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bmt配信ニュース ベアリング&モーション技術の情報サイト

bmt2025年7月号「特集:産業用ロボット」、「キーテク特集:設備の予兆保全技術」7/25発行!

3ヶ月 ago
bmt2025年7月号「特集:産業用ロボット」、「キーテク特集:設備の予兆保全技術」7/25発行! in admin 2025年07日23日(水) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第55号となる2025年7月号が7月25日に小社より発行される。

 今号は「特集:産業用ロボット」、「キーテク特集:設備の予兆保全技術」で構成。特集「産業用ロボット」では、各種産業での自動化に資する協働ロボットの導入事例などについて紹介するとともに、それら自動化機器を支える電動アクチュエータや樹脂製ロボットハンド、DDモータ付き磁性流体シールなどベアリング&モーション技術(bmt)関連の製品・技術を紹介する。

 また、キーテク特集「設備の予兆保全技術」においては、機械要素からアプローチする設備の予兆保全技術と潤滑油剤からアプローチする設備の予兆保全技術について、その一端を紹介する。

特集:産業用ロボット

◇産業現場の自動化を支える協働ロボットの技術と導入事例・・・ロボットメーカー各社に聞く

◇超薄型ボールベアリング・電動アクチュエータの技術とロボットへの適用・・・木村洋行 北澤 潤 氏、青木 和久 氏に聞く

◇球体型ドローンとMID機能付きロボットフィンガーの技術と適用・・・DIC 森 耕太郎 氏に聞く

◇DDモーター付き磁性流体シールの技術と適用・・・ハイウィン 林 育志 氏、フェローテック 来住 和広 氏に聞く

キーテク特集:設備の予兆保全技術

◇機械要素からアプローチする設備の予兆保全技術・・・編集部

◇潤滑油剤からアプローチする設備の予兆保全技術・・・編集部

連載

注目技術:第47回 9月22日~26日開催、EMOハノーバー2025に見るbmt技術・・・出展各社

現場に行こう No.003・・・㈱東研サーモテック イノベーション事業部 オープン・イノベーション・センター

トップインタビュー No.022・・・大豊工業 加納 知広 氏 に聞く

あるコスモポリタンの区区之心 第25回 昔話、趣味の量子力学と格闘して・・・紺野 大介

トピックス

日本トライボロジー学会、第70 期会長に佐々木信也氏(東京理科大学)

日本滑り軸受標準化協議会、第41 回総会を開催、新会長に濵﨑俊一氏(オイレス工業)

日本トライボロジー学会、2024 年度学会賞表彰式を開催

日本工作機器工業会、創立70 周年式典を開催

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admin

BASFコーティングス、トヨタ モーター ヨーロッパと補修塗料に関する戦略的パートナーシップ契約を締結

3ヶ月 ago
BASFコーティングス、トヨタ モーター ヨーロッパと補修塗料に関する戦略的パートナーシップ契約を締結kat 2025年07日23日(水) in in

 BASFのコーティングス事業本部は、トヨタ モーター ヨーロッパと欧州における「トヨタBody&Paintプログラム」の開発に向けた戦略的パートナーシップ契約を締結した。

 この協力により、トヨタ、レクサスの両ブランドと、長期的かつ戦略的協力の基盤が構築される。欧州市場で展開される本プログラムには、BASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランドGlasurit®(日本では非売品)および、R-M®が導入される。また、このプログラムには、BASFのコンサルティングサービス「Bodyshop BOOST」(日本では導入未定)に加え、クラウドベースのデジタルプラットフォームRefinity®(リフィニティ®)が提供する各種モジュールを利用できる。

 このパートナーシップ契約を通じて、BASFコーティングスは、トヨタ モーター ヨーロッパが掲げるサステナビリティ目標の達成と、トヨタの高級ブランド車の補修塗装において最高品質の基準を実現できるよう支援する。

 BASFコーティングスは、欧州市場で最も持続可能で、効率的な補修方法の達成を保証するほか、欧州市場におけるトヨタ自動車のボディーショップネットワークを支援し、加盟工場にとって、ビジネスチャンスの拡大につながることを重視している。これらはすべて「絶え間無い改善」の理念に基づいている。

 BASFコーティングス自動車補修塗料事業のグローバルディレクターであるクリス・ジャックマン氏は、「BASFコーティングスはこれまで多くの完成車メーカーと継続的な技術革新に取り組んできた。そこで蓄積された、最高レベルの精度の調色技術や、顧客体験の向上のための専門知識は、将来のモビリティ社会における自動車補修業界の基準となることだろう。今回のパートナーシップにより、欧州市場におけるトヨタ自動車のボディーショップネットワークに、BASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランドGlasurit®とR-M®を提供できることを光栄に思う」と述べている。
 

 

kat

BASF、5拠点目のクリエーションセンターを韓国に開設

3ヶ月 ago
BASF、5拠点目のクリエーションセンターを韓国に開設kat 2025年07日23日(水) in

 BASFは本年6月17日、5拠点目となるクリエーションセンターを韓国・安山市に開設した。

 このクリエーションセンターは、顧客が機能性ソリューション素材の可能性を体感し、最先端の設計ソリューションのアイデアを得て、共同開発を行うことができる協業スペースとして設計されている。また、製品の設計開発の初期段階において、材料用途の発見や理解を促す役割も担う。

 同センターは、BASFが顧客とより緊密に連携することができる新たなプラットフォームを提供し、主要産業におけるイノベーションの加速に対するBASFのコミットメントを強化するもの。

 BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部アジア太平洋地域のシニア・バイスプレジデントであるアンディ・ポスルスウェイト氏は、「韓国にクリエーションセンターを開設することで、技術や設計に関する専門知識を結集して、素材選定から試作段階に至るまでの支援を行う。これにより、世界をリードするソリューションプロバイダーとしての地位をさらに高めていく。今回の投資は、アジア太平洋地域におけるBASFの戦略的市場およびイノベーション拠点としての韓国に対する継続的なコミットメントを反映するもの」と述べる。

 BASFのクリエーションセンターは、トレンド調査、デザイン思考、そして技術力を組み合わせることで、製品開発の初期段階における顧客支援を目的としたグローバルネットワークの一環であり、ルートヴィッヒスハーフェンから、上海、横浜、ムンバイ、そして安山に展開する全てのクリエーションセンターは、現実的な課題に応える製品コンセプトの設計段階から、素材の価値を最大限に引き出すための協業環境を提供している。

 今回設立した韓国のクリエーションセンターでも、協業的なアプローチを継承し、モビリティ、消費財、ライフスタイル、エレクトロニクスといった産業分野に対して個別にカスタマイズしたサポートを提供することで、グローバルな専門知識を基盤にした地域密着型の戦略を強化していく。

開所式のようす韓国クリエーションセンター

 

kat

メルセデス・ベンツ、BASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランドとグローバルパートナー契約を更新

3ヶ月 ago
メルセデス・ベンツ、BASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランドとグローバルパートナー契約を更新kat 2025年07日23日(水) in in

 メルセデス・ベンツは、BASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランドであるGlasurit®(グラスリット®、日本では非売品)とR-M®とのパートナーシップを更新し、アジア太平洋地域におけるBASFの塗料技術への信頼を再認識した。

 今回の選定により、Glasurit®は、従来の対象地域であるオーストラリア、韓国、台湾に加え、新たに中国本土のメルセデス・ベンツの認定工場でも使用が承認された。また、マレーシアおよびタイでは、同ブランドが推奨パートナーとして位置づけられている。

 日本では、R-M®とメルセデス・ベンツのパートナーシップが継続される。

 BASFは最も持続可能なソリューションを提供することで、今後も継続的にメルセデ
ス・ベンツをサポートします。これには、革新的な水性ベースコート「Glasurit 100 Line」(日本では非売品)や、環境配慮と収益を実現するリフィニティ®が提供するコンサルティングサービス「Bodyshop BOOST」(日本では導入未定)が含まれる。

 BASF東アジア地域統括本部 アジア太平洋地域 自動車補修塗料本部 副社長のスーザン・クルーゲ氏は、「メルセデス・ベンツとの長期的なパートナーシップを強化できることを光栄に思う。これは、競争の激しいアジア太平洋地域における私たちの強力な戦略の証であり、このパートナーシップは持続可能性とデジタルトランスフォーメーションを推進しながら、最先端のソリューションを提供することに重点を置いている」と語る。

 この契約更新は、BASFコーティングスがアジア太平洋地域全体のメルセデス・ベンツのユーザーに卓越したサービスを約束するもので、契約対象地域に加え、香港特別行政区、インドネシア、モンゴル、シンガポールのメルセデス・ベンツとその認定工場へのサービスを継続する。

 BASFコーティングスのグローバル戦略アカウントマネージャーであるマイケル・ヒル氏は、「パートナーシップの更新は、革新性、持続可能性、卓越性という共通の価値観のもとに築かれた、メルセデス・ベンツとBASFのグローバル規模での協力関係と信頼関係を反映したもの。我々はこれからもメルセデス・ベンツをサポートし、世界中の自動車補修ネットワークに最高水準の品質と効率を提供できることを誇りに思う」と述べている。

 

kat

NTNの移動型独立電源が熱中症対策として活躍

3ヶ月 ago
NTNの移動型独立電源が熱中症対策として活躍kat 2025年07日23日(水) in

 NTNが開発した移動型独立電源「N3 エヌキューブ」が、7月13 日に東京都多摩地域で開催された国際自転車ロードレース「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」において、空調設備付きの休憩所として活用された。熱中症対策として設置され、風力と太陽光の再生可能エネルギーで発電した電力でエアコンや照明などの設備を稼働し、涼しく快適な空間を提供した。

