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FPS、第17回岩木賞の業績募集を開始、締め切りは9月30日、表彰費用の賛助も募集

11時間 53 分 ago
FPS、第17回岩木賞の業績募集を開始、締め切りは9月30日、表彰費用の賛助も募集

 未来生産システム学協会(FPS)は、「第17回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」の業績募集を開始した。締め切りは本年9月30日。

 岩木賞はトライボコーティング技術研究会が提唱し、NPO法人である精密科学技術ネットワーク(PEN)が2008年度から創設し表彰していたが、2011年度からは一般社団法人であるFPSが継承し表彰している。

 岩木賞は、表面改質、トライボコーティング分野で多大な業績を上げた故 岩木正哉博士(理化学研究所 元主任研究員、トライボコーティング技術研究会 前会長)の偉業を讃えて、当該技術分野と関連分野での著しい業績を顕彰するもの。募集対象は表面加工、表面改質、表面分析、トライボロジー、コーティングに関わる研究・開発・技術・支援・交流・事業化などで著しい成果、業績(製品、サービス、学会発表や特許申請/登録されたものを含む)を上げた個人、法人、団体で、表彰対象は受賞業績が公表できること、FPSに参加できること、と定めている。

 本年度は大賞、優秀賞、特別賞、奨励賞を中心に募集を行うが、国際賞、事業賞、功績賞の申請も受け付ける。国際賞以外は、原則として日本国内に居住地、研究室や本社、本部、主力工場などの活動拠点を有する個人、法人、もしくは団体が対象。国際賞は、海外に居住地などの主たる活動拠点を有する個人、法人、団体が対象となる。

 各賞の審査基準は以下のとおり。

【大賞】
・開発技術が世界的に高い水準にあり、新規独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化されており、経済的・社会的貢献が認められるもの。

【優秀賞】
・開発技術が日本国内において高い水準にあり、新規独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化されており、社会的貢献が認められるもの。

【特別賞】
・開発技術が当該業界において高い水準にあり、新規/独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化されているか、実用化の途上にあり、社会的貢献が認められるもの。

【奨励賞】
・開発技術が当該業界において優れており、新規/独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化の途上にあり、実用化の努力が認められるもの。

【事業賞】
・事業化技術または事業/ビジネスモデル、サービスなどが当該業界で影響力を有し、当該業界の知名度を上げる、インフラの構築を行う、社会生活に恩恵をもたらすなどの効果を通して、活性化、発展に貢献をなし、波及効果を生むなどの活動の成果、努力が認められるもの。

【国際賞】
・開発技術または事業化技術または事業/ビジネスモデル、サービスなどが当該業界で影響力を有し、当該業界の我が国との関係において協力、連携、協調関係を育み、または当該業界の知名度を上げ、活性化、発展に貢献をなし、波及効果を生むなどの活動の成果、努力が認められるもの。

【功績賞】
・大賞、優秀賞、特別賞、奨励賞の評価尺度と、事業賞、国際賞の評価尺度のいずれの面でも極めて顕著な業績が認められるもの。

 岩木賞受賞業績については、2025年2月に開催予定のシンポジウム「トライボコーティングの現状と将来」で、表彰および受賞業績の記念講演がなされる。岩木賞に関する問い合わせ、申請様式の請求は、FPS表彰顕彰部門岩木賞表彰事業部内 事務局まで(E-mail:award@e-shg.net)。 

 トライボコーティング技術研究会ではまた、岩木賞表彰費用の賛助を呼びかけている。問い合わせ・申し込みは、岩木賞表彰事務局まで(award@tribocoati.st)。

 なお、岩木賞のこれまでの受賞業績は以下のとおり。

 

kat 2024年5月22日 (水曜日)
kat

NTN、自動車駆動装置の小型・軽量化に貢献する特殊熱処理技術を開発

2日 10時間 ago
NTN、自動車駆動装置の小型・軽量化に貢献する特殊熱処理技術を開発

 NTNは、新たな特殊熱処理技術「HA-C」を開発、本技術により軸受の業界最高水準の高負荷容量化を実現したことで、従来よりも小型・軽量な軸受への置き換えを可能としている。本技術はまた、従来の熱処理技術では困難であった高温寸法安定性、耐異物性、耐摩耗性も高水準で両立、電気自動車(EV)用e-Axleをはじめとする自動車向け駆動装置の小型・軽量化と省エネルギー化に貢献する。

 同社ではEV用e-Axle減速機向けやHEV用減速機向けなどにHA-C適用軸受の提案を進め、2030年度に10億円/年の販売を目指す。

特殊熱処理技術「HA-C」の適用により軸受の小型・軽量化を実現
深溝玉軸受6306(大)に適用した場合、深溝玉軸受6206 (小)への置き換えが可能

 

 環境負荷低減を背景にEVやハイブリッド車(HEV)は、航続距離の延長が求められており、e-Axleや減速機などの駆動装置の小型・高速回転化や潤滑油の希薄化による省電費・燃費化が進んでいる。そのため、高負荷容量化と低フリクション化を同時に実現する玉軸受が求められている。また、高速回転環境下では発熱や摩耗が増えるため、その転がり軸受には経年寸法変化率の低減や摩耗の抑制が求められる。

 同社が今回開発した特殊熱処理技術HA-Cは、設計面での軸受形状の変更は必要なく、一般的な鋼材に特殊な熱処理技術を適用することにより、業界最高水準の高負荷容量化を実現する。本技術は材料に硬く微細な析出物を多数分散させるなどの手法により、非常に高い表面硬さと高負荷容量化を実現。本技術を適用した転がり軸受は、自動車向け駆動装置などの過酷な使用環境に対応できる。

 同社標準軸受と比較した、開発技術の特長は以下のとおり。

・高負荷容量:静的負荷容量が2倍、重荷重条件における転動疲労寿命が7倍以上に向上。高負荷容量化により、小型・軽量な転がり軸受への置き換えが可能(置き換え例:軸受外径・幅ともに約13%小型化、約45%軽量化)

・耐異物性:転がり軸受が異物を嚙みこんだ際に生じる圧痕周縁の盛り上がり量を1/2に低減し、異物混入潤滑下における転動疲労寿命が3倍に向上

・高温寸法安定性:環境温度150℃での経年寸法変化率が1/2以下に抑制

・耐摩耗性:摩耗量が1/300以下に低減

圧痕形成性(静的負荷容量)試験結果
3/8インチ窒化ケイ素球で付与した圧痕形状
(最大接触面圧:5.5GPa、左:HA-C適用品、右:標準品)

 

kat 2024年5月20日 (月曜日)
kat

三洋貿易、6/7、6/14、7/5、7/26、トライボロジー試験評価法をテーマに講座を開催

1週 ago
三洋貿易、6/7、6/14、7/5、7/26、トライボロジー試験評価法をテーマに講座を開催

 三洋貿易は、東京理科大学の佐々木信也教授を講師に、トライボロジーに関わる試験評価法をテーマに、基礎から応用まで現場で役立つ実践講座「トライボロジーの基礎」を6月7日、6月14日、7月5日、7月26日の4日程でハイブリッド開催する。

 リアル参加の会場は東京理科大学 葛飾キャンパス4F 第3会議室(JR常磐線金町駅より徒歩10分)。参加は無料で、会場での定員は各回20名。参加申し込みは、こちらまで。

 実機を用いたサンプル測定やデータの解析および解釈、そしてメカニズム解明のための機器分析の利用方法などについて、現場で役立つ実践的な講座を上記日程の4回シリーズで開催する。具体的には、毎回座学(90分)と実演・実習(90分)を行う。

 座学はオンラインでの聴講も可能。実演・実習では、最新の各種摩擦試験装置、表面形状機器、インデンター・スクラッチ試験機を使用する。また各回とも、個別技術相談にも対応する。

 プログラムは以下のとおり。

6月7日

 

6月14日

 

7月5日

 

7月26日

kat 2024年5月15日 (水曜日)
kat

堀場製作所、ラマン実践講座を6/5に開催

1週 6日 ago
堀場製作所、ラマン実践講座を6/5に開催

 堀場製作所は6月5日、京都市南区の堀場テクノサービス 京都本社 テクノプラザおよびオンラインにて「ラマン実践講座:Raman School」を開催する。今年は関西学院大学 名誉教授・フェローの尾崎幸洋氏に加え、大阪大学大学院 教授の藤田克昌氏を迎えて、基礎から分析に必要なテクニック、さらには最先端のアプリケーション事例をご紹介するプログラムを用意している。また、産業技術総合研究所の伊藤信靖氏はラマン分光技術にまつわる標準化について解説する。

日  程:2024年6月5日(水)10:00~17:45(オンラインは、14:50 まで)
費  用:無料
開催形式:「会場受講」または、「オンライン受講」
「会場受講」
株式会社堀場テクノサービス 京都本社 6F テクノプラザ 
「オンライン受講」
Zoom Webinarを使用。ブラウザでの視聴の場合、ブラウザのバージョンは最新版を利用。
開催時間の約10分前より入室が可能。
定  員:会場受講:50名、オンライン受講:500 名

