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NTN、4/3と4/5にリニア・鉄道館で「NTN回る学校」を開催

1年 ago
NTN、4/3と4/5にリニア・鉄道館で「NTN回る学校」を開催kat 2023年03日18日(土) in

 NTNは4月3日と5日に名古屋市港区のリニア・鉄道館で、親子向けの特別イベント「NTN回る学校」を開催する。新幹線にも使われているベアリングの組み立てなどを通じて仕組みやその役割について楽しみながら学べる。なお、同館では「ベアリングの“わざ”~国産ベアリングの進化と役割~」と題し、ベアリングの歴史や生活との関わりなどに関する技術展示も開催している。

 

 NTN回る学校のプログラム内容は以下のとおり。

・ベアリングの組み立て体験

 外輪、内輪、保持器、ボールを組み合わせてベアリングの組み立てに挑戦。初めてベアリングを見る方も、ベアリングの構造や仕組みについて学ぶことができる。

ベアリングの組み立て体験のイメージ

 

・回る楽器職人

 ベアリングを使って、なめらかに回る回転台に鉄琴を組み合わせて、オリジナルのメロディとリズムを作ることができる。

回る楽器職人のイメージ  ・まさつ低減体験

 “ころ”を床に敷いた場合と敷かない場合では、人を運ぶ力はどれほど変わるのか。ベアリングが減らす摩擦について学ぶことができる。

まさつ低減体験のイメージ


 

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NTN、健康経営優良法人2023 大規模法人部門(ホワイト500)に3年連続で認定

1年 ago
NTN、健康経営優良法人2023 大規模法人部門(ホワイト500)に3年連続で認定kat 2023年03日18日(土) in

 NTNは、優れた健康経営を実践している企業として、経済産業省と日本健康会議より「健康経営優良法人2023 大規模法人部門」の上位500法人である「ホワイト500」に認定された。同社の認定は3年連続となる。

 本調査は、企業の健康経営の取組みを、「経営理念・方針」や「制度・施策実行」、「組織体制」などの観点から評価する。同社は今回、経営層の健康課題に対する姿勢や会社の推進体制などを評価する「組織体制」の項目では、機械業種の企業の中でトップクラスの評価を受けた。

 同社では、これからも健康経営の推進に経営層と従業員が一体になって取り組み、健康面から生産性やモチベーションの向上を図り、すべての従業員がその能力を最大限発揮できる職場環境づくりを進めていく。

 同社は、従業員とその家族の健康が同社グループの持続的成長の基盤であるとして、取締役会や経営会議などの経営層による重要会議においても健康経営を議題に挙げるなど、積極的に諸施策を実施している。近年は従業員の喫煙率を2023年度までに20%以下にすることを目標に禁煙に関する取組みを強化、従業員が禁煙に挑戦しやすいよう、ニコチンパッチの費用を会社が一部負担する禁煙チャレンジ制度を整備している。2022年は、各事業所の安全衛生担当者が5月31日の禁煙デーと10月の全国労働衛生週間に合わせて、全国の事業所で「禁煙呼びかけ活動」を実施し、喫煙リスクに関する情報を掲載したビラ「禁煙エクスプレス」を配布し、喫煙しない従業員も含めた全従業員へ禁煙に関する啓発活動を実施した。

 このほか、同社では国内の全従業員を対象に運動習慣や禁煙への関心度、健康への満足度などに関する「ライフスタイル調査」を定期的に実施。2022年は従業員が出勤しているにもかかわらず心身の不調により完全な業務パフォーマンスが出せない状態である「プレゼンティーイズム」やワークエンゲージメントに関する質問項目を設け、従業員の生産性や組織の活性度についても新たに調査した。本調査で収集されたデータを活用し、より効果的な健康経営施策の立案に役立てていく。

禁煙呼びかけ運動

 

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ナノコート・ティーエス、トライボロジーラボの機能を刷新

1年 ago
ナノコート・ティーエス、トライボロジーラボの機能を刷新kat 2023年03日14日(火) in

 ナノコート・ティーエス(https://www.nanocoat-ts.com)は2022年11月、東京本社およびトライボロジーラボを東京都立川市に移転した。PVD(物理蒸着)コーティングの精密部品・精密加工金型、自動車部品などへの適用を進める営業の体制を東日本で強化するとともに、DLC膜などの開発/不良解析を目的とした受託試験サービスの拠点である「トライボロジーラボ」の機能刷新による受託試験の増強を図っている。

トライボロジーラボのスタッフ一同
左から、生田啓一氏、熊谷 泰社長、川本秀士氏、庄子健一氏、坂下武雄氏

 

 トライボロジーラボ機能刷新の最大のポイントは、同社が属するHEFグループが1960年代に開発した摩擦摩耗試験機「HEF TRIBOMETER」の、大幅なシステム系統の見直しだ。HEF TRIBOMETERは機械の剛性が高く、ラボスケールから実機条件に近いパイロットスケールまで、種々のトライボロジー試験が行える。

 今回は特に自動車分野や航空宇宙分野などから要求の高い高速・高荷重の試験が実施できるよう、試験片の回転速度を従来の3000rpm から5000rpmへ、試験片への負荷荷重を従来の1000Nから 2000Nへと高めた。

 新システムには、低慣性タイプで高頻度位置決め運転や高加減速運転に最適な主軸用ACサーボモータ「HG-JR503K」(三菱電機製)と、各2個の揺動モータと負荷モータを一つのコントローラーで動かせるステッピングモーター「αSTEP AZシリーズ」(オリエンタルモーター製)を搭載。タッチパネルを用いて試験条件を設定すると、シーケンス制御により上記5点のモータが個別に制御され、セットされた試験片に対し設定された雰囲気、負荷荷重、速度条件で摩擦摩耗試験が自動で行われる。試験片に合わせたアタッチメントのカスタムメイドにも対応している。

 上述のトライボメータ試験モジュールに加え、「FALEX(ファレックス)試験モジュール」も10月をめどに稼働できるよう準備を進めている。そのほか、水素雰囲気中での試験モジュールも構築できるという。

機能が刷新されたHEF TRIBOMETER


 トライボロジーラボではまた、自社製造で外販も行う表面清浄度測定器「コロナサーフ」がWindows10での計測制御・データ解析ができるようバージョンアップ、使い勝手が向上し貸し出しも始める予定。コロナサーフは、コロナ放電によって電荷を付与する前後の、母材の表面電位(仕事関数)の変化を振動容量法(ケルビンプローブ)で非接触測定し、母材表面の汚染(酸化)度合いを定量評価。洗浄プロセスの開発や生産ラインでの部品表面の清浄度管理、成膜前処理管理などにも利用できるほか、DLC被膜の表面電子構造の評価・品質管理にも利用されている。

バージョンアップされたコロナサーフ

 

 また、大阪大学名誉教授・井澤靖和氏が開発した「非破壊・非接触DLC膜厚測定装置」も設置。分光干渉方式の応用でDLC膜の膜厚が非接触・高精度に短時間で得られる。三次元形状のサンプルの膜厚やパイプ内径上のDLC膜の膜厚も測定できるほか、膜厚分布状態の把握ができ成膜プロセスの最適化が図れる。

非破壊・非接触DLC膜厚測定装置


 

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振動摩擦摩耗試験機SRVのユーザーズミーティング開催、新分野での評価事例を紹介

1年 ago
振動摩擦摩耗試験機SRVのユーザーズミーティング開催、新分野での評価事例を紹介kat 2023年03日13日(月) in in

 ドイツなど欧州、日本、中国などにおいて、潤滑剤や自動車向けトライボロジー試験機のデファクトスタンダードとなっている振動摩擦摩耗試験機「SRV®」の「2023年ユーザーズミーティング」が、SRV®国内総販売代理店のパーカー熱処理工業川崎事業所での対面開催とオンライン参加からなるハイブリッド形式により開催された。

 当日はSRV®試験機製造元の独Optimol Instruments Prüftechnik社(Optimol社)Managing DirectorのGregor Patzer氏から、「Competence in tribological modeling, simulation and analysis―Today’s technology for tomorrow’s challenges―」と題して話題提供がなされた。

話題提供を行うPatzer氏(右)と通訳を務めるパーカー熱処理工業・越智直行氏

 

