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ジェイテクト、DLC被覆電子制御カップリングなど駆動製品がトヨタ「GRヤリス」に搭載

1日 1時間 ago
ジェイテクト、DLC被覆電子制御カップリングなど駆動製品がトヨタ「GRヤリス」に搭載

 ジェイテクトの駆動製品であるトルク感応型LSD「トルセン®LSD」と4WD車用電子制御カップリング「ITCC®」が、本年9月4日に発売されたトヨタ自動車の新型車「GRヤリス」に搭載された。それら駆動製品は、「モータースポーツ用の車両を市販化する」という逆転の発想で開発したGRヤリスの高レベルのスポーツドライビングの実現に貢献している。

GRヤリス(ミッドランドスクエア・トヨタ自動車ショールームにて撮影)

 

 トルセン®LSDは、自動車の旋回時に左右輪もしくは前後輪のトルクを最適配分する駆動装置であるLSD(リミテッドスリップデフ)の一種で、ヘリカルギヤを用いて差動制限を行うLSDとして、高いトルク配分性能と高耐久性を誇る。

 現在では主に四輪駆動車に搭載され、前後輪のトルク配分を行う「トルセン Type-C」とスポーツタイプの後輪駆動車をはじめ前輪駆動車にも搭載され主に左右輪のトルク配分を行う「トルセン Type-B」を日本、ベルギー、アメリカで生産している。

 GRヤリスでは、「RZ “High performance”」の車両の前後にトルセンType-Bが採用され、GRヤリスの使用環境下に適用するため、高強度・高容量化を図り、より高いレベルのスポーツドライビングに対応している。

トルセンType-B フロント用イメージ

 

トルセンType-B リヤ用イメージ

 

 4WD車用電子制御カップリングITCC® (Intelligent Torque Controlled Coupling)は、電子制御により駆動力を連続的に可変して伝達するカップリングで、通常は四輪駆動車のリヤディファレンシャルとプロペラシャフトの間に搭載され、前後輪の駆動力を連続的に可変することで、高い燃費効率と優れたトラクション性能を両立する装置。

 そのコアとなる技術は、シリコン含有ダイヤモンドライクカーボン(DLC-Si)という、ダイヤモンドに近い特性を持ち、摩耗に強い非結晶の炭素を数ミクロンの膜として被覆した電磁クラッチと専用開発のフルードで、小型で優れた耐久性と静粛性を併せ持つ。

 「電子制御多板クラッチ」とも呼ばれているITCCは、GRヤリス「RZ」「RC」に採用されている「スポーツ4WDシステム“ GR-FOUR ”」の構成部品として搭載され、GRヤリスの使用環境下に適応するため、高温対応、高容量化を図り、ドライブスタイル、路面状況に応じた前後トルク配分のコントロールに貢献している。

ITCC製品イメージ

 

 ジェイテクト駆動事業では引き続き、スポーツカーの走行性の向上に加え、乗用車の安全性向上、環境性向上に貢献するとともに、商用車への技術展開や次世代自動車への技術貢献が可能な駆動製品の研究開発を積極的に進めていく考えだ。

kat 2020年9月25日 (金曜日)
kat

マイクロ加工懇談会、マイクロ成形研究委員会が開催

1週 1日 ago
マイクロ加工懇談会、マイクロ成形研究委員会が開催

 マイクロ加工研究会が主宰運営するマイクロ加工懇談会は9月4日、東京都板橋区のMIC-2(板橋区立研究開発連携センター第二ビル)で、「第六十七回:マイクロ加工懇談会、第55回:マイクロ成形研究委員会」を開催した。

開催のようす

 

 当研究会は、多くの先端材料に高い付加価値を与える「マイクロ加工」に対するニーズが高まる中、1998年に「マイクロ加工技術交流会」を設置、マイクロ加工分野における技術交流活動を開始。2000年からは「マイクロ加工研究会」と改称し、一層の交流の充実を目指し活動を進めてきた。さらに、2002年より「マイクロ成形研究委員会」を併設し、新しいマイクロ成形加工分野の活動を加えるとともに、近年ではマイクロ医療支援技術分野の新しい活動も取り込みながら交流を進めてきた。

 当日は冒頭、代表幹事の大森 整氏(理化学研究所 主任研究員)が開会の挨拶を行った後、同じく大森代表幹事より前回のマイクロ加工懇談会でのトピックスと議論について、さらに本年8月7日に開催された第13回MIRAI会議の報告ならびに概要紹介がなされた。MIRAI会議は、当研究会のテーマであるマイクロ加工と、グリーンテクノロジーを取り扱う国際会議として毎年活発に開催されているとの説明がなされた。

 その後、最近の微細加工・成形加工およびその応用に関する技術トピックスとして2件の講演が行われた。1件目の東京電機大学 松村 隆教授の「形を創り表面の機能を創る切削加工」と題する講演では、微細構造による表面機能制御の基礎的考察から、マイクロディンプルによる機能表面加工、医療応用を狙った小径線材へのマイクロ加工、Whirling切削機構によるブレード・ディンプル加工、ウォータージェットによるガラスの微細加工など多岐にわたるマイクロ加工のトピックスが提供された後、出席者との活発なディスカッションがなされた。

講演する松村氏

 

 2件目の講演として、大森代表幹事より「ダイラタンシー現象を利用した切削工具の超スムーズ研磨加工」と題して、国際コラボレーションによる研究報告がなされた。研究は、新たに検討されたダイラタンシー・スラリーを応用して、超硬チップの超スムーズ研磨加工を目指したもので、スラリーに含有させる砥粒種や粒度、集中度(含有率)と剪断速度などのパラメータによる研磨特性を調査し、Ra15nm前後の表面粗さを得ることができたとの報告がなされた。

 講演に続いて、意見交換がなされたほか、本年10月27日に開催予定の第46回 & 第47回マイクロ加工シンポジウム(次回オープンシンポジウム)、板橋産業見本市・参画行事「いたばし未来の発明王コンテスト」などの紹介がなされた。

 その後、MIC-2内にある理化学研究所 大森素形材工学研究室 板橋分室の施設見学会が行われ、マイクロナノファブリケーションからAI加工に関わる研究内容が紹介された。中でも、これまで同研究グループで開発が進められてきたオンデマンド加工システム(通称、ピコマックス)に、加工条件を自動調整できるAI加工:サイバーカットシステム原形が搭載され、加工実演が行われた。今回は、意図して段差を有するワークが用意され、工具が接触しないエリアでは送り速度を自動的に上げ、接触するエリアでは加工速度を自動的に落とす動作の実演が行われ、その間、参加者による熱心な意見交換が行われた。

施設見学会の様子


 

kat 2020年9月18日 (金曜日)
kat

マイクロファブリケーションシンポジウムなど3研究会・パネル展示会が10/27に開催

1週 3日 ago
マイクロファブリケーションシンポジウムなど3研究会・パネル展示会が10/27に開催

 理化学研究所 大森素形材工学研究室は10月27日、東京都板橋区の板橋区立グリーンホール(シンポジウム・基調講演:2Fホール、パネル展示6F 601会議室)で、「第46回 & 47回 マイクロファブリケーションシンポジウム」を開催する。今回は、「第17回 & 18回 オンデマンド-マイクロ合同シンポジウム」、「第7回 板橋オプトフォーラム」との同時開催となり、パネル展示会も併設される。共催は板橋区、宇都宮大学オプティクス教育研究センター、日本光学会で、後援は品川ビジネスクラブ。

 

 今回のテーマは「マイクロファブリケーション研究の最新動向~AI加工、オプティカルファブリケーションと最新電気加工、3Dプリンティング~」で、以下のとおり開催される。

 

・10:30~10:35 主旨説明 理化学研究所 大森素形材工学研究室 大森 整 氏

 

<第一部:特別セッション>
 

・10:35~11:15 「デスクトップAI加工:サイバーカットについて(第二報)」理化学研究所 大森素形材工学研究室 上原 嘉宏 氏

・11:15~12:00 「AEセンシングのマイクロファブリケーションへの適用可能性―切削・研削・研磨におけるトライボロジー現象とAE特徴量の相関―」埼玉工業大学 長谷亜蘭 氏

