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NSKとNTN、共同持株会社設立による経営統合で基本合意

1日 9時間 ago
NSKとNTN、共同持株会社設立による経営統合で基本合意kat 2026年05日12日(火) in

 日本精工(NSK)とNTNは、共同株式移転(株式移転)の方法により2027年10月をめどに共同持株会社を設立し、両社を共同持株会社の完全子会社とする方法により経営統合を行うことで基本的な合意に達し、5月12日付で、それぞれの取締役会において本経営統合に関する基本合意書を締結することを決議し、締結した。

 両社の経営統合に向けた基本合意に関して同日、東京都千代田区のパレスホテル東京で、市井明俊NSK社長と鵜飼英一NTN社長の両名による記者会見が開かれた。

市井明俊NSK社長(左)と鵜飼英一NTN社長(右)
各企業文化の化学反応によるシナジー発現の思いをこめて
市井社長がNTNカラーのネクタイを、鵜飼社長がNSKカラーのネクタイを着用

 

 冒頭、NSK市井社長が、1916年創業のNSK、1918年創業のNTNという100年以上の歴史を持つ軸受を中心とした日本発の企業として、切磋琢磨しながら成長してきた両社が経営統合を行う背景について、以下のように説明した。

・中国経済の成長鈍化、欧州製造業の不振、米国関税政策の影響等による市場回復の遅れや不確実性の増大といった状況下で、自動車・産業機械業界ともに成長が鈍化しており、既存市場の急激な拡大が見込めず、軸受業界内の競争激化や中国企業の台頭により、シェア減少や収益低下のリスクに直面している現状がある

・欧米では軸受業界内の合従連衡によりスウェーデンのSKF、ドイツのシェフラー、米国のティムケンの大手3社に集約されたが、欧米各社も足元の厳しい状況から事業分社化や大幅な構造改革など体質改善に注力している

・両社はそれぞれ、生産再編をはじめとした構造改革に取り組み持続的成長に向けた収益改善に注力しているものの、日本の軸受産業としての主体的な発展と、軸受産業および軸受ユーザーである国内製造業の国際競争力の維持のためには、上述の欧米市場で進んできたグローバルな再編と同様に、国内での業界再編が必須との認識で一致した

 NSK市井社長はこうした背景から、軸受や精密機器等の分野において世界的に事業を展開する日本発の企業として、統合により両社の力を結集して強靭で持続可能な事業基盤を構築し、事業の成長と価値創造を通じて産業および環境・社会に貢献すると同時に、将来にわたり国際競争力を維持・強化することを目的として、対等の精神に基づいた本経営統合の実現に向け、協議・検討を進めていくと報告。両社が、本経営統合により、①単なる規模の拡大ではなく、危機感に裏打ちされた長期的かつ利益ある成長を実現すること、②日本発の技術・品質・経営を確実に継承し、世界における日本の産業基盤の地位を確保すること、③「持続可能な社会」の実現に寄与することを目指していく、と説明した。

 続いて、NTN鵜飼社長が、両社が本経営統合の目的を早期に実現するために、以下の戦略に沿った具体的施策を検討し、継続的に企業価値を向上させていくことで合意したことを報告した。

・経営資源への投資と最適活用:グローバルに事業環境や技術が大きく変化する中、両社の経営資源への投資と最適活用によって、それぞれが取り組んできた経営の効率化やサプライチェーンの強靭化への取り組みを発展させ、より持続可能な事業基盤を構築していく

・ポートフォリオの変革:PLM(Product Lifecycle Management)や補修市場向けビジネスなど、両社が持つ高付加価値領域への取り組みを強化することで、既存事業のポートフォリオ変革を進化させ、長期的な価値創造を実現する

・文化の垣根を越えた技術・人材・知見の結集:両社が培ってきた技術、人材および知見を結集し、新製品開発やソリューション提供を含む新たな価値を創造するとともに、持続可能な社会に貢献していく

 NTN鵜飼社長はまた、経営統合によるシナジー発現に向けた施策として、①収益性改善:グローバル市場でのプレゼンス拡大とブランド力向上、②販売力強化:相互の顧客基盤・代理店網・製品ラインアップの活用、③コスト削減:生産集約、部品調達の最適化、営業・生産拠点の相互活用、④投資・R&Dの増強:技術共用による重複投資のR&D費用・技術人材の効率運用、⑤新規事業への取り組みの推進:ロボット・医療・ドローン・宇宙など成長分野への効率的なリソースの投下を挙げた。

 また、これら施策を進めることによる想定シナジーとして、①PLMと補修ビジネスの拡大:品揃え拡大、代理店網の拡充、在庫補完での販売機会の捕捉、知見共用によるPLM展開の強化、②高付加価値領域の拡大:高付加価値技術・製品の強化、精密・特殊環境・次世代分野(宇宙、eVTOL(空飛ぶクルマ)への注力、③新事業創出:ロボット事業等での新商品開発、ブレーキ用ボールねじ事業の多用途への展開、④生産・調達の強靭化:生産体制の最適化による生産性向上、最適ソースからの調達や物流の効率化によるコスト競争力の向上を掲げ、これらによって事業基盤の強靭化、既存事業のポートフォリオ変革、新領域における価値創造の実現につなげていきたい、とした。

 NSK市井社長は、「中国企業をはじめとする新興企業の国際競争力が急激にレベルアップする中で、残念ながら日本企業の国際競争力はスピードに欠けるという課題がある。これに対し、両社の経営資源を活用することで日本の軸受産業の国際競争力を高め、それによって日本の産業界の国際競争力の向上にスピーディーに寄与できるものと考えている」と語った。

 NTN鵜飼社長はまた、「両社は長寿命軸受の開発と並行して、軸受の状態監視による予兆保全という、機械設備を止めないことによるサステナブルなソリューションを保有している。こうしたソリューションでサステナブル社会に寄与していくことも、経営統合によるシナジー効果の一つと見ている」と述べた。

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ジェイテクト、eAxle向け超高速回転深溝ボールベアリングを開発

1日 17時間 ago
ジェイテクト、eAxle向け超高速回転深溝ボールベアリングを開発kat 2026年05日12日(火) in in

 ジェイテクトは、電気自動車に搭載されるeAxle向け超高速回転深溝ボールベアリングを開発し、本年6月より量産を開始する。樹脂保持器の形状と材料を最適化することで、自動車駆動モーター用の深溝ボールベアリングでは世界最高となる40000r/minに対応する超高速回転を実現。これにより、eAxleの小型・軽量化に貢献し、航続距離延長や車載空間拡大といった電気自動車への付加価値創出に寄与する。

eAxle向け超高速回転深溝ボールベアリング

 

 電気自動車の普及拡大に向けて航続距離の延長や車内空間の拡大といったニーズが高まっている。これらの要求を満たすためには、車両に搭載される各部品の小型化・軽量化が不可欠で、特にモーターを小型化すると出力低下が懸念されるため、モーターの回転数を高めることで出力を補う高速回転化が重要となる。しかし、従来のベアリングを高速回転で使用すると、遠心力の影響で樹脂保持器と外輪の干渉による摩耗や、焼付きが生じるという課題があった。

 ジェイテクトはこうした課題に対し、樹脂保持器の設計と材料を最適化することで、最高40000r/minに対応するeAxle向け超高速回転深溝ボールベアリングを開発。これにより、eAxleの小型化・軽量化が可能となり、電費の改善、航続距離の延長に寄与する。また、車載空間の拡大やバッテリー搭載性の向上といった車両設計上の利点も期待できる。

 特長は以下のとおり。

・遠心力の影響を低減する軽量化設計:保持器形状の最適化により回転時に発生する遠心力を抑制。遠心力による保持器の変形量を従来品比約70%低減

・高温時の剛性を維持する樹脂材料を採用:高温環境下でも必要な剛性を確保する樹脂を採用したことで摩耗や変形を防止。40000r/minの高速回転条件下でも保持器と外輪の干渉や焼き付きなし

開発期間の飛躍的な短縮と製品品質を向上させる独自のモデルベース開発手法の活用:2024年11月25日発表(https://www.jtekt.co.jp/news/2024/004206.html)のモデルベース開発を基盤とする設計基幹システムと、ジェイテクトグループの磁気軸受を用いた高性能評価試験手法を適用。デジタル設計とeAxleの要求仕様に相当する超高速回転評価の融合により、シミュレーションと実機試験の整合性を高め、信頼性の高い製品化を実現

 ジェイテクトでは、本開発品は深溝ボールベアリングが用いられている幅広い用途に適用可能で、今後の電気自動車普及への貢献だけでなく、幅広い産業に貢献していく、としている。

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THK、固定側ボールねじサポートユニットの受注を開始

1日 18時間 ago
THK、固定側ボールねじサポートユニットの受注を開始kat 2026年05日12日(火) in

 THKは、固定側サポートユニット「FKT形」の受注を開始する。高負荷性能により、装置の高精度化および長寿命化に貢献していく。

ボールねじサポートユニット「FKT形」


 サポートユニットは、ボールねじとセットで使用する専用の軸受部品。固定側サポートユニットにはアンギュラベアリングが組込まれており、支持側サポートユニットには深溝玉軸受を使用している。

 従来の固定側サポートユニットではアンギュラベアリングの列数が2列構成となっており、ボールねじを縦で使用する場合など、使用条件によっては負荷容量が不足し、要求性能を満たすことができない場合があった。

 これに対しFKT形ではアンギュラベアリングを3列構成にすることで、高負荷条件下においても安定した耐久性を実現。これにより、機械装置の高精度化および長寿命化に寄与し、設計の自由度向上と製品選定の容易化にも貢献する。

