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ボド・メラー・ケミー、日本法人設立の記者会見を開催

13時間 53 分 ago
ボド・メラー・ケミー、日本法人設立の記者会見を開催

 ドイツに本社を置く接着剤や潤滑剤、コーティング剤(プリント基板用コンフォーマルコーティングなど)といったスペシャリティ・ケミカルズの大手専門商社であるボド・メラー・ケミー(Bodo Möller Chemie)社は10月28日、東京都港区のJETROイノベーションガーデン(アーク森ビル内)で、本年8月に登記した日本法人ボド・メラー・ケミー・ジャパンの設立記者会見を開催した。

記者会見のようす:左が日本法人社長のジュリアン・ベイショア氏、
右がテクノロジー担当バイスプレジデントのクリストフ・シュネル氏

 

 ボド・メラー・ケミーは1975年に設立、BASFやダウ、デュポン、エボニック、メルクなど約200社の化学品メーカーから最終製品と原材料を仕入れて、商社ながら340人の社員の約半数を占めるという技術スタッフの専門知識と五つの研究所の充実した設備による信頼性・耐久性試験や技術コンサルティング、アプリケーション技術サービスを提供し、サステナビリティやEモビリティー、5Gといったメガトレンドに着目しながら60カ国の市場をカバー(その内37カ国は現地法人化済み)しつつ事業を拡大、2023年には2億200万ユーロ(約324億円)の売上を達成している。

 創業から30年程度は欧米を中心に拠点を拡充してきたが、2015年の中国拠点設立以降、インド、ベトナム、タイ、韓国とアジアでのビジネスを強化、今回、メガトレンドの一角をなす自動車関連や二次電池、エレクトロニクス、水素活用などで先行し三秒分野で重要な地位を占める日本の市場を開拓すべく、ボド・メラー・ケミー・ジャパンを設立、日本法人社長として、スペシャリティ・ケミカルズ大手企業で自動車を中心に日本市場開拓の豊富な経験と実績を有するジュリアン・ベイショア氏を任命した。

 記者会見当日は、テクノロジー担当バイスプレジデントのクリストフ・シュネル博士が登壇し、上述のボド・メラー・ケミー社の概況を説明するとともに、「商社ながら技術が売り」といった特色・独自性について強調した。

 また、ベイショア日本法人社長が日本法人の役割について、研究所内での小分けなどのリパック作業や解析、調合の最適化、技術コンサルティング、技術トレーニングといった万全のサポート体制によって、①パートナー企業(メーカー)に代わって日本国内のユーザーへの販売=市場開拓を行う。特に国内に日本法人や代理店がないパートナー企業についてはボド・メラー・ケミー・ジャパンが国内総代理店となり、二次代理店も使って拡販していく、②日系企業の海外工場に販路を開拓すべく国内でのスペイン活動を行う、③日系化学品メーカーのオンリーワンの製品技術を発掘して海外に輸出する、④後継者のいない商社(従業員10〜30人程度の規模)を数社M&Aによってグループ化し、国内での販売力を強化する、と発表した。

 製造時のカーボンフットプリントを削減するバイオベースのエポキシ樹脂システムや、水素貯蔵向け高圧容器に適用できるエポキシ系炭素繊維トウプレグ、希少資源を再利用できるように接合部分の接着剤のデボンディング(はく離)ができるサステナブルな易解体性接着剤など、ボド・メラー・ケミー社が得意とする環境対応製品を、日本が強みを持つ自動車や水素関連、エレクトロニクス、二次電池などの分野に提案していく。

 日本の厳しいユーザーの要求に対し、アフターサービスや信頼性試験に基づくデータ提出などが迅速に行えるよう、数年後をめどに国内に研究所を設ける予定だ。研究対象としては接着剤に限らず潤滑剤やコーティング剤など、新規開拓案件に応じて、適宜日本製の試験評価装置を導入しつつ、フレキシブルに拡充していく。また、従業員も10人程度まで増員していき、5年後の2029年までに30億円/年の売上を目指す。

 当日はまた、商売繁盛、社運隆盛を願っての、高崎産だるまへの「開眼式」が執り行われた。

だるま開眼式のようす kat 2024年10月29日 (火曜日)
kat

不二越、バリ極小化の切削工具シリーズに非鉄金属用の水素フリーDLC膜種などを拡充

22時間 55 分 ago
不二越、バリ極小化の切削工具シリーズに非鉄金属用の水素フリーDLC膜種などを拡充

 不二越(https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/index.htm)は、切削バリの極小化を実現する切削工具「バリレスシリーズ」に、アルミ合金など非鉄金属用の水素フリーDLCコート工具を含むラインナップ拡充する。「JIMTOF2024」開催初日の11月5日に世界同時発売する。

 バリレスシリーズは、「切削加工でバリが出るのは当たり前」、「加工後のバリ取り作業は必要不可欠」といったこれまでの固定観念を覆し、特に、油・水・空気が流れる自動車部品や産業機械部品の交差穴や、異物(コンタミネーション)を極端に嫌う半導体製造装置や食品・医療機器をはじめとした幅広い分野で適用が進み、バリ取り作業の廃止やバリ検査工程の削減といったコストダウンに貢献している。

 昨今の自動車産業におけるBEV(バッテリー電気自動車)化や航空旅客需要の回復など、アルミ合金を含む非鉄金属の需要が高まってきていることから、同社ではこのほど、非鉄金属用のバリレスシリーズである「DLC-REVOドリルバリレス」と「DLC-REVOミルバリレス」を新たに開発。さらに、「アクアREVOミルトリミングバリレス」、「SGスパイラルタップロングシャンクバリレス」といった、用途に応じたバリレスシリーズをラインナップに加え、新たな価値を提供していく。

 アルミ合金を含む非鉄金属は、切削加工の際に被削材が工具の刃先に凝着しやすく、バリの増大といった品質の低下や工具損傷を引き起こす場合がある。また、これらの被削材は圧縮の力を与えると変形しやすい特性があり、ドリルの先端角によって発生する圧縮の力で、鋼と比べて抜けバリが大きくなる。

 これに対し新開発の「DLC-REVOコーティング」は、ダイヤモンドに次ぐ膜硬さで耐熱性の高い ta-C(テトラヘドラルアモルファスカーボン)の表面に摺動特性を付加し、低摩擦(耐凝着性向上)を実現。さらに膜厚を薄くすることで、バリレスに求められる切れ味(シャープ性)を担保している。

 このDLC-REVOコーティングを施した新開発のDLC-REVOドリルバリレスの特長は、①求心力を高めドリルの振れを抑制する「Cポイント」と、切り込み量や切削抵抗を低減し抜け際のバリを切除する「Rエッジ」に加え、溝ねじれ角と溝すくい角を強くすることで、非鉄金属用として求められる切れ味を追求、②DLC-REVOコーティングと組み合わせることで、従来と同等の加工条件でバリ極小化を実現。寸法範囲はφ2.0~φ16.0の全141寸法。

DLC-REVOドリルバリレス

 

 また、DLC-REVOミルバリレスの特長は、①底刃側の溝は右ねじれ、シャンク側は左ねじれのダブルヘリカル形状により、側面切削における上面バリを極小化、②DLC-REVOコーティングを採用したことで、非鉄金属における良好な加工面性状と長寿命を両立。4枚刃2.5DGの寸法範囲はφ6~φ20の全6寸法。

DLC-REVOミルバリレス

 

 そのほか、既存のアクアREVOミルバリレスで底刃を使用しない加工に対応し、トリミング専用とすることで工具費を削減するアクアREVOミルトリミングバリレスと、既存のSGスパイラルタップバリレスでは加工できない、立ち壁などのワーク形状に対応するため、ロングシャンクをラインナップに追加したSGスパイラルタップロングシャンクバリレスをリリースする。

kat 2024年10月29日 (火曜日)
kat

TOKYO PACK 2024が開催

1日 20時間 ago
TOKYO PACK 2024が開催

 「TOKYO PACK 2024 (2024東京国際包装展)」(主催:日本包装技術協会)が10月23日~25日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。

会場のようす

 

 同展は、包装資材、包装機械から包材加工機械、食品機械、関連機器類、環境対応機材、物流機器類に至る生産・包装・流通の技術振興をはかるとともに、相談や交流および包装の最新情報発信の場として、国際的な視野に立った社会の発展に資することを目的に開催されている。

 表面改質および計測評価関連では、以下のような出展がなされた。

 新東工業(https://www.sinto.co.jp/)は、アルミ包装後の製品にも対応可能な金属検出機「Tecnoeye®(テクノアイ)」を展示した。X線では検出困難な、アルミ蒸着・箔包装物内の金属異物を検出可能で、機長が800mm、高さが1000mm程度のコンパクトさで持ち運びが容易なほか、設置スペースにも困らない。難しい設定なしの簡単操作で、誰でもすぐに使える。今回は機長を600mmまで短縮し、生産ラインへの組み込みに特化した、よりコンパクトな機種を披露した。

新東工業 アルミ包装対応の金属検出機「Tecnoeye(テクノアイ)」

 

 サーフテクノロジー(https://www.microdimple.co.jp/)は、独自の微粒子投射処理「マイクロディンプル処理®(MD処理®)」による、食品粉体の付着防止機能などをアピールした。金属の表面に微粒子を超高速で衝突させ、基材表面に微細凹凸(マイクロディンプル)を形成することにより、フッ素樹脂コーティングの代替として、粉体などの滑り性を向上させ付着を抑制し洗浄性を高められるMD 処理®は、PFAS(有機フッ素化合物)問題への自主対応を強力に進める食品業界において、篩やホッパー、フライヤーなど幅広い用途で採用が拡大している。

サーフテクノロジー 粉体の付着抑制に有効な微粒子投射処理「MD処理」

 

 イグス(https://www.igus.co.jp/)は、改正食品衛生法やFDA(米国食品医薬品局)規格、今後の厳格化が予想されるPFAS(有機フッ素化合物)規制などに対応した食品包装機械向け製品として、自己潤滑性に優れる可動部品向けエンジニアリングプラスチック(モーション・プラスチック)「イグリデュール」製のコーティングパウダーを紹介した。摩擦・摩耗特性を最適化した粉末状ポリマーで、導電性部品に粉体塗装できる。今回は特に、FDAおよびEU 10/2011に準拠し、新たにPTFEフリー(PFASフリー)に対応する「イグリデュールIC-05PF コーティングパウダー」を紹介した。