 まず、アプリケーション指向の試験機としてユーザーの実部品を実使用に近い環境で試験でき、正確で再現性の高い試験結果が得られる最新機種「SRV®5」について、オシレーションセットアップおよびローテーションセットアップと、オシレーション・ローテーション両方の動きを模擬できることや、アコースティックエミッション(AE)測定を利用して潤滑下および無潤滑下での硬質薄膜DLC(ダイヤモンドライクカーボン)の品質評価やスクリーニング試験が可能なこと、電気接触抵抗による油膜厚さの変化がモニタリングできること、といった自由度の高い装置であると紹介した。

 また、二つのディスクを独立制御でき高荷重下(ヘルツ接触応力P0max~4.2GPa)での転がり滑り接触(滑り率0~100%)における潤滑剤やコーティングなどの試験に最適で、転がり接触下での摩擦力となじみ効果の可視化評価や疲労ダメージ進行の評価などが可能な「2DISK試験機」や、デスクトップ型トライボメータでありながら、再現性が高く、試験実行中にμmレベルで摩耗量を表示できる「Easy Tribo Screener(ETS)」を紹介。

 続いて、SRV®5をはじめとするOptimol社の試験機の最新技術と、試験評価の需要が高まってきている電気自動車や風力発電装置といった新しいアプリケーションでの評価事例を紹介した。

 電気自動車関連の評価としては、ギヤユニット中のジャーナルベアリングの摩耗評価において、例えば50N、100N、150Nと荷重を変化させるステップを自動ループできる(50N、100N、150N→50N、100N、150N→50N…)、SRV®5の新機能「ループファンクション」を用いることで、Stop & Goでの摩耗をシミュレートできると説明した。ループファンクションでは、荷重だけでなくストロークや温度も自動ループできる。また、電気自動車用フルード(Eフルード)の電気特性評価では、SRV®5の電気抵抗オプションを利用することで油膜が形成されているかが確認できるとした。

 風力発電装置関連では、2DISK試験機を用いることで、高速・高荷重で稼働する増速機向けベアリングなどでの疲労や摩耗をシミュレートできるとした。また、増速機のマイクロピッチングなど、ギヤ油の評価において一般的だが試験時間が長くコストのかかるFZG試験の試験時間を短縮し開発コストを削減できる「スクリーニング試験」としてのSRV®5の有用性について述べた。
さらに、水素環境をシミュレートできるSRV®5用のチャンバーも開発しており、燃料電池の部品や水素エンジン車の部品の評価などにも対応できることをアピールした。

 Patzer氏による話題提供に続いて、SRV®5およびETSを用いたデモンストレーションが実施された。

ETSのデモンストレーションのようす

 

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ハイウィングループ、国際的な環境イベント「アースアワー2023」に参加

1年 ago
ハイウィングループ、国際的な環境イベント「アースアワー2023」に参加kat 2023年03日10日(金) in

 日本法人を含むハイウィングループは日本時間の3月25日、社会貢献活動の一環として国際的な環境イベント「アースアワー2023(EARTH HOUR 2023)」に参加する。このイベントは、世界中の人々が同じ日、同じ時刻に消灯することで地球温暖化防止と環境保全の意思を示す世界最大の環境アクションで、昨年に引き続き2年連続での参加となる。この取組みは日本を含む世界9ヵ所のハイウィングループの拠点でも行われ、消灯による二酸化炭素排出量の削減効果も試算するなど、グループ全体として気候変動という課題に向き合い、持続可能な環境を維持する姿勢を示すもの。

神戸本社敷地内にて消灯する主な箇所

 

 日本法人では、日本時間の3月25日20時30分~21時30分に神戸本社や神戸物流センターの敷地内照明を消灯する予定で、従業員に対しても、消灯して映画を鑑賞する、屋外で星を眺める、ろうそくの灯りで過ごす、日の入りとともに就寝するといった、自宅での消灯行動による積極的な参加を呼びかける。

 ハイウィンではグループを挙げてESG取組みを推進しており、日本法人の事業活動においてもCO2排出量削減などの取組みを進めている。また幅広いラインアップを有する同社製品による油空圧機器からの電動化の推進など、ユーザーの事業における環境負荷低減をサポートすることも、環境活動の一つとして掲げている。

 ハイウィンでは、「今後も世界における産業の進化や省エネを推進する製品やサービスを継続的に開発・製造し、次世代ものづくり業界を支える企業として産業発展に貢献していく」とコメントしている。

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エボニック、日本アエロジル四日市工場にリチウムイオン電池向けフュームドアルミナ製造プラントを新設

1年 ago
エボニック、日本アエロジル四日市工場にリチウムイオン電池向けフュームドアルミナ製造プラントを新設kat 2023年03日08日(水) in

 独エボニック インダストリーズは、 グループ会社である日本アエロジルの四日市工場敷地内にフュームドアルミナを製造する新プラントを建設する。アジア初のフュームドアルミナ製造プラントとして、電気自動車に使用されるリチウムイオン電池向けのソリューションを提供していく。

日本アエロジル四日市工場

 

 数十億円規模の投資による新プラントは、2023年夏に着工を予定。操業開始は2025年を目指しており、地元地域の雇用も創出する。これにあたり、日本アエロジルは、三重県を立会人とし、四日市市と企業立地協定を締結した。

 エボニックでは、グリーン成長への投資と、サステナビリティをイノベーションの中核にすることを目標としており、2030年までにNext Generation Solutions(次世代ソリューション)への30億ユーロ以上の投資を目指している。エボニック スマートマテリアルズ部門の責任者であるローレン・ケルセン氏は、「その戦略の一つが、スマートマテリアルズ部門が提供する電気自動車向けバッテリーテクノロジーのソリューション。本投資により、より持続可能で革新性の高いソリューションを提供し、アジアのバッテリー業界の成長と顧客をサポートしていく」と語っている。

 また、エボニック シリカ事業部の責任者であるエマニュエル・アウアー氏は、「当社はリチウムイオン電池を製造する顧客に、性能の向上とさらに高いベルの安全特性を提供することに注力している。次世代リチウムイオン電池の超薄膜セパレーターコーティング用の酸化アルミニウムであるAEROXIDE®は、電気自動車の走行距離をさらに長く、また、バッテリーの安全性と急速充電の性能も向上させる。このソリューションは、リチウムイオン電池のエネルギー密度を高め、耐久性の向上に貢献する」と述べている。

 アジアでは、電気自動車向けの次世代バッテリーと粉体塗料の市場が拡大している。エボニック シリカ事業部APAC地域責任者であるスザンネ・ラインハルト氏は、「この拡張投資により、リチウムイオン電池市場の成長を加速させ、中国、日本、韓国で急成長しているバッテリー業界の顧客への製品供給に対応していく」と語る。

 日本アエロジルは、エボニックと三菱マテリアル社の合弁会社として、四日市工場で50年以上にわたりフュームド酸化物を製造、長年の経験を持つ。中国、日本、韓国向けに製品を安定供給していることから、今回、新たなプラントに相応しい拠点として選ばれた。この投資は、エボニックの日本に対するコミットメントを強調するもので、アジアへの高い供給信頼性を保証する。

 過去数年間、エボニックは最新のシリカ製造設備への投資と、事業のさらなる強化のために世界規模で戦略的買収を継続的に行ってきた。フュームド酸化アルミニウムの生産拡大は、世界8ヵ所の生産拠点ネットワークの一部であり、特殊用途の戦略的成長計画の重要なマイルストーンとなる。

 エボニックはシリカのグローバルリーディングカンパニーとして、フュームド シリカAEROSIL®と湿式シリカULTRASIL®、SIPERNAT®、ZEODENT®、SPHERILEX®に加え、ACEMATT®のブランド名でシリカベースの艶消し剤を製造しているほか、フュームド金属酸化物をAEROXIDE®のブランドで製造している。

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THK、製造業向けIoTサービスに、回転部品向けAI診断サービスを追加

1年 ago
THK、製造業向けIoTサービスに、回転部品向けAI診断サービスを追加kat 2023年03日08日(水) in

 THKは本年3月から、製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」(https://www.thk.com/omniedge/jp)の回転部品向けソリューションに続く、新たなAI診断サービス(ADV)の提供を開始した。AIがポンプやモータ、ファン、ギヤボックスといった回転部品の異常や故障を推定、推奨メンテナンス内容までを提示する。