・13:00~13:10 板橋オプトフォーラム開会の挨拶 板橋区長 坂本 健 氏

・13:10~14:00 【基調講演】「面発光レーザーの発明と発展:みんなが持ってるVCSEL!」東京工業大学/名誉教授・元学長 伊賀健一氏

・14:10~14:25 「微細加工関連の最新研究動向~MIRAI会議にみる微細加工事例~」理化学研究所 大森素形材工学研究室 大森 整 氏

 

<第二部:マイクロセッション>
 

・14:25~15:05「JEM-EUSO プロジェクト(mini-EUSO ミッションを中心に)」理化学研究所 先端光学素子開発チーム 滝澤 慶之 氏

・15:05~15:30 「親水性ナノ粒子添加クーラントによる非晶質フッ素系光学樹脂材の切削加工について」理化学研究所 大森素形材工学研究室 加藤 照子 氏

・15:30~16:00 パネル展示(6F 601会議室)

 

<第三部:オンデマンドセッション>
 

・16:00~16:40 “Research on the Electrochemical Machining of Easily Passivated Metals and the Eco-friendly Electropolishing of Medical Parts/Components”The University of Tokyo / University College Dublin Han Wei 氏

・16:40~17:10 「フレキシブル有機太陽電池の高効率化とウェアラブルエレクトロニクスへの応用」早稲田大学理工学術院/理化学研究所 創発ソフトシステム研究チーム 髙桑 聖仁 氏

・17:10~17:20 次回予定、閉会の挨拶 理化学研究所 大森素形材工学研究室 春日 博 氏、大森 整 氏

 参加希望者は、事務局(micro_mold@micro.ne.jp)まで所属、氏名、連絡先を明記の上、申し込みいただきたい(資料代については要問合せ)。なお、参加にあたっては、会場を提供する板橋区の規定により、開催日当日の朝に体温測定の上、氏名と体温を書いたメモの受付での提出が求められている。

kat 2020年9月16日 (水曜日)
kat

日本アイ・ティ・エフ、量産性を高めたPVDコーティング装置を開発

2週 5日 ago
日本アイ・ティ・エフ、量産性を高めたPVDコーティング装置を開発

 日本アイ・ティ・エフ( https://nippon-itf.co.jp/ )は、大型の金型や多数の小型部品を大量に搭載できるなど量産性を高めたアーク式イオンプレーティング法のコーティング装置「iDS-720」を開発、iDSシリーズとして販売を開始した。同社では、2021年度以降にiDSシリーズで10億円/年の売上を目指す。

iDS720

 同社では2010年以降、膜の平滑性向上やサイクルタイムの短縮、材料コストの低減といったコーティング装置の高性能化を図り、2014年に真空中でアーク放電を利用して硬質薄膜を成膜する新型アークイオンプレーティング装置「iDS-500」を発売した。その後2017年にシリーズの最大モデルとなる「iDS-1000」、2018年に最小モデルとなる「iDS-mini」を開発した。

 今回、ラインアップ化の最後のモデルである「iDS-720」を開発し、iDSシリーズの主要装備であるステアワン蒸発源や、高排気速度真空ポンプを備え、コーティングゾーンを直径720mm×高さ800mmとした。約700kgの基材搭載が可能であり、大型の金型や多数の小型部品を大量に搭載できるなど量産性を高めた。金型や機械部品(自動車生産用のプレス金型や、エアコンのコンプレッサー部品、製造設備などの各種回転軸)市場へ展開を図っていく。

 高性能化のポイントは、金属材料を蒸発させる部分であるアーク蒸発源にあるという。コーティングを行う際、アーク放電によって金属材料が溶けすぎて、ドロプレットと呼ばれる粗大な粒子が飛び出し、膜が粗くなる現象が起きる。同社は独自構造(ステアワン蒸発源)である、永久磁石をモーターで回転させ、アーク放電が起こるスポットを絶えず動かすことで、金属材料の溶けすぎを防止した。これにより、平滑な硬質薄膜の成膜を実現した。

 また、円板形状である金属材料を大口径化(直径 φ160mm)したことで、材料コストを従来装置に比べて2~5割低減した。さらに、アーク方式だけでなくスパッタ方式の蒸発源も搭載できる構造にした。このほか、高出力のヒーターや、排気速度の高い真空ポンプなどの使用により、サイクルタイムが従来装置よりも約4割短縮できた。

admin 2020年9月7日 (月曜日)
admin

東洋アルミニウム、大阪大学に半導体共同研究講座を開設

2週 5日 ago
東洋アルミニウム、大阪大学に半導体共同研究講座を開設

 東洋アルミニウム( https://www.toyal.co.jp/ )は、大阪大学大学院工学研究科に「東洋アルミニウム半導体共同研究講座」を2020年9月1日に開設した。

 同共同研究講座では、大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻・結晶成長工学領域 (藤原研究室)の結晶成長技術および評価技術とともにAl合金プロセスを発展させ、量産性のある技術によって低コストでシリコン基板上にSiGeおよびSiSn層を形成する技術開発を行う。

 この技術により、SiGe/Siウェハのコストを大幅に低コスト化することができ、今後の太陽光発電および半導体アプリケーションへの展開を目指す。

 また、大阪大学の産学連携の枠組みを通じて、相互の研究者の人財交流を図り、研究開発ネットワークを構築するとともに、半導体分野における学術の発展、技術課題の解決、および創造力豊かな人財育成への貢献を目指す。同社からはシニアスペシャリストのダムリン マルワン氏が特任教授(常勤)として大阪大学に出向する。

admin 2020年9月7日 (月曜日)
admin

トライボコーティング技術研究会、第12回岩木賞贈呈式、第22回シンポジウムを開催

3週 2日 ago
トライボコーティング技術研究会、第12回岩木賞贈呈式、第22回シンポジウムを開催

 トライボコーティング技術研究会(大森 整会長、 https://www.sites.google.com/site/tribocoating/ )と理化学研究所は8月28日、埼玉県和光市の理化学研究所 鈴木梅太郎記念ホールで、「岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)第12回贈呈式」および「第22回『トライボコーティングの現状と将来』シンポジウム―ナノダイヤモンド応用技術、微細構造コーティング技術、AI援用加飾成形技術―」を開催した。

岩木賞受賞者と関係者

 岩木賞は、同研究会と未来生産システム学協会(NPS)などからなる岩木賞審査委員会が表面改質、トライボコーティング分野で著しい業績を上げた個人、法人、団体を顕彰するもので、当該分野で多くの功績を残した故 岩木正哉博士(理化学研究所 元主任研究員、トライボコーティング技術研究会 前会長)の偉業をたたえ、2008年度より創設された。今回は、ナノ炭素研究所 大澤映二氏(豊橋技術科学大学 名誉教授)が業績名「2.6nm爆轟法ナノダイヤモンド分散粒子の生産技術の確立とナノダイヤモンドコロイドの事業化」により、岩木賞初となる大賞・事業賞の同時受賞に輝いた。また、コマツNTC 前花英一氏、東北大学大学院 水谷正義氏・厨川常元氏が業績名「微細ラティスコーティング技術の開発」で特別賞を、IBUKIが業績名「加飾成形用金型の製造技術ならびにAI援用技術に基づくIoT化事業」で事業賞を受賞した。

 冒頭、挨拶に立った大森会長は「今日の贈呈式およびシンポジウムは令和元年度のイベントで、本来であれば2月28日に開催を予定していた。今回は新型コロナウイルスの影響により半年遅れではあるが開催に漕ぎ着けた。皆様コロナ禍で不自由な中お集まりいただいたことを感謝したい」と述べた後、岩木賞各賞の審査経過説明を行い贈呈式に移行した。