 詳細はこちらから。

招待講演「ラマン分光最前線(基礎原理と最近の進歩について)」 講師:関西学院大学 生命環境学部 名誉教授・フェロー 尾崎 幸洋 氏

 本講演は2部構成からなる。第一部はラマン分光法の基礎に関するものである。ラマン分光法の原理、実験法について初心者にもわかるように概説する。第二部では最近のラマン分光法の発展に関するもので、新しい装置、解析法の紹介とともにそれらの応用について説明する。特にナノラマン、表面増強ラマン、ラマンイメージング、低波数ラマン等に重点を置く。

招待講演「ラマン顕微鏡の原理と細胞イメージングへの応用」 講師:大阪大学 大学院工学研究科 物理学系専攻 教授  藤田 克昌 氏

 近年の光学素子、光学デバイスの進展は、微弱で使い難いというラマン散乱の常識を変え、材料科学から創薬、診断などへの応用が広がっている。本講演では、ラマン散乱を利用して試料中の物質を認識し、物質分布や試料分布や構造を画像化するラマン散乱顕微鏡の原理を紹介する。また、ラマン散乱顕微鏡を利用した細胞イメージングへの応用、特に細胞の無標識イメージング、細胞の薬剤応答、細胞種/細胞状態、および、小分子の可視化について紹介する。

招待講演「ラマン分光装置にまつわる標準化の動向」 講師:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 計量標準総合センター 物質計測標準研究部門
有機基準物質研究グループ/有機組成標準研究グループ(兼務) 伊藤 信靖 氏

 今日では、用途に応じた様々な性能のラマン分光装置が使われており、装置や測定者によって評価結果が異なることも少なくない。このような状況を改善するため、ラマン分光装置を用いた評価方法等の標準化が進められている。本講演では、ラマン分光装置にまつわる国際的な標準化の動向について紹介する。

HORIBA講演「あなたの実験を加速させるラマン分光装置の最新機能」 株式会社堀場テクノサービス 分析技術本部 分析技術部 分光分析チーム 溝道 桂介 氏

  顕微ラマン分光装置の用途は急速に拡大し、様々な分野への応用が期待されている。それに伴って測定目的に特化した測定・解析が必要になっているが、多くの労力を要する場合も多い。このような複雑化するラマン分光分析に対するソリューションとして、画像認識・座標共有・自動測定・自動解析などの多くの機能が開発されている。本公演ではこのような最新のソフトウェア・ハードウェア機能について紹介する。

admin 2024年5月9日 (木曜日)
admin

スギノマシン、キャビテーションウォータージェットピーニングなどの受託加工を開始

2週 1日 ago
スギノマシン、キャビテーションウォータージェットピーニングなどの受託加工を開始

 スギノマシン( https://www.sugino.com/ )は、高圧水を利用したウォータージェットピーニング技術「CWJP(キャビテーションウォータージェットピーニング)」と金属積層造形(AM)のポストプロセス技術「CASF(キャビテーションアブレシブサーフェスフィニシング)」の受託加工サービスを開始する。どちらも同社のコア技術であるウォータージェット(高圧水噴射)技術を応用したもの。

CWJP装置(左)とCASF装置(右)

 CWJPは高圧水を利用したピーニング技術で、水中で発生するGPa(ギガパスカル)クラスの衝撃力を用いて、金属部品の疲労強度を向上し長寿命化させる。また、メディアは一切使用せず水のみで加工できるため、産業廃棄物が発生しない時代に合ったクリーンな加工法である。

CWJP加工のようす

 CASFはアブレシブ懸濁液が入った水槽内で高圧水を噴射することで、金属AM部品の表面処理や疲労強度向上、サポート材の除去などが行える加工技術。従来、造形後の後工程は複数工程に分かれており、さらに一部はその煩雑さから、手作業で行われていた。CASFはこれら複数の後工程を一度にまとめて行えるため、生産工程の自動化・省人化と製品の品質向上をまとめて実現できる。

CASF加工のようす

 同社では両技術に関して、数多くの加工テストの依頼を受けてきた。良好なテスト結果が多数得られており、顧客からは、少量・少額から実製品に採用していきたいとの要望を受けているという。これを受け、受託加工の取り組みを開始することになった。

 受託加工は同社の滑川事業所(富山県滑川市中野島)にて行う。まずは加工テストを行い、得られた最適な加工条件をもとに受託加工を実施する。

 

admin 2024年5月7日 (火曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2024年4月号 特集「金型・工具の表面改質」キーテク特集「熱処理①」4月25日発行!

4週 1日 ago
メカニカル・サーフェス・テック2024年4月号 特集「金型・工具の表面改質」キーテク特集「熱処理①」4月25日発行!

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2024年4月号 特集「金型・工具の表面」キーテク特集「熱処理①」が当社より4月25日に発行される。

 今回の特集「金型・工具の表面」では、EV向けに使用される金型・工具向けPVDコーティングと電池関連や半導体関連向けのPVDコーティングについて、金型・工具でも必須の熱処理におけるシミュレーションの概要と事例について、射出成形スクリュにおいて耐食性と離型性を付与する超高真空スパッタリングによるCr-Nアモルファスコーティングについて紹介する。

 また、キーテク特集「熱処理①」においては、昨年11月に開催された熱処理に関する国際会議であるIFHTSE2023から見た世界の熱処理事情について、熱処理の学術団体として業界を牽引する日本熱処理技術協会の活動について紹介する。

特集:金型・工具の表面改質

◇工具・金型向けPVDコーティングの開発と適用・・・日本コーティングセンター 木村 裕二 氏、張 伊靖 氏 に聞く

◇熱処理シミュレーションの技術と事例・・・ヤマナカゴーキン 今橋 智則

◇耐食性、離型性に優れた射出成形スクリュ・金型向けCr-Nコーティング・・・浅井産業 加賀谷 恭平、高瀬 正和、安永 龍哉、伊藤 基浩、岡山県工業技術センター 國次 真輔

Featured Events

◇Surface Technology Germany 2024が開催、ジャパンパビリオン出展6社が独自製品・技術を披露

キーテク特集:熱処理①

◇FHTSE2023に見る世界の熱処理事情・・・大阪産業大学 南部 紘一郎

◇日本熱処理技術協会の活動に見る熱処理研究の取り組み・・・編集部

連載

インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機・・・Rtec-Instruments

酒飲み世界紀行:第2回 チェコのビール編・・・横浜国立大学 梅澤 修

トピックス

表面技術協会、第75回通常総会・協会賞など各賞授与式を開催-新会長に平藤氏

トライボコーティング技術研究会、第16回岩木賞贈呈式、第26回シンポジウムを開催

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admin 2024年4月23日 (火曜日)
admin

HEF DURFERRIT JAPAN、水素関連ソリューション向けにPVDコーティング技術を披露

4週 1日 ago
HEF DURFERRIT JAPAN、水素関連ソリューション向けにPVDコーティング技術を披露

 HEF DURFERRIT JAPAN(https://www.hefdurferritjapan.co.jp/)は2月28日~3月1日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された「H2 & FC EXPO【春】~第21回 【国際】水素・燃料電池展~」に出展、燃料電池車(FCV)や水素関連設備向けに最新のPVDコーティング技術を披露した。

出展のようす

 

燃料電池セパレータ用PVDコーティング

 HEFでは、プロトン交換膜(PEM)型燃料電池(FC)のセパレータ(バイポーラプレート)用に、導電性、耐食性、密着性に優れたPVD(物理蒸着)コーティングを開発している。

 バイポーラプレートの基材には、機械的物性、高い電気伝導性、高いガス遮断性といったセパレータに要求される性能を満たす各種の合金が用いられるが、金属表面で発生する電気化学的な腐食への対処が必要になる。これに対しHEFが開発したバイポーラプレート向けPVDコーティング(コーティング成分としてAu、C、Cr等があるが、性能とコストの観点からC(カーボン)コーティングが主流)では、ステンレス、チタン、アルミニウムといったバイポーラプレートの基材を問わず高い耐食性(陽極:1μA/cm2未満・アクティブピークなし、陰極:1μA/cm2未満)・導電性(100S/cm以上)と低い接触抵抗値(0.01Ω・cm未満)を持つ被膜「セルテスELEC FC/ELEC FC+」を開発している。

 トヨタ自動車をはじめ燃料電池車の開発は日本が先行しており、今後、乗用車、商用車、定置用などで、日本での量産立ち上げへの移行が見込まれている。これに対しHEFでは、成膜面を最適な状態にする自動洗浄ラインから、最大の生産効率を実現する専用治具、生産性を最大化する最先端の成膜装置といったすべての専用生産設備を設計・開発・製造しており、それらを組み込んだ「自動インライン式コーティング設備」の初号機が先ごろ完成し、現在フランス本社で試運転を行っている。順次、自動インライン式コーティング設備の2号機、3号機を製造し、2026~2027年ごろに予定されているFCV向けカーボンコーティングの日本での受託加工の際には、燃料電池専用の新拠点を設立し、そこに自動インライン式コーティング設備を設置して量産に対応する計画としている。
 