 FKT10~30の計6形番を展開し、幅広いニーズに応えていく。

 特長は以下のとおり。

・高いアキシアル剛性と高負荷性能:3列正面組み合わせにより負荷荷重を分散することで、一方向に対してアキシアル剛性を高めるとともに大きな負荷性能を発揮

・最適な軸受の採用:ボールねじとの剛性バランスを考慮し、高剛性かつ低トルク仕様のアンギュラベアリングを採用

・コンパクトで簡単な取付け:取付けまわりのスペースを配慮したコンパクトな構造で、また軸受が予圧調整された状態で組み込まれているため、そのまま組み立てが可能で、組立工数の低減、組立精度の向上に貢献する

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THK、独自開発のPFASフリー真空用グリースの受注を開始

1日 18時間 ago
THK、独自開発のPFASフリー真空用グリースの受注を開始kat 2026年05日12日(火) in in

 THKは、真空環境でもクリーンでスムーズな動きを実現できる独自開発の「PFASフリー真空用グリース」(形番:AFPF)の受注を開始する。日本国内でグリース単体の販売となり、海外への展開は順次対応していく予定。

PFASフリー真空用グリース(形番:AFPF)

 

 近年、人体への影響リスクが懸念されるPFAS(有機フッ素系化合物)に対する規制が欧米を中心に強化されつつあり、真空等の特殊環境で多く使用されているフッ素系グリースでは、組成を構成している物質PFPE(パーフルオロポリエーテル)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)においても、将来的な使用制限や製造・輸入禁止等のリスクが高まっている。

 こうした環境規制リスクを踏まえTHKでは今回、独自開発のPFASフリー真空用グリースを開発した。

 本グリースは、PFASフリーならびにメタルフリーの処方と工程で製造(グリースの成分および製造工程において、フッ素およびフッ素化合物、Cu、Zn、Li等の金属元素を意図的に非含有)、真空用途に不可欠な低い蒸気圧・低摺動・低発塵・低アウトガス性能を有した、直動製品に最適なグリースとなっている。半導体製造装置内の汚染リスクを低減し、スムーズな動きと優れた潤滑性能を実現する。

 特長は以下のとおり。

・低い蒸気圧と低アウトガス性能を有し、高真空下での使用が可能

・低しゅう動で転がり安定性に優れている

・低発塵性に優れるため、周辺環境を汚染することなく使用が可能

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NTN、手首関節モジュール搭載の外観検査用高速ユニットがリョービで採用

1日 18時間 ago
NTN、手首関節モジュール搭載の外観検査用高速ユニットがリョービで採用kat 2026年05日12日(火) in

 NTNは、手首関節モジュール「i-WRIST」を搭載した新ユニットとして、ダイカスト品など多様なワークの外観検査を自動化する外観検査用高速ユニットを開発した。本ユニットはワークサイズに応じて大型タイプと小型タイプをラインアップしているが、大型で複雑形状かつ検査箇所が多いダイカスト品の外観検査を高速に自動化できる点が評価され、大手ダイカストメーカーであるリョービに大型タイプが採用された。また、国内自動車メーカーにおいても、検査速度や装置のコンパクト性が評価され、小型タイプが外観検査用途で採用されている。

 

 NTNでは、xEV(電動車両)の普及に伴い今後の需要拡大が見込まれるダイカスト品の外観検査用途を中心に本商品の提案を加速し、外観検査工程の自動化や高速化、品質向上に貢献していく。2030年度に20億円/年の販売を目指す。

 ダイカストは溶かした金属を金型に高速・高圧で流し込んで成形する生産手法で、複雑形状の部品を効率的に生産可能です。近年、xEVの普及に伴い、インバーターケースやモーターハウジング、バッテリーケースなど多くのダイカスト品が使用されており、今後もさらなる生産拡大が見込まれている。

 一方、製造現場では人手不足が深刻化しており、各工程で自動化・省人化が求められている。ダイカスト品は形状が複雑なため、外観検査工程では複数方向からの検査が必要になるため、依然として目視検査が主流であり、検査箇所が多岐にわたることから、作業員の負担が大きいという課題がある。大型のダイカスト品は質量も大きく、作業員の手作業による検査では身体的負荷の増大や安全面のリスクもあり、特にxEV 向けのダイカスト品は大型化が進んでおり、工数削減や安全面からも外観検査の自動化ニーズが高まっている。

 NTNの手首関節モジュールi-WRISTは、細かい角度制御を高速に行えることから、多点検査を高速に自動化できる。今回、ダイカスト品のような複雑形状ワークの外観検査向けにi-WRISTを搭載した外観検査用高速ユニットを開発した。

 本商品は、駆動部や専用コンソール、専用コントローラーなどの「i-WRIST」の基本構成に、ワークやカメラの位置を制御する直動・回転アクチュエーターを組み合わせてユニット化したもので、複数箇所の高速検査に必要となる部品をユニット化したことで、ユーザーの装置設計や部品調達、製作工数などを大幅に削減し、検証用途の採用から量産工程向けの導入まで対応する。

 大型タイプと小型タイプの2種類をラインアップし、ワークのサイズや質量に応じて選択できる。いずれも量産ラインへの導入に対応し、省スペースかつスリムな設計を採用している。特に、小型タイプは「i-WRIST」とY 軸、Z 軸、R 軸を統合制御する同社独自のアルゴリズムにより、X 軸を省略し、さらなる小型化を実現している。

 NTNは、画像処理システムメーカーやロボットシステムインテグレーターと連携し、i-WRISTのモーション制御技術と、各社のAI画像処理技術やシステムインテグレーション技術を融合した外観検査ソリューションを提案している。

 同社では本商品をカメラや照明、AI画像処理アプリと組み合わせることで、複雑形状かつ検査箇所が多いダイカスト品のようなワークでも、目視検査と同等の最速0.2秒/ポイントの高速外観検査が可能なほか、搬送用ロボットと組み合わせることで、ワークの全面検査にも対応する、としている。
 

 

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イグス、火星探査ローバー開発の学生団体プロジェクトの支援に参画

1日 19時間 ago
イグス、火星探査ローバー開発の学生団体プロジェクトの支援に参画kat 2026年05日12日(火) in in

 イグス(https://www.igus.co.jp/)は、火星探査ローバー(無人探査車)を開発する学生団体「KARURAプロジェクト」(https://karura-project.studio.site/)のスポンサーとして、支援に参画する。同社は、若手エンジニアの育成や実践的なものづくり教育を重要な社会的使命の一つと位置付けていることから、学生主体で国際的な挑戦を行うKARURAプロジェクトの趣旨に共感し、その取り組みを応援することとなったもの。同プロジェクトが開発する火星探査ローバーに対し、同社の樹脂製ベアリング「イグリデュール」など数種の部品を提供する予定。

 

 KARURAプロジェクトとは、2022年9月に設立された学生主体の火星探査ローバー開発プロジェクトで、日本と米国の学生約70人が共に国際開発を行っている。日本からは、全国から大学生、高専生、高校生が参加。「学生の宇宙開発の技術力を底上げし、国際開発が当たり前となる社会を目指す」をミッションに、将来の宇宙開発を担う学生の技術力向上を目指しながら、国や言語を超えた協働のものづくりを実践している。

火星探査ローバー開発の国際学生チーム

 

 同プロジェクトは、米国ユタ州で毎年開催される世界最高峰の火星探査ローバー学生大会「University Rover Challenge」(https://urc.marssociety.org/)に挑戦し、唯一の国際チームとして3年連続決勝に進出しており、2026年大会では、世界18カ国116チームの中からKARURAを含む38チームが激しい選考を突破。5月27~30日に行われる決勝で、火星探査ローバーの技術力を競い合う。

 イグスは若手エンジニアサポート(young engineers support、通称「Y.E.S.」プログラム)の一環として、世界中の拠点で実践的なものづくり教育や学生プロジェクトを技術・物資・知見の面から支援、具体的には研究・教育用の無償サンプル提供や、技術的アドバイス、専門スタッフによる講義などを行っている。日本では長年にわたり、学生フォーミュラに挑戦する数多くの学生レーシングチームのスポンサーとなり、高機能樹脂部品の提供を行ってきた。

 今回のKARURAプロジェクトでは、無償サンプル提供や、技術的アドバイスによる支援を実施。火星探査ローバーのロボットアームのケーブルに同社の樹脂製ケーブル保護管「エナジーチェーン」、軽量化が必要な複数箇所に樹脂製ベアリング「イグリデュール」、しゅう動部品にイグリデュール3Dプリンター用フィラメントが活用される見込み。

 イグスでは、「この取り組みが、次世代の宇宙開発を担う人材の育成につながることを心より願っている。今後もモーションプラスチック(可動部向け樹脂部品)技術を幅広く世に提供し、学生団体を含めたさまざまな活動の支援に取り組んでいく」とコメントしている。

KARURAプロジェクトに提供・提供予定のイグスの製品群

 

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東京理科大学・佐々木研究室、第44回トライボサロンを開催

2日 18時間 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第44回トライボサロンを開催kat 2026年05日11日(月) in

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://www.tribo-concierge.com/topics/296/)の第44回目が5月9日、東京都葛飾区の同大学 葛飾キャンパスにてオンサイト開催された。

開催のようす

 

 トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室のメンバーに限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。

 第44回目となる今回のトライボサロンでは、産業技術総合研究所の岩下 航氏が「連続体力学に基づく摩擦ダイナミクス」と題して、マクロな系の摩擦法則の解明・制御のための指針の構築を目的とした研究として、静止摩擦関連、動摩擦関連の2件の話題提供を行った。

 前者に関しては、静止摩擦係数の外圧・形状に対する依存性といった局所滑りと静止摩擦係数の理論の解明を行いつつ、溝の設計(溝の深さと摩擦面の減少率)による局所滑りと静止摩擦係数の制御の手法を提案した。後者に関しては、音速付近の滑り速度でスケーリング側の破れが見られるという高速滑りでのヒステリシス摩擦について提示した。非一様な変形が生み出す摩擦則を解明し、新たな形の摩擦制御の可能性を示した。

 トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://www.tribo-concierge.com/topics/296/

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THK、ソニーAIのリサーチプロジェクトに高速・高精度のリニアモータXY軸ユニットを提供

2週 6日 ago
THK、ソニーAIのリサーチプロジェクトに高速・高精度のリニアモータXY軸ユニットを提供kat 2026年04日23日(木) in in

 THKは、高速・高精度の「リニアモータXY軸ユニット」をソニーリサーチの一部門であるソニーAIのリサーチプロジェクトに提供、卓球競技でロボット(AIエージェント)が人間と肩を並べるレベルのプレイを実現する最先端研究開発を支援した。その研究成果を示した論文が4月23日発行の国際科学誌Nature(第8110号)に掲載された。

 

 現実社会のAIといえば、チェスや将棋の競技では人間のスキル、戦術、戦略をAIが機械学習し、その道のトッププロに勝利することもごく当たり前の光景になりつつある。その一方で、フィジカルゲームやスポーツのように、3次元の動きの中で物理的に相互作用が必要とされる競技の世界では、AIが人間と肩を並べるプレイをすることは難しいとされてきた。今回ソニーAIが行ったリサーチプロジェクトはこの課題に取り組んだもので、本プロジェクトに対し、THKはリニアモータXY軸ユニットを提供、ソニーAIの卓球ロボット(AIエージェント)が上位ランクの卓球選手相手に勝利を収めることに寄与した。

 リニアモータXY軸ユニットの特長は高速動作/高い俊敏性で、可搬質量40kg超においても、リニアモータ駆動で0.8秒の往復動作を全アクチュエータ完全同期制御で実現できる。

リニアモータXY軸ユニット

 

 THKでは、機械要素部品のトップメーカーとして培ってきた技術と実績をもとに、今後の成長戦略の一角をなすロボットのコア技術や開発ノウハウによってAI技術の競争力の発展に役立てていく。

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イグス、高機能ケーブルキャリアと可動ケーブルが世界最大級の噴水「東京アクアシンフォニー」に採用

3週 1日 ago
イグス、高機能ケーブルキャリアと可動ケーブルが世界最大級の噴水「東京アクアシンフォニー」に採用kat 2026年04日21日(火) in

 イグスの高機能ケーブルキャリアシステム「e-loop」と可動ケーブル「チェーンフレックス」が、臨海副都心の新たなランドマークとなる世界最大級の噴水「東京アクアシンフォニー」に採用された。港湾など過酷な環境下での実績があり、安全で信頼性の高い同社のケーブル保護管およびケーブルの技術が評価され採用に至ったもの。

 東京アクアシンフォニーは本年3月にオープン。お台場海浜公園(東京都港区)に整備された、高さ150m、幅250mの世界最大級の規模を誇る噴水で、レインボーブリッジ(塔高126m)を凌ぐ高さまで水を噴き上げ、音楽や光と融合したショーを展開している。

 今回、この噴水をコントロールするケーブルおよびケーブル保護管に、イグスの可動ケーブル「チェーンフレックス」とケーブル保護管「e-loop」が採用された。耐紫外線性・耐候性を備え、沿岸部の環境にも強い点が評価された。

 モジュール構造ケーブル保護管e-loopは、石油・ガス産業や洋上風力発電などの極めて過酷な環境下でのケーブルガイドを目的に開発された製品。このような環境下で従来用いられていた配線方法では、ケーブルのねじれや摩耗、断線といった問題が頻発し、長時間のダウンタイムや高額な修理コストが課題となっていた。

 e-loopは、これらの課題を解決するために、以下のような設計を採用している。

・最適な曲げ半径で制御された構造により、ケーブルが必要以上に曲がることを防止し、断線や摩耗を抑制

・高強度の複合ロープがケーブルへの引張力を分散し、構造全体の安定性を確保

・耐衝撃・耐振動性に優れた高性能ポリマー製ケーブルキャリアを採用

・モジュラー設計により部品単位での交換が可能で、メンテナンス性が大幅に向上

・17万回以上のサイクル試験に合格し、トップドライブで約4.5年分の運用に相当する耐久性を実証

 今回の噴水では、海水や潮風にさらされる湾岸の厳しい環境でも高い耐久性を持ち、360°回転が可能な機構によって波の不規則な動きや海面の潮位変動に対応できる点が高く評価された。

 イグスでは、今後もモーションプラスチック(可動部向け樹脂部品)技術を活用し、持続可能で信頼性の高い産業ソリューションの開発に取り組んでいく。

世界最大級の規模を誇る噴水「東京アクアシンフォニー」(東京都提供)

 

噴水を制御するケーブルを保護するために設置されたe-loop

 

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日本トライボロジー学会、第42回変速機のトライボロジー研究会を開催

3週 2日 ago
日本トライボロジー学会、第42回変速機のトライボロジー研究会を開催kat 2026年04日20日(月) in in

 日本トライボロジー学会 変速機のトライボロジー研究会(主査:東海大学 山本 建氏)は4月17日、東京都中央区の東京ジェイテクトビルで、第42回「変速機のトライボロジー研究会」を開催した。当日は山本主査からの開会挨拶に続いて、以下のとおり話題提供がなされた。

「自動車技術の最先端と未来戦略 ~市場・技術・中国モデル・日本の勝ち筋~」矢島和男氏(ブルースカイテクノロジー)…本講演では、2025年時点の世界の電動車市場を俯瞰し市場動向・新興自動車メーカの実態を整理し、電動化,SDV,自動運転について最新技術を概観した上で,日本自動車産業の課題と勝ち筋について論じた。ICE車、HEVのようなシェアをBEVで実現するには、過去の実績・手法にとらわれることなく、日本の高い技術力と同時に中国のようなスピードとアジャイル開発のハイブリッド化を図る必要があると強調した。

「e-Axleおよびバッテリー向け潤滑油の性能向上技術」松原和茂氏(出光興産)…本講演では、電気自動車やプラグインハイブリッド車に搭載されるe-Axle用モーターおよびバッテリー向け潤滑油の性能向上技術について、モーターおよびバッテリーの冷却評価法など最新の技術動向を概観するとともに、今後の技術開発の方向性について論じた。

「表面粗さと摩擦係数の相関マップに基づく低摩擦損失歯面の提案」獅子原祐樹氏(ジェイテクト)…本講演では,転がりすべり摩擦試験により,複数の表面粗さパラメータが摩擦係数に及ぼす影響を整理し,損失低減に向けた歯面設計の考え方と,歯車試験による検証結果を紹介した。歯車の摩擦を低減することで、自動車や産業機械の機械効率を向上させることを目的に、表面粗さと摩擦係数の相関をマップ化し、効率を最大化する(摩擦損失を最小化する)最適な歯面性状を提案した。

開催のようす

 

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TTRFと大豊工業、自動車のトライボロジーで第9回 国際シンポジウムを開催

3週 4日 ago
TTRFと大豊工業、自動車のトライボロジーで第9回 国際シンポジウムを開催kat 2026年04日18日(土) in in

 大豊工業トライボロジー研究財団(TTRF)と大豊工業は4月14日、名古屋市中村区のウインクあいちで「9th TTRF-TAIHO International Symposium on Automotive Tribology 2026」を開催した。

第9回TTRFシンポジウム 開催のようす

 

 「トライボロジーの自動車社会への貢献」を全体テーマに掲げる同シンポジウムは、トライボロジー研究の進展と自動車技術への応用等に関しトップレベルの情報を交換するとともに、この分野での産学連携の現状と将来の可能性を示しその強化を図ることを目的に、2016年から開催されている。9回目となる今回は 、「"Tribological Design Technique Improves Powertrains Performance(パワートレーンの性能を改善するトライボロジーの設計技術)」のテーマのもと、基調講演のほか、「さらなる高性能化のための部品の設計」セッション1・セッション2の技術セッションが行われた。

 開会の挨拶に立った新美俊生 実行委員長(大豊工業 代表取締役社長)は、「自動車のパワートレーンにおいては、脱炭素化に加え、高効率化、高出力密度、電動化など要求が高度化し、これまで以上にトライボロジーの重要性が増してきている。今回は、トライボロジーを構成する潤滑剤・設計・材料(LuDeMa)のうち、「パワートレーンの性能を改善するトライボロジーの設計技術」をシンポジウムテーマとしつつ、潤滑剤・設計・材料の統合技術によって性能を最大化し、脱炭素化を可能にするトライボロジー技術について、2件の基調講演に加えて、トラクションドライブ、減速機、ベアリング、レーザーテクスチャリング、シール、コーティングに関する6件のレクチャーをいただく。是非ともトライボロジー研究開発の促進につながるような活発なディスカッションを行っていただきたい」と述べた。

開会の挨拶を行う新美実行委員長

 

基調講演

「Toyota’s Multi-Faceted Approach to Decarbonization and the Future of Next-Generation」宮崎雅生氏(トヨタ自動車)…本講演では、内燃機関(ICE)、バッテリー電気自動車(BEV)、燃料電池自動車(FCEV)といった次世代パワートレーンの動向と、各地域特有のエネルギー事情について紹介。希少資源の有効活用とリサイクルによるCO2排出量と一次エネルギー消費量の削減に向けた取り組みについても説明したほか、パワートレーンの効率と耐久性をさらに向上させるには、摩擦や摩耗を低減するトライボロジー技術の重要性がますます認識されていると強調。①脱炭素化には多角的なアプローチが必要で、BEV・HEV・PHEV・FCEV・ICEとカーボンニュートラル燃料の並行導入は、地域条件とユースケースに合わせて調整されるべき、②排出量はLCA(ライフサイクルアセスメント)に基づいて評価されるべきで、製造、特にバッテリー製造はWell-to-Tank(燃料採掘からタンクまで)およびTank-to-Wheel(タンクから車輪まで)の影響とともに、技術中立的な政策の下で評価されるべき、CO₂削減のための短期的な対策が不可欠で、HEV/PHEVとバイオ燃料/e-fuelは既存の車両群において即座に排出量削減を実現できる一方、限られたバッテリー資源を効果的に配分すべき、④エネルギー安全保障は脱炭素化とバランスを取る必要があり、再生可能エネルギー、バイオ燃料、e-fuel、水素、および蓄電オプションを多様化することで地政学的リスクと供給リスクを軽減すべき、⑤影響力の大きい研究開発分野を優先すべきで、内燃機関の熱効率、摩擦低減、潤滑最適化、電動部品の信頼性はCO₂排出量と総コストの両方に直接影響を与える、と総括した。

