プラズマCVDで作製したナノ粒子によるa-C:H薄膜の物性制御」古閑一憲 氏(九州大学)…マルチホロー放電プラズマCVD法を用いて、a-C:H薄膜の中間層として連続的にカーボンナノ粒子の層を生成することに成功。ナノ粒子のサイズはホロー放電において飛行時間によって制御されること、カーボンナノ粒子の積層を制御するキーはガスフローtp基板のバイアス電圧であることを報告。a-C:H薄膜にナノ粒子の層を加えることで応力が緩和されるなど構造を制御できると結言した。ナノ粒子の複合膜の特性を制御するメカニズムを議論する上で、ナノ粒子の積層を制御することは有望とした。

古閑 氏

 

「炭素材料の更なる展開を目指して~機能性炭素材料コンポジット厚膜の合成とDLC膜への面分析の導入~」赤坂大樹 氏(東京工業大学)…金属等の塑性性粒子と機能性粒子の混合粉体から、コールドスプレー(CS)法で機能性粒子を含む複合材料膜を形成するという研究目的のもと、Cu-DLC複合材料膜の摺動試験を行い、その際に生じる炭素の結合状態の変化を、NEXAFS/X-PEEMにより評価した。その結果、SUJ2ボールとの摺動により、Cu-DLC複合材料膜中の炭素の均一な結合状態は、局所的に変化していることが分かった。また、各摺動回数の増加に伴い、分布も変化し、特に摺動痕の中央部ではsp2がやや少ない傾向が示された。

赤坂 氏

 

 講演終了後は、同部会会員企業のテクノポート 吉田秀樹 氏より、同社の取り扱う超高真空摩擦試験装置やHiPIMS電源の紹介がなされた。

吉田 氏

 

kat 2019年12月19日 (木曜日)
kat

DLCの医療応用を目指し「日本医用DLC研究会」設立

4年 11ヶ月 ago
DLCの医療応用を目指し「日本医用DLC研究会」設立

 DLC(Diamond-like-carbon)コーティングの基礎医学・臨床医学への応用を目指す研究者の情報交換の場として「日本医用DLC研究会」(Japanese Association for DLC Medical Application:JADM、 https://www.dlc-med.org/ )が8月に設立、初代理事長に岡山理科大学 フロンティア理工学研究所の中谷達行教授が就任した。

 同研究会は、DLCコーティングの基礎医学・臨床医学への応用を目的とした研究を行っている研究者間の情報交換の機会を提供し、DLCの医療応用研究の発展に寄与することを目的としている。DLCの医療応用はこれまで工学領域の研究者が主体で研究してきたが、医学との連携が充分であったとは言えない状況だった。また、医療応用を目的とした医師主導の研究はまだ黎明期の段階であり、医療応用についての知見を交換する場なども少ない。新たに設立された同研究会は医用DLCに関連する諸問題を研究するとともに、基礎医学・臨床医学への応用を目指す研究者の情報交換の場を作ることで、DLCの医療応用に関する理解を深め、研究の発展に寄与していくことを目指す。

 中谷理事長は「DLCの医療イノベーションへの貢献は学際領域から生まれる。今回設立された日本医用DLC研究会がDLC研究の先生と若手医師・研究者との情報交換の場となり、DLCの医療応用が加速することを願っている」と述べている。


 現在、DLCの医療機器への応用については、DLC 膜の生体親和性、化学的安定性、金属イオンバリア性などの特徴が活用されている。成膜には、プラズマCVD法、イオン化蒸着法、陰極真空アーク法などが用いられ、冠動脈ステント、カテーテル、人工歯根、人工股関節、人工血管などへの応用が進められている。そのうち、冠動脈DLCステントは、純国産の医療用DLCとして商品化もされている。

日本医用DLC研究会 発起世話人会の有志会合のもよう(下段中央が中谷理事長)

 

admin 2019年12月19日 (木曜日)
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