PEMFCバイポーラプレート用PVDコーティング


 

自動インライン式コーティング設備

 

水電解装置用PVD/PECVDコーティング

 水電解装置(エレクトロライザー)では、再生可能電源からの電流を使用して水分子が酸素と水素に分解される。水電解装置はスタック(複数のセルの直列アッセンブリー)と、発電機、コンプレッサー、ポンプ、水処理などのユニットで構成されている。水素電解装置内の各セルには、水素イオン(プロトン)が通る多孔質輸送層(PTL)と、バイポーラ/セパレータプレートが含まれ、ガスや水などの流体の輸送と電気伝導において重要な役割を果たす。

 これらは腐食性の高い環境下で動作するため、性能を最適化し耐久性を保証するために表面改質技術が要求される。HEFは、欧州で先行するプロトン交換膜(PEM)型水電解装置において、PVDおよびプラズマCVD(PECVD)技術によって水電解装置用コーティングを開発している。本コーティングは水電解の性能を損なうことなく、貴金属の使用量を削減できることを確認している。

 HEFでは表面改質/機能化に関して、さまざまな水電解技術の材料課題に対応。競争力のある価格での大量生産や、高性能で持続可能なソリューション、ユーザーニーズに合わせたオーダーメイドのソリューションを提供できる。
 日本国内では、ナノコート・ティーエス 石川事業所で受託加工を行う予定となっている。
 
 

水電解装置用コーティング:左はセパレータ、右はPTLにコーティングしたサンプル

 

金属材料の水素脆性を防ぐDLCコーティング

 炭素鋼やステンレス鋼、アルミニウム合金などの多くの金属材料では、水素の存在が機械的特性に悪影響を与えることがよく知らせている。HEFでは高度な技術に裏打ちされた柔軟な発想とDLCコーティングの知識によって、ガスバリア機能を有する新しい特殊カーボンコーティング(水素バリアDLC)を開発している。このコーティング膜は本来のドライでの低摩擦係数を維持しつつ、水素拡散を劇的に減少させる。
 

水素バリアDLC

 

 HEFでは燃料電池あるいは水電解装置へのコーティングに対するユーザーのニーズの高まりに応えるため、HEFでは現在、フランス本社に最初のパイロットプラントを建設中で、2025年までに大規模な展開が計画されている。

kat 2024年4月23日 (火曜日)
kat

プロテリアル、高い硬度と耐食性を兼備する高硬度高耐食刃物用鋼

1ヶ月 ago
プロテリアル、高い硬度と耐食性を兼備する高硬度高耐食刃物用鋼

 プロテリアル( https://www.proterial.com/ )は、高い硬度と耐食性を兼備する高硬度高耐食刃物用鋼「YBSTM1」、「YBSTM2」を開発した。切れ味と錆びにくさが同時に要求される医療用メス、カミソリ用替刃、調理用刃物、アウトドアナイフなど幅広い用途が期待できるという。

高硬度高耐食刃物用鋼の用途

 同社は、強みである金属を中心とした組織・組成制御技術を駆使することで、硬さと耐食性を兼備する高硬度高耐食刃物用鋼を開発することに成功した。YBS1、YBS2 ともに適切な焼き入れを行うことで、プロ用高級包丁の材料として使用される高炭素鋼の青紙Ⓡ2号に匹敵する非常に高い堅さが得られたという。また、塩水噴霧試験において、YBS1はマルテンサイト系ステンレス鋼SUS420J2に相当する高い耐食性を示し、YBS2は耐食性が若干落ちるものの切れ味を重視した包丁に向くマルテンサイト系ステンレス鋼GIN3と同等の耐食性を示す。これらの結果により高い硬度と耐食性を兼備する YBS1、YBS2 は、切れ味と錆びにくさが同時に要求される医療用メスやカミソリ用替刃、調理用刃物、アウトドアナイフ等への幅広い用途が期待できる。


 切れ味に優れ、度重なる使用でも切れ味が落ちず、かつ錆びにくいといったメンテナンス性に優れる刃物へのニーズは時代を問わず不変のもの。刃物の切れ味は、主に硬さ、刃角度、表面粗さなどで決まるとされており、錆びにくさ、すなわち耐食性は主にクロムなどの合金元素量に依存する。一般的な刃物用鋼は、SK材や青紙2号に代表される高炭素鋼と、SUS420J2やGINⓇ3に代表される合金元素を多く含むマルテンサイト系ステンレス鋼に大別され、用途に応じて適切な硬さと耐久性を得るための鋼材が選ばれてきた。しかし、高炭素鋼は、焼入れ・焼戻しにより、800HVを超える高い硬さを示すものの、耐食性は著しく低いという課題があった。一方、マルテンサイト系ステンレス鋼は、高炭素鋼に比べて高い耐食性を示すものの、硬さが低いという課題があった。このため、従来の刃物用鋼では硬さと耐食性を高い次元で両立することは困難だったというう。

admin 2024年4月19日 (金曜日)
admin

花王、ゴムや樹脂製品を型枠からスムーズに取り外す離型剤

1ヶ月 ago
花王、ゴムや樹脂製品を型枠からスムーズに取り外す離型剤

 花王( https://www.kao.com/jp/ )は、ゴムや樹脂製品の製造時に製品を型枠からスムーズに取り外すための離型剤「ルナフロー RA」の販売を5月に開始する。

 同品は、バイオマス素材のセルロースナノファイバー(CNF)を材料として活用し、優れた離型性と一度塗布すれば繰り返し使用できる持続性が特長。製造工程での作業性向上が期待でき、溶剤・フッ素フリーで環境と作業者の両方にやさしい製品設計となっている。

離型剤の役割

 離型に課題を抱える業界のニーズに応え、課題解決を後押しできる製品を提案するとともに、ゴム・樹脂だけでなく、幅広い素材に適応可能な製品の開発も目指す。また、将来的には、CNFを活用した“すべらせる技術”を応用して、汚れを付きにくくする製品への展開も視野に入れて、取り組んでいく予定だという。

 CNFは、木材などから得られる繊維をナノレベルまで微細化した最先端のバイオマス素材。鋼鉄の5分の1の軽さで5倍の強度を持つなどの優れた特長から、自動車や建築の材料などに活用されている。同社は、CNFを使いやすくコントロールする技術(疎水化技術)を保有しており、ユーザーの目的や用途ごとにカスタマイズしたCNFを販売してきた。また、2021年にはCNFと潤滑油を組み合わせることで、塗布した対象面をウツボカズラの袋内部のように“すべる表面”にする技術(滑液表面技術)を確立している。

admin 2024年4月19日 (金曜日)
admin

パーク・システムズ・ジャパン、自動化AFM用コントローラを発売開始

1ヶ月 ago
パーク・システムズ・ジャパン、自動化AFM用コントローラを発売開始

 パーク・システムズ・ジャパンは、は、人工知能搭載によりセットアップからスキャンまで一連の流れを自動制御する原子間力顕微鏡(AFM)「FX40」のパフォーマンスを強化するために特別に設計された新しいコントローラ「Park FXコントローラ」の発売を開始した。追加のハードウエアを必要とすることなく、接触共振圧電応答顕微鏡(CR-PFM)などの最先端のアプリケーションが可能となる。

「FX40」とそのパフォーマンスを強化するために特別に設計された「Park FXコントローラ」

 

 新しいFXコントローラには、前機種と比較して以下の大幅な機能強化が導入されている。

•  最大八つのロックインアンプをサポート:ロックインアンプのチャンネル数を最大8チャンネルまで拡張することで、従来の四つ以上のチャンネルを必要とする新しいアプリケーションに対応できるようになる

• チップバイアス変調帯域幅の拡張(最大5MHz):帯域幅を最大5MHzまで拡張することで、接触共振PFM(CR-PFM)に対応可能となる。これは材料特性の研究を進める上で重要

• より高速なイーサネット接続による迅速なデータ・画像処理:1Gbpsのイーサネット接続にアップグレードすることで、素早いスペクトロスコピーアプリケーションのデータ処理と迅速な画像の更新が実現

• 安全性と利便性の向上:AFMヘッドの衝突防止機能によって、サンプルを保護。電動ステージを手動で動かしている場合でもFXコントローラのDSPがAFMヘッドの衝突原因となる異常信号を認識し、全ステージを停止させることによって衝突を防ぐ

 本年3月以降に製造されるFX40には新しいFX コントローラが搭載されている。

kat 2024年4月19日 (金曜日)
kat

Rtec-Instruments、インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機を開発

1ヶ月 1週 ago
Rtec-Instruments、インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機を開発

 Rtec-Instrumentsは、“ユーザーのやりたいことを実現する製品を一緒に作っていく”マーケットインの思想から、主力の多機能トライボメータ(摩擦摩耗試験機)に加えて、3Dプロファイラ(表面形状測定機)、スクラッチ試験機、インデンテーション試験機、二円筒/三円筒試験機と、製品ポートフォリオを急速に拡充してきている。