 N3 エヌキューブは小型風車と太陽光パネル、蓄電池をコンテナ内に格納しており、トラックなどで運搬可能な高い機動性を特長としている。コンテナ内部はカスタマイズが可能で、平常時はエコトイレやバス停、休憩室などとして活用し、災害に伴う停電発生時には電力を必要とする地域に運び、即座に発電・給電が可能。

 台風や豪雨、地震などの自然災害が多発し、これらに伴う停電対策が課題となる中、各自治体を中心に平常時と災害時の両方のシーンで活用可能な本商品の採用が進んでいる。

 今回のイベントで使用したN3 エヌキューブは、同社が奈良県桜井市の企業に販売したもので、内部にエアコンや照明、机、椅子を完備しています。猛暑において開催されるイベントのスタッフの安全確保のために、同社がイベントへの貸し出しを申し出られ、レース会場で休憩所として使用された。

 レース当日は気温30℃を超える真夏日となりましたが、再生可能エネルギー100%で稼働するエアコンにより涼しく快適な空間を提供し、熱中症の予防に貢献した。

 地球温暖化の影響により熱中症対策が深刻な社会問題となる中、昨年、改正気候変動適応法が施行され、気温上昇により深刻な健康被害が予想される際の「熱中症特別警戒アラート」の発表時には、公民館や図書館などの自治体施設や、自治体から指定された民間施設が「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」として開放されることになった。

 NTNは再生可能エネルギー100%で稼働するクーリングシェルターとして活用でき、さらに災害時の停電の備えにもなるN3 エヌキューブの提案を積極的に進めている。

 また、自然災害などが多発し、防災・減災への意識の高まりに合わせて「道の駅」を防災拠点として活用する動きがある中、昨年4 月には国土交通省より道の駅における高付加価値コンテナを用いた平常時の地域活性化と災害時の防災機能の強化に向けたガイドラインが制定された。NTNでは、こうした「防災道の駅」に向けたN3 エヌキューブの提案にも注力し、人々の安心・安全な暮らしの実現に貢献していく考えだ。

休憩室として設置されたN3 エヌキューブ
屋根に設置した太陽光パネルと小型風車によりエアコンと照明を稼働

 

室内には机や椅子も設置し、リラックスできる休憩スペースとして活用

 

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NTN、経済産業省こどもデーで「回る学校」を開催

3ヶ月 ago
NTN、経済産業省こどもデーで「回る学校」を開催kat 2025年07日23日(水) in

 NTNは、8 月6 日、7 日の両日、東京都千代田区の経済産業省本館で開催される「経済産業省こどもデー」において、親子でベアリングについて学ぶことができるイベント「NTN回る学校」を開催する。

 経済産業省こどもデーは、霞が関に所在する各府省庁等が連携し、全国の子どもたちとその保護者を対象に、広く社会を知り、政府の施策への理解を深めてもらうほか、イベントへの参加を通じて親子の触れ合いを深めてもらう「こども霞が関見学デー」の一環として毎年夏に実施、各企業や団体により親子で楽しめるさまざまなプログラムが開催される。

 今回のNTN 回る学校では、「遊びを通してベアリングの仕組みが分かる体験教室」をテーマに、ベアリングの組み立て体験に加えて、鉄琴を組み合わせた回転台でオリジナルのメロディを作成できるプログラム「回る楽器職人」や、ベアリングや摩擦に関する映像を使ってベアリングの魅力を紹介する。日常生活であまり目にすることのないベアリングを実際に見て、触ってもらい、親子で一緒に楽しみながらその役割や仕組みを楽しく学ぶことができる。

 NTNでは「遊びながら学べるこの体験を通して、親子で新しい発見をし、自然と絆が深まるようなワクワクするコンテンツを用意しているので、ぜひ多くの方々に来場をいただきたい」とコメントしている。

 イベントの概要は以下のとおり。

・開催期間:8 月6 日(水)~8 月7 日(木)
・開催時間:10:00~16:00
・開催場所:経済産業省本館(東京都千代田区霞が関1-3-1)
1 階(受付)、地下2 階講堂ほか
・オフィシャルサイト:https://www.meti.go.jp/intro/kids/torikumi/index.html

ベアリングの組み立て体験
外輪、内輪、保持器、ボールを組み合わせてベアリングの組み立てに挑戦できる。初めてベアリングを見る方も、ベアリングの構造や仕組みについて学ぶことができる

 

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人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMAが開催

3ヶ月 ago
人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMAが開催 in kat 2025年07日23日(水) in in

 自動車技術会は5月21日~23日、横浜市のパシフィコ横浜で「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」を開催した。617社/約1470小間の規模で開かれ、3日間で7万9808名が来場した。ベアリング&モーション技術(bmt)関連では以下のような出展があった。

開催のようす

 

 出光興産は、オイルによる冷却対象をモータだけでなく、バッテリー、PCUなどその他電子機器に広げ、オイルで直接冷却する「E-AXLE and Electric Parts Cooling Oil」を披露した。特長は①e-Axle、電子機器およびバッテリーの冷却、潤滑を担う液体を1液化することで、冷却システム簡素化を実現、②e-Axleに必要とされるギヤ・ベアリングの潤滑性と高い冷却特性による省電費性を高次元で両立、③モータ、バッテリーなど電子機器を直接冷却することが可能、など。

出光興産「E-AXLE and Electric Parts Cooling Oil」

 

 イグスは、「潤滑剤ゼロ」のPFAS対策として、同社のすべての固体潤滑を含有した標準すべり軸受材料イグリデュールを変更し、PTFEフリーの材料を披露した。すでにすべり軸受、リニアガイド、旋回ベアリング(ロータリーテーブルベアリング)、貼るだけですべりを改善する「トライボテープライナー」など全製品の92%でPTFEフリーおよびPFASテスト済みの代替品を提供開始。PTFEを含む基準材料に比べ性能が大幅に優れていることが確認されている。

イグス「PTFEフリーベアリング」

 

 NTNは、独自開発した特殊熱処理技術「HA-C」を深溝玉軸受に適用した「HA-C軸受」を披露した。従来品と同等の寿命を確保しながら、軸受の外径を約15%小型化、幅寸法を約30%小型化、質量を約55%軽量化することが可能となり、燃費・電費向上を目的としたe-Axleやトランスミッションなど各種自動車の駆動装置に使用される軸受の小型・軽量化ニーズに対応する。また、燃費・電費向上に向けて、駆動装置に使用される潤滑油では摩擦抵抗を抑えるため低粘度化する傾向にあるが、潤滑油が低粘度化した環境下では、軸受の各部品同士が直接接触しやすくなるために、軸受の寿命低下や摩耗が起こりやすくなる。さらに、駆動装置内の異物が軸受に侵入して軸受を損傷させる可能性もあるが、HA-C軸受は長寿命化に加えて耐異物性と耐摩耗性も高水準で実現、これらの苛酷な使用環境にも対応できる。

NTN「HA-C軸受」

 

 三洋貿易は、多機能摩擦試験機「MFT5000」を展示した。モジュールを交換することで、1台で多様なしゅう動試験と環境チャンバーによる高温、低温、塩水噴霧、不活性ガス中などの特殊環境試験に対応。研究開発だけでなく、さまざまな産業のニーズに対応しており、フロアスタンド型を採用し高荷重(5000N)、高回転領域(8000rpm)まで対応可能なほか、各種ASTM試験法にも準拠。インラインで白色干渉計も搭載でき、試験中、試験後の表面状態を試験直後にそのまま測定できる。

三洋貿易「MFT-5000」

 

 ジェイテクトは、自動車・産業機械等において、従来、機能要件が異なることから別々の部品として組み込まれていたギヤとベアリング(軌道輪)を一体化した軸受一体歯車「JIGB®」を披露した。シャフトにベアリングを圧入している現行品のギヤシャフトは、シャフト径の制約により、ベアリングや減速機のサイズダウンが難しく、トルク損失の低減に課題があったが、「内輪一体タイプ」では、ギヤシャフトの外径に軸受軌道を追加しベアリングと一体化することでベアリングの内輪(軌道輪)が省略、ベアリング外径とユニット(軸間距離)のサイズダウン、トルク損失の低減を実現。また、ベアリングの圧入工程の省略により、顧客の生産性も向上する。一方、ギヤの内部にベアリングを組み付ける場合、組み付け時のガタにより、ギヤ全体の強度が低下する可能性があるが、「外輪一体タイプ」では、ギヤ内径をベアリングの外輪とすることにより、ギヤの傾きを低減し、ギヤサイズおよび搭載されるユニットのサイズダウンを実現。また、ギヤ内径へのベアリング圧入工程の省略による部品点数の削減も見込める。

ジェイテクト「JIGB」

 

 大同メタル工業は、低摩擦材料として使用されてきたPTFEと同等の低摩擦性・耐摩耗性を有し従来軸受と互換性を有するPFAS規制対応の「PFAS(有機フッ素化合物)フリー軸受」のほか、耐食性・耐酸化性に優れる水素エンジン用すべり軸受、転がり軸受と比較して、重量を93%削減、3万回転時のフリクションを77%低減できるという超高速回転e-Axle用駆動モータ向けすべり軸受などを披露した。PFASフリー軸受では、PFAS(PTFE)が付与してきた耐久性や耐熱性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、撥水・撥油性、潤滑性、難燃性といった諸特性を、同社のコア技術である複合化技術(バイメタル化技術)とコンパウンド技術(材料設計)、トライボロジー技術(表面形状制御技術)によって実現している。

大同メタル工業「PFASフリー軸受」

 

