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日本トライボロジー学会、2019年度学会賞を発表

5年 2ヶ月 ago
日本トライボロジー学会、2019年度学会賞を発表

 日本トライボロジー学会(JAST)はこのほど、「2019年度日本トライボロジー学会賞」の受賞者を発表した。表面改質関連では、以下などが受賞した。

論文賞

In Situ Raman Observation of the Graphitization Process of Tetrahedral Amorphous Carbon Diamond-Like Carbon under Boundary Lubrication in Poly-Alpha-Olefin with an Organic Friction Modifier」大久保 光氏(東京理科大学)、田所千治氏(埼玉大学)、平田祐樹氏(東京工業大学)、佐々木信也氏(東京理科大学)

 近年、厳しい摺動環境に晒される自動車用エンジン部品の低摩擦化表面改質技術として、鋼材よりも大幅に硬く、無潤滑下で固体潤滑剤並みの低摩擦特性を持つダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜の適用が急速に拡大している。その一方で潤滑油中におけるDLC膜の潤滑メカニズムについては未だ不明瞭な部分が多く、DLC膜に対する潤滑油の潤滑メカニズムを解明するには摩擦界面におけるDLC膜の構造や表面に形成される反応生成物の経時変化を摩擦挙動とともに正確にとらえる必要があることから、研究グループでは開発したDLC膜や潤滑剤の構造解析に有効なラマン分光分析と摩擦試験機とを組み合わせたマイクロラマン分光in-situ摩擦試験機を用いて、境界潤滑下におけるDLC膜の摩擦・摩耗挙動に及ぼす有機系摩擦調整剤の影響について調べた。

 in-situ摩擦試験機では摩擦面のラマン分光分析を摩擦係数の時間変化とともに測定できる。なお、DLC膜の構造変化はラマン波形の構造指標値(ID/IG)より求めた。その結果、有機系摩擦調整剤の添加はDLC膜の摩擦による膜構造の変化を抑制することを明らかにした。この原因については、摩擦力と関係する摩擦面の閃光温度とDLC膜の構造変化開始温度との関係から考察を行い、摩擦調整剤添加油の場合は摩擦面の閃光温度がDLC膜の構造変化開始温度に至らなかったため、構造変化の進行が抑制されたものと結論した。なお、潤滑油の組成にかかわらずID/IGとDLC膜の摩耗量の間には線型的な相関関係が確認された。

 以上のことから、境界潤滑下におけるDLC膜の摩耗は、DLC表層のsp2構造の増加に伴う膜の軟質化が原因となって起こり、有機系摩擦調整剤の添加は構造変化を抑制することで摩擦低減効果を発揮するものと結論した。

マイクロラマン分光in-situ摩擦試験機(写真提供:東京理科大学 佐々木研究室)

 

論文賞

「ベース油中CNxの摩擦界面その場反射分光分析による摩擦メカニズムの解明」岡本竜也氏・梅原徳次氏・村島基之氏(名古屋大学)、斉藤浩二氏・眞鍋和幹氏・林 圭二氏(トヨタ自動車)

 CNx膜の低摩擦発現メカニズムの解明を目的に、研究グループでは、ベース油中でのサファイア半球とCNxとの摩擦時において、摩擦界面その場反射分光分析を用いて、CNx膜の表面粗さ、油膜とCNx膜の構造変化層のそれぞれの厚さおよび体積分極率を測定し、それらの摩擦係数に与える影響を明らかにし、得られた結果から、CNx膜の低摩擦発現メカニズムを検討した。具体的には、光学モデルとして雰囲気層にサファイア、その下に油膜、表面粗さ層、構造変化層、基板層にCNx膜として、得られた反射光スペクトルにフィッティングすることで、それぞれの層の膜厚、屈折率、消衰係数および表面粗さを算出し、さらにその値から構造変化層と油の体積分極率を推定した。

 その結果、両面の粗さの減少と油膜厚さの増加から、摩擦初期に摩擦係数が急激に減少した原因として、境界潤滑領域の荷重分担比が減少したことが定量的に示唆された。また、構造変化層および油膜の体積分極率の増加により、油膜分子が構造変化層の極表面に吸着し、薄い吸着分子膜が形成されることで境界潤滑領域部分の摩擦係数が減少したことが、摩擦繰返しによる低摩擦発現の一つの要因であることが示唆された。

 以上のように本研究では、摩擦界面その場反射分光観察が、表面粗さの減少に伴う潤滑形態の遷移や、構造変化層の生成に伴う体積分極率の変化をin-situでとらえ、摩擦係数に及ぼすそれらの影響を解明することが可能な重要なツールであることを明らかにした。今後、同ツールが摩擦界面における現象解明のために汎用的に活用されることが期待されている。

摩擦界面その場評価ピンオンディスク摩擦試験機

 

kat 2020年4月22日 (水曜日)
kat

JIMTOF2020が開催中止

5年 2ヶ月 ago
JIMTOF2020が開催中止

 日本工作機械工業会は、12月7日から12日に東京ビッグサイトで開催を予定していた「JIMTOF2020(第30回日本国際工作機械見本市)の開催中止を決定した。

 東京ビッグサイトは、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会においてIBC(国際放送センター)・MPC(メインプレスセンター)として利用されることが決定していたが、このたび、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が来年2021年に開催延期されることに伴い、現在東展示棟で準備中であるIBC(国際放送センター)の利用が延長されることになった。

 これにより、2020年12月7日(月)から12日(土)まで、東京ビッグサイトで開催を予定していたJIMTOF2020(第30回日本国際工作機械見本市)は、展示会場を計画通り確保できなくなったことから、開催を断念し中止せざるをえなくなった。

admin 2020年4月21日 (火曜日)
admin

日本分析機器工業会、機器分析の原理について わかりやすく解説した「分析の原理」を教材等として提供

5年 2ヶ月 ago
日本分析機器工業会、機器分析の原理について わかりやすく解説した「分析の原理」を教材等として提供

 日本分析機器工業会(JAIMA、 https://www.jaima.or.jp/ )は、機器分析の原理について、わかりやすく解説した「分析の原理」について、引用にあたっての条件を明確にし、広く教材などに利用することとした。

 分析機器・装置は、さまざまな市場で広く普及している。装置、操作性の改良、PCとの連携などにより、装置の専門家でなくても容易にデータが取得できるように進化している。一方で、装置の測定原理を理解しないままに使用できるため、最適な状態で使用していない可能性もある。

 このような状況を踏まえ、同工業会では、分析機器の基礎に関する理解を深めてもらうことを目的として、「分析の原理」と題した連載記事を、同工業会オフィシャルページに掲載してきた。

