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川邑研究所、プラスチック向けPFASフリー潤滑塗料を開発

1ヶ月 ago
川邑研究所、プラスチック向けPFASフリー潤滑塗料を開発kat 2024年10日16日(水) in

 川邑研究所(https://www.defric.com/)はこのほど、独自の研究開発により、プラスチック基材への優れた密着性を実現する有機フッ素化合物(PFAS)およびシリコン不使用の新世代固体潤滑塗料を開発した。この塗料は、独自の組成と分散技術により、従来のPTFEベース塗料を超える耐久性と低摩擦特性を有する。

 開発品の特長は、①低摩擦性、②耐摩耗性、③薄白色透明な被膜を形成、④常温乾燥可能、⑤さまざまな基材への優れた密着性、⑥同社従来品より高硬度、⑦PTFEを使用した従来品と同等の撥水撥油性、など。

 ABS基材に対して、同社既存品塗料と開発したPFASフリー(PTFEフリー)潤滑塗料をスプレー塗装し、70℃で強制乾燥させ、各種評価を実施した結果、プラスチック基材への密着性向上と摩擦係数の低減効果により、従来よりも硬度の高い被膜を形成することができることが確認されている。 

PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の特性比較

 

 また、ボールオンプレート摺動試験による、PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の性能比較では、0.5kgの荷重をかけたPVCボールを用いた往復摺動試験を実施した結果、PFASフリー潤滑塗料がPTFE系塗料と比較しても、優れた摺動寿命を有することが確認されている。

PFASフリー潤滑塗料とPTFE塗料の摺動性比較

 
 新開発のPFASフリー潤滑塗料はまた、さまざまなプラスチック部材に対する優れた密着性を実現する。この密着性の最適化により、使用する基材の種類を選ばず、幅広いアプリケーションでの利用が可能となっている。

各種プラスチック基材への密着性の比較

 
 新開発PFASフリー潤滑塗料ではさらに、従来のPTFE塗料の使用時に見られた外観が白く変化する問題を解決し、外観の透明性を保持することが可能となった。

外観の透明性の比較
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東京理科大学・佐々木研究室、第24回トライボサロンをハイブリッド開催

1ヶ月 1週 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第24回トライボサロンをハイブリッド開催kat 2024年10日12日(土) in

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://tribo-science.com/salon)の第24回目が10月12日、東京都葛飾区の葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

開催のようす


  トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。トライボロジーに関する情報交換、人材交流等を通し、関連技術の向上と発展に資することを目的に、次の活動を円滑に行えるよう運営に努めている。

 第24回目となる今回のトライボサロンでは、「トライボロジーにおけるAIの活用を考える」のタイトルで、イーグル工業・王 岩 氏を講師に話題提供が行われた。

 講演では、メカニカルシールの密封性能と潤滑性能の二律背反を両立するためのテクスチャの最適化を目的に機械学習を適用した事例として、形状パラメータから性能を予測する機械学習モデルの構築・最適化の検証を実施して数値解析を機械学習モデルに置き換えることで、最適解に迫る形状を短時間で予測できた事例を紹介した。また、形状データそのものから圧力分布を予測する機械学習モデル構築の事例では、適切な事前処理+相性の良いモデル(U-Net)の選択によって表面テクスチャ形状から圧力分布の予測が可能であることを示唆した。今後は、トポロジーの最適化と生成AIを組み合わせて、メカニカルシールに最適な新しい表面テクスチャ形状を探索していく、と総括した。

 なお、トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://tribo-science.com/salon

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JIMTOF2024の開催規模、過去最大の1262社/5743小間に

1ヶ月 1週 ago
JIMTOF2024の開催規模、過去最大の1262社/5743小間に in kat 2024年10日07日(月) in

 11月5日~10日の6日間にわたり東京ビッグサイトで開催される世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)」に関して、主催の日本工作機械工業会(日工会)と東京ビッグサイトは10月2日、東京都港区の芝パークホテルで「第2回 記者発表会」を開催した。

 JIMTOF2024は、東京ビッグサイト全館を利用して総展示場面積11万8540㎡で開催、合計出展者数が1262社/5743小間と、2022年に開催した前回のJIMTOF2022に比べ175社/125小間増えた、60年以上の歴史で最大規模の開催となる。そのうち、前回新設した「Additive Manufacturing Area(AMエリア)」での出展規模も拡大し53社/192小間となる。中国、台湾、ドイツ、スイス、韓国、米国など19カ国・地域の企業・団体が出展する、国内最大規模のB to B展示会に位置付けられる。

 当日主催者挨拶に立った日工会の柚原一夫 専務理事は、「JIMTOF2024では『技術のタスキで未来へつなぐ』というテーマのもと、最新鋭の工作機械、最先端の技術を発信していく。日工会からは40社以上の会員企業が世界初披露となる製品技術を紹介する。デジタル技術の活用による機械の状態監視や予防保全の高度化、ロボットなど周辺機器との融合による工程集約や自動化・省人化がさらに進化し、多数の機械をつないだ生産システム全体の効率化・最適化に向けたソリューションが展示される。JIMTOF2024は、まさに時代のニーズを的確にとらえた技術を発信できる場となるだろう」と語った。

挨拶する柚原氏

 

 主催者挨拶としてはまた、東京ビッグサイトの岩瀬和春 代表取締役 常務取締役が、「総来場者数13万人、海外からの来場者数1万3000人を目標に、日本のものづくりを応援するYouTubeチャンネル「JIMTOF INSIGHTS(ジムトフ・インサイツ)の公開や各種SNSを活用した情報発信の強化と最新技術に触れる機会の創出や、ものづくり業界発展の一助となるような、さまざまな取り組みを進めている。今回は、全館での開催となるが、来場者が展示製品技術をくまなく均一に見ることができるように、西・南展示棟の開場時間を9時~17時、東展示棟の開場時間を10時~18時とする時差開場とする。また、目的のホールへ効率よく移動できるよう、シャトルバスとジャンボタクシーを柔軟に運行する。内外の工作機械および周辺機器の取引の拡大、貿易振興に、できる限り寄与していきたい」と述べた。

挨拶する岩瀬氏

 

 今回の記者発表会でクローズアップされた目玉企画は以下のとおり。

アカデミックエリア

 工作機械業界および「ものづくり」に関しての理解を深めることを目的に、過去のJIMTOFにおいて会場内に分散していた主催者企画に加えて、学生を対象に、南4ホールに集約した「アカデミックエリア」を新設した。特に学生が出展企業の総務・人事担当者と直接交流できる「キャリアマッチングスクエア」や、工作機械業界に関心を持つ学生を対象に、テーマに沿って関連する日工会会員企業の出展ブースをツアー形式で案内する「日工会学生ブースツアー」、工作機械業界への知見を深められる体験型コンテンツをはじめとした「企画展示」、工業系の大学をはじめ53機関の研究発表が一堂に集まる「IMEC(国際工作機械技術者会議)ポスターセッション」が設けられる。さらに、多目的ステージに併催された「オープンカフェ」は、ドリンクサービスと無料Wi-Fiを完備し、リラックス空間として活用できる。

キャリアマッチングスクエア

 

体感コンテンツ「工作機械×動かす」
汎用旋盤による加工体験 CAMプログラミング体験
(協力:都立職業能力開発センター)

 

講演会・セミナー

 開催初日の11月5日には、基調講演として「ものづくりに夢を!THKが挑戦する新発想EV」と題し、THK 代表取締役会長CEOの寺町彰博氏と、SN DESIGN PLATFORM 代表取締役CEOの中村史郎 氏が講演。THKが世界で初めて開発した工作機械の重要な構成要素である直動転がり案内(LMガイド)や、ボールねじの技術を応用した電動アクチュエータを搭載した、EV プロトタイプ「LSR-05」の開発の道のりや今後の展望について語る。

THKとSN DESIGN PLATFORMが共同開発した
EVプロトタイプ クロスオーバー4シータークーペ「LSR-05」
(提供:THK)