 同社が今回、世界に先駆けて転がり疲労摩耗試験中の表面をその場観察できる「インライン3Dプロファイラ搭載型二円筒転がり疲労摩耗試験機」を開発したので、日本法人社長の國井卓人氏とアプリケーション&セールス マネージャーの兒島正宜氏に話を聞いた。
 

開発したインライン3Dプロファイラ搭載型二円筒転がり疲労摩耗試験機」を挟んで、
國井氏(写真左)と兒島氏(写真右)

 

二円筒転がり疲労摩耗試験機

 二円筒転がり疲労摩耗試験機「TwinRoller3000」は、転がりと滑りの自由な組み合わせのもとで二つのローラー試験片が転がり接触することによって(図1)、トラクション、摩耗、転がり接触疲労の試験が行える。

 それぞれが独立制御された二つの480V駆動高トルクサーボモータ(最大トルク50Nm)が搭載され、ローラー試験片の回転方向(正逆転)と回転数(最大6000rpm、φ60mm試験片使用時の回転速度は18m/s相当、標準仕様は最大3200rpm)を制御、それぞれのモーター速度の範囲内で滑り率(SRR)を自在に設定(転がり0%~、滑り率0~±200%以上)でき、ダイナミックインライントルクセンサーがローラー試験片にかかるトルクを測定する。また、エレクトロサーボドライブ(サーボモータ+スプリングブラケット)を使用して荷重を最大8000Nまで制御し負荷できる。

 試験はドライ環境と潤滑油使用環境(グリース塗布)に対応。潤滑剤は滴下および循環環境での試験となる。完全に自動化されたテストプログラムと高精度な制御により、高い再現性と正確な測定を実現できる。

 これまで困難とされていた回転2軸のアライメント調整をユーザー側で容易に行うことができる革新的な設計によって、さまざまな試験片サイズや形状に対して適切な接触をさせることができる。ローラー試験片のサイズは、径φ30~60mm、厚み5~30mmにフレキシブルに変更できる他、接触面に曲率を持つ試験片による点接触の試験も可能である(図2)。

 自己整合インライン高解像度トルクセンサーによって表面のダイナミクスをリアルタイムで定量化できるほか、日本法人独自の設計による安全対策としてピッチング発生時には振動を検出して試験を安全に停止できるセンサーを追加した。

 また、オプションでアコースティックエミッション(AE)センサーや電気接触抵抗(ECR)センサーなど、さまざまなインラインモニタリングセンサーに対応、リアルタイムでさまざまな表面ダイナミクスを定量化できる。

 図3は、TwinRoller3000を用いて、転がり接触疲労の設定で、コーティングなし/コーティングありの各サンプルの摩擦試験を実施した結果を示す。未処理のサンプル(上の曲線)に比べ、同じ材料に溶射被膜を施したサンプル(下の曲線)において、転がり接触疲労(RCF)寿命の改善が確認できる。
 

図1 二つのローラー試験片が転がり接触するようす

 

図2 フレキシブルに変更できるローラー試験片サイズ

 

条件:荷重500N、SRR 0~0.6、温度70°C
図3  TwinRoller3000を用いた転がり接触疲労試験の結果

 

インライン3Dプロファイラ

 「インライン3DプロファイラLAMBDA」は、共焦点顕微鏡と白色光干渉計を同じ筐体に配置しワンクリックで切り替えることが可能で、摩耗痕やスクラッチ、圧痕といった試験後の表面を高解像度で画像化するように最適化されている。以下の四つの光学技術を一つのヘッドに組み合わせたことによって、透明、ガラス、鏡、粗い、滑らか、急勾配など、コーティング表面を含むあらゆる試料表面を高いZおよびX&Y解像度で簡単に測定できる。

・白色光干渉計モード:平らな面の、特にZ方向(深さ方向)で高解像度画像を取得

・スピニングディスク共焦点レーザー顕微鏡モード:急な斜面、透明、暗い、または粗い表面を高速でスキャンできる万能型3Dプロファイリング

・暗視野モード:顕著なコントラストで表面の亀裂を検出

・明視野モード:高解像度とリアルカラーの2Dプロファイルを取得

 

インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機

 Rtec-Instrumentsは、上述の二円筒転がり疲労摩耗試験機TwinRoller3000とインライン3DプロファイラLAMBDAを組み合わせたシステム(図4)の開発に、世界で初めて成功した。

 3DプロファイラはX、Y直交2軸のピラー型サーボドライブで駆動することで、毎回正確な位置での表面形状測定が可能で、試験後速やかに、試験片の表面をイメージングできる(図5)。取得した画像は標準搭載のソフトウェアにより平面化、二値化、面粗さ出しなど表面疲労摩耗マイクロピッチングの画像解析(図6)が可能である。

 試験の仕様はTwinRoller3000の一部を国内でアップグレードし、最大荷重:8000N、最大回転数:6000rpm(φ60mm試験片使用時の回転速度は18m/s相当、標準仕様は最大3200rpm)、SRR:±200%以上、試験油温度:~160℃、試験片サイズ:可変(φ30~60mm、厚み5~30mm、接触面に曲率を持つ試験片による点接触の試験も可能)で、オプションでオイル循環、予備加熱システム、AEセンサー、ECRセンサーが付加できる。国内追加安全設計(フルカバーアルミフレーム、ドアセンサー、漏液センサー、振動センサーほか)も提供している。

 開発したシステムが高面圧、高トルク、高速での試験評価が可能なことから、同社では重機や建機などを中心に適用を進めるほか、さまざまな波形のAC/DC、電流/電圧を印加できる「電化試験モデル」へのアップグレード可能なことから、電気自動車(EV)モーターの高速回転化対応ベアリングやギヤ、ボールジョイントなどの用途も想定している。
 

図4 インライン3Dプロファイラ搭載型の二円筒転がり疲労摩耗試験機:二円筒転がり疲労摩耗試験機TwinRoller3000のベースに、X、Y直交2軸のピラー型サーボドライブで位置決めできるインライン3DプロファイラLAMBDAを搭載

 
 

図5 インライン3DプロファイラRAMBDAによる試験後の試験片表面のイメージング

 

図6 マイクロピッチングの画像解析

 

電化試験モデル

「電化試験モデル(Eモジュール)」は、TwinRoller3000など既存の試験方式・摺動形態を模擬しながら、装置のスリップリングを用いてさまざまな波形のAC/DC、電流/電圧を印加することで、ベアリングなどの電食反応や、試験片間に生じるインピーダンス(AC)、電気接触抵抗(DC)、比誘電率(εr)、誘電正接(tan δ)といった、多種多様なパラメーター測定により、電気化学的にトライボロジー特性を評価することが可能となっている。

kat 2024年4月9日 (火曜日)
kat

DOWAサーモテック、次世代型浸炭焼入炉の熱処理受託加工の量産開始および設備受注開始

1ヶ月 2週 ago
DOWAサーモテック、次世代型浸炭焼入炉の熱処理受託加工の量産開始および設備受注開始

 DOWAサーモテック( https://www.dowa.co.jp/thermo-tech/ )は、子会社であるDOWAサーモエンジニアリングの浜松工場(以下、浜松工場)に新たに開発した次世代型浸炭焼入炉「Z-TKM」の試験設備を導入し、2023年4月から実証評価を進めてきた。その結果、2023年11月から「Z-TKM」を用いた熱処理受託加工の量産処理を開始するとともに、自動車部品大手メーカーより「Z-TKM」を1基、受注した。

 この焼入炉は、熱処理の品質を維持しながらリードタイムの短縮を実現できることから、生産性向上に寄与するとともに、熱処理プロセスで使用するガス量やCO2の排出量を最少化することができる熱処理炉だという。また、グリーンエネルギーやアンモニアバーナー・水素バーナーを組み合わせることにより、熱処理工程内のCO2をほとんど排出させない操業が可能となる。

 同社では、この焼入炉について熱処理受託加工と設備販売の両面からサービスを提供する。熱処理受託加工では、引き続き多くの顧客と試作や認定手続きを進めている。また、今後の受注拡大を見据えて、浜松工場に「Z-TKM」を追加導入した。今後、国内外のその他の熱処理工場にも同焼入炉を順次、導入していくことにより、同焼入炉による熱処理受託加工をグローバルに展開し、顧客のサプライチェーンにおけるCO2排出削減を実現していく。

 設備販売について、「Z-TKM」は顧客におけるカーボンニュートラルの達成を支援する強力なツールとなるため、さらなる受注拡大を図っていくという。既存の熱処理設備(TKMシリーズ)を導入している顧客においては、設備本体のサイズが同等のため、油槽ピットの工事等をせずに置き換えることができる。また、ピットレスでの新規設置も可能であり、顧客のニーズに合わせて対応していくという。

浜松工場に導入した「Z-TKM」

 

admin 2024年4月5日 (金曜日)
admin

新東工業、超小型サイズのアルコール検知システム

1ヶ月 2週 ago
新東工業、超小型サイズのアルコール検知システム

 新東工業( https://www.sinto.co.jp )は、超小型サイズの「DRACHE®(ドラチェ)アルコール検知システム」の販売を開始した。アルコール検知器は縦60mm、横27mm、厚さ12mmと小さく、重さも12gと超軽量のため、自動車の鍵にキーホルダーのように付けて持ち歩ける。業界最小・最軽量を実現した。