 大豊工業は、「独自のトライボロジー技術を活かした製品・製法を電動車(xEV)対応製品に応用」をテーマに、主力製品の滑り軸受やダイキャスト製品で培った基盤技術を活用して、コンパクト鍛造ラインによる「鍛造品のコスト削減」や抄造CFRPによる「軽量化に向けたCFRPの活用」、すべり軸受による「しゅう動部の摩擦・潤滑」、ヒートシンクによる「高温になる部品の冷却」、端子・バスバーによる「電気部品の接続(通電/接続)」などの現場の悩み事へのソリューションを提示した。すべり軸受による「しゅう動部の摩擦・潤滑」のソリューションとしては、転がり軸受のすべり軸受化による省スペース化や流体潤滑によるNV低減、しゅう動面へのテクスチャ追加による油量の制御、CAE解析や実機評価によるユーザーの開発サポートなどについて訴求した。

大豊工業「しゅう動部の摩擦・潤滑のソリューション」

 

 TPRグループブースではファルテックが樹脂基材への加飾技術を紹介。「アルミの質感を持つ金属調塗装」は、基材をアルミから樹脂化して50%以上軽量化しつつ、サテンプラチナめっきからの工法変更でコスト低減を実現できる。塗装表面のアルミフレークを整列化し金属膜を生成、アルミの質感と色つやを軽量な樹脂素材で実現している。また、裏面にレーザー加工した意匠が光の透過で塗装表面に浮かび上がる「塗装表面に光意匠が浮かび上がる新加飾技術」や、超軟質Pad印刷で3D形状に追従した繊細な意匠を実現しつつ塗装レスにより30%以上のCO2削減に寄与できる「塗装レス3Dグラデーション加飾技術」を披露した。

ファルテック「塗装レス3Dグラデーション加飾技術」

 

 東陽テクニカは、自社開発したコンパクトサイズの油中粒子計測器「PI-1000」を展示した。潤滑油中の摩耗紛の大きさと量を高精度に捉えることで、軸受やギヤなどの摩耗状態を把握し、その交換時期を最適化できる。細かな粒子や非磁性の粒子でも測定可能な「レーザー遮光法」を採用、演算処理機能の内臓により、常時オイル粘度によって変化する流速を計算しつつ、摩耗粉の油中の落下時間によって摩耗粉の粒径をその場で演算する。振動や熱、濁りといった外的要因に左右されず、μmレベルで粒子の大きさ、数を測定できる(計測粒子範囲:5~150μm)。さらに、独自の減圧による脱泡手法で摩耗粉と誤認される可能性のある油中の泡(~40μm程度)の誤検知をなくし、数μm単位の高い精度で測定が可能。

東陽テクニカ「PI-1000」

 

 日本精工は、自動車のホイールおよびブレーキディスクに取り付けられるハブユニット軸受の端面加締め部にスプラインを適用することにより、大きなトルクを伝達することを可能とする「Face spline式HUB3軸受」を参考出展した。CVJと軸受の接触面で発生するスティックスリップ音の防止に貢献する。

日本精工「Face spline式HUB3軸受」

 

 BASFジャパンは、ブレーキ液やクーラント、ポリイソブテン、潤滑油用添加剤、合成基油など電動化にも貢献する自動車向けソリューションを提示した。高性能ブレーキ液およびクーラントは、多くのOEMに採用実績があり、CO2排出量低減に貢献可能な製品も提供。ポリイソブテンOppanol®は、90年以上前に同社が世界で初めて特許を権利化、世界中でさまざまなアプリケーションでの実績を持つ。高機能合成エステルSynative®は、サステナブルで幅広い製品群を提供、自動車用途に求められる特性において優れた性能を発揮する。

BASFジャパン「潤滑油添加剤、合成基油などの自動車向けソリューション」

 

 不二越は、軸受サイズを変更せずに各タイプのクリープ現象を抑制する「耐クリープ軸受」を展示した。外輪歪みによるクリープへの対策軸受としては軌道溝を多点接触化することで荷重を分散し外輪変形量を抑制する「多点接触玉軸受」を、軸受トルクが大きい場合に発生するつれ回りクリープへの対策軸受としては外輪外径に特殊コーティングを施すことでハウジングの摩耗を抑制する「外径コーティング軸受」などを提示した。

不二越「耐クリープ軸受」

 

 ミネベアミツミは、電動コンプレッサーの効率的な回転を支える「電動コンプレッサー用ボールベアリング・リテーナリング」を展示した。電動コンプレッサー用ボールベアリングに求められる高い耐荷重性と低く安定したトルクの両立に対する低トルク化ソリューションを提示。従来の外径35mmを超える中径ボールベアリングは浸炭窒化処理に対応。また、可動スクロールのリテーナリングはボールベアリング部品を転用した専用品で、特殊設計・特殊形状に対応している。

ミネベアミツミ「電動コンプレッサ―用ボールベアリング・リテーナリング」

 

 リケンNPRは、ピストンリングで蓄積した表面改質技術の新分野での適用を提案。DLC膜が耐食性にも優れることから耐食環境で用いられる金属製機械部品を保護できることや、窒化チタン(黒TiN)膜が生体親和性に優れ表面積を増やせ静電容量を約5倍アップできることから生体埋め込み型などのメディカルデバイスへの適用が可能であることなどを示した。ブースではボールねじ循環部品にDLC膜を被覆したサンプルや樹脂部品にTi膜を施したサンプルなどを展示した。

リケンNPR「DLCおよびTi系コーティング被覆サンプル」

 

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スガツネ工業、作動荷重アップのマルチローラーリニアガイドを販売開始

3ヶ月 2週 ago
スガツネ工業、作動荷重アップのマルチローラーリニアガイドを販売開始kat 2025年07日08日(火) in

 スガツネ工業は、マルチローラーリニアガイドレール「MLGX32型」の販売を開始した。
実績のある従来品MLGX25型から作動荷重を2.5倍アップし、自動機、医療機器、分析装置、工作機械などにおいて、よりさまざまな状況に対応できるようになっている。

 レールとキャリッジは別売りで、価格(税抜)はレールが2350円/本(長さ200mmの場合)、キャリッジが3660円/個。レール長さは7種類(200mm、300mm、400mm、600mm、800mm、1000mm、1200 mm)をラインアップしている(キャリッジの複数個使いも可能)。

マルチローラーリニアガイドレール「MLGX32型」

 

 特長は以下のとおり。

・さまざまな方向からの荷重を受けられる、デュアルX 構造:キャリッジは2枚のプレートで構成されており、各プレートに4個ずつ、計8個のローラーが斜め方向についている。ローラーをX状に交差するように配置した「デュアルX 構造」で、水平・垂直荷重はもちろんモーメント荷重にも耐えることができ、スムーズに走行する。モーター駆動との併用も可能。従来品MLGX25型では、作動荷重は水平・垂直ともに120N(12.2kgf)まで対応していたが、MLGX32型では水平・垂直ともに300N(30.6kgf)まで対応できる(MLGX25型の2.5倍)。

 

・予圧が均等になる構造で、設計・検討が容易:キャリッジがレールと組み合わさった際の誤差を吸収する構造になっていることで、各ローラーが受ける予圧が均等になる。この構造により、キャリッジを後から複数追加することが可能となり、一般的なガイドレールよりも設計や検討がしやすくなっている。

 

・寸法、その他の特長:キャリッジの寸法について、従来品MLGX25型では厚み12mm、幅25mmで、MLGX32型では厚み15mm、幅32mmとなっている。サイズ感はあまり変わらず、作動荷重アップを実現した。
 

 

kat

ブリヂストン、ソーラーカーレースに新しい再生資源採用のプレミアムタイヤを供給

3ヶ月 2週 ago
ブリヂストン、ソーラーカーレースに新しい再生資源採用のプレミアムタイヤを供給kat 2025年07日08日(火) in in

 ブリヂストンは、本年8月24日~8月31日にオーストラリア(スタート:ダーウィン、ゴール:アデレード)で開催される「2025 Bridgestone World Solar Challenge(BWSC)」において、パートナーとの共創により開発した新たな再生資源を初採用し、再生資源および再生可能資源の比率を65%以上に向上させた「ENLITEN®」技術搭載タイヤを、17カ国・地域から参加する33チームへ供給する。

2025 BWSC向け「ENLITEN」技術搭載タイヤ

 

 BWSCは、2年に一度開催される、太陽光による限られた電力でオーストラリア大陸を約3000km縦断する過酷な世界最高峰のソーラーカーレース。ブリヂストンは、電気自動車(EV)・電動車を含む次世代モビリティへのイノベーションと、未来を担うエンジニア育成を目的とする趣旨に共感し、2013年よりタイトルスポンサーを務めている。

 今回、ブリヂストンが供給するタイヤは、「ENLITEN」技術を搭載し、ソーラーカーに求められる性能を確保しながら、サステナビリティをさらに進化させたもの。ブリヂストンとして初めて、タイヤを原材料に「戻す」リサイクル技術の共創活動を通じて開発・生産された再生資源である再生カーボンブラックおよび再生スチールを採用した。さらに、使用タイヤ本数の削減や低炭素な輸送手段の導入など、バリューチェーン全体においても、サーキュラーエコノミーの実現とカーボンニュートラル化に向けた取り組みを強化している。

 ブリヂストンは、BWSCを「走る実験室」として、技術を磨くことで、今後のサステナブルなグローバルモータースポーツ活動の強化へつなげていきます。また、レースへの情熱をコアとして参加チームと共に極限へ挑戦することで、モビリティの未来に向けたイノベーションを加速していく。