回転部品向けAI診断サービス(ADV)の構成図


 工場のプロセスオートメーションに欠かせないモータ、ポンプ、ファンなどの回転部品のメンテナンスは、工場1拠点だけでも膨大な量に及び、保守保全には日々の定期巡回が伴う。また、異常を検知するセンサは、しきい値の設定が各回転部品によって異なり、さらに膨大な数の各種パラメータの設定に担当者が追われることで、結局は適切なしきい値設定には至らないまま運用するのが現状となっている。そこでTHKでは、回転部品の状態がヘルススコアから分かるAI診断サービス(ADV)を回転部品向けソリューションに追加したもの。

 ADVにはヘルススコアを算出するアルゴリズムが採用されており、ユーザーがこれまで苦労してきたしきい値設定が一切不要となり、代わりにADVで振動・温度のデータからヘルススコアを算出して回転部品の状態を判断できる。ADVが故障モードの推定と故障モードに合致した推奨メンテナンス内容を簡単・手軽に保全担当者へ提供することで、膨大な量に及ぶ回転部品の保全活動を劇的に変化させる。他にも、メンテナンス前後のデータ変化の相関をレポートに作成して、提示することが可能となる。

 従来のリモート監視機能とADVを併行することで、巡回工数の軽減、最適なメンテナンス時期の見極めと実施、メンテナンスレポート作成工数の削減といった相乗効果が期待できる。

 THKでは、「センサ提供だけにとどまらずAIを使った様々なサービスを手掛けることで、顧客とのエンゲージメントをより強固なものへと高めていく。さらに、製造現場で発生するロスを削減して設備総合効率(OEE)の最大化に貢献するIoTソリューションを提供していく」としている。

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東京理科大学・佐々木研究室、第7回トライボサロンをハイブリッド開催

1年 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第7回トライボサロンをハイブリッド開催kat 2023年03日04日(土) in in

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://tribo-science.com/salon)の第7回目が3月4日、東京都葛飾区の葛飾キャンパスでの対面参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

対面開催のようす

 

 トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催しされている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。トライボロジーに関する情報交換、人材交流等を通し、関連技術の向上と発展に資することを目的に、次の活動を円滑に行えるよう運営に努めている。

 第7回目となる今回のトライボサロンでは、出光興産 上席研究員の成田恵一氏が、「変速機のトライボロジー」をテーマに話題を提供した。

 話題提供の後は交流会が設けられ、サロンメンバーによる活発な情報交換・意見交換がなされた。

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エボニック、FSCMプロジェクトにスペシャルティケミカルの専門知識を提供

1年 1ヶ月 ago
エボニック、FSCMプロジェクトにスペシャルティケミカルの専門知識を提供kat 2023年02日21日(火) in

 独エボニック インダストリーズは、BMWが立ち上げた「未来志向のサステナブルな自動車素材(Future Sustainable Car Materials、FSCM)」プロジェクトに協力し、プラスチックおよびリサイクル用添加剤の専門知識を提供する。

 FSCMプロジェクトは、バリューチェーンの大部分にわたる革新的なプロセスルートと、材料に関するコンセプトを開発し、自動車の製造工程における循環型経済を実現することを主な目的としている。昨年末に発足したFSCMプロジェクトは、BMWグループ、エボニック、ティッセンクルップ、フラウンホーファー研究所、ミュンヘン工科大学など、19の大手企業および研究機関によるコンソーシアムにより進められている。参加企業・研究機関は、自動車製造における循環化を目指し、サステナブルな材料を使用するための新たなプロセスの開発を目標に掲げている。また、本プロジェクトはドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)から3年にわたり資金援助を受ける。

 エボニック スマートマテリアルズ部門の責任者であるローレン・ケルセン氏は、「業界のリーダーや国際的に知られる研究機関からなるこの先駆的なコンソーシアムは、未来の自動車産業におけるサーキュラー・プラスチックソリューションの開発に取り組んでおり、当社のスペシャルティケミカルの専門知識を提供できることを嬉しく思う」と述べている。

 循環型経済の原則では、材料が耐用年数を迎えた後もバリューチェーン内にとどめ、化石資源を使わずに自動車部品などの新しい物を生産できるようにする必要があるが、品質と安全性のレベルを維持しながら材料を循環させることは極めて困難となっている。

 エボニックのグローバルサーキュラー・プラスチックプログラムの責任者であるパトリック・グロクナー氏は、「当社のメカニカルリサイクルの専門家は、リサイクル業者と密接に協力して、耐用年数を迎えたプラスチック部品から塗料を剥がすなどの洗浄方法の整備に取り組んでいる。また、配合設計技術者と協力して、新しい自動車部品にリサイクルプラスチックをできるだけ多く使用するソリューションを開発している」と述べる。

 コンソーシアムとして協力体制を築くことで、課題を迅速に特定し、解決策を共同で生み出すことができるが、FSCMプロジェクトの参加メンバーは、自動車製造が非常に複雑なことから、得られた知識が将来的に商用車や電気製品、家電製品など他の工業製品にも応用でき、ドイツ経済の循環型経済システムにとって強力な原動力になると期待している。

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日本粉末冶金工業会、新年賀詞交歓会を開催

1年 1ヶ月 ago
日本粉末冶金工業会、新年賀詞交歓会を開催kat 2023年02日17日(金) in in

 日本粉末冶金工業会(JPMA)は1月19日、東京都港区のインターコンチネンタル東京ベイで、「令和5年 新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日はまず伊井 浩JPMA会長(ダイヤメット社長)が挨拶に立ち、「粉末冶金業界は自動車産業の成長とともに安定した成長を遂げ、自動車1台あたりの粉末冶金製品の使用量は20年前に比べると1.35倍と拡大している。しかし近年は、電気自動車の市場拡大など、粉末冶金業界の主要市場のエンジンが失速していくという、100年に一度の大変革の真っ只中にある。その厳しい現実を直視して粉末冶金の活躍できる、新たな市場、新たなアプリケーションを開拓するのが、粉末冶金の喫緊の課題。粉末冶金が有するニアネットシェイプや大量生産性、金属粉末の配合を自由に組み合わせられることなどの基本的な特性に加え、工程が比較的シンプルなため原料やエネルギーを抑えることができる環境にやさしい工法といった唯一無二の特性を見つめ直しその長所をさらに磨くことで、粉末冶金の可能性を広げ、新たな製品の創出、新たな市場の開拓が実現できると確信している。来年10月に粉末冶金国際会議「PM2024」が横浜で開催されるため、今年はその準備の1年となる。アジア地区での開催は前回横浜での開催以来12年ぶりで、アジア地域はもちろん、世界中から粉末冶金に携わる多くの方々が来日し、粉末冶金の将来の可能性、未来について議論し情報を共有できる良い機会となる。そのような場を提供する責務を感じつつ、PM2024の成功に向けて各位の協力をお願いしたい。本年は経産省に支援いただいている取引適正化の活動をさらに強化して継続するほか、カーボンニュートラルに関する共通課題への業界としての取組みなど重要課題に対して一定の成果をあげられるよう、活動を加速させたい。経産省においては、DX、GX実現のための具体的政策の立案が進展していると聞く。引き続き素形材産業質の支援・指導をお願いしたい。今年は兎年。卯の刻は午前5~7時、まさに日の出とともに1日が始まる時間。夜が明けて新しい1日、1年が始まることを示す。粉末冶金業界も今までとは違った価値を創造することで新たな市場へと踏み出す一歩となるような1年にしたい」と力強く挨拶した。

挨拶する伊井JPMA会長

 

 粉体粉末冶金協会(JSPM)の園田修三会長(福田金属箔粉工業 社長)は、「粉末冶金製品の取引先である自動車業界はCASE革命、100年に一度の大変革期を迎えまた昨今の半導体不足や部品不足などから減産を余儀なくされるなど、過酷な状況が続いている。そうした一方で粉末冶金製品には一層高い性能が要求されてきている。ニーズとしては特性や省エネ、SDGsに貢献できること、など多岐にわたるが、こうしたことを実現する上では、少子化にあっても粉末冶金の未来を担う人材の獲得、育成への取組みが不可欠。今まで以上にJPMAとJSPMという粉末冶金製品を支える両輪の連携強化のもとで研究開発・技術深化に取り組んで、国際競争力のある技術・製品を生み出していく。今こそ日本の粉末冶金の研究力や製造力という我々の底力を世界に知らしめたい。コロナ禍や景気後退など暗いニュースが多いが、頑張って前を向いて明るく進んでいこう」と述べた。
 