 同品は、スマホにつなげて息を吹き込むだけで簡単に呼気中のアルコールを測定でき、測定結果をクラウド経由により自動で管理できる。測定した結果は、すべて安全運転管理者らにメールを送って知らせる。安全運転管理者より否認された場合は、運転者にすぐに否認メールが届く仕組み。電源はアルコール検知器の使用時に接続するスマホから給電するため、電池切れの心配もなく、電池交換のコストや手間もかからない。測定結果は法令で定められた保存期間の1年間を超す400日間保存する。アルコール検知器は日本製で信頼性も高い。

 また、すでに他社のアルコール検知器を使用している場合には、測定アプリ(測定結果管理クラウドサービス)のみの使用も可能。検知器に結果表示機能が付いていれば、他社製品であっても測定結果が表示された画面をスマホのカメラで撮影してアプリにアップロードして簡単に使え、確認できる。

 道路交通法施行規則の改正により、社用車を運転する際、緑ナンバー車に加え、白ナンバー車も昨年12月1日からアルコール検知器を使用した酒気帯びの確認と1年間の記録保存が義務化された。ドラチェは今回の義務化に対応した商品となる。

 測定アプリのみの使用料は、月額にして1アカウントあたり200~300円(税別、契約数により変動)と安価。システム導入のための初期登録費用も不要。アルコール検知器の価格は1個あたり1万5000円(税別)。

admin 2024年4月5日 (金曜日)
admin

大同特殊鋼、真空浸炭炉に浸窒機能を追加

1ヶ月 2週 ago
大同特殊鋼、真空浸炭炉に浸窒機能を追加

 大同特殊鋼( https://www.daido.co.jp/ )は、ギヤなどの自動車部品の表面硬化を目的とした真空浸炭処理設備「モジュールサーモ」に浸窒処理を連続的に行う機能を付加して2024年4月から販売を開始する。浸炭浸窒処理により、従来の浸炭処理対比でギア歯面強度の40%向上、焼入時の歪み量の40%低減が期待できるという。

 モジュールサーモは、電気ヒーターを使用するためガスバーナー燃焼方式に比べCO2排出量が少なく、ガス浸炭炉では必要になる休止中の炉内温度の維持や雰囲気ガスの管理が不要なため、省エネルギー性に優れる。浸炭浸窒処理は、電動車の歯車部品などに求められる高い強度を引き出す熱処理として有望な技術。今回のモジュールサーモへの機能追加により、ガス浸炭炉に比べてCO2低排出で省エネルギーでの浸炭浸窒処理を実現した。

 政府が掲げる2050年カーボンニュートラル実現に向けて、温室効果ガスであるCO2の排出量削減要求が年々高まってきている。同社では主にギヤ部品の真空浸炭処理を目的として、従来型ガス浸炭炉に比べて大幅に省エネルギー・CO2排出低減を実現したモジュールサーモを販売することで、カーボンニュートラルに貢献してきた。

 一方、自動車はエンジン車から電動車への移行が急速に進んでおり、電動化に伴うギヤ部品の使用環境変化から、高強度化、低歪み化といった特性の向上が求められている。これらの要求に応える熱処理技術として、浸炭処理に加えて浸窒処理を行うことで高強度化と低歪み化を実現することができる。

モジュールサーモの外観

 

admin 2024年4月5日 (金曜日)
admin

東研サーモテック、ドライコーティング技術開発を強化、事業部の名称を変更

2ヶ月 ago
東研サーモテック、ドライコーティング技術開発を強化、事業部の名称を変更

 東研サーモテック(https://tohkenthermo.co.jp/)は、1909年の創業から培ってきた金属熱処理技術、加工技術を基に、ドライコーティング技術の開発を今後より一層強化していく。これに伴い、本年3月21日付けで、セラハード事業部をコーティング事業部に、先行開発室をイノベーション事業部に名称変更する。

 名称変更は以下のとおりで、住所、電話番号など、連絡先の変更はなし。

 

kat 2024年3月18日 (月曜日)
kat

JAST、テクスチャリング表面のトライボロジー研究会など4研究会が合同開催

2ヶ月 1週 ago
JAST、テクスチャリング表面のトライボロジー研究会など4研究会が合同開催

 日本トライボロジー学会(JAST)の会員提案研究会(トライボロジーに関する重要なテーマについて研究参加した会員の調査・研究・討論などを通じ学問・技術の発展に寄与することを目的とする会)である「テクスチャリング表面のトライボロジー研究会」(主査:東京理科大学 佐々木信也教授)と境界潤滑研究会(主査:東京工業大学 青木才子教授)、分子シミュレーションのトライボロジーへの応用研究会(主査:兵庫県立大学 鷲津仁志教授)、工作機械のトライボロジー研究会(主査:東京理科大学 野口昭治教授)は3月7日、東京都葛飾区の東京理科大学で「JAST合同研究会:カーボンニュートラルに向けたTX(トライボロジーX)」を開催した。

開催の様子

 

 当日は開会にあたって佐々木信也氏が、「コロナ禍でもありテクスチャリング表面のトライボロジー研究会は久しぶりの開催となるため、盛大な会にしようという主旨で各会に呼びかけ、4研究会合同での開催が実現した。カーボンニュートラルに向けたトライボロジーの革新技術、という意味合いでTXなる造語を冠した本合同研究会の講演はいずれも、自分自身も聞いてみたかった大変興味深いテーマの研究内容となるため、それぞれ活発な意見交換をお願いしたい」と挨拶した。続いて鷲津仁志氏が「分子シミュレーションのトライボロジーへの応用研究会は東京大学の加藤孝久先生が20年くらい前に始められ、10年くらい前から私が主査を務めている。今回、佐々木先生よりお声がけをいただき開催が決まった合同研究会の4件のテーマはいずれも非常に興味深く、5月に開催されるトライボロジー会議とはまた違った、深堀りした研究が紹介されることを私自身、楽しみにしている」と挨拶した。

開催の挨拶を行う佐々木氏

 

挨拶する鷲津氏

 

 その後、以下のとおり講演がなされた。

「粒子法の流体潤滑問題への応用~粒子法、ここまで来た⁉」根岸秀世氏(JAXA)…粒子法(MPH法)の利点を生かして、機械要素内のマクロ-ミクロの流体潤滑問題を統一的に解析し、現象理解と潤滑特性評価を可能とする解析技術への取り組みについて紹介。物理的健全性を有するMPH法が、①負圧を含む流体潤滑解析(くさび膜効果やスクイーズ膜効果)、②ソフトEHL(弾性流体潤滑)解析(流体-構造連成解析)、③潤滑膜と転がり軸受のような流体-剛体連成解析、のぞれぞれに適用可能であることを示した。

講演する根岸氏

 

「Adsorption and Structure of Amine-based Organic Additives at Iron-oxide Interface」Patrick A. Bonnaud氏(豊田中央研究所)…歯車や軸受などの摩耗を抑えEVを含む各種機械の寿命を延ばすことは、サスティナブルな社会を実現するうえで重要な課題であり、潤滑油では金属の摩耗を防ぐとともに環境に優しい新たな有機系添加剤が求められている。本研究では吸着しやすさを予測する計算モデルを作成、分子末端基が吸着性にどのように影響するかを明らかにし、シミュレーションによって吸着性が良いと予測されたアミン系有機添加剤を配合した潤滑油を用いて摩擦試験を行った結果、鉄の表面に吸着膜が早く形成され、摩耗を抑制することが実証された。

講演するBonnaud氏

 

「Ni-Pめっきを施した転がり軸受の回転トルクと寿命」堀田智哉氏(関東学院大学)…潤滑油の撹拌抵抗など、軸受トルクの多くが潤滑油に起因することから、潤滑油を用いずに、Ni-Pめっきを施すことで軸受の低トルク化と長寿命化を目指し、実験評価を行った。トルクの評価では、めっきなし、DLC被覆よりもNi-Pめっきありが低トルクを示した。転がり軸受の寿命評価では、めっきなし軸受に比べNi-Pめっきあり軸受が長寿命だったが、DLC被覆軸受が最も長寿命という結果となった。

講演する堀田氏

 

「スラストフォイル気体軸受における新しい表面テクスチャの提案」落合成行氏(東海大学)…表面テクスチャが空気潤滑および高摺動速度化で作動する軸受に与える影響を検証しつつ、新型フォイル軸受の開発を目指した。ディンプルはフォイルガス軸受でも低速領域で摩擦低減効果を有しているが、高摺動速度下では摩擦抵抗を増加させ、また、温度上昇を抑制する効果が確認された。新規テクスチャである「F-グルーブ」では接触時の摩擦は大きくなったものの、流体膜生成を促進し潤滑性能の向上が確認されたほか、温度上昇が抑制されており、高い冷却効果が得られたものと推察した。

講演する落合氏


 