 ブリヂストンのBWSCにおけるサステナブルな活動は以下のとおり。

1.パートナーとの共創による新たな再生資源を採用-再生資源・再生可能資源比率を65%以上に向上

・ENEOSとの共創、当社実証機による使用済タイヤの精密熱分解で得られた新たな再生カーボンブラック

 ブリヂストンは、サーキュラーエコノミーの実現に向けて、2022年から使用済タイヤのケミカルリサイクルの取り組みを進めている。2023年にBridgestone Innovation Park(東京都小平市)に実証機を導入し、ENEOSとの共創を通じて、使用済タイヤの精密熱分解による再生カーボンブラック等を回収する技術開発を進めてきた。今回、ブリヂストンの実証機により得られた再生カーボンブラックを、BWSC向けに初採用した。

ブリヂストンの実証機より得られた再生カーボンブラック

 

・日本製鉄および山陽特殊製鋼との共創による新たな再生スチール

 ブリヂストンは2022年より、日本製鉄および山陽特殊製鋼と3社のビジョンに共通するサーキュラーエコノミーの実現に向けて、使用済タイヤのリサイクルについて共創を進めてきた。今回のBWSC用タイヤには、ブリヂストンタイヤリサイクルセンター大阪で回収した使用済みタイヤから山陽特殊製鋼の電炉を用いて製造した再生スチールを日本製鉄の設備により圧延・熱処理した、タイヤの補強材であるビードワイヤーが初めて採用されている。

日本製鉄および山陽特殊製鋼との共創による再生スチール2.新たなプレミアム-商品設計基盤技術「ENLITEN」によるタイヤの進化

 今大会で供給するタイヤは、前回タイヤと同様に「ENLITEN」技術を搭載。環境性能とタイヤ性能を高レベルで両立。パートナーとの共創を通じ、上述の新たな再生資源に加えて、テイジン・アラミドの新素材であるサーキュラー原料を使用したアラミド「トワロン®」なども採用し、サステナビリティへつながる環境性能を進化させた。同時に、BWSCの過酷な条件下でソーラーカーに求められる低転がり抵抗、耐摩耗性、軽量化や耐パンク性も確保し、ソーラーカーの性能を最大限に引き出すとともに、約3000kmの安心・安全な長距離走行に貢献する。

3.低炭素な輸送の実現

 BWSC用タイヤの輸送に、DHLのGoGreen Plusソリューションを利用している。持続可能な船舶燃料の使用により、燃料の製造、輸送、貯蔵、船上使用におけるライフサイクル全体(Well-to-Wake)でのCO2排出量を最大85%削減し、低炭素な輸送を実現する。

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ジェイテクト、令和7年度愛知発明表彰で「愛知発明賞」を受賞

3ヶ月 2週 ago
ジェイテクト、令和7年度愛知発明表彰で「愛知発明賞」を受賞kat 2025年07日08日(火) in in

 ジェイテクトは、愛知県発明協会主催の「令和7年度愛知発明表彰」で、「静圧スラスト軸受の小型・省スペース化技術」により愛知発明賞を受賞した。エンジンの燃焼室内の混合気と空気との流入量を制御するカムシャフトを、燃焼効率のよい形状へ加工するための、研削盤の砥石軸に搭載される静圧スラスト軸受の小型・小スペース化に関する技術により、自動車の燃費向上に貢献したことが認められたもの。

 マルチパスウェイによるカーボンニュートラル達成が進められる中、エンジンと電動ユニットを組み合わせたHEVやPHEVなどといったモビリティの需要は今後も伸びていくとされており、その継続的な性能向上や低燃費化は今後も求められる。

 本受賞は、エンジンの重要機能部品であるカムシャフトを理想的な形状に研削加工するための発明技術が、評価されたもので、本発明は、凹形状のカムシャフトの最適な加工を実現し、自動車に搭載されるエンジンの高効率・低燃費化実現に貢献した。

 カムシャフトがよりエンジンの燃焼効率を向上させるには、凹形状のカムプロフィールの創成が必要だった。しかし、凹形状の研削加工には、砥石軸の大幅な小型化が必要で、静圧スラスト軸受部の回転軸の軸径が小径となることにより砥石軸性能が低下するという課題があった

 本発明では、従来の静圧軸受構成要素が回転軸の径方向に全て配置される構造に対し、静圧軸受構成要素の一部を回転軸の軸方向に配置する構造とすることによる回転軸の軸径の最大限確保、また、静圧スラスト軸受としての機能・性能を確保する構造を示したことで、砥石軸の大幅な小型化を実現した。

 結果、凹形状カムプロフィールの創成と量産加工を可能にし、ジェイテクトのカムシャフト研削盤「GC20Mi」に採用し、自動車の燃費向上に貢献した。

 受賞者は、「本発明は、“従来の工作機械では製造困難な高付加価値な部品を量産したい”という顧客の困りごとに対し、ジェイテクトが長い歴史の中で培ってきた流体軸受技術の可能性を深化させることで生み出すことができた。また、本発明を採用した工作機械により製造された部品は、全世界のHEV/PHEV等の電動車に搭載され、顧客の“実用的かつ低環境負荷なモビリティの提供”という価値創出に貢献することができた。今後は、新しい発明のみならず、発明価値の最大化に向けて精進していきたい」とコメントしている。

左から、愛知県発明協会 会長 有馬浩二氏、発明者代表:ジェイテクト 工作機械システム事業本部 事業統括部 大津雄太氏、共同発明者:工作機械システム事業本部 事業統括部 堀 伸允氏

 

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ジェイテクト、ONI BEARINGがサイモン・イェーツ選手のジロ・デ・イタリア2025総合優勝に貢献

3ヶ月 2週 ago
ジェイテクト、ONI BEARINGがサイモン・イェーツ選手のジロ・デ・イタリア2025総合優勝に貢献kat 2025年07日08日(火) in

 ジェイテクトがオフィシャルパートナー契約を結び、ロードバイク用ベアリング「ONI BEARING®」を供給しているロードバイクチームのTeam Visma|Lease a Bike(TVL)に所属するサイモン・イェーツ選手が、5月9~6月1日まで全21ステージにわたり競われた世界最高峰のグランツール「ジロ・デ・イタリア 2025」で個人総合優勝を果たした。

個人総合優勝を果たしたサイモン・イェーツ選手

 

 Team Visma|Lease a Bikeとジェイテクトは2024年3月にオフィシャルパートナー契約を締結。ジェイテクトはONI BEARING®の供給とベアリングに関する技術のサポートで世界最高の走りに貢献している。

 ジェイテクトは1984年、世界で初めて実用化したセラミックベアリングの技術と自動車・産業機械向けに培った知見を生かしてONI BEARING®を開発。既存のロードバイク用ベアリングと比べ圧倒的な低トルクを誇り、漕ぎ出しの軽さとホイール速度維持を実現する。

ONI BEARING

 

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NTN、「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」に移動型独立電源利用の空調完備の休憩室と「NTN 回る学校」を出展

3ヶ月 2週 ago
NTN、「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」に移動型独立電源利用の空調完備の休憩室と「NTN 回る学校」を出展kat 2025年07日08日(火) in

 NTNは7月13日、東京都多摩地域で開催される国際自転車ロードレース「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」のイベント会場(JR 青梅駅前、東京都青梅市本町192)に、再生可能エネルギー100%による空調完備の涼しい休憩室として移動型独立電源「N3 エヌキューブ」を出展する。また、親子で組み立て体験を通じ自転車に使用されるベアリングの役割や仕組みを楽しく学習できるイベント「NTN 回る学校」も併設して開催する。

 本レースのエリート男子種目は「国際自転車ロードレース(コンチネンタルサーキット class2)」として国際自転車競技連合(UCI)公認レースであり、世界選手権やオリンピックの出場獲得などにも影響することから、世界的に有名なプロ自転車ロードレースなどに出場実績を持つ海外有力チームや国内外のトップアスリートの参加が決定しており、ハイレベルなレース展開が期待されている。

 NTNは本イベントにおいて、自転車業界のさらなる発展と持続可能な社会の実現に貢献することを目的に、レースのフィニッシュ地点近くに、夏の過酷な暑さ対策として移動型独立電源「N3 エヌキューブ」のワーケーションモデルを展示する。小型風車と太陽光パネル、蓄電池をコンテナ内に格納した移動型独立電源「N3 エヌキューブ」は、トラックなどで運搬可能な高い機動性が特長で、電力を必要とする地域に到着後、太陽光や風力などを利用して即座に発電・給電が可能。今回出展するモデルは、コンテナ内の空調設備を再生可能エネルギーで発電した電力で稼働し、猛暑の中開催されるイベントの来場者に向けた空調完備の休憩スペースとして利用できる。

 「N3 エヌキューブ」に併設して開催する「NTN 回る学校」では、ベアリングの組み立て体験に加えて、ロードバイクなどの自転車に使用されるベアリングを展示する。NTNでは、「摩擦を減らし省エネルギー化に貢献するベアリングの役割や仕組みを楽しく学んでもらうことで、子どもたちがものづくりや環境保護などに関心を持っていただくきっかけになればと考えている」としている。

 NTNでは、自動車や産業機械だけでなく、自転車分野にも低トルク性に優れたベアリングを提供しており、自転車の安全でなめらかな走行に貢献している。本イベントへの出展を通じて、環境に優しい移動手段である自転車市場の発展とともに、再生可能エネルギーの活用推進や環境負荷の低減に取り組んでいく。

NTN 回る学校:外輪、内輪、保持器、ボールを組み合わせてベアリングの組み立てを体験できる。初めてベアリングを見る人も、ベアリングの構造や仕組みについて楽しく学べる

 

