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イグス、ESD対策用ステンレス製ガイドローラー

2年 2ヶ月 ago
イグス、ESD対策用ステンレス製ガイドローラーkat 2022年09日16日(金) in

 イグスは、無潤滑・メンテナンスフリーのクシロス ガイドローラーのラインアップに、ESD対策用のステンレス製ガイドローラー(https://www.igus.co.jp/info/antistatic-stainless-steel-xiros-conveyor-rollers)を追加した。静電気を逃すことで、帯電による機械やシステムの故障を防ぎ、ダウンタイムおよびコストを低減できる。食品との接触がある用途にも使用できる。

ESD対策用のステンレス製ガイドローラー

 

 フィルム製造・食品包装などの機械やシステムにおいて、静電気帯電は大きな問題を引き起こし、機械の損傷によるダウンタイムや修理費の発生、最悪の場合には火災や爆発につながることもある。こうしたリスクを回避できるように、同社では導電性のクシロス ステンレス製ガイドローラーを開発した。静電気防止ブラシや高価な特殊設計の代替となり、低コストを実現する。すぐに取り付け可能で、サイズは外径30mmでシャフト径8mm/10mm/12mmの3種類、ステンレスチューブの長さは100~1000mmの範囲で、希望の長さをミリ単位ご指定できる。

 新開発のステンレス製ガイドローラーは、包装機械のフィルムガイドに適した製品で、チューブと軸受のボールはステンレス製、軸受の内輪と外輪は独自開発となる帯電防止の高機能ポリマー「クシロデュールF180」製。二つの素材を組み合わせて静電気散逸性を確保した。使用可能な温度範囲は-40℃~+80℃。従来の金属製ベアリングとは異なり、導電性を妨げる可能性のある潤滑剤が不要なため、静電気を確実に逃す。発生した静電気はチューブの表面から軸受の外輪を経てボールに伝わり、さらに内輪を経由してシャフトに流れる。

 クシロス ステンレス製ガイドローラーによる無潤滑運転は、機械やシステムの衛生状態を向上させ、汚染リスクを低減させる利点もある。個々の部品はすべて、食品との接触が可能で、再潤滑が不要なため長寿命とメンテナンスコスト削減を実現できる。

 最適なガイドローラーの選定には、ガイドローラー用エキスパートが利用できる。このオンラインツールでローラーの寸法や荷重条件、環境条件を指定すると、適切なソリューションの一覧が表示される。たわみ量、重量、価格などのデータを参照のうえ、希望の製品を選択でき、そこから構成用CADデータのダウンロードと、オンライン注文が可能となっている。

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イグス、食品機械の洗浄に対応するリニアアクチュエータ

2年 2ヶ月 ago
イグス、食品機械の洗浄に対応するリニアアクチュエータkat 2022年09日05日(月) in

 イグスは、FDA準拠材質を使用し、衛生設計のガイドラインに基づいた「ドライリンZLW歯付きベルト駆動リニアアクチュエータ」(https://www.igus.co.jp/info/n22-hygienic-fda-zlw)を開発した。独自の高機能ポリマー技術により、洗浄が容易で無潤滑・メンテナンスフリーを実現、食品機械の洗浄で課題となるダウンタイムとコストの削減に大きく貢献する。

ドライリンZLW歯付きベルト駆動リニアアクチュエータ

 

 大規模な菓子類製造所などでは、食品機械の定期的な洗浄に多大な負担がかかる。ミキサーでは大型の容器や撹拌体のほかに、撹拌体を上下させるリニアアクチュエータやキャリッジも洗浄する必要があるが、従来のリニアアクチュエータでは洗浄が困難な箇所に生地が付着すると洗い残しが発生する恐れがあり、それによる汚染のリスクもあった。

 そこで同社は、食品業界や医薬品・化粧品業界におけるシステム洗浄の負担を軽減するため、リニアアクチュエータのラインアップを拡充。衛生設計の新しいドライリンZLWは、流水はもちろん高圧スチームや洗浄剤にも対応し、迅速で徹底的な洗浄が可能なため、システムの安全性向上にもつながる。

 新しいリニアアクチュエータは、衛生設計のガイドラインに基づいて開発されたため洗浄が簡単で、生地がたまりやすい場所を最小限にし、ねじ部の隙間がない構造を実現。機能を一番に考慮した設計としているほか、角を丸くすることで、高圧洗浄の際に水の流れがよくなり、汚れの粒子を運びやすくしているため、水が滞留することもなく、雑菌の発生を抑えることが可能。また、どうしても滞留しやすい場所には穴を設け、液体が完全に排出されるようにしている。

 新しいドライリンZLW歯付きベルト駆動リニアアクチュエータは、FDAに準拠した材質のみを使用。軸端サポートとキャリッジは、耐食性に優れたステンレス製で、レール上を走行するキャリッジの軸受部は、食品接触向け高機能ポリマーであるイグリデュールA160製のため、無潤滑の低摩擦運転が可能となる。汚染リスクのある外部潤滑剤は不要で、非常に高い耐久性も実現できる。

 耐久性についてはドイツのイグス試験施設で、速度0.5m/s、加速度2m/s²、荷重3kgの条件で、約145万往復回数を実証済み。本製品は現在、最大ストローク長3000mmまで対応、オプションでステッピングモータを装備できる。

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THK、内外輪一体形で組付けの大幅時短化を実現するクロスローラーリングを開発

2年 2ヶ月 ago
THK、内外輪一体形で組付けの大幅時短化を実現するクロスローラーリングを開発kat 2022年08日24日(水) in in

 THKは、内外輪一体形の安定構造によって組付けの大幅な時短化に貢献するクロスローラーリング「RBU形」を新たにラインナップとして追加する。

クロスローラーリング RBU形


 クロスローラーリングは、内外輪の間に円筒ころ(ローラー)がスペーサリテーナを介して交互に直交配列されているため、あらゆる方向の荷重(ラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント荷重)を負荷することができるとともに、高い回転精度が得られる。こうした特徴を有するクロスローラーリングは、産業用ロボット、工作機械、減速機をはじめ、高剛性、高精度な回転運動を必要とする装置の旋回用軸受として広く採用されている。

 昨今、自動化・省人化の後押しを受けて世界的に出荷台数を伸ばしている産業用ロボット、減速機の生産現場では、組付けの作業効率を上げるために作業工程の見直しや改善が求められている。さらには、同じ人員で一層の生産性向上につなげる体制づくりが急務となっている。クロスローラーリングは高精度な回転運動が得られる一方で、シビアな組付作業が要求されるため、組付けの経験を重ねることが必要とされ、従来は作業効率を上げることが難しかった。

 これに対しTHKは、クロスローラーリングの組付けの時短化に貢献すべく、内外輪一体形の安定構造を有しつつ、性能面でも安定した回転精度・回転トルクを併せ持つクロスローラーリングRBU形を新たにラインナップとして追加する。

 製品ラインナップは軸径φ20~190からなる全24形番を展開。また、既存形番のRB形とは寸法に互換性があり、設計変更を伴わずにRBU形への簡単な置換えが可能となっている。

 特徴は以下のとおり。

・容易な組付調整 細かい組付調整が不要なため、装置への組付けが容易で、時間短縮に貢献。産業用ロボットの関節部や旋回部、そして減速機の組付けなどでは、生産台数が多ければ多いほど、抜群の時短効果を発揮する

・軸受性能の安定化を実現 内外輪一体形構造のため、外輪分割形のRB形と比較し部品剛性が向上しているため、ハウジングの精度や剛性の影響を受けにくく、安定した性能が得られる

・既存形番であるRB形とは寸法に互換性があり、設計変更を伴わずに簡単に置換えが可能

・軸径φ20~190からなる全24形番の豊富なラインナップ

 THKは今後も、独自の新製品開発を通して、あらゆる分野の自動化・省人化需要に応えるとともに、生産性向上、工程改善のためのソリューションを提案していく。

 

RBU形の構造

 

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室町ケミカルやポリプラ・エボニックなど、バイオディーゼル燃料の精製装置を共同開発