 

 また特別講演では、トヨタ自動車 Executive Fellowの河合 満氏による「モノづくりは 人づくり」、前田建設工業 ICI総合センター 執行役員ICI総合センター長の岩坂照之氏らによる「前田建設ファンタジー営業部における異業種共創の具体例~JSOLと共にオープンイノベーションのマネジメントを考える~」、宇宙航空研究開発機構(JAXA)有人宇宙技術センター 技術領域主幹の大塚聡子氏による「宇宙ロボットのものづくり」などの講演がなされる。

©永井豪/ダイナミック企画/MZ制作委員会
アニメ、ゲームといった空想世界に存在する建造物を本当に受注し現状の技術・材料で建設するとしたらどうなるかを、工期、工費を含め公開するコンテンツ
「前田建設ファンタジー営業部」

 

 また、JIMTOF2024特別併催展として、南展示棟1階で開催する「Additive Manufacturing Area in JIMTOF2024」内の主催者セミナー会場でも、日替わりでAM/3Dプリンティングに関するさまざまなセミナーが日替わりで実施される。

JIMTOF INSIGHTS

 JIMTOFでは、「製造業界の魅力・やりがい・面白さ」を伝え「製造業のイメージアップと将来を担う若年層などへの認知度向上を図るために、日本のものづくりを応援するYouTubeチャンネル「JIMTOF INSIGHTS(ジムトフ・インサイツ)」を本年6月に初公開した。JIMTOF2024期間に限らず、会期前、会期中そして、会期後にも長期的・継続的に情報を更新し、ものづくり業界に関する情報を積極的に発信していく。既に公開している動画「芝浦機械 工場見学編」に加えて、10月中旬にはJIMTOF2024企画展示と連動する形で、新たな動画コンテンツを公開する予定となっている。

JIMTOF INSIGHTS

 

シャトルバス・ジャンボタクシー

 広い会場内で目的のホールへ効率よく移動できるよう、シャトルバスとジャンボタクシーをフレキシブルに運行する。今回のJIMTOFで実施する時差開催に対応して、国際展示場駅からの直通ルート、会場内巡回ルートを時間によって設定し、回遊性の向上を図る。
 

 情報は随時更新されるため、詳細はJIMTOF2024公式ウェブサイト(https://www.jimtof.org/)で確認していただきたい。

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NTN、和歌山製作所にオンサイトPPAモデルを導入

1ヶ月 2週 ago
NTN、和歌山製作所にオンサイトPPAモデルを導入kat 2024年10日07日(月) in

 NTNは、事業活動におけるカーボンニュートラル達成のための施策として、和歌山製作所(和歌山県橋本市)にオンサイトPPA(自社敷地内に第三者であるPPA 事業者が太陽光発電設備を導入し、PPA事業者に電気料金を支払うことで電力を調達する仕組み)モデルを導入した。本年10月から、発電および自己消費を開始する。

 今回オンサイトPPA モデルを導入した和歌山製作所は、電気自動車(EV)などに使用されるボールベアリングを生産する工場で、2023年10月に本格稼働を開始した。最新の設備やシステム、デジタル技術を活用し、スマートファクトリーの実践工場として無駄のないものづくりに取り組んでいる。

 同製作所においては、すでに工場設備から事務所まですべての使用電力をCO2フリー電力で賄うことで、通常の電力を使用する場合と比べて毎月のCO2排出量を約85%削減している。今回導入したオンサイトPPAモデルによる発電量は1357MWh/年、589t/年のCO2排出量削減を見込んでいる。

和歌山製作所(和歌山県・橋本市)

 

和歌山製作所に設置した太陽光パネル

 

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NTNセールスジャパン、ツール・ド・九州2024に初協賛、各レース会場で「回る学校」を開催

1ヶ月 2週 ago
NTNセールスジャパン、ツール・ド・九州2024に初協賛、各レース会場で「回る学校」を開催kat 2024年10日07日(月) in

 NTNの販売子会社であるNTNセールスジャパンは、10月11日~14日に大分、福岡、熊本の3県で開催される国際自転車ロードレース「ツール・ド・九州2024」(https://www.tourdekyushu.asia/)に初めて協賛し、親子でベアリング(軸受)について学ぶことができる「NTN 回る学校」を各レース会場で開催する。

 ツール・ド・九州2024は、UCI(Union Cycliste Internationale、国際自転車競技連合)公認の国際自転車ロードレースで、近年九州を襲った自然災害からの復興を象徴するイベントとして昨年初めて開催され、約88000人が観戦した。2回目の開催となる今回は、10月11日~14日の4日間にわたり、国内外の18チームが転戦型ステージレースおよびクリテリウム(小周回サーキットレース)でタイムを競う。

 NTNは、自動車や各種産業機械向けのベアリングに加え、電動アシスト自転車の駆動ユニット、ホイール、ボトムブラケット用など自転車向けにもベアリングなどの商品を開発・提供している。ロードバイクに使用される高級ハブにも同社のベアリングが採用されており、自転車のなめらかな走行に貢献するとともに、環境に優しい移動手段である自転車市場の発展を通じて、環境負荷の低減にも貢献している。また、自転車向けのベアリング技術を生かし、世界大会で入賞の実績もある車いす陸上競技選手へ競技用車いす向けにベアリングも提供している。

 今回、各レース会場で開催する「NTN 回る学校」では、普段は目に触れることがないベアリングの組み立て体験を通じてベアリングの役割や仕組みについて楽しみながら理解を深めてもらうほか、ロードバイクなどの自転車に使用される深溝玉軸受について、シールの違いやグリースの有無などによる回転時のなめらかさの違いを体感してもらう展示を行う予定となっている。

ベアリングの組み立て体験:外輪、内輪、保持器、ボールを組み合わせてベアリングの組み立てに挑戦。初めてベアリングを見る人も、ベアリングの構造や仕組みについて学べる

 

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木村洋行、アプリケーション志向の電動アクチュエータを用いたロボット・医療機器における自動化・電動化支援を推進

1ヶ月 2週 ago
木村洋行、アプリケーション志向の電動アクチュエータを用いたロボット・医療機器における自動化・電動化支援を推進 in kat 2024年10日06日(日) in

 木村洋行は2020年1月から、スウェーデンに本社を置くEWELLIX(エバリックス)の直動製品の取り扱いを開始している。エバリックスは、スイス、スウェーデン、ドイツ、フランス、アメリカ、中国に生産拠点を有し、アプリケーションごとのニーズに合わせたカスタマイズのソリューションに定評があり、自動機など一般産業機器向けのほか、高度な安全性が求められる医療機器向けなどで採用実績が多い。2023年1月からはSchaeffler(シェフラー)の傘下として、かねてから進めてきたセンサやコントローラー関連の研究開発を加速させている。

 ここでは、木村洋行がエバリックスの直動製品の独自性を生かして、協働ロボットによる自動化の支援や、医療機器などでの電動化支援を含む、産業界での自動化・電動化支援の取り組みについて紹介する。

 

直動製品のラインナップと独自技術 ロボットなどの動作範囲を拡張できる電動アクチュエータ

 エバリックスの直動製品としては特に、設置面積を小さく抑えられコンパクトな昇降が可能なピラー型電動アクチュエータ(図1)に定評がある。ストローク量や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの使用条件に合わせた提案が可能で、低騒音・堅牢で高荷重の支持に対応できるため、厳しい使用条件のニーズにも対応できる。電圧はAC 120VとDC 24Vに対応、最大定格荷重(押し/引き)はシリーズによって最大6000N、ストロークは700mm以上、動作速度も無負荷時で最速42mm/sec、かつ最大負荷時で最速31mm/secを実現している。
 
 