移動型独立電源 N3 エヌキューブ:小型風車と太陽光パネル、蓄電池をコンテナ内に格納した移動型独立電源。トラックなどで運搬可能な高い機動性が特長で、電力を必要とする地域に到着後、即座に自然エネルギーによる発電・給電が可能

 

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NTN、ギヤボックス設計解析ソフトウェアに軸受データの提供を開始

3ヶ月 2週 ago
NTN、ギヤボックス設計解析ソフトウェアに軸受データの提供を開始kat 2025年07日08日(火) in

 NTNは、世界的な歯車専門工作機械メーカーである米国Gleason 社傘下のスイスKISSsoft 社が開発・提供するギヤボックス設計解析ソフトウェア
「KISSsoft」(https://www.kisssoft.com/jp)に対し、同社軸受データの提供を開始した。


 KISSsoftは、国際的な規格に準拠した、機械要素の設計・最適化・検算を目的とするモジュール形式の計算プログラムで、ユーザーの要望に合わせてさまざまな用途や分野にカスタマイズしたソフトウェアパッケージの開発・提供や、主要なCAD ソフトウェアとの連携も可能。

 NTNでは今回、ユーザーの設計開発の効率化や開発期間の短縮に貢献するため、KISSsoftへの軸受データの提供を決定した。今回提供したのは、深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、円すいころ軸受、円筒ころ軸受、自動調心ころ軸受、針状ころ軸受、スラスト軸受など約6000型番の軸受データで、2025年春の同ソフトウェア更新時より同社データがラインアップされている。

 今回の軸受データの提供により、グローバルのユーザーがNTNの軸受を簡単・スピーディに選定できるように支援し、ユーザーにおける設計開発の効率化や開発期間の短縮に貢献していく。

 NTNは、これからもより多くのユーザーが同社の軸受を検討/選定しやすい環境を整え、ユーザーの利便性向上に貢献するとともに、さらなる販売拡大に取り組んでいく考えだ。

 

軸受選定検討時の画面(イメージ)

 

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NTN、LTM社に資本参加、ショックアブソーバーを加え自動車アフターマーケットの販売を拡大

3ヶ月 2週 ago
NTN、LTM社に資本参加、ショックアブソーバーを加え自動車アフターマーケットの販売を拡大kat 2025年07日08日(火) in in

 NTNの連結子会社で、欧州・アフリカ地区を中心に自動車や航空機、鉄道車両など向けにベアリングの製造・販売を行うNTN EUROPE は、チュニジアで自動車用ショックアブソーバーを製造するLa Tunisie Mecanique社(LTM社)に本年5 月19 日付で資本参加した。

 NTNグループでは、中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalにおける重要施策としてアフターマーケットビジネスの販売拡大に取り組んでいる。中でも、自動車アフターマーケットビジネスについては、2024年より本部機能をNTN EUROPE 内に構え、欧州・アフリカを中心に商品ラインアップ拡充や販売網の強化などを進めている。

 商品ラインアップの拡充においては、世界トップクラスのシェアを誇るNTNグループのコーナーモジュール商品(ドライブシャフトやアクスルベアリング、ストラットベアリングなど)とも関連が深いショックアブソーバーをラインアップ追加商品として選定。

 NTNではLTM 社に資本参加することで、販売だけでなく設計や生産、品質管理まで深く関わり、自動車アフターマーケット市場において、ショックアブソーバーメーカーとしてブランドの優位性を高め、認知度やイメージの向上を通じて販売拡大に取り組んでいく考えだ。

 

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イグス、潤滑剤不要・メンテナンスフリーの樹脂製リニアブッシュに国内標準サイズを追加し国内販売を開始

3ヶ月 2週 ago
イグス、潤滑剤不要・メンテナンスフリーの樹脂製リニアブッシュに国内標準サイズを追加し国内販売を開始kat 2025年07日08日(火) in

 イグスは、潤滑剤不要・メンテナンスフリーの樹脂製リニアブッシュ「ドライリンR」シリーズに、国内標準サイズを追加し、国内販売を開始した。日本の設計現場で一般的に使用されているサイズに対応するもので、従来の欧州規格品と比べて、よりスムーズな設計対応・部品置き換えが可能となる。

樹脂製リニアブッシュ「ドライリンR」

 

 ドライリンRは、シャフトに沿って直線運動を行うリニアブッシュで、自己潤滑性のある高性能樹脂素材を使用。ボールレス構造により、低騒音・メンテナンスフリー・高耐久性を実現している。このため、粉塵・水・薬品などにさらされる環境でも長寿命を実現し、食品、医療、搬送機器など幅広い分野で採用されている。

 従来はドイツ(DIN)規格ベースの製品が提供されていたが、日本国内で主流のサイズとは異なるため、①装置メーカーにとっては、欧州サイズに合わせるために設計変更や部品点数の追加が必要となり、設計工数・管理工数の増加が発生する、②装置ユーザーにとっては、国内標準サイズとの非互換により現場での置き換えが難しい、という課題があった。

 これらの声を受けてイグスでは、日本国内で一般的に使われている寸法をもとに、新たに国内標準サイズを展開することを決定した。

 新サイズでの展開により、国内設計での使用においてはサイズに合わせる設計が不要となり、ドライリンRを既存規格品の代替部品として導入しやすくなる。特に、耐粉塵性・耐水性・耐薬品性が求められる環境で、従来の金属ベアリングからの置き換えニーズに対応する。

 同社では今後も、グローバル品質とローカル対応を両立させ、日本のユーザーのものづくりに寄り添う製品づくりを続けていく考えだ。

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三洋化成工業、E-Axle向け耐摩耗・耐焼付きポリマー添加剤を開発

3ヶ月 3週 ago
三洋化成工業、E-Axle向け耐摩耗・耐焼付きポリマー添加剤を開発kat 2025年07日04日(金) in in

 三洋化成工業はこのほど、電気自動車(EV)の駆動ユニットであるE-Axle向けに、耐摩耗・耐焼付きポリマー添加剤「アクルーブ NS-100」を新たに開発した。

 本添加剤は、EV向け潤滑油(E-フルード)の低粘度化に伴う油膜の薄化や摩耗・焼付きリスクの増大といった課題に対応し、優れた耐摩耗性および耐焼付き性を発揮する。さらに、耐銅腐食性(銅に対して腐食性が低い性質)や電気絶縁性、酸化安定性といったE-フルードに求められる多面的な性能も兼ね備えており、E-Axleの高耐久化とEVの航続距離延伸・電費向上に大きく貢献する。

 世界的なカーボンニュートラル推進を背景に自動車の電動化が加速し、モーター・インバーター・ギヤを一体化した高効率な駆動ユニットであるE-Axleの採用が拡大している。E-Axleに用いられるE-フルードには、耐摩耗性、冷却性能、絶縁性、耐銅腐食性など、多面的な性能が求められており、その性能はEV全体のエネルギー効率や信頼性を左右する重要な要素となっている。

 中でも近年は、モーターの高性能化に伴う冷却性付与および粘性抵抗低減による航続距離向上を目的に、E-フルードの低粘度化が進んでいる。しかしその一方で、油膜が薄くなることによるしゅう動部や機械部品の摩耗・焼付きによる故障リスクが高まり、新たな技術課題となっている。

 三洋化成工業ではこうした課題に対応すべく、低粘度環境下でも高い耐摩耗性・耐焼付き性を発揮しつつ、E-フルードに求められる多面的な性能をバランスよく備えた新しいポリマー添加剤アクルーブ NS-100を開発したもの。

 新開発のアクルーブ NS-100は、従来、粘度特性向上などを目的にエンジン車用潤滑油向けに展開してきた「アクルーブ」シリーズで培った有機ポリマー技術を生かし、金属表面への吸着性を新たに付与した独自設計を採用することで、以下の特長を実現した。

1. 優れた油膜形成能と耐摩耗性・耐焼付き性

・側鎖に導入した吸着官能基により、低粘度でも十分な油膜厚を形成

・ポリマー成分として2wt(重量)%の少量添加で従来のE-フルードと比較して最大約25%の最大非焼付き荷重の向上を実現(四球試験法による評価、下図)

・摩耗や焼付きによる駆動ユニットの故障リスクを低減し、ギヤしゅう動部の高効率化・長寿命化に貢献

・リン化合物など他の添加剤との併用で、耐摩耗性・耐焼付き性のさらなる向上も可能

2. E-フルードに求められる必要な性能を具備

・最適化した有機ポリマー構造により、耐銅腐食性や電気絶縁性、酸化安定性など、E-フルードに必要な性能を具備

・銅板腐食試験、体積抵抗率測定、加速酸化試験等により、従来品と同等以上の性能を確認

 アクルーブ NS-100は、国内外の潤滑油メーカーでの実機評価において高い耐摩耗性と信頼性が認められ、すでに一部大手ユーザーでの採用が決定している。同社では今後も多くのユーザーのニーズに応え、高性能化・技術革新に取り組むとともに、電動化が進む各種モビリティや産業機械分野への展開も視野に入れて、持続可能な社会の実現に貢献していく考えだ。

四球摩耗試験による耐焼付き性の評価
アクルーブ NS-100の添加により耐焼付き性の指標「最大非焼付き荷重」が約25%向上。※市販のE-フルードに添加剤を3.3wt%(うちポリマー成分2.0wt%)添加、ASTM D2783に準拠し四球摩耗試験機を用い、試験条件:回転数1760rpm、室温、各荷重10秒間で評価を実施。試験球にはAISI 52100(直径12.7 mm)を使用、試験油量は10mL。摩耗痕径および焼付き発生の有無を基準に、最大非焼付き荷重を判定

 