挨拶する園田JSPM会長

 

 乾杯の挨拶に立った井上洋一JPMA常任理事(ファインシンター社長)は、「今一度、われわれ粉末冶金業界の知恵と力を結集して、業界発展のために頑張っていこう」と述べた。
 

乾杯の挨拶を行う井上JPMA常任理事

 

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第33回 変速機のトライボロジー研究会が開催

1年 1ヶ月 ago
第33回 変速機のトライボロジー研究会が開催kat 2023年02日17日(金) in in

 日本トライボロジー学会の会員提案研究会である「変速機のトライボロジー研究会」(主査:日産自動車・村木一雄氏)が1月23日、静岡県富士市のジヤトコで「第33回研究会」を開催した。

 当日は、ジヤトコが世界シェア55%のトップシェアを占める無段変速機(CVT)の工場見学を実施、鍛造加工や切削加工、熱処理、洗浄、組み立て、試験評価などのラインを視察した後、以下の話題提供がなされた。

 幹事でジヤトコ イノベーション技術開発部(KF0) 猪上 佳子氏は「KF0 F-Lab.の紹介」と題して講演。世界初の商品・技術の先行開発から企画、設計、実験まで一気通貫で担う開発拠点である「未来技術センター(F-Lab.)」の概要や機能について説明した。未来技術センターは変速機の製造などで培ったコア技術を応用した世界初の商品・技術の開発を担う。サプライヤーや他業種と連携する「コネクトルーム」、部署の垣根を越え社内連携を促しアイデアを生み出す「クリエイトエリア」、アイデアを実行する「シサクエリア」の3エリアで構成。開発のスピードを重視して、施設にはイノベーションを生み出す「ひらめき」を得るための発散(ラテラルシンキング)と集中(ロジカルシンキング)がそれぞれ可能な場所や、五感を集中して新たなひらめきが得られる場所を設けている。F-Labでe-Axleを試作した事例では、MR(複合現実)で構造設計し3Dプリンターで生産性・組付性などを確認した後、実部品ユニットを試作するといった流れで、EV向け製品開発期間の短縮が図れることを検証している。

 また、ジヤトコ イノベーション技術開発部 松尾道憲氏が、「バイオミメティクス(生物模倣)を活用した湿式クラッチ『カエギリクラッチ』」と題して話題提供を行った。カエギリクラッチは、カエルとキリギリス、2種類の生物の足裏に配列された六角形模様の微細構造をヒントに、クラッチのスチールプレートの表面に排油性能を高める特殊加工を施したもので、これにより摩擦特性の安定性や耐久性を大幅に向上できる。キリギリスの足には接触面とのスティックスリップ現象を抑制し滑らかな摩擦を作り出す機能、カエルには濡れた接触面をグリップする機能があると考えられているが、この両者に共通する六角形の形状をクラッチのスチールプレート側に加工することで、低温時の伝達安定性やクラッチの耐久性を高めた。なお、開発初期から量産工法の採用を前提としており、量産向けマイクロプレス加工技術の開発を進めている。これまでクラッチの性能向上は主にフェーシングプレート側の摩擦材の性能向上に主眼が置かれてきたが、表面加工をスチールプレート側に施すことで、クラッチの性能を高めることが可能となる。社内試験で耐久性、摩擦特性ともに大幅に改善することが確認されている。始動後に捨てる熱が少ないことからは、EVへの貢献も期待できる、とした。

 次回活動は、5月29日~31日に東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催される「トライボロジー会議 2023 春 東京」におけるシンポジウムセッション「自動車用動力伝達系のトライボロジー」として実施、自動車の電動化を支える動力伝達系の潤滑/冷却機構、機械要素に焦点をあて、電動化によってもたらされたトライボロジー技術への新たな要求、課題、解決への取組みについて論議する予定。

 

研究会開催のようす:ジヤトコ ウェルカムセンターで


 

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イグス、東京本社内にローコストオートメーションセンターを開設

1年 1ヶ月 ago
イグス、東京本社内にローコストオートメーションセンターを開設kat 2023年01日30日(月) in in

 イグスは、東京本社内に「ローコストオートメーションセンター」(LCAセンター)を開設した。低コストに自動化を進めていきたい企業向けに、ロボットが実際に動作する様子や、ロボット部品のサンプルを確認できる場を提供するもので、製品担当者がその場で詳細を説明し、質問に回答することも可能(見学は要予約)。
 

東京本社内に開設したLCAセンター

 

 ローコストオートメーションとは、シンプルで低コストのロボットや、ロボット部品によって工程全体または一部を自動化し、効果的に生産性を向上させることを表している。

 同社では「コストを抑えながら生産性を向上させたい」、「人手不足に対応したい」といった要望に応えるため、2022年にLCA 事業専任の担当者を配置。自動化を検討している企業の担当者に対し、実際の製品に触れられる機会を提供する目的で2022年末にLCAセンターを開設したもの。

 LCAセンターには、「デルタロボット」(パラレルリンクロボット)、「ガントリー」(直交ロボット)、「ロボリンク」(多関節ロボットアーム)、「ドライリン7th Axis」(ロボットの7軸目走行軸)の4種類の実機が展示され、実際の動作を確認できる。

 その他にも、ドライギアやリニアアクチュエータなどのサンプルも実際に手に取って確認できる。展示実機やサンプルは今後、随時追加していく予定。

 LCA センターに展示されている実機は以下のとおり。

・デルタロボット

製品番号:DLE-DR-0001-0004-00-0、繰り返し精度:±0.5mm、可搬重量:5kg、本体重量:7.2kg、作業範囲:360mm(高さ75/180mm)、搬送レート:60回/分(ワーク重量500g)、最大速度:3m/s

 

・ガントリー
 

製品番号:DLE-RG-0002-AC-500-500-100(サイズカスタム品)、繰り返し精度:±0.8mm、可搬重量:2.5kg、本体重量:6.5kg、作業スペース:500 x 500 x 100mm、最大速度:0.5m/s、最大加速度:2.0m/s²


・ロボリンク

 

製品番号:RL-DP-5-24-0004-00-0、繰り返し精度:±0.5mm、可搬重量:30N、本体重量:22.4kg、自由度:5DOF、最大速度:0.2m/s、リーチ:450mm

 

・ドライリン7th Axis

製品番号:ZLW-20200S-7TH-DCUR-01-1500、繰り返し精度:±0.3mm、ストローク:1500mm、最大アキシアル荷重:250N、最大ラジアル荷重:550N、最大速度:0.3m/s

 

kat

ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2023年1月号「特集:自動化とアクチュエータ」「キーテク特集:解析技術」発行!

1年 2ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2023年1月号「特集:自動化とアクチュエータ」「キーテク特集:解析技術」発行!admin 2023年01日23日(月) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第40号となる2023年1月号が1月25日に小社より発行される。

 今号は、「特集:自動化とアクチュエータ」、「キーテク特集:解析技術」で構成。

 特集「自動化とアクチュエータ」では、自動化ニーズに対応する油圧・空気圧・電動アクチュエータの特徴とそれら特徴を活かした適用事例について、ベアリング&モーション技術をまじえて紹介する。

 また、キーテク特集「解析技術」においては、様々な問題を多方面にわたりシミュレートすることによって試作や実験の回数を減らすなど、ものづくりでの研究・開発工程の効率を高める解析技術の適用事例として、トライボ分子シミュレーションでできること、できないことについて解説するとともに、弾塑性有限要素法によるスティックスリップの計算事例、といった話題を紹介する。

特集:自動化とアクチュエータ

◇各種アクチュエータの特性と新たな油圧シリンダの開発・・・産業技術総合研究所 坂間 清子

◇ニーズの多様性に対応する、モジュール製品を活用した自動化の提案・・・THK 星野 京延 氏 に聞

◇アプリケーション志向の電動アクチュエータ技術と適用拡大・・・木村洋行 小塚 真治 氏、足立 健太 氏に聞く

◇自動化・省人化に貢献する空気圧機器・・・編集部

◇自動化・省力化システムによる半導体製造支援の取組み・・・ハイウィンに聞く

キーテク特集:解析技術

◇トライボ分子シミュレーションではできないこと:油性剤を例に・・・兵庫県立大学 鷲津 仁志

◇弾塑性有限要素法によるスティックスリップの計算・・・トラ研 栫井 邦彦

連載

注目技術:ハノーバーメッセ2023で披露されるベアリング&モーション技術(bmt)・・・bmt関連出展各社

あるコスモポリタンの区区之心 第10回 特異点を超えたAI、例えば囲碁など・・・紺野 大介

Q&A「浄油技術」の基礎知識 第10回 オイル中のコンタミネーション・・・RMFジャパン テクニカルサポート

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「ハノーバーメッセ 2023」プレスカンファレンスを開催、参加を呼びかけ