図1 ピラー型アクチュエータ電動アクチュエータを活用した自動化・電動化支援 協働ロボットの作業範囲の拡張

 生産現場で適用の進む6軸協働ロボットのアクセサリとして、ピラー型アクチュエータを6軸協働ロボット用にカスタマイズし、協働ロボットの第7軸として、垂直方向に動作させることで作業動作範囲を拡大できる「LIFTKIT」を提案している。LIFTKITの垂直方向の最大ストローク長は500~1400mmで、ロボットの基台としてLIFTKITを使用することにより設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲を立体的に拡大できると言える。

 また、LIFTKITと同様に、単軸横置アクチュエータに協働ロボットを接続し、搬送やピック&プレイスなどロボットの水平方向の動作範囲を拡大でき、作業効率を飛躍的に向上できる「SLIDEKIT」も提案している。SLIDEKITの水平方向のスライド長は100~3000mmとなっている。長い同一の生産ライン上にある、複数のセル生産装置の間でのワークの受け渡しや複数の加工工具の段取り替えといった作業の効率を高めることで、加工の生産性を向上できる。ニーズに応じてSLIDEKIT上にLIFTKITを載せて併用することも可能で、その場合協働ロボットの垂直方向と水平方向の動作範囲を大幅かつ同時に拡大できる(図2は、「2023国際ロボット展」でのデモンストレーションのようす)。
 

図2 「2023国際ロボット展」での、
6軸協働ロボットとLIFTKIT・SLIDEKIT組み合わせでのパレタイジング作業のデモ
 

 

 LIFTKITは、ユーザーが現状使用している6軸協働ロボットの7軸目として垂直方向の作業範囲を拡大できることが最大の利点で、パレットへの荷物の積み上げ作業「パレタイジング」と、積み上げたパレットから荷物を下ろす作業「デパレタイジング」での採用事例が多い。「2023国際ロボット展」での木村洋行の出展を機にLIFTKITへの引き合いが増えてきているが、この背景には「物流の2024年問題」がある。

 本年4月からトラックドライバーの時間外労働の960時間上限規制と改正改善基準告示が適用され、労働時間が短くなることで輸送能力が不足することが懸念されている2024年問題によって、運送トラックへの荷物の積載段数を増やして積載スペースの効率化を図ることや、物流倉庫でのドライバーの待ち時間を短縮するために荷物の積み下ろしの効率化を図ることや倉庫スペースの有効利用を図ること、工場での入荷・出荷場所での荷物の積み下ろしの効率化を図ることなどが求められていることがある。6軸協働ロボットにLIFTKITを接続することで、工場、物流倉庫、運送トラックのいずれにおいても、荷物を高く積み上げることが可能になり、スペース効率の向上だけでなく、工場・物流倉庫では荷物の出荷・入荷の効率を向上でき、トラックドライバーの労働時間減少に伴う物流量滞留の改善に寄与できる。

 LIFTKIT(とSLIDEKIT)は当初、ユニバーサルロボット(UR)とのコラボによる6軸協働ロボットのアクセサリとしてカスタマイズされたが、その後多くの企業の協働ロボットへの適用が可能となっており、それぞれの協働ロボットのティーチングタブレットによって、協働ロボットとLIFTKIT(とSLIDEKIT)の動作制御がともに可能となっている。

 2023年には、LIFTKIT はファナックの協働ロボット「FANUC Robot CRXシリーズ」のプラグイン対応周辺機器(昇降装置)として採用(図3)になり、ロボットの昇降範囲を最大で1400mmまで拡大できることや、生産性の向上と労働コスト削減に貢献できること、高い位置精度と安定性を実現できることなどが評価されている。コンパクトサイズで設置スペースを増やさずに6軸協働ロボットの7軸目として機能し、作業範囲を拡張できることから、6軸協働ロボット向けにLIFTKITの採用が進んできている。
 
 

図3 ファナックの協働ロボット「FANUC Robot CRXシリーズ」
の昇降装置として採用された「LIFTKIT-FA」  機器の移動・パワーアシストによる医療従事者の負担軽減

 エバリックスの直動製品は医療機器向け規格IEC 60601-1を取得していることなどから医療機器で多くの採用実績を持つが、エバリックスでは医療従事者の負担軽減や診断のスムーズ化を目的に、図1のピラー型電動アクチュエータをベースに、サーボモータと力覚センサを内蔵し、胸部Ⅹ線写真を撮像するためのレントゲンの位置合わせなどにおいて軽々と医療機器の上下動(位置合わせ)が可能なシステム「Effortless Motion Control」(図4)を開発している。欧州ではすでにEffortless Motion Controlを用いた医療機器メーカーとの共同開発を進めているが、日本国内では本年6月に開催された「機械要素技術展 [東京]2024」で初披露し、軽く医療機器を動かせることをアピールした(図5)。医療従事者の負担軽減を図りたい国内の医療機器メーカーから、多くの反響を得ている。

図4 Effortless Motion Control

 

図5 「機械要素技術展 [東京]2024」での木村洋行・木村光正社長による、
小指一本でレントゲン撮影台の位置合わせを軽くスムーズに行うデモ

 

 レントゲンなどX線診断機器の課題としては、比較的重いX線管ヘッドまたは検出器システムの位置決めのための医療従事者の大きな負担がある。胸部レントゲン診断では、胸部の適切な場所に装置を位置決めする必要があるが、これら機器が頭上または壁/床のフレームに取り付けられることが多く、通常最大50kgという各ヘッドまたは検出器システムの重量が起因して、患者の胸部の適切な領域をターゲットするための簡単で正確な移動・位置決めが難しい。

 これに対しエバリックスが開発したEffortless Motion Controlは、ピラー型電動アクチュエータにサーボモータ・力覚センサを組み合わせることで、画像診断機器のハンドル部分に内蔵された力覚センサで触れた際に検知した力の大きさに応じて、最適なアシスト力が加わる。そのため、重量のある装置であっても誰でも簡単に、1/10の労力でスムーズに静かに、思いどおりに動かせる。さらに、伝送速度が速く拡張性の高いコントローラー・エリア・ネットワーク(CAN)バス通信規格に対応しているため、レントゲン撮影台で位置決めできた高さ・座標軸に別の立位撮影台や診察台を協調制御して位置決めするといった、複数の医療機器の同期運転(図4参照)も可能にしている。

  農機・建機の電動化支援

 一方、農業機械や建設機械など比較的高推力が必要とされる作業機では油圧作動油を動力源とする油圧アクチュエータが多用されているが、地球環境問題や作業のスマート化などから電動化が求められ、農機・建機向けにも電動アクチュエータを提案している。

 CANバス通信規格に対応の、野外で使用できる保護等級IP69K/66Mに対応した防水・防塵仕様のスマート電動アクチュエータ「CAHB-2xS(2xSのラインナップ:20S、21S、22S)」(図6)を開発している。油圧アクチュエータから、高速でスムーズな動作が可能な電動アクチュエータに置き替えることで、素早く滑らかな動作を実現でき潤滑メンテナンスを排除できるため一層の高い生産性を実現できるとともに、環境負荷低減を図れる。
 

図6 CAHB-2xSの建設機械での適用例

 

今後の展開

 ものづくり現場での自動化・電動化が進展し効率向上からメンテナンス期間延長などが求められる中で、耐久性が高く装置の省スペース設計が可能なエバリックスの電動アクチュエータの採用が進んできており、高い負荷容量、長寿命化を実現しつつ、サイズダウン化でき軽量化が図れることからは、装置の消費電力の低減、ひいてはCO2削減にも寄与できる。

 木村洋行は技術商社として、エバリックスに限らずメーカーとの情報交換を密に行い、製品・技術・アプリケーション情報のアップデートを常に図っている。製品・技術・アプリケーションに関する知見とノウハウを蓄積しつつ、ユーザーとの対話の中でニーズを的確にとらえることで、さまざまな用途に合わせてカスタマイズが可能なエバリックス製直動案内製品の特質を生かした、ユーザーの仕様に最適なソリューションを提供していく。また、従来から実施している、機械を正常に稼働させるための総合的な技術的サポートについても引き続き注力していく。