イグス トライボ特性に優れたFDA準拠・PTFEフリーのイグリデュール製コーティング材など

 

kat 2024年10月28日 (月曜日)
kat

第17回岩木賞に、東京理科大学/ジオマテック、愛媛大学/山口大学、英PCS Instruments/島貿易、芝浦工業大学が受賞

4日 23時間 ago
第17回岩木賞に、東京理科大学/ジオマテック、愛媛大学/山口大学、英PCS Instruments/島貿易、芝浦工業大学が受賞

 第17回岩木賞に、東京理科大学/ジオマテック、愛媛大学/山口大学、英PCS Instruments/島貿易、芝浦工業大学が受賞 トライボコーティング技術研究会、未来生産システム学協会(FPS)などからなる岩木賞審査委員会は、「第17回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」を発表した。岩木賞は、表面改質、トライボコーティング分野で著しい業績を上げた個人、法人、団体を顕彰するもので、当該分野で多くの功績を残した故 岩木正哉博士(理化学研究所 元主任研究員、トライボコーティング技術研究会 前会長)の偉業をたたえ、2008年度より創設されたもの。

 17回目となる今回は、東京理科大学/ジオマテックが業績名「グラッシーカーボンを用いたロール状モスアイ金型の開発」により大賞に輝いた。また、愛媛大学の豊田 洋通氏と山口大学の白石僚也氏が業績名「液中プラズマCVD法を基盤技術とした鋼表面へのダイヤモンド直接蒸着法の開発」により優秀賞を、PCS Instruments/島貿易が業績名「DLC膜などに有用なトライボロジー試験機の普及によるトライボコーティング研究支援」により事業賞を受賞した。さらに、芝浦工業大学の澤 武一氏と西山 和樹氏が業績名「TiAlNコーティングエンドミルを用いた純ニッケルの工具摩耗機構に及ぼす切削点近傍環境の影響」により奨励賞を受賞した。

大賞「グラッシーカーボンを用いたロール状モスアイ金型の開発」

 ディスプレイやレンズなどの表面反射を防止する手法として真空蒸着での多層膜コーティング法が使用されているが、蛾の目を模倣した反射防止効果のあるモスアイ構造フィルムがディスプレイ表面に搭載されて以来、モスアイ構造フィルムによる反射防止の手法も広まりつつある。多層膜コーティングに比べ広い波長帯と広い入射角に対して反射防止機能を持つほか、金型による樹脂の転写のみで作製できるため、生産のスループットが向上できる。大賞の業績は、グラッシーカーボン(GC)と酸素イオンビーム照射によってロール状モスアイ金型を作製、材料を準備して酸素イオンビームを照射するだけの単純な工程で、従来のポーラスアルミナロールに比べて、大面積化(長さ1560mmまで)と高い歩留まりを実現している。GCモスアイ金型によるモスアイ構造フィルムは、車載用モニタ反射防止やサイネージ反射防止(カバー)、船舶用反射防止・水滴付着防止、車載ドアミラー水滴付着防止などの用途においてすでに多数の量産実績がある上、今後も需要が伸び用途が広がると見られており、その技術の新規性と市場性などが評価されての受賞となった。

優秀賞「液中プラズマCVD法を基盤技術とした鋼表面へのダイヤモンド直接蒸着法の開発」

 鋼をダイヤモンドコートする方法では、ろう材を用いる方法が実用化され、また、炭素拡散バリア機能と応力緩和効果の両方を有する中間層の研究が行われているが、いずれもダイヤモンド本来の長所を発揮できないなどの課題がある。一方、直接蒸着に関する研究は少なく、どの例も低品質かつ1μmレベルの小さな結晶粒を持つ多結晶ダイヤモンドしか合成されていない。これに対し優秀賞の業績では、液中プラズマCVD法をベースに、ステンレス鋼表面にドリルで溝を付けるというシンプルな手法で、高品質かつ粒径10μmの多結晶ダイヤモンド膜を蒸着することに成功した。直接蒸着のメカニズムとして、スレンレス鋼に含まれるCr・Ni成分による炭素の拡散抑制、溝によるダイヤモンドのはく離抑制について検証。これまでの液中CVD法の実績と、鋼表面へのダイヤモンド直接蒸着の実用化局面での、高性能・低価格のダイヤモンド工具の流通による加工産業の発展や、鋼からダイヤモンドへの直接熱伝達によるヒートシンクの放熱特性向上によるパソコンやスマートフォン等のパワー半導体デバイスの小型化など、産業応用への期待が評価されての受賞となった。

事業賞「DLC膜などに有用なトライボロジー試験機の普及によるトライボコーティング研究支援」

 英国PCS Instruments社(PCS 社)は、Imperial College London のHugh Spikes教授が率いるトライボロジー研究グループが開発した潤滑油などの各種特性を分析するための試験評価技術を基盤技術として設立、以降トライボロジー試験機のグローバルリーダーの一つとして、自動車や潤滑油をはじめとする産業分野や大学・公共機関などの研究分野に試験機を提供している。島貿易は、日本国内ではまだPCS社の知名度がない2004年に同社と日本国内でのトライボロジー試験機の総代理店契約を締結、試験機の輸入・販売・設置・技術サポートを一貫して行い、同試験機の利点を生かした試験アプリケーションを拡大、表面改質から潤滑まで、幅広いトライボロジー研究支援に寄与している。事業賞の業績は、トライボロジー研究の500以上の文献で採用されているPCS社製トライボロジー試験機の優秀性と、同試験機の利点を最大限に引き出して国内での販売実績とアプリケーション拡大に努めてきた島貿易の取り組み、特に販売台数が多く、潤滑油介在下でのDLCコーティングなど硬質薄膜の摩擦摩耗特性評価で適用実績が多いトラクション試験機「MTM」の普及によるトライボコーティング研究支援が評価され受賞したもの。

奨励賞「TiAlNコーティングエンドミルを用いた純ニッケルの工具摩耗機構に及ぼす切削点近傍環境の影響」

 燃料電池や半導体の需要の高まりから近年、苛性ソーダ製造装置に使われる純ニッケルの構造材としての加工需要も増加している。一方で、純ニッケルの切削特性に関しては材料物性に基づいた知見やデータベースがないため、生産現場では勘や経験則による試行錯誤を繰り返して切削加工が行われている。こうした背景のもと、奨励賞の業績では、純ニッケルの切削特性と工具摩耗特性を明らかにし、生産現場で活用できる知見とデータベースを作成することを目的として、切削点近傍環境が工具摩耗機構に及ぼす影響について考究した。①純ニッケルは乾式切削に比べ水道水を供給するとTiAlN膜の酸化で摩耗が増大すること、②不水溶性切削油を供給するとTiAlN膜の酸化が抑制され摩耗が進行しないこと、③強アルカリ水を供給するとTiAlN膜の腐食で摩耗が増大すること、④工具刃先へのニッケルの付着(凝着)で切削抵抗が増加することを検証し、TiAlNコーティングエンドミルを用いた純ニッケルのミーリングでは、工具摩耗を抑制するため、酸化と腐食を抑制する切削点近傍環境の維持が肝要であることを究明。今後の研究の進展が期待されての受賞となった。

kat 2024年10月25日 (金曜日)
kat

ブルカージャパン、11/12に大阪で「BioAFMミーティング」を開催、参加登録を受付中

1週 ago
ブルカージャパン、11/12に大阪で「BioAFMミーティング」を開催、参加登録を受付中

 ブルカージャパンナノ表面計測事業部は11月12日13:30~17:30、アットビジネスセンターPREMIUM新大阪(大阪市淀川区西中島5-14-10新大阪トヨタビル9F  911号室で、同社のBioAFMユーザー、BioAFMの導入を検討中の顧客、測定技術に興味のある人、これから携わりたいなどAFMに興味のある人を対象として「BioAFMミーティング2024」を開催する。

 

 今回初開催となる本セミナーでは、ユーザーによる最新の研究成果や、測定のための技術など、研究者に役立つプログラムを企画しているほか、トークセッションでは、測定のヒントやコツなど、普段の測定に関する悩みに答える機会となっている。トークセッションの準備として、事前に参加予定者から、周りに相談できないさまざまな疑問や質問などのトピックスを、登録フォームへの記載にて受け付けている。

 参加費用は無料で、定員は50名。登録はこちらから。

 当日のプログラムは以下のとおり。

13:00 受付開始

13:30~13:35 「開催挨拶」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 統括部長 鈴木大輔氏

13:35~14:05 「ナノ内視鏡AFMによる細胞内ナノ動態および力学計測」金沢大学 ナノ生命科学研究所 所長・教授 福間剛士氏…原子間力顕微鏡(AFM)は、液中で生体分子や細胞表面のナノ動態を直接観察できる唯一無二の手法である。しかし、従来のAFMでは細胞内の構造を直接観察することは難しかった。近年我々は、細長いニードル状の探針を生きた細胞内部に挿入し、細胞内の動態や力学物性をナノレベルで計測できるナノ内視鏡AFM技術を開発した。本講演では、この技術の開発経緯や、原理を紹介した後で、その応用事例を紹介する。

14:05~14:35 「植物細胞の力学物性を測る:道管細胞の分化と細胞弾性変化」奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス領域 助教 國枝 正氏…植物は乾燥する陸上に適応するため、水を確保するための構造を発達させた。維管束植物がもつ“道管”はその一つであり、その形成では、細胞を覆う固い細胞壁の形成と水を通す中空の管状構造となるための細胞死という、力学的に相反する細胞イベントを伴う。本講演では、細胞分化とともに変化する植物細胞の力学的物性変化を捉えるためのAFMを利用した研究例についてエンドユーザーの立場から紹介する。

14:35~15:05    「マルチスケール力学計測とバイオロジーの接点」京都大学 医生物学研究所 助教 牧 功一郎氏…講演者は、AFMを用いて、生体分子から、細胞・組織にわたるマルチスケールの力学計測(引張試験・押し込み試験)を進めてきた。これまでの具体的な実践例を紹介するとともに、力学計測と生物学をより深くリンクさせるための考えや工夫についても共有し、参加者と議論を行う。

15:05~15:35 休憩:情報交換(お茶とお菓子を用意)

15:35~15:50 「広視野・高精細を実現する顕微鏡イメージング」エビデント ライフサイエンスリサーチ プロダクトマーケティング 出張雅敏氏

15:50~16:05 「ブルカーバイオAFM製品紹介とデモンストレーション」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 アプリケーション部 塚本和己氏

16:05~16:20 休憩 (トークセッション準備)