挨拶する大森会長

 大賞・事業賞の業績「2.6nm爆轟法ナノダイヤモンド分散粒子の生産技術の確立とナノダイヤモンドコロイドの事業化」は、品質工学の田口メソッドを活用してビーズミリング法によるナノダイヤモンドの解砕条件を最適化、その際にナノ粒子独特の挙動を発見してこれを巧みに利用しつつ、解砕終了後は水を一切添加しないなどの独自プロセスの考案により2.6nmナノダイヤモンド粒子の定常的な生産に成功し、ナノダイヤモンドコロイドの量産・実用化を実現したことが評価されたもの。ナノダイヤモンドコロイド「NanoAmando®B」水溶液の生産技術を確立し、実用化、製品化に成功、販売委託先のニューメタルス・エンド・ケミカルス・コーポレーションを通じ、これまでに研究開発試薬、切削加工液(クーラント)用潤滑・加工助剤や研削加工具(砥石)の性能補助剤(ナノダイヤモンド含有砥石)、コーティング(化学気相成長:CVD)種付け剤など、すでに多くの販売実績を持つ。水性コロイド溶液は濃黒色でやや使いにくいことから、現在は基本粒子の表面にある非ダイヤモンド炭素を除去して無色透明の粉末粒子「NanoAmando®W」の製造を進めるなど、さらなる市場拡大に努めていることなどが評価された。

 Web会議システムにより出席した大澤氏は受賞の挨拶で「伝統のある名誉ある賞をいただき、深く御礼を申し上げる。ダイヤモンドと言う地球上で最高の素材は加工が難しいため、あまり使われておらず非常に残念に思っていた。ナノダイヤに凝集せず分散できるようになったことで適用が広がりつつある」と謝辞を述べた。

Web会議システムで出席した大澤氏

 特別賞の業績「微細ラティスコーティング技術の開発」は、モノとモノとの界面を設計する機能性インターフェース創成方法の新たな提案を行うもの。たとえば、骨との接合性を向上させるなどデンタルインプラント界面への多様な機能を満たすために、①造形の微細性、②自由なデザインの多孔質構造(ラティス構造)、③同構造の曲面など任意のバルク材表面への付与という要件を実現する「微細ラティスコーティング®」を可能にする独自の積層造形法(3Dプリンティング)を開発した。上記の3要件を解決するため、連続パルス発振レーザによる95μmの微細造形の実現や、水平梁構造造形技術、独自開発の粉末供給器の等速運動により一層あたりの粉末堆積厚を均一にする「重力落下式粉末供給法」の開発を行い、多孔質構造による、アンカー効果など各種機能を手軽に付与し活用できるようにしたことが評価された。繊維強化樹脂と金属との異材接合手法としても適用の可能性があることも、期待されている。

前花氏(中央)、大森会長(左)、当日にプレゼンターを務めた熊谷泰副会長(右)

 受賞の挨拶に立った前花氏は「当社は建設機械メーカー・コマツの子会社として工作機械を取り扱っている。微細ラティスコーティングは、技術については“非常におもしろい”と皆様に言ってもらえるが、なかなか実用化が進んでいない。今回の受賞を機に皆様のアドバイスなどをいただけたらと思っている」と謝辞を述べた。

謝辞を述べる前花氏

 事業賞の業績「加飾成形用金型の製造技術ならびにAI援用技術に基づくIoT化事業」は、二次加工を必要としない加飾(樹脂にメタリック感を持たせるなど、繊細で複雑な微細加工を表面に付与)を施す独自の加飾成形金型技術について、従来依存していた熟練者の勘・ノウハウを形式知化したブレインモデルを作り、AIと連携しつつIoT金型を活用して技術伝承を行うとともに、金型製造ノウハウをコンサルティングに転用していることなどが評価されたもの。上述の加飾成形金型の作製ではこれまで、でき上がった型に樹脂を流し込む成形トライで不具合があると、熟練者の感覚を頼りに不具合の原因を探りながら金型修正を繰り返していたが、こうした現場の課題を解決するため、位置センサや温度センサ、圧力センサなどの8種類のセンサを埋め込んだIoT金型を製作して適用、成形中に金型の内部で起こっている樹脂流れや金型挙動を可視化すると同時に、AIを用いて成形の不具合に関する分析を行えるようにした。改良を重ねたIoT金型が完成し、現在は外販も検討中という。

松本氏(中央)、大森会長(左)、熊谷副会長(右)

 受賞の挨拶に立ったIBUKIの松本晋一氏は「当社のような中小企業がこのような名誉ある賞をいただけるのは、本当に光栄で何よりも一人ひとりの社員の自信につながる。社員がひたすらがんばった結果として受け止めたい」と謝辞を述べた。

謝辞を述べる松本氏

 贈呈式の後はシンポジウムに移行。岩木賞の記念講演として大賞・事業賞で大澤氏、特別賞で前花氏、事業賞で松本氏がそれぞれ講演を行った。

第22回シンポジウムのもよう

 

admin 2020年9月3日 (木曜日)
admin

トライボコーティング技術研究会、ATF技術展示会を開催

3週 2日 ago
トライボコーティング技術研究会、ATF技術展示会を開催

 トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 理化学研究所 主任研究員)は8月28日、「第22回トライボコーティングシンポジウム」の開催に合わせて、「ATF(Advanced Tribo-Fair)2020 技術展示会」を開催した。

 ATF技術展示会は異分野への進出、医工連携、高付加価値な表面創製に向け共創して行くことを目的に開催。技術を科学する「テクニストガール」こと、声優の明里 瞳さんの司会進行のもと、パネルやサンプル展示、ショートプレゼンテーションによって、以下のとおり自社の技術をアピールした。

司会進行の明里さん

 島貿易は、創業110年を超える工業原材料の専門商社として化粧品から電子部品まで様々な分野で専門性の高い商品を供給し、国内・海外のネットワークを活かしグローバルなニーズに対応しているほか、試験研究、物流、情報システムの充実を図り、高品質な商品とサービスを目指して環境保全、安全性に配慮した活動を行っていることをアピール。同社が国内総代理店を務める英国PCS Instruments社製トライボロジー試験機として、「EHD油膜厚さ試験機」と「MTMトラクション試験機」、「USV高せん断粘度計」、「MPRマイクロピッチング試験機」の概要を紹介した。

島貿易の展示ブース

 東京電子は真空計、質量分析計、真空機器・部品、直流電源、パルス電源、高圧電源、高電圧半導体スイッチなどの製造・販売や研究開発・受託開発サポート、真空機器・電子機器・電源装置の受託開発を手掛けている。プレゼンテーションでは、HF(High Frequency)パルスの採用によりダイヤモンドライクカーボン(DLC)成膜中の膜品質を低下させるアーク異常放電、生産性を損なう低い成膜レートなどの実際に起こる問題を克服し、性能を向上させ高機能成膜を実現させる「アーク抑制型HiPIMS電源」について紹介した。

東京電子によるプレゼンテーションのようす

 ナノフロンティアテクノロジーは、CNT複合材開発・太陽光吸収膜の開発を行っていることを紹介した。高度な微粒化、分散技術によって、要望に応じたCNT分散液の作製が可能なことや、この技術を応用して太陽光を吸収する黒色膜の開発を行っていることをアピールした。新機能材料の創製、超微粒化技術を通じて社会貢献を目指しており、開発品の用途開拓での共創を呼び掛けた。

ナノフロンティアテクノロジーのプレゼンテーションのようす

 池上金型工業はプラスチック射出成形用金型設計・製作やニッケル電鋳製品の製作、金型標準部品・特注部品ならびに機材の製造販売を手掛けているほか、精密特殊加工を得意とする企業であることを紹介。新規事業として近年、家庭用お手伝いロボットプラモデルきっと「カデンナ」シリーズの開発・販売を手掛け、金型メーカーとしてB to Cへの展開が注目されていることをPRした。

池上金型工業の展示ブース

 

 オプトスターは、独自の結晶仕入れルートと加工技術を駆使し、サファイア、石英ガラス、半導体、各種光学結晶材料を顧客の要望に応じた形状で販売していることを紹介。量産の基板では対応が難しいサイズ、方位、厚さなど各種のパラメータを満たす理想的なMEMS用や半導体用、光学用などの単結晶ウェハーを小ロットから供給できることをアピールした。

