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THK、製造業向けIoTサービスに、回転部品向けAI診断サービスを追加

1年 8ヶ月 ago
THK、製造業向けIoTサービスに、回転部品向けAI診断サービスを追加kat 2023年03日08日(水) in

 THKは本年3月から、製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」(https://www.thk.com/omniedge/jp)の回転部品向けソリューションに続く、新たなAI診断サービス(ADV)の提供を開始した。AIがポンプやモータ、ファン、ギヤボックスといった回転部品の異常や故障を推定、推奨メンテナンス内容までを提示する。

回転部品向けAI診断サービス(ADV)の構成図


 工場のプロセスオートメーションに欠かせないモータ、ポンプ、ファンなどの回転部品のメンテナンスは、工場1拠点だけでも膨大な量に及び、保守保全には日々の定期巡回が伴う。また、異常を検知するセンサは、しきい値の設定が各回転部品によって異なり、さらに膨大な数の各種パラメータの設定に担当者が追われることで、結局は適切なしきい値設定には至らないまま運用するのが現状となっている。そこでTHKでは、回転部品の状態がヘルススコアから分かるAI診断サービス(ADV)を回転部品向けソリューションに追加したもの。

 ADVにはヘルススコアを算出するアルゴリズムが採用されており、ユーザーがこれまで苦労してきたしきい値設定が一切不要となり、代わりにADVで振動・温度のデータからヘルススコアを算出して回転部品の状態を判断できる。ADVが故障モードの推定と故障モードに合致した推奨メンテナンス内容を簡単・手軽に保全担当者へ提供することで、膨大な量に及ぶ回転部品の保全活動を劇的に変化させる。他にも、メンテナンス前後のデータ変化の相関をレポートに作成して、提示することが可能となる。

 従来のリモート監視機能とADVを併行することで、巡回工数の軽減、最適なメンテナンス時期の見極めと実施、メンテナンスレポート作成工数の削減といった相乗効果が期待できる。

 THKでは、「センサ提供だけにとどまらずAIを使った様々なサービスを手掛けることで、顧客とのエンゲージメントをより強固なものへと高めていく。さらに、製造現場で発生するロスを削減して設備総合効率(OEE)の最大化に貢献するIoTソリューションを提供していく」としている。

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東京理科大学・佐々木研究室、第7回トライボサロンをハイブリッド開催

1年 8ヶ月 ago
東京理科大学・佐々木研究室、第7回トライボサロンをハイブリッド開催kat 2023年03日04日(土) in in

 東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://tribo-science.com/salon)の第7回目が3月4日、東京都葛飾区の葛飾キャンパスでの対面参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。

対面開催のようす

 

 トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催しされている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。トライボロジーに関する情報交換、人材交流等を通し、関連技術の向上と発展に資することを目的に、次の活動を円滑に行えるよう運営に努めている。

 第7回目となる今回のトライボサロンでは、出光興産 上席研究員の成田恵一氏が、「変速機のトライボロジー」をテーマに話題を提供した。

 話題提供の後は交流会が設けられ、サロンメンバーによる活発な情報交換・意見交換がなされた。

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エボニック、FSCMプロジェクトにスペシャルティケミカルの専門知識を提供

1年 9ヶ月 ago
エボニック、FSCMプロジェクトにスペシャルティケミカルの専門知識を提供kat 2023年02日21日(火) in

 独エボニック インダストリーズは、BMWが立ち上げた「未来志向のサステナブルな自動車素材(Future Sustainable Car Materials、FSCM)」プロジェクトに協力し、プラスチックおよびリサイクル用添加剤の専門知識を提供する。

 FSCMプロジェクトは、バリューチェーンの大部分にわたる革新的なプロセスルートと、材料に関するコンセプトを開発し、自動車の製造工程における循環型経済を実現することを主な目的としている。昨年末に発足したFSCMプロジェクトは、BMWグループ、エボニック、ティッセンクルップ、フラウンホーファー研究所、ミュンヘン工科大学など、19の大手企業および研究機関によるコンソーシアムにより進められている。参加企業・研究機関は、自動車製造における循環化を目指し、サステナブルな材料を使用するための新たなプロセスの開発を目標に掲げている。また、本プロジェクトはドイツ連邦経済・気候保護省(BMWK)から3年にわたり資金援助を受ける。

 エボニック スマートマテリアルズ部門の責任者であるローレン・ケルセン氏は、「業界のリーダーや国際的に知られる研究機関からなるこの先駆的なコンソーシアムは、未来の自動車産業におけるサーキュラー・プラスチックソリューションの開発に取り組んでおり、当社のスペシャルティケミカルの専門知識を提供できることを嬉しく思う」と述べている。

 循環型経済の原則では、材料が耐用年数を迎えた後もバリューチェーン内にとどめ、化石資源を使わずに自動車部品などの新しい物を生産できるようにする必要があるが、品質と安全性のレベルを維持しながら材料を循環させることは極めて困難となっている。

 エボニックのグローバルサーキュラー・プラスチックプログラムの責任者であるパトリック・グロクナー氏は、「当社のメカニカルリサイクルの専門家は、リサイクル業者と密接に協力して、耐用年数を迎えたプラスチック部品から塗料を剥がすなどの洗浄方法の整備に取り組んでいる。また、配合設計技術者と協力して、新しい自動車部品にリサイクルプラスチックをできるだけ多く使用するソリューションを開発している」と述べる。

 コンソーシアムとして協力体制を築くことで、課題を迅速に特定し、解決策を共同で生み出すことができるが、FSCMプロジェクトの参加メンバーは、自動車製造が非常に複雑なことから、得られた知識が将来的に商用車や電気製品、家電製品など他の工業製品にも応用でき、ドイツ経済の循環型経済システムにとって強力な原動力になると期待している。