 講演終了後は、青木才子氏が「主査を務める境界潤滑研究会では、潤滑油添加剤関連の発表を聞く機会は多いが、この合同研究会の講演は添加剤研究会内では聞くことができないテーマの発表ばかりで、大変勉強になった。こうした合同研究会はブレーンストーミングの良い機会でもあると思うので、ぜひともまた開催していただきたい」と挨拶し、閉会した。

閉会の挨拶を行う青木氏 kat 2024年3月11日 (月曜日)
kat

表面技術協会、第75回通常総会・協会賞など各賞授与式を開催ー新会長に平藤氏

2ヶ月 2週 ago
表面技術協会、第75回通常総会・協会賞など各賞授与式を開催ー新会長に平藤氏

 表面技術協会( https://www.sfj.or.jp/ )は2月29日、東京都新宿区の工学院大学で「第75回通常総会および各賞授与式」を開催した。

 総会で議長を務めた松永守央会長は、冒頭「協会の一番の懸念事項は会員数の漸減していることだ。皆様のご協力のもと少なくとも減少は防ぎたい。ただ、協会の財務体質は一時期の非常に厳しい状態から持ち直している。これまで同様、皆様のご尽力をお願いしたい」と述べた。

挨拶する松永会長

 当日は第74期事業報告、会計報告が行われた後、第75期事業計画・収支予算について審議、満場一致で可決された。事業報告では、第147回講演大会(2023年3月7日~8日)は千葉工業大学津田沼キャンパスで新型コロナウイルス感染拡大防止に配慮した形式で開催したこと、第148回講演大会(2023年9月4日~5日)は山形大学米沢キャンパスで4年ぶりに懇親会と付設展示会を実施した形式で開催したこと、同協会が開催したセミナーの合計参加者が295名であったことなどを報告した。事業計画では、第149回講演大会を工学院大学八王子キャンパスで、第150回講演大会を北見工業大学で開催すること、ISO/TC107からの提案事項の審議、電波遮断金属薄膜応用部品-密着力測定に関する国際標準化調査、同協会の若手交流会開催、女性の協会活動への参加促進を図ることなどを確認した。

 任期満了に伴う役員改選では、今期より会長に平藤哲司氏(京都大学 大学院エネルギー科学研究科 教授)、副会長に蒲生西谷美香氏(東洋大学 理工学部 教授)、辻 克之氏(太洋工作所 代表取締役社長)が新たに選任された。近藤英一氏(山梨大学 大学院総合研究部 教授)と鈴木一徳氏(スズキハイテック 代表取締役社長)は前期に引き続いて副会長を務める。

 理事を代表して挨拶に立った平藤新会長は「松永会長の後を引き継いで非常に身の引き締まる思いだ。皆様方のご指導ご鞭撻をお願いしたい」と述べた。

挨拶する平藤新会長

 当日の席上では、「2024年度 表面技術協会 各賞授与式」が行われ、中野博昭氏(九州大学 大学院工学研究院 教授)が業績「電析法による機能性薄膜の作製およびその制御因子に関する研究」で協会賞を受賞した。中野氏は、高耐食性表面処理鋼板製造のための電析Znの結晶形態制御技術およびZn系複合電析に関し独創的および先駆的研究を展開し、優れた業績を挙げている。有機被覆処理を施した機能性電気Znめっき鋼鈑の外観は、Znの結晶形態に強く依存するため、その結晶形態を制御することが必須である。電析Znの結晶形態に及ぼす素地鋼鈑の表面性状、基本電解因子、浴中の微量不純物、有機添加剤などの因子の影響をZnの結晶配向性、多結晶素地鋼鈑とZnのエピタキシーおよびZnの電析過電圧の観点から系統的に検討し、優れた外観を有するZnめっき鋼鈑の製造技術を確立することに成功した。

 次世代防錆鋼鈑の基礎研究として、Zn電析時の陰極界面のpH上昇を利用してV、Zr、Al、Mg等の活性金属イオンを加水分解させながらナノサイズの超微粒子としてZn電析膜中に共析させる電析技術を開発した。本プロセスは電解液に不溶性の固形分散粒子を添加しないため、nmレベルの超微細粒子をZnと共析させることが可能であり、新たな電析膜特性が期待できるとともに、従来の複合電析の製造上の問題点も解決できる画期的なものである。

 さらに、アルカリジンケート浴からのZn-Ni合金電析挙動に及ぼす有機添加剤の影響、Zn-鉄族金属複合電析膜の干渉による色彩の発現、誘導型Ni-W合金電析膜の微細構造と硬度に及ぼす熱処理の影響、低熱膨張型Fe-Niインバー電析合金の組成制御法、巨大ひずみ加工により結晶粒を微細化したAl合金の耐孔食性についても明らかにしている。

 以上のように中野氏は、学術的な知見を基に精力的に研究を行い、電析法による機能性薄膜およびその制御因子に関して多くの業績を挙げ、表面技術の進歩、発展に顕著な貢献をした。

表彰される中野氏

 また論文賞では大澤伸夫氏(UACJ)ら5名が「電解コンデンサ用高純度アルミニウム箔の表面偏析」で受賞。この論文は、鉛の表面偏析サイトが熱間圧延プロセスのロールコーティング由来の表面酸化層(酸化を伴う表面微細組織)であることを低加速高分解能FE-SEM、TEMおよび種々の表面分析手段を駆使して表面の平滑部、突起部などの特長を明らかにしている。

表彰される大澤氏ら

 進歩賞では、田中一平氏(兵庫県立大学 大学院工学研究科)が業績「熱・プラズマを用いた炭素系硬質薄膜の新規成膜法の開拓」で受賞。田中氏はCVD法を基盤とした熱・プラズマを用いた新たなダイヤモンドや窒化炭素の成膜手法の構築に取り組んできた。特にダイヤモンド合成では、自身が開発したホットチューブ型熱フィラメント化学気相成長法により、比較的低い基盤温度537℃で0.7μm/h、743℃で13.5μm/hの合成速度を達成している。

表彰される田中氏

 同じく進歩賞で布村順司氏(UACJ マーケティング・技術本部 R&Dセンター)は業績「アルミニウムアノード酸化皮膜の構造制御による白色化技術の開発」で受賞。布村氏は、皮膜表層で光を乱反射させる凹凸構造を形成させる新技術を見出し、アルミニウムのアノード酸化皮膜の白色化を達成した。特殊な電解液や手法を用いる従来技術に対し、本技術は硫酸ベースにより一般的な電解液と簡便な手法とを用いて高い白い色度を達成した点が独創性に富む。

表彰される布村氏


 受賞者、業績などの一覧は以下のとおり。

協会賞

・中野博昭氏(九州大学 大学院工学研究院 教授)

業績「電析法による機能性薄膜の作製およびその制御因子に関する研究」

功績賞

・小岩一郎氏(関東学院大学 理工学部 教授)

・小林道雄氏(ヒキフネ 執行役員 技術部長)

論文賞

・大澤伸夫氏・富野麻衣・林 知宏氏・上田 薫氏(UACJ)、本居徹也氏(UACJ製箔)

「電解コンデンサ用高純度アルミニウム箔の表面偏析」

(表面技術 第73巻 第10号 504~511ページ)

技術賞

推薦なし

進歩賞

・田中一平氏(兵庫県立大学 大学院工学研究科)

業績「熱・プラズマを用いた炭素系硬質薄膜の新規成膜法の開拓」

・布村順司氏(UACJ マーケティング・技術本部 R&Dセンター)

業績「アルミニウムアノード酸化皮膜の構造制御による白色化技術の開発」

技術功労賞

・野嶋晃子氏(神戸製鋼所 技術開発本部 開発業務部 試作実験室)

・水師弘之氏(日本製鉄 技術開発本部 尼崎研究支援室)

・村中幸夫氏(JFEスチール スチール研究所 表面処理研究部)

会員増強協力者

・鷹野一朗氏(工学院大学 工学部)

・野田和彦氏(芝浦工業大学 理工学部)

・邑瀬邦明氏(京都大学 大学院工学研究科)

admin 2024年3月6日 (水曜日)
admin

トライボコーティング技術研究会、ATF技術展示会を開催

2ヶ月 3週 ago
トライボコーティング技術研究会、ATF技術展示会を開催

 トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 理化学研究所 主任研究員)は2月22日、埼玉県和光市の理化学研究所 鈴木梅太郎ホールでの「トライボシンポジウム『第26回トライボコーティングの現状と未来』」の開催に合わせて、同研究会発足30周年記念技術展示会「ATF(Advanced Tribo-Fair)30th 技術展示会」を開催した。

開催の様子


 ATF技術展示会は異分野への進出、医工連携、高付加価値な表面創製に向け共創していくことを目的に開催。技術を科学する「テクニストガール」こと、声優の明里 瞳さんの司会進行のもと、パネルやサンプル展示、ショートプレゼンテーションによって、以下のとおり自社の技術をアピールした。

司会進行の明里さん


 Rtec-Instrumentsは、転がり摩擦試験機としてモジュール交換式で摺動形態の自由度が高い多機能型摩擦摩耗試験機MFT-5000を紹介したほか、独自の高速スキャンおよび解析ソフトウェアによりコストパフォーマンスに優れた白色干渉計モデルの3Dプロファイラー「UP-2000」を紹介した。日本限定キャンペーンとして、本年度(2024年3月末日)受注受け付け分に限り、UP-2000を定価950万円(税別)で販売している。