オプトスターの展示ブース

 

 メカニカル・テック社は、企画・編集・発行を手掛けている表面改質&表面試験・評価の技術情報誌『メカニカル・サーフェス・テック』、“やわらかい物質”と計測・評価の技術情報誌『月刊 SoftMatter(ソフトマター)』、ベアリング&モーション技術の情報誌『bmt ベアリング&モーションテック』という技術情報誌と、各雑誌にリンクしたウェブサイトを運営していることを紹介した。

 展示会終了後は、投票によって優秀な技術展示やプレゼンテーションに対して「技術展示賞」が選ばれた。プレゼンターを務めた東京都立産業技術研究センター開発本部 開発第一部 部長三尾淳氏から、「優秀技術展示賞」が東京電子とナノフロンティアテクノロジーに送られた。また、「技術展示賞」が島貿易などに贈呈された。

技術展示賞表彰式のようす


 

kat 2020年9月2日 (水曜日)
kat

トライボコーティング技術研究会、第1回研究会・総会を開催

3週 2日 ago
トライボコーティング技術研究会、第1回研究会・総会を開催

 トライボコーティング技術研究会は8月28日、埼玉県和光市の理化学研究所 和光本所 生物科学研究棟 鈴木梅太郎記念ホールで「令和2年度第1回研究会および総会」を開催した。

開催の様子

 当日は、大森 整会長(理化学研究所)の開会挨拶に続いて、以下のとおり講演がなされた。

・特別講演「マイクロアレイ・バイオチップを用いた検査システム」伊藤嘉浩氏(理化学研究所)…被験者の傍らで医療従事者が小型分析器などを用いてリアルタイムに短時間で行うポイントオブケア検査(POCT)システムとして開発した、光固定化マイクロアレイ型バイオチップを用いた多項目検査用システムについて紹介した。バイオチップ研究の歴史について解説した後、同氏が考案した光固定化を応用したタンパク質固定化法では、様々な有機分子、生体分子からウイルス、細菌までを安定して再現性高く固定化でき、臨床検体を用いての測定に利用できることを明らかにした。臨床に応用するために開発した装置は、微量採血(検体量20μL)、41項目を同時に30分で検査できる多項目・迅速測定、ELISA法を基本とした高い定量性、全自動測定による検査の簡便性、などの特徴を持つ。このため、アレルギーのスクリーニング診断から自己免疫疾患の診断、感染症免疫履歴の診断、さらには食品分析や環境分析、化粧品分析など広い分野で応用できるほか、将来的にはAI技術を使って光固定化マイクロアレイ型バイオチップ・システムを発展させ、さらなる精密診断と医療の発展につなげたいと述べた。

伊藤氏

・会員講演「英国PCS Instruments社製トライボロジー試験機」藤田浩史氏(島貿易)…同社が国内総代理店を務めるPCS Instruments社は、インペリアル・カレッジ・ロンドンのトライボロジーグループの研究者により設立され、同社が設計・開発した潤滑油評価用試験機は、トライボロジー分野で世界的なシェアを持つ。本講演では、PCS Instruments社製トライボロジー試験機として、光干渉法により潤滑油・グリースの弾性流体潤滑状態での油膜厚さをナノオーダーで自動測定できる「EHD油膜厚さ試験機」と、幅広い転がり・滑り条件下における摩擦特性を全自動で評価可能な、ボールオンディスク、ピンオンディスクタイプのベンチトップ型試験機「MTMトラクション試験機」、せん断速度が106s-1~107s-1、温度40~150℃での計測が可能な全自動粘度装置「USV高せん断粘度計」、短時間でギヤ・カム・ベアリングなどのピッチング評価が可能な3点接触型疲労摩耗試験機「MPRマイクロピッチング試験機」の各々について、概要や試験機の仕様、試験の事例などを紹介した。たとえばEHD油膜厚さ試験機を用いた試験では、基油のみの場合に比べて添加剤を入れた基油において、低速での著しい膜厚の増加があったことなどが示された。

藤田氏

 研究会に続いて総会が開催され、令和元年度 活動報告・会計報告がなされ、令和2年度 活動計画が発表された。役員改選では、会長に大森 整 氏(理化学研究所 主任研究員)、副会長に熊谷 泰 氏(ナノコート・ティーエス社長)と野村博郎 氏(理化学研究所 大森素形材工学研究室 嘱託)が再任された。

大森会長

 

熊谷副会長

 また、大森会長より「第13回岩木賞(トライボコーティングネットワークアワード)」について業績の募集ならびに表彰費用賛助の募集がなされたほか、東京都板橋区主催により同区内の小中学生を対象とした「いたばし未来の発明王コンテスト」アイデア募集の案内がなされた。

kat 2020年9月2日 (水曜日)
kat

サーフテクノロジー、独自微粒子投射処理技術でカビ増殖抑制効果を確認

3週 4日 ago
サーフテクノロジー、独自微粒子投射処理技術でカビ増殖抑制効果を確認

 サーフテクノロジーでは、原材料を流すためのホッパーや粉体をふるい液体を濾過するための網、商品を搬送するためのフィルムガイドやネットコンベア、金型や麺帯ローラーなど食品製造設備に共通する異物混入や衛生面での微生物対策、フードロス対策の一つとして、独自の微粒子投射処理「マイクロディンプル処理®(MD処理®)」を提案している。

 MD処理は基材表面に微細凹凸(マイクロディンプル)を形成することで、食品用粉体の付着抑制や滑り性向上、洗浄性の向上などに効果を発揮。すでに、この微細凹凸によって大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌性能が付与されることや、抗ウイルス性が付与されることが確認されているが、このほど、カビの増殖を抑える効果が確認された。

MD処理を施したフルイ(左半分)では粉落ちが倍増、
目詰まりがなく材料ロスが激減するとともに洗浄時間も短縮できる

 

MD処理による付着抑制・滑り性向上と抗菌効果

 MD処理とは、直径数µmから数十µmの微粒子を圧縮性気体に混合して高速に金属表面に衝突させ、表面を改質する方法で、使用する粒子の形状などは付着抑制をしたい粉体の物理的・構造的特徴によって使い分けている。ショットピーニングやサンドブラストでは直径数百µmの粒子が使用されるのに対して、MD処理は数十µm以下の粒子を用いた微粒子投射処理で、処理表面には不規則な微細凹凸が形成される。

 MD処理の食品への応用では、基材表面に凸部が形成されることによって粉体が点接触となり、付着抑制や滑り性向上などの効果を発揮する。MD処理は、基材そのものの表面形状を制御するだけで、フッ素樹脂加工のようなコーティングではないため、異物混入の心配がないことからも、食品製造設備での採用が急速に進んできている。

 食品製造ラインにおいて衛生管理は非常に重要な課題であり、大腸菌などの菌繁殖抑制に対して、多くの場合は次亜塩素酸水やオゾン水、エタノールなどを利用した衛生管理がなされているが、次亜塩素酸水は残留塩素の心配があり、オゾン水は使用方法によっては人体に悪影響を及ぼすため、安全性における懸念がある。エタノールも含めてそれらの薬剤を使用することによって耐性菌の懸念もある。

 これらの課題がある中で、表面形状だけでの抗菌効果が近年注目を集めており、表面形状創成技術であるMD処理に関しても、微細凹凸形成による先述の付着抑制・滑り性向上の効果に加えて、抗菌効果の検証がなされた。食品製造設備では錆対策などでステンレス鋼が多く使用されていることから、サーフテクノロジーではSUS304を基材としてMD処理を施し、神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)に委託してJIS Z2801に基づき実施抗菌性試験を実施した結果、大腸菌および黄色ブドウ球菌に対する抗菌効果が確認されている(下図参照)。

 同社では現在、ナノ構造を有する昆虫の羽を再現することなどによる抗菌効果を検証するバイオミメティクス(生物模倣)研究の第一人者である関西大学 システム理工学部 教授の伊藤 健氏をはじめとし、KISTECとも連携して、MD処理による大腸菌や黄色ブドウ球菌に対する抗菌メカニズムの解明、さらには、確立した抗菌メカニズムに基づくMD処理の抗菌性能向上に向けた研究を進めている。