16:20~17:20 座談会「みんなで話そうバイオAFM」パネリスト:講演者各位…AFMを用いた液中測定の課題や期待をパネリストの方々と意見交換できるプログラム(質問・相談を登録フォームより事前受付中)

17:30~19:00 懇親会

kat 2024年10月22日 (火曜日)
kat

ナノ科学シンポジウム2024が開催

1週 ago
ナノ科学シンポジウム2024が開催

 ナノテクノロジーと走査型プローブ顕微鏡(SPM)に特化した「ナノ科学シンポジウム(NanoScientific Symposium Japan 2024 : NSSJ2024)」が10月18日1、東京都文京区の東京大学 浅野キャンパス 武田ホールで開催され、約80人が参加した。主催は東京科学大学 物質理工学院 中嶋・梁研究室と関東学院大学 材料・表面工学研究所、パーク・システムズ・ジャパンで、協賛はNanoScientificとヤマトマテリアル、Ark Station、後援は日刊工業新聞社とメカニカル・テック社。

NSSJ2024参加者の全体写真

 

 科学技術の革新によりナノ科学では材料、表面を計測・解析する方法も各種発展している。特に、SPMの登場により、 ナノレベルでの表面計測・解析の基礎技術としての重要性が日々増している。ナノ科学シンポジウム(NSSJ)は、走査型プローブ顕微鏡を用いた 材料科学、半導体およびライフサイエンス分野の最先端の研究情報を共有・交換するSPMユーザーシンポジウムで、2020年から開催され5回目となるNSSJ2024では、以下の登壇者による講演のほか、ポスター発表が行われた。

・町田友樹氏(東京大学 生産技術研究所)「二次元結晶のファンデルワールス接合によるモアレ超格子の作製と観測」…ファンデルワールス接合では、①界面において格子整合の制約がなく、②原子レベルで平坦な理想的界面が実現し、③構成要素となる二次元結晶の選択肢が極めて広い。さらに、④原子層間のツイスト角度という既存の材料系ではあり得ない制御自由度があり、ツイスト積層によりモアレが形成され、バンド構造が制御できる。既存の材料系では得られない物性が発現する可能性があり、基礎・応用の両面で幅広い可能性を秘めている。講演では、ファンデルワールス積層によるモアレ超格子の作製と原子間力顕微鏡(AFM)による観測、物性創発について紹介した。

・吉田昭二氏(筑波大学)「光波駆動STMを用いた時空間ダイナミクス計測」…近年テラヘルツ~中赤外領域の光パルス生成技術が進展し1サイクル未満の振動サイクルを持つパルスを発生しパルス中の電場位相を自在に制御することも可能になってきた。光波駆動の走査型トンネル顕微鏡(STM)は、そのようなサブサイクル光で直接STM探針-試料間のトンネル電流を瞬間駆動することで試料の瞬時状態を捉える手法で、これまでに原子分解能と30フェムト秒未満の時間分解能が実証されている。講演では、同氏がこれまで物質表面の光励起状態とそのダイナミクスの計測を目的として実験を進め、C60薄膜や遷移金属ダイカルコゲナイド原子層上の電子ダイナミクスの計測行ってきた成果に加えて、今後の展望についても紹介した。

・梁 暁斌氏(東京科学大学)「原子間力顕微鏡によるナノ応力分布とナノ導電性の可視化」…AFMをベースにしたナノ触診AFM技術に伸長装置や圧縮装置を導入することで、試料表面のナノ応力分布を実空間で可視化できた。これにより、材料の微細なメカニカル特性と変形挙動を詳細に解析することが可能となり、特にゴムやエラストマーなどの高分子材料の特性理解において重要な進展があった。さらに、ナノ触診AFMに導電性AFMを組み合わせ、変形に伴うフィラーネットワークのナノ空間構造の評価手法を確立したことで、フィラー充填ゴムの強化メカニズムや応力伝達の挙動を明らかにできた。引き続き、ナノ材料のメカニカル特性と電気特性の相関を解明し、次世代の材料開発への貢献を目指す、とした。

・前田 泰氏(産業技術総合研究所)「走査型広がり抵抗顕微鏡による全固体電池の解析:電極内部の電子伝導」…EV用次世代バッテリーとして全固体電池が期待されている。全固体電池では様々な固/固界面を通したイオンや電子の移動が重要である。産総研では、走査型広がり抵抗顕微鏡(SSRM)を用いてこうした界面現象の解析を進めている。講演では、SSRMと3Dシミュレーションとを組み合わせて、硫化物系全固体電池の電子伝導を解析した事例を紹介したほか、硫化物系全固体電池の測定をする上でのポイントについても紹介した。

・久保田賢治氏(三菱マテリアル)「AFM、QCM-Dおよびエリプソメトリーを用いた銅めっき添加剤吸着状態の解析」…めっきの添加剤として用いられる水溶性高分子と界面活性剤を対象として、AFM、QCM-D、エリプソメトリーを用いて添加剤の電極表面への吸着状態とめっき反応抑制効果の関係を解析した。その結果、迅速に吸着しリジッドな膜を形成するCTABが最も高い電析抑制作用を示し、含水量が多くソフトな膜を形成するPVAは抑制効果が弱く、吸着速度が遅いLASでは抑制効果が非常に弱かった。液中AFMを用いてモルフォロジーの観察を行いこれらの結果を補強した。複数の解析手法を併用することで固液界面に存在するめっき添加剤の存在形態に関する情報を得ることができた。

・小林 圭氏(京都大学)「液中AFMによる固液界面物性計測と探針増強ラマン分光装置の開発」…液中で動作する周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)について、その動作原理および構成を概説し、分子分解能での生体分子の構造観察事例を紹介する。さらに、フォースマッピング法によって固液界面での相互作用力分布を取得することで、水和・溶媒和計測や電荷分布計測が可能となる。いくつかの固液界面物性計測事例について紹介したい。一方、AFMで得られる表面物性は通常物理的な性質に限られるが、AFMとラマン分光を組み合わせた探針増強ラマン分光(TERS)によれば、化学的な性質も評価することが可能となる。講演では、薄膜導波路構造を有するプローブを用いた高感度TERS装置の開発状況および展望について述べた。

・尾木佑輝氏(東京都立科学技術高等学校)「AFMを用いたウルトラファインバブルによる鉛蓄電池の電極界面現象の解析」…本研究では鉛蓄電池の電解液にウルトラファインバブル(UFB)を添加し、電極界面現象などについて解析した結果、通常の電解液と比較してUFBを添加した電解液では、劣化の主要因であるサルフェーションが顕著に抑制されることが明らかになった。さらに、AFMなどを用いたナノスケールでの解析により、UFBによるサルフェーション抑制機構について明らかにすることでUFBの特性解明においても重要な進展がある。講演ではそれらの結果に加え、今後の展望についても紹介した。

・内橋貴之氏(名古屋大学)「高速原子間力顕微鏡で探る一分子ダイナミクス」…原子間力顕微鏡(AFM)は、無機から有機材料、生体分子までの多岐に渡る試料表面をナノメータースケール分解能で可視化できる表面構造解析ツールとして発展してきた。高速AFMの開発は1993年頃から進められ、2001年に1フレーム80msで撮影できる装置が報告された後、2008年頃に現行性能の高速AFMが確立し、特に生体分子の機能動態観察に応用されてきた。近年、ユーザーと関連論文数が増加し、分子の構造イメージングだけでなく、プローブによる構造操作や局所力学特性の定量計測、力学特性のマッピングも可能になってきている。講演では、高速AFMによる生体/合成分子の一分子ダイナミクス計測への最近の応用研究や機能拡張に向けた技術開発について紹介した。

・Jake Kim氏(Park Systems)「New Cutting-Edge AFM Techniques」…最先端のAFM技術として、従来はAFMの競合と位置付けられていたような計測機器、たとえば走査電子顕微鏡(SEM)とAFMを組み合わせることで、広い測定領域をカバーしつつ、SEMによる組織、組成、元素分布観察などと、AFMによる3D形状計測と硬さや摩擦、吸着などの力学物性情報や電流、電気抵抗、表面電位、磁性などの電磁気物性情報の同一箇所での解析評価が行える。また、AFMはカンチレバーのセットやレーザービームのアライメントの難しさなどから、従来は操作にあたってのトレーニングが必要とされたが、プローブの自動交換やレーザービームの自動アライメントの機能などによって、初心者でも直感的な測定を可能とする同社の最新機種FX200なども登場していることを紹介した。

 

講演のようす

 

 当日はまた、18件のポスター発表が実施され、選考委員により最優秀賞1件、優秀賞3件が以下のとおり選考された。

◆最優秀賞
・「Verification of the contact mechanics with the fractional viscoelastic model」長谷川花音氏(東京科学大学)

◆優秀賞
・「Complex Strain Behavior of Polymeric Microparticle Latex Film Observed with Tip-Scan AFM」Chan Feng-Yueh氏(名古屋大学)

・「Investigation of Solvation Structures of Lithium-ion Battery Materials on Clinochlore Using Frequency Modulation Atomic Force Microscopy」Wang Yilin氏(京都大学)

・「高速AFMによるSecトランスロコンの一分子計測」金岡優衣氏(名古屋大学)

 

ポスター発表 表彰式のようす

 

kat 2024年10月22日 (火曜日)
kat

理化学研究所、2024年度 RANSシンポジウムを11/19に開催、参加登録受付中

1週 ago
理化学研究所、2024年度 RANSシンポジウムを11/19に開催、参加登録受付中

 理化学研究所 光量子工学研究センターは11月19日、埼玉県和光市の理化学研究所 和光本所 鈴木梅太郎ホールで、2024年度 RANS(理研小型中性子源)シンポジウム(理研シンポジウム)「小型中性子源は現場へ!〜非破壊計測の夜明け〜―スマートインフラ、ものづくり、宇宙へ向けて―」を開催する。当日はシンポジウム後に、和光本所 生物科学研究棟3 階ロビー意見交換会も開催される。事前登録制で参加費は無料。意見交換会料金は当日払い(5000円を予定)。

 申し込みは、こちらから。11月1日まで参加登録が可能。

 当日のスケジュールは以下のとおり。

・9:00~9:05 「開催挨拶」緑川克美氏(理化学研究所 光量子工学研究センター センター長)

・9:05~9:15 「来賓挨拶」(文科省・調整中)

・9:15~9:45 「理研小型中性子源システムRANSプロジェクト'いつでもどこでも中性子'」大竹淑恵氏(理化学研究所 中性子ビーム技術開発チーム チームリーダー)