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日本ベアリングなど小千谷市の7社、JIMTOF 2024でスタンプラリーを開催

1ヶ月 2週 ago
日本ベアリングなど小千谷市の7社、JIMTOF 2024でスタンプラリーを開催kat 2024年10日04日(金) in

 日本ベアリングなど新潟県小千谷市に本社を置く7社からなる「JIMTOF 2024 おぢやスタンプラリー実行委員会」(実行委員長:ユキワ精工・酒巻弘和社長)は、11月5日~11月10日の「第32 回日本国際工作機械見本市JIMTOF 2024」の開催期間中、JIMTOF 2024で出展の同7社のブースをめぐる「JIMTOF 2024 おぢやスタンプラリー」を開催する。新潟県中越大震災から20年の復興と感謝の思いを込めて企画されたもの。後援は、ニュースダイジェスト社と小千谷鉄工電子協同組合。

 今回の企画は、人口33000人の新潟県小千谷市が、自社ブランドを持つ7社もの企業がJIMTOF 2024に出展するほどの工作機械・工作機器のメーカー集積地であることや、小千谷市内のメーカー名をより深く認識してもらうことを目的に実施されるもの。

 参加企業(50音順)は、エヌ・エス・エス(小間番号:東5ホール E5024)、オヂヤセイキ(小間番号:東7ホールE7016)、第一測範製作所(小間番号:東7ホールE7017)、タカハシキカイ(小間番号:東1ホールE1048)、日本ベアリング(小間番号:西2ホールW2058)、 ユキワ精工(小間番号: 西2ホールW2053)、理研精機(小間番号: 西2 ホールW2007)の7社。

 JIMTOF 2024 おぢやスタンプラリーの実施概要は以下のとおり。

1.実施期間:11月5日~11月10日のJIMTOF 2024開催期間中

2.実施内容:上記7社すべてのブースを訪問して各ブースに設置されたスタンプ台で応募ハガキに押印、会場の7社いずれかのブースで7個のスタンプが押された応募ハガキを直接渡す、あるいは7個のスタンプが押された応募ハガキを投函。抽選で“小千谷の名産品”が当たる

3.景品
・特賞:魚沼産新米コシヒカリ60kg 1名
・A賞:小千谷の地酒 20名
・B賞:小千谷そば・うどんセット 20名
・C賞:小千谷おかき詰め合わせ 20名
・復興感謝賞 7名

4.スタンプラリーの注意事項
・応募は、一人1 通
・各社ブースで来場登録を行う
・応募締切は11月22日消印有効
・主催7社の社員は応募不可
・当選は商品の発送をもって代える
・発送先は、日本国内に限る
 

 

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イグス、樹脂製すべり軸受の独創的でサステナブルな使用事例を募集開始

1ヶ月 2週 ago
イグス、樹脂製すべり軸受の独創的でサステナブルな使用事例を募集開始kat 2024年10日02日(水) in

 イグスは、自社のエンジニアリングプラスチック製すべり軸受の使用事例を表彰するコンテスト「マヌス(manus)賞」の募集を開始した。

 今回で第12回目の開催となるマヌス賞は、イグスのエンジニアリングプラスチック製すべり軸受の独創的かつサステナブルな使用事例を募集し、表彰するコンテスト。マヌス賞は隔年で開催しており、前回の2023年度は36カ国から480件の応募があった。受賞者は、ドイツの研究機関や製造業界専門誌から選出された審査員に選ばれ、最大5000€の賞金が授与される。

第12回 マヌス賞 募集要項

応募対象:樹脂が含まれるイグスのすべり軸受、リニアベアリング、球面ベアリングを使った事例

賞金:マヌス金賞5000€、マヌス銀賞2500€、マヌス銅賞1000€、グリーンマヌス賞3000€

応募締め切り:2025年1月17日

応募フォーム:https://registration.manus-award.com/en/manus-award-registration/

マヌス賞2025に関する詳細:https://www.igus.co.jp/info/manus-award

金属製すべり軸受からイグスのすべり軸受への置き換えにより、環境負荷の低減やコスト削減、技術改善などを達成した事例が対象となり、前回2023年度の第11回マヌス賞では以下の事例が受賞した。

・マヌス金賞:液体窒素肥料を農地に供給するパラリンケージコールター/J&M Manufacturing社(アメリカ)

 イグリデュール(潤滑剤不要の樹脂製すべり軸受)を使った、サステナブルかつ経済的な新型の農業機械が受賞した。地中への潤滑剤混入がなくなると同時に、潤滑剤コストの削減に成功した事例となる。

・マヌス銀賞:スリムなデザインの高圧洗浄機ユーザー向けパワードスーツ/Aufratech社(フランス)

 高圧洗浄機を扱う作業員が着用するパワードスーツ「EXO N」の事例が受賞した。作業員の腰にかかる大きな負担を軽減させる機構に、イグリデュールとドライリン(リニアガイド)が採用された事例となる。

・マヌス銅賞:自治体車両向けの伸縮式高圧洗浄機/Fiedler Maschinenbau und Technikvertrieb社(ドイツ)

 汚れた道路や広場を清掃する自治体車両向け高圧洗浄機の事例が受賞した。この高圧洗浄機の特長である拡幅可能な洗浄ノズルにドライリンが使われている。

・グリーンマヌス賞:ローダーワゴンや堆肥散布機などに使用される無潤滑ボール式連結装置/Rockinger Agriculture社(ドイツ)

 ローダーワゴンや堆肥散布機、ダンプカー、農業用噴霧機用の無潤滑ボール式連結装置「KS80」の事例が受賞した。同社では、ドイツにあるトラクターの1/3が「KS80」と耐摩耗性インサートを搭載すると、約8300個分のボール式連結装置で潤滑剤カットが可能となり、年間8tのグリースを節約できると試算した。

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THK、高加減速対応・低しゅう動のミニチュア直動転がり案内の受注を開始

1ヶ月 2週 ago
THK、高加減速対応・低しゅう動のミニチュア直動転がり案内の受注を開始kat 2024年10日02日(水) in

 THKは、高加減速対応・低しゅう動のミニチュアLM ガイド「AHR」の受注を開始する。

高加減速対応・低しゅう動のミニチュアLMガイド「AHR」

 

 高加減速対応・低しゅう動のミニチュアLMガイドAHRは、半導体チップの生産能力向上に役立つ高加減速に対応した性能を持つLMガイド。ミニチュアLMガイドの高速・高加減速動作における耐久性と低しゅう動性を兼ね備え、なおかつ既存の2列ゴシックアーチ溝を採用したミニチュアLMガイドとの取付寸法互換を実現した。

 新開発したボール循環部品により最高速度5m/s、最高加減速度300m/s2を実現しており、生産性向上が求められる半導体製造装置に最適で、特に高い生産性能を要求されるダイボンダーやテストハンドラーといった半導体製造の後工程設備、さらにはチップマウンターなどの主軸案内部の使用に最適化されている。

 特長は以下のとおり。

・高速・高加減速対応:新開発のボール循環部品の採用により、高強度・強靭化を実現。高速・高加減速動作時のロバスト性を向上し、生産性向上に貢献する

・低しゅう動抵抗:コア技術である理想的な4列サーキュラーアーク溝2点接触構造により、低しゅう動化を実現。これによりサーボ制御性向上に貢献する

4列サーキュラーアーク溝2点接触構造による低しゅう動抵抗

 

・取付寸法互換:既存のゴシックアーチ溝を採用したミニチュアLMガイドと取付寸法互換があるため、置き換えが可能

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イグス、PFAS規制に対応し、食品・包装業界向けにPTFEフリー&FDA準拠の新製品を提供開始

1ヶ月 2週 ago
イグス、PFAS規制に対応し、食品・包装業界向けにPTFEフリー&FDA準拠の新製品を提供開始kat 2024年10日02日(水) in

 イグスは、食品製造・包装業界向けの粉状コーティング材やリニアガイドに新しいバージョンを追加した。将来的なPFAS(有機フッ素化合物)規制の影響を受けないPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)フリー素材を採用するなど、これまでよりさらに環境負荷が低く、衛生的な製造現場に寄与する製品が提供可能になっている。