 「分析の原理」には、40種類を超える機器分析についての基本原理に加え、機器の概要、応用例なども紹介されており、JAIMA会員企業だけでなく分析機器に関わる多くの人に閲覧されている。

 今回、新型コロナウィルス感染症拡大により、オンライン講義を取り入れる大学関係者など、より多くの人に、「分析の原理」を教材などに利用してもらうために、引用にあたっての条件を明示し、あらためて紹介することとした。

 利用希望の場合は以下の項目を記載し、E-mailなどで同工業会担当まで連絡(様式は自由)が必要。

引用にあたって連絡する事項

・対象(記事リストから選択)

・引用先(「分析の原理」が掲載される書籍、文書、WEBサイト等)

・目的(教材として、補助的資料として、等)

・引用責任者(所属先、役職等、氏名)

・利用予定期間

 

【本件に関する連絡、お問合せ先】
一般社団法人日本分析機器工業会
担当:小森
TEL:03-3292-0642
FAX:03-3292-7157
E-mail:webmaster@jaima.or.jp

admin 2020年4月21日 (火曜日)
admin

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、4/16、4/21にAFMの基礎と応用をテーマにウェビナーを開催

5年 2ヶ月 ago
ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、4/16、4/21にAFMの基礎と応用をテーマにウェビナーを開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は4月14日13:30~15:10と4月21日13:30~15:20に、「AFMベーシック ウェビナー」を開催する。参加は無料(事前申込み制)で、以下から申込みできる。

・4月16日ウェビナー

 https://register.gotowebinar.com/register/7601950133264197389

・4月21日ウェビナー

 https://register.gotowebinar.com/register/2022201301185026061

 セミナー形式はウェビナー(オンラインによるWEBセミナー)で、参加者は自身のPCによるインターネット経由での聴講となる(別途音声を聞くためのイヤホンもしくはスピーカーが必要)。

 4月 16日は基礎編:13:30~、機械特性:14:30~の2部構成で開催。

 「基礎編~30分で学ぶAFMの構成と基礎知識~」では、原子間力顕微鏡(AFMの基礎やPeak Force Tappingモードの原理について紹介する。AFMを用いたナノスケールの表面形状評価に興味のある人や、古いAFMを活用中で最新の測定モードに興味のある人などに最適。

 「機械特性編」では、AFMによるナノ機械特性測定にフォーカスし、その基礎から応用までを、豊富な測定例をまじえて紹介していく。AFMを用いたナノスケールの表面形状評価・機械特性評価に興味のある人や、材料の構造と物性をナノスケールで理解したい人、古いAFMを活用中で最新の測定モードに興味のある人などに最適。

 4月 21日は応用編 電気特性:13:30~、液中測定:14:30~の2部構成で開催。

 「応用編  電気特性」では、AFMを用いた電気特性モードを紹介。半導体の不良解析、様々な導電性材料の解析、また、近年開発が頻繁に開発されているリチウムイオンバッテリーの解析の測定例などをまじえて、各電気的特性モードについて紹介していく。初めて電気特性モードを使用する人や、どのような電気特性モードがあるのかを知りたい人、最新のマイクロ波顕微鏡に興味のある人などに最適。
                                       
 「液中測定の基礎編」では、システムとプローブセットアップからシステムセッティング(タッピングモード)、測定例(タッピングモード)、システムセッティング(ピークフォースタッピングモード)および測定例といったように、液中測定のための事前準備手順から測定までの流れを説明する。ウェビナー後半では、デモ機を使用した液中測定を実演する。AFMを用いた液中測定に興味のある人や、装置の操作方法について知りたい人などに最適。
 

 

kat 2020年4月14日 (火曜日)
kat

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、5/14にプローブ選定をテーマにウェビナーを開催

5年 2ヶ月 ago
ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、5/14にプローブ選定をテーマにウェビナーを開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は5月14日16:00~17:00にウェビナー「プローブの選び方と最新プローブのご紹介 ウェビナー~もう迷わないプローブ選定のポイントと最新情報について~」を開催する。参加は無料(事前申込み制)で、以下から申込みできる。

https://mbns.bruker.com/acton/form/9063/03f2:d-0004/0/-/-/-/-/index.htm

 セミナー形式はウェビナー(オンラインによるWEBセミナー)で、参加者は自身のPCによるインターネット経由での聴講となる(別途音声を聞くためのイヤホンもしくはスピーカーが必要)。

 本ウェビナーでは、各モードに対する標準プローブと、多数あるプローブラインナップから最適なプローブを選択する方法をわかりやすく説明する。また形状測定だけでなく、機械特性、電気特性測定モードについても紹介する。

 4月から原子間力顕微鏡(AFM)を扱い始めるビギナーから、プローブの種類についての知識や最新情報を得たい人まで、幅広い層を対象としたセミナーとなっている。
 

 

kat 2020年4月14日 (火曜日)
kat

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、4/27にバイオ向けAFMをテーマにウェビナーを開催

5年 2ヶ月 ago
ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、4/27にバイオ向けAFMをテーマにウェビナーを開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は4月27日13:30~14:10にウェビナー「こんなに簡単になったBioAFM ~バイオ向けAFMによる生体試料測定例とその応用展開~」を開催する。参加は無料(事前申込み制)で、以下から申込みできる。

https://register.gotowebinar.com/register/6236308313055517709

 セミナー形式はウェビナー(オンラインによるWEBセミナー)で、参加者は自身のPCによるインターネット経由での聴講となる(別途音声を聞くためのイヤホンもしくはスピーカーが必要)。

 本ウェビナーでは、AFMの原理、AFMを用いてどんなことができるのかなどを、様々な生体試料の測定例とともに紹介する。
 

 

kat 2020年4月14日 (火曜日)
kat

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、4/24に3D粗さ測定技術をテーマにウェビナーを開催

5年 2ヶ月 ago
ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、4/24に3D粗さ測定技術をテーマにウェビナーを開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は4月24日13:30~14:10に「新機能であなたの3D粗さ測定技術が広がる! 3D白色光干渉型顕微鏡ウェビナー」を開催する。参加は無料(事前申込み制)で、以下から申込みできる。

https://register.gotowebinar.com/register/1541713620335590413

 セミナー形式はウェビナー(オンラインによるWEBセミナー)で、参加者は自身のPCによるインターネット経由での聴講となる(別途音声を聞くためのイヤホンもしくはスピーカーが必要)。