2年 2ヶ月 ago
室町ケミカルやポリプラ・エボニックなど、バイオディーゼル燃料の精製装置を共同開発kat 2022年08日24日(水) in

 室町ケミカルは、水光技研、健製作所、RITA、ポリプラ・エボニックの4社とバイオディーゼル燃料の精製装置を共同開発した。フィールドテストの実施場所として西田商運が協力、実証評価とデータ収集に取り組み、耐溶剤分離膜を用いた、不純物の少ない高品質のバイオディーゼル燃料を製造する精製装置(特許出願中)を開発した。本年9月に上市を予定している。従来の「蒸留法」と比べてエネルギー消費が少なく、環境にも優しい精製法となっている。

 国内では化石資源利用の低減やカーボンニュートラル化(CO2排出量削減)の観点から、使用済みの食用油(廃食用油)を原料としてバイオディーゼル燃料を製造し、軽油の代替品とする事業が数多く存在する。

 この廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料を軽油の代替として車に使用した場合、原料由来からくる遊離脂肪酸や製造過程で発生する遊離グリセリン等の不純物が原因で、マフラーが目詰まりするなどの多くの不具合が発生し問題となっている。この問題の解決方法として、バイオディーゼル燃料の高品質化を目的とした、蒸留法による不純物の除去方法、・置があるが、燃料の蒸留という危険性や、製造能力(収率)・コスト(高エネルギーが必要)面での問題から、限定的な採用に留まっている。

 今回、室町ケミカルやポリプラ・エボニックなどの5社はこれらの問題を解決する目的で開発チームを立ち上げ、従来にない画期的な方法での不純物除去に挑んだ。開発チームでは、有機溶媒中でナノろ過が可能なポリプラ・エボニックの分離膜「PURAMEM®」を用いた特殊な精製工程を経ることにより、不純物の少ない高品質のバイオディーゼル燃料を製造することに世界で初めて成功した。この精製方法は、バイオディーゼル燃料の精製処理として一般的な蒸留法と比べて、以下の特徴を実現できる。

・高品質:エステル分向上(94%→99%、※不純物除去)により、高品質なバイオディーゼル燃料を製造

・高収率:蒸留法の収率75%に対し、分離膜法では90%の高収率を実現

・安価:エネルギーコストの低減により、蒸留法と比べて安価な精製処理が可能

・安全:分離膜法では、蒸留法のように燃料を高温(数百℃)にする危険性がなく安全

 開発チームでは、バイオディーゼル燃料のサンプル提供を受け、ラボ試験、パイロット試験を経て、実機装置導入を提案していく。また、バイオディーゼル燃料の精製装置や製造装置プラントについても提供することが可能としている。

ポリプラ・エボニックの耐溶剤分離膜「PURAMEM」

 

バイオディーゼル燃料精製装置の側面

 

左:精製前
右:精製後:不純物を除去しているため、ほぼ透明

 

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エボニック、ドイツの生産拠点で天然ガスの最大40%を代替

2年 3ヶ月 ago
エボニック、ドイツの生産拠点で天然ガスの最大40%を代替kat 2022年08日19日(金) in

 エボニック インダストリーズはドイツの生産拠点において、ロシアからの供給停止が懸念される天然ガスへの依存度を大幅に低減している。天然ガスに替わるエネルギー源を利用することで、化学製品の生産を大幅に縮小することなく、ドイツの天然ガス供給の最大40%を置き換えることを可能にしている。これにより、自社の生産活動を守るだけでなく、ドイツの天然ガス使用削減に寄与することができる。代替される天然ガスの量は、10万世帯以上の家庭の年間消費量に相当する。

 エボニックの最も重要な施策は、マールにあるドイツ最大の生産拠点で実施されている。ここに新設されるガス火力発電所では、天然ガスではなく、エネルギー会社であるBPの協力を得て液化石油ガス(LPG)を使用して発電を行う予定で、これによりマールでのエネルギー供給の確保だけでなく、生産活動の継続も実現できる。代替された天然ガスは、ドイツの天然ガス貯蔵施設に補充することも可能となる。
マールの石炭火力発電所も、エネルギー供給の確保に貢献している。当初、この発電所は今年中の停止を予定していたが、法的枠組みの変更に伴い、今後、必要な人員の確保、技術的メンテナンスへの投資、石炭供給の確保を行い、今年以降も運転を継続する。

 エボニック 取締役会長のクリスチャン・クルマン氏は、「天然ガスをLPGに代替することや、石炭火力発電所の運転を継続することで、ドイツ最大の生産拠点であるマールでは、生産量を大幅に削減することなく、天然ガスから脱却することができる。ロシアからガスの供給が停止した場合でも、当社のヨーロッパにある生産拠点でのエネルギー供給はほぼ確保される」と述べている。

 エボニックは、全世界で年間約15TWh(テラワット時)の天然ガスを調達しており、その大半は発電と蒸気生成に使用されている。このうち、ドイツへの供給が1/3を占めている。アントワープ(ベルギー)などドイツ以外のエボニック拠点へのエネルギー供給は、ロシアからのガス供給とはほぼ無関係である一方、ドイツでは、ロシアからのガス供給が途絶えた場合に化学品の生産に重大な支障をきたす可能性があった。

 しかし、このリスクは現在、大幅に軽減されつつある。LPGは、メタンを主成分とする液化天然ガスや天然ガスとは異なり、主にブタンからなる液化ガスで、LPGはマールにあるエボニックの生産拠点で、C4誘導体(パフォーマンス中間体)を生産する際の副産物として得られるほか、市場からの調達も可能となっている。ドイツ・ゲルゼンキルヒェンのBP社製油所との統合ネットワークにより、エボニックとBPは既存の生産・物流システムやインフラを利用して、マールでLPGの供給を十分に確保できる。

 BP Europa 取締役会長のヴォルフガンク・ラングホフ氏は、「現在ドイツでは、ガスの使用削減が重要かつ喫緊の課題となっている。ゲルゼンキルヘンにあるBPの拠点とマールにあるエボニックの拠点が協力し、天然ガスをLPGで代替する計画の実現を支援できることをうれしく思う」と述べている。

 エボニックの新しいガス火力発電所では、天然ガスとLPGの両方を使用できる柔軟性も、利点として証明されつつある。LPGの使用については、発電所の建設を行うシーメンス・エナジーとの緊密な協力のもと、現在順調に試験を進めている。

 エボニックでは、シュタイナウ、エッセン、クレーフェルト、リュルスドルフ、ヴェッセリングなど、ドイツの他の生産拠点でも天然ガスの代替措置を明らかにしている。この措置では天然ガスの一部を重油で代替する予定で、実施に向けた投資をすでに開始している。

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日本ベアリング、営業本部・東京支店・京滋支店を移転

2年 3ヶ月 ago
日本ベアリング、営業本部・東京支店・京滋支店を移転kat 2022年08日17日(水) in

 日本ベアリングはこのほど、販売・営業サービス業務の一層の強化充実を図る目的で、営業本部・東京支店・京滋支店を移転する。新拠点での業務開始はいずれも、8月22日からとなる。

 営業本部は、取締役営業本部長 米山浩一氏、営業本部マネージャー 金子 徹氏のもと、以下の新拠点で業務を開始する。

〒111-0041 東京都台東区元浅草3-7-1 住友不動産上野御徒町ビル12階
国内営業 TEL:03(5246)3800 FAX:03(5246)3821
海外営業 TEL:03(5615)2812 FAX:03(5615)2813
※海外営業の番号は、いずれも変更なし

 東京支店は、支店長 金澤義則氏のもと、以下の新拠点で業務を開始する。

〒111-0041 東京都台東区元浅草3-7-1 住友不動産上野御徒町ビル12階
TEL:03(5246)3511 FAX:03(5246)3521

住友不動産上野御徒町ビル

 

 京滋支店は、支店長 須田賢一氏のもと、以下の新拠点で業務を開始する。

〒520-3031 滋賀県栗東市綣2-4-5 ウイングプラザ1階
TEL:077(552)9311 FAX:077(552)7715
※京滋支店の番号は、いずれも変更なし。

ウイングプラザ

 