 イグスは、10月23日~25日に東京ビッグサイトで開催される「TOKYO PACK 2024(2024東京国際包装展)」において、PFAS規制対応の新製品を含めた食品業界向けのラインアップを幅広く紹介する予定だ。

 PFASは、工業製品や消費財などあらゆる分野で欠かすことのできない化学物質だが、近年人体や環境への有害性から欧州や米国を中心に規制が強化されてきており、企業にはPFAS規制への対応が求められている。

 これに対しイグスでは、包装機械のしゅう動部分など、さまざまな用途で使用されている食品業界向け粉状コーティング材に、新しくPTFEフリーの「イグリデュールIC-05PF」を追加した。PTFEを使用したコーティング材からの置き換えにより、将来のPFAS規制の影響を受けることなく、高いしゅう動性・耐摩耗性を実現できる。また、リーズナブルな価格のため、コストを削減できるケースもある。

 イグリデュールIC-05PFの特長は以下のとおり。

・導電性部品へのコーティングに適用可能
・PTFEフリー
・FDA(アメリカ食品医薬品局)およびEU 10/2011準拠
・DIN EN ISO 9227に準拠した塩水噴霧試験で耐性を確認済み

 また、食品製造現場での使用を想定し、FDA準拠およびPTFEフリーの素材を使用したリニアガイドが新しいデザインになり、「ドライリンW-HYD」として追加された。EHEDG(欧州衛生工学・設計グループ)が示す食品製造機械の衛生設計ガイドラインに則り、隙間を極力なくすデザインにすることで、残留物や雑菌・バクテリアが付着しにくく、洗浄作業がより簡単になる。また、キャリッジのしゅう動部分に溝を設けているため、水や洗浄剤が速やかに排出されやすくなる。

 ドライリンW-HYDの特長は以下のとおり。

・洗浄を伴う食品製造工程に適用可能
・PTFEフリー
・FDAおよびEU 10/2011に準拠
・EHEDGガイドラインまたはDIN EN 1672-2に準拠した設計

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NTN、ベトナム・ホーチミンに販売・技術サービスの支店を設立

1ヶ月 2週 ago
NTN、ベトナム・ホーチミンに販売・技術サービスの支店を設立kat 2024年10日02日(水) in

 NTNはベトナム・ホーチミンに、同社グループの販売会社「NTN BEARING VIET NAM」(NTNベトナム販売)のホーチミン支店を新たに設立した。今後さらなる市場の成長が期待されるアセアン地域の中でも中核を担っていく同国最大の商業都市・ホーチミンに新たな販売拠点を構え、積極的な販売活動や技術サービスの提供を通じて、より一層アフターマーケットビジネスの拡大に取り組んでいく。
 

「NTNベトナム販売 ホーチミン支店」が入居するビル

 

 ベトナムは、近年、自動車をはじめ各種産業のグローバルメーカーによる市場参入や地場メーカーの成長などにより、安定した経済成長を続けている。NTNは、2016年にベトナムの首都ハノイに販売会社であるNTNベトナム販売を設立し、自動車や産業機械メーカーであるベアリングユーザーと販売代理店への販売や技術サービスを提供してきた。

 ベトナム南部のユーザーと販売代理店については、これまでハノイ本社や近隣の「NTN BEARING-SINGAPORE」(NTNシンガポール販売)が出張などにより対応してきたが、アフターマーケットビジネスのさらなる拡大を図るため、同国最大の産業の集積地であるホーチミンおよびその近郊のユーザーや販売代理店に向けた販売体制を整えることが必要だと判断し、今回新たに販売拠点を設立することを決定したもの。

 ホーチミン支店におけるユーザーや販売代理店への積極的なアプローチやきめ細かな技術サービスの提供を通じて、ベトナムおよびアセアン地域におけるアフターマーケットビジネスの拡大およびNTNブランド力の向上に取り組んでいく。

 NTNでは、稼ぐ力の向上を目指し、事業ポートフォリオの変革に取り組む中、特に利益率が高いアフターマーケットビジネスの拡大に注力している。生産委託や外部購入を活用した商品ラインアップの充実、売れ筋在庫管理システム「FIRST」の拡充などにより製品供給力を強化するほか、異常検知や状態監視により適切なメンテナンス計画の立案につなげるなど、ベアリングユーザーの機械を止めないエンジニアリング・サービスの提供を通じて、アフターマーケットビジネスの拡大およびNTNブランド力の強化を図っていく考えだ。

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ジェイテクト、高圧水素関連製品がポータブル水素カートリッジに採用

1ヶ月 2週 ago
ジェイテクト、高圧水素関連製品がポータブル水素カートリッジに採用kat 2024年10日02日(水) in

 ジェイテクトは、カーボンニュートラル達成に向けて注目を集める水素社会への貢献を目指し、トヨタ自動車が手掛けるポータブル水素カートリッジに「カートリッジバルブ」を提供した。

 

(左から)ポータブル水素カートリッジ(提供:トヨタ自動車)、カートリッジバルブ

 

 ジェイテクトグループは、製品と製造設備に関する要素技術や知見であるコンピタンスを一堂に集約したテクノロジープラットフォーム(テクプラ)を活用し、これらのコンピタンスを掛け合わせて社内や社会の困りごとの解決策を提案するソリューション共創センター(ソリセン)の開設を進めている。

  このカートリッジバブルは、より安全で快適な水素社会を実現するソリューションとして、ユーザーと仕入先との共創によって開発されたもの。

ソリセンとテクプラの紹介

 

 水素は使用時にCO2を排出しない次世代のエネルギーとして、脱炭素社会の実現に向けて普及が期待されており、ジェイテクトでは2002年より高圧水素事業に着手している。

 今回、これまで20年以上培ってきた技術開発と、2世代にわたる燃料電池車向け「高圧水素供給バルブ」と「高圧水素減圧弁」の世界トップレベルの量産実績(2022年12月末時点のジェイテクト独自試算で、高圧水素供給バルブの量産実績5.4万個以上、量産延べ走行距離7.9億㎞以上(≒地球2万周分相当))を生かして、ポータブル水素カートリッジに適応する高圧水素製品を開発したもの。

 開発したカートリッジバルブは、高圧水素が貯蔵されているタンクに装着され、高圧水素を燃料電池へ供給する製品で、水素を外部に漏らさない安全性と、ワンタッチ着脱を可能とするユーザーの操作性を両立している。

 手軽に水素を持ち運びできるポータブル水素カートリッジは、燃料電池と組み合わせた電源としての活用や水素を燃焼させる調理器など生活圏の幅広い用途の使用が期待される小型の高圧水素タンク。今後、モビリティや工場、生活圏内など、さまざまなシーンでの安全な水素利活用の実証が進められ、水素が日々の生活で気軽に使用されるエネルギーとなることが目指されている。

 ジェイテクトは今後も、「ジェイテクトの基本理念」の最上位に掲げる「地球のため、世の中のため、お客様のため」を実践し、カーボンニュートラル達成の一つの大きな手段である水素社会実現に向けて、トヨタグループとの共創により、高圧水素製品の開発を推進していく考えだ。

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ジェイテクト、低トルク円すいころ軸受LFT-Vの量産開始、いすゞ自動車の新型「MU-X」に採用

1ヶ月 2週 ago
ジェイテクト、低トルク円すいころ軸受LFT-Vの量産開始、いすゞ自動車の新型「MU-X」に採用kat 2024年10日02日(水) in in

 ジェイテクトは、2020年5月に開発を発表した、低トルク円すいころ軸受「LFT-V」の量産を開始した。本製品は、いすゞ自動車の新型「MU-X(ミュー・エックス)」に採用され、リアデファレンシャルに搭載される。