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日本粉末冶金工業会、新年賀詞交歓会を開催

1年 9ヶ月 ago
日本粉末冶金工業会、新年賀詞交歓会を開催kat 2023年02日17日(金) in in

 日本粉末冶金工業会(JPMA)は1月19日、東京都港区のインターコンチネンタル東京ベイで、「令和5年 新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日はまず伊井 浩JPMA会長(ダイヤメット社長)が挨拶に立ち、「粉末冶金業界は自動車産業の成長とともに安定した成長を遂げ、自動車1台あたりの粉末冶金製品の使用量は20年前に比べると1.35倍と拡大している。しかし近年は、電気自動車の市場拡大など、粉末冶金業界の主要市場のエンジンが失速していくという、100年に一度の大変革の真っ只中にある。その厳しい現実を直視して粉末冶金の活躍できる、新たな市場、新たなアプリケーションを開拓するのが、粉末冶金の喫緊の課題。粉末冶金が有するニアネットシェイプや大量生産性、金属粉末の配合を自由に組み合わせられることなどの基本的な特性に加え、工程が比較的シンプルなため原料やエネルギーを抑えることができる環境にやさしい工法といった唯一無二の特性を見つめ直しその長所をさらに磨くことで、粉末冶金の可能性を広げ、新たな製品の創出、新たな市場の開拓が実現できると確信している。来年10月に粉末冶金国際会議「PM2024」が横浜で開催されるため、今年はその準備の1年となる。アジア地区での開催は前回横浜での開催以来12年ぶりで、アジア地域はもちろん、世界中から粉末冶金に携わる多くの方々が来日し、粉末冶金の将来の可能性、未来について議論し情報を共有できる良い機会となる。そのような場を提供する責務を感じつつ、PM2024の成功に向けて各位の協力をお願いしたい。本年は経産省に支援いただいている取引適正化の活動をさらに強化して継続するほか、カーボンニュートラルに関する共通課題への業界としての取組みなど重要課題に対して一定の成果をあげられるよう、活動を加速させたい。経産省においては、DX、GX実現のための具体的政策の立案が進展していると聞く。引き続き素形材産業質の支援・指導をお願いしたい。今年は兎年。卯の刻は午前5~7時、まさに日の出とともに1日が始まる時間。夜が明けて新しい1日、1年が始まることを示す。粉末冶金業界も今までとは違った価値を創造することで新たな市場へと踏み出す一歩となるような1年にしたい」と力強く挨拶した。

挨拶する伊井JPMA会長

 

 粉体粉末冶金協会(JSPM)の園田修三会長(福田金属箔粉工業 社長)は、「粉末冶金製品の取引先である自動車業界はCASE革命、100年に一度の大変革期を迎えまた昨今の半導体不足や部品不足などから減産を余儀なくされるなど、過酷な状況が続いている。そうした一方で粉末冶金製品には一層高い性能が要求されてきている。ニーズとしては特性や省エネ、SDGsに貢献できること、など多岐にわたるが、こうしたことを実現する上では、少子化にあっても粉末冶金の未来を担う人材の獲得、育成への取組みが不可欠。今まで以上にJPMAとJSPMという粉末冶金製品を支える両輪の連携強化のもとで研究開発・技術深化に取り組んで、国際競争力のある技術・製品を生み出していく。今こそ日本の粉末冶金の研究力や製造力という我々の底力を世界に知らしめたい。コロナ禍や景気後退など暗いニュースが多いが、頑張って前を向いて明るく進んでいこう」と述べた。
 

挨拶する園田JSPM会長

 

 乾杯の挨拶に立った井上洋一JPMA常任理事(ファインシンター社長)は、「今一度、われわれ粉末冶金業界の知恵と力を結集して、業界発展のために頑張っていこう」と述べた。
 

乾杯の挨拶を行う井上JPMA常任理事

 

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第33回 変速機のトライボロジー研究会が開催

1年 9ヶ月 ago
第33回 変速機のトライボロジー研究会が開催kat 2023年02日17日(金) in in

 日本トライボロジー学会の会員提案研究会である「変速機のトライボロジー研究会」(主査:日産自動車・村木一雄氏)が1月23日、静岡県富士市のジヤトコで「第33回研究会」を開催した。

 当日は、ジヤトコが世界シェア55%のトップシェアを占める無段変速機(CVT)の工場見学を実施、鍛造加工や切削加工、熱処理、洗浄、組み立て、試験評価などのラインを視察した後、以下の話題提供がなされた。

 幹事でジヤトコ イノベーション技術開発部(KF0) 猪上 佳子氏は「KF0 F-Lab.の紹介」と題して講演。世界初の商品・技術の先行開発から企画、設計、実験まで一気通貫で担う開発拠点である「未来技術センター(F-Lab.)」の概要や機能について説明した。未来技術センターは変速機の製造などで培ったコア技術を応用した世界初の商品・技術の開発を担う。サプライヤーや他業種と連携する「コネクトルーム」、部署の垣根を越え社内連携を促しアイデアを生み出す「クリエイトエリア」、アイデアを実行する「シサクエリア」の3エリアで構成。開発のスピードを重視して、施設にはイノベーションを生み出す「ひらめき」を得るための発散(ラテラルシンキング)と集中(ロジカルシンキング)がそれぞれ可能な場所や、五感を集中して新たなひらめきが得られる場所を設けている。F-Labでe-Axleを試作した事例では、MR(複合現実)で構造設計し3Dプリンターで生産性・組付性などを確認した後、実部品ユニットを試作するといった流れで、EV向け製品開発期間の短縮が図れることを検証している。

 また、ジヤトコ イノベーション技術開発部 松尾道憲氏が、「バイオミメティクス(生物模倣)を活用した湿式クラッチ『カエギリクラッチ』」と題して話題提供を行った。カエギリクラッチは、カエルとキリギリス、2種類の生物の足裏に配列された六角形模様の微細構造をヒントに、クラッチのスチールプレートの表面に排油性能を高める特殊加工を施したもので、これにより摩擦特性の安定性や耐久性を大幅に向上できる。キリギリスの足には接触面とのスティックスリップ現象を抑制し滑らかな摩擦を作り出す機能、カエルには濡れた接触面をグリップする機能があると考えられているが、この両者に共通する六角形の形状をクラッチのスチールプレート側に加工することで、低温時の伝達安定性やクラッチの耐久性を高めた。なお、開発初期から量産工法の採用を前提としており、量産向けマイクロプレス加工技術の開発を進めている。これまでクラッチの性能向上は主にフェーシングプレート側の摩擦材の性能向上に主眼が置かれてきたが、表面加工をスチールプレート側に施すことで、クラッチの性能を高めることが可能となる。社内試験で耐久性、摩擦特性ともに大幅に改善することが確認されている。始動後に捨てる熱が少ないことからは、EVへの貢献も期待できる、とした。

 次回活動は、5月29日~31日に東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催される「トライボロジー会議 2023 春 東京」におけるシンポジウムセッション「自動車用動力伝達系のトライボロジー」として実施、自動車の電動化を支える動力伝達系の潤滑/冷却機構、機械要素に焦点をあて、電動化によってもたらされたトライボロジー技術への新たな要求、課題、解決への取組みについて論議する予定。

 

研究会開催のようす:ジヤトコ ウェルカムセンターで


 

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イグス、東京本社内にローコストオートメーションセンターを開設

1年 9ヶ月 ago
イグス、東京本社内にローコストオートメーションセンターを開設kat 2023年01日30日(月) in in

 イグスは、東京本社内に「ローコストオートメーションセンター」(LCAセンター)を開設した。低コストに自動化を進めていきたい企業向けに、ロボットが実際に動作する様子や、ロボット部品のサンプルを確認できる場を提供するもので、製品担当者がその場で詳細を説明し、質問に回答することも可能(見学は要予約)。
 

東京本社内に開設したLCAセンター

 