講演する宮崎氏

 

「Tribology for Automotive Decarbonization and Circular Economy: Surface Engineering and Emerging Challenges in the Electrified Mobility Era」佐々木信也氏(東京理科大学)…自動車分野におけるカーボンニュートラルの達成は、気候変動対策における世界的な重要課題である。車両の電動化にとどまらず、さらなる脱炭素化には、自動車部品のライフサイクル全体を通して、エネルギー損失、資源消費、環境負荷を包括的に削減することが不可欠で、この点においてトライボロジーは摩擦低減、摩耗制御、寿命延長を可能にすることで中心的な役割を果たす。これらは、エネルギー効率の向上と循環型経済の実現の両方に不可欠である。本講演では、自動車の脱炭素化に貢献するトライボロジー技術の最新動向について、特にDLCコーティングなど表面改質や潤滑剤添加剤によるトライボフィルム形成といった高度な表面工学的手法に焦点を当てて紹介した。これらの技術は、摩擦損失を低減するだけでなく、部品の耐久性、再生、再利用を促進し、循環型物質フローを支援する。さらに、電気自動車(EV)への急速な移行は、高速走行、特有の負荷条件、電気的影響、電動パワートレーンにおける潤滑環境の変化などから生じる新たな摩擦学的課題をもたらす。これらの課題に取り組む最新の研究動向を概説し、最後に、統合された摩擦学的ソリューションが脱炭素化、循環型経済の原則、持続可能なモビリティを同時にどのように支援できるかに焦点を当て、今後の展望について議論した。

講演する佐々木氏

 

さらなる高性能化のための部品の設計 セッション1

「Modeling of Traction Drive and Traction Coefficient Enhancement Using Surface Texture Under High-Speed Conditions」山本 建氏(東海大学)…高出力伝達効率を有する小型減速機を備えた高速電動機は、回転速度の向上に伴い小型化が可能となるため、高出力密度パワートレーンシステムの実現に利用できる。トラクションドライブは噛み合い振動がないため振動騒音が少なく、高速減速機の伝動要素として適している。しかし、伝動性能に大きく影響するトラクション係数は、回転速度の上昇とともに低下する。本研究では、表面テクスチャを用いてトラクション係数を向上させるため、高速条件下における過渡的な温度変化と微細表面形状の影響を考慮したモデルを開発した。トラクション係数は、最大回転速度50000rpmで動作可能な高速試験機を用いて測定した。モデルは、実験値を最大6%の誤差で予測することができた。油の高圧レオロジー特性を調べ、表面テクスチャの設計ガイドラインを作成し、モデルを用いてテクスチャパラメータを最適化した。設計したテクスチャを製造し、評価を実施。トラクション係数を最大19%向上できた結果が示された。

「CFD Simulation of Transmission Fluid Flow」Thomas Lohner氏(Technical University of Munich)…効率、熱管理、耐久性は、持続可能で高性能な電動駆動装置の開発と設計において重要な要素である。摩擦と摩耗を低減し、摩擦熱を除去するには、トランスミッションの流体潤滑が不可欠で、ギヤ式変速機(ギヤボックス)における流体の流れは、機械要素の運動学と、それらが流体とどのように相互作用するかによって決まる。計算流体力学(CFD)は現在、ギヤボックスの流体流れを理解し、主要な流路と機械要素への潤滑油供給量を評価し、負荷に依存しない動力損失と対流熱伝達を定量化するための設計技術として活用されている。これに基づいて、動力損失を最小限に抑え、十分な熱負荷容量を確保するために、ギヤボックスとハウジングの設計、および潤滑油供給量を最適化できる。本講演では、ギヤと流体の相互作用の主な種類、メッシュベースおよびメッシュレスの数値シミュレーション手法、そしてシミュレーションモデルを検証するための実験手法について紹介した。単段式ギヤボックスにおける粘度、ギヤパラメータ、運転パラメータなどのさまざまなパラメータの影響を示す事例研究に加え、電動駆動系および車軸駆動ギヤボックスに関する事例研究も紹介。シミュレーションによる負荷に依存しない動力損失係数と熱伝達係数を効率および熱バランスのモデリングに組み込む方法を示すフレームワークを提示した。

「Friction Prediction Method for Engine Bearings using EHD Analysis Considering Modified Friction Coefficient and Running-in depending on Lubrication Conditions」倉部陽平氏(大豊工業)…摩擦低減は内燃機関の熱効率向上に有効な手法であり、モデルベース開発においてはベアリング摩擦の正確な予測が不可欠である。しかし、混合潤滑条件下では、固体接触挙動や慣らし運転過程の影響により、摩擦予測には依然として不確実性が伴う。本講演では、修正摩擦係数モデルと慣らし運転シミュレーションを多体動力学と弾性流体動力学(EHD)解析に組み込むことで、ジャーナルベアリングの摩擦予測手法を開発したことを報告。潤滑条件に依存する修正摩擦係数は、潤滑数の関数として定式化され、混合潤滑試験装置を用いた試験により、アルミニウム合金ベアリングと固体潤滑剤オーバーレイベアリングについて同定された。慣らし運転の進行は、マクロスケールおよびミクロスケールの摩耗計算による表面粗さパラメータの更新によってモデル化された。提案モデルをエンジンの燃焼条件に適用し、予測された軸受摩擦トルクを、指示平均有効圧力測定から得られた実験結果と比較した。さらに、軸受材料を交換し、計算値と測定値の差を比較することで、固体潤滑剤オーバーレイ軸受の摩擦低減効果を評価した。その結果、提案モデルが、幅広いエンジン回転数において測定された摩擦低減の傾向と相関性が高いことを提示。潤滑に依存する固体接触摩擦と慣らし運転挙動を考慮することで、エンジンジャーナル軸受の摩擦予測の信頼性が大幅に向上することを示した。

セッション1の総合討論のようす

 

さらなる高性能化のための部品の設計 セッション2

「Laser Surface Texturing and Laser Induced Periodic Surface Structures for Tribology Applications in Industry」Tuğrul Özel氏(Rutgers University)…レーザー表面テクスチャリング(LST)とレーザー誘起周期表面構造(LIPSS)は、トライボロジー的に重要な部品の表面機能を調整するための強力な非接触技術として注目されている。本講演では、マイクロスケールおよびナノスケールの表面構造化を支配するレーザーと物質の基本的な相互作用メカニズムの概要を説明し、制御された表面形状と形態が摩擦、摩耗、潤滑状態にどのように影響するかを重点的に解説。レーザーによって生成されたテクスチャと周期的なナノ構造が、実際の接触面積、デブリの捕捉、潤滑剤の保持、界面エネルギーをどのように変化させ、摩擦低減、耐摩耗性、トライボロジー対の寿命の測定可能な改善につながるかを議論。自動車、工具、バイオメディカル、エネルギー分野における産業関連事例を紹介し、乾燥潤滑、境界潤滑、混合潤滑条件下での性能向上を実証したほか、LSTおよびLIPSSの製造ワークフローへの拡張性、プロセス再現性、統合について、スループット、表面完全性、品質管理に関する課題を含めて解説。産業用途における次世代トライボロジー表面のためのデータ駆動型最適化とハイブリッドレーザーテクスチャリング戦略の展望を示した。

「Recent Developments in Surface‑Textured Technologies for High‑Speed Mechanical Seals in e‑Motor Shaft Applications」徳永雄一郎氏(イーグル工業)…高出力密度電動モーターは、効率向上のために軸冷却システムと高速回転がますます求められている。このような厳しい条件下では、メカニカルシールには低摩擦性と高耐久性の両方が不可欠となっている。表面テクスチャ加工を施したシール技術は、シール面における微細な流れ制御を可能にすることで、漏れを極めて少なく抑え、従来の非テクスチャ加工シールと比較して最大90%の摩擦低減を実現する実用的なソリューションを提供する。本講演では、高速電動モーター軸向けに特別に設計された、超低摩擦・低漏れのメカニカルシールの開発について紹介した。メカニカルシールしゅう動表面にテクスチャ(溝の深さが小さい溝)を設けることで圧力分布、摩擦、および漏れを制御。潤滑機構とシール機構を単一の摺動界面に統合することで、超低摩擦と漏れゼロの両方を実現した結果を示した。電動モーター軸冷却システムや減速機などの応用例を通して、この技術が次世代電動駆動装置の性能向上と信頼性向上に貢献することをデータで示した。

「Coatings for Metallic Bipolar Plates for Proton Exchange Membrane (PEM) Fuel Cell - The Design Pyramid of Coating Development and Industrialization」Thomas Stoecker氏(Schaeffler Technologies)…コーティングは、摩擦低減、摩耗防止による耐用年数延長、耐食性向上など、様々な方法でモバイルパワートレーンの性能向上に大きく貢献してきた。コーティングは将来のパワートレーンにおいても重要な役割を担う。プロトン交換膜(PEM)燃料電池の工業化において、コーティングは重要な要素である。規定された特性を満たすことが、量産化と工業化の実現を左右する。これらの特性の検証と特性評価の実施方法は、研究開発段階と工業化段階で大きく異なる。研究開発段階では、規定された特性が達成されたことを証明することに重点が置かれるが、
工業化とその後の量産段階では、品質特性を維持しながら、堅牢なコーティングプロセスで規定された特性が確実に実現されるようにする必要がある。本講演では、コーティング設計とコーティング特性評価が、研究開発と工業化の両面において果たす役割に焦点を当て、PEM燃料電池向け高度PVDコーティングの産業化の例として、バイポーラプレート向けDLCコーティングの開発(材料とプロセス)と継続的な最適化により、過酷な条件下でも高い安定性を実現できたデータを示した。特性評価手法の具体例を示すだけでなく、生産部品承認プロセス(PPAP)やプロセス能力の決定といった方法論的なアプローチについても解説した。 