 本ウェビナーでは以下のとおり、3次元白色光干渉型顕微鏡の実務に役立つ機能を紹介する。
・スロープ機能の測定実力
・垂直・水平分解能の測定実力
・膜厚特性評価

 

kat 2020年4月14日 (火曜日)
kat

新東工業、4年連続で「健康経営優良法人」に認定

5年 2ヶ月 ago
新東工業、4年連続で「健康経営優良法人」に認定

  新東工業( https://www.sinto.co.jp/ )は、経済産業省と日本健康会議が共同で実施する健康経営優良法人認定制度の大規模法人部門において、「健康経営優良法人2020(ホワイト500)」に4年連続で認定された。

 健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取り組みや日本健康会議が進める健康増進の取り組みを基に、保険者と連携して特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業などの法人を顕彰する制度として2017年に制定された。なお、認定大規模法人のうち健康経営度調査結果の上位500法人のみが通称「ホワイト500」として認定された。

 

admin 2020年4月7日 (火曜日)
admin

日立金属、金属積層造形事業強化に向けAMソリューションセンターを設立

5年 2ヶ月 ago
日立金属、金属積層造形事業強化に向けAMソリューションセンターを設立

 日立金属( http://www.hitachi-metals.co.jp/ )は、金属積層造形(金属3Dプリンタ)事業の強化に向け2020年4月1日付で金属材料事業本部に「AMソリューションセンター」(Additive Manufacturing Solution Center)を設立した。金属積層造形だけでなく、粉末射出成形や精密鋳造といった幅広い造形分野を対象に、素材、設計、加工、レシピまで含めたソリューションを提供する。

 同社は、2017年4月に持続的成長と社会貢献に資する中長期の先端材料研究開発テーマを推進することを目的として、新しいコーポレート研究所「グローバル技術革新センター(Global Research & Innovative Technology Center:GRIT(グリット))」を設立した。

 GRITでは、材料技術・製品における脅威と機会の両面を視野に入れた中長期研究テーマに注力し、同社の次世代を担う新事業の創生を推進している。その一例として金属積層造形用の金属粉末の開発や積層造形のレシピ開発に取り組んできた。また、GRIT内に「3Dプリンタ オープンラボ」を開設し、国内外の研究機関や学術機関、民間企業とともにオープンイノベーションを推進してきた。

 AMソリューションセンターでは、GRITや冶金研究所で培ってきた金属積層造形だけでなく、粉末射出成形や精密鋳造といった幅広い造形分野を対象に、素材、設計、加工、レシピまで含めたソリューションを提供する。また、素材や造形の分野において社外パートナーとの協創を推進し、次世代の金属積層造形の技術開発とサービスを提供する。これにより、金型材のように工具等で材料を削って物体を得る従来の除去的加工法だけでなく、金属積層造形のような付加製造法の両面で、販路拡大を目指す。

admin 2020年4月7日 (火曜日)
admin

大同特殊鋼、新工場で高機能ステンレス鋼ピーリング設備を新設

5年 2ヶ月 ago
大同特殊鋼、新工場で高機能ステンレス鋼ピーリング設備を新設

 大同特殊鋼( https://www.daido.co.jp/ )は、愛知県知多市に同社の「知多第2工場」を開所し、一部設備の稼働を開始した。

 同社は、機能材料における競争力の強化策の一つとして高機能ステンレス鋼や高合金などの高付加価値製品の生産能力を増強しており、知多第2工場には、高機能ステンレス鋼の二次加工ラインを新設する。

 今回稼働を開始したのは、高機能ステンレス棒鋼のピーリング設備(皮剥ぎ設備、1ライン、月産能力1000t)。その他、熱処理設備の新設(2020年度中)、ピーリング設備の星崎工場からの移設による増設(2ライン化、同)、超音波探傷機の新設(2021年度)を予定している。一連の生産能力増強により自動車用ステンレス鋼等部品で求められる高い品質と安定した製品の供給にさらに寄与するものと見込んでいる。

 同社は2020年中期経営計画で「構造材料から機能材料へ」とポートフォリオ改革を進めることで利益最大化を目指している。今回のピーリング設備稼働により、ポートフォリオ改革を加速させるとともに、他工場との連携を密にし、業務の効率化を実現させることで、さらなる競争力の向上および事業基盤の一層の強化を図る。

admin 2020年4月7日 (火曜日)
admin

「ハノーバーメッセ プレビュー2020プレスカンファレンス」開催、展示会のトレンドを紹介

5年 3ヶ月 ago
「ハノーバーメッセ プレビュー2020プレスカンファレンス」開催、展示会のトレンドを紹介

 世界最大の産業技術見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)2020」(主催:ドイツメッセ)に関して、2月12日に同国際見本市会場で「Hannover Messe Preview 2020プレスカンファレンス」が開催、世界中から約250人のジャーナリストが出席する中、展示会の概要と見どころが紹介された。

ドイツ・ハノーバー国際見本市会場

 

 なお、ハノーバーメッセ2020については新型コロナウイルス(Covid-19)の感染拡大に伴う世界的な公共機関や経済活動の制約などを背景に、3月27日に主催者のドイツメッセが開催中止を決めたが、以降の情報は、来年4月12日~16日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される「ハノーバーメッセ2021」への継続テーマとして参照いただきたい。

 2月12日に開催されたプレスカンファレンスではまず、主催者であるドイツメッセCEOのJochen Köckler氏が「Overview, trends and topics HANNOVER MESSE 2020」のテーマで講演。デジタル化、個別化、環境保護、人口変動という四つのメガトレンドに対し、①産業用AI、②産業用5G、③製造およびロジスティックスのスマート化、④カーボンニュートラルな生産へのソリューションを示す。産業用AIに関しては、機械やシステムがつながり相互に情報を共有、状態監視やシミュレーションに役立てていく中で、データ活用は生産効率化の原動力としてAIや機械学習の必要条件としてますます重要になると説明。このため展示会では、フレキシブル生産およびB2Bプラットフォームのためのソフトウェア・ソリューションがアマゾン、グーグル、インテル、マイクロソフトなどから提案される。産業用5Gについては、産業のデジタルインテグレーションでは膨大な情報をリアルタイムに伝達しつつ高度なデータセキュリティ保持を実現する5Gが必要不可欠として、5Gネットワークによる産業応用のショーケースが設けられる。製造およびロジスティックスのスマート化では、製造ラインにおいて定時に正確な場所に正確な数量のワークの受け渡しを行う無人搬送車(AGV)の稼働デモンストレーションが行われる。カーボンニュートラルな生産へのソリューションでは、水素・燃料電池の技術や電気自動車のためのインフラ技術が紹介される。
 

Jochen Köckler氏

 

