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日本ベアリング、高剛性、高運動精度、高減衰性ローラーガイドの紹介映像を制作、JIMTOF2022で公開

1年 5ヶ月 ago
日本ベアリング、高剛性、高運動精度、高減衰性ローラーガイドの紹介映像を制作、JIMTOF2022で公開kat 2022年11日07日(月) in

 日本ベアリングはこのほど、転動体にニードルローラーを採用し、高剛性、高運動精度、高減衰性を実現し、精密工作機械をはじめとする重荷重・精密駆動用途に幅広く対応する新時代のローラーガイド「EXRAIL」の構造・特長を紹介する映像「EXRAIL Presentation Picture」を制作した。11月8日~13日に東京ビッグサイトで開催される「JIMTOF2022(第31回日本国際工作機械見本市)」の同社ブースで上映する。
 

EXRAIL Presentation Picture

 

 同社ではこれまで、ローラーガイドEXRAILをトランスフォーム(変形)させたトランスフォームロボ「exrail-1(エクスレール・ワン)」を通じてEXRAILの高剛性、高運動精度、高減衰性を体現する、動画4作品を制作している。

 今回の作品では、exrail-1のコックピットから降り立った女性パイロット(CV:小林沙苗)が、EXRAILの高剛性、高運動精度、高減衰性の三大特長について説明。exrail-1のモーションキャプチャーや各種データ、高剛性、高運動精度、高減衰性のキーとなる転動体・ニードルローラー、スムースなローラーの循環を実現するリテーナ、メンテナンスフリーを実現する潤滑油含浸樹脂、多方向からの給油に対応する給油孔などの主要構成要素の一部を3Dモーショングラフィックによる動作確認で示しながら、使いやすさや設計のしやすさにも対応した、“産業界での闘いに勝利するための”新時代のローラーガイドEXRAILの全貌をわかりやすく、透き通った力強い語り口で紹介している。

 本動画はまた、同社ホームページ内のJIMTOF2022出展紹介ページ(https://www.nipponbearing.com/news/trade_fair_JIMTOF2022.html)や日本ベアリングYouTubeチャンネル(https://youtu.be/408xyxaTduQ)でも視聴できる。

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NTN、2022年“超”モノづくり部品大賞(大賞)を受賞

1年 5ヶ月 ago
NTN、2022年“超”モノづくり部品大賞(大賞)を受賞kat 2022年11日07日(月) in in

 NTNは、モノづくり日本会議と日刊工業新聞社が主催する「2022年“超”モノづくり部品大賞」において、世界最高水準の伝達効率により自動車の省燃費・電費化に貢献する固定式等速ジョイント(CVJ)「CFJ」により「“超”モノづくり部品大賞(大賞)」を受賞した。

 

 CVJはエンジンやモータなどのパワートレインユニットの動力(トルク)をタイヤに伝えるドライブシャフトの構成部品で、タイヤ側に使用される固定式CVJには高い作動角を取りながら、回転を等速に維持してトルクを伝達する機能が求められている。従来のCVJにはトルク伝達時に内部部品にかかる力が一方向に片寄ることでトルク損失が大きくなるという課題があり、その損失は作動角が大きいほど増加する傾向にあった。

 同社のCFJは従来のCVJの基本構造を大きく変え、内部部品にかかる力を相殺する独自の「スフェリカル・クロスグルーブ構造(ボールが通る転動溝を内輪・外輪で互いに交差させた構造。隣り合う転動溝を互い違いに傾斜させることで、ボールが内部部品を押す力の向きを交互に振り分け、互いに相殺させる)」を採用。本構造の適用により、従来品が持つ世界最高水準の軽量・コンパクト性、最大47°の作動角度はそのままに、トルク損失率を50%以上低減、さらに高作動角時においてもトルク損失率の増加を大幅に抑えることが可能となっている。

 脱炭素社会化を背景に、自動車業界においてCO2排出量の削減や省燃費化・省電費化に向けた取組みが加速する中、自動車部品の高効率化が急務となっている。CFJは従来品の軽量・コンパクト性を維持しながらトルク損失率を従来品比で50%以上低減し、自動車の燃費改善やCO2排出量の削減に大きく貢献するが、こうした環境貢献度に加え、世界最高水準の高効率性を実現した「スフェリカル・クロスグルーブ構造」の技術の独創性などが高く評価され、今回の受賞となった。

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NTN、高効率固定式等速ジョイントを量産受注

1年 5ヶ月 ago
NTN、高効率固定式等速ジョイントを量産受注kat 2022年11日07日(月) in in

 世界最高水準の伝達効率で自動車の燃費・電費の向上に貢献
NTN株式会社(以下、NTN)は、世界最高水準の伝達効率を持ち自動車の燃費・電費の向上に貢献する高効率固定式等速ジョイント「CFJ」を、自動車メーカー数社より量産受注した。世界最小・最軽量の固定式等速ジョイント「EBJ」の基本特性を維持しつつ、トルク損失率を50%以上低減した商品となっている。

高効率固定式等速ジョイント「CFJ」

 

 脱炭素社会化を背景に、自動車業界ではCO2排出量の削減や省燃費化・省電費化に向けた取組みが進められる中、エンジンやモータなどのパワートレインユニットの動力(トルク)をタイヤに伝えるドライブシャフトの構成部品である等速ジョイント(CVJ)に対する高効率化のニーズがこれまで以上に高まっている。

 CVJがトルクを伝達する際、内部部品のボールがケージを押す力が一方向に片寄ることで部品間に摩擦が起き、トルク損失が発生する。また、CVJの取付け角度が大きくなると、ボールがケージを押す力も大きくなり、トルク損失率は増加する。CFJは、隣り合うトラック(転動溝)を互いに傾斜させた独自の「スフェリカル・クロスグルーブ構造」により、隣り合うボールがケージを押す力の向きが交互となることで力の片寄りを抑え、トルク損失率を従来品比で50%以上低減している。また、その独自構造によりCVJの取付け角度が大きくなっても、トルク損失率の増加を大幅に抑えることが可能となっている。

 同社では今回、CFJの高効率性に加え、大きな取り付け角度におけるトルク損失率の低減が自動車メーカー数社から高く評価され、量産受注につながったもの。

 CFJは、昨今グローバルで人気のSUVや、加速度的に普及が進むEVやHEVに最適な商品。EVにおいては、大容量バッテリーの搭載や室内空間の拡大、衝突安全性などを考慮して、パワートレインユニットが車両の端に配置される傾向にあるため、CVJの取付け角度が大きくなる。大きな取付け角度においても高効率性を発揮するCFJを適用することで、車両レイアウトの自由度の向上と省電費化の両立に貢献する。

 また、EVやHEVでは、車が減速する時のエネルギーを利用してモータを回し、電力として蓄える回生ブレーキシステムが搭載されている。CFJはその独自構造により走行時と逆方向の回生トルクが入力される際のトルク損失率も低減するため、回生エネルギーによる発電効率も向上させることが可能となる。

 EBJからCFJへの置き換えによる燃費の改善効果をJAPIA LCI算出ガイドラインに基づき内燃機関車両で試算した場合、燃費は0.62%の改善、CO2排出量は0.96g/kmの削減効果が見込まれ、CO2排出量の規制が厳格化する中、こうした高い環境性能についても自動車メーカーなどから高い評価を得ている。

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NTN、複列磁気エンコーダ付転がり軸受を開発

1年 5ヶ月 ago
NTN、複列磁気エンコーダ付転がり軸受を開発kat 2022年11日07日(月) in in

 NTNは、耐環境性に優れた、高精度な角度検出が可能な「複列磁気エンコーダ付転がり軸受」を開発した。軸受と磁気式エンコーダを一体化した軸受ユニットで、ロボットの性能向上や関節機構の小型・軽量化のほか、組み立てやセットアップなどの工数削減に貢献する。