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日本ベアリング、ブランディングTVCM2本を公開

2年 3ヶ月 ago
日本ベアリング、ブランディングTVCM2本を公開kat 2022年08日17日(水) in

 日本ベアリング(NB)は、2022年度のブランディングTVCM「まっすぐ未来へ」篇(30秒)と「世の中も滑らかに」篇(30秒)の2本を制作、公開を開始した。

 「まっすぐ未来へ」篇では、このほど誕生した、「まっすぐ走ること=直線運動」を特技とするパートナー犬「エヌビーグル(NBeagle)」が、同じく直線運動技術を特技とするNBの、“世の中を、まっすぐ、やさしく、滑らかに。”する使命や、同社のリニアモーションシステムが快適な暮らしや超スマート社会の実現を支えていることを紹介。エヌビーグルは引き続き、未来に向かって、まっすぐ走り続ける。

 「世の中も滑らかに」篇ではまた、エヌビーグルが街にある「まっすぐな」ものや「滑らかな」ものを探して走り、医療機器やホームドア、半導体製造装置、工作機械、産業用ロボット、包装機…などなど、暮らしの中の安心安全のために、皆の未来のためにNBのリニアモーションシステムが支えていることを発見。「世の中も、滑らかなのがいいよね」との思いに至る。
 

「まっすぐ未来へ」篇

「世の中も滑らかに」篇

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ドイツ工作機械工業会とドイツメッセ、EMO Hannover 2023出展申込の受付を開始

2年 3ヶ月 ago
ドイツ工作機械工業会とドイツメッセ、EMO Hannover 2023出展申込の受付を開始kat 2022年08日16日(火) in

 ドイツ工作機械工業会(VDW)とドイツメッセは、2023年9月18日~23日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場でリアル開催される世界的な工作機械の展示会「EMO Hannover2023」について、出展申込の受付を8月1日から開始している。申込締切は本年12月1日まで(早期割引の申込締切は本年10月15日まで)。

EMO Hannover2023のロゴ

 

 4年ぶりのリアル開催となるEMO Hannover2023は、「Innovate manufacturing」をテーマに掲げ、会期までの1年間、製造業が抱える課題解決のための情報やソリューション、ビジネスのヒントを世界中に訴求していく(https://emo-hannover.de/en/news)。

 EMO Hannover2023ではまた、生産技術におけるイノベーションには、AI、デジタルツイン、データ分析、サイバーセキュリティ、クラウド、プロセスモニタリング、予知保全に関連するIT技術やソフトウェアの活用が欠かせないとの考えから、同分野にフォーカスした「Separate IIoT in Production exhibition area」も新設する。

 さらに、両主催団体は「Sustainability in production」の名のもとWPG(ドイツ生産技術・科学協会)の協力を得て、EMO Hannover2023を製造業や生産プロセスにおける環境問題、エネルギー問題を解決するためのプラットフォームとして活用していく予定。EMO Hannover2023はまた、サステイナブルな社会や産業の構築にも貢献していく。

 前回開催(2019年)の概要は以下のとおり。
・出展者:2211社(47ヵ国)
・来場者:116706名(149ヵ国)

 本件に関する問合先は以下のとおり。
ドイツメッセ日本代表部 (合同会社International Linkage 内)
担当:竹生(たけお)
TEL:03(6403)5817
E-mail : masahito.takeo@intl-linkage.co.jp
EMO Hannover2023ウェブサイト
(英文)https://emo-hannover.com/
(和文)https://intl-linkage.co.jp/dm/emo-hannover2023/
 

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ジェイテクト、ロードバイク用高性能セラミックボール軸受を発売

2年 3ヶ月 ago
ジェイテクト、ロードバイク用高性能セラミックボール軸受を発売kat 2022年08日15日(月) in

 ジェイテクトは、市販向け軸受の新商品として、ロードバイク用高性能セラミックボール軸受「鬼ベアリング」(ONI BEARINGTM)を8月20日に発売する。限定30セットで、価格は120000円(税込。軸受(フロント・リア)と工賃の価格で、ホイールの価格は含まれていない)。

鬼ベアリング(ONI BEARING)

 

 ジェイテクトはこのほど、1984年に世界で初めて実用化したセラミックボール軸受の技術を結集し、自動車・産業機械向けに培った知見を活かして、自転車用軸受市場に本格参入した。

 ONI BEARINGは、既存のロードバイク用軸受と比べ圧倒的な低トルクを誇り、漕ぎ出しの軽さとホイール速度維持を実現し、また軸受の基礎技術を積み上げ、高い耐久性と長寿命を誇る。これらの性能により、ロードバイクユーザーの、より速くより快適な走りの実現に貢献できる。

 圧倒的な低トルク性能が評価され、国内屈指のロードバイクレーシングチーム「MATRIX POWERTAG(マトリックスパワータグ)」のレース車両に試作品が採用。選手からは「桁違いに軽い。特にコーナーの立ち上がりに軽快さがある」など好評を博しており、今シーズンのチームの戦績に貢献することが期待されている。

 ONI BEARINGの名前の由来はJTEKT GROUP VISIONのNo.1&Only OneよりONIを取り、セラミックボール軸受として低トルクを筆頭に圧倒的な高性能、さらに自転車競技の本場欧州への日本ブランドアピールも込めて、ONI(鬼)を商品名に採用した。

ONI BEARINGの性能

 

 日本最大級のスポーツサイクル専門店Y’s Road(ワイズロード)の大阪本館と名古屋本館で販売をスタート。Mavic(マヴィック)製ホイールの現行モデル(COSMIC、KSYRIUM)にはオプションでONI BEARINGを搭載することができ、購入者にはホイールのハブに「ONI BEARING」のロゴを付けることも可能。

 ジェイテクトでは、より多くのロードバイクユーザーやサイクルレースファンに、同社の自転車市場への本格参入とONI BEARINGを知ってもらう目的で、8月20日、21日の両日に開催される「シマノ鈴鹿ロード」にイベント出展し、デモ機展示や前後輪でONI BEARINGを搭載した試乗車の貸出などを実施する予定で、以降も今治クリテリウムなどロードレース会場での体験会や試乗会などを実施する予定となっている。

 同社では、今回発売の商品を皮切りに、技術力をより高め、一層の低トルク化を実現するなど、良質廉価を極め競争力を高めるとともに、販売数量を拡大し、本格的な事業化を目指していく。ONI BEARINGとしてフロントホイール用、リアホイール用の商品群だけでなく、ペダル周辺のクランク用軸受、変速機周りのプーリー用軸受にも領域を広げるとともに、「ベアリング交換キット」とのセット販売なども行い、ロードバイクユーザーへの嬉しさを提供していく考えだ。

ONI BEARINGロゴマーク(上)とホイールのハブに付けたONI BEARINGのロゴ(下)

 

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NTN、最大可搬質量3kgの手首関節モジュールを開発

2年 3ヶ月 ago
NTN、最大可搬質量3kgの手首関節モジュールを開発kat 2022年08日15日(月) in

 NTNは、手首関節モジュール「i-WRIST®」の「IWSシリーズ」の可搬性能を向上させた新グレード「IWS-C01」を開発した。i-WRIST本体のサイズは従来のIWSシリーズのコンパクト性(折れ角90°仕様:W417mm×D365mm×H196mm、折れ角45°仕様:W474mm×D415mm×H185mm)を維持しつつ、最大可搬質量が1kgから3kgに増加し、従来よりも幅広い種類のエンドエフェクタの搭載や製品の取り扱いが可能となり、様々な製造工程の自動化と効率化に対応するとともに、生産現場の省人化に貢献できる。

 同社では、外観検査、グリース塗布、洗浄、組立、バリ取りへの用途展開を図り、2025年度に5億円/年の販売を目指す。

 i-WRISTは独自のリンク機構により、手首のようななめらかな動きを実現するロボティクス・モジュール商品。半球状の全方向に対して高速・高精度に位置決めを行うi-WRISTでエンドエフェクタや製品の姿勢を制御することで、外観検査やグリース塗布、製品洗浄などの工程を自動化することが可能となる。

 2021年にはIWSシリーズを開発し、動作速度の向上や、従来の下向きに加えて横向きや斜め向きなど取付け姿勢を自由に選択できるようにするなど、一部の機能を拡張。タクトタイムが短縮されるだけでなく、取り扱う製品や用途に応じて柔軟な装置設計が可能となっている。通常は2台以上の多関節ロボットで行う複雑な形状の製品の外観検査も、1台のIWSシリーズで実現できる。