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日本滑り軸受標準化協議会、第41回総会を開催、新会長に濵﨑俊一氏(オイレス工業)

4ヶ月 ago
日本滑り軸受標準化協議会、第41回総会を開催、新会長に濵﨑俊一氏(オイレス工業)kat 2025年06日23日(月) in

 日本滑り軸受標準化協議会(PBSA)は6月6日、「2025年度 第1回総会(通算第41回総会)」をウェブ配信により開催した。
 
 当日は持丸昌己PBSA会長の開会挨拶に続いて、日本機械学会ISO/TC123国内委員会 委員長の片桐武司氏(大同メタル工業)が挨拶に立ち、ISO/TC123国内委員会に対するPBSAからの支援に対し謝意を示しつつ、「静圧気体軸受用語に関する国際標準化」が国際ルール形成・市場創造型標準化推進事業(戦略的国際標準化加速事業:産業基盤分野に係る国際標準開発活動)に正式に採択(2025~2027年度)され、経済産業省より事業委託の予算化がなされたことが報告され、経済産業省の予算で賄えない分についてのPBSAへの支援要請がなされた。

 次に、日本機械学会ISO/TC123国内委員会の2025年度の活動計画について国内幹事の山田 晃氏(大豊工業)が、12回の国内委員会と1回の国際会議(10月、韓国)に参加することや、上述のとおり経済産業省の国際標準開発事業に採択された「静圧気体軸受用語に関する国際標準化(SC6)」について日本語原案作成、国際会議用ドラフト(WD)作成、国際会議(韓国)での事前説明、NP投票用ドラフト作成、NP投票開始へと進める計画を発表した。活動スケジュールについては特に、本年10月29日~31日に韓国栄州(ヨンジュ)市での対面方式により開催されることが報告された。また、上記の経産省予算の確定に伴いPBSAへの支援要請書が修正されたことが説明された。

 続いて、PBSAの2024年度の活動報告と2025年度の活動計画について、PBSA会計の橋爪 剛氏(オイレス工業)より報告がなされた。2024年度の活動報告として、2024年6月と2025年3月の2回の総会と書面理事会が開催されたこと、国際会議が2024年11月にドイツ・ベルリンで対面形式にて開催され、旅費等をPBSAが支援したこと、国内本委員会および国内小委員会の審議へPBSA会員が参加、TC123関連ISO規格および規格開発の際に必要な規格を購入し規格開発を支援したことが報告されたほか、2024年度会計報告がなされた。2025年度の活動計画としては、第1回総会をウェブ形式で開催し、第2回総会を2026年3月に対面形式で開催、必要に応じて理事会を開催する予定であることや、本年10月29日~31日に韓国・栄州にて開催予定のISO TC123国際会議について経産省予算の不足分をPBSAが支援すること、国内本委員会、国内小委員会および原案作成部会に対する経産省予算不足分を支援すること、TC123関連ISO規格および規格開発の際に必要な規格を購入し規格開発を支援することが報告された。出版PRその他については要請に応じて対応する。また、講演会については、第1回総会では開催を見送ったが、第2回総会では現在計画中であることが報告された。さらに、2025年度予算計画についての説明がなされた。

 今回、第1回総会に先立って開催された書面理事会において、PBSA会長の持丸理事から濵﨑俊一理事(オイレス工業)への交代について審議がなされ、賛成多数で承認されたことが報告された。

 これに伴い、持丸会長より退任挨拶が、濵﨑新会長より就任挨拶が、それぞれ行われた。PBSAは6月7日より、新体制・新役員での活動を開始している。

持丸PBSA退任会長濵﨑新会長

 

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日本工作機器工業会、創立70周年式典を開催

4ヶ月 ago
日本工作機器工業会、創立70周年式典を開催 in kat 2025年06日20日(金) in in

 日本工作機器工業会(会長:寺町彰博THK会長)は5月20日、東京都千代田区の東京会館で「創立70周年記念式典」を開催した。当日は会員企業、関係団体などから約250名が出席した。

式典のようす

 

 同工業会は1955年に設立、1985年に創立30周年記念式典を、2005年には創立50周年記念式典を、2015年に創立60周年記念式典をそれぞれ実施してきたが、急速に進む技術革新や内外環境の内外事業環境の急激な変化に即応するため、今回も10年間を一つの区切りとしてとらえ、今回、創立70周年記念式典を実施することとしたもの。

 式典の冒頭、寺町会長は以下のとおり式辞を述べた。「日本の機械産業は第二次世界大戦後の復興期に始まり、急速に発展を遂げた1950年代から1960年代にかけて、国内のインフラ整備や産業化の進展に伴い、機械産業が飛躍的に成長した。この時期に精密機械や重工業が特に重要な役割を果たし、日本は世界屈指の工業国としての地位を確立した。1970年代から1980年代にはエレクトロニクスや自動車産業が発展し、機械産業の多様化が進んだ。この時期に技術革新が急速に進み、ロボット技術やコンピュータ制御技術の導入が進んだ。これにより生産効率が大幅に向上し、高品質な製品を世界中に提供できるようになった。日本の工作機械産業も1970年代には急速に成長を遂げ、品質と性能の向上が追求された。この時期に日本の工作機械メーカーは、高精度かつ高効率な機械を開発し、市場での競争力を高めた。1980年代には日本の工作機械はさらに進化し、数値制御(NC)技術の投入により、自動化と生産効率の向上が図られた。さらに工作機械産業の発展をベースとして、半導体製造装置をはじめとする最先端の製造装置ならびに周辺の機械産業の発展にもつながった。これらより日本の機械は世界市場での競争力を一層高めていった。また、工作機械等に重要な部品として提供した工作機器産業も、同様に高機能化を進めるとともに、信頼性の高い部品供給体制を整備した。一方で1990年代に入ると、バブル経済の崩壊やグローバル化の進展により、我が国の多くの産業が厳しい環境にさらされることになった。これに対応するため、多くの企業が生産拠点を海外に移転しコスト削減と市場拡大を図った。また、環境問題への対応も求められるようになり、エコロジカルな製品開発やエネルギー効率の向上に取り組むことが求められた。日本の工作機械産業もグローバル化の進展を図るため、海外市場への展開を積極的に行っていった。高品質な機械と優れたアフターサポート体制により、日本の工作機械は世界各国で高い評価を受けた。工作機器業界もこうした工作機械産業の国際競争に呼応し、さらに品質管理とコスト削減に注力してきた。2000年代以降、機械産業は再び変革の時期を迎えた。IoTやAI技術の進展により、スマート工場や自動化システムの導入が進み、より高度な生産体制が構築された。また、新興市場の需要拡大により、グローバルな競争力を維持するための技術革新が求められた。情報技術の進展により、工作機械もより高度な制御とデータ管理が可能となり、生産現場の効率化と生産性向上が実現した。また、工作機器をはじめとする部品産業においても、新材料や新技術の導入により、さらなる製品の性能向上が求められるようになった。これからの日本の機械産業は、さらなる技術革新と持続可能な開発を追求し、社会のニーズに応えることが求められるようになると思う。特にAIやロボティクス、グリーンエネルギー技術の活用が重要となるだろう。また、人材育成と国際協力を進め、世界中の課題解決に貢献することが重要となる。我々工作機器業界も、新技術の導入や各種技術への対応を図りつつ、社会に求められる製品を提供し、世界のユーザーのニーズに対応し、業界の発展を図っていく。一方で、今後の我が国の発展を考えた時、最先端技術の追求だけではなく、従来の先進国からグローバルサウスと呼ばれる新興国にマーケットが移行してきている中で、この動きにどう向き合い、どのように対応して地位を確保していくかが、今後の業界にとっての大きなポイントとなるだろう。今後も工業会が一丸となり、関係官庁、関係団体をはじめ皆様方の教えをいただきながら、一つずつ着実に課題を解決していくことによって、工作機器産業のさらなる発展を実現できることを確信している。本日の創立記念式典が工業会のさらなる発展に向けた力強い新たな第一歩となることを皆様方と誓い合いたい」。

式辞を述べる寺町会長

 

 続いて、経済産業大臣表彰状が、魵澤恭一氏(関東精機相談役)、太田晶久氏(ケーエスエス会長)、小倉庸宏氏(小倉クラッチ社長)、堀越栄治郎氏(リューベ社長)に授与され、製造産業局長表彰状が黒田浩史氏(黒田精工社長)に授与された。表彰を受けた5名を代表して堀越氏が挨拶に立ち、「日本工作機器工業会が70周年を迎えるまでのこの間、我々は役員として、工作機器業界の発展が我が国および世界の幅広い産業界に貢献するとの思いをもって、会員企業と一体となって事業活動に邁進してきた。工作機器業界は、幅広い製造業に必要不可欠な重要部品を供給することによって、ものづくりの基盤技術を支える役割を果たしてきた。主要な需要業界は工作機械、半導体製造装置、ロボット産業などの基幹重要産業が多く、事業環境の急激な変化や昨今求められるSDGsに対応するためのさまざまな課題に迅速に応えることによって、さらなる信頼を獲得できるよう精進したい。この度の受賞は、日頃事業活動に貢献している役員および会員一同の功績に対する受賞と認識している。経済産業省をはじめ関係業界・団体各位、会員各位の協力・支援の賜物と感謝したい」と謝辞を述べた。

経済産業大臣表彰のようす製造産業局長表彰のようす謝辞を述べる堀越氏

 