  

8時間後の大腸菌群培地シート 左:SUS304 未処理、右:MD処理

 

MD処理のカビ増殖抑制効果の検証

 サーフテクノロジーでは今回、食品工場の衛生管理において極めて重要なカビ対策の一環として、MD処理のカビ増殖抑制効果について検証した。

 カビの増殖を抑える効果については、東京都立産業技術研究センターが確認。JIS Z 2911:2018 カビ抵抗性試験を参考にした試験として、試験カビ(Aspergillus niger NBRC 105649)を26℃、湿度95%以上で7日間培養した結果、下表に示すとおり、未処理では肉眼でカビの発育が認められないかほとんど認められないものの、実体顕微鏡下での発育部分は試料全面積の1/3以上という状態(レベル2)だったのに対して、MD処理(BおよびC)を施した結果、肉眼および実体顕微鏡下でカビの生育が認められない(レベル0)か、肉眼でカビの発育が認められないが、実体顕微鏡下での発育部分は試料全面積の1/3未満(レベル1)と、カビ増殖抑制効果が確認された。

 

 また、下図は、SUS304鏡面とそこにMD処理をした試験片上に9日間餅を静置させた後の試験片の画像で、鏡面では顕著なカビの付着が確認できる一方、MD処理面はカビの付着が少ないことが分かる。

 

 サーフテクノロジー 研究開発部 研究員の西谷伴子氏は、「大前提として金属にカビは生えないが、ここで見えているカビは金属表面に付着した栄養源(ここでは餅も含む埃など)に生えたカビで、MD処理面は粉体などの付着抑制効果があるため、その分カビが付着しにくくなっているとも判断できる。しかしそれだけではなく、試験カビを培養液中で培養させる前述の抗カビ試験では液体が存在することから、その液体=栄養源が微細凹凸によって細かく分断されてカビが発育しにくくなっているという仮説も立てられる。いずれにせよ微細凹凸がカビの発育を阻害しているとは考えているが、抗菌効果と同様に、カビ増殖抑制のメカニズムについては不明な点が多く、引き続き解明に努めていきたい」と述べる。

 下平英二社長は、「食品工場は常に水が使われ湿度が高く、でんぷんや糖分などの植物残渣があり、カビが増殖しやすい環境にある。アルコールスプレーでの胞子の死滅、カビの除去といった作業が常に施されていると聞くが、機械の見えない部分でカビが繁殖し、ある時に胞子が飛散してしまう可能性もないとは言えない。そうした点で現場の担当者にとってカビ対策は極めて重要であり、悩ましく困難な問題だと思われる。MD処理の採用によって衛生安全性の確保に寄与し、担当者の作業面での負担や心労をいくらかでも減らせるよう、引き続きMD処理のカビ増殖抑制メカニズムの解明とカビ増殖抑制効果の高いMD処理の開発を進めていきたい」と語っている。

kat 2020年9月1日 (火曜日)
kat

JFEスチール、溶融亜鉛めっきにおける鋼板非接触制御技術を全製造拠点に展開

4週 2日 ago
JFEスチール、溶融亜鉛めっきにおける鋼板非接触制御技術を全製造拠点に展開

 JFEスチール( https://www.jfe-steel.co.jp/ )は、溶融亜鉛めっきプロセスにおける鋼板非接触制御技術の開発を進め、国内の全製造拠点(千葉、京浜、倉敷、福山)および溶融亜鉛めっき鋼板を製造する海外子会社の全ラインへの導入を完了した。

 溶融亜鉛めっき鋼板を製造する連続溶融亜鉛めっきライン(Continuous Galvanizing Line:CGL)では、高温で溶融した亜鉛のポットに連続的に鋼板を浸漬して引き上げ、過剰に付着した亜鉛をワイピングノズルによって掻き落とすことで、目標のめっき付着量に制御している。めっき付着量の均一化のためには、ワイピングノズルと鋼板の間隔を一定に保つ必要があり、めっきプロセスにおいて鋼板の振動や反りを抑制することが重要となる。

 同社は、鋼板の振動および反りを非接触変位計で検出し、電磁石によって発生する吸引力で鋼板の位置を制御することで、非接触で鋼板の振動および反りを抑制する、溶融亜鉛めっき鋼板の非接触制御装置を開発し、実用化を進めてきた。同社が開発した非接触制御装置は、各ラインの操業条件や製造板サイズに合わせて設計され、鋼板制御に必要な応答性と吸引力を両立する独自技術をカスタマイズして採用することで、鋼板の振動と反りを同時に制御することが可能。

 国内CGLには、制御能力向上の開発を進めながら順次展開してきたが、2015年以降は海外子会社のCGLにも導入を開始し、2020年2月に稼働したNUCOR-JFE STEEL MEXICOのCGLにも導入を完了した。本技術は、国内外の全製造拠点において溶融亜鉛めっき鋼板の品質向上に大きく貢献しているという。

溶融亜鉛めっき鋼板の非接触制御装置

 

admin 2020年8月27日 (木曜日)
admin

日立金属、独自の表面処理施した医療用シリコーンケーブル

4週 2日 ago
日立金属、独自の表面処理施した医療用シリコーンケーブル

 日立金属( https://www.hitachi-metals.co.jp/ )は、独自の表面処理を施すことで、高い滑り性と耐薬品性を兼ね備えた医療用シリコーンケーブルを開発した。

 シリコーンは優れた耐薬品性、耐滅菌性能、生体適合性をもち、医療機器の素材として幅広く利用されている。シリコーンをシース(保護外層)に適用した場合は、ケーブル表面を消毒する薬品への高い耐性をもち、高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)などにも適用することができる。これらの優れた耐薬品性・耐滅菌性能から、今後も幅広い医療機器への適用が予想される。また、新型コロナウィルスなどの感染症患者の診断に使用される医療機器は、頻繁に消毒する必要があるため、耐薬品性能に優れたシリコーンケーブルの採用が広がる見込みである。しかしながらシリコーンは、表面の粘着性により、埃が付着して汚れやすい、医師の取扱性が悪い、患者の肌に触れた時に不快感があるという課題があった。

 今回開発した医療用シリコーンケーブルは、ケーブル表皮に独自の表面処理を施すことによってシリコーン特有の粘着性の問題を解消し、高い滑り性を実現した。繰返し消毒における滑り性の低下については、消毒液を含浸させた不織布の応力を受け流す表面構造とすることにより、同社評価方法により1万回の拭き取り試験を行った後でも、同社従来品のPVCケーブルと同等以上の滑り性を維持する結果が得られたという。また、病院で使用されるさまざまな薬液に対しても、同社PVCケーブルと比較して変色が少ないことを確認した。2020年初より量産を開始し、一部の医療機器で採用されている。今後は超音波診断装置、内視鏡、カテーテル等、頻繁に消毒・滅菌が必要な医療機器への採用を提案していく。

医療用シリコーンケーブル

 

admin 2020年8月27日 (木曜日)
admin

サカタインクス、印刷方式で抗ウイルス効果が可能なコーティング剤

4週 2日 ago
サカタインクス、印刷方式で抗ウイルス効果が可能なコーティング剤

 サカタインクス( http://www.inx.co.jp/ )は、紙のパッケージやカタログなどの表面に塗工することで、優れた抗ウイルス効果を持たせることが可能なコーティング剤を開発し、抗菌製品技術協議会(SIAA)の認証を取得した。

 新型コロナウイルス感染症の蔓延により、社会全体での衛生意識が高まるとともに、あらゆる製品において菌やウイルスなどに対する感染防止のニーズが高まっている。同社では、以前よりパッケージへの塗工を対象とした抗菌コート剤を展開しているが、今回、あらたに抗ウイルスコート剤「RabコートVVVシリーズ」を開発し、拡販を図る。