 続いて、ハノーバーメッセ2020パートナーカントリーであるインドネシアを代表して、在独インドネシア共和国大使館 大使のArif Havas Oegroseno氏が、「Partner Country Indonesia」と題して講演。同国における70%という労働人口率の高さやGDP成長率の高さを示したのち、eコマースやフィンテック、eスポーツといったデジタルサービスが同国のインダストリー4.0の原動力となっているとした。同国は、インダストリー4.0の技術の導入とジョイントベンチャーの拡大を通じ、インドネシアの産業を近代化する「Making Indonesia 4.0」を推進しており、優先的に同国の主要産業である食品・飲料、繊維・アパレル、自動車、化学製品、エレクトロニクスといった五つの分野を重点的に強化している。この取組みを加速させるため、投資、技術、キャパシティー・ビルディング(能力の習得・構築)の三方面においてパートナーシップを模索しており、そのため展示会では、①インドネシアのこれまでの成果やインダストリー4.0の進捗度合いの提示、②上記三方面でのパートナーシップへの呼びかけ、③インドネシアのスタートアップ企業の産業向けエコシステムの紹介、④ドイツおよびEUでのインドネシア製品の市場拡大、⑤インドネシアのビジネスにおける協業姿勢などを訴求する考えを示した。
 

Arif Havas Oegroseno氏

 

 さらに、マイクロソフト社 Azure industrial IoT Partner Program ManagerのChristoph Berlin氏が「Intelligent Manufacturing at Scale」と題して講演。デジタル化、デジタルツイン、産業分野向けモノのインターネット(IIoT)におけるコネクテッドインダストリーは、1個流しからのオンデマンド生産を可能にしているが、ネットワークから分離された「データサイロ(data silos)」が多くの企業で保有データの有効活用を難しくさせている。そこで同社ブースでは「Home of Industrial Pioneers」をテーマに、パートナー企業と共同で、幅広い産業分野で製品・サービスの新しい形を実現するためのプラットフォームとサービスを提案する。従来の枠組みを超えた新しいシェアリングエコノミーのためのオープン性、協調性を有するオープン・マニュファクチャリング・プラットフォーム(OMP)を紹介。メーカーとパートナー企業が共通のネットワークによって協働することでデータサイロの問題を解決、生産の最適化を阻害するITシステムの複雑な欠陥を克服できる。オープンな産業標準とデータモデルを用いることで、企業が保有するデータをフル活用でき産業用ITソリューションを迅速・確実に統合できる。また、制限のない分析サービス「Azure Synapse Analytics」を進化。データサイエンティストやディベロッパー、デザイナーがいなくても、個々のデータ解析を実行できるようにしたほか、Azureをベースに開発された産業用機械学習モデルのためのWeidmüller社のソフトウェアを紹介。機械学習分野の専門知識を必要とせずに使用でき、OMPを補完し産業における機械学習を拡張するほか、パートナーシップ・モデルを構築・促進する。
 

Christoph Berlin氏

 

 なお、来年4月12日~16日開催のハノーバーメッセ2021に関する問合せ先は以下のとおり。

■ドイツメッセ日本代表部 担当:竹生(たけお)
〒105-8522 東京都港区芝公園3-1-22  一般社団法人 日本能率協会内
TEL:03-3434-6447 FAX:03-3434-8076
E-Mail:DMS@jma.or.jp

kat 2020年4月3日 (金曜日)
kat

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、4/23にトライボロジー試験をテーマにウェビナーを開催

5年 3ヶ月 ago
ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、4/23にトライボロジー試験をテーマにウェビナーを開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は2020年 4月 23日 14:00~15:00に、ウェビナー「トライボロジーの基礎と評価事例~60分で学ぶ、実務に役立つ摩擦・摩耗の基礎知識と応用事例~」を開催する。参加は無料(事前申込み制)で、以下から申込みできる。

https://mbns.bruker.com/acton/form/9063/03fd:d-0004/0/-/-/-/-/index.htm

 セミナー形式はウェビナー(オンラインによるWEBセミナー)で、参加者は自身のPCによるインターネット経由での聴講となる(別途音声を聞くためのイヤホンもしくはスピーカーが必要)。

 様々な技術分野において摩擦・摩耗・潤滑(トライボロジー)に関わる基礎知識は必要不可欠で、昨今では新しい価値の創造のためのトライボロジーとして、低摩擦下による省エネルギーや耐摩耗性向上による低資源化に向けた研究開発が盛んになってきている。

 本ウェビナーでは以下のとおり、トライボロジーの基礎(評価できる項目など)を実際に研究開発・製造プロセス・品質管理などの現場で用いられている評価事例を交えながら紹介する。

・ トライボロジー基礎 ー 摩擦・摩耗・潤滑の考え方
・ ブルカートライボロジー試験機の紹介 - 新モジュールアップデートなど
・ アプリケーション事例

 本ウェビナーは、トライボロジー試験評価に興味のある人や、どのように日々の業務・研究にトライボロジー試験が活用できるかをイメージしたい人に最適。
 

 

kat 2020年4月3日 (金曜日)
kat

ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、4/14にナノインデンテーション試験をテーマにウェビナーを開催

5年 3ヶ月 ago
ブルカージャパン ナノ表面計測事業部、4/14にナノインデンテーション試験をテーマにウェビナーを開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は2020年 4月 14日 13:30~14:30に、ウェビナー「ナノインデンテーションシステムの基礎と実用的評価事例2020~ナノ機械的特性から微小材料・薄膜の本質に迫る~」を開催する。参加は無料(事前申込み制)で、以下から申込みできる。

https://mbns.bruker.com/acton/form/9063/03fb:d-0005/0/-/-/-/-/index.htm

 セミナー形式はウェビナー(オンラインによるWEBセミナー)で、参加者は自身のPCによるインターネット経由での聴講となる(別途音声を聞くためのイヤホンもしくはスピーカーが必要)。

 ナノインデンテーション試験は様々な材料のナノ・マイクロスケールにおける硬さ・弾性率などを定量的に評価する手法。近年、各種材料の小型化、薄膜化、複合化が進むにつれ、微小構造の機械的特性を把握することが材料特性の発現やメカニズム解明において重要になってきている。

 本ウェビナーでは以下のとおり、ナノインデンテーションシステムを用いた様々なナノスケールの機械的特性評価手法の基礎(評価できる項目など)を実際に研究開発・製造プロセス・品質管理などの現場で用いられている評価事例を交えながら分かりやすく紹介する。

・ ナノスケールの機械的特性評価手法の基礎(ナノインデンテーション・ナノスクラッチ・ナノDMA)