複列磁気エンコーダ付転がり軸受:深溝玉軸受6907 を使用した場合
主要寸法:内径φ35mm×外径φ55mm×幅20.5mm

 

 近年、各種産業の製造現場においては、少子高齢化に伴う生産年齢人口比率の低下などを背景に、ロボットの活用による自動化・省人化が加速しており、ロボットが担う作業が多様化している。各種ロボットには動作精度の向上に加え、関節機構の部品点数の削減や各種部品の小型・軽量化、組立工数の削減などが求められている。

 今回開発した複列磁気エンコーダ付転がり軸受は、ロボットの関節機構を支持する深溝玉軸受に磁気リングとセンサを取り付け、回転速度や方向、絶対角の検出機能を持たせた軸受ユニット。独自の「複列磁気リング」を軸受の内輪に取り付け、外輪に搭載した磁気センサICにより「複列磁気リング」の磁極の変化を読み取ることで、業界最高水準の角度検出精度(最大20bit、分解能約0.00034°)で回転の速度や絶対角などを検出する。

 フォークリフトなどの運搬機械向けに展開している回転センサ付軸受で培った軸受と回転検出部の一体化技術を活用することで、複列磁気リングと磁気センサICの間隔や向きなどを最適化し、コンパクトで軽量なユニットを実現している。

 開発品の適用により、関節機構の軸とロータリエンコーダをつなぐ動力伝達装置(カップリング)が不要となり、関節機構の小型・軽量化を実現する。また、磁気式エンコーダは、耐環境性に優れているため、埃や油などが伴う使用環境においても高い検出精度を発揮することが可能となっている。

 開発品は軸受と磁気式エンコーダを一体化しているため、ロータリエンコーダとカップリングの取り付けやセットアップ作業が不要で、ロボットの組み立てが容易となる。また、軸受寸法や負荷容量は通常の軸受と変わらず、幅広い種類のロボットに適用できる。

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ハイウィン、新本社・工場の稼働を開始

1年 5ヶ月 ago
ハイウィン、新本社・工場の稼働を開始 in kat 2022年11日03日(木) in

 ハイウィンは11月1日、新本社(神戸市西区区井吹台東町7-4-4)の稼働を開始した。新本社は敷地面積約7500坪(約25000m2)、西神南ニュータウンに隣接する「神戸サイエンスパーク」内に建設された。本社機能に加え、従来から国内で実施していたボールねじやリニアガイドウェイ、単軸ロボットの二次加工生産能力を約2倍に増強するほか、クリーンルームを備えており、システムやモジュールの生産を行う。またロボットや自動化ライン向けのビフォーサービスとしてユーザーの実製品で検証してよりスピーディにライン化を行うサポートをするほか、作業従事者への教育やロボットの操作資格の取得が可能なエデュケーション・トレーニングセンターやR&D部門を新設する。

新本社の外観

 

 進化するスマートファクトリーへの対応という課題においては、従来製品に加えて、ロボットやシステム、モジュールに対する要望が高まっている。これに対し同社では、進化した工場機能を備えた新本社において、各種部品やモジュール、システムの新製品やラインアップを充実させていく。多様化するユーザーニーズに対しワンストップ・ソリューションの提案ができる強みを活かし、それらニーズへの迅速な対応やメンテナンス機能の強化などを図っていく計画だ。

 稼働開始の11月1日には、工作機械メーカーや半導体製造装置メーカーをはじめとするユーザー企業や販売店などを招いての「新社屋落成記念式典」が開催された。

 式典ではまず、会社紹介の動画が上映された後、台湾本社会長の卓 文恒氏が挨拶に立ち、「新しい技術の開発には3年を要し、その技術の普及には30年を要するという言葉があるが、日本法人は1999年に設立され、この23年の間に日本市場においてその技術が高く評価され邁進を続けている。新工場の稼働により、さらなるイノベーションと高付加価値をユーザーに提供していきたい」と述べた

挨拶する卓 文恒氏

 

 来賓挨拶ではオークマ社長の家城 淳氏が、「ハイウィンとは(日本法人設立前の)約30年前にボールねじ提供の提案をいただいた。開発の熟成された提案ではあったが、重要な要素部品であるボールねじの採用にあたっては慎重をきたす必要があり、また、当社が実証主義をモットーとしていることから、中堅技術者であった私を含めた当社の技術陣が提案されたボールねじについてじっくりと検証を重ね、製品認定を経て当社の旋盤に採用されるに至った。現在では旋盤だけで約10倍に採用が拡大、当社マシンの負担を減らしていただいている。工作機械業界もまた、労働人口減少への対応や作業環境の改善、脱炭素社会の実現といった社会課題解決に努めているが、そこでは基板技術であるハイウィンの精密部品・モジュールも重要な役割を果たすことになる。次世代ものづくりの使命をともに担っていこう」と述べた。

挨拶する家城 淳氏

 

 また、日本法人の会長を務める蔡 惠卿氏が「私は本年より会長を務めることになったが、1999年の日本法人設立の時から日本企業との交流を始めている。本日から稼働する新社屋でも、すべての工程に携わり、子供のころから深い憧れのある日本の文化・日本ならではの要素を建築物の隅々に取り入れた。また、エントランスに設置したシンボルツリーで表現しているように、日本法人がユーザーとともに成長し続けることを願っている」と語った。

挨拶する蔡 惠卿氏

 

 その後、台湾と日本のエンジニアリングチームの演出による「ロボットアームショー」が実施され、垂直多関節ロボット3台がヴィッセル神戸の応援歌に合わせてテンポよく力強くしなやかに舞った。

ロボットアームショーのようす

 

 続いて、垂直多関節ロボットを含む10名によるテープカットが行われた。

テープカットのようす

 

 当日はまた、常設となるショールームにおいて、ボールねじ、リニアガイドウェイ、クロスローラーベアリング、波動歯車装置などの機械要素部品や、ACサーボモーター、ダイレクトドライブ(DD)モーターなどのメカトロ製品、精密位置決めに関する機器やステージの静展示の見学会や、超薄型DDモーター+ビジョンシステムによるウェハ外観検査システムなどの自動化・省力化に関する機器やモジュール製品、ウェハ搬送ロボット、スカラロボット、垂直多関節ロボットなどの産業用ロボットの動展示の見学会が行われた。

静展示例:状態可視化システム搭載のボールねじとリニアガイドウェイ「i4.0シリーズ」


 

動展示例:超薄型DDモーター「DMT」+ビジョンシステムによるウェハ外観検査システム。DMTの中空径にウェハを通すことで効率よい検査が行える

 

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イグス、クリップ機構搭載のリニアガイド用簡易取付式キャリッジを開発

1年 5ヶ月 ago
イグス、クリップ機構搭載のリニアガイド用簡易取付式キャリッジを開発kat 2022年10日24日(月) in

 イグスは、設計自由なモジュラー式リニアガイド「ドライリンW」向けに、クリップ機構を備えた簡易取付式キャリッジ(https://www.igus.co.jp/info/n21-clip-study)を開発した。新しいキャリッジは取り付け・取り外しがレール上で素早く行えるため、時間と手間を大幅に削減し、限られたスペースにも対応する。

 

 リニアガイドは、産業機械や測定/検査装置、カメラ機器など、あらゆる場所で使用されており、キャリッジに機械要素を搭載してレール上を移動させる。キャリッジの取り外しについては通常、工具を使用したりレール端部を経由して行ったりすることが多く、手間とスペースを要していた。このためユーザーからのキャリッジへの要件として、省スペースで簡単かつ安全な取り外しが可能なこと、組み立て済みの装置を安全に保管して、湿度や低温からも保護できることなどが挙げられていた。