 使用用途は、紙のパッケージやカタログ、雑誌、教科書などの表面に、フレキソ、グラビア、オフセットなどの印刷方式で塗工することにより、抗ウイルスの機能を付与するもの。コート剤のタイプとしては、熱乾燥型やUV硬化型など幅広いラインアップを揃えている。また、ISO21702に準拠した試験方法により抗ウイルス性の効果を確認し、SIAAによる認証を取得しているため、このコート剤を塗工した製品については「SIAAマーク」を表示することが可能となる。

抗ウイルス性能

 

admin 2020年8月27日 (木曜日)
admin

トライボコーティング技術研究会、8/28にATF技術展示会を開催

1ヶ月 ago
トライボコーティング技術研究会、8/28にATF技術展示会を開催

 トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 理化学研究所 主任研究員)は8月28日、埼玉県和光市の理化学研究所 和光本所(http://www.riken.jp/access/wako-map/) 生物科学研究棟 鈴木梅太郎記念ホールでの「令和2年度第1回研究会および総会」ならびに「第22回トライボコーティングシンポジウム」の開催に合わせて、「ATF(Advanced Tribo-Fair)2020 技術展示会」を開催する。

過去の技術展示会 ショートプレゼンテーションのようす

 

 技術展示会では、パネルやサンプル展示、ショートプレゼンテーションによって,自社の技術をアピールするとともに、異分野への進出、医工連携、高付加価値な表面創製に向け共創していく。投票によって優秀な技術展示に対して「技術展示賞」が選ばれ、同日開催される「岩木賞記念パーティー・技術交流会」の場で贈呈される。

 今回出展する技術展示企業は以下のとおり。

東京電子㈱ https://toel.co.jp/

・真空計、質量分析計、真空機器・部品、直流電源、パルス電源、高圧電源、高電圧半導体スイッチなどの製造・販売
・研究開発・受託開発サポート
・真空機器・電子機器・電源装置の受託開発、など

池上金型工業㈱ https://www.ikegami-mold.co.jp/  

・プラスチック射出成形用金型設計・製作
・ニッケル電鋳製品製作
・金型標準部品・特注部品並びに機材の製造販売
・精密特殊加工
・また、新規事業としてプラモデル「カデンナ」シリーズの開発・販売を手掛け、金型メーカーとしてB to Cへの展開が注目

ナノフロンティアテクノロジー㈱

https://www.city.itabashi.tokyo.jp/bunka/monodukuri/support/kigyo/1014709.html
https://www.ipros.jp/company/detail/2064770/

・CNT複合材開発・太陽光吸収膜の開発
・また、高度な微粒化、分散技術により要望に応じたCNT分散液の作製が可能
・この技術を応用して太陽光を吸収する黒色膜の開発
・新機能材料の創製、超微粒化技術を通じて社会貢献を目指している

(株)オプトスター http://optostar.com/

・独自の結晶仕入れルートと加工技術を駆使し、サファイア、石英ガラス、半導体、各種光学結晶材料を顧客の要望に応じた形状で販売

島貿易㈱ https://www.shima-tra.co.jp/products/tribology

・創業110年を超える工業原材料の専門商社
・化粧品から電子部品まで様々な分野で専門性の高い商品を供給し、国内・海外のネットワークを活かしグローバルなニーズに対応
・試験研究、物流、情報システムの充実を図り、高品質な商品とサービスを目指して環境保全、安全性に配慮した活動を行っている

㈱メカニカル・テック社

・表面改質&表面試験・評価の技術情報誌『メカニカル・サーフェス・テック』
・“やわらかい物質”と計測・評価の技術情報誌『月刊 SoftMatter(ソフトマター)』https://softmatter.mechanical-tech.co.jp/
・ベアリング&モーション技術の情報誌『bmt ベアリング&モーションテック』https://bearingmotion.mechanical-tech.co.jp/
などの技術情報誌の企画・編集・発行と、各雑誌にリンクしたウェブサイトを運営

kat 2020年8月26日 (水曜日)
kat

ブルカージャパン、9/17に欠陥観察・表面計測をテーマにウェビナーを開催

1ヶ月 ago
ブルカージャパン、9/17に欠陥観察・表面計測をテーマにウェビナーを開催

 ブルカージャパンでは、ブルカーX線事業部とナノ表面計測事業部の共催で9月17日13 :30~14:30、ウェビナー「欠陥観察・表面計測による課題可視化ソリューション~5G時代の電子材料や電池、医療医薬分野の品質管理に、Ⅹ線CTと3D白色干渉計による多角的評価でできること、わかること~」を開催する。

 

 参加は無料(事前申込み制)で、以下から申し込みできる。
https://register.gotowebinar.com/register/7959981907717542157?source=BNS-web

 本ウェビナーでは研究・開発・評価・生産管理などで活躍する材料内部の破壊や劣化評価や観察が可能なX線CTシステムと、表面の微小な形状を高分解能で計測・観察が可能な3D白色干渉計のそれぞれの原理・活用事例などをまじえて、以下のとおり紹介する。

・プレゼン①「非破壊で内部構造観察ができるX線CTの原理と測定例」ブルカージャパン X線事業部 アプリケーション部 中山 悠氏…X線CTは、3D X線顕微鏡とも呼ばれ、マイクロオーダーの内部構造を非破壊で3次元情報として観察・評価できる画期的な手法である。電子材料や医薬医療の分野の研究開発・品質管理などに幅広く活用されている。本ウェビナーでは、その原理と実際の測定例を紹介する。

・プレゼン②「非破壊・非接触で表面性状が観察できる白色干渉計の原理と測定例」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 アプリケーションエンジニア 寺山剛司氏…白色干渉計はナノオーダーで表面性状の評価を計測するツールの一つである。測定時間も短く、非破壊・非接触により抜き取り検査ではなく、ライン検査としても使用可能。本ウェビナーで白色干渉計の基礎から、5Gをサポートするような電子基板、医療医薬分野のサンプル例を紹介する。

kat 2020年8月26日 (水曜日)
kat

メカニカル・サーフェス・テック2020年8月号「特集:表面特性評価」8/25に発行

1ヶ月 ago
メカニカル・サーフェス・テック2020年8月号「特集:表面特性評価」8/25に発行

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2020年8月号「特集:表面特性評価」が当社より8月25日に発行される。

 今回の特集「表面特性評価」では、改質表面のトライボロジー特性とその発現メカニズム解明のための分析・評価技術について、分光技術を用いた最新の計測・分析技術とDLC膜をはじめとする薄膜関連分野における適用について、持ち運び困難な大きな試料においてもその場で自由な向きで試験を行うことが可能な微小球反発硬さ試験の概要と測定事例について、材料表面の機械的特性評価としてインデンテ-ション/スクラッチ/ウエアー試験の概要について、GD-OESによりDLC膜の水素量を測定した事例や、ラマン分光法を用いてトライボフィルムの経時変化を観察した事例などの分析ソリューションについて紹介する。

特集:表面特性評価

◇改質表面のトライボロジー特性と分析・評価技術・・・東京理科大学 佐々木 信也
◇分光技術を用いた最新の計測・分析技術と薄膜関連分野への適用・・・大塚電子 色川 健太朗 氏 に聞く
◇微小球反発硬さ試験eNMの概要と測定事例 ―小さなものから大きなものまで―・・・山本科学工具研究社 山本 卓
◇材料表面の機械的特性評価:ナノ・マイクロインデンテ-ション/スクラッチ試験技術・・・日本サーマル・コンサルティング 浦山 憲雄
◇表面改質・トライボロジー研究のための分析ソリューション・・・堀場製作所 貫名 春美、堀場テクノサービス 和才 容子

連載

注目技術:抗菌手法としての金属表面改質技術・・・米国パデュー大学
現場に行こう!・・・ナノコート・ティーエス トライボロジーラボ
Dr.クマガイののんび~り地球紀行 第11回 ニュージーランド編・・・不二WPC 熊谷 正夫

トピックス

Optimol Instruments、オンラインフォーラムを開催
加工の最適化を図るAI技術搭載の研削盤開発NEDOプロジェクトが開始

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admin 2020年8月24日 (月曜日)
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ブルカージャパン、8/27にIn-situナノ機械的特性評価の基礎ウェビナーを開催