 また、学識経験者や永年役員、業界関係者、永年会員(会員歴40~70年の企業)に対し会長感謝状の贈呈がなされた。

 表彰状の授与に続いて、武藤容司経済産業大臣の祝辞を、経済産業省経済産業省製造産業局産業機械課長の須賀千鶴氏が以下のとおり代読した。「日本工作機器工業会は1955年の創立以来、標準化を通じた生産体制の整備や品質向上等に対する取り組みを通じ、製造業を支える重要産業である工作機器産業の健全な発展に貢献してきた。創立以来一貫して、工作機械に関する生産・流通等の調査、技術および安全性の研究、内外関係機関等との交流や協力を通じた普及・啓発など、精力的に事業を推進し、近年は人財育成や異業種交流、積極的な情報発信など活動の幅を広げつつ、業界のさらなる飛躍のために貢献してきた。この70年間を振り返ると、工業会及び会員企業の皆さまは、高精度な工作機械の基盤となる工作機器を提供することで、日本の製造業の発展に寄与し、業界の礎を築いてきた。戦後の復興期から始まり経済成長の波に乗り、国際競争が激化する中で、皆様の不断の努力と情熱があったからこそ、今日の日本の産業基盤が築かれたと言っても過言ではない。他方で、かつてのオイルショックやバブル崩壊、近年では東日本大震災や新型コロナウイルス感染症といった歴史的試練とも言うべき大きな環境の変化もあった。こうした中でも、新たな技術の導入と品質向上に向けた努力を続け、業界の基盤を強化し、我が国全体の産業競争力の強化に大きく貢献してきたことに深く敬意を表したい。昨今、工作機器産業を取り巻く環境は一段と不確実性を増し、また、目まぐるしい変化に直面している。例えば経済安全保障の観点からは、工作機械、産業用ロボットが経済安保推進法に基づく「特定重要物資」に指定され、高性能化の実現に不可欠なコア部品として、工作機器等が設備投資や研究開発の支援対象に位置付けられている。また、今年発足した米国新政権の関税措置をはじめ諸外国の政策による貿易摩擦は、業界全体にも大きな影響を与え、先行きの見えない状況を不安視する声もあるかと思う。経産省としては関係省庁と連携しながら、今後の戦略検討を進めていく。関税措置への対応にあたっては相談窓口の設置など、すでに着手している短期の支援策に加え、必要な政策の検討を政府一丸となって取り組んでいく。今後とも工作機器業界の事業環境を取り巻く多くの課題の克服に向けて、工業会の活動と十分に連携を図りながら、力強く政策を展開していきたい。70周年の節目を迎えた工業会がこれまで積み上げてきた歴史を土台にしつつ、新たな時代を切り開くべく、今後も業界をけん引して、工作機器工業の地位を一層確固たるものとして、さらなる発展を遂げることを祈念したい」。

武藤経産大臣の祝辞を代読する須賀氏

 

 記念式典に続いて祝賀会が行われ、席上、寺町会長は、2024年の日本工作機器工業会会員企業の販売額が前年比8.2%減の1623億円となったこと、2025年の見通しとしては同3.1%増の1673億円と発表した。

 祝賀会ではまた、来賓の挨拶として経済産業省 製造産業局長の伊吹英明氏が「ここ数年のトピックスとして、我が国の経済安全保障上欠かせない「特定重要物資」として、工作機械や産業用ロボットなどが指定され政府としてそれらへの投資促進を応援しているが、それら特定重要物資の重要基幹部品であるボールねじや直動案内などの工作機器についても政府として応援していく」と述べた。

来賓の挨拶を行う伊吹氏

 

 続いて来賓の挨拶に立った日本工作機械工業会(日工会)会長の稲葉善治氏(ファナック会長)は、「工作機械と工作機器は車の両輪ではなく、二人三脚でお互いに肩を組みながら走っていく関係で70年という長い道のりを一緒に歩いてきた。1980年代には日本の自動車、工作機械、半導体が成長し、VRA(対米自動車輸出自主規制)が設けられるくらいに日本の製造業は強かった。しかしその後日本の製造業が空洞化し、国力が流出する結果となった。日工会の輸出比率は現在70%に上り、30%しか最新の機械が日本国内に残らないという、先進国で最悪という工作機械のビンテージ化が進んでいる。そうした中で、政府より日本の工作機械の設備更新に対し支援をいただけることは大変心強い。日本は国土が狭く資源も乏しいので、製造業ががんばらなければ外貨を稼げない。我々工作機械業界には鉄と汗と油+αが必要と言われるが、中国や新興国に負けないハングリー精神で製造業を強化しなくてはならない。設立時1955年の初心に戻って、日本工作機器工業会と日工会が手を携えて、未来に向かって、ものづくりのためにがんばっていきたい」と力強く呼びかけた。

来賓の挨拶を行う稲葉氏

 

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工作機械技術振興財団、第46回工作機械技術振興賞贈賞式を開催

4ヶ月 ago
工作機械技術振興財団、第46回工作機械技術振興賞贈賞式を開催kat 2025年06日19日(木) in in

 工作機械技術振興財団(理事長:安達俊雄氏)は6月17日、東京都港区の第一ホテル東京で「第46回工作機械技術振興賞贈賞式」を開催した。

 

 同財団は、学術および科学技術の振興を目的として、牧野フライス製作所の創業者・牧野常造氏らの寄付により、1979年に通商産業(現経済産業)大臣の許可を得て設立。工作機械の開発、生産、利用に関する基礎的、応用的な技術の開発に関わる助成を通じて、工作機械の品質・性能の向上、生産および利用の改善や合理化に携わる研究者・技術者の養成に寄与することにより、機械産業の健全な発展に資し、もって国民経済の発展に寄与することを目的としている。

 当日はまず、安達理事長が開会の挨拶に立ち、「当財団は創設以来40余年にわたり工作機械技術の振興を目的として試験研究を助成するとともに、この分野のすぐれた研究成果に対し工作機械技術振興賞を贈賞してきた。本日贈賞および試験研究助成を受けられる皆様には心よりお祝い申し上げるとともに、日ごろの研鑽に対して深甚なる敬意を表したい。今回の贈賞を含め当財団がこれまでに贈賞してきた工作機械技術振興賞の累計は、論文賞、奨励賞、隔年実施の人財育成賞を合わせて714件2583名に達し、試験研究助成については、比較的歴史の浅い特別試験研究助成の20件を含めて累計322件となる。財団の事業は地道な活動だが、工作機械技術の進歩・向上に間接的ながら着実に寄与したものと考えている。財団を取り巻く環境、我が国経済を取り巻く環境は大きな変化の時代を迎えているが、“継続は力なり”の信念のもと、財団として引き続き社会貢献を着実に進めていきたい」と力強く述べた。

開会挨拶を行う安達理事長

 

 続いて、第46回工作機械技術振興賞についての審査報告が、伊東 誼(東京工業大学 名誉教授)審査委員長よりなされ、論文賞について「我が国がドイツに後れを取っている「工作機械の構造設計」および「生産システムのシステムレイアウト問題」というハードウェア関係の論文を大いに期待しているが、現時点では保守本流の構造に関わる研究が皆無に等しい状況にある。確かに研究は難しいが是非チャレンジしていただきたい」とコメントした。また、奨励賞については「110編の候補から6編が選定されたという厳しい競争を勝ち残った」と評価した後、「財団としては人財育成を一つの目標としており、贈賞を機に、さらなる発展の一助となるよう、審査の過程で各委員から提起された意見を委員長がまとめ、贈賞対象者に提示できるようにしている。論文賞や奨励賞の研究についてそれぞれ、評価できる点や今後期待する点といったコメントがついた資料をお渡しするので、是非とも今後の研究の参考にしていただきたい」と受賞者を鼓舞した。

審査報告を行う伊東氏

 

 大学、高専、公的研究機関および企業の研究者などを対象に工作機械の発展・進歩に大きな貢献が期待できる独創的な論文に対し表彰する工作機械技術振興賞「論文賞」は、日本機械学会、精密工学会、砥粒加工学会、電気加工学会の四つの学会の推薦と、研究者が所属する機関の長の推薦により応募がなされた中から選出され、今回は以下のとおり5件19名に贈賞がなされた。

・「スクライブによる残留応力場での亀裂伝播の方向性」村上久美子氏・曽山 浩氏・池内亮輔氏・北市 充氏・川畑孝志氏(三星ダイヤモンド工業)

・「SiCの精密レーザスライシング 第4報:短パルスレーザによる高速・高安定加工の検討」山田洋平氏・小松崎怜美氏・菊池 拓氏・池野順一氏(埼玉大学)

・「異常検知と画像分類を併用したボールエンドミル摩耗状態判定システムの開発」児玉紘幸氏・小久江颯人氏・西 隆宏氏・大橋一仁氏(岡山大学)

・「Fundamental Study on Jetting Nozzle Diameter for Smooth Debris Exclusion in Wire EDM」Shixian LIU・岡田 晃(岡山大学)

・「光造形方式3Dプリンタを用いた砥石製作システムの構築―複合ボンド砥石による定圧研削の高性能化―」吉田凛太朗氏(茨城大学)、稲澤勝史氏(栃木県産業労働観光部)、大森 整氏(理化学研究所)、伊藤伸英氏(茨城大学)

論文賞「光造形方式3Dプリンタを用いた砥石製作システムの構築―複合ボンド砥石による定圧研削の高性能化―」の贈賞式のようす

 

 また、将来の工作機械の発展を担う人材育成の一助として優秀な卒業論文を発表した学生およびその指導教官に対し表彰する「奨励賞」では今回、以下のとおり5件20名に贈賞がなされた。

・「モバイルマニピュレータを用いた機械学習による切りくず検知・除去システムの開発」木村勇翔氏・柿沼康弘氏(慶応義塾大学)