 イグスではこうした要望に基づき、どの位置からでもワンステップでレールから取り外し可能な簡易取付式キャリッジを開発したもの。工具が不要な本製品は時間と手間を節約し、多様な用途で使用できる。

 クリップ式キャリッジには高機能ポリマー製のスライド部が組み込まれ、このスライド部によってダブルレール上を走行する。取り付ける際は、片側のレールにキャリッジを引っ掛け、バネ付きのレバーを引きながら、もう片方のレールにキャリッジをはめる。取り外す際も同様で、レバーを引きながらキャリッジを片側ずつレールから外す。簡単に操作できるため、より迅速で確実に取り付けることができる。この新しいデザインは、カメラ機器や測定装置を使用するユーザーより、試作段階から高い評価を受けている。

 新しいクリップ式キャリッジが加わり、ドライリンWの製品ラインアップがさらに充実した。現在、約40種類のキャリッジがあり、様々な要素との組み合わせによって非常に多様なモデルが可能となる。すべてのキャリッジに共通する特徴は、高機能ポリマー製スライド部を使用している点で、これにより高精度でスムーズな動作を確保し、無潤滑・メンテナンスフリーでの使用を実現している。

片側を引っ掛けるだけの操作性で素早い取り付け・取り外し

 

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木村洋行、加工分野でローラースクリューと電動アクチュエータ、 超薄型ボールベアリングの提案を強化

1年 6ヶ月 ago
木村洋行、加工分野でローラースクリューと電動アクチュエータ、 超薄型ボールベアリングの提案を強化 in kat 2022年10日07日(金) in in

 木村洋行(https://premium.ipros.jp/kimurayoko/)では長年にわたり超薄型ボールベアリング「Reali-Slimシリーズ」やカスタムベアリングの開発も手掛けるKAYDON(ケイドン)社の日本総代理店を務めており、2020年1月からはEWELLIX(エバリックス)社の直動製品を取り扱っている。

 エバリックスのローラースクリューおよび電動アクチュエータと、ケイドンの超薄型ボールベアリングはともに、設計の自由度を高めるだけでなく、電力消費の削減、ひいてはCO2削減に寄与できるソリューションとして注目されてきている。ここでは同社に、加工分野におけるローラースクリューおよび電動アクチュエータ、超薄型ボールベアリングの適用のメリットについて事例をまじえて話を聞いた。
 

ローラースクリュー 概要と特徴

 エバリックスは、SKFグループだったSKF Motion Technologies社を前身とする直動製品メーカーで、アプリケーションごとのニーズに合わせたカスタマイズのソリューションに定評がある。エバリックスの直動製品の一つとしてローラースクリューがあるが、ローラースクリューはもともとエバリックスの前身の会社が世界に先駆け開発・製品化しており、エバリックスはローラースクリューのパイオニアといえる。

 ボールを転動体とするボールねじが点接触で運動するのに対し、ローラーを転動体とするローラースクリューは面接触で運動するため、ボールねじに比べ①高荷重の支持、②長寿命、③高剛性、といった特徴を持つ。
図1(a)は、𝐿10寿命計算に使われる基本動定格荷重(一群の同じ製品を運転した時に、その内の 90%がはく離を起こさずに回転できる寿命が100万回転になるような軸方向荷重、Ca)の比較だが、図1(a)からは例えば同じ軸径φ32で、高負荷容量ボールねじの基本動定格荷重が100kN程度なのに対して、エバリックスのローラースクリューの基本動定格荷重は130kN程度と、より大きな荷重が受けられることが分かる。

 このことから図1(b)に示すとおり、同じ基本動定格荷重でみると、高負荷容量ボールねじに比べエバリックスのローラースクリューは、ナットの長さを約3〜4割短縮できる。これは、ナットのダウンサイジングによる省スペース化が図れ、装置をコンパクト化できることを意味する。

 また、ボールねじなどの軸方向荷重としては一般的に、メーカーは基本動定格荷重の30%以下で使用することを推奨している。この値が許容荷重で、図1(c)は、エバリックスのローラースクリューが面接触により面圧を分散できるため、同じ軸径で比較すると、高負荷容量ボールねじの約3.3倍の許容荷重を有すること、つまり、はるかに高い耐荷重能力を持つことを示している。

 こうしたことからローラースクリューでは、同等の基本動定格荷重であればボールねじに比べ軸径の小さな製品にダウンサイジングでき、重量を大幅に軽くすることで、遠心力も大幅に小さくできる(図2)。
エバリックスのローラースクリューのシリーズとしては以下のとおり、大別して遊星型と循環型がある。
 

図1 エバリックス ローラースクリュー vs. 重荷重用ボールねじ(リード10mmで比較)

 

図2 同等の基本動定格荷重のボールねじからのダウンサイジングの効果
遊星型ローラースクリュー

 遊星型ローラースクリュー「SR」は、ねじ軸と、ねじ軸の周りに、ガイドで固定してそれぞれが非接触で配置された、両先端にギヤを切り本体には螺旋ねじを持つローラー、ローラー先端のギヤが噛み合う内歯車(ギヤリング:toothed ring)、ローラーの螺旋ねじと同じ角度の螺旋溝を内側に施したナットなどから構成される(図3)。

 ねじ軸の回転とともに各ローラーは、先端のギヤがギヤリングと噛み合いながら軸の周りを遊星運動で回転、これによってナットの直線運動へと変換される。
遊星型ローラースクリューの特徴としては、転がり接触によって低摩擦で、耐荷重能力が高く、循環型ローラースクリューのような循環機構を必要とせず、また衝撃荷重・振動を受けないため高速・高加速が要求されるアプリケーションに適していること、などが挙げられる。ローラー先端のギヤとギヤリングとの噛み合いによって、ボールねじで見られるような高加速の際の滑りも起こらない。
 

図3 遊星型ローラースクリューの構造

 

 

 

循環型ローラースクリュー

 循環型ローラースクリュー「SV」は、ねじを切った主軸と、軸の周りにケージ(保持器)によって非接触に整列させられた溝付きのローラー、各ローラーを押し出すように段差を設けたカム、内側にねじが切られローラーが落ちるためのスロットを有するナット、などで構成される(図4)。

 ねじ軸の回転とともにローラーが回転、カムの段差でローラーの先端が押されて順次転がりながらナット内側のねじと噛み合っていき、それによってナットの直線運動に変換される。

 循環型ローラースクリューの特徴としては、転がり接触によって低摩擦で、耐荷重能力が高いのは遊星型ローラースクリューと同じだが、ねじに螺旋の角度を取る必要がないため、極めて小さなリード(ねじ軸が1回転した時にナットが軸方向に進む距離)を設定できること、などが挙げられる。短所は、カムの段差によってローラーが溝に落ちてナットが進む際に振動が発生することで、このため高速用途には向いていない。
 

図4 循環型ローラースクリューの構造

 

  加工分野での適用事例

 ローラースクリューは、樹脂を押し出す射出成形機(図5)やブロー成形機、金属を曲げるベンディングマシン、スポット溶接ロボット、リベットマシン、サーボプレス機など、大きな推力を必要とするアプリケーションに適用できる。

 ボールねじを大径にしないと高推力を発生できず、装置内で大径ボールねじのスペースが確保できないような場合に、ローラースクリューはダウンサイジングによる省スペース化が可能となる。

 ローラースクリューを用いた電動アクチュエータもシリーズ化されているが、油圧アクチュエータからこの電動アクチュエータに置き替えることで、制御性や分解能を向上でき、必要とされるエネルギーを大幅に削減できるほか、油圧作動油の管理といったメンテナンスコストが削減できるなど、生産コストの低減と生産効率の向上に寄与できる。