セッション2の総合討論のようす

 

 講演終了後は、加納知広氏(大豊工業 代表取締役技術本部長)が挨拶に立ち、講師陣や運営委員メンバーなどのシンポジウム開催への協力に対して謝辞を述べた後、「この後のレセプションにおいても情報交換や人的交流の場にしていただくとともに、次回のシンポジウムにフィードバックし、より有意義なシンポジウムに発展していけるよう、本日のご講演に関するご意見、ご感想をうかがいたい。来年4月には「10th TTRF-TAIHO International Symposium on Automotive Tribology 2027」を開催するので、その際もぜひ参加していただきたい」と述べて、シンポジウムは閉会、レセプションへと移行した。

閉会の挨拶を行う加納氏

 

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東京理科大学・佐々木研究室、第43回トライボサロンを開催

3週 4日 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第43回トライボサロンを開催kat 2026年04日18日(土) in

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://www.tribo-concierge.com/topics/296/)の第43回目が4月18日、東京都葛飾区の同大学 葛飾キャンパスにてオンサイト開催された。

開催のようす


 トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室のメンバーに限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。

 第43回目となる今回のトライボサロンでは、Rtec-Instruments日本法人社長で東京理科大学博士後期課程3年の國井卓人氏が、「e-Axle用変速機における耐マイクロピッチング性評価試験法に関する研究」と題して、話題提供を行った。

 マイクロピッチングの評価法・試験機の開発、e-Axle用フルードがマイクロピッチング挙動に及ぼす影響の評価、三円筒型ローラーピッチング試験機の開発とマイクロピッチング評価、電食試験機の開発と電食・マイクロピッチングの複合評価を実施。e-Axle用変速機を想定した条件下における耐マイクロピッチング性評価試験法の確立と今後の性能評価および試験技術の発展に寄与する基盤を提示した。

 トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://www.tribo-concierge.com/topics/296/
 

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日本滑り軸受標準化協議会、第42回総会を開催

1ヶ月 1週 ago
日本滑り軸受標準化協議会、第42回総会を開催kat 2026年03日31日(火) in

 日本滑り軸受標準化協議会(PBSA)は3月13日、東京都千代田区のTKP 東京駅セントラルカンファレンスセンターで「2025年度 第2回総会(通算第42回総会)」を開催した。

開催のようす

 

 会の冒頭、挨拶に立った濵﨑俊一氏(オイレス工業)は、「当協議会は、ISO/TC 123国内委員会のISO規格、JIS規格を対象とした標準化活動の支援を目的として2004年10月に設立され、ISO/TC 123国内委員会メンバーの国際会議への参加費用の支援を主業務としている。この費用は会員各位の会費で賄っており、当協議会の運営へのご協力を感謝申し上げるとともに、引き続きのご協力をお願いしたい。2004年設立のため2024年が当協議会の設立20周年に当たっていたが、コロナ禍等もあり記念行事が行われていない。そこで、記念行事の2027年度開催をめどに2026年度に準備委員会を設け詳細を決めていければと思っている。一方、経済産業省では毎年10月、産業標準化推進活動に優れた功績を有する方を表彰する「産業標準化事業表彰」を実施しているが、今年度令和7年度は理事で産業技術総合研究所の是永 敦氏が、経済産業大臣表彰を受賞した。詳細は後ほど報告する。さらに、本日は2件の講演を予定している。最初が、今年度で標準化活動を引退する大豊工業の山田 晃氏の講演となる。おそらく現職のメンバーの中では最も古くから活動されていて、今のようにいろいろなことがオンラインでできる時代と違い、ご苦労が多かったものと推察され、我々の知らない時代の話題が聞けるものと思う。次が、ISO/TC 70(往復動内燃機関)の国内委員会委員長を務める東海大学の畔津昭彦氏の講演となる。TC 123とは異なるTCでの活動の様子をお聞きできるものと思う」と述べた。

挨拶する濵﨑会長

 

 続いて、来賓の挨拶に立った経済産業省 産業技術環境局 国際標準課の青山直充氏が、「ISO/TC 123国際標準化活動に協力をいただき感謝している。高市早苗首相も、国際標準化を国家戦略の中核に位置付けている。これまでの「決められたルールを守る側」から積極的にルール形成に関与する「ルールを作る側」への転換を目指しており、それには官民が一体となって国際標準化に戦略的に関与している体制を築いていくことが重要で、これが日本国内産業の国際競争力強化に直結するものと捉えている。引き続き国際標準化活動への協力をお願いしたい」と述べた。

来賓の挨拶を行う青山氏

 

 その後、ISO/TC 123国内委員会の2025年度活動報告および2026年度活動計画が発表された。最初にISO/TC 123国内委員会委員長の片桐武司氏(大同メタル工業)がTC123活動へのPBSA会員からの協力に対する感謝を述べ、続いて山田 晃幹事(大豊工業)が2025年度の国際標準規格開発状況・国際会議参加状況、および2026年度の活動計画について説明した。2026年度目標として、「静圧気体軸受用語に関する国際標準化(SC6、ISO/NP 26572)」に関してNP投票終了、NP登録、CD作成、CD協議開始(30.20)に進める計画であること、2026年度のISO/TC 123国際会議は本年10月にドイツ・ベルリンでの開催が予定されておりPBSAへ支援要求書を提出したことが報告された。

挨拶する片桐委員長

 

 続いてPBSAの2025年度の活動報告と2026年度の活動計画について、会計を務める橋爪 剛氏(オイレス工業)より報告がなされ、2025年度の活動報告として、2025年6月と2026年3月に2回の総会が開催されたこと、昨年10月に韓国・栄州で開催されたISO/TC 123国際会議の旅費などをPBSAが支援したことなどを報告し、さらに2025年度会計報告がなされた。2026年度の活動計画としては、第1回総会(通算第43回総会)を本年6月にオンラインで開催し、第2回総会(通算第44回総会)を2027年3月に対面で開催することや理事会を必要に応じて開催する予定であることなどを報告した。また、本年10月にドイツ・ベルリンで開催されるISO/TC 123国際会議の支援や、ISO/TC 123国内委員会活動の支援、第2回総会で講演会を開催することなどを報告した。また、新たに正会員となった夏目順一氏(大豊工業)と遠藤紗希氏(オイレス工業)の2名の紹介が行われたほか、PBSA監事の山田氏から夏目氏への交代が示され、賛成多数で承認された。

報告を行う橋爪氏

 

 その後、是永 敦理事(産業技術総合研究所)が「令和7年度 経済産業省 産業標準化事業表彰 経済産業大臣表彰」を受賞したことが報告され、濵﨑会長より記念品の「国鉄EF66形電気機関車HOゲージ(Nゲージより大きいレール幅16.5mm、縮尺1/80〜1/87の鉄道模型規格)」が授与された。是永理事からは、受賞の感想とISO/TC 123 国内委員会および日本滑り軸受標準化協議会への謝意が示された。
 

是永氏への記念品の授与

 

 総会終了後には、以下の2件の講演がなされた。

・「ISO/TC 123 国内委員会の活動の歴史」山田 晃氏(大豊工業、ISO/TC 123国内委員会 幹事…ISO/TC 123は1967年にソ連(現ロシア)が幹事国とし設立、日本は翌年に発言権のないOメンバーとして参加した。ISO/TC 123国内委員会は、ISO/TC 123に対応する日本の組織として設立され、2000年代以降本格的な活動を展開してきた。当初は既存規格への対応が中心であったが、2000年に日本が投票等の義務のあるPメンバーとなり、国際会議への継続的参加や国内意見の集約が進展した。2004年には日本主導でSC6(用語・共通事項)を設立、2008年にはTC 123幹事国を日本が獲得するなど、主導的立場を確立した。日本滑り軸受標準化協議会(PBSA)設立により支援体制も強化され、2010年代以降は新規規格提案や複数SCの立ち上げを通じて国際標準化を牽引している。こうした活動は、日本の技術の国際社会への反映、産業競争力の強化、人材育成に大きく貢献してきた。また、これらを実現したISO/TC 123 国内委員会の活動は、TC 123国際議長を務めた故染谷常雄先生の尽力によるところが大きい、と述べた。
 

講演する山田氏

 

・「ISO/TC 70(往復動内燃機関専門委員会)国内審議委員会の活動」畔津昭彦氏(東海大学客員教授、日本内燃機関連合会参与、ISO/TC 70 国内審議委員会委員長)…ISO/TC 70(陸用・舶用・鉄道用などの往復動内燃機関を対象に、用語定義、性能、試験方法、排ガス計測などの国際規格を策定する専門委員会)の生い立ちや取り扱う内燃機関の適用範囲、日本の対応組織(日本内燃機関連合会)および内燃機関に関する規格開発を行っている他のTCについて解説、ISO/TC 70がさまざまな業界団体・組織と関与しているTCであることが説明された。ISO/TC 70はPメンバー16カ国、Oメンバー22カ国と、ISO/TC 123と比べて多くの国が参加しワーキンググループ活動も活発であり、2回/年以上の頻度で国際会議を開催している。昨年のISO/TC 70の国際会議は機械振興会館(東京都港区)で開催されたが、懇親会場の選定を工夫することで費用を抑えながらも参加者の満足を得られるとの示唆があった(ISO/TC 70の2025年国際会議の懇親会は、2014年に日米首脳の「居酒屋会談」に利用された「権八」(東京都港区)で開催された)。また、ISO/TC 123と異なる点として、①CAG(Chair Advisory Group)が設置されており、SBP(Strategic Business Plan)およびPWI(Preliminary Work Item)を審議していること、②日本内燃機関連合会が機械学会・日本滑り軸受標準化協議会の両方を担う組織として活動していること、が説明された。一方、ISO/TC 70 国内審議委員会の前委員長が故染谷先生であり、ISO/TC 123 国内委員会と深い関係があることも示された。