・9:45~10:15 「スマートインフラマネジメントで未来を拓く~SIP第3期インフラプロジェクトの概要と展望~」久⽥ 真氏(東北⼤学⼤学院・⼯学研究科 教授)

・10:15~10:25 休憩

・10:25~10:45 「車載が完了したRANS-IIIと今後の展望」小林知洋氏(理化学研究所 中性子ビーム技術開発チーム 専任研究員)

・10:45~11:05 「塩害に対する非破壊検査装置-中性子塩分計RANS-μ-~大規模計測に向けた体制作りと高度化開発~」若林泰生氏(理化学研究所 中性子ビーム技術開発チーム 研究員)

・11:05~11:35 「セメント水和物のナノ構造を考える~類縁結晶性鉱物の中性子散乱から~」高木奈津子氏(旭化成ホームズ 技術本部 住宅総合技術研究所 建材技術グループ)

・11:35~14:00 お昼休憩ならびにRANS見学会(RANS、RANS-II、RANS-III、RANS-μ)

・14:00~14:20 「太陽電池素子を応用した中性子束計測と社会実装に向けた取り組み」奥野泰希氏(理化学研究所 中性子ビーム技術開発チーム 研究員)

・14:20~14:50 「材料開発における放射光活用と中性子への期待」小島優子氏(三菱ケミカル Science & Innovation Center 分析物性研究所)

・14:50~16:00 ポスター発表-

・16:00~16:30 「宇宙での食と健康の未来を考えるー 中性子線が拓く新たな可能性 ー」初田真知子氏(順天堂大学 保健医療学部 診療放射線学科 教授)

・16:30~17:00 「宇宙中性子の観測で切り拓くシスルナ科学」榎戸輝揚氏(京都大学 理学研究科 物理学・宇宙物理学専攻宇宙放射学講座 准教授)

・17:00~17:10 「閉会挨拶」大竹淑恵氏(中性子ビーム技術開発チーム)

・17:30~19:30 「意見交換会(会費制)」生物科学研究棟3階ロビー(鈴木梅太郎記念ホールから3階へ移動)

 不明点などに関する連絡先は、以下のとおり。

〒351-0198 埼玉県和光市広沢2-1 中性子工学施設 N204
理化学研究所 中性子ビーム技術開発チーム
チームリーダー 大竹淑恵
yotake@riken.jp

kat 2024年10月22日 (火曜日)
kat

メカニカル・サーフェス・テック2024年10月号 特集「自動車の表面改質」「ピーニング」10月25日発行!

1週 ago
メカニカル・サーフェス・テック2024年10月号 特集「自動車の表面改質」「ピーニング」10月25日発行!

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2024年10月号 特集「自動車の表面改質」キーテク特集「ピーニング」が当社より10月25日に発行される。

 今回の特集「自動車の表面改質」では、歯車部品に使用される冷間歯形鍛造用鋼材を対象に真空浸炭焼入れした場合の結晶粒度と衝撃強さに及ぼす影響について、フランス・HEFグループの自動車分野におけるPVDコーティング・窒化処理の最近の話題について、自動車部品向けなどの工具・金型用PVDコーティングの最新技術について、今年のJIMTOFに出展される表面改質技術から自動車分野への適用が期待される出展内容について紹介する。

 また、キーテク特集「ピーニング」においては、リチウム金属負極全固体電池の概要とショットピーニングによるリチウム金属負極全固体電池の充電速度向上について、レーザピーニングとショットピーニング技術との比較、レーザーピーニング技術の効果などについて紹介する。

特集:自動車の表面改質

◇自動車用歯車部材での真空浸炭焼入れによる結晶粒度と衝撃強さへの影響・・・日産自動車 郭 新新、山下 大介、渡邊 敦夫、旭川工業高等専門学校  杉本 剛

◇自動車分野におけるPVDコーティング・窒化処理の最近の話題・・・HEF DURFERRIT JAPAN ジュリアン グリモ 氏に聞く

◇JIMTOF2024で披露される自動車部品向けなどの工具・金型用PVDコーティングの最新技術・・・日本コーティングセンター 堂前 達雄 氏、角谷 行崇 氏に聞く

◇11月5日~10日開催 JIMTOF2024に見る、モビリティと工作機械を支える表面改質技術・・・編集部

キーテク特集:ピーニング

◇ピーニングによるリチウム金属負極全固体電池の充電速度向上・・・東京科学大学 兒玉 学

◇レーザピーニングの最新技術動向・・・新東工業 辻 俊哉

連載

注目技術:第78回 講演会「DLCコーティングの特長と産業応用」に見るDLCの適用と計測評価・・・DLCユーザー、DLC評価機器メーカー各社

酒飲み世界紀行:第5回 東南アジアのビール編: Beerlao is No.1・・・横浜国立大学 梅澤 修

トピックス

JIMTOF2024、1262社/5743小間の過去最大規模で開催

JASIS2024開催、表面試験・評価・分析機器などが展示

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admin 2024年10月22日 (火曜日)
admin

DLC工業会、2024年度講演会を開催

1週 1日 ago
DLC工業会、2024年度講演会を開催

 DLC工業会は9月12日、千葉県柏市のナノテックおよびオンライン会議システムを利用したリモート方式により「2024年度講演会」を開催した。今回は、最新の半導体製造技術とDLC膜の応用をテーマに行われた。

 会の冒頭、挨拶に立った中森秀樹会長は「当工業会は設立当初、ISO規格を作る目的でニューダイヤモンドフォーラムとともに国に助成をお願いしながら10年近くやってきた。ISO規格を発行し現在に至るが、我々が現在持っているテーマとしてはISO規格をどのように産業界に広く知らしめていくかということが大事な要素となっている」と述べた。

挨拶する中森会長

 続いて、生田勝治氏(リックス)が「半導体製造の基盤技術と関連製品 ~洗浄技術と付帯機器~」、伊東祐介氏(ウエキコーポレーション)が「半導体製造とガストータルソリューション」、平塚傑工氏(トッケン)が「DLC膜の半導体製造技術への応用」、竹内光明氏(レスカ)が「半導体後工程における物理力評価及び試験装置」について講演。半導体に関する意見交換や質疑応答など、活発な議論が行われた。

admin 2024年10月21日 (月曜日)
admin

トライボコーティング技術研究会、令和6年度第2回研究会を開催

1週 6日 ago
トライボコーティング技術研究会、令和6年度第2回研究会を開催

 トライボコーティング技術研究会(会長:理化学研究所 大森 整 主任研究員)は10月3日、東京都板橋区の板橋区立文化会館で「令和6年度 第2回研究会(第153回研究会)」をリアルおよびオンラインによるハイブリッド形式で開催した。今回は、「第52回:マイクロファブリケーション研究の最新動向」、「第12回インテリジェント/AIものづくりシンポジウム」との同時開催で、また、「第11回板橋オプトフォーラム(IOF)」との同時開催となる。

開催のようす

 

 当日は、大森氏による趣旨説明の後、以下のタイトルで講演がなされた。

第一部:特別セッション
「微細加工関連の最新研究動向―MIRAI会議にみるマイクロ・トライボファブリケーション事例」理化学研究所大森素形材工学研究室 大森 整氏
「液中超短パルスレーザ照射によるナノ周期構造創製と化学的機能の同時付与」三条市立大学/理化学研究所大森素形材工学研究室 江面篤志氏


【基調講演】
「人間拡張技術とインターバース・サービス―仮想空間で価値を拡張し、実空間に還流する―」産業技術総合研究所 持丸正明氏


 【トライボセッション】では以下のような内容で講演がなされた。

「ガラスの機能性テクスチャリング加工のための延性モード微粒子ピーニング」 東京都市大学/理化学研究所大森素形材工学研究室 亀山雄高氏…斜投射微粒子ピーニングによる延性モード加工によってガラスを割らずに微小変形させて微細な凹凸を形成する技術を紹介。テクスチャリングによる粉体付着防止効果によって、太陽光パネルカバーガラスに処理することで、パネル表面への汚れ付着による発電効率低下を防止できる可能性を示唆した。加工条件を工夫することで、太陽光パネルの透過率90%(無加工面と同等)を維持しつつテクスチャリングが可能とした。

講演する亀山氏

 

 また、【マイクロセッション】では以下のような内容で講演がなされた。

「ELID 研削によるチタンの周期構造の創成と表面機能について」理化学研究所大森素形材工学研究室 大森 整氏…インプラントの確実な固定には、その表面形状が重要となるが、ケージについてはその外形には楔型の形状を付与することでずれ防止を狙う一方、その微視的な表面に梨地状の凹凸を残すことで、骨芽細胞誘導による骨癒合に伴うアンカリング効果を狙っており、マクロな形状とミクロな形状の組み合わせがポイントとなる。そこでELID研削法において、比較的粗い粒度の砥石を用いることで、インプラントに適したマクロな形状による骨との物理的固定と、ミクロな形状による細胞レベルでの親和性の両立という新しいアプローチに取り組んだ研究事例を紹介した。

講演する大森氏

 

 当日はまた、光学・精密機器関連の企業展示と大学研究室によるポスター発表が行われ、講演終了後の「第6回IOF Award企業展示・大学研究室ポスター発表奨励賞表彰式」では企業展示3件とポスター発表2件が表彰され、トライボコーティング関連では、三条市立大学 アドバンスド加工研究室(主宰:江面篤志氏)が選ばれた。超短パルスレーザを用いて形成されるLIPSS(Laser Induced Periodic Surface Structure)と呼ばれるナノ周期構造の産業利用に向けた研究として、金属箔や超硬、チタン合金の高付加価値化を目指した研究などが評価された。

第6回IOF Award 大学研究室ポスター発表奨励賞表彰式のようす
一番右が江面氏

 

kat 2024年10月16日 (水曜日)
kat

川邑研究所、プラスチック向けPFASフリー潤滑塗料を開発

1週 6日 ago
川邑研究所、プラスチック向けPFASフリー潤滑塗料を開発

 川邑研究所(https://www.defric.com/)はこのほど、独自の研究開発により、プラスチック基材への優れた密着性を実現する有機フッ素化合物(PFAS)およびシリコン不使用の新世代固体潤滑塗料を開発した。この塗料は、独自の組成と分散技術により、従来のPTFEベース塗料を超える耐久性と低摩擦特性を有する。