 木村洋行ではまた、加工分野で適用の進む協働ロボットのアクセサリとしてエバリックスのピラー型電動アクチュエータをカスタマイズしロボット自体を垂直方向に動作させることで作業動作範囲を拡大できる「LIFTKIT」を提案している。ロボットの基台としてピラー型アクチュエータである「LIFTKIT」を使用することで、設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲が立体的に拡大できる。

 また、単軸横置アクチュエータに協働ロボットを接続し、搬送やピック&プレースなどロボットの水平方向の動作範囲を拡大でき、作業効率を飛躍的に向上できる「SLIDEKIT2.0」(図6)も提案している。
ニーズに応じてSLIDEKIT上にLIFTKITを載せて併用することも可能で、その場合は協働ロボットの垂直方向と水平方向の動作範囲を大幅かつ同時に拡大できる。

 SLIDEKITおよびLIFTKITは当初、ユニバーサルロボット(UR)社とのコラボによる6軸協働ロボットのアクセサリとしてカスタマイズされたが、現時点でUR、オムロン、ABB社、台湾テックマン(TM)社の4社の協働ロボットへの適用が可能となっており、それぞれの協働ロボットのティーチングペンダントによって、協働ロボットとSLIDEKIT/LIFTKITの動作制御が可能となっている。
 

図5 射出成形機での適用例

 

図6 SLIDEKIT2.0を用いた複数のセル生産装置でのワークの受け渡しイメージ
:スライド長3mまで対応

 

超薄型ボールベアリング 概要と特徴

 KAYDON(ケイドン)社は、1950年代に世界で初めて超薄型ボールベアリング「Reali-Slimシリーズ」(図7)を開発し量産を開始した唯一の専門メーカーで、現在はSKFグループとしてあらゆる用途に応じたカスタムベアリングの開発も手掛けている。

 

図7 内径が大きくなっても断面サイズが一定の
ケイドン超薄型ボールベアリング

 

 ケイドン超薄型ボールベアリングの最大の特徴は、断面が超薄型のため装置に占めるベアリングのスペースを最小化でき、装置全体の省スペース・軽量化が図れ、設計の自由度が向上する点。一般的なISO規格・JIS規格のベアリングでは内径が大きくなるのに比例して断面サイズも大きくなるのに対し、ケイドン超薄型ベアリングは断面サイズでシリーズ化されており、内径が大きくなっても同じシリーズ内であれば断面サイズは変わらない。

 ケイドン超薄型ボールベアリングには、ラジアル荷重を受ける深溝型(Type-C)と、通常は2列以上の複列で用いてラジアル荷重、アキシアル荷重とモーメント荷重の複合荷重を同時に支えることができるアンギュラコンタクト型(Type-A)、この複合荷重を単列のベアリングのみで受けられる4点接触型(Type-X)がある(図8)。

 特に、複合荷重を受けられる4点接触型を使用することで大口径中空シャフトへの置き換えが可能になるだけでなく、単列仕様にできるため軸方向の長さをさらに短縮できる。気体・液体の配管類、電気配線やスリップリングなどを中空シャフト内に収納可能など、フレキシブルで効率的なデザインにできる。

 

図8 超薄型ボールベアリングの種類

 

加工分野での適用事例

 ケイドン超薄型ベアリングは内径が大きくなっても断面サイズが超薄型なことから、工作機械でも省スペース設計が可能で、外輪に歯切りした大口径ターンテーブル用ベアリングや、ツールチェンジャー用ベアリングなどに採用され、装置の省スペース設計のほか軽量化による消費電力の低減にも寄与している。
 工作機械でも砥石がワークの外周側を回転する用途では、砥石を支持するベアリングの内径を大きくしつつ外径寸法を抑える必要がある。このような用途では、ケイドン超薄型ボールベアリングの使用が有効な解決策となる。

 

今後の展開

 ものづくり現場での自動化・ロボット化が進展する中で、URロボットなどのアクセサリに位置づけられるエバリックスの電動アクチュエータの採用が進んできている。また、装置の省スペース設計が可能な点からは、エバリックスのローラースクリューやケイドンの超薄型ベアリングが注目されてきている。いずれも高い負荷容量、長寿命化を実現しつつ、サイズダウン化でき軽量化が図れることからは、装置の消費電力の低減、ひいてはCO2削減にも寄与できる。

 エバリックスの製品もケイドンの製品も、工作機械を含めて様々な用途に合わせてカスタマイズが可能なため、木村洋行ではユーザーとの対話の中でニーズを的確にとらえて、各種製品の特質を活かしつつユーザーの仕様に最適な製品を提供していくとともに、従来から実施している機械を正常に稼働させるための総合的な技術的サポートについても引き続き実施していく考えだ。

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イグス、ローコストオートメーション事業拡大に向け、Commonplace Robotics社の株式を取得

1年 6ヶ月 ago
イグス、ローコストオートメーション事業拡大に向け、Commonplace Robotics社の株式を取得kat 2022年10日07日(金) in in

 イグス・ドイツ本社は、ローコストオートメーション(LCA)事業拡大のため、ロボット業界の革新的企業であるドイツのCommonplace Robotics社の株式の過半数を取得した。同社の直感的なソフトウェアと、イグスの高機能ポリマー製可動パーツを組み合わせることで、オートメーションにおけるシンプルなソリューションを実現していく。

 Commonplace Roboticsは、直感的な制御システム、ソフトウェア、ロボット用パワーエレクトロニクスを専門とし、産業界・教育界向けに製品やサービスを提供する企業。クリスティアン・マイヤー氏によって11年前に設立された。“ロボットの統合と運用を低コストかつシンプルにして、ロボットを一般に広く普及させる”という同社のコンセプトが、イグスの産業用LCA製品と合致し、両社は2016年以降、イグス ロボットコントローラ(iRC)、アクチュエータ、ReBeLロボットアームなどの共同開発を行ってきた。ファームウェアやソフトウェアから、スイッチキャビネット構築や回路基板の組み立てまで対応するCommonplace Roboticsの高度な垂直統合は、新規開発の迅速な実現を可能にしている。

 今回の株式取得により、イグスとCommonplace Roboticsは、互いの革新的な技術の強みを組み合わせることになる。Commonplace Roboticsは、イグスとの技術プロジェクトに大きな期待を寄せており、同社にはイグスのローコストロボット用オンラインプラットフォームRBTXを通じて、日々様々な業界の顧客からの要望が届いている。今回の投資を機に、同社はさらに技術を拡充させて、そうした要望の多くに、より迅速に対応できることになる。

 両社による最新製品は、制御システムが装備可能なロボットアームReBeLで、個別部品としても購入可能なアクチュエータは、イグスのノウハウを活かしたギヤボックスと、Commonplace Roboticsのパワーエレクトロニクス、ソフトウェアの技術を統合している。4自由度または6自由度を持つReBeLは、(6自由度の場合)可搬重量が最大2㎏で可動範囲は664mm、正味重量はわずか10㎏。品質管理やピック&プレースといった従来の機械工学分野だけでなく、レストランオートメーションや都市型農業といった新しい分野からの要望や注文も多くなっている。

 

左:Commonplace Robotics CEOのクリスティアン・マイヤー氏
右:イグスCEO兼アントレプレナーのフランク・ブラーゼ氏

 

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出光興産、業界初、商用ディーゼルエンジン車のDPFの寿命を延長する無リン無灰オイルを開発

1年 6ヶ月 ago
出光興産、業界初、商用ディーゼルエンジン車のDPFの寿命を延長する無リン無灰オイルを開発kat 2022年10日07日(金) in in

 出光興産は、業界初となる無リン無灰のディーゼルエンジンオイル「idemitsu AshFree」(イデミツアッシュフリー、粘度グレード:10W-30、荷姿:200Lドラムまたは20L缶)を開発、発売を開始した。「idemitsu AshFree」は、ディーゼルトラックやバスに搭載される排ガス浄化処理装置DPF※2(Diesel Particulate Filter、ディーゼル微粒子捕集フィルター:DPF)の目詰まりの要因となる灰を出さないオイルで、DPFの寿命延長によるメンテナンス費用の削減やDPF再生時間短縮による労務時間・燃料使用量の削減を実現する。本製品は同社の特約販売店を通じて販売します。

idemitsu AshFree(20L缶)