1ヶ月 ago
ブルカージャパン、8/27にIn-situナノ機械的特性評価の基礎ウェビナーを開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は8月27日13:30~14:30に「In-situナノ機械的特性評価の基礎ウェビナー~ナノスケールの試験をSEM・TEM中で見て分かる!In-situナノインデンテーションシステムのご紹介~」を開催する。

 参加は無料(事前申込み制)で、以下から申し込みできる。
https://register.gotowebinar.com/register/4463505245039772942?source=BNS-web

 ナノインデンテーションは様々な材料のナノ・マイクロスケールにおける硬さ・弾性率などを定量的に評価する手法で、近年、各種材料の小型化、薄膜化、複合化が進むにつれ、微小な構造の機械的特性を把握することが材料特性の発現やメカニズム解明において重要になっている。今回紹介するSEM・TEM中で用いるIn-situナノインデンテーションシステムでは、ナノスケールの構造が応力によりどのように変形するかをリアルタイムで観察できるだけではなく、SEM・TEMの分析技術を組み合わせることで、より複合的な現象の解析が可能となるもの。

 本ウェビナーではナノインデンテーションシステムの機械的特性評価手法の基礎に触れた後、SEM・TEM中におけるナノスケールのIn-situ機械的特性評価試験の事例を分かりやすく紹介する。In-situナノスケールの機械的特性評価に興味のある人や、SEM・TEMの分析技術との複合解析に興味のある人に最適。

 

kat 2020年8月24日 (月曜日)
kat

ブルカー、単一分子計測用の高速AFMシステムを発表

1ヶ月 ago
ブルカー、単一分子計測用の高速AFMシステムを発表

 ブルカー社は、毎秒50フレームという高いイメージング速度を実現する高速AFMシステム「JPK NanoRacer®」をリリースした。生命現象の動的プロセスの真の単一分子・リアルタイム観察が可能となる。当該領域のエキスパートとの緊密な連携のもとに開発され、高速性に加え原子分解可能な高いイメージング性能、従来にない使いやすさを実現。生化学、分子生物学、医療関連分野において,単一分子の振る舞いや分子反応のダイナミクス解析に用いることで、現象に対するより深い理解につながるデータの獲得が可能となる。

高速AFMシステム「JPK NanoRacer」

 

 NanoRacerは、微小カンチレバーの使用を想定して設計されており、流体中の試料観察において100 nm×100 nmの走査範囲、測定点数10000ピクセルの条件下において、秒間50フレームのイメージングを実現する。

 さらに光熱励振機能や新しい高分解能XYZフレクシャースキャナー、各軸に低ノイズ位置センサーを搭載したハイエンドの研究用AFMとなっており、最高感度の力検出能と高い空間分解能、高い安定性を兼ね備えていることから、分子・ナノスケールの高度なアプリケーションに最適。

 JPKの高性能コントローラ「Vortis™ 2」と直感的で分わかりやすいユーザーインターフェースを備えたソフトウェアが搭載されており、自動化されたセットアップ機能やマルチユーザー環境に最適化されたシステムにより、研究者は実験だけに集中することができる。

 主な特徴は、以下のとおり。

・50フレーム/秒の最高撮像速度を実現
・直感的で使い易い操作を実現するV7ソフトウェア
・新開発の高速ヘッド・スキャナユニット
・自動カンチレバーアライメント
・最高の安定性を実現するための堅牢設計
・小・中型カンチレバーに対応
・オプションで、ブルカー独自のPeakForceタッピングモードに対応

 金沢大学ナノ生命科学研究所(WPI-NanoLSI)の安藤敏夫特任教授は、「生体分子には未解明な点がまだまだ数多く残されており、その解明には機能活動中の個々の分子を直接観察する必要がある。今回発表された高速AFM、NanoRacerは生体分子を直接リアルタイムで観測する性能を有し、また、簡単な操作と高いパフォーマンスを実現するための多くの革新的なアイデアが盛り込まれている。多くの研究者がこのNanoRacerを使ってエキサイティングな発見に出会うことを願っている」と述べている。

 また、ブルカーBioAFMグループの最高責任者トルステン・ヤンケ氏は、「NanoRacerは、高速AFM領域におけるブルカーのイノベーションの集大成で、その性能と使いやすさの双方の観点から、単一分子観察のためのハイエンドなAFMマーケットに革命を起こすと確信している。生化学、分子生物学、創薬分野の研究者にとって、分子ダイナミクスの直接観察から、分子構造と機能との相関に対し、より深く正確な理解をもたらすAFMツールとなるだろう」と語っている。

kat 2020年8月24日 (月曜日)
kat

日本精工、富山に熱処理の新工場を竣工

1ヶ月 1週 ago
日本精工、富山に熱処理の新工場を竣工

 日本精工(NSK)は、神奈川県藤沢市の藤沢工場から熱処理工程の一部をグループ会社であるNSK富山に移管する。これに伴い、富山県高岡市にあるNSK富山 高岡工場に新工場「NSK富山 熱処理棟」を増設した。投資金額は約30億円で、建築面積は3641m2。

竣工したNSK富山 熱処理棟

 

 同社藤沢工場は1937年以来、産業機械軸受の旋削、熱処理、研削、組立まで一貫生産を行う一方、NSK富山は1966年の創業以来、風力発電や鉄鋼向けなどの大形軸受の鍛造や旋削を行っている。

 今回、地震や洪水などの災害時のリスク回避と大形軸受の生産強化を目的に、藤沢工場で行っている一部の熱処理をグループ会社のNSK富山に移管することを決定。これに伴い、NSK富山では新工場を新設し、好調な風力向けを中心に軸受の鍛造、旋削から熱処理までを担う。本工場では、既存の鍛造や旋削工程の設備を整流化し活用・拡充しつつ最新の熱処理加工技術を導入し、環境に優しく、品質の向上を実現しするほか、既存の鍛造や旋削工程を整流化し、搬送自動化することによって高効率で安全な工場を目指す。

 日本精工では今後、グループ全体で品質や生産効率の向上を進め、産業機械事業のさらなる体質強化を目指していく。

kat 2020年8月14日 (金曜日)
kat

第13回MIRAI会議が8/7に盛岡市で開催

1ヶ月 1週 ago
第13回MIRAI会議が8/7に盛岡市で開催

 MIRAI(Manufacturing institute for Research on Advanced Initiatives)とNPS(未来生産システム学協会)は8月7日、岩手県盛岡市のマリオス (盛岡地域交流センター)で「第13回MIRAI会議(The 13th MIRAI Conference on Microfabrication and Green Technology)」( http://2020.e-mirai.xyz )を開催した。コロナ禍で開催が危ぶまれたが、岩手大学・西川尚宏 助教の助力もあり実現したもの。

開催のもよう

 

 MIRAI会議は、微細加工とグリーンテクノロジーを主たる分野とした国際会議で、環太平洋地域の国々としては主に日本、韓国、台湾、中国、米国、シンガポールの各国から第一線の研究者等が参加し、継続的に開催している。

 開催場所は2007年のカリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)での第1回開催を皮切りに毎年移動しており、近年では2017年に韓国慶州で韓国精密工学会(KSPE)の国際会議ISGMA2017と同時開催され、2018年に札幌市でPRESM2018(ISGMAが2018年から改称)と同時開催、2019年には福岡市で開催されている。

 MIRAIのトピックスは、マイクロファブリケーションと精密加工、アディティブ・マニュファクチャリング、塑性加工/射出成形加工、研削加工、物理・化学プロセス、グリーンテクノロジー、グリーンイノベーション/ライフイノベーション、光学および医療機器、環境配慮型テクノロジー、など。

 今回、メインテーマである微細加工についてはダイラタンシーによる新しい加工原理などが、またグリーンテクノロジーについては西川尚宏氏の開発した加工液に水のみを使用する電気防錆加工法について活発に議論されたほか、ナノ粒子や表面テクスチャーのトライボロジー効果についてのディスカッションも活発に行われた。

講演する大森 整・理化学研究所 主任研究員

 