 ローコストオートメーションとは、シンプルで低コストのロボットや、ロボット部品によって工程全体または一部を自動化し、効果的に生産性を向上させることを表している。

 同社では「コストを抑えながら生産性を向上させたい」、「人手不足に対応したい」といった要望に応えるため、2022年にLCA 事業専任の担当者を配置。自動化を検討している企業の担当者に対し、実際の製品に触れられる機会を提供する目的で2022年末にLCAセンターを開設したもの。

 LCAセンターには、「デルタロボット」(パラレルリンクロボット)、「ガントリー」(直交ロボット)、「ロボリンク」(多関節ロボットアーム)、「ドライリン7th Axis」(ロボットの7軸目走行軸)の4種類の実機が展示され、実際の動作を確認できる。

 その他にも、ドライギアやリニアアクチュエータなどのサンプルも実際に手に取って確認できる。展示実機やサンプルは今後、随時追加していく予定。

 LCA センターに展示されている実機は以下のとおり。

・デルタロボット

製品番号:DLE-DR-0001-0004-00-0、繰り返し精度:±0.5mm、可搬重量:5kg、本体重量:7.2kg、作業範囲:360mm(高さ75/180mm)、搬送レート:60回/分(ワーク重量500g)、最大速度:3m/s

 

・ガントリー
 

製品番号:DLE-RG-0002-AC-500-500-100(サイズカスタム品)、繰り返し精度:±0.8mm、可搬重量:2.5kg、本体重量:6.5kg、作業スペース:500 x 500 x 100mm、最大速度:0.5m/s、最大加速度:2.0m/s²


・ロボリンク

 

製品番号:RL-DP-5-24-0004-00-0、繰り返し精度:±0.5mm、可搬重量:30N、本体重量:22.4kg、自由度:5DOF、最大速度:0.2m/s、リーチ:450mm

 

・ドライリン7th Axis

製品番号:ZLW-20200S-7TH-DCUR-01-1500、繰り返し精度:±0.3mm、ストローク:1500mm、最大アキシアル荷重:250N、最大ラジアル荷重:550N、最大速度:0.3m/s

 

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ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2023年1月号「特集:自動化とアクチュエータ」「キーテク特集:解析技術」発行!

1年 10ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2023年1月号「特集:自動化とアクチュエータ」「キーテク特集:解析技術」発行!admin 2023年01日23日(月) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第40号となる2023年1月号が1月25日に小社より発行される。

 今号は、「特集:自動化とアクチュエータ」、「キーテク特集:解析技術」で構成。

 特集「自動化とアクチュエータ」では、自動化ニーズに対応する油圧・空気圧・電動アクチュエータの特徴とそれら特徴を活かした適用事例について、ベアリング&モーション技術をまじえて紹介する。

 また、キーテク特集「解析技術」においては、様々な問題を多方面にわたりシミュレートすることによって試作や実験の回数を減らすなど、ものづくりでの研究・開発工程の効率を高める解析技術の適用事例として、トライボ分子シミュレーションでできること、できないことについて解説するとともに、弾塑性有限要素法によるスティックスリップの計算事例、といった話題を紹介する。

特集:自動化とアクチュエータ

◇各種アクチュエータの特性と新たな油圧シリンダの開発・・・産業技術総合研究所 坂間 清子

◇ニーズの多様性に対応する、モジュール製品を活用した自動化の提案・・・THK 星野 京延 氏 に聞

◇アプリケーション志向の電動アクチュエータ技術と適用拡大・・・木村洋行 小塚 真治 氏、足立 健太 氏に聞く

◇自動化・省人化に貢献する空気圧機器・・・編集部

◇自動化・省力化システムによる半導体製造支援の取組み・・・ハイウィンに聞く

キーテク特集:解析技術

◇トライボ分子シミュレーションではできないこと:油性剤を例に・・・兵庫県立大学 鷲津 仁志

◇弾塑性有限要素法によるスティックスリップの計算・・・トラ研 栫井 邦彦

連載

注目技術:ハノーバーメッセ2023で披露されるベアリング&モーション技術(bmt)・・・bmt関連出展各社

あるコスモポリタンの区区之心 第10回 特異点を超えたAI、例えば囲碁など・・・紺野 大介

Q&A「浄油技術」の基礎知識 第10回 オイル中のコンタミネーション・・・RMFジャパン テクニカルサポート

トピックス

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「ハノーバーメッセ 2023」プレスカンファレンスを開催、参加を呼びかけ

1年 10ヶ月 ago
「ハノーバーメッセ 2023」プレスカンファレンスを開催、参加を呼びかけkat 2023年01日19日(木) in

 International Linkageドイツメッセ日本代表部(代表:竹生学史氏)は、1月18日、東京都千代田区のステーションコンファレンス東京で、本年4月17日~21日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される世界最大級のB to B向け産業技術の専門展示会「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ) 2023」に関するプレスカンファレンスを開催した。当日はドイツメッセ日本代表部 竹生氏の司会のもと、同展の概要や見どころについて紹介され、日本からの同展への参加を呼びかけた。

ハノーバーメッセ 2023の概要

 ドイツメッセ ハノーバーメッセ担当 Global Directorのバシリオス トリアンタフィロス(Basilios Triantafillos)氏より、ハノーバーメッセ 2023の概要が以下のとおり紹介された。

・ハノーバーメッセは、デジタル技術をうまく活用して産業に大きな革新をもたらす「インダストリアルトランスフォーメーション(IX)」のショーケースで、今回は世界50ヵ国、機械工学、電気工学、エネルギー、ソフトウェア、IT分野の4000社以上の出展社から8000点超の革新的な製品・ソリューションが披露される

・メインテーマは「Industrial Transformation – Making the Difference(インダストリアル・トランスフォーメーション-変化をもたらす)」で、中でも核となるのがデジタル化とサスティナブルなものづくり。デジタル化とエネルギー管理によって、資源を節約し、炭素排出量を削減できる方法が紹介される

・今回のパートナーカントリーは東南アジア諸国連合(ASEAN)地域最大の経済国、インドネシア。基本テーマ「Making Indonesia 4.0-Connect to Accelerate」(インドネシア4.0の実現—連携して加速)のもと、ホール2のインドネシア・ナショナル・パビリオンでは、約150の企業・組織による展示に加えて、インドネシアの産業能力、外国人投資家向けの経済特別区および不動産、教育・人材プログラムにスポットライトを当てる

・デジタル化とサスティナブルなものづくりが核となる本展で提示されるメガトレンドとしては、インダストリー4.0、カーボンニュートラル生産、AI&マシンラーニング、エネルギー管理、水素&燃料電池の五つ。中でも水素&燃料電池は長年テーマとして掲げているが、今回は過去最高の400社以上の企業が関連製品・ソリューションを紹介する