 今回、同社がi-WRISTを市場展開する中で、ユーザーからの要望の強かった可搬性能の向上に対応するため、制御方法の最適化により最大可搬質量を1kgから3kgに増加させたIWSシリーズの新グレードIWS-C01を開発したもの。最大可搬質量を増加させたことで、搭載可能なエンドエフェクタや製品が増え、より幅広い用途に適用できる。

 外観検査用途において、i-WRISTで製品の姿勢を制御する場合、小型・軽量な樹脂部品だけでなく、小型のアルミダイキャスト部品など人の手で取り扱う重さの製品の大半を取り扱うことが可能となる。また、i-WRISTにエンドエフェクタを取り付けて制御する場合は、大型照明や高性能カメラの搭載が可能となり、より細かい傷や打痕の検出ができるようになる。

 外観検査のほかにも、バリ取り加工などエンドエフェクタへの負荷が大きく変動する工程にも活用できる。

 

手首関節モジュール「i-WRIST」

 

複雑な形状をした自動車部品などの外観検査事例
(同じ検査速度を実現する構成での比較)

 

新グレード「IWS-C01」

 

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イグス、金属製から代替容易な肉厚の樹脂すべり軸受を開発

2年 3ヶ月 ago
イグス、金属製から代替容易な肉厚の樹脂すべり軸受を開発kat 2022年08日15日(月) in in

 イグスは、樹脂すべり軸受のラインアップに中荷重用「イグリデュールM210・M260」を加えた。肉厚の金属製軸受からの置き換えでは設計変更が不要で、自己潤滑性の樹脂材料のため軸受部の無潤滑・メンテナンスフリーを実現でき、建設・農業機械など過酷な使用条件下で作業時間とコストの削減に寄与する。

 イグリデュールM210・M260は肉厚が最大5mm、内径は20mm・30mm・40mm・60mm。特に中荷重(10MPa)の揺動用途に最適。すべり軸受の材質は繊維と充填材で強化、軽量でも十分な堅牢性を実現。40MPaの高面圧、連続的な局部荷重、-100℃~+140℃の温度(M260)にも耐えられる。材質には固体潤滑剤が含まれ給油が不要なため、汚れやほこりが付着せず環境に優しい。金属製軸受より軽量なため、機械やシステムの電力消費量を削減できる。

 ドイツ本社の試験施設で、イグリデュールM210・M260について中荷重の揺動運動のテストを実施したところ、数千サイクル後でも、目に見える摩耗が少ないことが実証されている。試験結果はすべて、すべり軸受構成ツール「イグリデュール エキスパート」に送られ、オンライン上でM210とM260の耐用年数を特定の条件下で計算できる。
 

中荷重用「イグリデュールM210・M260」のイメージ

 

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THK、最先端の自働化技術を体験できるサポート拠点を福岡に開設

2年 3ヶ月 ago
THK、最先端の自働化技術を体験できるサポート拠点を福岡に開設kat 2022年08日15日(月) in

 THKは、主力の直動製品をはじめ、製造業向けのIoTサービス、各種ロボット技術など、それぞれを活用する手法や導入を検討するサポート拠点として、山陽・九州エリアでは初となる福岡ソリューションセンター(福岡県福岡市博多区)を8月2日に開設した。

 同ソリューションセンターは、LMガイド、ボールねじ、アクチュエータなど同社の主力製品の展示コーナーのほか、部品の状態診断や予兆検知を実現するIoTサービス、さらには自社で開発したサービスロボット、協働ロボット、搬送ロボットなどのデモ機を常設展示し、来場者に最先端の自働化技術を間近で体験してもらいながら課題解決の道筋につなげていく中核拠点としての役割を担う。

 山陽・九州エリアは自動車、半導体、食品・医薬品関連の産業が活発な土地柄で、特に近年は、半導体の関連企業が相次ぎ九州への進出、事業拡大を打ち出しており、“シリコンアイランドの復権”に向けて大きな期待が寄せられている。その一方で、製造業全体では生産性の向上に加えて、労働集約や人手不足が大きな課題となっており、自働化や省人化、ロボット化を推進するニーズが年々高まりをみせている。

 そこでTHKは、山陽・九州エリアにおける旺盛なものづくり産業の需要を受け、最先端の自働化技術を体験できる課題解決型サポート拠点として福岡ソリューションセンターを開設するもの。

 ソリューションセンター内の展示スペースには、デジタルデバイスを用いた直動製品の紹介コーナーのほか、アクチュエータデモ機、部品の状態診断や予兆検知を実現するIoTサービス「OMNIedge」、自社開発のサービスロボット「SEED Solutions」、協働ロボット「NEXTAGE」、ピッキングロボットハンドシステム「PRS」など、様々なデモ機を数多く展示している。

 特にサービスロボットの展示では、技術スタッフがその場で様々なデモンストレーションを実施しながら、ユーザーが抱えるロボット活用の課題解決をサポートする。展示エリア外では、併設するミーティングルームで同社製品の導入を検討しているユーザー向けに、オンラインで東京本社の技術者を交えた技術セミナーなどを定期的に開催する予定。

同社では、「福岡ソリューションセンターでは、ユーザーのニーズに寄り添った最先端の自働化技術を紹介していく。山陽・九州エリアにおける課題解決型サポート拠点としてぜひともお立ち寄りいただきたい」とコメントしている。

 福岡ソリューションセンターの概要は以下のとおり。

・所在地:福岡県福岡市博多区上牟田1-11-1 ORIENT DEALING BLD NO.90 1階

・営業時間:9:00~17:00 ※当面は完全予約制

・連絡先(質問/予約):THK福岡支店 代表電話:092-474-4471代表メール:thk-fukuoka@thk.co.jp

 

THK主力製品をはじめ、IoTサービスや最新のサービスロボットを展示

 

技術スタッフがデモ機を使ってユーザーの課題解決をサポート

 

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イグス、第8回ベクター賞 受賞事例を公開

2年 3ヶ月 ago
イグス、第8回ベクター賞 受賞事例を公開kat 2022年08日05日(金) in

 イグスは、ケーブル保護管「エナジーチェーン」や可動ケーブル「チェーンフレックス」を使用した独創的なエネルギー供給システムの事例を表彰する「ベクター賞」を2年に一度開催しているが、今年の「第8回ベクター賞」の受賞事例4件を公開した。今回36ヵ国から集まった233の使用事例のうち、最も革新的なアプリケーションである「ベクター金賞」にハンガリーGepber Szinpad社のHUNGEXPO多目的ホールが輝いた。また、銀賞はドイツRhenac GreenTec社のサッカースタジアムの芝育成用照明システムに、銅賞はインドTalwandi Sabo Power社の世界最長規模のエナジーチェーンに贈られた。さらに、サステナブルな事例に贈られるグリーンベクター賞には、ドイツDercks Gartenbau社の経済的な灌漑システムが輝いた。

第8回ベクター賞 表彰式のようす

 

ベクター金賞:Gepber Szinpad社のHUNGEXPO多目的ホール

 ハンガリー・ブダペストHUNGEXPO国際見本市センター(Hungexpo Congress and Exhibition Centre)にあるGepber Szinpad社の多目的ホールは、広さ1800m2、座席数2000以上のホールが、わずか数分でさまざまな形状に変形する。変形を実現する床下の電気機械式昇降装置に、エナジーチェーン3400型とチェーンフレックス動力およびデータケーブルが使用されている。ボタンを押すだけで、映画館のような階段式の構造や、オーケストラピットのある舞台を作ることができる。この自動化アプリケーションにより、1日のうちに複数の大きなイベントを最小限の労力で開催できるようになっている。

 

ベクター銀賞: Rhenac GreenTec社のサッカースタジアムの芝育成用照明システム

 ゲルゼンキルヒェンのサッカースタジアム「フェルティンス・アレーナ」に構築されたRhenac GreenTec社の巨大な芝育成用照明システムは、サッカー場の両端のトラックを前後に移動する大型ガントリーで構成され、ガントリーの下部には、芝育成のためのLED グローライトを照射するランプが設置されている。屋外システムの動力ケーブルとデータケーブルを紫外線や雨、温度変化から保護するため、ガントリーの移動にエナジーチェーン5050RHD型が使用されている。ランプホルダーの垂直調整には、スリップリング不要のe-spoolシステムが採用された。

 