Rtec-Instruments 兒島正宜氏によるプレゼンの様子


 池上金型工業は、超精密切削加工によって金型表面に虹色を発色させ、樹脂成形品にも発色効果を付与する加飾(装飾)を目的とした加工技術・樹脂成形技術である「虹色加工」や、昨年導入したフェムト秒レーザーによって製品表面をテクスチャ加工し撥水や親水の機能を付与する技術、製品表面にナノ構造を加工し、光が反射しない黒色(漆黒)の表面にする「無反射構造技術」を紹介した。

池上金型工業 松澤 隆氏によるプレゼンの様子


 大塚電子は、光の波の情報すべて(光波動場)を独自の波面センサで取得して、可視化する光波動場三次元顕微鏡「MINUK」を紹介した。観察および測定対象から生じる光波動場を、結像素子を介さずに波面センサに記録して、任意の面の像を計算処理で生成する。視野700×700μm、深さ1400μmの三次元情報を対象にフォーカスを合わせることなく2秒未満(標準)で取得、取得した三次元情報を後から無段階で任意面を再生できる。

大塚電子 岡本宗大氏によるプレゼンの様子


 2022年に設立された樹研工業の合弁企業である日本ハミングバードサイエンティフィックは、透過型電子顕微鏡(TEM)用の試料ホルダーを紹介。流動液体や静止液体中の試料を原子レベルの分解能で可視化できる「液体導入用ホルダー」と、ガス中および高温(1000℃以上)での材料挙動を研究するための「ガス導入用ホルダー」、試料を連続的に傾斜させ撮影した投影像から三次元内部構造を再構成する「トモグラフィー用ホルダー」を展示した。

日本ハミングバードサイエンティフィック 松浦直樹社長(樹研工業社長)
によるプレゼンの様子


 岩手大学 西川研究室は、水のみを加工液(クーラント)にするSDGs対応の工作機械システム「水加工システム(電気防錆加工法システム)」を紹介した。切削油の使用時の作業環境の悪化を防止するほか、廃棄の際の輸送コストを減らし、焼却処理の際のエネルギー消費とCO2排出をなくせる。「低環境負荷・高精度加工を実現する加工液に水のみを使用したマシニングセンターの開発」として「令和4年度成長型中小企業等研究開発支援事業」に採択されている。

岩手大学 西川尚宏助教によるプレゼンの様子


 埼玉工業大学 長谷研究室は、材料の変形・破壊時に発生する弾性波であるアコースティックエミッション(AE)のセンシングを用いた摩擦摩耗診断とトライボロジー特性評価を行っている。今回は、ワーク側および主軸側各々でのデュアルAEセンシングを用いて、切削加工時に計測されるAE信号の周波数成分変化などを監視する「加工状態モニタリング」のデモを行った。

埼玉工業大学 長谷亜蘭教授によるプレゼンの様子


 展示会終了後は、来場者の投票によって優秀な技術展示やプレゼンテーションに対する表彰が行われた。大森 整 選考委員長から「いずれも優れた製品・技術・研究であり、それぞれ社会実装を進めていただくとともに、今回の出展者同士のコラボなども進めていただき、産業界に貢献していただきたい」との総評に続いて、プレゼンターを務めた東京都立産業技術研究センター開発本部 機能化学材料技術部 主任研究員 寺西義一氏から、「優秀技術展示賞」が1位:埼玉工業大学 長谷研究室、2位:岩手大学 西川研究室、3位:大塚電子にそれぞれ贈呈された。また、「技術展示賞」がRtec-Instruments、池上金型工業、日本ハミングバードサイエンティフィックにそれぞれ贈られた。

大森選考委員長による総評の様子

 

埼玉工業大学 長谷研究室への優秀技術展示賞表彰式の様子

 

kat 2024年2月24日 (土曜日)
kat

トライボコーティング技術研究会、第16回岩木賞贈呈式、第26回シンポジウムを開催

2ヶ月 3週 ago
トライボコーティング技術研究会、第16回岩木賞贈呈式、第26回シンポジウムを開催

 トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 理化学研究所 主任研究員)と理化学研究所 大森素形材工学研究室は2月22日、埼玉県和光市の理化学研究所 鈴木梅太郎記念ホールで、「第16回岩木賞贈呈式」および「第26 回トライボシンポジウム『トライボコーティングの現状と将来』―高耐久皮膜コーティング、プラズマ応用研磨技術、SDGs対応砥石・加工技術―(通算第150 回研究会)」をハイブリッド形式で開催した。

第16回岩木賞受賞者と関係者

 岩木賞は表面改質、トライボコーティング分野で多大な業績を上げた故・岩木正哉博士(理化学研究所元主任研究員、トライボコーティング技術研究会前会長)の偉業を讃えて、当該技術分野と関連分野での著しい業績を顕彰するもの。トライボコーティング技術研究会が提唱して2008年度に創設、未来生産システム学協会(FPS)が表彰事業を行っている。

 第16回となる今回の岩木賞では、神戸製鋼所が業績名「AIP法による高Al含有立方晶AlCrN皮膜および装置の開発」により事業賞を、大阪大学 孫 栄硯氏が業績名「ビトリファイドボンド砥石とフッ素系プラズマを用いたドレスフリー研磨法の開発」により優秀賞を、宮崎大学 大西 修氏が業績名「次世代のマルチレンジ対応型加工プロセスを目指す純氷ブロック砥石の提案と研究開発」により奨励賞を受賞した。

 切削工具向けの代表的な皮膜であるAlCrN皮膜は、皮膜中のAlの含有量が多いほど耐酸化性に優れ、高速切削や高切込みなどの難加工条件に適しているが、皮膜の金属元素の内概ね65at%以上とAl含有率が多くなりすぎると、皮膜構造が高硬度な立方晶から六方晶へと変化し硬度が低下するという課題があった。この課題に対して事業賞の業績「AIP法による高Al含有立方晶AlCrN皮膜および装置の開発」は、アーク蒸発源の磁場設計やプラズマ制御技術の開発、蒸発源試作や成膜実験などを行い、アーク蒸発源μ-ARC(ミューアーク)を開発、Al含有率が70at%以上であっても立方晶を維持し、マクロパーティクルも少ない高硬度かつ高面粗度のAlCrN皮膜の成膜を可能とすることに成功したもの。上記の新型アーク蒸発源や新型エッチング源、新制御システムなどを搭載し、2023年4月に発売を開始した新型PVDコーティング装置AIP-iXがすでに販売実績を持つことや、本装置で成膜される高硬度かつ高面粗度膜が、従来アーク蒸発源では難しかった小径工具といった精密な切削工具においても適用が可能であること、また、既存用途である金型や部品だけでなく、パーティクルが少ないといった利点から水素関連や電池関連新規用途への展開も期待できることなどが評価された。

 受賞の挨拶に立った神戸製鋼所 久次米 進氏は、「栄えある賞を頂戴し光栄に思う。20数年ぶり以上に我々のフラッグシップモデルとなる新装置の開発ができ、今回賞をいただくことになり開発関係者一同、大いに励みになる。当社では1986年から真空成膜事業を開始、先人が積み上げてきたものを含めて今回の受賞に至ったと考えている。引き続き本業界および社会の発展に貢献できるよう取り組んでいきたい。今回の開発に多大な協力をいただいたMOLDINO様に厚くお礼申し上げたい」と語った。

左から、大森会長、神戸製鋼所 竹井良将氏、同社 久次米氏、
当日プレゼンターを務めたFPS表彰顕彰部門長 藤井 進氏

 SiC、GaN、ダイヤモンドなどの高硬度で化学的に不活性の難加工材料の最終仕上げ方法では、スラリーを用いたCMP(化学機械研磨)プロセスが多用されるが、スラリー研磨ではエッチピットのために表面粗さが悪化するなど多くの課題を持つ。スラリーの代わりに固定砥粒(砥石)を用いたドライ研磨法ではその課題を解決できるが、研磨中の砥粒の摩耗に起因する「目つぶれ」や、砥粒間への切りくず侵入などに起因する「目詰まり」などの問題が研磨速度低下の原因となる。ドレッシングは砥石の切れ味を回復できるが、頻繫な目直しは加工能率の低下とコストの上昇を招く。優秀賞の業績「ビトリファイドボンド砥石とフッ素系プラズマを用いたドレスフリー研磨法の開発」では、難加工材料表面に照射し改質膜を形成することで軟質化させる「CF4プラズマ」と、母材より軟質な固定砥粒を作用させ軟質層のみを除去してダメージフリーな表面が得られる「ビトリファイド砥石」の使用で、オートドレスと高い研磨レートを実現できる、完全ドライのプラズマ援用研磨法(PAP法)を提案。AlN基板のドライ研磨において、同砥石のボンド材主成分であるシリカがエッチングされ、リアルタイムに適度なオートドレッシング作用がなされ砥石の目詰まりが起こらないことや、CF4 含有プラズマの照射でAlN基板表面に除去されやすいAlF3軟質層が形成されるため、プラズマ援用ドレッシングとプラズマ改質の相乗効果により、プラズマ照射なしの場合と比べ約2倍の研磨レートが得られたことなどが評価された。