1年 2ヶ月 ago
「ハノーバーメッセ 2023」プレスカンファレンスを開催、参加を呼びかけkat 2023年01日19日(木) in

 International Linkageドイツメッセ日本代表部(代表:竹生学史氏)は、1月18日、東京都千代田区のステーションコンファレンス東京で、本年4月17日~21日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される世界最大級のB to B向け産業技術の専門展示会「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ) 2023」に関するプレスカンファレンスを開催した。当日はドイツメッセ日本代表部 竹生氏の司会のもと、同展の概要や見どころについて紹介され、日本からの同展への参加を呼びかけた。

ハノーバーメッセ 2023の概要

 ドイツメッセ ハノーバーメッセ担当 Global Directorのバシリオス トリアンタフィロス(Basilios Triantafillos)氏より、ハノーバーメッセ 2023の概要が以下のとおり紹介された。

・ハノーバーメッセは、デジタル技術をうまく活用して産業に大きな革新をもたらす「インダストリアルトランスフォーメーション(IX)」のショーケースで、今回は世界50ヵ国、機械工学、電気工学、エネルギー、ソフトウェア、IT分野の4000社以上の出展社から8000点超の革新的な製品・ソリューションが披露される

・メインテーマは「Industrial Transformation – Making the Difference(インダストリアル・トランスフォーメーション-変化をもたらす)」で、中でも核となるのがデジタル化とサスティナブルなものづくり。デジタル化とエネルギー管理によって、資源を節約し、炭素排出量を削減できる方法が紹介される

・今回のパートナーカントリーは東南アジア諸国連合(ASEAN)地域最大の経済国、インドネシア。基本テーマ「Making Indonesia 4.0-Connect to Accelerate」(インドネシア4.0の実現—連携して加速)のもと、ホール2のインドネシア・ナショナル・パビリオンでは、約150の企業・組織による展示に加えて、インドネシアの産業能力、外国人投資家向けの経済特別区および不動産、教育・人材プログラムにスポットライトを当てる

・デジタル化とサスティナブルなものづくりが核となる本展で提示されるメガトレンドとしては、インダストリー4.0、カーボンニュートラル生産、AI&マシンラーニング、エネルギー管理、水素&燃料電池の五つ。中でも水素&燃料電池は長年テーマとして掲げているが、今回は過去最高の400社以上の企業が関連製品・ソリューションを紹介する

・本展は、Automation, Motion & Drives(オートメーション、モーション&ドライブ)、Digital Ecosystems(デジタル・エコシステム)、Energy Solutions(エネルギー・ソリューション)、Engineered Parts & Solutions(工学部品・素材&ソリューション)、Future Hub(フューチャーハブ)、Compressed Air & Vacuum(コンプレッサー&真空技術)、Global Business & Markets(グローバルビジネス・マーケット)の七つの展示エリアに分かれている

・ホール17では、300社を上回る様々な技術分野のスタートアップ企業が、ディスラプションの可能性を秘めたイノベーションを披露する。今回はハッカソンも実施される

・科学界、ビジネス界、政界の第一人者が一堂に会する会議ステージでは、グローバル産業における現在の課題や機会について論じる。Industrial Transformation Stage(インダストリアル・トランスフォーメーション・ステージ)では、スマートで持続可能な生産における技術横断的・産業横断的な交流に焦点を当てる。Energy 4.0 Stage(エネルギー4.0 ステージ)では、エネルギーインテリジェントで、気候変動に配慮した、持続可能な未来のためのソリューションを中心に取り上げる。Industrie 4.0 Stage(インダストリー4.0 ステージ)では、資産管理シェル、OPC UA、マシンラーニング、クラウド&エッジコンピューティング、データスペースなどのトピックをカバーする。Tech Transfer Stage(技術移転ステージ)では、科学、ビジネス、政治を対象に、応用産業研究分野の最新プロジェクトを紹介する。Industrial Wireless & 5G Stage(産業用無線&5Gステージ)では、最新の無線通信技術を活用して、生産ラインやイントラロジスティクスの柔軟性、自律性、効率をさらに高める方法にスポットライトを当てる。Industrial Startup Stage(産業スタートアップ・ステージ)では、スタートアップ企業、起業家、ネットワーカー、インキュベーター、アクセラレーターによるピッチやプレゼンテーション、議論を行う。Trade & Invest Stage(貿易&投資ステージ)では、国際貿易における現在の課題や投資機会にスポットライトを当てる(エネルギー、経済政策を含む)。Partner Country Indonesia Stage(パートナーカントリー・インドネシア・ステージ)では、製品紹介や政策に関する議論、ハノーバーメッセで展示されている技術に関する話題といった幅広いプログラムを提供する

・とりわけ高度な技術イノベーションを示す製品またはソリューション(対象は産業界ですでに実績のある技術ソリューションに限定)を生んだ企業に対し贈る世界有数の産業賞「HERMES AWARD」の表彰が、本展のオープニングセレモニーの場でドイツ連邦教育研究省大臣のベッティーナ・シュタルク・ヴァッツィンガー氏によってなされる

・第16回 日独ビジネスフォーラムが開催され、両国から企業・専門家が参加し、両国の直面しているサスティナブルなものづくりとエネルギー供給をテーマに議論がなされる

・オラフ・ショルツ首相やベッティーナ・シュタルク・ヴァッツィンガー大臣、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領などが登壇する

ハノーバーメッセ 2023の見どころ

 また、ゲストスピーカーとして、2016年にドイツPlattform Industrie4.0とIoT/インダストリー4.0の分野で協力を行う旨の共同声明を発表以降、IoT/インダストリー4.0に関する様々な課題の解決に向け連携を続けているロボット革命イニシアティブ協議会(RRI) インダストリアルIoT推進統括の中島一雄氏より、ハノーバーメッセ 2023の注目すべきトレンドについての紹介があった。

・注目のトレンド①は、資源循環、脱炭素。天然資源の利用を半減させつつ持続的発展を実現しなくてはならず、デジタル製品パスポートやリマニュファクチャリングに代表される、一度使ったものを使い倒すような社会変革と産業構造の変化が必要であるというドイツの循環型経済ロードマップなど、技術だけはでなく、どうシナリオを作っていくかを参考にしたい

・注目のトレンド②は、産業データの連携-データベース。ドイツ発の自動車のLCAに関わるデジタル・エコシステム「Catena-X」、さらにはそれをひな型に産業全体に広げる取組みである「Manufacturing-X」などがいよいよ社会実装されようとしており、インダストリー4.0でも大きなテーマであるManufacturing-Xは今回の大きな目玉と見られる

・注目のトレンド③は、デジタルツインの社会実装。ZVEIショーケースでの、アセット管理シェル(AAS)を用いた製品カーボンフットプリント算定のデモも必見

・本展ではRRIも登壇し、日独連携の成果をアピールする予定

左から、登壇したドイツメッセ バシリオス トリアンタフィロスとRRI 中島一雄氏、
司会を務めたドイツメッセ日本代表部 竹生学史氏

 

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日本工作機器工業会、2023 賀詞交歓会を開催

1年 2ヶ月 ago
日本工作機器工業会、2023 賀詞交歓会を開催kat 2023年01日16日(月) in in

 日本工作機器工業会は1月16日、東京都港区の芝パークホテルで、「2023年 賀詞交歓会」を開催した。

 当日は寺町彰博会長(THK社長)が、2022年1月~12月の同工業会会員企業の販売額が前年同期比11.4%増の2195億円となる見込みであることを報告。また、FA関連の動きが活発で内需が堅調なことや、停滞している中国経済が4月以降動き出して世界経済が回復に向かうと予想されることから、2023年1月~12月の同工業会会員企業の販売額について2250億円の微増とする見通しを発表した。