講演する畔津氏

 

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「ハノーバーメッセ2026 プレスプレビュー」が開催、展示会の概要・見どころを紹介

1ヶ月 2週 ago
「ハノーバーメッセ2026 プレスプレビュー」が開催、展示会の概要・見どころを紹介 in kat 2026年03日30日(月) in

 本年4月20日~4月24日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される世界最大の産業技術見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)2026」(主催:ドイツメッセ)に関して、2月25日に同国際見本市会場で「Hannover Messe 2026 Press Preview」が開催され、世界中からジャーナリスト約100名が参加する中、概要と見どころが紹介された。

 会場のようす

 

ハノーバーメッセの概要と、地政学的現状での産業競争力向上における役割

 当日はまずプレスカンファレンスが行われ、主催者であるドイツメッセCEOのJochen Köckler氏が挨拶に立ち、ハノーバーメッセ2026の開催の見どころや地政学的問題を抱える中での産業競争力向上に対して本展示会が果たす役割などについて紹介した。

 熾烈な地政学的競争、高まるコストと関税圧力、そしてAIの理論から実用化への移行が進む中で、ハノーバーメッセ2026では、フィジカルAI、エネルギー、産業インフラ、そして研究と技術移転に明確に焦点を当てる。

 アマゾンウェブサービス、ボッシュ、グーグル、マイクロソフト、シーメンスなどの世界的企業から、ベッコフ、フエスト、ハーティング、シェフラー、ハーティング、イグス、シュンクなどの中堅企業に、DMG森精機やツァイス、アジャイルロボット、ユニバーサルロボット、ジャーマン エッジ クラウドなどの新規出展社を加えたほか、フラウンホーファー研究機構やカールスルーエ工科大学(KIT)などの研究機関、さらに300社を超えるスタートアップ企業など、60カ国以上から約3500社の出展が見込まれる。

 刷新されたホールレイアウトで、革新的なマスタークラスやラウンドテーブル、スピードデート、センターステージが設けられ、中でもセンターステージ(ホール25)は、「人材とトピックス」を通してハノーバーメッセの重要性を示す場となる。産業におけるAIの活用など、実用的な応用分野に焦点を当てる。日別テーマ別フォーカスエリア:4月20日「政治と産業の共存」、4月21日「防衛フォーカス」、4月22日「スタートアップ」。

 今回大きくフォーカスするAIがカメラやセンサーを通じて現実世界(物理空間)を認識・理解しロボットなどの身体を持って自律的に動く「フィジカルAI」は、AIを画面から現実世界へと持ち込み、その有効性、生産性、効率性を向上させる。身近なコンポーネントであるセンサー、グリッパーとAIを組み合わせたヒューマノイドロボットは、現実世界の生産プロセスに応用が広がっている。ハノーバーメッセ2026では、ものづくり企業がAI活用によって収益につなげることができることを実践的かつ応用重視のアプローチで示す。

 AIの活用はエネルギーを大量に消費するためエネルギー対策は不可欠で、ハノーバーメッセ2026にも組み込まれている。水素は余剰の再生可能エネルギーを分子として貯蔵するための重要な媒体としてフォーカスしている。競争力を高めるにはエネルギーのデジタル管理が不可欠で、安全・安定のエネルギー供給があることで、ヒューマノイドロボットと自動化ソリューションは機能する。

開催概要を紹介するKöckler氏
パートナーカントリー、ブラジル

 ハノーバーメッセ2026のパートナーカントリーであるブラジルは、ハノーバーメッセ2026への参画を機に、水素、先進製造業、アグリテック、AIといった分野における長年の協力関係を具体化しようとしている。

 Apex-BrazilのMarcia Nejaim氏とAlex Figueired氏によるセッションでは、ハノーバーメッセ2026への戦略的参加について概説。脱炭素化、デジタル化、エネルギー効率、そして強靭なサプライチェーンにおけるブラジルの能力を強調し、ドイツおよび世界にとって革新的で信頼性が高く持続可能な技術・産業パートナーとしてのブラジルを訴求した。ブラジルのクリーンエネルギー基盤、バイオ燃料(フレックス燃料イノベーション、SAF、海洋バイオ燃料)におけるリーダーシップや、ブラジルから参加する約140社の出展社のプレゼンスについて詳細に説明。具体的な展示内容としては、スタートアップ企業や研究開発機関(ホール11)、ICTおよびスマート製造企業(ホール16)、産業ソリューションとブラジル・ドイツ技能五輪世界大会(WorldSkills)シミュレーション(ホール17)、そしてエネルギー転換に焦点を当てた国家パビリオン(ホール12)があり、WEG、ヴァーレ、B&H、エンブラエルといった大手企業に加え、ドイツのフォルクスワーゲンやバイエルとのパートナーシップも紹介した。

パートナーカントリー、ブラジルのセッションのようすパネルディスカッション:製造業におけるAI活用

 ボッシュ・コネクテッド・インダストリーのNorbert Jung氏、ジャーマン エッジ クラウドのLilija Kucinskaja氏、アジャイル・ロボッツのSwen Parusel氏によるパネルディスカッション「製造業におけるAIの活用」が行われ、「データ増加のパラドックス」、自律的に推論し問題解決できる「エージェントAI」の台頭、そしてロボットとAIモデルの緊密な統合(フィジカルAI)の必要性などが挙げられた。

 Kucinskaja氏は、中小企業のデジタル化支援に注力しているが、AIを導入する前に、企業はまず基本的なデータの透明性と接続性(垂直統合)を実現し、生産の非効率性を可視化する必要があると主張。また、Jung氏は、製造業は膨大なデータを生成しているものの価値の抽出には時間がかかるという「データ増大パラドックス」の課題を浮き彫りにし、AIエージェント、マシン、そして人間が協働する「製造におけるコ・インテリジェンス」を提唱。AIプロジェクトの95%は、適切なセマンティック・コンテキスト(ある数値が圧力と温度を表わすといった認識)とリーダーシップの関与が欠如しているために価値を提供できていないと強調した。さらに、Parusel氏はフィジカルAIを専門としロボットアームやヒューマノイドロボットにインテリジェンスを付与する取り組みを行っているが、AIをハードウェアに深く統合することで柔軟な製造ソリューションを構築し、基盤モデルを用いて導入を迅速化する必要があると主張した。

パネルディスカッション「製造業におけるAIの活用」のようす

 

ロボティクス・アワード2026

 当日はまた、ロボット工学の専門家からなる審査員団が自動化と物流の分野における革新的なロボット支援ソリューションで産業開発に画期的な進歩をもたらす企業を表彰する「ロボティクス・アワード2026」の大賞受賞者を発表、ドイツのグッドバイツが選定され表彰された。
受賞したロボットは、独自のAI駆動制御ロジックによって制御され、複数の注文が同時に発生した場合でも、ワークフローをインテリジェントに順序付けることができる。これらの自動化された柔軟な生産プロセスにより、病院、大学、企業施設向けに高品質でカスタマイズされた食品供給が保証され、人員レベルや注文の複雑さに関わらず、安定した生産量を維持することなどが評価された。

ロボティクス・アワード大賞表彰式のようす

 

ミニ展示会

 当日は出展予定企業の約3500社を代表して約30社がミニブースを併設し、ハノーバーメッセ2026で出展予定の製品・技術を披露した。ベアリング・モーション技術(bmt)関連の製品・技術では、ハノーバーメッセ2026で披露される予定の、以下のような展示がなされた。

ミニ展示会のようす

 

イグス

 イグスは、企業が導入を容易にするための新たな低コストロボットソリューションを紹介した。

 その一つがサービスハブとしてのオンラインプラットフォーム「RBTX」で、現在約260社のメーカーがこのプラットフォームに参加しており、ロボットコンポーネントはモジュール式のため相互に組み合わせることができる。同社専門家のサポートを受け、数百社がこれまでに自動化ソリューションを実現しており、その95%は18000ユーロ未満で導入されている。ハノーバーメッセの開幕までに、RBTXは、35社のメーカーから95種類のロボットモデルを揃え、ヒューマノイドロボットのラインナップにおいて最大規模となる見込み。

 低コストロボットソリューションではまた、熟練労働者の深刻な不足に対応するローコストのマテリアルハンドリング向けの自律型移動ロボット「ReBeL Move Pro」と、人手不足の現場で活躍する自律型フォークリフト「ReBeL Pallet Mover」も紹介した。用途に応じて、積載量300kg、1400kg、1500kgのモデルを用意しているほか、ニーズに合わせてカスタマイズも可能となっている。
 

イグスブースのようす

 

RBTX

 

ReBeL Pallet Mover

 

シェフラー

 シェフラーは、ロボット工学の論理的な発展形であるヒューマノイド向け技術に特に高い可能性を見出しており、この最先端技術向けにベアリング、ギヤボックス部品、センサー、アクチュエーター、電気モーターなどの主要コンポーネントを提供し、技術的に重要な進歩によってヒューマノイドロボットを最適化できるとアピール。