 受賞の挨拶に立った大阪大学 孫氏は、「岩木賞優秀賞を受賞し、うれしく思う。今回の受賞は私一人の力ではなく師匠である山村和也教授をはじめ、共同研究者の方々に心から感謝を申し上げたい。大学発の技術を大学にとどまらず企業との共同研究を通じて社会実装し、産業に貢献できるように」と述べた。

左から、大森会長、孫氏、藤井氏

 奨励賞の業績「次世代のマルチレンジ対応型加工プロセスを目指す純氷ブロック砥石の提案と研究開発」では、結合剤として純水を凍らせた氷である「純氷」を用いた純氷ブロック砥石(PIB砥石)を開発、PIB砥石は純氷によって結合剤自体が冷却作用を持ち、かつ砥石表面から溶解・脱落した結合剤は環境に悪影響のない“水”となり、これが潤滑・切りくず除去作用を生むことで、研削油剤や研磨剤を使わない環境が構築できる。また、研削油剤・研磨剤による作業環境悪化も抑止できるほか、研削油剤・研磨剤・結合剤から工作物へのコンタミネーションの抑止にも効果が期待できる。さらにPIB砥石の製作段階で、砥石内の砥粒の粒度や分布を調整することで、一つの砥石で荒加工から仕上げ加工までとマルチレンジに対応可能といった砥石も製作できるなど、さまざまな応用が可能な砥石となる。PIB砥石が環境に悪影響を及ぼさず、荒加工から仕上げ加工まで対応可能なことや、石英ガラスやLED基板などに使われるサファイアに対して加工が可能なことなど、本砥石が実用化した際の産業界への波及の可能性などが評価された。

 受賞の挨拶に立った宮崎大学 大西氏は、「研究を行うにあたり指導いただいた方々や、支えていただいた方々など関係各位に厚くお礼申し上げたい。賞に恥じぬようこれからも精進したい。引き続きご指導、ご鞭撻をお願いしたい」と語った。

左から、大森会長、大西氏、藤井氏

 贈呈式の後はシンポジウムに移行。岩木賞の記念講演として事業賞に輝いた神戸製鋼所竹井良将氏が、優秀賞に輝いた大阪大学 孫氏が、奨励賞に輝いた宮崎大学 大西氏がそれぞれ講演を行った。

第26回シンポジウム 岩木賞事業賞の講演の様子

 

kat 2024年2月24日 (土曜日)
kat

砥粒加工学会、3月7日、8日に先進テクノフェア(ATF2024)をハイブリッド開催

3ヶ月 ago
砥粒加工学会、3月7日、8日に先進テクノフェア(ATF2024)をハイブリッド開催

 砥粒加工学会は本年3月7日、8日の両日、学術講演会に次ぐ学会員交流の大きなイベントである「先進テクノフェア ATF (Advanced Technology Fair)2024(https://www.jsat.or.jp/node/1556)」(実行委員長:東京電機大学・森田晋也教授)を、「カーボンニュートラル時代のモビリティ技術動向」をテーマにハイブリッド開催する。リアル開催は神奈川大学 みなとみらいキャンパス(https://www.mmc.kanagawa-u.ac.jp/about/access.html)を会場として、「ATF講演会」、「卒業研究発表会」、「砥粒加工学会賛助会員企業 リクルートフェア」、「企業および研究機関等におけるパネル展示」の開催を予定している。

 スケジュールは以下のとおり。

3月7日 ATF2024講演会①「カーボンニュートラル・AI時代の自動車技術に求められる技術要素」

 近年、声高に言われている自動車の電気自動車(EV)化・自動化に関して、実際の製造現場において加工に求められる技術要素や取り組みについて、以下のとおり講演がなされる。

・13:40~14:30「自動車の変化と加工課題に向けたカーボンニュートラルの取り組み」木野晴喜氏(MOLDINO)…独自調査による自動車の変化とその加工課題の変化、MOLDINOができるカーボンニュートラルに向けた取り組みについて講演

・14:30~15:20「データマイニング技術を応用した切削条件決定支援システムの構築に関する研究について」児玉紘幸氏(岡山大学)…ボールエンドミルの切削条件決定支援を実現するシステムの構築、データベースに内包されたデータの特徴を明らかにする技術、抽出された特徴を活用したAI運用手法について紹介

・15:30~16:20「EVシフトによって求められる加工技術の変化および課題解決のための取り組み事例」飯山浩司氏(DMG森精機)…EV化による静粛性・効率向上の観点から、より高品位の金型が要求されている一方、磨き工程など熟練エンジニアの技量に頼っている部分が多いことが現状である。ここでは高精度かつスキルに依存しない金型ワークを安定的に生産するためのプロセスについて事例紹介を行う

・16:30~17:15「ディープディスカッション with フェロー」協力:砥粒加工学会フェロークラブ

 3月7日当日はその他、パネル展示企業による新技術説明会(10:00~12:00)、企業および研究機関等パネル展示(10:00~17:30)、産学意見交換会(17:30~19:30)が催される。

3月8日 ATF2024講演会②「カーボンニュートラル時代のモビリティ技術動向」

 自動車のEV化・自動化について大局を見据えた企業・行政の取り組みや最新の研究動向について、以下のとおり講演がなされる。

・10:10~11:20「特別講演:CN(カーボンニュートラル)に向けて加速する自動車の電動化とグローバルな業界構造変化」竹内国貴士(アーサー・ディ・リトル・ジャパン)…自動車業界はCASEと呼ばれる100年に一度の大変革期を迎えている。そこにCNが加わり、CASEの中でも電動化が加速している。しかし電動化は各地域の政策によりスピード感や電動車の定義も異なるため、過渡期においては既存と新規の両利きの事業展開が必要となる。そこで本講演では、業界構造の変化や電動化のキーとなる車載電池の動向を踏まえつつ、サプライヤーも含めたCN/CASE対応の方向性を提示する

・11:20~11:55「水素エンジンの研究開発動向」伊藤明美氏(東京都市大学)…重量車向けパワーソースとして水素エンジンが注目されている。本講演では、国際的な水素エンジンの研究開発状況や排気規制の動向について述べるとともに、講演者らによるトラック向け水素エンジンの研究開発状況について紹介する

・13:00~13:35「EMO2023の技術動向に見る、工作機械メーカーのEV対応」清水伸二氏(日本工業大学)…2023年9月18日~23日にわたって講演者が視察したドイツ・ハノーバーで開催の国際工作機械見本市「EMO2023」における技術動向を概観し、その中で見られた自動車産業のEVシフトに対する工作機械メーカーの取り組みについて紹介する

・13:35~14:10「EV化を支えるパワー半導体用SiCウェハの加工技術における課題と開発動向」加藤智久氏(産業技術総合研究所)…近年、自動車のEV化加速に伴い、アメリカや中国などでのSiCパワー素子の販売が急速に伸びてきている。SiCパワー素子は一方、シリコンに比べてウェハ製造コストが高くその加工技術も進化が求められてきている。本講演では、これらの技術課題に対する近年の開発動向について紹介する

・14:10~14:45「自動車プラスチック部品の適用動向と技術開発」水谷 篤氏(日産自動車)…自動車へのプラスチックの採用は、材料、工法や金型の進化とともに顕著に増加しており、デザインや軽量化だけでなく、電動化に対応した材料開発も進んでいる。本講演では、自動車プラスチック部品の適用動向や技術開発の事例について幅広く紹介する

・14:45~15:20「市街地自動運転の認識技術と実証実験の取り組みについて」米陀佳祐氏(金沢大学)…次世代のモビリティとして市街地向け自動運転の研究開発や実用化を目指した取り組みが進められている。本講演では、金沢大学の研究グループが国内で実施している実証実験を事例としながら、最近の技術動向について紹介する

・15:20~15:55「安全安心なモビリティ社会を実現する高度運転支援・自動運転システムの研究開発(オンライン講演)」…交通事故のない安全安心な移動の実現のため自動運転技術の開発が進められている。特に、ドライバーの安全運転をサポートする運転支援システムに関わる自動運転の要素技術開発の最近の研究動向について解説する

 3月8日当日はその他、卒業研究発表会(10:00~17:30)、砥粒加工学会賛助会員企業 リクルートフェア(10:00~17:30)、企業および研究機関等におけるパネル展示(10:00~17:30)、ATF懇親会(17:45~19:45)が催される。

 参加費用や各イベントの会場などについての詳細情報や事前申込は、以下の砥粒加工学会 ATF2024ホームページまで。
https://www.jsat.or.jp/node/1556


問合先:(公社)砥粒加工学会 事務局
〒169-0073 東京都新宿区百人町2-22-17 セラミックスビル4F
TEL 03-3362-4195 FAX 03-3368-0902
E-mail staff@jsat.or.jp
 

kat 2024年2月21日 (水曜日)
kat
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3 分 35 秒 ago
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