 

 トラックやバスのエンジンに使用されている従来のディーゼルエンジンオイルには清浄性や耐摩耗性を向上させるため、添加剤として金属添加剤が含まれている。一方、これらの金属添加剤は灰となってDPFを詰まらせ、トラブルの要因となることが長年の課題となっていた。

 同社ではこの課題を根本的に解決するため、「灰を減らす」のではなく「灰を出さない」というコンセプトのもと、独自の添加剤処方技術により、灰となる金属添加剤を使用しないディーゼルエンジンオイルの開発に取り組み、成功した。

 開発したidemitsu AshFreeの特徴(期待効果)は以下のとおり。

1.DPFの寿命延長
 DPFは定期的な点検・清掃が必要で、燃料、オイル由来のススやオイル中の金属添加剤に由来する灰分から発生するPM(Particulate Matter : 粒子状物質)が溜まると、自動的にPMを燃焼させる「再生」処理をすることで、フィルターの性能を保持する。走行条件によっては自動再生では再生が完了しない場合があり、手動での再生を実施する必要が生じる。手動再生は30分程度車両を停止させて行う必要がある。これに対しidemitsu AshFree を使用することでDPFに灰が溜まらず、DPFの寿命延長(DPFの交換、洗浄などのメンテナンスコスト削減)が可能となる。

2.労務時間の改善
 上述のとおり、DPFの手動再生に費やしていた労務時間を削減し、負担を軽減できる。

3.燃料消費量の削減
 DPFの再生回数増加を抑制するため再生に使用する燃料を削減します。

4. 優れた高温清浄性
 独自の添加剤処方技術により、優れた高温清浄性と低い蒸発性を有しておりデポジット抑制(EGR等)も期待できる。「JASO DH-2」(日本製ディーゼルエンジン+DPF適合性能)規格より低い硫酸灰分と塩基価を実現し、「JASO DH-2」で制定されている全てのエンジン試験をクリアしている。

5. 環境への貢献
 DPFの再生回数抑制などによりCO2排出量の削減につながる。また、リンを使用しないことにより、触媒の被毒を抑え、触媒の交換を減らすことが期待できる。

 出光興産では、「1911年の創業以来、超緻密な設計にこだわり続け、潤滑油の技術力を磨いてきた。今後も、この技術力を通じ、労務環境の改善やCO2排出量の削減など、社会課題の解決に貢献していきたい」としている。

kat

ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2022年9月号「特集1:工作機械」「特集2:自動車」発行!

1年 6ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2022年9月号「特集1:工作機械」「特集2:自動車」発行!admin 2022年09日20日(火) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第37号となる2022年9月号が9月26日に小社より発行される。

 今号は、「特集1:工作機械」、「特集2:自動車」で構成。

 特集1「工作機械」では、工作機械における脱炭素化に向けた技術的取組みや工作機械の高効率化を支える直動案内や突発故障を防ぐ予兆検知システム、高剛性ローラースクリューや超薄型ボールベアリング、作業環境を改善する加工油などの話題を紹介する。

 特集2「自動車」では、エンジン軸受の性能向上を含めた内燃機関のさらなる効率改善から、電気自動車のeアクスルのフルード処方技術や、フルード開発を支える摩擦摩耗試験機などの話題を紹介する。

特集1:工作機械

◇カーボンニュートラルと生産性向上を両立する工作機械の技術的取組み・・・工作機械メーカー各社
◇工作機械における直動システムおよび予兆検知システムの最近の話題・・・THK 梅澤 雅一 氏、髙野 修一 氏に聞く
◇加工分野におけるローラースクリューおよび電動アクチュエータ、超薄型ボールベアリングの適用・・・木村洋行 木村 光正 氏、小塚 真治 氏、北澤 潤 氏、足立 健太 氏に聞く
◇高引火点切削油の特性と作業環境改善効果について・・・出光興産  岡野 知晃、小矢 俊亮

特集2:自動車

◇ピストンオイルリング挙動の可視化によるオイル上がりメカニズムの解明・・・トヨタ自動車 佐久間 亨
◇高筒内圧エンジン用Bi合金オーバレイ軸受の開発・・・大豊工業 佐藤 広樹
◇電動ドライブユニット向けフルードの諸性能を改善する粘度指数向上剤の最適処方技術・・・エボニック ジャパンに聞く
◇カーボンニュートラルモビリティ向け潤滑剤・フルードの開発を支援する振動摩擦摩耗試験機・・・Optimol Instruments Gregor Patzer、訳:パーカー熱処理工業 越智 直行、佐藤 雅之

連載

注目技術:第32回 ELID研削法をベースとした新しい機能性表面創成技術・・・理化学研究所 大森素形材工学研究室
あるコスモポリタンの区区之心 第8回 5G、スマホ、電磁波被爆の認識・・・紺野 大介
Q&A「浄油技術」の基礎知識 第8回 オフラインフィルタの有効性・・・RMFジャパン テクニカルサポート

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admin

イグス、ESD対策用ステンレス製ガイドローラー

1年 7ヶ月 ago
イグス、ESD対策用ステンレス製ガイドローラーkat 2022年09日16日(金) in

 イグスは、無潤滑・メンテナンスフリーのクシロス ガイドローラーのラインアップに、ESD対策用のステンレス製ガイドローラー(https://www.igus.co.jp/info/antistatic-stainless-steel-xiros-conveyor-rollers)を追加した。静電気を逃すことで、帯電による機械やシステムの故障を防ぎ、ダウンタイムおよびコストを低減できる。食品との接触がある用途にも使用できる。

ESD対策用のステンレス製ガイドローラー

 

 フィルム製造・食品包装などの機械やシステムにおいて、静電気帯電は大きな問題を引き起こし、機械の損傷によるダウンタイムや修理費の発生、最悪の場合には火災や爆発につながることもある。こうしたリスクを回避できるように、同社では導電性のクシロス ステンレス製ガイドローラーを開発した。静電気防止ブラシや高価な特殊設計の代替となり、低コストを実現する。すぐに取り付け可能で、サイズは外径30mmでシャフト径8mm/10mm/12mmの3種類、ステンレスチューブの長さは100~1000mmの範囲で、希望の長さをミリ単位ご指定できる。

 新開発のステンレス製ガイドローラーは、包装機械のフィルムガイドに適した製品で、チューブと軸受のボールはステンレス製、軸受の内輪と外輪は独自開発となる帯電防止の高機能ポリマー「クシロデュールF180」製。二つの素材を組み合わせて静電気散逸性を確保した。使用可能な温度範囲は-40℃~+80℃。従来の金属製ベアリングとは異なり、導電性を妨げる可能性のある潤滑剤が不要なため、静電気を確実に逃す。発生した静電気はチューブの表面から軸受の外輪を経てボールに伝わり、さらに内輪を経由してシャフトに流れる。

 クシロス ステンレス製ガイドローラーによる無潤滑運転は、機械やシステムの衛生状態を向上させ、汚染リスクを低減させる利点もある。個々の部品はすべて、食品との接触が可能で、再潤滑が不要なため長寿命とメンテナンスコスト削減を実現できる。