・本展は、Automation, Motion & Drives(オートメーション、モーション&ドライブ)、Digital Ecosystems(デジタル・エコシステム)、Energy Solutions(エネルギー・ソリューション)、Engineered Parts & Solutions(工学部品・素材&ソリューション)、Future Hub(フューチャーハブ)、Compressed Air & Vacuum(コンプレッサー&真空技術)、Global Business & Markets(グローバルビジネス・マーケット)の七つの展示エリアに分かれている

・ホール17では、300社を上回る様々な技術分野のスタートアップ企業が、ディスラプションの可能性を秘めたイノベーションを披露する。今回はハッカソンも実施される

・科学界、ビジネス界、政界の第一人者が一堂に会する会議ステージでは、グローバル産業における現在の課題や機会について論じる。Industrial Transformation Stage(インダストリアル・トランスフォーメーション・ステージ)では、スマートで持続可能な生産における技術横断的・産業横断的な交流に焦点を当てる。Energy 4.0 Stage(エネルギー4.0 ステージ)では、エネルギーインテリジェントで、気候変動に配慮した、持続可能な未来のためのソリューションを中心に取り上げる。Industrie 4.0 Stage(インダストリー4.0 ステージ)では、資産管理シェル、OPC UA、マシンラーニング、クラウド&エッジコンピューティング、データスペースなどのトピックをカバーする。Tech Transfer Stage(技術移転ステージ)では、科学、ビジネス、政治を対象に、応用産業研究分野の最新プロジェクトを紹介する。Industrial Wireless & 5G Stage(産業用無線&5Gステージ)では、最新の無線通信技術を活用して、生産ラインやイントラロジスティクスの柔軟性、自律性、効率をさらに高める方法にスポットライトを当てる。Industrial Startup Stage(産業スタートアップ・ステージ)では、スタートアップ企業、起業家、ネットワーカー、インキュベーター、アクセラレーターによるピッチやプレゼンテーション、議論を行う。Trade & Invest Stage(貿易&投資ステージ)では、国際貿易における現在の課題や投資機会にスポットライトを当てる(エネルギー、経済政策を含む)。Partner Country Indonesia Stage(パートナーカントリー・インドネシア・ステージ)では、製品紹介や政策に関する議論、ハノーバーメッセで展示されている技術に関する話題といった幅広いプログラムを提供する

・とりわけ高度な技術イノベーションを示す製品またはソリューション(対象は産業界ですでに実績のある技術ソリューションに限定)を生んだ企業に対し贈る世界有数の産業賞「HERMES AWARD」の表彰が、本展のオープニングセレモニーの場でドイツ連邦教育研究省大臣のベッティーナ・シュタルク・ヴァッツィンガー氏によってなされる

・第16回 日独ビジネスフォーラムが開催され、両国から企業・専門家が参加し、両国の直面しているサスティナブルなものづくりとエネルギー供給をテーマに議論がなされる

・オラフ・ショルツ首相やベッティーナ・シュタルク・ヴァッツィンガー大臣、インドネシアのジョコ・ウィドド大統領などが登壇する

ハノーバーメッセ 2023の見どころ

 また、ゲストスピーカーとして、2016年にドイツPlattform Industrie4.0とIoT/インダストリー4.0の分野で協力を行う旨の共同声明を発表以降、IoT/インダストリー4.0に関する様々な課題の解決に向け連携を続けているロボット革命イニシアティブ協議会(RRI) インダストリアルIoT推進統括の中島一雄氏より、ハノーバーメッセ 2023の注目すべきトレンドについての紹介があった。

・注目のトレンド①は、資源循環、脱炭素。天然資源の利用を半減させつつ持続的発展を実現しなくてはならず、デジタル製品パスポートやリマニュファクチャリングに代表される、一度使ったものを使い倒すような社会変革と産業構造の変化が必要であるというドイツの循環型経済ロードマップなど、技術だけはでなく、どうシナリオを作っていくかを参考にしたい

・注目のトレンド②は、産業データの連携-データベース。ドイツ発の自動車のLCAに関わるデジタル・エコシステム「Catena-X」、さらにはそれをひな型に産業全体に広げる取組みである「Manufacturing-X」などがいよいよ社会実装されようとしており、インダストリー4.0でも大きなテーマであるManufacturing-Xは今回の大きな目玉と見られる

・注目のトレンド③は、デジタルツインの社会実装。ZVEIショーケースでの、アセット管理シェル(AAS)を用いた製品カーボンフットプリント算定のデモも必見

・本展ではRRIも登壇し、日独連携の成果をアピールする予定

左から、登壇したドイツメッセ バシリオス トリアンタフィロスとRRI 中島一雄氏、
司会を務めたドイツメッセ日本代表部 竹生学史氏

 

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日本工作機器工業会、2023 賀詞交歓会を開催

1年 10ヶ月 ago
日本工作機器工業会、2023 賀詞交歓会を開催kat 2023年01日16日(月) in in

 日本工作機器工業会は1月16日、東京都港区の芝パークホテルで、「2023年 賀詞交歓会」を開催した。

 当日は寺町彰博会長(THK社長)が、2022年1月~12月の同工業会会員企業の販売額が前年同期比11.4%増の2195億円となる見込みであることを報告。また、FA関連の動きが活発で内需が堅調なことや、停滞している中国経済が4月以降動き出して世界経済が回復に向かうと予想されることから、2023年1月~12月の同工業会会員企業の販売額について2250億円の微増とする見通しを発表した。

 寺町会長はまた、「コロナ禍でリモートによる仕事の仕方が大きく変化し、またAIやIoT、ロボット化などが進展するなど、時代は大きな変革期を迎えている。この急激な変化に対応し克服することが日本の、また工作機器業界の命題と言え、それには連携がますます重要になる。ロボット化・自動化・コネクティッドといった流れはまさに当工業会の時代が到来したことを示唆しており、この機会に関連する装置メーカーや機械メーカーをフォローアップして、世界でのプレゼンスを高めてほしい。当工業会内だけでなく、関連諸団体との連携を密にし、情報交換を密にしてほしい。工作機器と関連の深い工作機械業界、半導体製造装置業界、ロボット業界からの主なニーズとしては、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)への対応がある。ビジネスを進める上で欠かせないDXやGXへの理解を深めるための勉強会も当工業会主催で実施していく。DXやGXを活用したビジネス拡大に努めてほしい」と語った。
 

挨拶する寺町会長

 

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日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表

1年 10ヶ月 ago
日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表kat 2023年01日13日(金) in in

 日本半導体製造装置協会(SEAJ、会長:牛田一雄ニコン会長)は1月12日、2022年~2024年の半導体・フラットパネルディスプレイ(FPD)製造装置の需要予測を発表した。

