表面改質展・真空展2022など6展が開催
「表面改質展2022」「真空展2022」「高精度・難加工技術展2022」など6展(主催:日刊工業新聞社)が10月19日〜21日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。表面改質関連では、以下のような出展があった。
関東学院大学 材料・表面工学研究所(https://mscenter.kanto-gakuin.ac.jp/)は、最新の表面処理技術に関する実演や同研究所と技術供与契約を結ぶ企業数社の製品や技術を紹介した。会期中は材料・表面工学研究所 高井 治所長がUV照射による表面改質などの技術や効果などについてプレゼンを行った。また、ブース内でヤマトマテリアルは、同研究所で開発した、大豆を特殊加熱・特殊微粉砕する技術により非常に舌触りがなめらかで、超微粉で水に溶けやすく、様々な加工品への使用が可能な大豆粉(きな粉)である「ミラクルきなっこ」を紹介した。消化不良を引き起こす成分を取り除いた、おなかに優しい大豆粉で、風味の良いミルキーな味わい、たんぱく質・イソフラボン・オリゴ糖・サポニン・大豆レシチン・ビタミンB群・食物繊維・脂質・ミネラルの9種類の栄養成分を保持、健康と美容をサポートするスーパーフードとなっている。同社はまた、大気圧プラズマ装置「AP-4000シリーズ」を展示した。大気雰囲気下で圧縮エアのみでプラズマを発生る装置で、シリコーンゴム、エラストマ、汎用樹脂~スーパーエンプラ、CFRTPといった難接着材料の接着性の改善や塗装性、塗膜性の改善などにおいて、スポット処理だけではなく、回転ノズルを用いることでより広い面積に対してもプラズマ処理が可能となっている。
東京電子(https://www.toel.co.jp/)は、10-⁷~10-¹³Pa台の残留ガス分析が高精度で行えるようにイオン源を改良した超高感度質量分析計「WATMASS-MPH」を紹介した。WATMASS‒MPHの技術をベースに超低ガス放出の真空構造材である0.2%BeCuで分析室を構成することによって、10-15Pa・m3/s (He)の極小リークを計測することが可能な「破壊分析型超高感度ガス分析装置」などを開発しているが、このほどプロセス評価やデバイスの品質管理・品質解析などを目的に、ユーザーから半導体デバイス等のサンプルを預かり、同社埼玉事業所に設けた受託分析ラボに設置した高精度の四重極型質量分析システムにより破壊/非破壊でガス分析を行う受託サービスを開始したと告知した。
WATMASS-MPH
パーク・システムズ・ジャパン(https://www.parksystems.com/jp/)は、人工知能(AI)を搭載した次世代自動原子間力顕微鏡(AFM)「Park FX40」を展示した。ロボティクスと機械学習機能、安全機能、特殊なアドオンとソフトウェアを搭載。プローブ交換、プローブ識別、レーザーアライメント、サンプルの位置調整、サンプルへのチップアプローチ、イメージングの最適化など、スキャンにおけるパラメーターおよび事前準備に関わるすべての設定を自動で行える。機械学習の積み重ねでAIによる自動機能の適正化、スキャン前の煩わしい準備の自動化、複数のポイントを目的に応じて自動測定など、自動化AFMの実現によるユーザーの利便性とパフォーマンスを向上させた。
ヤマシタワークス(https://www.yamashitaworks.co.jp/)/日本スピードショア(https://speedshore.co.jp/)は、異形状ワークを簡単に短時間で鏡面仕上げ加工できる装置「エアロラップ」を展示した。エアロラップは、ゼラチンを主成分とした食品性研磨材を核に、水分「マルチリキッド」を含有することで弾力性・粘着性を持たせダイヤモンド砥粒を複合させた研磨材「マルチコーン」を、被加工材(ワーク)表面を高速で滑走させて発生する摩擦力によって磨くもの。乾式と湿式の中間的な湿潤状態で、相手材にダメージを与えることなく、精密研磨、最終仕上げや鏡面仕上げを可能にしている。今回は、各種金型部品の磨き時間短縮、切削工具の寿命延長、DLCなどドライコーティング成膜の前後処理など、様々な用途で使用が可能で、再生可能なエコ製品で、食品素材をコアに持つ研磨材を用いていることをアピールした。今回はロボットを組み合わせたシステムを披露。ロボットがワークを把持して装置キャビン内の加工部まで搬送し、ワーク全面が加工されるように装置内でワークを回転、加工後は装置外に取り出すという自動化の提案を行った。
エアロラップ+ロボットによる自動化の提案kat 2022年11月30日 (水曜日)