LFT-V

 

 本製品は、大型乗用車の燃費向上を実現し、CO2排出量の削減によるカーボンニュートラル達成への一助となるソリューションとしてユーザーに提案し、採用されたもの。

 ジェイテクトは、自動車のトランスミッションやデファレンシャルのピニオン支持などに使用される低トルク円すいころ軸受LFT(Low Friction Torque)®を1983年に開発。その後も内外輪軌道に特殊クラウニング形状を施したり、軸受内部に流入する潤滑油量を抑制したりするなど改良を重ね、低トルクニーズへのソリューションを提供してきた。

 そして2020年に開発したシリーズ最新のLFT-Vは、樹脂保持器形状の最適化で潤滑油の流入量を最適制御し、損失トルクをLFT-Ⅳ比で最大15%減を達成。加えて低昇温性の向上(最大10℃低減)、さらにはシリーズ最軽量も実現し、モビリティ産業に一層のソリューションを提供する軸受となっている。

 いすゞ自動車のMU-Xは、1t積みピックアップトラックD-MAXの派生車で、PPV(Pick-up Passenger Vehicle)セグメントに属する7人乗りの乗用ユースモデル。フレーム付きボディならではの悪路走破性と耐久性、牽引性能が高く評価され、タイやオーストラリア、南アフリカ、中東、中米など、世界60以上の国や地域で販売されている。

 今回の新型モデルは「Bold and Dynamic」をコンセプトにエクステリアデザインを変更、高級感とスポーティーさを強調した最上級グレード「RS(アールエス)」が新たに設定された。

 LFT-Vは、当該新型モデルのリアデファレンシャル用軸受として採用、その低トルク性能で、新型MU-Xの低燃費化とCO2排出量削減に貢献していく。

MU-X

 

デファレンシャル内のLFT-V搭載位置(イメージ)

 

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NTN、競技用車いす向け軸受を提供

1ヶ月 2週 ago
NTN、競技用車いす向け軸受を提供kat 2024年10日02日(水) in

 NTNは、車いす陸上競技の伊藤智也選手(バイエル薬品株式会社所属)と上与那原寛和選手(SMBC日興証券株式会社所属)に、これまで培ってきた自転車用軸受の技術やノウハウを活用し、競技用車いす向けに特別仕様に開発した軸受を提供する。

競技用車いす向けに特別仕様に開発した軸受

 

 同社は、自動車や各種産業機械のほか、電動アシスト自転車の駆動ユニット、ホイール、ボトムブラケット用に軸受を開発・提供し、環境に優しく、安全で快適な移動手段である自転車市場の発展を通じて環境負荷の低減にも貢献してきた。今回提供する軸受は、自転車の安全でなめらかな走行に貢献する当社の軸受技術やノウハウを活用し、両選手のために特別に開発したもの。

 同社は、2021年にも両選手に競技用車いすに使用されるホイール用軸受を提供しており、選手の走行姿勢やフィーリング、レース戦略などに基づき転動体や潤滑方法を選定し、何度も調整を経て、最適な仕様に改良することで、なめらかで安定した走行に貢献してきた。

 今回提供する軸受は、前回と同様、転動体をセラミックボールとし、潤滑方法をグリースから油に変更することで高いレベルで回転性能および低トルク性を実現した深溝玉軸受。軸受のホイールへの組み込みは、同社陸上競技部に所属し、長距離ランナーとしても活躍する若手エンジニアが担当し、同じアスリートとしてレースに臨む姿勢や1/100秒にかける思いなどを両選手と共有しながらチューニング作業を行った。

 NTNでは、軸受の提供を通じて長年数々の国際大会で輝かしい戦績を残しつつ、さらなる高みを目指す両選手のパフォーマンスを支え、誰もが生き生きとスポーツを楽しめる社会づくりに貢献していく。

伊藤智也選手(写真左)と上与那原寛和選手(写真右)

 

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エボニック ジャパン筑波工場、連続無災害記録35年を達成

1ヶ月 2週 ago
エボニック ジャパン筑波工場、連続無災害記録35年を達成kat 2024年10日02日(水) in

 エボニック ジャパンの筑波工場(茨城県稲敷郡)が、9月28日付で連続無災害記録35年を達成した。

 エボニック ジャパン筑波工場では、貴金属材料触媒を製造し、ファインケミカル、医薬中間体など、多岐にわたるアプリケーションに対応している。

 また、併設されている触媒とヘルスケア部門のテクノロジーセンターでは、世界各地にあるエボニックグループと連携を取りながら研究開発を行っている。
筑波工場は1989年9月に操業を開始して以来、環境・安全衛生・品質(ESHQ)に配慮した生産活動を実施し、連続無災害記録を継続している。

 筑波工場長の杉田芳博氏は、「工場設立以来、35年間にわたり無災害を継続できたのは、これまで業務・運営に携わってきた関係者の、長年にわたるたゆみない努力の賜物であると確信している。筑波工場では、従業員全員参加型のTPM活動を通して、不安全な個所の点検、その改善に継続的に取り組むことで、安全意識の向上を図ってきた。さらに、毎朝始業前に危険予知訓練(KYT)を行うなど、より安全な職場環境を実現するための活動を日々行っている。これらの活動を更に推進し、まずは来年、さらに40年の記録へ向かって、この安全文化を連綿と紡いでいきたい」とコメントしている。

 また、内藤吾朗社長は、「化学会社として、安全はすべてにおいて優先される。今回の長年にわたる無災害は、従業員一同の高い安全意識と、日々の積み重ねによって成し遂げることができた。このマイルストーンを通過点とし、改めて気を引き締め、次の記録達成に向けて安全活動に取り組んでほしい」と述べている。

エボニック ジャパン 筑波工場・テクノロジーセンター

 

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新東工業、“運びながら量る”で食品工場の省人化・省スペース化に貢献する技術

1ヶ月 2週 ago
新東工業、“運びながら量る”で食品工場の省人化・省スペース化に貢献する技術admin 2024年10日02日(水) in in

 新東工業( https://www.sinto.co.jp/ )は、食品工場の省人化・省スペース化を推進する独自技術「ダイナミック重量測定 by ZYXer🄬」の販売を開始した。

ダイナミック重量測定 by ZYXer イメージ。ロボットに力覚センサを搭載することで三次元動作中の重量測定が可能

 同品は業界初の力覚センサによる重量測定専用のシステムで、ロボットに業界最高水準の高精度「6軸力覚センサZYXer🄬」と独自に開発したプログラムを搭載することで、ロボットの三次元動作中でも高精度な重量測定が可能。これにより、これまで別々であった、ウェイトチェッカーによる計量工程と箱詰め・パレタイジング工程とを一つの工程に集約し、食品工場の出荷不良の低減、省人化、動線を短くすることによる省スペース化を実現する。

 また、6軸力覚センサZYXer🄬シリーズは、0.5gの分解能(1円硬貨(1g)の半分の重さが測定できる)をもつ高精度センサをはじめ多彩なラインナップを揃え、繊細な重量検知から重量物の測定まで多種多様なワークや用途への応用が可能。製品の箱詰めやパレタイジング時の欠品検知以外にも、選果や調味料の秤量などの用途での活用も見込んでいる。

 同社はロボットの計画選定から製造現場への導入まで一気通貫でのサポートもしており、アルミ包装対応の金属検出器「Tecnoeye®」との接続、前後の搬入出システムを含めたトータルソリューションでの提供も可能。また、産業用ロボット10台以上を取り揃えた同社テストセンターにおいて、顧客ごとに異なる被測定物に対する測定の精度や動作範囲の試験を実施し、ZYXerを搭載したシステムの導入を支援する。

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東京理科大学・佐々木研究室、第23回トライボサロンをハイブリッド開催

1ヶ月 3週 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第23回トライボサロンをハイブリッド開催kat 2024年09日28日(土) in

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://tribo-science.com/salon)の第23回目が9月28日、東京都葛飾区の葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

開催のようす

 
 トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。トライボロジーに関する情報交換、人材交流等を通し、関連技術の向上と発展に資することを目的に、次の活動を円滑に行えるよう運営に努めている。

 第23回目となる今回のトライボサロンでは、「HiPIMSを用いた水素フリーDLC膜の成膜技術に関する研究」のタイトルで、東京都立産業技術研究センター・徳田祐樹氏を講師に話題提供が行われた。

 講演では、高硬度・高平滑性の両立が求められるDLCコーティングの成膜技術として、大電力インパルスマグネトロンスパッタリング(HiPIMS)に着目。最適な磁場強度の制御による母材へのカーボン粒子のイオン化率向上による高硬度化などの研究を紹介し、HiPIMSを用いた水素フリーDLCの高硬度・高平滑性の両立の可能性を示した。

 なお、トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://tribo-science.com/salon

kat

bmt2024年9月号「特集1:工作機械」、「特集2:モビリティー」発行!