講演するNathan Hagen・宇都宮大学 助教

 

kat 2020年8月14日 (金曜日)
kat

Optimol Instruments、オンラインフォーラムを開催

1ヶ月 1週 ago
Optimol Instruments、オンラインフォーラムを開催

 ドイツOptimol Instruments Prüftechnik社(OIP社、日本総代理店:パーカー熱処理工業)は7月2日と3日の両日、Microsoftのオンライン会議ソフトウェア「Teams」を用いて、日本や北米、欧州向けのオンラインフォーラム「SRV® Online Application Forum on 2/3 July 2020」を開催した。本イベントは、トライボロジー分野のマーケット・リーダーがOIP社製振動摩擦摩耗試験機「SRV®」を活用したトライボロジー・アプリケーションの実践報告を行うもので、今回は以下のとおり2019年度のOIP社製品の開発状況や新技術の紹介に加えて、新しい試験アプリケーションや評価手法などの報告がなされた。

・「Overview on product innovation」Gregor Patzer氏(OIP社)…オシレーションセットアップおよびローテーションセットアップと、オシレーション・ローテーション両方の動きを模擬でき実部品で評価できるSRV®がその信頼性の高さからDIN・ASTM・SAC・ISOなど各種規格に採用されていることを紹介したほか、SRV®がチェーンの材料や表面処理、オイル・添加剤を組み合わせて迅速に評価できることから、ターボチャージャーや直噴エンジンなどのタイミングチェーンの摩耗を評価するASTM D8279規格のスクリーニング試験として有用であると述べた。また、ローテーションセットアップ用の各種アダプターや、腐食摩耗を評価するオシレーション試験のための電極付きセル、動的荷重発生デバイス、OCA ソフトウェア、再現性・信頼性・ロバスト性の高い校正セットアップといった同社の製品イノベーションを紹介した。

Gregor Patzer氏

 

・「Interpreting tribological effects correctly」Ulrike Cihak-Bayr 氏(AC 2T research社)、Ameneh Schneider氏(OIP社)…高分解能・高サンプリングレートの摩擦摩耗試験では、オイルやグリースの評価で摩擦係数の短いピークが現れることがある。こうした事象と添加剤の作用や表面粗さの作用といった相関関係について実験・調査した。それぞれ添加剤組成の明確な鉱油、エステル油、モーターオイル(新油および使用油)について、試験中の摩擦係数の変化を10μs間隔で取得できる高分解能分析(HRA)機能を搭載したSRV®5を用いて試験を実施、摩擦係数の短いピークの発生時とその前後の各試料を取り出し、X線光電分光法(XPS)によって各オイルの化学組成分析や化学マッピング分析を行い、走査電子顕微鏡(SEM)によって各試料の摩耗痕などを観察した。摩擦係数の短いピークの発生時とその前後の摩擦摩耗試験の結果とXPSとSEMによる分析を組み合わせることで、摩擦事象の原因を特定できるとした。

・「Elastomer compatibility of lubricants under dynamic load ― A feasibility study」Ameneh Schneider氏(OIP社)…油圧ポンプなど実際のアプリケーションにおいては、シール材料は潤滑油などによって動的な負荷がかかる条件にさらされているにもかかわらず、シール材料であるエラストマーの潤滑油との適合性は通常、ISO 1817規格に準拠して静的条件で評価されている。そこで、良好な適合性を実現するエラストマーと添加剤・基油の組み合わせを静的試験に比べ短時間・低コストでスクリーニングできるよう、動的トライボコンポーネントを組み込んで評価できるSRV®5を用いた動的評価方法を提案した。シール材料として2種のエラストマーと潤滑油2種(鉱油とエステル油)を用意し、適合性評価のための特殊仕様のSRV®5で各種のエラストマー/潤滑油の組み合わせで温度条件を変えて試験を実施。摩擦係数および摩擦係数のヒステリシスループ、各潤滑油で処理した各種エラストマーの引張強さ、破断伸び率、200%伸び時の引張力などを評価し、潤滑油とエラストマーの組み合わせをランク付けした。結果、0.5時間80℃のSRV®試験が室温320時間のISO 1817規格に準拠した静的試験と同等の結果が得られたことでSRV®5による動的評価方法の有効性を示した。

Ameneh Schneider氏

 

・「Stribeck curves on the SRV® ― Combining the friction signals with the contact resistance ―」Mathias Woydt氏(Matrilub社)…ストライベック曲線のコンセプトは、全潤滑領域と温度領域にわたる摩擦プロファイルのマッピングを可能にしている。ピストンリングとシリンダライナーというトライボシステムは全潤滑領域で稼働し、各潤滑領域で摩擦係数も油膜厚さも大きく変わる。ここではリング-ライナーの稼働する全潤滑領域を再現でき、各種エンジン部品の試験規格として採用されているSRV®に実際のリング-ライナーを組み込んで、各種エンジン油での潤滑下で摩擦試験を実施、自動車エンジンで要求される10m/s程度までの摺動速度の増加とともに摩擦係数、電気接触抵抗(油膜厚さ)が変化していくストライベック曲線を描いた。全潤滑領域での種々の潤滑油(基油・添加剤)および表面性状などの効果が比較評価できるようになったことで、エンジンにおける摩擦低減や燃費改善に寄与できるとした。

Mathias Woydt氏

 

・「Functional condition monitoring with SRV®」Ameneh Schneider氏(OIP社)、Mathias Woydt氏(Matrilub社)…トライボシステムにおける機械要素である潤滑剤の状態監視は、部品損傷の信号を早期に検知しシステムの信頼性を担保する上で重要だが、使用する潤滑剤のトライボロジー性能は状態監視試験で行われることは少なく、結果的に機械で使用されている潤滑剤の品質が評価されることは少ない。そこで、SRV®5のオシレーションセットアップを使って、新油および使用油の4種のギヤ油を用いての摩耗試験を実施、8分後および20分後のディスクおよびボールの摩耗量を評価した。摩耗量の評価は使用中の潤滑剤の状態を見ることとなり、潤滑油の寿命延長を図るフィルトレーション実施の判断材料となることを示唆した。また、摩擦摩耗が増大し損傷が起こる転移点などを評価するCliff試験について紹介した。SRV®を用いて、20時間ごとに採取したSequence ⅢGエンジン試験中のエンジン油でASTM D6425/DIN 51834-2規格に準拠した150℃での摩擦摩耗試験を実施。得られた摩擦摩耗データを最先端のオイル分析技術と相関させることで、潤滑油の状態監視や劣化原因の究明も可能となり、オイル交換の時期の特定や異常摩耗の起こりにくい添加剤配合の決定などの判断材料となるとした。

・「Traction curves of oils and greases ― Friction response of additives, base oils and alloys, wear resistance and fatigue resistance under slip-rolling in 2disk ―」Mathias Woydt氏(Matrilub社)…潤滑剤のトラクション曲線はCVTやトロイダルギヤの潤滑油や鉄道などのグリースの機能を定義する。実アプリケーションでの動作環境を再現するには、広範囲にわたる温度・速度・ヘルツ接触応力のトラクション曲線を記録する必要がある。このトラクション曲線とストライベック曲線が描けるOIP 社製 「2円筒式摩擦摩耗試験機」は、二つのディスクを独立制御でき高荷重下(ヘルツ接触応力P0max~4.2GPa)での転がり滑り接触(滑り率0~100%)における潤滑剤やコーティングなどの試験に最適で、転がり接触下での摩擦力となじみ効果の可視化評価や疲労ダメージ進行の評価などが可能。2円筒式摩擦摩耗試験機を用いて、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングと各種添加剤の転がり滑り接触下での摩擦低減効果を評価した事例などを紹介しながら、潤滑油や添加剤、材料、コーティングの容易に短期間に行えるスクリーニング試験として有用であることを示した。

 なお、OIP社の日本総代理店であるパーカー熱処理工業( https://pnk.co.jp/ )では今秋、上述の2円筒式摩擦摩耗試験機を導入し、受託試験を開始する計画だ。

kat 2020年8月13日 (木曜日)
kat
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