・ ナノスケールの機械的特性評価手法の実用的事例

 本ウェビナーは、ナノスケールの機械的特性評価に興味のある人や、どのように日々の業務・研究にナノインデンテーション試験を活用できるかをイメージしたい人に最適。

Triboindenter TI980

 

kat 2020年4月3日 (金曜日)
kat

5/29、トライボコーティング技術研究会 第1回研究会・総会とトライボコーティングシンポジウムが開催

5年 3ヶ月 ago
5/29、トライボコーティング技術研究会 第1回研究会・総会とトライボコーティングシンポジウムが開催

 トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 理化学研究所 主任研究員)は5月29日 9:50~11:45に、埼玉県和光市の理化学研究所 和光本所(http://www.riken.jp/access/wako-map/) 生物科学研究棟 鈴木梅太郎記念ホールで「令和2年度第1回研究会および総会」ならびに「第22回トライボコーティングの現状と将来シンポジウム̶ナノダイヤモンド応用技術、微細構造コーティング技術、AI援用加飾成形技術̶」を開催する。

 なお、同研究会では、新型コロナウイルスの今後の感染状況などにより開催が延期・変更される場合もある、としている。

 第1回研究会では、10:00-10:45に臨床分析分野で世界初の検査システムの開発に成功した理化学研究所 開拓研究本部 伊藤ナノ医工学研究室 主任研究員 伊藤 嘉浩氏が「マイクロアレイ・バイオチップを用いた検査システム」と題する特別講演を、10:45-11:15には英国PCS Instruments社の国内総代理店を務める島貿易の事業開発推進本部 事業推進部 藤田 浩史 氏が「英国PCS Instruments社製トライボロジー試験機」と題する講演を行う。

 研究会に続いて総会が開催され、令和元年度 活動報告・会計報告がなされ、令和2年度 活動計画が報告される。

 第1回研究会・総会に続いて12:45からは、同会場において「第22回トライボコーティングの現状と将来シンポジウム̶ナノダイヤモンド応用技術、微細構造コーティング技術、AI援用加飾成形技術̶」が開催される。まずは第12回岩木賞贈呈式が執り行われた後、同賞の受賞記念講演が以下のとおり3件行われる。

・13:30~14:20 大賞・事業賞 記念講演 ナノ炭素研究所 大澤映二氏(豊橋技術科学大学名誉教授)「2.6nm爆轟法ナノダイヤモンド分散粒子の生産技術の確立とナノダイヤモンドコロイドの事業化」

・14:20~15:05 特別賞 記念講演 コマツNTC 前花英一氏、東北大学大学院 水谷正義氏・厨川常元氏「微細ラティスコーティング技術の開発」

・15:05~15:50 事業賞 記念講演 IBUKI 松本晋一氏「加飾成形用金型の製造技術ならびにAI援用技術に基づくIOT化事業」

 また、「ATF(Advanced Tribo-Fair)2020 技術展示会」(https://sites.google.com/site/atf2020b/home)が開催され、パネルやサンプル展示、ショートプレゼンテーションによって自社の技術をアピールするとともに、異分野への進出、医工連携、高付加価値な表面創製に向け共創していく。投票によって優秀な技術展示に対して「技術展示賞」が選ばれ、同日17:30から開催される「岩木賞記念パーティー・技術交流会」の場で贈呈される。

 技術展示・記念パーティーの司会は、技術を科学する「テクニストガール」こと、声優の明里 瞳さんが務める。

明里 瞳さん

 

 同研究会会員の出欠は5月22日(金)までに下記E-mail宛てに連絡を、また、非会員で講演に参加を希望する方は下記まで問い合わせをしていただきたい。

理化学研究所 大森素形材工学研究室内
トライボコーティング技術研究会 事務局 E-mail:tribo@tribocoati.st

kat 2020年3月27日 (金曜日)
kat

日本テクノセンター、5/21に「熱処理技術の基礎と効率的なトラブル対策と未然防止および実例」を開催

5年 3ヶ月 ago
日本テクノセンター、5/21に「熱処理技術の基礎と効率的なトラブル対策と未然防止および実例」を開催

 日本テクノセンター( https://www.j-techno.co.jp/ )は5月21日、東京都新宿区の同社研修室で、熱処理技術の基礎とトラブル対策技術を修得し、機械部品の耐摩耗性、耐疲労特性、強靭性の向上に活かすためのセミナー「熱処理技術の基礎と効率的なトラブル対策と未然防止および実例」を開催する。講師は第一部が河田一喜氏(オリエンタルエンヂニアリング 代表取締役社長)、第二部は武本慎一氏(DOWAサーモテック 技術管理部 部長)、第三部は三阪佳孝氏(高周波熱錬 研究開発本部 取締役 本部長)、第四部は川嵜一博氏(応用科学研究所 理事・研究員)が務める。料金は49500円、同時複数申し込みの場合が44000円。

 セミナーの概要は以下のとおり。

第一部:窒化の基礎とトラブル事例と対策
 窒化・軟窒化についての基礎的内容、処理特性、方式種類について解説する。また、酸窒化、浸硫窒化についてもその原理、方式種類、処理特性について紹介する。さらに、各種センサを使っての窒化、軟窒化の雰囲気制御について原理、応用について紹介する。最後に、窒化のトラブル事例と対策について紹介する。

第二部:浸炭焼入れの基礎とトラブル事例 その傾向と対策
 鋼材料の基礎、熱処理技術の基礎を学ぶとともに実際の浸炭焼入工程で経験する具体的なトラブル事例とその問題解決へのアプローチを通して効率的な事後対策の方法と未然防止に役立つポイントを紹介する。

第三部:高周波熱処理の基礎とトラブル事例と対策
 熱処理条件、部品の形状、素材の生まれ等が原因で変形や焼割れ等の品質トラブルが発生するなどの高周波熱処理時の品質問題について、その発生メカニズム、要因解析例および具体的対策実例を報告する。

第四部:熱処理技術の最近の話題
 主に「熱処理技術(学会・協会・業界)の最近の情報」から注目される話題、また今後注目すべき話題について、熱処理技術要素の傾向分析も併せて述べる。

 セミナーの詳細・申し込みはこちらから。

 

admin 2020年3月27日 (金曜日)
admin

HEFグループ、PEMFCバイポーラプレート用PVDコーティングを披露

5年 3ヶ月 ago
HEFグループ、PEMFCバイポーラプレート用PVDコーティングを披露

 「第16回 国際水素・燃料電池展FC EXPO 2020」が2月26日~28日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。水素・燃料電池の研究開発、製造に必要なあらゆる技術、部品・材料、装置、および燃料電池システムが出展される中、HEF DURFERRIT JAPAN、ナノコート・ティーエス、TS群馬、TS TUFFTRIDEの4社はHEFグループとして出展。今回は特に、固体高分子形燃料電池(PEMFC)のバイポーラプレート用に開発した、導電性、耐食性、密着性に優れた最新のPVD(物理蒸着)コーティングを披露した。
 