 寺町会長はまた、「コロナ禍でリモートによる仕事の仕方が大きく変化し、またAIやIoT、ロボット化などが進展するなど、時代は大きな変革期を迎えている。この急激な変化に対応し克服することが日本の、また工作機器業界の命題と言え、それには連携がますます重要になる。ロボット化・自動化・コネクティッドといった流れはまさに当工業会の時代が到来したことを示唆しており、この機会に関連する装置メーカーや機械メーカーをフォローアップして、世界でのプレゼンスを高めてほしい。当工業会内だけでなく、関連諸団体との連携を密にし、情報交換を密にしてほしい。工作機器と関連の深い工作機械業界、半導体製造装置業界、ロボット業界からの主なニーズとしては、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)への対応がある。ビジネスを進める上で欠かせないDXやGXへの理解を深めるための勉強会も当工業会主催で実施していく。DXやGXを活用したビジネス拡大に努めてほしい」と語った。
 

挨拶する寺町会長

 

kat

日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表

1年 2ヶ月 ago
日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表kat 2023年01日13日(金) in in

 日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長:牛田一雄ニコン会長)は1月12日、2022年~2024年の半導体・フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の需要予測を発表した。

 冒頭、挨拶に立った牛田会長は、「ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、平和の大切さを改めて感じている。ウクライナに早く平和が戻ることを願っている」と述べた後、エネルギー価格の高騰やインフレに対応した金融対策などから消費に減速懸念があり、パソコン出荷台数減少に伴いメモリーを中心に在庫調整局面にあること、また、地政学的リスクが世界経済、半導体製造装置を含む産業全体に影響を及ぼしていること、さらには昨年10月に発表された米国の先端半導体などを巡る対中輸出規制の日本企業への影響が懸念されることなどを表明。一方で、全産業を支える半導体の重要性が再認識され、半導体の製造に関わる支援が各国で強化され、日本においても半導体技術の研究開発拠点であるLSTC(Leading Edge Semiconductor Technology Center)と半導体の生産を請け負うラピダス(Rapidus)が設立されたこと、さらにはTSMCの新工場が熊本に設立されること、こうした一連の動きが半導体製造装置産業にプラスとなり、産業が元気な姿を社会に示すことで次世代を担う人材を集めていきたい、とした。「半導体はあらゆる産業と生活の基盤となっており、ディスプレイは産業や医療の発展を支えライフスタイルを変えていくことに寄与している。技術力、競争力を高めることで半導体・FPD製造装置の明るい未来を確かなものにしよう」と締めくくった。
 

挨拶する牛田会長

 

 2022年度の日本製装置販売高は、昨年10月に発表された米国の先端半導体などを巡る対中輸出規制の影響やメモリーを中心とした設備投資への慎重な姿勢を加味し、前年度比7.0%増の3兆6840億円と予測した。2023年度も暦年内の投資は慎重な見方を継続しており、5.0%減の3兆4998億円とした。2024年度はメモリーの本格回復に加えロジックも堅調な投資が予想されるため、20.0%増の4兆1997億円と予測した。半導体製造装置での4兆円超えは初めてとなる。

 FPD製造装置については、2022年度はパネル需給悪化の影響が残るため、一部の納期スライドを反映して6.0%減の4520億円と予測した。2023年度はLCDを中心に大型投資案件そのものが少なく、20.0%減の3616億円と予測した。2024年度はG8基板での新技術を使ったOLED(有機ELディスプレイ)投資が本格的に始まるため、50.0%増の5425億円と予測した。この金額も過去最高となる。

 SEAJ半導体調査統計専門委員会(メンバー13社)およびFPD調査統計専門委員会(メンバー7社)による需要予測と、SEAJ理事・監事会社20社による市場規模動向調査結果を総合的に議論・判断し、SEAJの総意としてまとめたもの。

 ウクライナ戦争長期化やエネルギー価格の高騰、米欧の利上げ継続やインフレ傾向から、エレクトロニクス製品を含む世界的な消費減速の懸念が高まっている。昨年のパソコンやスマートフォンの出荷台数は前年割れとなり、それらに使われる半導体も現在はメモリーを中心として在庫調整の局面にある。

 地政学的なリスクの高まりや、経済安全保障を巡る世界的な地域ブロック化の影響は、半導体業界全体に及んでいる。米国の対中輸出規制強化等は短期的な装置需要へネガティブとなる一方、世界各地域で半導体に対する政府補助金が計画されており、全体の投資を下支えする構造となっている。

 WSTS(世界半導体市場統計)は、昨年11 月に最新の半導体市場予測を発表した。2022年の世界半導体市場規模は、前年比4.4%増と成長は鈍化する。2023年は同4.1%減と4年ぶりのマイナス成長を予想しており、メモリー価格の下落を反映し、かなりの下方修正となった。

 2023年度の半導体製造装置市場は、DRAM を中心とした市況悪化を受けたメモリーの設備投資削減により、前年割れを予想している。2024 年度はメモリーの本格回復に加えて、世界各地域における大規模なロジック投資が計画され、高い成長率に戻ることが期待される。

 多少の増減はあってもデータセンター投資やハイエンド品のスマートフォン需要は底堅く、車載用途では自動車1台あたりに搭載される半導体もさらに増加する。従来型のパソコン、スマホに加え、5G、IoT、AI、データセンター、自動運転、EVとパワー、産業機器等が、中期的に半導体製造装置の需要を健全に牽引していく見方は従前と変わらない。

 先端ロジックではいよいよGAA(Gate-All-Around)と呼ばれる新しいトランジスタ構造が採用され、チップレットといったパッケージ技術の進化が、性能とコスト面のバランスを側面から支えていく。高い演算性能と低消費電力の両立は、将来のカーボンニュートラル達成の観点からも必然とされており、持続的な技術革新が装置需要を後押しする。

 2022年度の日本製半導体製造装置の販売高は、大手メモリーメーカーの投資が前半に集中したことを考慮し、5.0%増の9558億円と予測した。2023年度も全体として安定した投資が見込まれ、5.0%増の1兆36億円とした。2024年度は大手ファウンドリーの投資本格化に期待し、20.0%増の1兆2043億円を予測した。

 2022年度の日本製FPD製造装置の販売高は、最新の設備導入時期を精査した結果、6.0%減の4520億円を予測した。2023年度は、LCD投資の多くが見送りとなったこと等を反映し、20.0%減の3616億円とした。2024年度は、2023年度の投資抑制によるパネル需給の好転と、新技術を用いたG8基板のOLED投資の本格化を期待し、50.0%増の5425億円を予測した。

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日本工作機械工業会、2023年新年賀詞交歓会を開催

1年 2ヶ月 ago
日本工作機械工業会、2023年新年賀詞交歓会を開催kat 2023年01日12日(木) in in

 日本工作機械工業会は1月11日、東京都港区のホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開催した。

 会の冒頭、挨拶に立った稲葉善治会長(ファナック会長)は「2022年の工作機械受注は、コロナ禍をはじめとする過酷な環境下ながら、デジタル化、自動化、省エネ、環境対応などに関連した設備投資が好調に推移したことで、昨年9月に(1月公表の1兆6500億円から)上方修正した1兆7500億円に到達。2023年の世界情勢についてはウイズコロナによって政治的・地政学的緊張状態を伴う分断化、経済成長の下振れリスク、欧米等でのインフレ傾向、中国での景気停滞に伴う世界経済の減速懸念や、新型コロナウイルスの拡大などにより設備投資はしばらく停滞すると見られるものの、製造業では省エネや環境対応、IoT、AIを活用し、さらにロボット技術を融合させた生産システム全体の省人化、省エネ化、生産拠点の合理化といったグリーンレジリエンスをキーワードとする取組みが力強く推進されており、また当工業会でも半導体製造装置関連需要といった先々の需要取り込みに動いていることなどから、2023年の工作機械受注総額は1兆6000億円と見通している。さらに期の途中で上方修正の報告ができるよう、業界を挙げて努力していく」と述べた。

 稲葉会長はまた、「最近ではデジタル技術の普及で「ものづくり」から「コトづくり」へと発展していくとの見方がある。「コト」の需要を開拓していくには、しっかりとした「もの」があることが大前提で、高機能で信頼性の高い「もの」なくしては、大きな発展は望めない。我々日本の工作機械メーカーは、「もの」として素性の良い工作機械を提供しているという特色・強みを有する。この強みを将来にわたって継承し世界をリードする高機能で信頼性の高い工作機械の供給を通じて、ものづくりとコトづくりを融合することで、次世代の製造業の発展に貢献していけると確信している」と力強く語った。