 開発品の特長は、①低摩擦性、②耐摩耗性、③薄白色透明な被膜を形成、④常温乾燥可能、⑤さまざまな基材への優れた密着性、⑥同社従来品より高硬度、⑦PTFEを使用した従来品と同等の撥水撥油性、など。

 ABS基材に対して、同社既存品塗料と開発したPFASフリー(PTFEフリー)潤滑塗料をスプレー塗装し、70℃で強制乾燥させ、各種評価を実施した結果、プラスチック基材への密着性向上と摩擦係数の低減効果により、従来よりも硬度の高い被膜を形成することができることが確認されている。 

PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の特性比較

 

 また、ボールオンプレート摺動試験による、PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の性能比較では、0.5kgの荷重をかけたPVCボールを用いた往復摺動試験を実施した結果、PFASフリー潤滑塗料がPTFE系塗料と比較しても、優れた摺動寿命を有することが確認されている。

PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の摺動性比較

 
 新開発のPFASフリー潤滑塗料はまた、さまざまなプラスチック部材に対する優れた密着性を実現する。この密着性の最適化により、使用する基材の種類を選ばず、幅広いアプリケーションでの利用が可能となっている。

各種プラスチック基材への密着性の比較

 
 新開発PFASフリー潤滑塗料ではさらに、従来のPTFE塗料の使用時に見られた外観が白く変化する問題を解決し、外観の透明性を保持することが可能となった。

外観の透明性の比較

 

kat 2024年10月16日 (水曜日)
kat

東京理科大学・佐々木研究室、第24回トライボサロンをハイブリッド開催

1週 6日 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第24回トライボサロンをハイブリッド開催

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://tribo-science.com/salon)の第24回目が10月12日、東京都葛飾区の葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

開催のようす


  トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。トライボロジーに関する情報交換、人材交流等を通し、関連技術の向上と発展に資することを目的に、次の活動を円滑に行えるよう運営に努めている。

 第24回目となる今回のトライボサロンでは、「トライボロジーにおけるAIの活用を考える」のタイトルで、イーグル工業・王 岩 氏を講師に話題提供が行われた。

 講演では、メカニカルシールの密封性能と潤滑性能の二律背反を両立するためのテクスチャの最適化を目的に機械学習を適用した事例として、形状パラメータから性能を予測する機械学習モデルの構築・最適化の検証を実施して数値解析を機械学習モデルに置き換えることで、最適解に迫る形状を短時間で予測できた事例を紹介した。また、形状データそのものから圧力分布を予測する機械学習モデル構築の事例では、適切な事前処理+相性の良いモデル(U-Net)の選択によって表面テクスチャ形状から圧力分布の予測が可能であることを示唆した。今後は、トポロジーの最適化と生成AIを組み合わせて、メカニカルシールに最適な新しい表面テクスチャ形状を探索していく、と総括した。

 なお、トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://tribo-science.com/salon

kat 2024年10月16日 (水曜日)
kat

10/18開催「ナノ科学シンポジウム2024」、参加およびポスター発表を募集

3週 4日 ago
10/18開催「ナノ科学シンポジウム2024」、参加およびポスター発表を募集

 ナノテクノロジーと走査型プローブ顕微鏡(SPM)に特化した「ナノ科学シンポジウム(NanoScientific Symposium Japan 2024 : NSSJ2024)」が10月18日10時~17時30分に、東京大学 浅野キャンパス 武田ホール(東京都文京区弥生2-11-16)で開催される。主催は東京工業大学 物質理工学院 中嶋・梁研究室と関東学院大学 材料・表面工学研究所、パーク・システムズ・ジャパンで、協賛はヤマトマテリアルとArk Station、後援は日刊工業新聞社とメカニカル・テック社。

 NSSJ2024では現在、一般の参加申込と、ポスター発表の参加申込(提出期限:10月11日)を募集している。参加費は無料。

 一般の参加申込はこちらから。

 ポスター発表の参加申込はこちらから。

 

 ナノ科学シンポジウムは、SPMを用いた 材料科学、半導体およびライフサイエンス分野の最先端の研究情報を共有・交換するSPMユーザーシンポジウムで、今回のNSSJ 2024では科学に変革をもたらすSPMの幅広い応用と技術に焦点を当て、先端技術のための新しいナノ材料、機能性表面、さらにナノテクノロジーやSPMを使った応用技術についても話題提供がなされる。

 NSSJ2024のポスターセッションで研究成果を発表することで、SPMコミュニティで国際的に著名な教授陣や専門家の前で研究内容を議論することができる。また、『NANOscientific Magazine』やSPM企業Park Systemsの資料に掲載され、発表者の研究の影響力を高めるチャンスとなる。さらに、受賞した研究には以下の賞金が贈られる。
 
・1名 - 最優秀賞 5万円 

・2名 - 優秀賞 3万円 

 なお、ナノ科学シンポジウム2024の当日の講演タイトルと登壇者は以下のとおり。

「高速原子間力顕微鏡で探る分子ダイナミクス」名古屋大学大学院理学研究科・自然科学研究機構 生命創成探究センター 内橋 貴之氏

「走査型広がり抵抗顕微鏡による全固体電池の解析:電極内部の電子伝導」産業技術総合研究所 電池技術研究部門  前田 泰氏

「二次元結晶のファンデルワール接合によるモアレ超格子の作製と観測」東京大学 生産技術研究所 町田友樹氏

「光波駆動STMを用いた時空間 ダイナミクス計測」筑波大学 数理物質系 吉田昭二氏

「原子間力顕微鏡によるナノ応力分布とナノ導電性の可視化」東京工業大学 中嶋・梁研究室 梁 暁斌氏

「液中AFMによる固液界面物性計測と探針増強ラマン分光装置の開発」京都大学 小林 圭氏

「AFM、QCM-Dおよびエリプソメトリーを用いた銅メッキ添加剤吸着状態の解析」三菱マテリアル イノベーションセンター 久保田賢治氏

「AFMを⽤いたウルトラファインバブルによる鉛蓄電池の電極界⾯現象の解析」東京都立科学技術高等学校 尾⽊佑輝氏

「New Cutting-Edge AFM Techniques」Park Systems Corporation, Research Technology Center  Jake Kim氏

kat 2024年10月4日 (金曜日)
kat

表面改質展・真空展2024など7展が開催

3週 5日 ago
表面改質展・真空展2024など7展が開催

 「表面改質展2024」「真空展2024」「2024洗浄総合展」など7展(主催:日刊工業新聞社など)が9月18日〜20日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。表面改質関連では、以下のような出展があった。

表面改質展などの会場のもよう

 サンエイ( https://www.hojitsu.co.jp/business/hojitsu_erin )は、防錆性・耐摩耗性に優れることから6価クロムめっき・DLCコーティング代替として「ERIN®」を提案した。ERINは「常温衝撃固化現象」を基本に開発されたセラミックコーティング(膜厚1~6μm程度)。基板加熱を行わず、常温・固化状態の微粒子が基板上に衝突しアンカー部を形成する。さらに微粒子の破砕・塑性変形により空隙のない緻密な膜を形成し、従来の表面処理ではできなかったさまざまな特徴を発現するという。同社が行ったテーバー式摩耗試験では摩耗量が硬質クロムめっき(膜厚10μmのうち)0.92μm、DLC被膜が(膜厚2μmのうち)0.63μmに対してERINは(膜厚3μmのうち)0.31μmを示したという。また、中性塩水噴霧試験においても良好な結果を示したという。

サンエイのブース

 TPR(https://www.tpr.co.jp/)は、ピストンリングなど内燃機関部品の製造で培った、金属や樹脂、ガラスなどへも成膜可能な高機能DLCの受託成膜について提案した。通常DLCの特徴として挙げられる耐摩耗性や低摩擦特性ではなく、除電特性や防汚特性についてアピールした。DLCによる除電性(静電気拡散性域)の付与では、低温成膜によって耐熱性が低い樹脂製品への成膜が可能なことや、従来の除電アイテムと比較して、高い耐久性と密着性を実現できることを訴求。防汚特性の付与では、金属、樹脂製品どちらにも成膜でき、DLCの化学的安定性によって水垢が容易に拭き取り可能で、高い耐久性と密着性を実現できることを示した。

TPRのブース

 東京電子(https://www.toel.co.jp/)は日本原子力研究開発機構との共同開発による、ポンプ作用を持った極・超高真空チャンバー「0.2%BeCu合金超高真空 封止チャンバー」を披露した。超低ガス放出の0.2%BeCu合金に、真空容器の内壁を真空ポンプとして機能させる非蒸発型ゲッター(NEG)コーティングを施すことで、電源を不要とした極高真空の維持を実現。チャンバー仕様:容積6.4×10-4m3、表面積3.2×10-2m2、NEG材料:Ti-Zr-V、NEG活性化:200℃ 25時間の測定条件で、バルブ閉止前圧力1.6×10-9Paに対し、バルブ閉止後圧力5.75×10-9Paと、1カ月以上10-9Pa台を保持する結果となった。

東京電子のブース

 東ソー( https://www.tosoh.co.jp/ )は、PVDやCVDコーティングなどのドライコーティングの前処理に適した炭化水素系高機能洗浄方法「HC-WSエマルジョン洗浄」の紹介を行った。この洗浄方法は、水切り剤である「HC-WSシリーズ」に水を加え、超音波等でエマルジョン化させた液中でワークの洗浄を行う。洗浄後は、HC-250もしくはHC-370で容易にリンスをすることができる炭化水素と水の両方の洗浄作用が兼ね備わっているため、油性から水溶性の汚れまで幅広い汚れを除去できるとともに、乾燥した水溶性加工油や異物等に対しても極めて優れた除去能力を発揮する。また水洗浄と異なり、錆びの心配もない。さらに、液管理が容易なことも特徴の一つだという。同社では、洗浄試験の依頼も受け付けている。

東ソーのブース

 ナノテック( https://www.nanotec-jp.com/ )は、同社の受託コーティングの約6割を占める医療用のDLCコーティング(生体適合性ICFコーティング)をメインに展示を行った。生体適合性ICFコーティングは非常に硬く平滑な表面をしており、科学的に不活性で安定しており、生物に与える影響がなく、環境にもやさしい被膜となっている。このコーティングを施したチタンやステンレスの血小板付着試験では、血小板の付着が著しく低減することが確認されたという。また、低浸食性の効果も期待でき、すでに脳外科や腹腔鏡などさまざまな手術用器具への適用が進んでいる。さらに、ニッケル製の歯科矯正用ワイヤーからのニッケルの溶出防止に効果があることも報告されており、今後インプラントへの広がりも期待できるという。