HEFグループのブース

 

 PEMFCは発電源であるセルを直列に重ねた構造で、セルとセルを仕切るセパレータは、表裏両面をそれぞれ流れる水素ガスと酸素ガスを完全に遮断して各々のガスの流れを制御するとともに、発生した電気を効率良く伝える役割を担う。水素ガス通過面(アノード側)、酸素ガス通過面(カソード側)および化学反応の結果生じる発熱を抑えるための冷却水流路と一体化したセパレータは「バイポーラ(両極型)プレート」と呼ばれ、バイポーラプレートの基材には、機械的物性、高い電気伝導性、高いガス遮断性といったセパレータに要求される性能を満たすアルミニウムやチタニウム、ニッケル、ステンレス鋼等の合金が用いられるが、金属表面で発生する電気化学的な腐食への対処が必要になる。この腐食問題を解決するアプローチとしては、バイポーラプレート表面を導電性、耐食性に優れたコーティングで被覆する手法がある。

 これに対しHEFグループでは、ステンレス、チタン、アルミニウムといったバイポーラプレートの基材を問わず、高い耐食性(陽極:1μA/cm2未満・アクティブピークなし、陰極:1μA/cm2未満)・導電性(100S/cm以上)と低い接触抵抗値(0.01Ω.cm未満)を持つバイポーラプレート向けコーティング(コーティング成分:Au、C、Cr)を開発している。
 

PEMFCバイポーラプレート用PVDコーティング

 

 成膜面を最適な状態にする自動洗浄ラインから、最大の生産効率を実現する専用治具、生産性を最大化する最先端の成膜装置、確かな品質保証とトレーサビリティーを実現する自動カメラ検査装置といったすべての専用生産設備は、フランスで設計・開発・製造され、日本で受託加工を行う際にはナノコート・ティーエスに設置される。
 

生産設備:左から自動洗浄ライン、専用治具、成膜装置、自動カメラ検査装置

 

 PEMFCバイポーラプレート用PVDコーティングはいずれも、2020年米国エネルギー省(DOE)技術仕様(IA(アノード電流)/ピーク、IC(カソード電流)/ピーク、ICR(界面接触抵抗))をクリア。システム出力や活動領域、活動地域に応じてすでに検証済みの種々のソリューションを提供できるほか、HEFの研究開発センターのサポートのもとでユーザーに最適な新しいコーティングを共同開発できることをアピールした。

kat 2020年3月17日 (火曜日)
kat

京セラ、MPCポリマーコーティングが科学技術と経済の会 会長賞

5年 3ヶ月 ago
京セラ、MPCポリマーコーティングが科学技術と経済の会 会長賞

 京セラ( https://www.kyocera.co.jp/ )は、東京大学と共同開発した人工股関節の長寿命化が期待される表面処理技術「Aquala」(アクアラ)の開発と実用化について、科学技術と経済の会(JATES)が主催する「第8回技術経営・イノベーション大賞」において、「科学技術と経済の会 会長賞」を受賞したと発表した。大賞は、日本経済の活性化のために、世の中を変革する優れたイノベーション事例を表彰し、そのプロセスを産業人が学ぶことによって、日本におけるイノベーションの推進を図ろうとするもので、2012年度より毎年、表彰が行われている。

左から、茂呂 徹氏(東京大学)、石原一彦氏(東京大学)、吉田 真氏(京セラ)、遠藤信博氏(科学技術と経済の会)

 今回の受賞は、ポリマーの親水性改質の発見から医工連携による研究開発、産業界への技術移転へと進められたイノベーションの優れた事例であり、イノベーションによって関節骨盤の病に苦しむ患者の負担が大きく軽減されることにつながり、これからの超高齢社会への課題解決を果たしたとして高く評価されたことによるもの。


 「Aquala」は、変形性股関節症などの疾患や骨折などによって機能を失った関節部分を置き換えるための人工股関節を構成する製品(寛骨臼ライナー)に用いる表面処理技術。本技術は、人体の細胞や組織との馴染みの良い生体親和性ポリマー(MPCポリマー)を使用し、関節軟骨と類似の表面構造にする同社独自のコーティング技術。Aqualaを用いることによって、これまで人工股関節置換手術の課題とされていた人工股関節のゆるみや周囲の過剰な免疫反応を抑制し、生体内における人工股関節の耐用年数の延伸が期待できる。本技術を採用した人工股関節は、2011年4月28日に厚生労働省より製造販売承認を取得し、これまでに国内で6万例を超える手術に使用されている。

 同社は、2001年より東京大学と共同で、関節面からの摩耗粉の発生を抑制し、人工股関節のゆるみなどの合併症が起きにくい長寿命型の人工股関節の開発を開始した。人工股関節の関節面を生体親和性ポリマーでnm単位で表面処理することにより、生体関節軟骨表面の構造や機能を模倣するというバイオミメティック(生体模倣)技術を創出し、合併症の原因となる「摩耗粉の発生」と「摩耗粉に対する過剰な生体免疫反応」を同時に抑制することに成功した。歩行運動において、股関節は体重の数倍におよぶ負荷を受けるが、本技術を用いた人工股関節は15年分以上に相当する模擬歩行負荷試験において、摩耗粉の発生が従来の一般製品と比べて約99%低減されることが確認されている。また、継続研究では、生体の70年分以上に相当する長期間の試験後も安定して摩耗耐久性を維持するという結果も得られているという。

 

admin 2020年3月12日 (木曜日)
admin

第44回:テクニスト技術研究会が開催

5年 3ヶ月 ago
第44回:テクニスト技術研究会が開催

 技能継承支援機構が主宰運営するテクニスト技術研究会は3月5日、東京都板橋区のMIC-2(板橋区立研究開発連携センター第二ビル)で、「第44回:テクニスト研究会」を開催した。
 

開催のようす

 

 技能継承支援機構は、我が国の国力の維持・充実、国際競争力の強化、持続的な発展を確固たるものにする上で不可欠な、ものづくり技術・技能の継承の支援を様々な側面から行う活動の中核的役割を果たしている。今回開催されたのは、技能継承方法のサイエンスを目指す意味から、「テクニシャン」と「サイエンティスト」を融合させた造語「テクニスト(TECHNIST)」を冠した研究会で、11年目を迎える。