 その一つとして、軽量ロボットおよび協働ロボット向けの革新的なXZUアンギュラコンタクト針状ころ軸受「XZUシリーズ」を紹介。複列配置により負荷分散が大幅に改善され、運転中のスキューを抑制するほか、従来のクロスローラー軸受に比べて傾き剛性が30%向上する。コンパクトな設計、高効率、軽量性を兼ね備えた優れた特性により、ハノーバーメッセの「HERMES AWARD」にノミネートされている。

 シェフラーではまた、高分解能と直線性により産業用駆動系におけるトルクを非接触で高精度に測定できるトルクセンサーソリューション「TorqueSense」も紹介。制御システムの性能を向上すると同時に、エネルギー消費量を削減するため、建設機械や農業機械の作業工程制御などの用途に最適。産業用機械の過負荷保護機能として設置できるほか、ユーザーのアプリケーションに容易に統合でき、機械の寿命を大幅に延長できる。
 

シェフラーブースのようす

 

XZUシリーズ

 

TorqueSense

 

kat

NTN、精密リキッドハンドリングシステムのライフサイエンス分野への提案を加速

1ヶ月 2週 ago
NTN、精密リキッドハンドリングシステムのライフサイエンス分野への提案を加速kat 2026年03日30日(月) in in

 NTNは、高粘度の微量な液剤を±15µm(μm:1/1000mm)以下の位置精度で高精度に塗布する「微細塗布装置」の名称を、本年4月より「精密リキッドハンドリングシステムX-CELList(エクセリスト)」(https://www.ntn.co.jp/japan/x-cellist/index.html)に変更し、従来の工業分野に加え創薬実験用途などライフサイエンス分野における提案を加速していく。

精密リキッドハンドリングシステム「X-CELList」(上)とそのロゴ(下)

 

 近年、創薬や再生医療の分野では、細胞や生体材料を高い再現性で取り扱うための精密なリキッドハンドリング技術が求められている。NTNの「X-CELList」は、塗布針の先端に付着させた微量の液剤を対象物に直接塗布する独自の方式により、高粘度な液剤であっても、無駄なく高精度に塗布できる点を特長としている。

 NTNは、抗原検査の研究活動や創薬分野への適用に取り組み、2025年にiPS細胞由来心筋細胞(iPS心筋細胞)を創薬実験用プレート上に効率的かつ高精度に配置(播種)するバイオプリンティング技術を開発した。手作業と同等の細胞生存率を維持しながら、定位置・適量での塗布を実現し、細胞配置作業の自動化を可能としている。

 今回、従来の販売先である工業分野に加えてライフサイエンス分野での提案の加速を目的に、同分野における訴求力を高めた名称として、精密リキッドハンドリングシステムX-CELListに変更した。新名称は「Excellent Liquid Stamp Technology(卓越した液体塗布技術)」を基に、ライフサイエンス分野への適用を象徴する「Cell(細胞)」と、未知の可能性を連想させる「X」を組み合わせたもの。

 NTNは、創薬分野に加え、病気などで機能を失った組織や臓器の再生を目指す再生医療分野においてもX-CELListの適用を進め、新たな成長領域の一つとして位置付けるライフサイエンス分野の拡大を通じ、社会課題の解決に貢献していく。

kat

bmt2026年3月号「特集:モビリティ」、「キーテク特集:グリース」3/25発行!

1ヶ月 3週 ago
bmt2026年3月号「特集:モビリティ」、「キーテク特集:グリース」3/25発行! in admin 2026年03日19日(木) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第59号となる2026年3月号が3月25日に小社より発行される。

 今号は「特集:モビリティ」、「キーテク特集:グリース」で構成。特集「モビリティ」では、生産プロセスのCN化に貢献する自動車部品のアディティブ・マニュファクチャリング技術から、レース分野でのCN化に貢献するレーシングオイルの再生成基油の適用、自動車用潤滑油剤のCN化にも寄与する定量評価のための粒子径・ゼータ電位評価技術、潤滑油のフレッチング摩耗評価が可能なSRV試験の技術などについて紹介する。

 キーテク特集「グリース」においては、過酷な環境で付加価値を高めるフッ素グリースの開発や、風力発電機の主軸軸受用レスキューグリースの話題について紹介する。

特集:モビリティ

◇自動車部品の付加価値向上とカーボンニュートラルに寄与するアディティブ・マニュファクチャリング・・・日産自動車 塩飽 紀之 氏に聞く

◇再精製基油(RRBO)を用いた潤滑油の開発と適用・・・トライボジャパン 丸山 秀一 氏、佐藤 剛久 氏に聞く

◇自動車分野における微粒子の粒子径・ゼータ電位評価のための計測技術と適用事例・・・大塚電子 中道 栄明 氏、武川 透 氏に聞く

◇SRV試験機を用いた潤滑油のフレッチング摩耗評価・・・Optimol Instruments Ameneh Schneider、訳・加筆:パーカー熱処理工業 佐藤 雅之

キーテク特集:グリース

◇過酷な環境で付加価値を高めるフッ素グリースの開発・・・ニッペコ 井出 優希 氏に聞く

◇風力発電機主軸受用レスキューグリースの話題・・・編集部

座談会

◇ドクターコースのトライボロジストに聞く トライボロジー博士を増やすには?・・・カヤバ 黒岩 侑紀 氏、名古屋工業大学 伊藤 一志 氏、横浜国立大学 渡辺 稔紀 氏、兵庫県立大学 西村 泰風 氏、藤田 晃徳 氏、小林 健洋 氏、富山県立大学 山本 美空 氏、鳥取大学 斎藤 千夏 氏、ジェイテクト 獅子原 祐樹 氏、東京理科大学 森田 美穂 氏

連載

注目技術:E-Axleの評価に適用可能なトライボロジー試験機・・・PCS Instruments/島貿易

トップインタビュー・・・ジヤトコ 大曽根 竜也 氏に聞く

あるコスモポリタンの区区之心 第29回 トリウム溶融塩炉・随想(中編)・・・紺野 大介

トピックス

本誌主催の講演会・交流会「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」が開催

「ハノーバーメッセ2026 プレスプレビュー」開催、展示会の概要・見どころを紹介

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THK、動剛性測定サービスの正式受注を開始

1ヶ月 3週 ago
THK、動剛性測定サービスの正式受注を開始kat 2026年03日18日(水) in in

 THKは、「動剛性測定・DYNAS(ダイナス)」の正式受注を開始する。本サービスにより、ユーザーの装置の振動特性を可視化・明らかにし、装置開発の課題解決に貢献する。

 

 動剛性測定・DYNAS(DYNASはTHKの登録商標)は、設計で重要な三つの剛性である「静剛性」と「動剛性」、「熱剛性」のうち、動的力に対する変形のしにくさを表す「動剛性」を測定・解析し、ユーザーの装置の振動特性を可視化・明らかにするサービス。これまで経験や感覚に頼っていた装置の“揺れやすさ”を定量的に評価し、揺れの要因を構造単位で把握することで、設計改善の方向性を具体的に導いていく。

 装置開発においては、要求仕様を満足できない、どのように設計変更をすればよいか分からないといった開発者が直面する課題に加え、製品の形状不良や加工面品位・品質不良、スループットが上がらないといった技術課題などがある。

 THKではこうした課題に対し、これまでさまざまな産業や装置に直動製品を提供することで培ってきた経験をもとに動剛性の測定・解析を実施し、装置の振動特性を可視化・明らかにすることで、ユーザーの装置開発における課題の解消、新しいノウハウの獲得に貢献していく。

 測定結果は専用のビュアーソフトでユーザーに提供、ユーザーは任意の固有振動に対応した装置の変形挙動およびコンプライアンス分布が確認できる。工作機械、半導体製造装置、製造ライン設備、産業用ロボットなどさまざまな装置を対象としており、ユーザーの要望に寄り添った測定・解析を行う。

 DYNASの特長は以下のとおり。

・装置全体を評価:部分的な評価では見ることができない装置全体の振動の相関を確認することが可能

・振動のトラブルを早期解決:問題発生時の周波数を評価し、装置全体の評価と照らし合わせることで影響部位を特定する

・データ蓄積・データベース化:測定データを蓄積することで、将来の設計に活用できる技術データの構築につながるため、技術課題の解決や技術力の強化にも貢献する

 THKは今後も、ユーザーの装置開発における課題解決に貢献できるよう、さまざまなサービスの開発・提供を行っていく。

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東京理科大学・佐々木研究室、第42回トライボサロンを開催

1ヶ月 4週 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第42回トライボサロンを開催kat 2026年03日14日(土) in

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://www.tribo-concierge.com/topics/296/)の第42回目が3月14日、東京都葛飾区の同大学 葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

開催のようす

 

 トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室のメンバーに限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。

 第42回目となる今回のトライボサロンでは、本年4月から東京工業高等専門学校への異動が決まっている東京理科大学 佐々木研究室の佐藤魁星氏が、「旅立ちの前に、今までの研究を振りかえって」と題して話題提供を行った。

 佐々木信也ほか著『初めてのトライボロジー』(講談社刊)を読破し同書で潤滑油添加剤であるZDDP(ジアルキルジチオリン酸亜鉛)のトライボケミカル反応機構といった摩擦界面に興味を持ったというトライボロジー研究を始めた契機から、ZDDP含有油にイオン液体添加による 潤滑性向上メカニズムの解明(2023年度日本トライボロジー学会論文賞を受賞)や、ZDDP複合添加油においてイオン液体の化学構造が潤滑特性に及ぼす影響、原子間力顕微鏡(AFM)を用いた摩擦面その場観察(In-situ観察)」手法によるトライボフィルム生成過程の研究といった修士研究・博士研究について概要を紹介した。

 その後、今後の研究テーマである「潤滑油添加剤のトライボケミストリー」として、優れた摩擦低減効果を示すモリブデンジチオカーバメイト(MoDTC)を添加したエンジン油において走行距離が長くなるにつれ潤滑性能が低下する課題に対し、MoDTCに代わる摩擦調整剤の開発を目的にタングステンジチオカーバメイト(WDTC)を化学合成しその摩擦摩耗特性を評価する研究や、窒素雰囲気下でのリン系・硫黄系添加剤の摩擦摩耗特性に関する研究を紹介した。

 トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://www.tribo-concierge.com/topics/296/

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bmt主催の講演会・交流会「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」が開催

2ヶ月 ago
bmt主催の講演会・交流会「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」が開催kat 2026年03日13日(金) in

 メカニカル・テック社『bmt ベアリング&モーション・テック』編集部は3月4日、東京都千代田区のTKPガーデンシティPREMIUM東京駅丸の内中央で、「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」を開催した。コーディネーターは東京理科大学 佐々木信也教授で、当日は歯車システムの関係する電動車や建設機械・鉱山機械といった領域でのトライボロジー課題と取り組みについて、以下のとおり4件の講演が行われ、また、講演の合間にトライボロジー関連の測定評価機器メーカーによる2件のショートプレゼンがなされた。

講演会のようす

 

講演1「総説:カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」佐々木信也氏(東京理科大学)

 トライボロジーは摩擦損失の低減や耐摩耗性向上という観点から機器の省エネや環境負荷低減に寄与してきたが、カーボンニュートラル(CN)社会実現に向けて環境性能の向上につながるトライボロジーの役割に期待が寄せられている。CN実現に期待される電気自動車(EV)の話題を取り上げ、システム小型化のためにモーターの高速回転が求められるe-Axleの減速機の課題として、高速回転に伴うギヤや軸受のピッチング寿命低下への対策とともに摩擦損失の低減による効率向上が求められていると説明。この課題を踏まえて実施したマイクロピッチング試験や電圧印加試験などの評価結果やメカニズム解明に向けた取り組みなどについて述べた。現在EV化は階段の踊り場にあるとされるが、この先もHEVの普及やEVの低価格化に向けて関連するトライボロジー技術のさらなる向上が重要であり、特にギヤトレインにおいてはこれまでにないしゅう動環境に対応し基礎メカニズムの理解をもとにした合理的かつ効率的な技術開発が必要、と総括した。

総説講演を行う佐々木氏

 

講演2「コマツリマンビジネスの状況と今後の展望」櫻井直之氏(コマツ)

 同社の主要な建設機械・鉱山機械・部品・アタッチメントなどの主要製品について紹介した後、カーボンニュートラルに向けた製品開発ロードマップを示しつつ、リマン事業は、ユーザーのライフサイクルコスト低減、サプライチェーンの収益向上、離宮環境に対しては省資源・CO2低減、コマツにとっては価値向上につながる、循環型社会実現のための共創であると説明。同社のリマンは、鉱山機械のエンジン・トランスミッション・モータ等を対象とし、新品同等の高い品質で安価に再生し、プロダクトサポートの一環として低いライフサイクルコスト×高い機械稼働率を実現するとして、加修部品・再利用部品・新品部品の組み合わせで組み立されることを特徴とする同社リマンプロセスの事例や、摩耗などの損傷部を溶射肉盛によって再生する加修技術、リマン新品質の管理技術、さらにはリマンコンポを用いた新車生産など今後の展開について紹介した。

講演する櫻井氏

 

ショートプレゼン1「PI-1000の紹介―油中粒子計測器―」阿部泰尚氏(東陽テクニカ)

 潤滑油中の摩耗紛の大きさと量を高精度に捉えることで軸受やギヤなどのしゅう動部品や摩耗状態を把握し交換時期を最適化できる自社開発の油中粒子計測器「PI-1000」を紹介。PI-1000は、細かな粒子および非磁性の粒子でも測定可能な「レーザー遮光法」を採用、演算処理機能の内臓により、常時オイル粘度によって変化する流速を計算しつつ、摩耗粉の油中の落下時間によって摩耗粉の粒径をその場で演算する。振動や熱、濁りといった外的要因に左右されず、μmレベルで粒子の大きさ、数を測定できる。さらに、独自の減圧による脱泡手法を用いて、摩耗粉と誤認される可能性のある油中の泡の誤検知をなくし数μm単位の高い精度で測定が可能。潤滑油中に放出される粒子の大きさと数によって、部品の状態を判断することができ、機械全体の性能劣化を早めに把握できる。

ショートプレゼンを行う阿部氏
ショートプレゼン2「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー試験機」國井卓人氏(Rtec-Instruments)

 歯車システムのトライボロジー試験では、ギヤの実際の動き(転がり+すべりの複雑な相互作用)をどれくらい再現できるかが課題となる。こうした歯車のトライボロジー試験に関して、同社の多機能トライボロジー試験機「MFT-5000」および「MFT-2000」にミニトラクションモジュールを付加した試験機や、二円筒試験機「TRT-3000」や三円筒試験機「MPT-3000」などを紹介。二円筒試験機・三円筒試験機による歯車試験の代替ソリューションを紹介した。

ショートプレゼンを行う國井氏E-Axleにおける要求性能と試験・評価技術~当社のE-Axleの取り組み」花野雅昭氏(ニデック)

 カーボンニュートラルへの高まり、EVの普及によりモビリティ産業が国際的に水平分業化すると予想されており、新技術への挑戦と生産実績により低コストで競争力あるトラクションモーターの開発、環境対応と安定供給を実現する「磁石フリー:省資源(レアアースフリー)のトラクションモーターの開発が必須。ここでは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) のグリーンイノベーション基金事業/次世代蓄電池・次世代モーターの開発について紹介、①低コスト②省資源③高性能を具現化する3万rpmを超える超高速回転を実現した誘導モーターを開発したことを報告した。また評価装置として、高速回転(3万rpm)での試験を可能とするギヤベンチと、高速回転(3万6000rpm)での試験を可能とするモーターベンチをニデックグループ(ニデックアドバンステクノロジー)内で作製していることを紹介した。

講演する花野氏

 

講演4「電動車用超低粘度トランスアクスルフルードの開発」白石 有 氏(トヨタ自動車)

 E-Axleユニットの潤滑油にはギヤ等の潤滑とモーターの冷却の両機能が求められる。潤滑油は高速で回転するモーターやギヤに直接供給されるため、オイル起因(粘度依存)の損失が大きな割合を占める。これに対し潤滑油を低粘度化することで、トランスアクスルでの損失を大幅に低減することが可能となる。低粘度化のターゲットとして、鉱油で、引火点がモーター最高温度以上の範囲で低粘度化の限界に挑戦、他社OEMを凌駕する超低粘度な電動車オイルを開発した。引火点限界までの低粘度化を実現、従来油同等以上の潤滑性と絶縁性を両立した新電動車用潤滑油を完成した。同油により、ATF比で電費効果:1.2%以上、またモーターの冷却性向上で電動車ユニットに貢献。同油はまた、添加剤処方の改良・油膜形成ポリマーの配合により、低粘度にもかかわらず従来ATF以上の信頼性(耐疲労・耐焼付き・耐疲労)を実現している。本技術は今後のトヨタにおける電動化技術の柱であり、CN(CO2削減)に大きく貢献するもの、と総括した。
 

講演する白石氏

 

 講演会終了後は、講師と参加者による交流会が催され、トライボロジー分野の横断的な情報交換と人的交流が、和やかながら活発に執り行われた。

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トリニティーラボなど、第60回機械振興賞を受賞

2ヶ月 ago
トリニティーラボなど、第60回機械振興賞を受賞kat 2026年03日13日(金) in

 トリニティーラボ(https://trinity-lab.com/)は山形大学、東京都立産業技術研究センターと共同で、機械振興協会が表彰する第60回機械振興賞「審査委員長特別賞」を受賞した。2月20日に東京プリンスホテル プロビデンスホールに第60回機械振興賞表彰式が実施され、トリニティーラボの野村修平社長、山形大学の野々村美宗教授、東京都立産業技術研究センターの黒部篤理事長と齋藤庸賀 副主任研究員が表彰された。

第60回機械振興賞表彰式のようす
左から、野々村美宗氏、野村修平氏、機械振興協会・釡 和明会長、黒部 篤氏、齋藤庸賀氏

 

 機械振興賞は、我が国機械産業における技術開発の一層の促進を図るため、優秀な研究開発およびその成果の実用化によって、機械産業技術の進歩・発展に著しく寄与したと認められる企業・大学・研究機関および研究開発担当者を表彰することにより、我が国機械産業の振興に資することを目的としている。

 本年度は、機械産業関係団体及び地方公共団体、国公立試験研究機関、学会等による受賞候補者の推薦および候補者による自薦での応募が37件となった。東京大学 名誉教授 中島尚正氏ら8人からなる審査委員会による審査の結果、研究開発14件、支援事業4件が決定した。

 トリニティーラボと山形大学、東京都立産業技術研究センターが受賞した第60回機械振興賞 審査委員長特別賞の業績は、「人の触感を数値化する評価装置の開発」。

 人の触感を数値化することは、製品表面の触り心地やクリームなどを塗布した肌の触感変化などを定量的に評価するために重要となる。触感に近いものとして摩擦力測定が挙げられるが、一定の速度で接触子を動かして測定する摩擦力測定とは異なり、指や手の動きの速度変化に伴う摩擦力の変化や測定物の形状変化などを総合的に評価する必要がある。本業績では、接触子を正弦運動させ、その際の摩擦力の変化によって触感を評価する方法を採用した。

 また、人の触感を正確に測定するために、人の指紋を模倣した接触子を開発し、これに取り付けるための高感度なロードセル(力センサー)も開発した。また、指でこする動きを安定させるために正確な正弦運動を実現するスコッチヨーク機構を改良した揺動システムを開発した点が評価されての受賞となった。
 

受賞業績のトリニティーラボ製 触覚評価測定機「TL201Sf」

 

kat
Checked
1時間 53 分 ago
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