挨拶する稲葉会長

 

 続いて2023年の日工会の活動について以下のとおり報告した。

・グリーン、デジタル、レジリエンスの三つの取組みの推進・進化:グリーンについては工作機械製造に関わる調達から、使用、廃棄までのLCA化を推進していく。デジタルについては、生産現場の自動化要求に対応するため仕様と機能の実施について検討を進める。レジリエンスについてはサプライチェーン強化に関する業界の知見向上に関して活動を進める

・「工作機械産業ビジョン2030」の具現化の取組み:同ビジョンは、産学官の叡智を結集し、技術、市場、経営、人材の四つのテーマを掲げは、業界が取り組むべき課題と方策について盛り込んでいる。日本の工作機械産業の国際競争力の維持・強化のため、それらを具現化する取組みを進めていく

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ロボット関連団体、2023新年賀詞交歓会を開催

1年 2ヶ月 ago
ロボット関連団体、2023新年賀詞交歓会を開催kat 2023年01日12日(木) in in

 日本ロボット工業会、製造科学技術センターなどロボット関連団体は1月6日、東京都港区の東京プリンスホテルで「2023年ロボット関連団体新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日は代表して日本ロボット工業会の山口賢治会長(ファナック社長)が挨拶に立ち、「国際通貨基金の世界におけるGDP見通しでは、2021年の成長率6.1%から、2022年には3.2%、2023年は2.7%にまで減速するという、世界経済の減速懸念の中で新年を迎えた。こうした中、2022年の我が国ロボット産業は半導体をはじめとする部品不足や中国でのロックダウンの影響などは見られたものの、国内外ともに自動化投資意欲に支えられ、受注額で対前年度比2.9%増の約1兆1100億円、生産額は同5.5%増の9910億円が見込まれている。また、2023年の受注額は様々な問題が徐々に改善されることを期待するとともに、堅調な自動化投資意欲に支えられ、受注額は同3.6%増の約1兆1500億円、生産額は初の1兆円越えとなる同6.3%増の1兆500億円という見通しを立てた」と挨拶。続いて、ロボット関連2団体の2023年の活動計画について報告した。

挨拶する山口会長

 

 日本ロボット工業会の活動としては、業界活性化のさらなる推進に向け、昨年に続き以下の3点を重点分野として取り組む。

・市場拡大に向けた取組み:ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会との連携のもと、市場拡大に向けた役割を積極的に担っていく。ロボットの利活用推進にとってシステムインテグレーター(SIer)の役割は極めて重要。当工業会の特定事業委員会で設立5年目を迎えるFA・ロボットシステムインテグレータ協会は、SIer業界の経営基盤や事業環境の向上、専門性の高度化に向け活動の一層の充実を図り、組織的にさらなる発展を目指す

・イノベーションの加速化に向けた産学連携の推進:グローバル市場での日本の優位性確保や潜在市場の顕在化のためにもイノベーションの加速は急務で、日本ロボット学会などの関係学会や関連業界との連携を図っていく

・国際標準化の推進と国際協調・協力の推進:国際標準化は欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでいるが、日本もリーディングカントリーとして官民挙げて国際標準化活動に積極的に取り組むとともに、国際ロボット連盟を通じた活動と国際交流を積極的に進めていく

 2023年はまた、5月31日~6月2日開催の「第24回 実装プロセステクノロジー展」、11月25日~12月2日開催の「2023国際ロボット展」の二つの展示会について、コロナ禍以前の状況での開催を目指し実施する。両展を通じて技術情報の発信とともに、様々な分野でのロボット利用拡大に向けた提案、市場調査、技術深耕などを意欲的に行う。

 製造科学技術センターでは、ロボット、IoT、ものづくりなどにおける製造科学技術全般の調査・研究や標準化に取り組んでおり、2023年は以下のとおり活動する。

・ロボットとものづくり関連の取組み:人とロボットの主課題・情報の相互作用を加味する革新的な協業形態である「合業」を提唱し新たな生産手法の確立を目指しているほか、将来のロボットの標準化の在り方について調査・研究を行っている

・オートメーション関連の取組み:企業間を含めた生産システムの連携手法、経営情報、現場情報に加え、脱炭素情報を含めた「製造の見える化」、さらにはクラウドを活用した中小企業における工場のIoT化促進などの活動を実施している。2月3日にはこれまでの成果を発表する「IAFフォーラム」をハイブリッド開催する

・標準化活動:スマートマニュファクチャリングおよびDXに関する産業データの標準化を扱うISO/TC 184/SC 4の総会をコロナ禍での準備中断後、3年越しの努力の結果、国内審議団体として浜松で開催した。またSC5では、デジタルツイン、ソフトウェアシステムの連携や制御に関するデジタルデータの流通、活用の促進に関する日本の提案が大幅に採択された

 製造科学技術センターは日本のものづくりの横断的な課題に応えつつ、ものづくり企業の競争力と活力の創成に努めていく。

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イグス、設計自由度の高い無潤滑・メンテナンスフリーのミニチュアガイドキャリッジを開発

1年 2ヶ月 ago
イグス、設計自由度の高い無潤滑・メンテナンスフリーのミニチュアガイドキャリッジを開発kat 2023年01日12日(木) in

 イグスは、トライボロジー特性(摩擦・摩耗特性)に優れた新開発高機能ポリマー「イグリデュールE3」をスライド部に使用した、無潤滑・メンテナンスフリーのリニアガイドを構成できるガイドキャリッジ「ドライリンT ミニチュアガイドキャリッジ」を開発した。ドライリンT ミニチュアガイドキャリッジは三つのサイズ(幅20mm、27mm、32mm)で提供、医薬研究設備から治具製作などの用途に幅広く使用できる。

 

ドライリンT ミニチュアガイドキャリッジ

 

 このトライボ特性に優れたスライド部により、動作点に依存はするものの摩擦係数が約0.16と、同社の標準材質と比較して最大摩擦係数が40%改善し、設計基準の2:1ルールが3:1に拡張し、リニアガイドの設計自由度の向上を達成した。

 ドライリンに適用されていた従来の2:1の法則では、フィックスベアリングの間の距離を1とした時、駆動点からフィックスベアリングまでの距離を、この2倍以上の設計で使用することはできなかった。2倍を超えると摩擦抵抗が大きくなりすぎ、システムは動かなくなるためだが、開発品ではこのデザインルールを3:1に拡張、リニアガイドの動きを損なうことなく、駆動の位置や重心位置の設計自由度を向上させた。それと同時に、必要駆動力は最大40%低減され、電動アプリケーションでは40%のエネルギー節約が可能となっている。

 新しい高機能ポリマー材質イグリデュールE3には固体潤滑剤が添加されており、イグリデュールE3製のスライド部を搭載したミニチュアガイドキャリッジは低騒音、優れた耐汚性、無潤滑・メンテナンスフリーを実現。潤滑剤を使用しないことでコストを削減できるほか、環境に優しくクリーンというメリットを実現する。

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木村洋行、半導体分野で超薄型ボールベアリングの適用を拡大

1年 2ヶ月 ago
木村洋行、半導体分野で超薄型ボールベアリングの適用を拡大 in kat 2023年01日11日(水) in in

 木村洋行は、1950年代に世界で初めて超薄型ボールベアリング「Reali-Slimシリーズ」を開発し量産を開始した唯一の専門メーカーであり、現在はSKFグループとして超薄型ボールベアリングを中心に、あらゆる用途に応じたカスタムベアリングの開発も手掛けるKAYDON(ケイドン)社の、日本総代理店を務めている。

 ここでは同社に、半導体分野におけるケイドン超薄型ボールベアリングの適用について、話を聞いた。

ケイドン超薄型ボールベアリング 

 ケイドン超薄型ボールベアリングは内径25.4~1016mmまでのサイズをくまなくラインナップしている。最大の特徴はベアリング断面が超薄型のため、装置に占めるベアリングのスペースを最小化でき、装置全体の省スペース・軽量化が図れ、設計の自由度が向上する点が挙げられる。一般的なISO規格・JIS規格のベアリングでは内径が大きくなるのに比例して断面サイズも大きくなるのに対し、ケイドン超薄型ベアリングは断面サイズでシリーズ化されており、内径が大きくなっても同じシリーズ内であれば断面サイズは変わらない。

内径が大きくなっても断面サイズが一定のケイドン超薄型ボールベアリング 

 