 最適なガイドローラーの選定には、ガイドローラー用エキスパートが利用できる。このオンラインツールでローラーの寸法や荷重条件、環境条件を指定すると、適切なソリューションの一覧が表示される。たわみ量、重量、価格などのデータを参照のうえ、希望の製品を選択でき、そこから構成用CADデータのダウンロードと、オンライン注文が可能となっている。

kat

イグス、食品機械の洗浄に対応するリニアアクチュエータ

1年 7ヶ月 ago
イグス、食品機械の洗浄に対応するリニアアクチュエータkat 2022年09日05日(月) in

 イグスは、FDA準拠材質を使用し、衛生設計のガイドラインに基づいた「ドライリンZLW歯付きベルト駆動リニアアクチュエータ」(https://www.igus.co.jp/info/n22-hygienic-fda-zlw)を開発した。独自の高機能ポリマー技術により、洗浄が容易で無潤滑・メンテナンスフリーを実現、食品機械の洗浄で課題となるダウンタイムとコストの削減に大きく貢献する。

ドライリンZLW歯付きベルト駆動リニアアクチュエータ

 

 大規模な菓子類製造所などでは、食品機械の定期的な洗浄に多大な負担がかかる。ミキサーでは大型の容器や撹拌体のほかに、撹拌体を上下させるリニアアクチュエータやキャリッジも洗浄する必要があるが、従来のリニアアクチュエータでは洗浄が困難な箇所に生地が付着すると洗い残しが発生する恐れがあり、それによる汚染のリスクもあった。

 そこで同社は、食品業界や医薬品・化粧品業界におけるシステム洗浄の負担を軽減するため、リニアアクチュエータのラインアップを拡充。衛生設計の新しいドライリンZLWは、流水はもちろん高圧スチームや洗浄剤にも対応し、迅速で徹底的な洗浄が可能なため、システムの安全性向上にもつながる。

 新しいリニアアクチュエータは、衛生設計のガイドラインに基づいて開発されたため洗浄が簡単で、生地がたまりやすい場所を最小限にし、ねじ部の隙間がない構造を実現。機能を一番に考慮した設計としているほか、角を丸くすることで、高圧洗浄の際に水の流れがよくなり、汚れの粒子を運びやすくしているため、水が滞留することもなく、雑菌の発生を抑えることが可能。また、どうしても滞留しやすい場所には穴を設け、液体が完全に排出されるようにしている。

 新しいドライリンZLW歯付きベルト駆動リニアアクチュエータは、FDAに準拠した材質のみを使用。軸端サポートとキャリッジは、耐食性に優れたステンレス製で、レール上を走行するキャリッジの軸受部は、食品接触向け高機能ポリマーであるイグリデュールA160製のため、無潤滑の低摩擦運転が可能となる。汚染リスクのある外部潤滑剤は不要で、非常に高い耐久性も実現できる。

 耐久性についてはドイツのイグス試験施設で、速度0.5m/s、加速度2m/s²、荷重3kgの条件で、約145万往復回数を実証済み。本製品は現在、最大ストローク長3000mmまで対応、オプションでステッピングモータを装備できる。

kat

THK、内外輪一体形で組付けの大幅時短化を実現するクロスローラーリングを開発

1年 7ヶ月 ago
THK、内外輪一体形で組付けの大幅時短化を実現するクロスローラーリングを開発kat 2022年08日24日(水) in in

 THKは、内外輪一体形の安定構造によって組付けの大幅な時短化に貢献するクロスローラーリング「RBU形」を新たにラインナップとして追加する。

クロスローラーリング RBU形


 クロスローラーリングは、内外輪の間に円筒ころ(ローラー)がスペーサリテーナを介して交互に直交配列されているため、あらゆる方向の荷重(ラジアル荷重、アキシアル荷重、モーメント荷重)を負荷することができるとともに、高い回転精度が得られる。こうした特徴を有するクロスローラーリングは、産業用ロボット、工作機械、減速機をはじめ、高剛性、高精度な回転運動を必要とする装置の旋回用軸受として広く採用されている。

 昨今、自動化・省人化の後押しを受けて世界的に出荷台数を伸ばしている産業用ロボット、減速機の生産現場では、組付けの作業効率を上げるために作業工程の見直しや改善が求められている。さらには、同じ人員で一層の生産性向上につなげる体制づくりが急務となっている。クロスローラーリングは高精度な回転運動が得られる一方で、シビアな組付作業が要求されるため、組付けの経験を重ねることが必要とされ、従来は作業効率を上げることが難しかった。

 これに対しTHKは、クロスローラーリングの組付けの時短化に貢献すべく、内外輪一体形の安定構造を有しつつ、性能面でも安定した回転精度・回転トルクを併せ持つクロスローラーリングRBU形を新たにラインナップとして追加する。

 製品ラインナップは軸径φ20~190からなる全24形番を展開。また、既存形番のRB形とは寸法に互換性があり、設計変更を伴わずにRBU形への簡単な置換えが可能となっている。

 特徴は以下のとおり。

・容易な組付調整 細かい組付調整が不要なため、装置への組付けが容易で、時間短縮に貢献。産業用ロボットの関節部や旋回部、そして減速機の組付けなどでは、生産台数が多ければ多いほど、抜群の時短効果を発揮する

・軸受性能の安定化を実現 内外輪一体形構造のため、外輪分割形のRB形と比較し部品剛性が向上しているため、ハウジングの精度や剛性の影響を受けにくく、安定した性能が得られる

・既存形番であるRB形とは寸法に互換性があり、設計変更を伴わずに簡単に置換えが可能

・軸径φ20~190からなる全24形番の豊富なラインナップ

 THKは今後も、独自の新製品開発を通して、あらゆる分野の自動化・省人化需要に応えるとともに、生産性向上、工程改善のためのソリューションを提案していく。

 

RBU形の構造

 

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室町ケミカルやポリプラ・エボニックなど、バイオディーゼル燃料の精製装置を共同開発

1年 7ヶ月 ago
室町ケミカルやポリプラ・エボニックなど、バイオディーゼル燃料の精製装置を共同開発kat 2022年08日24日(水) in

 室町ケミカルは、水光技研、健製作所、RITA、ポリプラ・エボニックの4社とバイオディーゼル燃料の精製装置を共同開発した。フィールドテストの実施場所として西田商運が協力、実証評価とデータ収集に取り組み、耐溶剤分離膜を用いた、不純物の少ない高品質のバイオディーゼル燃料を製造する精製装置(特許出願中)を開発した。本年9月に上市を予定している。従来の「蒸留法」と比べてエネルギー消費が少なく、環境にも優しい精製法となっている。

 国内では化石資源利用の低減やカーボンニュートラル化(CO2排出量削減)の観点から、使用済みの食用油(廃食用油)を原料としてバイオディーゼル燃料を製造し、軽油の代替品とする事業が数多く存在する。

 この廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料を軽油の代替として車に使用した場合、原料由来からくる遊離脂肪酸や製造過程で発生する遊離グリセリン等の不純物が原因で、マフラーが目詰まりするなどの多くの不具合が発生し問題となっている。この問題の解決方法として、バイオディーゼル燃料の高品質化を目的とした、蒸留法による不純物の除去方法、・置があるが、燃料の蒸留という危険性や、製造能力(収率)・コスト(高エネルギーが必要)面での問題から、限定的な採用に留まっている。

 今回、室町ケミカルやポリプラ・エボニックなどの5社はこれらの問題を解決する目的で開発チームを立ち上げ、従来にない画期的な方法での不純物除去に挑んだ。開発チームでは、有機溶媒中でナノろ過が可能なポリプラ・エボニックの分離膜「PURAMEM®」を用いた特殊な精製工程を経ることにより、不純物の少ない高品質のバイオディーゼル燃料を製造することに世界で初めて成功した。この精製方法は、バイオディーゼル燃料の精製処理として一般的な蒸留法と比べて、以下の特徴を実現できる。