ベクター銅賞:Talwandi Sabo Power 社の世界最長規模のエナジーチェーン

 インド・パンジャブ州バナワラ村の石炭火力発電所において、Talwandi Sabo Power 社の巨大なバケットホイールエクスカベーターは、石炭を払い出し、ベルトコンベヤでボイラーまで運ぶために設計された。バケットホイールエクスカベーターに従って700mにわたり移動する動力線は、世界最長規模のエナジーチェーンシステムである頑丈な「ロールeチェーン5050RHD型」に組み込まれ、飛散する石炭から保護されている。

 

グリーンベクター賞:Dercks Gartenbauの社経済的な灌漑システム

 何千もの植木鉢に効率的に水やりをするDercks Gartenbau 社の自動灌漑装置は、レール上を毎分18mの速度で移動し、全長45mの2本のブームで植物に水と養分を供給する。ケーブルガイドにはエナジーチェーン3500型が使用されている。このシステムによって、従来の灌漑に比べて水の使用量を約60%削減することができた。
 

第8回ベクター賞の各受賞事例

 

kat

TECHNO-FRONTIER 2022が開催

2年 3ヶ月 ago
TECHNO-FRONTIER 2022が開催kat 2022年08日05日(金) in

 「モーション・エンジニアリング展」、「モータ技術展」、「EMC・ノイズ対策技術展」、「熱設計・対策技術展」などからなる「TECHNO-FRONTIER 2022」(主催:日本能率協会)が7月20日~22日、東京都江東区の東京ビックサイトで開催された。ベアリング&モーション技術関連では、以下のような展示がなされた。

 コスモ石油ルブリカンツは、シリコーンフリーで高い熱伝導性を有する放熱材料「TIM」のラインナップを紹介した。放熱グリース「コスモサーマルグリースSFシリーズ」は、①シートよりも塗布面への追従性に優れる、②相手材との密着性が高く効果的な熱伝導性を発揮、③ディスペンサーでの塗布が可能で塗布工程を自動化できる、④適切な塗布量を選択でき放熱材量のロスを低減で、⑤数10μmまで薄く広げられ熱抵抗を低減、反発力が小さく部品へのストレスを低減、シリコーンフリーで低分子シロキサンによる電気接点障害の心配がない、などの特徴を持つ。また、一液硬化タイプの放熱ギャップフィラー「コスモサーマルギャップフィラーCGS3501」は、ペースト状で塗布できるため追従性に優れ、80℃の熱で30分間熱して硬化させるため、作業時間短縮が可能。二液室温硬化タイプの放熱ギャップフィラー「コスモサーマルギャップフィラーCGT3001」は、二液を混合後に硬化させるため、熱に弱い部分への塗布も可能。いずれも塗布後に硬化するためポンプアウトの心配がないほか、自動塗布が可能で作業時間を大幅に短縮できる。

シリコーンフリーで高い熱伝導性を有する放熱材料「TIM」

 

 THKは、ロボットの関節機構に適したモジュール型のアクチュエータとして開発した、回転モジュール「RMR」を紹介した。①減速機、モータ、エンコーダ、ブレーキなどの要素をモジュールとして一体化にすることで、一から部品選定/設計/組立をする必要がなくなり、その分の工数を削減できる、②剛性に優れた同社製のクロスローラーリングを回転機構の主軸受とすることで、大きなモーメントを負荷できる、③中空構造により配線ケーブルやチューブ等の取り回し性が高く、構造の簡略化/省配線化に優れている、④ドライバ別置き:制御ドライバはRMRとは別置きにし、本体全長をよりコンパクトに設計。また、RMR本体と制御ドライバをそれぞれ独立させることで配置の自由度が向上、などの特徴を持つ。ラインナップは#10 #30 #50 #70の4種類で、FA自動化工程に加え、物流業界や三品業界(食品/医薬品/化粧品)での活用ニーズも見込まれるほか、あらゆる市場の自動化ニーズに貢献する。

ロボットの関節機構に適した回転モジュール「RMR」

 

 ナノコート・ティーエスは、電磁波シールドPVDコーティング「PROCEM(プロセム)」の成膜サンプルとパネルを展示した。電子化が進む自動車では、車載電子機器・センサー類の増加の伴うノイズ発生源の多様化と軽量化を目的とした電子機器・センサー類の樹脂製筐体の採用が進んでおり、樹脂製筐体への電磁波シールド性の付与が課題となっている。これに対しHEFで開発したPROCEM コーティングは樹脂製筐体に直接成膜でき、自動車電装機器で要求される電磁波シールド仕様(ノイズ減衰性能)をクリアしてEMC 問題を解決できる上、薄膜のため成膜前後の筐体の寸法変化や重量変化がなく、マスキングが必要な部分の仕上がり具合などの問題を同時に解決できる。PROCEM被膜は、高導電率の金属被膜を耐食性に優れた被膜でサンドイッチした多層膜となっており、用途に応じて銀・銅・アルミの3 種類の導電性金属が選択できる。また、PROCEM被膜の上に、保護膜として耐摩耗性に優れるDLC被膜を成膜することも可能となっている。

電磁波シールドPVDコーティング「PROCEM」

 

 ハイウィンは、世界的に納期が長期化している、自動化・省人化ニーズに欠かせない「ACサーボモーター」の短納期対応が可能なことをアピール。定格出力50~2000Wのラインアップがあり、高速回転を同期制御できる同社製ドライバーも合わせて動作ユニットをオールインワンで構築できる「トータルソリューションシリーズ」として提供できる。また、レトロフィットや高精度割出し台に適した「ロータリーテーブル」を紹介。自社製トルクモーター搭載でゼロバックラッシュ・ダイレクトドライブ方式のロータリーテーブルは、滑らかでレスポンシブな回転を実現できる。仕上がり品質、歩留まり向上など様々な場面での優位性を高め、工作機械の差別化をサポートする。さらに、厚さ22mmと業界最薄クラスのDDモーター「DMTシリーズ」も出展。圧倒的な大中空径と優れた位置決め精度で機械設計の自由度アップに寄与するほか、同社のリニアモーターと組み合わせることで比較的容易に全高250mm程度の高精度位置決めXYθステージを組むことができる。自動化機器、省人化機器、搬送機器の省スペース化や低重心化による装置剛性向上にも寄与する。

ACサーボモーターなど動作ユニットをオールインワンで構築できる
「トータルソリューションシリーズ」

 

 フェローテックマテリアルテクノロジーズは、熱対策部品「サーモモジュール(ペルチェ素子)」とその応用製品として温冷調整が可能なジャケットなどを紹介した。サーモモジュールは、ペルチェ素子、または熱電素子とも呼ばれる半導体の電子部品で、コンパクトなヒートポンプ部品として機能する。直流電流を流すと、サーモモジュールの片側からもう片側へと熱が移動。それにより、サーモモジュールの片方の面が冷却されると、同時に反対の面は加熱される。また、直流電源の極性を入れ替えると、この現象が逆転し、逆方向に熱の移動を行うため、同じ面で冷却・加熱のいずれの目的にも使用できる。その機能によりセンサー・制御器と合わせて使用することで精密な温度調節も可能となる。サーモモジュールは場所や環境に応じて冷房・暖房を切り替えることができることから、肌着やジャケットに温度調節用途としての採用が進んでおり、今回はサーモモジュール応用製品として、温冷調整が可能なジャケットなどを展示した。

サーモモジュール応用製品「温冷調整が可能なジャケット」

 

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日本トライボロジー学会、第67期会長に牧野武朗氏(三菱重工業)

2年 3ヶ月 ago
日本トライボロジー学会、第67期会長に牧野武朗氏(三菱重工業)kat 2022年07日25日(月) in

 日本トライボロジー学会(JAST)は5月24日、Web会議システムを利用したオンライン方式により「第66期定時社員総会」を開催した。今回は第67期役員の選任についても決議がなされ、第67期新会長に三菱重工業 シニアフェロー 総合研究所 技師長の牧野武朗氏が選出された。

牧野武朗・JAST第67期会長

 

 JAST第66期定時社員総会は新型コロナウイルス感染拡大防止を目的に、Web会議システムを利用したオンライン方式により開催。社員総会の議事は、議長である第66期会長の九州大学 教授の杉村丈一氏によって進められ、2022年度事業計画・収支予算ともに可決・承認された。