ナノテックのブース

 不二WPC(https://www.fujiwpc.co.jp/)は、部品の耐久性、滑り・凝着対策など金属表面の特性を改善し、寿命延長を可能にする表面改質技術として、微粒子投射処理「WPC処理🄬」とダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングについて、各種加工サンプルを展示し紹介した。WPC 処理は直径数十μm程度の微粒子を100m/sec以上の高速で投射、加工面のディンプルが油溜まりを形成し摩擦摩耗特性を大幅に向上させるほか、圧縮残留応力の付与や結晶粒の微細化により疲労強度の向上を実現する。DLCコーティングは耐摩耗性や低摩擦特性、耐凝着性、耐食性などさまざまな機能を加工表面に付与で。特に同社のDLCはFDA(米国食品医薬品局)認証を取得しているため、食品製造機器に幅広く採用されている。

不二WPCのブース

 ヤマシタワークス(https://www.yamashitaworks.co.jp/)/日本スピードショア(https://speedshore.co.jp/)は、異形状ワークを簡単に短時間で鏡面仕上げ加工できる装置「エアロラップ」を展示した。エアロラップは、ゼラチンを主成分とした食品性研磨材を核に、水分「マルチリキッド」を含有することで弾力性・粘着性を持たせダイヤモンド砥粒を複合させた研磨材「マルチコーン」を、加工材表面を高速で滑走させて発生する摩擦力により磨くもの。乾式と湿式の中間的な湿潤状態で、相手材にダメージを与えずに、精密研磨、最終仕上げや鏡面仕上げを可能にする。DLCなどドライコーティング成膜の前後処理などにも適用できる。ブースではエアロラップとロボットを組み合わせたシステムを披露し、エアロラップ処理の自動化を提案した。

ヤマシタワークス/日本スピードショアのブース

 

admin 2024年10月3日 (木曜日)
admin

サクラクレパス、細かい部分や曲面のプラズマ効果の確認が容易に行える大気圧プラズマ用評価ツールにマーカータイプを追加

3週 6日 ago
サクラクレパス、細かい部分や曲面のプラズマ効果の確認が容易に行える大気圧プラズマ用評価ツールにマーカータイプを追加

 サクラクレパス(https://plazmark.craypas.co.jp/)は、プラズマ中のラジカルやイオンで変色する色材を用いて、プラズマ処理効果を「色で見える化」できる評価ツール「プラズマインジケータTM PLAZMARK®」の大気圧プラズマ用にマーカータイプを追加する。本年10月末から出荷を開始する予定。

プラズマインジケータ PLAZMARK 大気圧プラズマ用にマーカータイプ

 

 プラズマインジケータ™ PLAZMARK® はプラズマの処理効果を可視化する評価ツールとして、 2014 年の発売以来、ユーザーの用途に応じて商品ラインナップを拡充してきた。大気圧プラズマ用は、車載部品/プリント配線板製造/FPD製造/フィルム加工など、大気圧(常圧)プラズマ処理のチェック用として多くのユーザーに利用されている。

 同社では今回、これまでのロングラベルタイプ/シートタイプに加え、初の筆記具形状となるマーカータイプを発売する。

 フィルム業界におけるRoll to Roll処理や、曲面および複雑な立体形状の部品に対して 、 従来の印刷物タイプのプラズマインジケータ™では 、 フレキシブル性やサイズの制約から使用が難しく、プラズマ処理効果の確認において課題があった 。

 また、既存の評価手法である接触角測定や濡れ試薬を用いると、液体が流れてしまい、プラズマ処理効果の確認が困難な状況だった。同社では今回、こうした課題の改善を目的に、「マーカータイプ」のインジケータを開発したもの。特長は以下のとおり。

・小型のワークや複雑な形状のワークに対するプラズマ処理を容易に可視化できる

・Roll to Rollなどの柔軟な素材に対するプラズマ処理の確認にも利用可能

・マーカータイプのため手軽に使用でき、運用コストも抑えられる


 

仕様:対応ガスは、同社で確認できたものを記載。混合で使用する場合も含め、
この記載が全てではない変色見本(従来品ロングラベルとの比較):インキの隠蔽力が優れているため、透明な素材から濃色の素材に至るまで、多様な素材素材に至るまで、
多様な素材に利用可能

 

kat 2024年10月2日 (水曜日)
kat

米・3Dセラムシントー、NASAマーシャル宇宙飛行センターとパートナー契約を締結

3週 6日 ago
米・3Dセラムシントー、NASAマーシャル宇宙飛行センターとパートナー契約を締結

 新東工業グループの米・3Dセラムシントー(ミシガン州グランドレッジ市)は、 7月15日にアメリカ航空宇宙局マーシャル宇宙飛行センター(以下、NASAMSFC)から、国際宇宙ステーション(以下、ISS)で実施する宇宙暴露実験(以下、MISSE)の支援企業(共同開発パートナー)として選定され、大型3Dプリンターを販売する契約を締結した。

 MISSEは宇宙空間で行われる実験の一つであり、対象となる材料をISSの外側に長期間剥き出しでさらし、材料が受ける劣化等の影響調査を目的として行われる。3Dセラムシントーは、 2025年6月に実施が予定されている宇宙空間での実験に向けて、まずは大小20個のセラミック製サンプル部品を8月末から造形して10月までに提供する。

 3Dセラムシントーが提供するサンプル部品はISS外部に設置されるパネルに6ヶ月間固定され、無重力、太陽からの放射線等 宇宙空間の影響を試験する。セラミック材料と3Dプリンターによる造形プロセスが宇宙空間で評価されれば、飛行にふさわしい高温構造やヒートシールドの造形をはじめ、多くの部品の造形を可能する。

NASAに提供することが決まったセラミック用大型3Dプリンター

 

admin 2024年10月2日 (水曜日)
admin

島貿易、トライボロジー試験機を用いたDLCなど硬質薄膜関連の試験評価を推進

4週 1日 ago
島貿易、トライボロジー試験機を用いたDLCなど硬質薄膜関連の試験評価を推進

 英国PCS Instrumentsは、Imperial College LondonのHugh Spikes教授が率いるトライボロジー研究グループが開発した潤滑油や燃料油の各種特性を分析するための試験評価技術を基板技術として、1987年に設立された。以降、トライボロジー試験装置のグローバルリーダーの一つとして、油膜厚さ試験機「EHD」、トラクション試験機「MTM」などの各種トライボロジー試験機を自動車や潤滑油をはじめとする産業分野や大学・公共機関などの研究分野に提供している。

 日本国内では、島貿易が国内総代理店としてPCS Instruments製トライボロジー試験機の利点を活かした試験アプリケーションの拡大を進めている。

 ここでは特に、潤滑油介在下でのDLCコーティングなど硬質薄膜の摩擦摩耗特性評価で適用実績の多い、トラクション試験機「MTM」、さらには近年開発された高荷重トラクション試験機「ETM」の概要と、それらを用いたトライボロジー試験評価事例について紹介する。

 

潤滑油介在下での薄膜の特性評価に有用なトライボロジー試験機

 

トラクション試験機MTM

 MTM(図1)は、世界中で300台以上の販売実績がある、実験室向けのコンパクトなベンチトップタイプのボールオンディスク型摩擦摩耗試験機で、500以上の文献で採用されており、簡単なトレーニングで使用できるため、新規ユーザーにも扱いやすい仕様となっている。

 試験機ごとの測定誤差が少なく繰返し性の高い結果が得られるほか、独立駆動するモータにより、すべり率200%以上を再現できる。また、操作性の良さや豊富なアクセサリにより、幅広い試験条件を再現できる。さらに、オプションの3Dマッパーを採用することによって、トライボフィルムの形成を、接触部電気抵抗測定では油膜切れの挙動を確認することが可能となっている。

 仕様は以下のとおり。
・最大荷重:~75N
・接触面圧:~1.25GPa(標準試験片)、~3.1GPa(試験片による)
・最大速度:4000mm/sec
・すべり率:-10000~10000%
・温度範囲:室温~150℃(オイルクーラ使用時10℃~)
・サンプル量:35mL
   
 

図1 MTM本体(左)と試験部(右)
  高荷重トラクション試験機ETM

 ETM(図2)は、軸受鋼(SUJ2)相当の試験片で、3.2GPaの高面圧を再現することができるボールオンディスク型摩擦摩耗試験機。
オプションの3Dマッパーを採用することによって、トライボフィルムの形成から破壊までを観察することが可能となっている。Fluid Extraction System(FES)自動ドレインシステムでは、試験後のサンプルを漏れなく回収し、作業工程を簡便化することによって、クリーニング時間の短縮につながる。

 仕様は以下のとおり。

・荷重範囲:100~1650N
・接触面圧:~3.5GPa(標準試験片)、~7.1GPa(タングステンカーバイド試験片)
・最大速度:3500mm/sec
・すべり率:—10,000~10,000%
・温度範囲:室温~150℃(オイルクーラ使用時10℃~)
・サンプル量:30mL
   

図2 ETM本体(左)と試験部(右)

 

トライボロジー試験用の各種DLC試験片

 DLCコーティングは、その低摩擦特性、高い耐摩耗性、化学的安定性、生体適合性、さらには意匠性などから、自動車や金型分野をはじめ様々な産業分野で適用が拡大してきている。

 特に自動車分野においては、エンジン部品を中心に広く採用されており、それら部品の潤滑油剤を検討する上では現在、DLCを被覆した表面に対する、各種潤滑油添加剤の諸機能を評価することが求められてきている。DLCコーティングは、sp2結合量およびsp3結合量と水素含有量から、低硬度で水素フリーのa-C膜、高硬度で水素フリーのta-C膜、水素含有量の多いa-C:H膜まで様々な種類があり、また、内部応力を低減させ密着性を高める目的で多層化が図られ、さらに離型性など各種の特性を付与する目的で金属ドープなどがなされている。こうしたDLC膜と潤滑油添加剤との関係性においては例えば、摩擦調整剤の一つであるモリブデンジチオカーバメート(MoDTC)を配合したエンジン油を用いて摺動させた場合に、水素含有DLC膜において摩耗が促進されることが報告されている。

 こうした中、PCS Instrumentsでは、様々なDLC膜の表面で潤滑油・潤滑油添加剤を評価したいとのニーズの高まりを受けて、低硬度の水素フリーDLC膜(a-C膜)「Graphit-iC」および高硬度の水素含有DLC膜(a-C:H)「Dymon-iC」をそれぞれ、高速度工具鋼(ハイス鋼)M2ならびに軸受鋼52100に施したボールおよびディスクを用意している(図3、表1)。
 