 冒頭、挨拶に立った牛田会長は、「ロシアによるウクライナ侵攻が長期化し、平和の大切さを改めて感じている。ウクライナに早く平和が戻ることを願っている」と述べた後、エネルギー価格の高騰やインフレに対応した金融対策などから消費に減速懸念があり、パソコン出荷台数減少に伴いメモリーを中心に在庫調整局面にあること、また、地政学的リスクが世界経済、半導体製造装置を含む産業全体に影響を及ぼしていること、さらには昨年10月に発表された米国の先端半導体などを巡る対中輸出規制の日本企業への影響が懸念されることなどを表明。一方で、全産業を支える半導体の重要性が再認識され、半導体の製造に関わる支援が各国で強化され、日本においても半導体技術の研究開発拠点であるLSTC(Leading Edge Semiconductor Technology Center)と半導体の生産を請け負うラピダス(Rapidus)が設立されたこと、さらにはTSMCの新工場が熊本に設立されること、こうした一連の動きが半導体製造装置産業にプラスとなり、産業が元気な姿を社会に示すことで次世代を担う人材を集めていきたい、とした。「半導体はあらゆる産業と生活の基盤となっており、ディスプレイは産業や医療の発展を支えライフスタイルを変えていくことに寄与している。技術力、競争力を高めることで半導体・FPD製造装置の明るい未来を確かなものにしよう」と締めくくった。
 

挨拶する牛田会長

 

 2022年度の日本製装置販売高は、昨年10月に発表された米国の先端半導体などを巡る対中輸出規制の影響やメモリーを中心とした設備投資への慎重な姿勢を加味し、前年度比7.0%増の3兆6840億円と予測した。2023年度も暦年内の投資は慎重な見方を継続しており、5.0%減の3兆4998億円とした。2024年度はメモリーの本格回復に加えロジックも堅調な投資が予想されるため、20.0%増の4兆1997億円と予測した。半導体製造装置での4兆円超えは初めてとなる。

 FPD製造装置については、2022年度はパネル需給悪化の影響が残るため、一部の納期スライドを反映して6.0%減の4520億円と予測した。2023年度はLCDを中心に大型投資案件そのものが少なく、20.0%減の3616億円と予測した。2024年度はG8基板での新技術を使ったOLED(有機ELディスプレイ)投資が本格的に始まるため、50.0%増の5425億円と予測した。この金額も過去最高となる。

 SEAJ半導体調査統計専門委員会(メンバー13社)およびFPD調査統計専門委員会(メンバー7社)による需要予測と、SEAJ理事・監事会社20社による市場規模動向調査結果を総合的に議論・判断し、SEAJの総意としてまとめたもの。

 ウクライナ戦争長期化やエネルギー価格の高騰、米欧の利上げ継続やインフレ傾向から、エレクトロニクス製品を含む世界的な消費減速の懸念が高まっている。昨年のパソコンやスマートフォンの出荷台数は前年割れとなり、それらに使われる半導体も現在はメモリーを中心として在庫調整の局面にある。

 地政学的なリスクの高まりや、経済安全保障を巡る世界的な地域ブロック化の影響は、半導体業界全体に及んでいる。米国の対中輸出規制強化等は短期的な装置需要へネガティブとなる一方、世界各地域で半導体に対する政府補助金が計画されており、全体の投資を下支えする構造となっている。

 WSTS(世界半導体市場統計)は、昨年11 月に最新の半導体市場予測を発表した。2022年の世界半導体市場規模は、前年比4.4%増と成長は鈍化する。2023年は同4.1%減と4年ぶりのマイナス成長を予想しており、メモリー価格の下落を反映し、かなりの下方修正となった。

 2023年度の半導体製造装置市場は、DRAM を中心とした市況悪化を受けたメモリーの設備投資削減により、前年割れを予想している。2024 年度はメモリーの本格回復に加えて、世界各地域における大規模なロジック投資が計画され、高い成長率に戻ることが期待される。

 多少の増減はあってもデータセンター投資やハイエンド品のスマートフォン需要は底堅く、車載用途では自動車1台あたりに搭載される半導体もさらに増加する。従来型のパソコン、スマホに加え、5G、IoT、AI、データセンター、自動運転、EVとパワー、産業機器等が、中期的に半導体製造装置の需要を健全に牽引していく見方は従前と変わらない。

 先端ロジックではいよいよGAA(Gate-All-Around)と呼ばれる新しいトランジスタ構造が採用され、チップレットといったパッケージ技術の進化が、性能とコスト面のバランスを側面から支えていく。高い演算性能と低消費電力の両立は、将来のカーボンニュートラル達成の観点からも必然とされており、持続的な技術革新が装置需要を後押しする。

 2022年度の日本製半導体製造装置の販売高は、大手メモリーメーカーの投資が前半に集中したことを考慮し、5.0%増の9558億円と予測した。2023年度も全体として安定した投資が見込まれ、5.0%増の1兆36億円とした。2024年度は大手ファウンドリーの投資本格化に期待し、20.0%増の1兆2043億円を予測した。

 2022年度の日本製FPD製造装置の販売高は、最新の設備導入時期を精査した結果、6.0%減の4520億円を予測した。2023年度は、LCD投資の多くが見送りとなったこと等を反映し、20.0%減の3616億円とした。2024年度は、2023年度の投資抑制によるパネル需給の好転と、新技術を用いたG8基板のOLED投資の本格化を期待し、50.0%増の5425億円を予測した。

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日本工作機械工業会、2023年新年賀詞交歓会を開催

1年 10ヶ月 ago
日本工作機械工業会、2023年新年賀詞交歓会を開催kat 2023年01日12日(木) in in

 日本工作機械工業会は1月11日、東京都港区のホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開催した。

 会の冒頭、挨拶に立った稲葉善治会長(ファナック会長)は「2022年の工作機械受注は、コロナ禍をはじめとする過酷な環境下ながら、デジタル化、自動化、省エネ、環境対応などに関連した設備投資が好調に推移したことで、昨年9月に(1月公表の1兆6500億円から)上方修正した1兆7500億円に到達。2023年の世界情勢についてはウイズコロナによって政治的・地政学的緊張状態を伴う分断化、経済成長の下振れリスク、欧米等でのインフレ傾向、中国での景気停滞に伴う世界経済の減速懸念や、新型コロナウイルスの拡大などにより設備投資はしばらく停滞すると見られるものの、製造業では省エネや環境対応、IoT、AIを活用し、さらにロボット技術を融合させた生産システム全体の省人化、省エネ化、生産拠点の合理化といったグリーンレジリエンスをキーワードとする取組みが力強く推進されており、また当工業会でも半導体製造装置関連需要といった先々の需要取り込みに動いていることなどから、2023年の工作機械受注総額は1兆6000億円と見通している。さらに期の途中で上方修正の報告ができるよう、業界を挙げて努力していく」と述べた。

 稲葉会長はまた、「最近ではデジタル技術の普及で「ものづくり」から「コトづくり」へと発展していくとの見方がある。「コト」の需要を開拓していくには、しっかりとした「もの」があることが大前提で、高機能で信頼性の高い「もの」なくしては、大きな発展は望めない。我々日本の工作機械メーカーは、「もの」として素性の良い工作機械を提供しているという特色・強みを有する。この強みを将来にわたって継承し世界をリードする高機能で信頼性の高い工作機械の供給を通じて、ものづくりとコトづくりを融合することで、次世代の製造業の発展に貢献していけると確信している」と力強く語った。