 当日はまず大森 整・技能継承支援機構長(理化学研究所主任研究員)が開会の挨拶に立ち、「本技術研究会は、NEDOのプロジェクトとして、技能継承方法を科学的・システマティックに進めるテーマで、産業技術総合研究所(産総研)との共同研究を始めたことに由来する。職人の持つものづくりの技を可視化し、若い人がその工程指示書に倣うことで早期に同等の技術・技能を実現できるように、“技術・技能の継承・共有化ツール(加工テンプレート)”を開発した。プロジェクトにおけるそうした成果の普及を目的に技能継承支援機構が発足。情報発信型のサポートとして本機構が主宰運営する本技術研究会は、特に継承が難しい技能の見える化、難加工・複雑形状の研削・研磨・切削工程、特殊表面処理工程および成形工程に関わる加工技術などに焦点を当てて話題提供を行う研究会を、年4回開催している。そのほか、産総研側からの話題提供として1月に技能継承フォーラムを実施している。近年では3Dプリンティングやインプラントなどの先端的な医療分野など、トピックスが広がってきている。本日は二人の講師から脳科学、トライボロジーの各テーマで講演をいただく。いずれも非常に難しい問題を包含した異分野と言えるが、こうした新しい分野とのコラボによってものづくり技術が進化し、またその技術・技能の継承の手法確立が一層進むことを期待している」と述べた。
 

挨拶する大森氏

 

 続いて、以下のとおり講演がなされ、それぞれ活発な質疑応答がなされた。

・「三つ子の魂は百まで?脳科学で理解することわざの意味」下郡智美氏(理化学研究所脳神経科学研究センター)…神経回路の基本的な仕組みとしては、軸索(アクソン)が伸びて軸索末端のシナプスが棒状突起(デンドライト)とつながることで情報伝達が行われる。子供の脳はやわらかく、最適な回路を作るためにつなぎ変えが起こるが、このつなぎ変えは大人ではあまり起こらない。経験によって神経細胞の活動が変化するが、どこからの入力が活動を変化させるのかを明らかにするため、神経接続を可視化する技術を開発した。また、神経活動が変わると樹状突起の形が変わるが、特定の神経細胞の形を変える分子の同定に成功した。経験によって影響を受ける神経回路は異なり、分子メカニズムも異なる。そこで脳の中で発現している遺伝子を網羅的に調べておいて、そのカタログを世界中で利用してもらうべく、コモンマーモセットの遺伝子発現カタログを世界で初めてネットで公開している。
 

講演する下郡氏

 

・「血液中における超低摩擦実現のための摺動面設計」神田航希氏(東北大学大学院工学研究科)…体内植込み型連続形式遠心ポンプ左心補助人工心臓では、遠心ポンプが羽根車をモータにより回転駆動させ、発生する遠心力によって血液を左室心尖部より吸引し人工血管を介して上行大動脈へ駆出する。回転軸の血液のシールには滅菌水が循環してシール部を冷却するシステムのメカニカルシールが用いられ、シール摺動面となる二面にはセラミックスが用いられ、摺動面における摩擦制御が機器の性能向上のための鍵を握る。シール流体である血液に含まれる血漿タンパク質は摺動面に吸着し、その状態によって摩擦を増加・低減しうる。そこで、摺動面における表面処理により血漿タンパク質を理想的な状態で吸着させ、血液中において非常に低く安定した摩擦を得ることに成功した。

 

講演する神田氏

 

 講演に続いて、MIC-2内にある理化学研究所大森素形材工学研究室板橋分室の施設見学会が行われ、ナノファブリケーションからバイオファブリケーションに関わる新開発の各種設備が披露された。

 新開発の「ツインノズル式バイオプリンター」を披露。細胞の足場となるスキャホールドと細胞のパターニングを繰り返し、スキャホールドと細胞を多層積み上げることによって三次元構造を有する細胞組織の作製試験を行う装置である。現モデルは2ノズルを搭載しているが、4ノズルまで搭載・制御できる。
 

ツインノズル式バイオプリンター

 

 また、オンデマンド加工システム(通称、ピコマックス)に新開発のAI機能搭載型加工条件適正化システム「サイバーマイスターシステム」を付加して、加工デモンストレーションを実施した。加工時のトルクならびに回転数をセンシング、トルクが増えた際には加工速度を自動的に落とすが、速度を落としても消費電力が下がらない場合には、切込み量を自動で小さくする。こうして、ある工具を用いてある材料を加工する際の最適パラメータを機械学習し、次回からは同じ材料と工具の組み合わせの加工においては設定不要で、最適パラメータでの高品位加工が実現できる。
 

新開発のAI機能搭載型加工条件適正化システム「サイバーマイスターシステム」を付加したオンデマンド加工システム


 

kat 2020年3月11日 (水曜日)
kat

表面技術協会、第71回通常総会および各賞授与式を開催

5年 4ヶ月 ago
表面技術協会、第71回通常総会および各賞授与式を開催

 表面技術協会( http://www.sfj.or.jp/ )は2月28日、東京都千代田区の弘済会館で「第71回通常総会および各賞授与式」を開催した。

 当日は第70期事業報告、会計報告が行われた後、第71期事業計画・収支予算について審議、満場一致で可決された。事業報告では、第139回講演大会および第140回講演大会で合計発表件数326件、登録参加者が897名であったこと、セミナーとして「表面処理基礎講座」のほか、「めっきプロセスの基礎と評価実習」、「ドライプロセスの基礎と薄膜作製」などを開催し、参加者合計が303名であったことなどを報告した。事業計画では、9月に名古屋大学で開催されるINTERFINISH 2020の開催準備・運営や、ISO規格検討専門委員会においてISO/TC107からの提案事項の審議を行うことなどを確認した。

 任期満了に伴う役員改選では、今期より会長に光田好孝氏(東京大学 生産技術研究所 教授)、副会長に本間敬之氏(早稲田大学 先進理工学部 教授)、大塚邦顯氏(奥野製薬工業 常務取締役)が新たに選任された。野田和彦氏(芝浦工業大学 工学部 教授)と森賀俊典氏(東洋鋼鈑 取締役専務執行役員)は前期に引き続いて副会長を務める。