1ヶ月 3週 ago
bmt2024年9月号「特集1:工作機械」、「特集2:モビリティー」発行!admin 2024年09日24日(火) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第50号となる2024年9月号が9月25日に小社より発行される。

 今号は「特集1:工作機械」、「特集2:モビリティー」で構成。特集1「工作機械」では、JIMTOF2024の見どころを紹介しつつ、高速、高精度加工とともに省エネ・CO2排出量削減などが求められる工作機械とその可動を支えるベアリング&モーション技術(bmt)関連技術を紹介する。
 
 また、特集2「モビリティー」では、自動車の電動化を支えるオイル技術や、鉄道車両の運行の信頼性を支える軸受用グリース技術、モビリティーの可動を支える軸受技術などのbmt関連技術を紹介する。

特集1:工作機械

◇高精度・高生産性と省エネを両立するGreen-Smart Machineの提案・・・オークマ 久保 自然

◇工作機械における直動製品・システムの最近の話題・・・THK 星出 薫 氏に聞く

◇転がり軸受をベースとする高性能・環境対応の工作機械向けソリューション・・・日本エスケイエフ 新井 聡史 氏に聞く

◇11月5日~10日開催、JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)の見どころ・・・編集部

特集2:モビリティー

◇電動車用超低粘度トランスアクスルオイルの開発 ・・・トヨタ自動車 床桜 大輔

◇鉄道車両用潤滑グリースの最近の話題・・・鉄道総合技術研究所 鈴村 淳一 氏に聞く

◇鉄道産業におけるブッシュ・表面改質などトライボロジー手法の適用・・・HEF DURFERRIT JAPAN オリヴィエ モルヴァン 氏に聞く

連載

トップインタビュー・・・黒田 浩史 氏(黒田精工)

注目技術:第44回 表面改質の複合処理技術による表面課題の解決・・・表面設計コンソーシアム

あるコスモポリタンの区区之心 第20回 死海と微生物と鞭毛モーター・・・紺野 大介

トピックス

小船 昭氏(協同油脂 元社長・会長)のお別れの会が開催

TECHNO-FRONTIER 2024が開催

潤滑油協会、2024年度 潤滑油研究会を開催

雑誌ご購入

定期購読はこちらから

単号のみのご購入はこちらから(外部サイト)

 

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JIMTOF2024 アカデミックエリアのコンテンツ情報を公開

2ヶ月 ago
JIMTOF2024 アカデミックエリアのコンテンツ情報を公開kat 2024年09日20日(金) in

 世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)」(主催:日本工作機械工業会/東京ビッグサイト)が、11月5日~10日までの6日間、東京ビッグサイト全館を利用し、総展示場面積11万8540㎡で開催される。このほど、「アカデミックエリア」のコンテンツ情報の詳細を公開した。

 JIMTOF2024では、南4ホールに学生を対象とした「アカデミックエリア」を新設、ものづくり業界の次世代を担う学生と出展者をつなぐことで、ものづくりの世界に興味を持ってもらうとともに、将来の進路選択の参考や就職活動に役立つ情報提供を行う。出展企業の総務・人事担当者と直接交流できる「キャリアマッチングスクエア」や、工作機械業界への知見を深められる体験型コンテンツをはじめとした「企画展示」、工業系の大学をはじめ53機関の研究発表が一堂に集まる「IMEC ポスターセッション」、そして、多目的ステージに併催された「オープンカフェ」は、ドリンクサービスと高速Wi-Fiを完備し、リラックス空間として活用することができる。


 アカデミックエリアの各コンテンツの詳細については、JIMTOF2024公式HP(https://jimtof.org/jp/evt_stu.html#academic)に公開する。

 各コンテンツの概要は以下のとおり。

 

キャリアマッチングスクエア

 JIMTOF2024出展企業の総務・人事担当者と直接交流し、最新の業界動向や就職情報を得ることができる。理系文系を問わず参加可能。

 

学生ブースツアー

 工作機械業界に関心を持つ学生を招き、ツアー形式で会場内の各ブースを順番に案内する(事前予約制)。
※詳細は別途公式HPで案内

 

企画展示

 「MACHINE TOOLS INFINITY」と題し、工作機械業界やものづくりの知見を深める四つのテーマで構成。業界の可能性を肌で感じ取ることができる体験型コンテンツも用意。

 

オープンカフェ

 高速Wi-Fiやドリンクサービスを用意したユーティリティスペースで、来場者であれば誰でも利用することができる。

 

多目的ステージ

 オープンカフェ内に設置されており、学生に加え、業界関係者や一般来場者も対象に、出展企業や工作機械関連業界のミニセミナー、著名講師やユーチューバーによるスペシャルトークショーなど、多彩なプログラムを用意。

 

EPA相談デスク

 経産省から「EPA相談デスク」業務を委託されている東京共同会計事務所がブースに常駐。出展者・来場者からのEPAに関する悩みごとに対応する。

 

国際ICブース

 世界各国の工作機械工業団体が集結し、海外の工作機械業界の研究に役立てることができる。

 

IMECポスターセッション

 国内外の大学などの研究成果をポスター形式で見学することができる。

kat

11月5日~10日開催、JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)の見どころ紹介

2ヶ月 ago
11月5日~10日開催、JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)の見どころ紹介 in kat 2024年09日20日(金) in JIMTOF2024の概要

 世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2024(第32 回日本国際工作機械見本市)、」(主催:日本工作機械工業会/東京ビッグサイト)が11月5日~10日の6 日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで、全館を利用し総展示場面積11万8540m2の規模で開催される。今回のコンセプトは「技術のタスキで未来へつなぐ」。

 JIMTOFは、工作機械やそのあらゆる周辺機器が一堂に会する、ものづくりの総合見本市であり、かつ最先端の技術・製品が世界中から集結する、世界最大級の国際技術ショー。1962年の初開催以降、2年に一度開催され、今年で32回目を迎えるJIMTOF2024では、工作機械、鍛圧機械、工作機器、機械工具(切削工具、耐摩耗工具)、ダイヤモンド・CBN 工具、研削砥石、歯車・歯車装置、油圧・空気圧・水圧機器、精密測定機器、光学測定機器、試験機器、CAD/CAMなど、広範囲の製品分野において、各出展者のさまざまな最新の製品、技術が紹介される。JIMTOFは、製造業で活用される各種製品分野の最新情報を入手できる展示会として定評がある。

 ここでは、JIMTOF2024開催期間中に実施される、講演会やセミナー、トークセッション、企画展示などの主要なプログラムの概要を紹介する。
 

「技術のタスキで未来へつなぐ」のコンセプトをデザインしたJIMTOF2024バナー

 

アカデミックエリア

 JIMTOF2024では、南4ホールに学生を対象とした「アカデミックエリア」を新設する。ものづくり業界の次世代を担う学生と出展者をつなぐことで、ものづくりの世界に興味を持ってもらうとともに、将来の進路選択の参考や就職活動に役立つ情報提供を行う。また、楽しみながら、工作機械業界への知見を深められる体験型コンテンツを提供する企画展示やステージイベントなどの各種企画を実施する予定となっている。