・高品質:エステル分向上(94%→99%、※不純物除去)により、高品質なバイオディーゼル燃料を製造

・高収率:蒸留法の収率75%に対し、分離膜法では90%の高収率を実現

・安価:エネルギーコストの低減により、蒸留法と比べて安価な精製処理が可能

・安全:分離膜法では、蒸留法のように燃料を高温(数百℃)にする危険性がなく安全

 開発チームでは、バイオディーゼル燃料のサンプル提供を受け、ラボ試験、パイロット試験を経て、実機装置導入を提案していく。また、バイオディーゼル燃料の精製装置や製造装置プラントについても提供することが可能としている。

ポリプラ・エボニックの耐溶剤分離膜「PURAMEM」

 

バイオディーゼル燃料精製装置の側面

 

左:精製前
右:精製後:不純物を除去しているため、ほぼ透明

 

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エボニック、ドイツの生産拠点で天然ガスの最大40%を代替

1年 7ヶ月 ago
エボニック、ドイツの生産拠点で天然ガスの最大40%を代替kat 2022年08日19日(金) in

 エボニック インダストリーズはドイツの生産拠点において、ロシアからの供給停止が懸念される天然ガスへの依存度を大幅に低減している。天然ガスに替わるエネルギー源を利用することで、化学製品の生産を大幅に縮小することなく、ドイツの天然ガス供給の最大40%を置き換えることを可能にしている。これにより、自社の生産活動を守るだけでなく、ドイツの天然ガス使用削減に寄与することができる。代替される天然ガスの量は、10万世帯以上の家庭の年間消費量に相当する。

 エボニックの最も重要な施策は、マールにあるドイツ最大の生産拠点で実施されている。ここに新設されるガス火力発電所では、天然ガスではなく、エネルギー会社であるBPの協力を得て液化石油ガス(LPG)を使用して発電を行う予定で、これによりマールでのエネルギー供給の確保だけでなく、生産活動の継続も実現できる。代替された天然ガスは、ドイツの天然ガス貯蔵施設に補充することも可能となる。
マールの石炭火力発電所も、エネルギー供給の確保に貢献している。当初、この発電所は今年中の停止を予定していたが、法的枠組みの変更に伴い、今後、必要な人員の確保、技術的メンテナンスへの投資、石炭供給の確保を行い、今年以降も運転を継続する。

 エボニック 取締役会長のクリスチャン・クルマン氏は、「天然ガスをLPGに代替することや、石炭火力発電所の運転を継続することで、ドイツ最大の生産拠点であるマールでは、生産量を大幅に削減することなく、天然ガスから脱却することができる。ロシアからガスの供給が停止した場合でも、当社のヨーロッパにある生産拠点でのエネルギー供給はほぼ確保される」と述べている。

 エボニックは、全世界で年間約15TWh(テラワット時)の天然ガスを調達しており、その大半は発電と蒸気生成に使用されている。このうち、ドイツへの供給が1/3を占めている。アントワープ(ベルギー)などドイツ以外のエボニック拠点へのエネルギー供給は、ロシアからのガス供給とはほぼ無関係である一方、ドイツでは、ロシアからのガス供給が途絶えた場合に化学品の生産に重大な支障をきたす可能性があった。

 しかし、このリスクは現在、大幅に軽減されつつある。LPGは、メタンを主成分とする液化天然ガスや天然ガスとは異なり、主にブタンからなる液化ガスで、LPGはマールにあるエボニックの生産拠点で、C4誘導体(パフォーマンス中間体)を生産する際の副産物として得られるほか、市場からの調達も可能となっている。ドイツ・ゲルゼンキルヒェンのBP社製油所との統合ネットワークにより、エボニックとBPは既存の生産・物流システムやインフラを利用して、マールでLPGの供給を十分に確保できる。

 BP Europa 取締役会長のヴォルフガンク・ラングホフ氏は、「現在ドイツでは、ガスの使用削減が重要かつ喫緊の課題となっている。ゲルゼンキルヘンにあるBPの拠点とマールにあるエボニックの拠点が協力し、天然ガスをLPGで代替する計画の実現を支援できることをうれしく思う」と述べている。

 エボニックの新しいガス火力発電所では、天然ガスとLPGの両方を使用できる柔軟性も、利点として証明されつつある。LPGの使用については、発電所の建設を行うシーメンス・エナジーとの緊密な協力のもと、現在順調に試験を進めている。

 エボニックでは、シュタイナウ、エッセン、クレーフェルト、リュルスドルフ、ヴェッセリングなど、ドイツの他の生産拠点でも天然ガスの代替措置を明らかにしている。この措置では天然ガスの一部を重油で代替する予定で、実施に向けた投資をすでに開始している。

kat

日本ベアリング、営業本部・東京支店・京滋支店を移転

1年 7ヶ月 ago
日本ベアリング、営業本部・東京支店・京滋支店を移転kat 2022年08日17日(水) in

 日本ベアリングはこのほど、販売・営業サービス業務の一層の強化充実を図る目的で、営業本部・東京支店・京滋支店を移転する。新拠点での業務開始はいずれも、8月22日からとなる。

 営業本部は、取締役営業本部長 米山浩一氏、営業本部マネージャー 金子 徹氏のもと、以下の新拠点で業務を開始する。

〒111-0041 東京都台東区元浅草3-7-1 住友不動産上野御徒町ビル12階
国内営業 TEL:03(5246)3800 FAX:03(5246)3821
海外営業 TEL:03(5615)2812 FAX:03(5615)2813
※海外営業の番号は、いずれも変更なし

 東京支店は、支店長 金澤義則氏のもと、以下の新拠点で業務を開始する。

〒111-0041 東京都台東区元浅草3-7-1 住友不動産上野御徒町ビル12階
TEL:03(5246)3511 FAX:03(5246)3521

住友不動産上野御徒町ビル

 

 京滋支店は、支店長 須田賢一氏のもと、以下の新拠点で業務を開始する。

〒520-3031 滋賀県栗東市綣2-4-5 ウイングプラザ1階
TEL:077(552)9311 FAX:077(552)7715
※京滋支店の番号は、いずれも変更なし。

ウイングプラザ

 

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日本ベアリング、ブランディングTVCM2本を公開

1年 7ヶ月 ago
日本ベアリング、ブランディングTVCM2本を公開kat 2022年08日17日(水) in

 日本ベアリング(NB)は、2022年度のブランディングTVCM「まっすぐ未来へ」篇(30秒)と「世の中も滑らかに」篇(30秒)の2本を制作、公開を開始した。

 「まっすぐ未来へ」篇では、このほど誕生した、「まっすぐ走ること=直線運動」を特技とするパートナー犬「エヌビーグル(NBeagle)」が、同じく直線運動技術を特技とするNBの、“世の中を、まっすぐ、やさしく、滑らかに。”する使命や、同社のリニアモーションシステムが快適な暮らしや超スマート社会の実現を支えていることを紹介。エヌビーグルは引き続き、未来に向かって、まっすぐ走り続ける。

 「世の中も滑らかに」篇ではまた、エヌビーグルが街にある「まっすぐな」ものや「滑らかな」ものを探して走り、医療機器やホームドア、半導体製造装置、工作機械、産業用ロボット、包装機…などなど、暮らしの中の安心安全のために、皆の未来のためにNBのリニアモーションシステムが支えていることを発見。「世の中も、滑らかなのがいいよね」との思いに至る。
 

「まっすぐ未来へ」篇

「世の中も滑らかに」篇

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ドイツ工作機械工業会とドイツメッセ、EMO Hannover 2023出展申込の受付を開始

1年 8ヶ月 ago
ドイツ工作機械工業会とドイツメッセ、EMO Hannover 2023出展申込の受付を開始kat 2022年08日16日(火) in

 ドイツ工作機械工業会(VDW)とドイツメッセは、2023年9月18日~23日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場でリアル開催される世界的な工作機械の展示会「EMO Hannover2023」について、出展申込の受付を8月1日から開始している。申込締切は本年12月1日まで(早期割引の申込締切は本年10月15日まで)。