挨拶する稲葉会長

 

 続いて2023年の日工会の活動について以下のとおり報告した。

・グリーン、デジタル、レジリエンスの三つの取組みの推進・進化:グリーンについては工作機械製造に関わる調達から、使用、廃棄までのLCA化を推進していく。デジタルについては、生産現場の自動化要求に対応するため仕様と機能の実施について検討を進める。レジリエンスについてはサプライチェーン強化に関する業界の知見向上に関して活動を進める

・「工作機械産業ビジョン2030」の具現化の取組み:同ビジョンは、産学官の叡智を結集し、技術、市場、経営、人材の四つのテーマを掲げは、業界が取り組むべき課題と方策について盛り込んでいる。日本の工作機械産業の国際競争力の維持・強化のため、それらを具現化する取組みを進めていく

kat

ロボット関連団体、2023新年賀詞交歓会を開催

1年 10ヶ月 ago
ロボット関連団体、2023新年賀詞交歓会を開催kat 2023年01日12日(木) in in

 日本ロボット工業会、製造科学技術センターなどロボット関連団体は1月6日、東京都港区の東京プリンスホテルで「2023年ロボット関連団体新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日は代表して日本ロボット工業会の山口賢治会長(ファナック社長)が挨拶に立ち、「国際通貨基金の世界におけるGDP見通しでは、2021年の成長率6.1%から、2022年には3.2%、2023年は2.7%にまで減速するという、世界経済の減速懸念の中で新年を迎えた。こうした中、2022年の我が国ロボット産業は半導体をはじめとする部品不足や中国でのロックダウンの影響などは見られたものの、国内外ともに自動化投資意欲に支えられ、受注額で対前年度比2.9%増の約1兆1100億円、生産額は同5.5%増の9910億円が見込まれている。また、2023年の受注額は様々な問題が徐々に改善されることを期待するとともに、堅調な自動化投資意欲に支えられ、受注額は同3.6%増の約1兆1500億円、生産額は初の1兆円越えとなる同6.3%増の1兆500億円という見通しを立てた」と挨拶。続いて、ロボット関連2団体の2023年の活動計画について報告した。

挨拶する山口会長

 

 日本ロボット工業会の活動としては、業界活性化のさらなる推進に向け、昨年に続き以下の3点を重点分野として取り組む。

・市場拡大に向けた取組み:ロボット革命・産業IoTイニシアティブ協議会との連携のもと、市場拡大に向けた役割を積極的に担っていく。ロボットの利活用推進にとってシステムインテグレーター(SIer)の役割は極めて重要。当工業会の特定事業委員会で設立5年目を迎えるFA・ロボットシステムインテグレータ協会は、SIer業界の経営基盤や事業環境の向上、専門性の高度化に向け活動の一層の充実を図り、組織的にさらなる発展を目指す

・イノベーションの加速化に向けた産学連携の推進:グローバル市場での日本の優位性確保や潜在市場の顕在化のためにもイノベーションの加速は急務で、日本ロボット学会などの関係学会や関連業界との連携を図っていく

・国際標準化の推進と国際協調・協力の推進:国際標準化は欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでいるが、日本もリーディングカントリーとして官民挙げて国際標準化活動に積極的に取り組むとともに、国際ロボット連盟を通じた活動と国際交流を積極的に進めていく

 2023年はまた、5月31日~6月2日開催の「第24回 実装プロセステクノロジー展」、11月25日~12月2日開催の「2023国際ロボット展」の二つの展示会について、コロナ禍以前の状況での開催を目指し実施する。両展を通じて技術情報の発信とともに、様々な分野でのロボット利用拡大に向けた提案、市場調査、技術深耕などを意欲的に行う。

 製造科学技術センターでは、ロボット、IoT、ものづくりなどにおける製造科学技術全般の調査・研究や標準化に取り組んでおり、2023年は以下のとおり活動する。

・ロボットとものづくり関連の取組み:人とロボットの主課題・情報の相互作用を加味する革新的な協業形態である「合業」を提唱し新たな生産手法の確立を目指しているほか、将来のロボットの標準化の在り方について調査・研究を行っている

・オートメーション関連の取組み:企業間を含めた生産システムの連携手法、経営情報、現場情報に加え、脱炭素情報を含めた「製造の見える化」、さらにはクラウドを活用した中小企業における工場のIoT化促進などの活動を実施している。2月3日にはこれまでの成果を発表する「IAFフォーラム」をハイブリッド開催する

・標準化活動:スマートマニュファクチャリングおよびDXに関する産業データの標準化を扱うISO/TC 184/SC 4の総会をコロナ禍での準備中断後、3年越しの努力の結果、国内審議団体として浜松で開催した。またSC5では、デジタルツイン、ソフトウェアシステムの連携や制御に関するデジタルデータの流通、活用の促進に関する日本の提案が大幅に採択された

 製造科学技術センターは日本のものづくりの横断的な課題に応えつつ、ものづくり企業の競争力と活力の創成に努めていく。

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イグス、設計自由度の高い無潤滑・メンテナンスフリーのミニチュアガイドキャリッジを開発

1年 10ヶ月 ago
イグス、設計自由度の高い無潤滑・メンテナンスフリーのミニチュアガイドキャリッジを開発kat 2023年01日12日(木) in

 イグスは、トライボロジー特性(摩擦・摩耗特性)に優れた新開発高機能ポリマー「イグリデュールE3」をスライド部に使用した、無潤滑・メンテナンスフリーのリニアガイドを構成できるガイドキャリッジ「ドライリンT ミニチュアガイドキャリッジ」を開発した。ドライリンT ミニチュアガイドキャリッジは三つのサイズ(幅20mm、27mm、32mm)で提供、医薬研究設備から治具製作などの用途に幅広く使用できる。

 

ドライリンT ミニチュアガイドキャリッジ

 

 このトライボ特性に優れたスライド部により、動作点に依存はするものの摩擦係数が約0.16と、同社の標準材質と比較して最大摩擦係数が40%改善し、設計基準の2:1ルールが3:1に拡張し、リニアガイドの設計自由度の向上を達成した。

 ドライリンに適用されていた従来の2:1の法則では、フィックスベアリングの間の距離を1とした時、駆動点からフィックスベアリングまでの距離を、この2倍以上の設計で使用することはできなかった。2倍を超えると摩擦抵抗が大きくなりすぎ、システムは動かなくなるためだが、開発品ではこのデザインルールを3:1に拡張、リニアガイドの動きを損なうことなく、駆動の位置や重心位置の設計自由度を向上させた。それと同時に、必要駆動力は最大40%低減され、電動アプリケーションでは40%のエネルギー節約が可能となっている。