 

講演会・セミナー 基調講演

11月5日

会議棟7階 国際会議場

「ものづくりに夢を!THKが挑戦する新発想EV」講演者:THK 代表取締役会長CEO 寺町 彰博 氏、SN DESIGN PLATFORM(SNDP) 代表取締役CEO 中村史郎 氏…THKが世界で初めて開発した工作機械の重要な構成要素である直動転がり案内LM ガイド。このLMガイドやボールねじの技術を磨き上げ、独自開発のEV向け先進技術を搭載したEV プロトタイプ「LSR-05」をジャパンモビリティショー2023で公開しているが、ここでは、元日産自動車、現SNDPの中村史郎氏とともに、これまでの道のりや今後の展望を語る。


特別講演

11月6日

会議棟1階 レセプションホール

「モノづくりは 人づくり」講演者:トヨタ自動車 Executive Fellow 河合 満氏…カーボンニュートラルやデジタル変革で激動の時代を迎えている製造業。そのような中、我々が常に大切にすべきことは「いつの時代も人を磨いておくこと」。現場一筋、常に現場と向き合ってきた経験から、ものづくりにおける人材育成の大切さについて発信する。

11月8日

会議棟7階 国際会議場

「前田建設ファンタジー営業部における異業種共創の具体例~JSOLと共にオープンイノベーションのマネジメントを考える~」講演者:前田建設工業 執行役員 ICI総合センター長/日本大学理工学部交通システム工学科 客員教授 岩坂照之氏、JSOL エンジニアリング事業本部 課長 小田穂高氏、JSOL エンジニアリング事業本部 天野 慎一氏…前田建設ファンタジー営業部は2003年に異業種共創の広報活動として始まり、舞台や映画になる成果を上げた。そのマネジメント手法を共創相手のJSOL社員とともに無から有を生む発想法の具体例として語る。

11月10日

会議棟1階 レセプションホール

「宇宙ロボットのものづくり」講演者:宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙技術センター 技術領域主幹 大塚聡子氏…月や火星開拓を目標に人類の宇宙活動領域が広がり、これらの有人宇宙活動を支える宇宙ロボットが、軌道上で活躍している。これらの宇宙ロボットの概要や開発の流れなどを含めて、宇宙機器のものづくりについて紹介する。

「Women in STEMの日常」講演者:宇宙航空研究開発機構(JAXA) 有人宇宙技術センター 技術領域主幹 大塚聡子氏、IHI 航空・宇宙・防衛事業領域 ロケット開発事業推進部 主査 石原咲子氏、アストロスケール 航法誘導制御エンジニア 岩澤ありあ氏、日本大学 理工学部航空宇宙工学科 准教授 高橋晶世氏、山口大学 講師 坂野文菜氏、IHIエアロスペース 経営企画部 事業開発グループ 主幹 福永美保子氏…ものづくりに関わる女性技術者・研究者は、いかにしてその道を選択したのか、日々、どのような生活を送っているのか、何を目指しているのか。大学/企業/ベンチャー/研究機関などに所属するパネリストの討論を通じて、ものづくりに関わる手がかりを掴んでもらいたい。
 

JIMTOF2022での講演会のようす企画展示

南展示棟4階 南4ホール

「マシンツール・インフィニティ∞ ~無限の可能性を切り拓く工作機械の世界へようこそ~」…今回は、「アカデミックエリア」とコラボする形で、楽しみながら、工作機械業界への知見を深め、業界の可能性を肌で感じ取れる体感型コンテンツを多数用意している。
展示・体感コンテンツの一例

・「工作機械 × 未来のMobility」、「工作機械×安心安全」:独自開発のEV プロトタイプ「LSR-04」、免震体験車(協力:THK)

・「工作機械 × 動かす」:汎用旋盤による加工体験(協力:都立職業能力開発センター)、CAMプログラミング体験(協力:松浦機械製作所)

・「工作機械 × リアル下町ロケット」:ものづくりZ ―固い意志と柔軟発想が生み出したプロジェクト秘話―(協力:社由紀精密)
 

JIMTOF2022での企画展示のようす

 

IMEC2024(第20回国際工作機械技術者会議)

オーラルセッション

11月7日12:30~18:00

11月8日13:00~18:00

会議棟1階 レセプションホールA

総合テーマ:未来の社会を拓く製造技術

「持続可能な社会に向けた製造業の課題と将来」、「デジタル技術で変わる製造現場の未来」、「たゆみなく進化する自動化技術」、「新しい価値を創成する加工技術」の計4セクションにて、国内外の多彩な講師陣より最新技術動向について講演がなされる。

ポスターセッション

11月5日~11月10日

南展示棟4階 南4ホール

 国内外の大学・研究機関等のエ作機械関連研究成果について、ポスター形式にて発表する「ポスターセッション」を南展示棟4階 南4ホール内にて実施する。11月7日、8日、9日の9:00~12:00 の予定で、参加機関の説明員が常駐する。

学生向けセミナー

会議棟7階 国際会議場

11月9日12:30~15:30

 学生向けセミナーとして、「工作機械トップセミナー」を開催する。工作機械メーカーの経営者や若手エンジニアより、ものづくりの最先端で活躍する工作機械の重要性と魅力、工作機械産業で働くことの素晴らしさを分かりやすく紹介する。セミナー終了後に懇談会を実施する予定。

 

Additive Manufacturing Area in JIMTOF2024

 JIMTOF2024の特別併催展として、AM/3D プリンティング関連製品・技術が一堂に会する「Additive Manufacturing Area in JIMTOF2024」を南展示棟1階で開催する。主催者セミナー会場では、日替わりでAM/3D プリンティングに関するさまざまなセミナーが実施される(図4)。その他にも、出展者ワークショップや主催者企画の展示が行われる。
 

JIMTOF2022でのAM/3D プリンティング関連のセミナーのようす

 

YouTube チャンネル「JIMTOF INSIGHTS(ジムトフ・インサイツ)」

 JIMTOFでは工作機械業界を中心としたものづくりに関するテーマを広く取り上げるYouTube サイト「JIMTOF INSIGHTS」(https://www.youtube.com/@JIMTOF-INSIGHTS)を公開している。JIMTOFへの来場誘致に加え、ものづくり業界の次代を担う学生に対しても、広く認知度向上を図る。
すでに、第1回目として公開する動画「超精密から超大型まで 芝浦機械工場見学(前編)」では、「超精密」をテーマに、JIMTOF2024出展者である芝浦機械の工場を紹介。また、第2回目としては「超大型」をテーマとした芝浦機械工場見学の後編動画をはじめ、ものづくりの楽しさを伝える動画の継続的な掲載を予定している。

 またJIMTOF2024の会期中には、南4ホールに新設されるアカデミックエリアの多目的ステージにおいて、動画コンテンツと連動した企画が実施される。
 

JIMTOF INSIGHTS

 

JIMTOF2024 技術のタスキで未来へつなぐ

 今回のJIMTOF2024では上述のとおり、ものづくりの世界をさまざまな角度から紹介する多彩な併催イベントを開催するが、特に南4 ホールに、文系・理系を問わず学生を幅広く対象とした「アカデミックエリア」を新設する。ものづくり業界に興味・関心がある次世代を担う学生と出展者をつなぎ、ダイレクトなコミュニケーションを図れる場などを提供する。加えて、南展示棟1 階において、特別併催展「Additive Manufacturing Area in JIMTOF2024」を実施する。

 すでに9月2日から公式ウェブサイト(https://jimtof.org/)において事前入場登録の受付を開始しているので、早めに登録していただき、要素技術を含めた工作機械の最新技術に触れていただくとともに、今回のコンセプトである「技術のタスキで未来へつなぐ」を象徴する次世代につなぐさまざまな取り組みをご覧いただきたい。

kat
Checked
19 分 59 秒 ago
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