図3 DLC試験片

 


 

MTMを用いた、MoDTC介在下でのDLC膜の摩擦摩耗特性へのポリマー系摩擦調整剤の影響の評価

 Crodaでは、MTM試験機と上述の2種のDLC被覆ボール(sp3結合量50%、40%水素含有DLCボール(Dymon-iC)および水素フリーCrドープDLCボール(Graphit-iC))、さらには相手材となる鋼製ディスクを用いて摩擦摩耗試験を実施、2種のDLC表面における自社のポリマー系摩擦調整剤(PFM)の潤滑性能を比較評価している1)。供試油には、①5W-30欧州ACEA C3エンジン油、②5W-30油+0.5%MoDTC(Mo含有:400ppm)、③5W-30油+0.5%MoDTC(Mo含有:400ppm)+0.5%PFM1、④5W-30油+0.5%PFM1、⑤5W-30油+0.5%グリセロールモノオレイン酸塩(GMO)、⑥5W-30油+0.5%MoDTC(Mo含有:400ppm)+0.5%GMOを用いた。

水素含有DLC(sp3結合量50%、水素含有量40%)ボール/鋼製ディスクの摩擦摩耗試験結果

 水素含有DLCボール/鋼製ディスクの摺動において、5W-30欧州ACEA C3エンジン油(①リファレンス油)は、境界潤滑領域において0.11という高い摩擦係数を示したが、摩耗量は水素含有DLCボールで4000μm3、鋼製ディスクで12600μm3と大きくはなかった。

 リファレンス油にMoDTCを0.5%添加した供試油②では、速度領域0.1~0.03m/sで摩擦係数が0.09まで低下した一方で、摩耗量はMoDTCの介在によって水素含有DLCボールで10000μm3、鋼製ディスクで70000μm3と大幅に増えた。

 5W-30油にGMOを0.5%添加した供試油⑤では、リファレンス油①に比べると摩擦係数がわずかに低く(0.10)、MoDTC添加油に比べても0.1m/s以上の高速度領域において低い摩擦係数を示した。一方、摩耗量は、鋼製ディスクでは5300μm3とリファレンス油①に比べ減ったものの、水素含有DLCボールでは6700μm3と増えた。

 MoDTCを含むオイルにGMOを配合した供試油⑥は、リファレンス油①にGMOを0.5%配合した供試油⑤と同様の摩擦係数を示した。また、摩耗量においても、MoDTCのみを配合した供試油②に比べて水素含有DLCボール、鋼製ディスクともに減少し、鋼製ディスクでは12600μm3へと減少した。

 水素含有DLCと鋼製ディスクとの摺動において、摩擦調整剤としての効果が最も大きかったのが供試油③および供試油④のCroda製ポリマー系摩擦調整剤(PFM)で、極低速度領域においては摩擦係数の顕著な低下は認められなかったものの、混合潤滑領域において極めて低い摩擦係数を示した。

 PFMのみが配合された供試油③では、摩耗量が水素含有DLCボールにおいて90%も低減し、鋼製ディスクにおいても50%以上低減した(図4)。

 図5に示すとおり、水素含有DLCボールで高い摩耗量が認められたMoDTC配合油においても、Croda製ポリマー系摩擦調整剤PFMと組み合わせることで水素含有DLCボールにおいても、鋼製ディスクにおいても、摩耗量が80%以上低減する結果となっている。
 

図4  PFMの配合による摩耗量低減

 

図5 MoDTC配合油へのPFM添加による摩耗量の大幅な低減
水素フリーDLC(sp2結合、Crドープ)ボール/鋼製ディスクの摩擦摩耗試験結果

 水素フリーDLCボール/鋼製ディスクの摺動において、リファレンス油①は低速度領域において水素含有DLCボール/鋼製ディスクの摺動での摩擦係数0.11よりもわずかに大きい値を示した(μ=0.12)。摩耗量も水素含有DLCボール/鋼製ディスクの摺動での結果に比べて大きく、水素フリーDLCボールで125000μm3、鋼製ディスクで50000μm3となった。

 MoDTC配合の供試油②では、MoDTCの水素フリーDLCボールの摩擦への影響は認められなかったものの、水素フリーDLCボールでの摩耗量は230000μm3と大幅に増えた。一方で鋼製ディスクの摩耗は32000μm3とMoDTCの配合によって小さくなった。

 GMOを配合した供試油⑤が極めて高い摩擦摩耗特性を示し、摩擦係数はリファレンス油①に対し境界潤滑領域で10%低減、混合潤滑領域で10%以上低減した。摩耗量は水素フリーDLCボールで11500μm3とリファレンス油①に対して90%低減し、鋼製ディスクで45500μm3と10%低減した。

 GMOを配合した供試油にMoDTCを添加した供試油⑥はリファレンス油と同様の摩擦摩耗特性を示した。このことから、GMOとMoDTCは性能を相殺する形で機能すると考察される。

 PFMを配合した供試油③は、リファレンス油①よりも高い摩擦係数を示す結果となった。また、摩耗量は水素フリーDLCボールで176000μm3とリファレンス油①に対して45500μm3と40%増加し、鋼製ディスクでも52000μm3と微増した(図6)。

 PFM配合の供試油にさらにMoDTCを配合した供試油④では何と、大幅な摩擦摩耗特性の改善が見られた。摩擦係数はリファレンス油①に比べ20%以上低減した0.10以下で、摩耗量は水素フリーDLCボールで48000μm3とリファレンス油①に対して45500μm3と40%低減したが、鋼製ディスクにおいては59000μm3と20%増加する結果となった(図7)。
 

図6 PFM配合油では水素フリーDLCボールの摩耗が増加

 
 

図7 MoDTC配合油へのPFMの添加により水素フリーDLCボールの摩耗が大幅に低減

 

今後の展開

 MoDTC配合油が水素含有DLC膜の摩耗を促進させる問題に対しては上記の研究以外にもMTM試験機を活用した数多くの研究が進められており、ある種のジアルキルジチオリン酸亜鉛(ZnDTP)などの表面活性添加剤がトライボフィルムを形成しDLC膜の摩耗を抑制するといった研究2)なども近年発表されている。

 高荷重トラクション試験機ETMもまた、トラクション試験機MTMと同様に潤滑油・グリースの評価を中心に適用が進められている。電動車両においても減速機が重要な基幹技術となることから、減速機のような高面圧用途でのETMを用いたEHD摩擦の計測評価といった研究3)も始まってきている。

 環境負荷低減の意識の高まりとともに、日本国内においても洋上風力をはじめとして風力発電装置用潤滑・グリースやDLCコーティングの研究も活発化してきており、こうした高面圧で稼働する風力発電主軸用軸受などにおける、ころ表面のDLC膜とグリース添加剤とのトライボケミカル反応による超低摩擦機能の発現といった事象なども、ETMによって試験評価が可能と見られている。

 PCS Instruments製トライボロジー試験機の国内総代理店を務める島貿易では、表面改質分野でのMTMの適用提案をさらに進めるとともに、こうした高面圧用途での軸受や減速機などでのETMの試験アプリケーションの開拓に努めていく。

参考文献
1) John Eastwood:LUBE MAGAZINE,NO.139,JUNE(2017)33-40.
2) Mao Ueda, Amir Kadiric, Hugh Spikes:Wear of hydrogenated DLC in MoDTC-containing oils, Wear 474-475 (2021) 203869.
3) Jie Zhang, Hugh Spikes:Measurement of EHD Friction at Very High Contact Pressures, Tribology Letters (2020) 68:42.

kat 2024年9月30日 (月曜日)
kat

東京理科大学・佐々木研究室、第23回トライボサロンをハイブリッド開催

1ヶ月 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第23回トライボサロンをハイブリッド開催

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://tribo-science.com/salon)の第23回目が9月28日、東京都葛飾区の葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

開催のようす

 
 トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。トライボロジーに関する情報交換、人材交流等を通し、関連技術の向上と発展に資することを目的に、次の活動を円滑に行えるよう運営に努めている。

 第23回目となる今回のトライボサロンでは、「HiPIMSを用いた水素フリーDLC膜の成膜技術に関する研究」のタイトルで、東京都立産業技術研究センター・徳田祐樹氏を講師に話題提供が行われた。

 講演では、高硬度・高平滑性の両立が求められるDLCコーティングの成膜技術として、大電力インパルスマグネトロンスパッタリング(HiPIMS)に着目。最適な磁場強度の制御による母材へのカーボン粒子のイオン化率向上による高硬度化などの研究を紹介し、HiPIMSを用いた水素フリーDLCの高硬度・高平滑性の両立の可能性を示した。

 なお、トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://tribo-science.com/salon

kat 2024年9月28日 (土曜日)
kat

ブルカージャパン、大阪でAFMミーティング「AFMを用いた電池特性評価技術」を開催

1ヶ月 2週 ago
ブルカージャパン、大阪でAFMミーティング「AFMを用いた電池特性評価技術」を開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は10月17日13:00~17:00、大阪市淀川区のアットビジネスセンターPREMIUM新大阪(正面口駅前)905号室で、AFMミーティング2024<関西>を開催する。テーマは「AFMを用いた電池特性評価」。

 AFMユーザーによる最新の研究成果や、測定のための技術など、特に電池関連の研究者に役立つプログラムとして企画。トークセッションでは、周りに相談できないさまざまな疑問や質問などトピックスを募集しており、測定のヒントやコツなど、参加者の困りごとに答える機会としている。トークセッションの準備として、事前に参加予定者からの質問を、登録フォームへのご記載にて受け付けている。

 概要とプログラムは以下のとおり。

定員:60名

対象:ブルカーに限らずAFMを使用している、または検討しているユーザー、測定技術に興味のある方、これから携わりたい方など

申込み:こちらから

プログラム:13:00開始 (12:30受付開始)

・13:00~13:05    開催挨拶 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 統括部長 鈴木大輔 氏

・13:05~13:35 「原子間力顕微鏡を用いた蓄電池の電極と電解液の界面における物性と反応機構のin-situ解析」自然科学研究機構分子科学研究所 主任研究員 湊 丈俊 氏…蓄電池の開発において、材料の物性の理解は重要であるが、充放電中の蓄電池内部における材料の状態を解析することは容易ではない。原子間力顕微鏡は、充放電中の蓄電池内部の材料物性や反応機構を直接解析できる手法で、高い空間分解能を持つことから、これまで不明であった物性や反応機構を解析できる。本講演では、原子間力顕微鏡を用いた蓄電池の解析における最近の展開などを紹介する。