 新しい高機能ポリマー材質イグリデュールE3には固体潤滑剤が添加されており、イグリデュールE3製のスライド部を搭載したミニチュアガイドキャリッジは低騒音、優れた耐汚性、無潤滑・メンテナンスフリーを実現。潤滑剤を使用しないことでコストを削減できるほか、環境に優しくクリーンというメリットを実現する。

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木村洋行、半導体分野で超薄型ボールベアリングの適用を拡大

1年 10ヶ月 ago
木村洋行、半導体分野で超薄型ボールベアリングの適用を拡大 in kat 2023年01日11日(水) in in

 木村洋行は、1950年代に世界で初めて超薄型ボールベアリング「Reali-Slimシリーズ」を開発し量産を開始した唯一の専門メーカーであり、現在はSKFグループとして超薄型ボールベアリングを中心に、あらゆる用途に応じたカスタムベアリングの開発も手掛けるKAYDON(ケイドン)社の、日本総代理店を務めている。

 ここでは同社に、半導体分野におけるケイドン超薄型ボールベアリングの適用について、話を聞いた。

ケイドン超薄型ボールベアリング 

 ケイドン超薄型ボールベアリングは内径25.4~1016mmまでのサイズをくまなくラインナップしている。最大の特徴はベアリング断面が超薄型のため、装置に占めるベアリングのスペースを最小化でき、装置全体の省スペース・軽量化が図れ、設計の自由度が向上する点が挙げられる。一般的なISO規格・JIS規格のベアリングでは内径が大きくなるのに比例して断面サイズも大きくなるのに対し、ケイドン超薄型ベアリングは断面サイズでシリーズ化されており、内径が大きくなっても同じシリーズ内であれば断面サイズは変わらない。

内径が大きくなっても断面サイズが一定のケイドン超薄型ボールベアリング 

 

 ケイドン超薄型ボールベアリングには、ラジアル荷重を受ける深溝型(Type-C)と通常は2列以上の複列で用いてラジアル荷重、アキシアル荷重とモーメント荷重の複合荷重を同時に支えることができるアンギュラコンタクト型(Type-A)、この複合荷重を単列のベアリングのみで受けられる4点接触型(Type-X)がある。
 

ケイドン超薄型ボールベアリングの種類

 

 ケイドン超薄型ベアリングの中でも特に、複合荷重を受けられる4点接触型を使用することで大口径中空シャフトへの置き換えが可能になるだけでなく、単列仕様にできるため軸方向の長さをさらに短縮できる。気体・液体の配管類、あるいは電気配線やスリップリング等を中空シャフト内に収納できるなど、フレキシブルで効率的なデザインにできる。

 キングポストデザインのISO 7010組み合わせベアリングから4点接触型超薄型ベアリングで中空シャフトを用いた機構への置き換えではまた、内径寸法を大きくできるため耐モーメント荷重を50%程度向上させている。

 回転軸に垂直に加わるラジアル荷重を支えるよう組み付けられたベアリングでは、例えばISO 6010深溝ボールベアリングでは下部約150°の範囲の転動体で荷重を分散支持しているが、ケイドン4点接触型では同じ荷重分布でラジアル荷重を支持しつつ、80%以上の軽量化・省スペース化を実現できる。
 

典型的なラジアル荷重負荷分布での、
ケイドン4点接触超薄型ベアリング(左)とISO 深溝ボールベアリング(右)との比較半導体分野における軸受へのニーズ

 半導体製造プロセスにおいて軸受には、回転の高精度化を損なうことなく、真空~高真空への対応、電子部品や光学レンズに悪影響を及ぼすアウトガス対策やコンタミネーションの低減、コンタミネーション発生につながる摩擦・摩耗の低減、プロセス中で使用されるガスによる腐食への耐性、エッチングや化学蒸着(CVD)などのプロセスに対応した耐熱性などを持たせることが要求される。

 ケイドン超薄型ベアリングはそもそも、1960年代のアポロ計画の宇宙服のヘルメットリング向けに採用され、その後も米国航空宇宙局(NASA)の月面探査車向けなど、宇宙空間の厳しい仕様環境に耐えるベアリングとして、多くの採用実績を持つ。宇宙環境下では軽量・省スペース化が求められるとともに、真空環境、極低温~高温の幅広い温度領域で精密な動きを求められ、ベアリングにとって非常に過酷な環境での稼働と高い信頼性を求められる。そのため内外輪の材質だけでなく、ボールや保持器の材質、潤滑剤の選定などでケイドンの長年の経験が活かされている。

 こうした宇宙機器での実績からケイドン超薄型ボールベアリングは、同じく真空環境、広い温度領域で作動する半導体製造プロセスにおいて幅広く適用されている。独自軸受設計に加えて、長年の経験に基づく内外輪および保持器の材質や潤滑剤の選定・適用によって、潤滑剤が250℃以上の高温下にさらされる条件や10-5~10-8Torrレベルの超高真空下での運転を実現しつつ、希薄潤滑条件でのマイクロパーティクル発生の最小化や腐食性雰囲気への耐性、長寿命化を実現している。

半導体製造プロセスでの適用例

 ケイドン超薄型ボールベアリングのこうした性能のほか、半導体製造装置の回転機構の小型・軽量・簡素化が図れる省スペース設計によって、半導体製造プロセスにおいてはウエハ搬送ロボットからウエハ研磨装置、露光装置、検査装置など、前工程から後工程まで広範な装置に適用されている。

 最も多用されているのがウエハ搬送ロボットで、薄くて軽いことが最も大きな採用理由。装置をコンパクト化できるだけでなく、同じ内径サイズの一般的なISO規格・JIS規格のベアリングに比べて80%以上の軽量化が図れることからアームが伸び切った時のたわみ量を少なくできるため、安定した正確な搬送を実現できる。

 他方で、ウエハ搬送ロボットを含む産業用ロボットでは複合荷重を受けることが可能なクロスローラーベアリングが多用されているが、4点接触型ケイドン超薄型ベアリングは、単列のベアリングのみで複合荷重を受けられるため省スペース化が図れるだけでなく、クロスローラーベアリングに比べて、より軽く安定した起動トルクと回転トルク、高い回転精度を実現できることも、ユーザーから高く評価されている。

 ケイドン超薄型ベアリングは1個単位でカスタマイズできることも大きな利点で、ケイドン社では、宇宙分野から続く真空環境で高い信頼性をもって運転できるベアリングの材料技術・潤滑技術に関して豊富な知見とノウハウを備えていることから、それぞれが特殊環境を伴う半導体製造装置ごとの要求に応じて、材料や潤滑を工夫したベアリングを提供している。

電動アクチュエータ

 木村洋行では一方、2020年からEWELLIX(エバリックス)社の直動製品の取扱いを開始している。エバリックス社は、SKFグループだったSKF Motion Technologies社を前身とする直動製品メーカーで、アプリケーションごとのニーズに合わせたカスタマイズのソリューションに定評がある。