 総会では第67期役員選任の議案についても同意が得られ、これを受けて第67期第1回理事会が開催され、三菱重工業 牧野武朗氏が第67期会長に選出されたもの。

 牧野氏はJAST新会長就任にあたって、「当会では、“会員サービスの充実による会員メリットの向上”、“世界における日本のトライボロジーのプレゼンス向上”、“学会運営の効率化と財政の健全化”という運営方針を掲げて、杉村 第65期・第66期会長のリーダーシップのもとで活動してきたが、今期もこの運営方針を堅持しつつ、会員各位の意見もいただきながら、運営の改善に力を注いでいきたい。昨今のCOVID-19、さらにはウクライナ情勢、地球温暖化問題など、我々を取り巻く様々な情勢の中で、科学技術で社会を支える者の一員としてトライボロジストである我々は、安全・安心ということを強く意識していき、そしてそれをゴールとして行われることの重要性にあらためて思いを致す必要がある。低炭素社会の実現に向けては、需要側における省エネ、供給側における高効率化は、大変重要な要素。我々トライボロジストの知を結集し、低炭素社会実現のための諸課題に立ち向かう必要があり、当会が一つの社会的役割を果たしていければと考える。会員には積極的に当会の諸活動に参加していただき、様々な視点から、どんどん新しい提案をしていただきたい」と抱負を語った。

kat

THK、ロボットの関節機構に適した回転モジュールの受注を開始

2年 4ヶ月 ago
THK、ロボットの関節機構に適した回転モジュールの受注を開始kat 2022年07日22日(金) in in

 THKは、ロボットの関節機構に適したモジュール型のアクチュエータとして、回転モジュール「RMR」の受注を開始した。

ロボットの関節機構に適した回転モジュール「RMR」

 

 回転モジュールRMRは、剛性に優れた同社製のクロスローラーリングを回転機構の主軸受とし、さらにロボットの関節部には欠かせない減速機、モータ、エンコーダ、ブレーキなどの要素を一体化した、ロボットの関節機構に適したアクチュエータ。ロボットの関節部に必要なメカ要素がすべて備わっているため、そこにアーム部品や直動モジュールを自由自在に組合わせることで、幅広い設備に適したユーザー独自のロボット設計が可能となる。

 近年、ロボット活用の場面は急速に多様化する一方で、要求される仕様に対して既製のロボットがマッチしないケースが少なくない。既製ロボットがハイスペックすぎたり仕様要求を満たせずに大掛かりな改造が必要だったりと理由は様々だが、THKでは、ロボットの導入効果の最大化を図るべく、ユーザー自身でロボットに必要な仕様を合理的に設計・構築できるよう、回転モジュールRMRの提供を開始する。

 RMRをアーム部品、直動モジュールと単に組み合わせるだけでなく、回転部の軸数、アームのリーチ長、可搬重量など様々な仕様に合わせて自由自在にメカ要素を設計し、理想に適したロボット構築が簡単に行える。また、ロボットの設計・構築まで手が回らないユーザーには同社グループで、希望の要求仕様に合わせて制御機器まで含む装置の提案を幅広く行っていくことも可能となっている。

 RMRのラインナップは#10 #30 #50 #70の4種類。FA自動化工程に加え、物流業界や三品業界(食品/医薬品/化粧品)での活用ニーズも見込まれるほか、あらゆる市場の自動化ニーズに貢献する。

 RMRの特徴は以下のとおり。
・一体型モジュール:減速機、モータ、エンコーダ、ブレーキなどの要素をモジュールとして一体化にすることで、一から部品選定/設計/組立をする必要がなくなり、その分の工数を削減できる

・高許容モーメント:剛性に優れた同社製のクロスローラーリングを回転機構の主軸受とすることで、大きなモーメントを負荷できる

・中空構造:中空構造により配線ケーブルやチューブ等の取り回し性が高く、構造の簡略化/省配線化に優れている

・ドライバ別置き:制御ドライバはRMRとは別置きにし、本体全長をよりコンパクトに設計。また、RMR本体と制御ドライバをそれぞれ独立させることで配置の自由度が向上

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ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2022年7月号「特集1:建設機械」「特集2:フルードパワー機器」発行!

2年 4ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2022年7月号「特集1:建設機械」「特集2:フルードパワー機器」発行!admin 2022年07日21日(木) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第36号となる2022年7月号が7月25日に小社より発行される。

 今号は、「特集1:建設機械」、「特集2:フルードパワー機器」で構成。

 特集1「建設機械」では、オイルの状態の常時監視などICTの活用で建設機械の安定稼働に貢献するサービスソリューションから、建設機械用油圧作動油規格の最新動向、建設機械用生分解性グリースの最近の動向までを広く紹介する。

 特集2「フルードパワー機器」では、横置き冷媒圧縮機の起動時における油吐出特性の評価から、高圧可変容量形油圧ピストンポンプの技術、高粘度指数圧縮機油による空気圧縮機の省燃費化と高効率化までを広く紹介する。

特集1:建設機械

◇ICT 活用で建設機械の安定稼働に貢献するサービスソリューション・・・日立建機 岩崎 史十、秋田 秀樹
◇建設機械用油圧作動油規格の最新動向・・・建設機械施工協会 浜口 仁
◇建設機械における生分解性グリースの最近の動向・・・出光興産 小泉 志郎 氏、早川 敦也 氏、山本 徹朗 氏に聞く

特集2:フルードパワー機器

◇横置き冷媒圧縮機の起動時における油吐出特性について・・・三菱電機 森山 貴司
◇高圧可変容量形ピストンポンプ・・・不二越 鈴木 健吾
◇高粘度指数圧縮機油による空気圧縮機の省燃費化と高効率化  エボニック ジャパンに聞く

連載

注目技術:第31回 FOOMA JAPAN 2022に見るbmt関連技術
あるコスモポリタンの区区之心 第7回 アルゼンチンの老舗カフェにて・・・紺野 大介
Q&A「浄油技術」の基礎知識 第7回 オイルサンプリング方法による分析結果への影響・・・RMFジャパン テクニカルサポートDiv

トピックス

日本トライボロジー学会、2021年度学会賞 授賞式を開催

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ジェイテクト、特殊環境用軸受が素粒子ミュオンの生成に貢献

2年 4ヶ月 ago
ジェイテクト、特殊環境用軸受が素粒子ミュオンの生成に貢献kat 2022年07日11日(月) in

 ジェイテクトの特殊環境用軸受「EXSEV®-WS」が、大強度陽子加速器施設(J-PARC)において、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所が開発するミュオン回転標的に採用された。同社の高耐熱・高耐久性を誇る特殊環境用軸受の性能が、J-PARCが取り組む安定的なミュオン生成に貢献している。

EXSEV-WS

 

 ミュオンとは、電子と同じような性質を持ちながら約200倍の質量を持つ素粒子。1936年に宇宙線の中で発見された。ミュオンは透過性の高さからこれまでに火山やピラミッド、原子炉などの透視に成功するなど、ミュオン透視技術は大きな注目を集めている。

 J-PARCにおいては、加速した陽子ビーム(原子を構成する粒子のうち正の電荷をもつ陽子が細い流れのように並進したもの)を黒鉛製のミュオン回転標的に照射することで、世界最高の質と強度を誇るミュオンを生成し、物質の構造を解明する物質生命科学や物質の根源を探求する基礎物理学に関わる研究に活用されている。

 ミュオン回転標的におけるミュオンの生成は高温・真空・高放射線場という過酷な環境下で行われるため、これまでの先行研究ではミュオン回転標的に使用される軸受が1年以内に破損するという問題があった。そこで、J-PARCでは2014年、ミュオン回転標的にジェイテクトの特殊環境用軸受EXSEV®-WSを採用。現在に至るまで長期にわたって、ミュオン回転標的の安定的な稼働に貢献している。

 この結果を受け、J-PARCと国際共同研究を行っているスイスのポールシェラー研究所(PSI)でもEXSEV®-WSを採用、2021年12月には1年間の安定的なミュオン回転標的の連続運転を達成した。

 EXSEV®-WSは、耐荷重性に優れており、高温・真空環境下にも適した軸受で、保持器を用いず、二硫化タングステン系自己潤滑複合材のセパレータによって玉を等間隔に保持。セパレータに含有された二硫化タングステンは耐熱350℃と耐熱性が高く、優れた潤滑寿命を有している。