・13:35~14:05 「Liイオン電池合材電極の電子伝導解析」産業技術総合研究所 電池技術研究部門 研究グループ長 前田 泰 氏、研究員 蒲生浩忠 氏…Liイオン電池では、個々の活物質粒子までの電子・イオン経路が重要だが、従来のマクロスコピックな解析だけでは、これを評価することが困難。産総研では、AFMベースの電気伝導測定により、電極内部の導電ネットワークの評価を試みている。本講演では、液系Liイオン電池や全固体電池の合材電極を対象とした測定例を紹介するほか、三次元シミュレーションとの組み合わせによる電極内部の導電パスに関する解析事例についても紹介する。

・14:05~14:35 「走査型拡がり抵抗顕微鏡法を用いたLIB電極の電子伝導性解析」コベルコ科研 物理解析センター 解析部 主任部員 常石英雅 氏…リチウムイオン電池の電極は活物質、導電助剤、バインダー、電解質で構成されており、電池特性向上のために非常に複雑に設計されている。SPMはそれぞれの部材の通電状態を評価できる唯一の分析手法であり、設計に対する効果を直接的に可視化することが可能となる。今回は主に液系リチウムイオン電池の電極シートを題材に、SSRMによって得られた抵抗マッピング像を用い、その定量値や位置情報を活かした解析事例を紹介する。

・14:35~14:55 「原子間力顕微鏡を用いた二次電池の局所領域の特性評価 ~基礎から応用~」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 アプリケーション部 
アプリケーションエンジニア 寺山剛司 氏…現在、液系リチウムイオン電池のエネルギー密度の向上や課題に対応するため、全固体電池、次世代二次電池、革新型蓄電池の研究開発が進められている。しかしながら、各種次世代二次電池にも克服すべき課題が存在し、解析のために原子間力顕微鏡が用いられている。本講演では二次電池向けの原子間力顕微鏡の測定モードの原理から最新の事例などを紹介する。

・14:55~15:30 休憩:情報交換(お茶とお菓子を用意)

・15:30~16:20 座談会「みんなで話そう電池特性評価」AFMを用いた電池特性評価の課題や期待をパネリストと意見交換できるプログラム。質問・相談を登録フォームより受付中。
モデレーター:自然科学研究機構分子科学研究所 湊 丈俊 氏
パネリスト:各講演者

・16:20~16:40 「ブルカー製品の案内とお知らせ」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 営業部

kat 2024年9月13日 (金曜日)
kat

JASIS2024開催、表面試験・評価・分析機器などが展示

1ヶ月 2週 ago
JASIS2024開催、表面試験・評価・分析機器などが展示

 日本分析機器工業会と日本科学機器協会は9月4日~6日、千葉市美浜区の幕張メッセ 国際展示場で、分析機器・科学機器の総合展示会「JASIS2024」を開催した。展示会では、407社・機関、1214小間(昨年354社・機関、1096小間)の出展と「新技術説明会」、「トピックスセミナー」などの講演が多数催された。リアル展示会への来場者は21918名(昨年16115名)だった。表面試験・評価機器関連では以下のような展示があった。

JASIS2024の会場のもよう

 エビデント(https://www.olympus-ims.com/ja/)は、限界見本をそのまま覚える拡大観察・欠陥判定外観AIによって、欠陥の自動検出・自動分類が可能なデジタルマイクロスコープ「DSX1000+NuLMiL」を紹介した。不良部分を塗りつぶすだけで直感的・効率的に欠陥を学習、学習結果に基づき取得した画像から不良箇所を自動で判定。NG限度見本との類似度設定でOK/NGを調整、R&Dから量産まで適用できる。また、微細観察・粗さ測定において業界最高峰レベルの測定性能を実現するとともに、「実験トータルアシスト」によって実験計画表の作成からデータ取得、解析、分析、レポート作成までの作業を効率化できる3D測定レーザー顕微鏡「OLS5100」を展示した。表面粗さ測定に最適なレンズ選択をアシストする「スマートレンズアドバイザー」で、測定結果の信頼性を向上できる。測定結果の異常値をリアルタイムで可視化する「ヒートマップ表示」も搭載。

エビデントのブースのようす

 大塚電子( https://www.otsukael.jp/ )は、測定する人も場所も選ばずに、瞬時に対象物(フィルムやガラスなどの透明材料)の三次元情報として、光の波の情報全て(光波動場)を独自の波面センサーで取得して、可視化する光波動場三次元顕微鏡「MINUK」を紹介した。観察および測定対象(以後、対象)から生じる光波動場を、結像素子を介さずに波面センサーに記録して、任意の面の像を計算処理で生成する。視野700×700μm、深さ1400μmの三次元情報を対象にフォーカスを合わせることなく2秒未満(標準)で取得して、取得した三次元情報を、後から無段階で任意面を再生できる(デジタルリフォーカシング)。また、防振に優れた独自設計のため設置環境をあまり気にしないで済む。

大塚電子「MINUK」

 協和界面科学( https://www.face-kyowa.co.jp/ )は、主力の接触角計を紹介したほか、自動摩擦摩耗解析装置「TSf-503」を展示した。同装置は天秤構造を採用したことで不要な力を検出せず、正確な摩擦の波形取得を実現した。標準繰返し測定は最大12回まで往復運動をして静・動摩擦係数測定を行う。また同装置は、往復測定か往路のみの測定かを選択でき、往路測定の場合は天秤を自動でピックアップし原点位置まで復帰する。連続静摩擦測定では、設定した移動速度、距離、回数で連続測定を実施する。さらに、4種類の荷重(100g~1000g)で静・動摩擦係数を測定し、荷重による影響を比較することもできる。

協和界面科学「TSf-503」

 新東科学( https://www.heidon.co.jp/ )は、比較的安価で幅広い摩擦摩耗試験に対応した「トライボギア TYPE:14FW」を紹介。同品はテーブル速度、移動距離、往復回数を設定することができるため、さまざまな条件下で試験が可能となる。また、同品はアタッチメントを様々に変更できることから、摩擦摩耗試験だけでなく、簡単な引っ張り試験やスクラッチ試験などに対応している。オプションのトライボソフトを使用すればデータの管理、解析を簡単に行うことができる。さらに、同社は摩擦摩耗試験機の専門メーカーとして70年以上の実績を強みに摩擦摩耗試験の受託試験を行っている。様々なシーンに適合した試験機を取り揃えているとともに摩擦摩耗に特化した多様なノウハウにより精確な受託試験が行えることを訴求した。

新東科学「トライボギア TYPE:14FW」

 THK(https://www.thk.com/jp/ja/)は、分析機器など高精度の位置決めが要求されるアプリケーション向けに開発した、8条列を採用しながらもISO 規格に準拠した標準寸法で、世界標準のLMガイド「SHS」と寸法互換が可能な超低ウェービングのボールリテーナ入りLMガイド「SPHシリーズ」を披露した。超低ウェービング・高剛性ボールリテーナ入りLMガイドSPR/SPSで採用した小径ボールをよりサイズダウンして有効ボール数を増やし、剛性とのバランスを取りつつ、SPR/SPSとほぼ同等のnm単位の超低ウェービング性能を実現している。また、分析装置・実験装置への試料のハンドリングを行い24時間の無人での分析や実験を実施できる、ヒト型双腕ロボット「NEXTAGE Fillie」やロボットハンド「ならいハンドTNH」、「コンビネーションモジュール」を用いた自動化システムを提案した。

THK「SPHシリーズ」(写真奥側)

 パーク・システムズ・ジャパン(https://www.parksystems.com/jp)は、200mmウェハーを切り出さずにそのまま評価できる研究用原子間力顕微鏡(AFM)「Park FX200」を初披露した。①低ノイズフロアと低い熱ドリフトによる再現性の高い測定、②スキャンレート50Hzでも鮮明な画像が得られる高速イメージング性能、③11 µmと小口径のレーザービームスポットのためカンチレバー長が非常に短いプローブを利用でき、共振周波数2MHzを用いた高速測定などさまざまな計測が可能、④より広いサイズをとらえつつ線幅0.87μmの高解像度が可能、⑤ヘッド衝突の保護機能・環境センサー機能を有する新世代AFMコントローラー、⑥200mmウェハーからクーポンサイズの試料までをカバー、⑦プローブタイプの自動認識、⑧プローブの自動交換、⑨カンチレバー上の自動レーザービームアライメント、⑩200mmウェハー全体像観察のためのマクロ光学系、など多くの機能を搭載。

パーク・システムズ・ジャパン「Park FX200」

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部( https://www.bruker-nano.jp )は、スループット2倍の高速測定モード、200mm×300mmの広い試験領域を実現、ポリマー薄膜のナノスケール試験の精度向上、コンビナトリアル材料科学のスループット向上、300mm半導体ウェハーのマルチ測定分析などが可能なナノインデンターシステム「Hysitron TI 990 TriboIndenter®」を展示した。新しいPerformech IIIコントローラー、高度なフィードバック制御モード、次世代nanoDMA IV動的ナノインデンテーション、XPM II高速機械特性マッピングなど測定・解析プロセスのあらゆる面で最新技術を採用。ユニバーサル・サンプル・チャックの使用でほぼすべてのサンプルを取り付けることができ、より広い試験領域での測定が可能。

ブルカージャパン「Hysitron TI 990 TriboIndenter®」

 ヤマト科学システムは、分光技術を用いた最新の計測・分析技術として、誰でも簡単・迅速・高精度に非破壊で計測できるスマート膜厚計「SM-100P/SM-100S」を紹介した。同品は、分光器の小型化やバッテリー駆動により本体が1.1 kgと軽く、ネックストラップ付きで装置の落下を防止しつつ容易に持ち運びができる。また、シンプルで直感的なインターフェースの採用によって専門知識が不要な簡単測定(プローブをサンプルに当てるだけ)に加え、反射分光法の採用によって最薄0.1 μmまで検量線不要で測定が可能となる。測定対象の膜が透明であれば、プラスチック・ガラスなど基材を選ばずに測定が可能。単層膜専用「SM-100S」と、最大3層までの多層膜を測定可能な「SM-100P」をラインアップしている。

ヤマト科学システム「SM-100シリーズ」

 

admin 2024年9月13日 (金曜日)
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