・「コンパクトPBF-LB/M装置の開発とレーザのエネルギ密度分布が造形物の特性に及ぼす影響」中屋輝空氏・江面篤志氏(三条市立大学)、柚直彦氏(ワイヤード)

・「3次元内部構造顕微鏡とX線CTを用いたSLIM造形されたAl-Mg-Sc合金の欠陥の定量評価」鈴木環太氏・森田晋也氏・會田優希氏(東京電機大学)、山下典理男氏・横田秀夫氏(理化学研究所)

・「放電加工におけるプラズマおよび気泡の挙動に関する混相流解析」赤坂優太氏・劉 世賢氏・岡田 晃氏(岡山大学)

・「X線CTを利用したCMP用ポリシングパッドの3次元内部構造解析―ポリシングパッド内部のポアの分布状況の把握―」大山陽史氏・黒河周平氏・林 照剛氏(九州大学)、檜山浩國氏・和田雄高氏・安田穂積氏・林 俊太郎氏(荏原製作所)

奨励賞「X線CTを利用したCMP用ポリシングパッドの3次元内部構造解析―ポリシングパッド内部のポアの分布状況の把握―」の贈賞式のようす

 

 続いて、第46回試験研究助成では、研究助成Aとして6件、学生を対象とする研究助成Bとして3件、プロジェクトを対象とする特別試験研究助成として3件が選定された旨の発表がなされた。

 その後、経済産業省製造産業局産業機械課長の須賀千鶴氏が来賓の挨拶に立ち、「皆様の優れた研究成果とたゆまぬ努力が本日の受賞に結び付いたもの。お祝い申し上げたい。工作機械技術振興財団においてはこれまで、継続的な助成を通じて、工作機械の性能向上や利用の高度化に関わる研究者や技術者の養成に尽力をいただき、感謝している。我が国の工作機械産業は長年にわたり世界中のユーザーからの多様な要請に応えることで高い信頼を獲得し、世界トップクラスのシェアと評価を獲得するまでに成長した、我が国製造業を代表する基盤ともいうべき産業。工作機械産業を取り巻く環境は大きく変化しており、諸外国との市場競争も激化している。日本が技術優位性を有することは経済安全保障上も大変重要で、政府としては経済安全保障推進法に基づく「特定重要物資」に工作機械と産業用ロボットを位置付けている。今後も積極的な投資や開発を行う事業者を政府としてもしっかりと支えていきたい。工作機械産業はマザーマシンとして、生活用品から航空宇宙部品に至るまで幅広い製品の生産に不可欠な製造業の基盤であり、GXの観点では工作機械そのものの省エネルギー化に加え、自動車のEV化に伴う加工精度の高度化や難削材の加工の実現が、またDXの観点では工作機械の複合化や自動化、機上計測による自動補正、工作機械と周辺機器のデータ連携など、製造業での新たな価値や市場ニーズへの対応も期待されている。今回の贈賞対象・助成対象となる皆様の取り組みとしては、こうしたGXやDXに対応した技術が多いと認識している。皆様の取り組みは工作機械産業の将来にわたっての競争力の強化に資するものであり、今回の受賞を一つのステップとして業界の発展をさらに牽引していただくよう期待している」と語った。

来賓挨拶を行う須賀氏

 

 贈賞式に続いて、奨励賞と論文賞の贈賞対象者を代表して、以下のとおり講演会が行われた。

 奨励賞受賞講演「加工液フラッシング最適化によるワイヤ放電加工特性の向上」岡田晃氏(岡山大学)…ワイヤ放電加工の効率化や信頼性向上を目的に、加工粉の排出の最適化のための数値流体解析(CFD)を実施した。固液二相流の解析で用いられるラグランジェ法を使って、ノズル内径やノズル噴射角、ノズル形状を変えた際の流れ場の変化・加工粉排出の軌跡を解析。ノズルの内径が大きいほど加工速度が増加し、短時間でスムーズに加工粉を排出できることが分かった。また、ワイヤ放電加工で見られる加工開始時のワイヤ断線問題について解析した結果、端面から数mm加工したあたりで断線した事例を見ると、流れ場が不安定で加工粉の排出に時間がかかっていることや、ワイヤにかかる放電圧力に加えて加工液フラッシングによる流体力という二大圧力によってワイヤの撓み量が増大していることが分かった。今後は、ラグランジェ法に加えてオイラー法も併用することで固気液三相流解析モデルによる気泡排出の影響や最適排出条件の探索などを行う、と総括した。

講演する岡田氏

 

 論文賞授賞講演「3Dプリンタを用いた砥石製作システムの構築」稲澤勝史氏(栃木県産業労働観光部)…高機能かつオンデマンドな砥石製作を目指し、光造形方式の樹脂3Dプリンタを用いた新しい砥石製作システムの開発を進めた。実験により、複合する樹脂の膨潤特性の差異を利用し、加工圧力を増大させる砥石と、砥粒切れ刃高さを低減する砥石を開発。表面粗さ向上パターン砥石では、表面粗さの向上を確認した(粗大砥粒を用いても高品位面の創生が可能)ほか、使用する砥粒径と樹脂の膨潤量に最適な組み合わせがあることが確認された。また、除去量向上パターン砥石では、除去能力の向上が確認されたほか、突起のパターンや面積を変更することで加工特性をコントロールできることが分かった。

講演する稲澤氏

 

 講演会終了後は技術交流会が開催され、乾杯の挨拶に立った電気加工学会 会長の武沢英樹氏(工学院大学)は、「今回厳しい競争を勝ち抜いて受賞された皆様は今後、自信を持って研究を進めていただければと思う。特に奨励賞および試験研究助成Bの対象となる若い研究者は、この先まだまだ時間があるので、今回の受賞を励みに工作機械あるいは生産工学に関する研究を継続していただきたい。さて、来年設立60周年を迎える我々の電気加工学会は放電加工あるいは電解加工などの電気加工を中心とした学術団体だが、元々はあらゆる産業の核となる金型の高性能化を図るべく、放電加工を中心とする研究者が集まって設立したもので、産業界に直に技術を提供すべく新しいものを研究しよういう意図だった。工作機械技術振興財団の産業界に貢献する研究をバックアップしようという設立趣旨と軌を一にするもので、電気加工学会含め関連4学術団体もまた、産業界に貢献する取り組みを続けていかなくてはならない。工作機械あるいは加工関連の研究室を若い方が立ち上げることが少なくなってきているが、4学術団体はじめ各大学の研究者の方々には是非とも、工作機械関連、加工関連の研究を大いに盛り上げていただきたい」と呼びかけ、歓談に移った。

挨拶する武沢氏

 

 また、工作機械技術振興財団 評議員を代表して荒牧宏敏氏(三協立山 社外取締役(元日本精工 取締役執行役専務)が挨拶に立ち、「米国の通商政策をはじめ不安定な状況が続く中で、企業においては創造性のある研究や付加価値のある製品開発などが求められるが、そう簡単にできるものではなく、根を詰めてもよいアイデアは浮かばない。そういう時にどうするか。先日読んだ脳科学の本によれば、ボーっとしているのがよいとのこと。DMN、主軸の回転速度ではなくて、デフォルトモードネットワークという脳の部位がある。脳には集中している時に活性化する神経回路と、ボーっとしている時に活性化する神経回路があって、ボーっとしている時に活性化する神経回路をDMNという。我々が休んでボーっとしている時に、DMNは膨大な記憶の断片情報にアクセスしていて、記憶の断片と記憶の断片が結びついた時にピッとひらめきが起こるらしい。昔の中国に「三上」という言葉があって、ものを書く時や考える時に最適な場所は、馬の上、枕の上、厠の上、だという。確かにトイレの中などでボーっとしている時にアイデアがひらめくことがあるが、それはDMNが働いているためで、ボーっとすることで頭がフル活用される。とはいえ、ベースがあってこそ、ひらめきが生じる。若手の方々は、創造性のある研究や付加価値のある製品開発について一生懸命考え、集中して先例を調べるなど常に考えた上で、休んでボーっとしつつ脳をフル活用しているものと信じているので、部下がボーっとしていたら是非とも、「頑張れ」と応援していただけたらと思う。集中しつつボーっとすることで、この不安定な状況の中で皆様が着実に活動を続けられるよう、また、工作機械技術振興財団の活動がますます発展するよう、祈念したい」とユーモアをまじえて語った。

挨拶する荒牧氏

 

kat

東京理科大学・佐々木研究室、第32回トライボサロンを開催

4ヶ月 1週 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第32回トライボサロンを開催kat 2025年06日17日(火) in

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://www.tribo-concierge.com/topics/296/)の第32回目が6月14日、東京都葛飾区の同大学 葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

開催のようす

 トライボサロンは、に関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。

 第32回目となる今回のトライボサロンでは、ENEOS・髙木智宏氏が、「塑性加工における硫黄系極圧剤の潤滑特性」のテーマで話題提供を行った。髙木氏は現在、冷凍機油の研究開発に従事しているが、ここでは、塑性加工油の研究開発を行っていた際の、塩素フリー加工油に関するデータの一部を紹介した。塩素化パラフィンといった塩素系極圧剤は潤滑性能に優れるが、環境負荷物質とされている。同社が開発したステンレス鋼のしごき加工に対応した塩素フリー加工油は、塩素系加工油と同等の金型(工具)寿命を達成している。また硫黄系極圧剤が重要な添加剤として挙げられ、硫黄系極圧剤の分子構造と潤滑特性に関する基礎検討の内容も紹介された。硫黄系極圧剤は、評価方法(摩擦試験)によって最適な分子構造が異なることなど述べられていた。

 トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
 https://www.tribo-concierge.com/topics/296/

kat
Checked
1時間 37 分 ago
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