<特殊環境用軸受EXSEV®-WSのスペック>
・潤滑剤に二硫化タングステン系固体潤滑剤を採用することで耐熱性・耐荷重性が要求される真空環境に適応

・圧力:105Pa(大気圧)~10-5Pa(高真空)

・温度:-100℃~350℃

・ミュオン回転標的に採用されたEXSEV®-WSの寸法
 d(内径):17mm、D(外径):40mm、B(幅):12mm

J-PARCのミュオン生成エリア:保守エリアの床面(橙色)から2.4 m低いビームラインにミュオン回転標的は設置される。左下から右上に向かう陽子ビームの経路上に設置されたミュオン回転標的でミュオンが生成され、四方向(写真撮影時は三方向のみ)の紫色の電磁石で実験室に取り出される

 

J-PARCのミュオン回転標的:陽子ビームによって黒鉛標的上に発生する熱や損傷を回転で分散させている

 

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THK、製造業向けIoTサービスでプライベートクラウドの対応を開始

2年 4ヶ月 ago
THK、製造業向けIoTサービスでプライベートクラウドの対応を開始kat 2022年07日08日(金) in

 THKは、製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」のプライベートクラウドの対応を開始する。ユーザー専用のクラウドサーバーを用いることで、特定ユーザーのみが閉域網でアクセスできるセキュアな環境が構築できるほか、専用SIMによる無線通信なのでLAN配線の煩わしさがなく、棟内工事は一切要らず、短期間での導入が可能。

OMNIedgeプライベートクラウド構成図


 OMNIedgeは、現場で稼働している装置の機械要素部品にセンサを後付けして、部品の状態を数値化し、予兆検知を実現するIoTサービス。対応部品は直動案内機器「LMガイド」、ボールねじ、アクチュエータなどの直動部品をはじめ、モーター、ポンプなどの回転部品とラインナップを展開してきた。今回、ユーザー専用のプライベートクラウドに対応することで、より強固な高いセキュリティと拡張性をリーズナブルな価格で確保しながら、多台数で運用できる環境の提供を開始する。

 ユーザーが社内でIoTサービスを本格展開する場合、セキュリティに対する要望は依然として高く、その一方では、自社に見合うシステムの構築は容易ではなく、また費用面での負担も少なくないという問題があった。そこでTHKでは、運用面の課題解決に加えOMNIedgeのメリットを最大限に享受してもらえるよう、ユーザー専用に安全性をより強固にしたプライベートクラウドの対応を拡げていく。さらには、専用サーバーならではの拡張性として、他の類するIoTデータも同時に集積できる機能の搭載も今後展開していく予定だ。

 OMNIedgeをすでに導入しているユーザーでは今後、複数の生産ラインへの多台数展開が考えられるが、その場合、より強固なセキュリティの高さに加えて、既存の社内ネットワークに影響を及ぼさないか、導入・設置はスムーズに進められるかなど、様々な課題が懸念される。

 そこでTHKでは、“より強固な高いセキュリティを保ちながら多台数を社内に展開でき、かつ、OMNIedgeのクラウドサービスのメリットである「製造ゼロ待ちチケット」、「IoTリスク補償」という二つの「あんしん特典」も同時に受けられるようにしたい”というユーザーの要望に対応すべく、プライベートクラウドへの対応を開始する。また、環境構築のために発生するユーザーの工数を非常に少なくできるほか、費用面においても年間にかかる費用はできるだけ抑え、将来的な拡張性も視野に入れた長期にわたる運用を可能とする。

OMNIedgeプライベートクラウド(LTE通信)における導入/運用時のメリット

 

 同社では引き続き、導入ユーザーから寄せられる多くの評価と要望を反映しつつ、ユーザーにとって最適なソリューションサービスの拡大を図り、製造現場の持続的な生産性向上に貢献していく。今後の展開としては、IoTで必要となる様々なシステムへの対応(データ収集用デバイスの追加、エッジサーバ拡充、および生産管理や設備監視アプリケーションへの接続・追加など)やローカル5Gへの対応(大規模で広範囲の多台数設備やシステムを、安全で通信障害の影響を受けにくく、柔軟なIoTネットワークの構築への対応)を予定している。

今後の展開:IoTで必要となる様々なシステムへの対応、ローカル5Gへの対応


 

kat

木村洋行、直接潤滑方式LEG油膜軸受の提案を強化

2年 4ヶ月 ago
木村洋行、直接潤滑方式LEG油膜軸受の提案を強化 in kat 2022年07日07日(木) in

 木村洋行(https://premium.ipros.jp/kimurayoko/)では、キングスベリー社の日本販売代理店として、同社製の直接潤滑方式LEG油膜軸受を長年取り扱っている。同軸受は発電所などエネルギー関連設備で数多く採用されているが、エネルギー需給がひっ迫する中にあって、発電所で稼働する回転機械の効率を向上できる同軸受への注目も高まってきている。

 ここでは、同軸受の提案・適用拡大を進める木村洋行に、キングスベリー社の直接潤滑方式のスラスト軸受「LEG(Leading Edge Groove)スラスト軸受」の特徴と適用のメリットを中心に話を聞いた。

 

LEGスラスト軸受の構成および機能

 LEGスラスト軸受は、主にティルティングパッド(またはシュー)、ベースリング、オイルフィードチューブ、レベリングプレートから構成される(図1)。

図1 LEGスラスト軸受の構成

 

 パッドは、低炭素鋼表面に、スズを主成分とするホワイトメタル合金を鋳込んだものが標準材質となる。表面温度が160℃付近に達するとホワイトメタルが溶出し始め、軸受としての機能が損なわれるため、LEGスラスト軸受では運転時のパッド表面の最高温度が120℃以下となるよう、撹拌抵抗の低減や低温油膜の形成につながる様々な工夫がなされている。また、パッド本体に温度センサを取り付けてパッド表面温度を常時モニタリングし、閾値を超えた際にアラームを出す予兆保全システムが組まれることも少なくない。

 LEGスラスト軸受は一方向回転での使用を前提に設計されているため、パッドそれぞれの前縁部に給油溝(LEG)を設けることで、給油溝から直接パッド表面を潤滑できる機能を有する。また、キングスベリーのパッド底面にはピボットと呼ばれる球面形状の支点を設けており、これにより各パッドが自動でティルティング(調心)し、均等に荷重を受けようとする。通常はパッド有効長の50%の位置にピボットが設けられている(センターピボット)が、LEGの場合は前述のとおり一方向回転を前提としているため、パッド有効長の60%の位置にピボット(オフセットピボット)が設けられている。これによって、スラストカラーとパッドの間に「くさび型の油膜」がより形成されやすくなる。

 ベースリングは、パッドとレベリングプレートを適切な位置で保持し、ベースリング背面の環状の給油溝とパッド表面のLEG溝を接続するオイルフィードチューブによって、ベースリング側からパッド表面に潤滑油を直接給油する。

 上下2 段のレベリングプレートは、ロータにミスアライメントがある場合でも軸方向に動作してパッドの軸方向位置を補正するため、後述するイコライジング機能をベアリングに持たせることができる。

 こうした独自の構成要素と後述する機能によって、従来の油槽式と比較してLEGスラスト軸受は以下の特徴を有する。

・最も高温になりやすいパッドの75%/75%位置の表面温度が、荷重と回転スピードに応じて、油層式より8~28℃低下

・負荷能力が15~35%向上

・潤滑油量が最大60%低下するため、損失馬力も45%低減

 

LEGスラスト軸受適用のメリット イコライジング機能

 キングスベリー型スラスト軸受の最大の特徴は「イコライジング機能」を有することである。イコライジング機能とは、ミスアライメントが原因でスラスト軸受の各パッドに掛かる荷重に差異が生じた場合でも、上下2 段のレベリングプレートが動作することでパッドの軸方向位置を調整し、

 各パッドに掛かる荷重を平均化して、パッドの片当りを防止する機能のことをいう(図2)。
実際の回転機械では、横軸ロータのたわみや、スラストカラーとハウジングとのミスアライメントをゼロにはできない。そのため、イコライジング機能を持たないミッチェル型スラスト軸受の場合はレベリングプレートがないため軸方向の厚さ寸法を抑えられるものの、理論上はスラスト軸受全体として許容可能な荷重でも、片当たりによって特定のパッドに荷重が集中すると、このスラスト軸受は過負荷によって損傷する可能性がある。