EMO Hannover2023のロゴ

 

 4年ぶりのリアル開催となるEMO Hannover2023は、「Innovate manufacturing」をテーマに掲げ、会期までの1年間、製造業が抱える課題解決のための情報やソリューション、ビジネスのヒントを世界中に訴求していく(https://emo-hannover.de/en/news)。

 EMO Hannover2023ではまた、生産技術におけるイノベーションには、AI、デジタルツイン、データ分析、サイバーセキュリティ、クラウド、プロセスモニタリング、予知保全に関連するIT技術やソフトウェアの活用が欠かせないとの考えから、同分野にフォーカスした「Separate IIoT in Production exhibition area」も新設する。

 さらに、両主催団体は「Sustainability in production」の名のもとWPG(ドイツ生産技術・科学協会)の協力を得て、EMO Hannover2023を製造業や生産プロセスにおける環境問題、エネルギー問題を解決するためのプラットフォームとして活用していく予定。EMO Hannover2023はまた、サステイナブルな社会や産業の構築にも貢献していく。

 前回開催(2019年)の概要は以下のとおり。
・出展者:2211社(47ヵ国)
・来場者:116706名(149ヵ国)

 本件に関する問合先は以下のとおり。
ドイツメッセ日本代表部 (合同会社International Linkage 内)
担当:竹生(たけお)
TEL:03(6403)5817
E-mail : masahito.takeo@intl-linkage.co.jp
EMO Hannover2023ウェブサイト
(英文)https://emo-hannover.com/
(和文)https://intl-linkage.co.jp/dm/emo-hannover2023/
 

kat

ジェイテクト、ロードバイク用高性能セラミックボール軸受を発売

1年 8ヶ月 ago
ジェイテクト、ロードバイク用高性能セラミックボール軸受を発売kat 2022年08日15日(月) in

 ジェイテクトは、市販向け軸受の新商品として、ロードバイク用高性能セラミックボール軸受「鬼ベアリング」(ONI BEARINGTM)を8月20日に発売する。限定30セットで、価格は120000円(税込。軸受(フロント・リア)と工賃の価格で、ホイールの価格は含まれていない)。

鬼ベアリング(ONI BEARING)

 

 ジェイテクトはこのほど、1984年に世界で初めて実用化したセラミックボール軸受の技術を結集し、自動車・産業機械向けに培った知見を活かして、自転車用軸受市場に本格参入した。

 ONI BEARINGは、既存のロードバイク用軸受と比べ圧倒的な低トルクを誇り、漕ぎ出しの軽さとホイール速度維持を実現し、また軸受の基礎技術を積み上げ、高い耐久性と長寿命を誇る。これらの性能により、ロードバイクユーザーの、より速くより快適な走りの実現に貢献できる。

 圧倒的な低トルク性能が評価され、国内屈指のロードバイクレーシングチーム「MATRIX POWERTAG(マトリックスパワータグ)」のレース車両に試作品が採用。選手からは「桁違いに軽い。特にコーナーの立ち上がりに軽快さがある」など好評を博しており、今シーズンのチームの戦績に貢献することが期待されている。

 ONI BEARINGの名前の由来はJTEKT GROUP VISIONのNo.1&Only OneよりONIを取り、セラミックボール軸受として低トルクを筆頭に圧倒的な高性能、さらに自転車競技の本場欧州への日本ブランドアピールも込めて、ONI(鬼)を商品名に採用した。

ONI BEARINGの性能

 

 日本最大級のスポーツサイクル専門店Y’s Road(ワイズロード)の大阪本館と名古屋本館で販売をスタート。Mavic(マヴィック)製ホイールの現行モデル(COSMIC、KSYRIUM)にはオプションでONI BEARINGを搭載することができ、購入者にはホイールのハブに「ONI BEARING」のロゴを付けることも可能。

 ジェイテクトでは、より多くのロードバイクユーザーやサイクルレースファンに、同社の自転車市場への本格参入とONI BEARINGを知ってもらう目的で、8月20日、21日の両日に開催される「シマノ鈴鹿ロード」にイベント出展し、デモ機展示や前後輪でONI BEARINGを搭載した試乗車の貸出などを実施する予定で、以降も今治クリテリウムなどロードレース会場での体験会や試乗会などを実施する予定となっている。

 同社では、今回発売の商品を皮切りに、技術力をより高め、一層の低トルク化を実現するなど、良質廉価を極め競争力を高めるとともに、販売数量を拡大し、本格的な事業化を目指していく。ONI BEARINGとしてフロントホイール用、リアホイール用の商品群だけでなく、ペダル周辺のクランク用軸受、変速機周りのプーリー用軸受にも領域を広げるとともに、「ベアリング交換キット」とのセット販売なども行い、ロードバイクユーザーへの嬉しさを提供していく考えだ。

ONI BEARINGロゴマーク(上)とホイールのハブに付けたONI BEARINGのロゴ(下)

 

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NTN、最大可搬質量3kgの手首関節モジュールを開発

1年 8ヶ月 ago
NTN、最大可搬質量3kgの手首関節モジュールを開発kat 2022年08日15日(月) in

 NTNは、手首関節モジュール「i-WRIST®」の「IWSシリーズ」の可搬性能を向上させた新グレード「IWS-C01」を開発した。i-WRIST本体のサイズは従来のIWSシリーズのコンパクト性(折れ角90°仕様:W417mm×D365mm×H196mm、折れ角45°仕様:W474mm×D415mm×H185mm)を維持しつつ、最大可搬質量が1kgから3kgに増加し、従来よりも幅広い種類のエンドエフェクタの搭載や製品の取り扱いが可能となり、様々な製造工程の自動化と効率化に対応するとともに、生産現場の省人化に貢献できる。

 同社では、外観検査、グリース塗布、洗浄、組立、バリ取りへの用途展開を図り、2025年度に5億円/年の販売を目指す。

 i-WRISTは独自のリンク機構により、手首のようななめらかな動きを実現するロボティクス・モジュール商品。半球状の全方向に対して高速・高精度に位置決めを行うi-WRISTでエンドエフェクタや製品の姿勢を制御することで、外観検査やグリース塗布、製品洗浄などの工程を自動化することが可能となる。

 2021年にはIWSシリーズを開発し、動作速度の向上や、従来の下向きに加えて横向きや斜め向きなど取付け姿勢を自由に選択できるようにするなど、一部の機能を拡張。タクトタイムが短縮されるだけでなく、取り扱う製品や用途に応じて柔軟な装置設計が可能となっている。通常は2台以上の多関節ロボットで行う複雑な形状の製品の外観検査も、1台のIWSシリーズで実現できる。

 今回、同社がi-WRISTを市場展開する中で、ユーザーからの要望の強かった可搬性能の向上に対応するため、制御方法の最適化により最大可搬質量を1kgから3kgに増加させたIWSシリーズの新グレードIWS-C01を開発したもの。最大可搬質量を増加させたことで、搭載可能なエンドエフェクタや製品が増え、より幅広い用途に適用できる。

 外観検査用途において、i-WRISTで製品の姿勢を制御する場合、小型・軽量な樹脂部品だけでなく、小型のアルミダイキャスト部品など人の手で取り扱う重さの製品の大半を取り扱うことが可能となる。また、i-WRISTにエンドエフェクタを取り付けて制御する場合は、大型照明や高性能カメラの搭載が可能となり、より細かい傷や打痕の検出ができるようになる。

 外観検査のほかにも、バリ取り加工などエンドエフェクタへの負荷が大きく変動する工程にも活用できる。

 

手首関節モジュール「i-WRIST」

 

複雑な形状をした自動車部品などの外観検査事例
(同じ検査速度を実現する構成での比較)

 

新グレード「IWS-C01」

 

kat
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