  理事を代表して挨拶に立った光田会長は「6年前に副会長の任を終えて以来、今回は会長として当協会のために尽力することとなった。個人的なことを申し上げさせていただくと、私が東京大学に任官したのが平成3年で、その時に採用していただいた元会長の増子昇先生が色々な学会の会長をしていたこともあり、平成4年頃に“何か一つくらい手伝え”と促されて、紹介者名に増子昇と書かれた申込書にその場で記入をしたのが当協会との縁の始まりだ。皆様ご存知のように、急なことだったが昨年増子先生が84歳で亡くなられた。そのため、“増子先生に言われた仕事をしっかりと引き継いでいますよ”と報告できなかったのが残念だ。また協会の運営としては、今年は東日本大震災、北海道胆振東部地震に続いて、新型コロナウイルス感染症による影響で3回目の講演大会中止となった。今後どうなるか分からないが、秋の講演大会は開催できる状態になって、皆様と楽しく学術的・技術的議論ができる場になれば良いと思っている」と述べた。

挨拶をする光田会長

 当日の席上では、「令和2年度 表面技術協会 各賞授与式」が行われ、森河 務氏(オテック 技術顧問、元大阪府立産業技術総合研究所)が業績「誘起共析型合金めっきの開発とその実用化に関する研究」で協会賞を受賞した。森河氏は、炭素、リン、窒素の非金属およびWやMoの高融点金属を誘起共析させた合金めっきの作製および液の安定化に関して多くの業績をあげた。特に、Cr-C合金めっきに関する一連の研究では、めっき膜の機械的性質や熱処理による構造変化を明らかにするとともに炭素のクロムめっき皮膜への共析機構を明らかとし、湿式法では世界最高の硬度を有するCr-C合金めっき膜の実用化の緒を提供した。また、Ni、Feの誘起共析型の合金めっきとして、P、W、Moの析出挙動を明らかにするとともに、液の安定化策として犠牲陽極分解剤の利用、イオン交換膜システムのめっきプロセスへの導入を検討し、連続めっきに不可欠な膜質の安定化を達成するなどの成果を上げた。加えて、めっき皮膜の評価や析出機構の解析、めっき液のリサイクルやプロセスのクローズド化に積極的に取り組むなど、表面技術への貢献は顕著であった。

表彰される森河氏

 論文賞では、久保田賢治氏(三菱マテリアル)ら5名が「AFM,QCM-Dおよびエリプソメトリーを用いた銅めっき添加剤吸着状態の解析」で受賞。本論文は、銅めっき添加剤、特に抑制剤として用いられている水溶性高分子および界面活性剤を対象として電気化学エネルギー散逸測定機能付き水晶振動子微小天秤法(E-QCM-D)、エリプソトリ-および原子間顕微鏡(AFM)を併用し、界面活性剤および水溶性高分子の金属表面における吸着状態解析を実施したものである。めっき添加剤の吸着状況解析は、現象論から理論に結びつける重要な項目であり、これらの方法で得られた結果を複合的に添加剤の吸着構造を解析することにより、吸着量だけでなく吸着膜の構造、吸着膜の緻密さ、水和水の含有量、吸着速度に関する知見を得て、これらのパラメータが電析抑制作用に深く関与することが示唆された。本論文で用いた分析手法が添加剤作用の解明に有用であることを示し、効率的なめっき添加剤の開発につながるものと期待される。

表彰される久保田氏(左)と酒井氏(右)

 受賞者、業績などの一覧は以下のとおり。

協会賞

・森河 務氏(オテック 技術顧問、元大阪府立産業技術総合研究所)
業績「誘起共析型合金めっきの開発とその実用化に関する研究」

功績賞

・内山休男氏(長崎大学 名誉教授)
・亀山哲也氏(産業技術総合研究所 名誉リサーチャー)

論文賞

・久保田賢治氏(三菱マテリアル)、樽谷圭栄氏(同)、中矢清隆氏(同)、酒井健一氏(東京理科大学 理工学部 先端化学科 准教授)、酒井秀樹氏(同 教授)
題目「AFM,QCM-Dおよびエリプソメトリーを用いた銅めっき添加剤吸着状態の解析」
(表面技術 第69巻 第11号 521~526頁)

技術賞

該当なし

進歩賞

・山本貴代氏(京都市産業技術研究所 主席研究員)
業績「インバー型Fe-Ni合金膜の電気化学的創製およびその熱膨張挙動に関する研究」
(第139回講演大会 講演要旨集 131~132頁 ほか)

技術功労賞

・石川 竜氏(日鉄テクノロジー 八幡事業所 研究試験課 課長)

会員増強協力者

・新井 進氏(信州大学 工学部 教授)
・川口 純氏(日本カニゼン 代表取締役社長)
・坂本幸弘氏(千葉工業大学 工学部 教授)
・柴田正実氏(山梨大学 大学院総合研究部 教授)
・本間敬之氏(早稲田大学 先進理工学部 教授)

 

admin 2020年3月2日 (月曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2020年2月号「特集:航空機の表面改質」「キーテク特集:表面観察」2/25に発行

5年 4ヶ月 ago
メカニカル・サーフェス・テック2020年2月号「特集:航空機の表面改質」「キーテク特集:表面観察」2/25に発行

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2020年2月号「特集:航空機の表面改質」「キーテク特集:表面観察」が当社より2月25日に発行された。

 今回の「特集:航空機の表面改質」では、航空機産業において熱処理で必要とされる設備や機器、留意点などの実用的な情報について、航空機部品への応用を主体に溶射技術の現状と今後の動向について、航空機の機体に使用されるCFRP(炭素繊維強化プラスチック)を加工する際に使用されるダイヤモンドコーティングドリルについて紹介する。


 またキーテク特集「表面観察」では、表面観察・分析技術を通じた表面改質層の評価に関する最近のニーズとそれらに対応する表面観察・分析技術について、高精度カメラによる高難易度の外観検査で自動車分野への参入を図る取組みについて紹介する。

特集:航空機の表面改質

◇航空機部品における熱処理の適用事例・・・上島熱処理工業所 坂田 玲璽
◇航空機における溶射の技術動向・・・エリコンメテコジャパン 和田 哲義
◇航空機分野におけるダイヤモンドコーティングの適用拡大・・・CemeCon アレクサンダー マルクサー 氏に聞く

キーテク特集:表面観察

◇表面改質関連の最新の表面観察・分析技術・・・堀場製作所 三村 享氏 に聞く
◇高精度カメラによる、高難易度の自動車分野の外観検査への挑戦・・・コニカミノルタ 宇田川 純一 氏に聞く

連載

注目技術:ポリマー含浸複合金属発泡体の航空機翼への適用の可能性・・・ノースカロライナ州立大学
Dr.クマガイののんび~り地球紀行 第8回 台湾編・・・不二WPC 熊谷 正夫

トピックス

ASTEC/SURTECH2020など開催、表面改質や表面試験・評価技術が一堂に会す
2019国際ロボット展が開催

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admin 2020年2月25日 (火曜日)
admin
Checked
1時間 35 分 ago
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