 ケイドン超薄型ボールベアリングには、ラジアル荷重を受ける深溝型(Type-C)と通常は2列以上の複列で用いてラジアル荷重、アキシアル荷重とモーメント荷重の複合荷重を同時に支えることができるアンギュラコンタクト型(Type-A)、この複合荷重を単列のベアリングのみで受けられる4点接触型(Type-X)がある。
 

ケイドン超薄型ボールベアリングの種類

 

 ケイドン超薄型ベアリングの中でも特に、複合荷重を受けられる4点接触型を使用することで大口径中空シャフトへの置き換えが可能になるだけでなく、単列仕様にできるため軸方向の長さをさらに短縮できる。気体・液体の配管類、あるいは電気配線やスリップリング等を中空シャフト内に収納できるなど、フレキシブルで効率的なデザインにできる。

 キングポストデザインのISO 7010組み合わせベアリングから4点接触型超薄型ベアリングで中空シャフトを用いた機構への置き換えではまた、内径寸法を大きくできるため耐モーメント荷重を50%程度向上させている。

 回転軸に垂直に加わるラジアル荷重を支えるよう組み付けられたベアリングでは、例えばISO 6010深溝ボールベアリングでは下部約150°の範囲の転動体で荷重を分散支持しているが、ケイドン4点接触型では同じ荷重分布でラジアル荷重を支持しつつ、80%以上の軽量化・省スペース化を実現できる。
 

典型的なラジアル荷重負荷分布での、
ケイドン4点接触超薄型ベアリング(左)とISO 深溝ボールベアリング(右)との比較半導体分野における軸受へのニーズ

 半導体製造プロセスにおいて軸受には、回転の高精度化を損なうことなく、真空~高真空への対応、電子部品や光学レンズに悪影響を及ぼすアウトガス対策やコンタミネーションの低減、コンタミネーション発生につながる摩擦・摩耗の低減、プロセス中で使用されるガスによる腐食への耐性、エッチングや化学蒸着(CVD)などのプロセスに対応した耐熱性などを持たせることが要求される。

 ケイドン超薄型ベアリングはそもそも、1960年代のアポロ計画の宇宙服のヘルメットリング向けに採用され、その後も米国航空宇宙局(NASA)の月面探査車向けなど、宇宙空間の厳しい仕様環境に耐えるベアリングとして、多くの採用実績を持つ。宇宙環境下では軽量・省スペース化が求められるとともに、真空環境、極低温~高温の幅広い温度領域で精密な動きを求められ、ベアリングにとって非常に過酷な環境での稼働と高い信頼性を求められる。そのため内外輪の材質だけでなく、ボールや保持器の材質、潤滑剤の選定などでケイドンの長年の経験が活かされている。

 こうした宇宙機器での実績からケイドン超薄型ボールベアリングは、同じく真空環境、広い温度領域で作動する半導体製造プロセスにおいて幅広く適用されている。独自軸受設計に加えて、長年の経験に基づく内外輪および保持器の材質や潤滑剤の選定・適用によって、潤滑剤が250℃以上の高温下にさらされる条件や10-5~10-8Torrレベルの超高真空下での運転を実現しつつ、希薄潤滑条件でのマイクロパーティクル発生の最小化や腐食性雰囲気への耐性、長寿命化を実現している。

半導体製造プロセスでの適用例

 ケイドン超薄型ボールベアリングのこうした性能のほか、半導体製造装置の回転機構の小型・軽量・簡素化が図れる省スペース設計によって、半導体製造プロセスにおいてはウエハ搬送ロボットからウエハ研磨装置、露光装置、検査装置など、前工程から後工程まで広範な装置に適用されている。

 最も多用されているのがウエハ搬送ロボットで、薄くて軽いことが最も大きな採用理由。装置をコンパクト化できるだけでなく、同じ内径サイズの一般的なISO規格・JIS規格のベアリングに比べて80%以上の軽量化が図れることからアームが伸び切った時のたわみ量を少なくできるため、安定した正確な搬送を実現できる。

 他方で、ウエハ搬送ロボットを含む産業用ロボットでは複合荷重を受けることが可能なクロスローラーベアリングが多用されているが、4点接触型ケイドン超薄型ベアリングは、単列のベアリングのみで複合荷重を受けられるため省スペース化が図れるだけでなく、クロスローラーベアリングに比べて、より軽く安定した起動トルクと回転トルク、高い回転精度を実現できることも、ユーザーから高く評価されている。

 ケイドン超薄型ベアリングは1個単位でカスタマイズできることも大きな利点で、ケイドン社では、宇宙分野から続く真空環境で高い信頼性をもって運転できるベアリングの材料技術・潤滑技術に関して豊富な知見とノウハウを備えていることから、それぞれが特殊環境を伴う半導体製造装置ごとの要求に応じて、材料や潤滑を工夫したベアリングを提供している。

電動アクチュエータ

 木村洋行では一方、2020年からEWELLIX(エバリックス)社の直動製品の取扱いを開始している。エバリックス社は、SKFグループだったSKF Motion Technologies社を前身とする直動製品メーカーで、アプリケーションごとのニーズに合わせたカスタマイズのソリューションに定評がある。

 中でも特徴のあるピラー型電動アクチュエータは、ストローク長や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、高荷重という厳しい使用条件に対応しながらも、低騒音かつ堅牢さが求められる厳しいニーズにも対応できる。

 加工分野で適用の進む協働ロボットのアクセサリとして、ピラー型アクチュエータを協働ロボット用にカスタマイズし、協働ロボット自体を垂直方向に動作させることにより、作業動作範囲を拡大できる「LIFTKIT」を提案している。LIFTKITの垂直方向の最大ストローク長は500~1400mmとなっている。ロボットの基台としてピラー型アクチュエータである「LIFTKIT」を使用することで、設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲が立体的に拡大できる。

 またLIFTKITと同様に、単軸横置アクチュエータに協働ロボットを接続し、搬送やピック&プレースなどロボットの水平方向の動作範囲を拡大でき、作業効率を飛躍的に向上できる「SLIDEKIT」も提案している。SLIDEKITの水平方向のスライド長は100~3000mmとなっている。長い同一の生産ライン上にある、複数のセル生産装置の間でのワークの受け渡しや複数の加工工具の段取り替えといった作業の効率を高めることで、加工の生産性を向上できる。
ニーズに応じてSLIDEKIT上にLIFTKITを載せて併用することも可能であり、その場合協働ロボットの垂直方向と水平方向の動作範囲を大幅かつ同時に拡大できる。
 

6軸ロボットとLIFTKIT・SLIDEKITを組み合わせてのパレタイジングのデモ
(2022 国際ロボット展での例)

 

 SLIDEKITおよびLIFTKITは当初、ユニバーサルロボット(UR)社とのコラボによる6軸協働ロボットのアクセサリとしてカスタマイズされたが、現時点でUR社、オムロン社、ABB社、台湾テックマン(TM)社など様々な協働ロボットや産業用ロボットへの適用が可能となっており、それぞれの協働ロボットのティーチングペンダントによって、協働ロボットとSLIDEKITおよびLIFTKITの動作制御が可能となっている。最近ではまた、無人搬送車(AGV)にロボットを搭載したシステムが増えてきているが、このシステムに対して、ロボットの基台にLIFTKITを組み合わせることで垂直方向の作業動作範囲を拡大できる提案も進めていきたい。

今後の展開

 2013年に世界第一位のベアリングメーカーであるSKFのグループとなっているケイドン社は、カスタムメイドという従来からのフットワークの軽さに加えて、SKF仕込みの技術力・開発力を日々アップグレードさせている。

 木村洋行では、顧客の現場のニーズに対して最適な提案を行うために、ケイドン社にせよエバリックス社にせよ、製品やアプリケーションに関するトレーニングを定期的に受け、製品の性能や利点に関する知見、適用の可能性などの情報と知識を常にアップグレードさせている。

 例えばLIFTKITはパレタイジングなどの用途に限られるものではなく、顧客の声に耳を傾けていれば、顧客の利益となるフィールドでの新しい提案が必ず生まれてくる。木村洋行 第2事業部 部長の木村光正氏は「頭を柔らかくして、ケイドン社、エバリックス社の各種製品の特質を活かしつつ、現場の様々な課題の解決につながるような用途開拓を引き続き進めていきたい」と語っている。

kat
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53 分 4 秒 ago
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