図2 上下2段のレベリングプレートによるイコライジング機能

 

 これに対してイコライジング式のキングスベリー型は、構成部品に上下2段のレベリングプレートを含むため軸方向の厚さ寸法は増すものの、レベリングプレートによるイコライジング機能の効果で特定のパッドに荷重が集中せず、すべてのパッドの負荷レベルを平均化できるメリットがある。このイコライジング機構とティルティングパッドの機能が相まって、0.13°までのミスアライメントが許容可能となっている。

 ただし、イコライジング式であればスラスト軸受とロータのミスアライメントは許容できるが、非イコライジング式と同様にロータとスラストカラーの直角度が引き続き重要であることには留意が必要である。

 イコライジング式のキングスベリー型と非イコライジング式のミッチェル型では、前述のようにそれぞれ違いがあるため、回転機メーカーの設計者は両方式のメリットとデメリットを理解した上での軸受選定が必要である。

 

LEG方式

 油槽式軸受では、軸受箱内を潤滑油で満たすことで油膜を形成させているが、油膜部分以外にも油膜軸受の機能としては不要な部分にまで過剰な油量が必要とされ、また高速回転時の撹拌ロスが大きい(損失馬力が大きい)。さらなる高速化を図り損失馬力を低減した高効率な装置を作る必要性から、スラストカラーとパッドの間に必要量の潤滑油のみを給油する直接潤滑方式が、キングスベリー社のLEG方式、欧州で開発されたスプレー方式として、それぞれ開発された。

 キングスベリーが開発したLEG軸受は、低温の潤滑油がパッド前縁側のLEG溝から直接給油され、回転とともにスラストカラーとパッドの間に均一に効率的に油膜が形成される(図3)。このため、油槽式に比べて給油量が少なくて済み、また、撹拌抵抗を小さくできるため損失馬力を大幅に低減できる。油槽式と異なりオイルシールリングも不要となり、ここでも撹拌抵抗を低減している。

 

図3 LEG直接潤滑方式

 

 軸受ハウジング下部に設けられた大きな直径の排油口からパッド後縁部の高温の残留油を積極的に排出するとともに、LEG溝からは冷却された低温の潤滑油が直接供給されるため、パッドの温度を低下させることができる。その結果、パッド温度が低くなる分だけ軸受の許容荷重を増やすことが可能となっている。

 LEG方式では軸受ハウジングの外部にオリフィスを設けて油量を調整している一方、欧州で開発されたスプレー式は、オリフィスの機能を持ったスプレーノズルによってスラストカラーに対して潤滑油を吹き付け、パッドとの間に潤滑油膜を形成する方式をとる。給油量の削減やメカロスの低減については効果が見込めるが、スプレーノズルから低温の油が供給されても、パッド後縁部の高温の残留油によってパッドの表面温度が下がりにくくなる可能性がある。また、スプレー方式ではノズル穴がオリフィスの機能を持つためにノズルの穴径が小さく、潤滑油の管理レベル次第では油中の異物による目詰まりの発生が懸念される。これに対して、LEG方式ではオイルフィードチューブの径が大きいため目詰まりが発生することもない。

 従来の油槽式の軸受をLEGスラスト軸受に交換することで、同じ軸受サイズのままでも給油量と損失馬力の低減、メタル温度の低下を実現でき、結果的に軸受負荷能力を飛躍的に向上できる。回転機械の効率化による省エネルギー性能の向上とランニングコスト低減など、回転機械の付加価値向上が図れる。こうした軸受の油槽式からLEG直接潤滑式へのアップグレードによって、既存の回転機械の性能向上を図ることも有効である。

 ただしその際、油槽式の軸受ハウジングをそのまま使用すると排油口がハウジング上部に設けられているため、せっかくLEG式に軸受のアップグレードをしても必要な排油がなされず、油槽式のように潤滑油を軸受箱内で溜め込んだままとなり、直接潤滑式のメリットを活かせなくなる。従って、LEG直接潤滑式の性能を活かすためには、軸受ハウジングの小改造が必要となる。

 

高速性能

 センターピボットのキングスベリー製を含む油槽式軸受やスプレー式の直接潤滑軸受は両方向回転に対応しているのに対し、LEGスラスト軸受は一方向回転での使用を前提に設計している(軸受速度によっては正回転の許容荷重の約60%で逆回転運転にも対応)。しかし、オフセットピボットを用いて正回転一方向の用途に特化したLEGスラスト軸受は、撹拌抵抗が極めて小さくパッド温度を低く抑えることが可能なことなどから、特に高速回転向けの用途で高い優位性を示す(図4)。

 図4に示すように、周速が上がるにつれて、油槽式軸受ではスラストカラーとパッド間の油膜部分から生じる機械的ロス(Film Shear)に、撹拌抵抗など荷重支持に必要のない機械的ロス(Parasitic Loss、図5参照)が加わり、損失馬力が大きくなる。これに対して機械的ロスが荷重支持に必要なFilm Shear のみとなるLEGスラスト軸受は、高速回転時の損失馬力が小さい。直接潤滑方式のメリットは、油膜とは関係のない無駄な機械的ロスといえるParasitic Lossを大幅に減らせることである。

 

図4 高周速時のLEGスラスト軸受と油槽式軸受との損失馬力の比較図5 Parasitic Lossが発生する油槽式軸受の各部位

 

 コンプレッサなど両方向回転が必要で周速が高くないアプリケーションでは油槽式軸受を選定し、高速・省エネの装置ではLEGスラスト軸受を選定するというアプローチも必要とされる。これは、周速が速い用途では前述のParasitic Lossが大きくなるのに対し、周速がさほど早くない用途ではParasitic Lossがさほど大きくないためである。

 キングスベリーのLEG式は一方向回転用途に特化しているのに対し、スプレー式はその構造上両方向回転にも対応できるため、3.1節のイコライジング機能に関する説明と同様、回転機メーカーの設計者は両方式のメリットとデメリットを理解した上での軸受選定が必要である。


用途拡大に向けた製品ラインナップの拡充

 上述の様々な特徴を有するLEGスラスト軸受のほか、同様の直接潤滑方式であるLEGジャーナル軸受(図6)、直接潤滑方式であるもののLEG式と異なり両方向回転対応のBPGジャーナル軸受、主にポンプ向けのCH自己潤滑軸受ユニットなど多様なラインナップによって、発電所関連のガスタービンや蒸気タービン、ポンプ、コンプレッサ、減速機、掘削機、船舶用タービンなど、キングスベリーの軸受製品は広範囲に適用されている。

 

図6 LEGジャーナル軸受

 

 さらなる用途拡大にあたっては、面圧を上げたい、同じサイズで性能を高めたい、同じ性能でコンパクト化を図りたいといった各種のユーザーニーズに対応する必要があるが、パッド表面の標準材質となるホワイトメタルの温度上限(120℃前後)によって、軸受の運転温度条件が制約されてしまう。そのため、使用条件に応じて、Vespel®(デュポン社製ポリイミド樹脂)など耐熱性の高いスーパーエンジニアリングプラスチックを表面に用いたパッド(図7)や、耐食性の高いステンレス製のパッドなど、ユーザーのカスタマイズの要求に対応している。 
 

図7 Vespel樹脂製パッドのスラスト軸受  今後の展開

 キングスベリーは創業100年以上の老舗企業ながら、技術開発を怠ることなく、回転機械の性能向上につながる軸受の開発を日々継続している。木村洋行では引き続き、キングスベリーの軸受が、高速回転条件で使用できるなど、各種の運転条件に対応できる軸受であることをアピールしていく。

 木村洋行ではキングスベリーからの技術支援も得ながら、サービス面においても長年にわたり綿密なサポートを行っている。キングスベリーでは面圧、周速、シャフト径といった運転条件に基づく軸受性能の計算データを蓄積し、木村洋行を通じてユーザーに提供しているが、キングスベリー社内の豊富な設備による実験・検証によって計算プログラムをアップデートしており、実際の運転結果に近い、精度の高い計算データを提供できるようになっている。

 木村洋行では引き続き、高速条件対応などの高性能の油膜軸受製品を紹介するとともに、より良いサービスを提供していくことで、回転機械メーカーの製品開発に貢献していく考えだ。

kat
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40 分 54 秒 ago
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