 中でも特徴のあるピラー型電動アクチュエータは、ストローク長や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、高荷重という厳しい使用条件に対応しながらも、低騒音かつ堅牢さが求められる厳しいニーズにも対応できる。

 加工分野で適用の進む協働ロボットのアクセサリとして、ピラー型アクチュエータを協働ロボット用にカスタマイズし、協働ロボット自体を垂直方向に動作させることにより、作業動作範囲を拡大できる「LIFTKIT」を提案している。LIFTKITの垂直方向の最大ストローク長は500~1400mmとなっている。ロボットの基台としてピラー型アクチュエータである「LIFTKIT」を使用することで、設置面積を抑えつつロボットの昇降移動を実現でき、ロボットのアームリーチの有効範囲が立体的に拡大できる。

 またLIFTKITと同様に、単軸横置アクチュエータに協働ロボットを接続し、搬送やピック&プレースなどロボットの水平方向の動作範囲を拡大でき、作業効率を飛躍的に向上できる「SLIDEKIT」も提案している。SLIDEKITの水平方向のスライド長は100~3000mmとなっている。長い同一の生産ライン上にある、複数のセル生産装置の間でのワークの受け渡しや複数の加工工具の段取り替えといった作業の効率を高めることで、加工の生産性を向上できる。
ニーズに応じてSLIDEKIT上にLIFTKITを載せて併用することも可能であり、その場合協働ロボットの垂直方向と水平方向の動作範囲を大幅かつ同時に拡大できる。
 

6軸ロボットとLIFTKIT・SLIDEKITを組み合わせてのパレタイジングのデモ
(2022 国際ロボット展での例)

 

 SLIDEKITおよびLIFTKITは当初、ユニバーサルロボット(UR)社とのコラボによる6軸協働ロボットのアクセサリとしてカスタマイズされたが、現時点でUR社、オムロン社、ABB社、台湾テックマン(TM)社など様々な協働ロボットや産業用ロボットへの適用が可能となっており、それぞれの協働ロボットのティーチングペンダントによって、協働ロボットとSLIDEKITおよびLIFTKITの動作制御が可能となっている。最近ではまた、無人搬送車(AGV)にロボットを搭載したシステムが増えてきているが、このシステムに対して、ロボットの基台にLIFTKITを組み合わせることで垂直方向の作業動作範囲を拡大できる提案も進めていきたい。

今後の展開

 2013年に世界第一位のベアリングメーカーであるSKFのグループとなっているケイドン社は、カスタムメイドという従来からのフットワークの軽さに加えて、SKF仕込みの技術力・開発力を日々アップグレードさせている。

 木村洋行では、顧客の現場のニーズに対して最適な提案を行うために、ケイドン社にせよエバリックス社にせよ、製品やアプリケーションに関するトレーニングを定期的に受け、製品の性能や利点に関する知見、適用の可能性などの情報と知識を常にアップグレードさせている。

 例えばLIFTKITはパレタイジングなどの用途に限られるものではなく、顧客の声に耳を傾けていれば、顧客の利益となるフィールドでの新しい提案が必ず生まれてくる。木村洋行 第2事業部 部長の木村光正氏は「頭を柔らかくして、ケイドン社、エバリックス社の各種製品の特質を活かしつつ、現場の様々な課題の解決につながるような用途開拓を引き続き進めていきたい」と語っている。

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自動車5団体、新春賀詞交歓会を開催

1年 10ヶ月 ago
自動車5団体、新春賀詞交歓会を開催kat 2023年01日06日(金) in in

 日本自動車工業会(自工会)、日本自動車部品工業会(部工会)、日本自動車車体工業会、日本自動車機械器具工業会、日本自動車販売協会連合会は1月5日、東京都港区のホテルオークラ東京で、「令和5年 自動車5団体 新春賀詞交歓会」を開催した。自動車関連団体による新春賀詞交歓会の開催は3年ぶりで、日本自動車販売協会連合会が加わった5団体での開催は初めてとなる。

 当日は、定期的に行っている新型コロナウイルスのPCR検査で陽性反応が出たことから欠席となった豊田章男・自工会会長(トヨタ自動車社長)に代わり永塚誠一・自工会専務理事が、豊田会長の新年挨拶を代読し、以下のとおり述べた。

挨拶する永塚 自工会専務理事

 

 「部品と車体を含む自動車の製造、整備、販売などに携わる550万人の方々に感謝したい。米国、欧州、アジアを訪問する機会があったが、その先々で、国と地域の成長を支える日本の自動車業界への感謝と期待を実感する。この感謝と期待は、‟誰かの役に立ちたい”、“よりよい未来をつくりたい”という行動の原動力となっている。

 コロナ禍の2年間で22万人の雇用を創出し平均年収を500万円と仮定すると1兆1000億円のお金を家計に回した計算になるが、地道に分配の実績を継続する自動車業界に対する感謝や期待は日本国内では聞こえてこない気がする。カーボンニュートラルをはじめ我々が直面する課題に対しては、業界を挙げて国を挙げて皆で一緒に取り組む必要があり、今まで以上に‟共感”つまり、‟共に感謝すること”が大事になる。“ありがとう”と言い合える関係から生まれてくる‟未来への活力”が、共感だと思う。

 今年は、5月開催のG7広島サミットと10月開催の「JAPAN MOBILITY SHOW(東京モーターショーから改称)」という日本から世界に‟共感”を生み出していける二つのチャンスがある。前者は日本らしいカーボンニュートラルの登り方を各国の首脳に理解いただくための、後者はモビリティの未来を世界に発信するための貴重かつ絶好の機会で、ともにオールジャパンの力が必要。そのためには、産業界と官民が心一つに動かなくてはならない。今年のチャンスを活かせなければ日本の未来はない。この危機感をもって、自動車産業は必死に働いていきたい」。

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SEMICON JAPAN 2022が開催

1年 10ヶ月 ago
SEMICON JAPAN 2022が開催 in kat 2022年12日27日(火) in in

 エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2022」が12月14日~16日、東京ビックサイトで開催された。今回は半導体の微細化や高集積化、三次元化など製造の難易度/コストが高まる中で求められている半導体製造プロセスの「後工程」のイノベーションや最新技術動向を取り上げる展示・講演・交流会を組み合わせたイベント「APCS(Advanced Packaging and Chiplet Summit)」も開催された。
半導体の微細化や高集積化、三次元化などが進む一方で、生産性向上のための高スループット化や、半導体の歩留まり向上のためのコンタミネーションコントロール、ESD対策などが求められる中で、各種のベアリング&モーション技術・製品が多数展示された。

会場のようすイグス

 イグスは、「発塵で困っている」、「メンテナンスの手間や設置スペースを削減したい」といった課題解決をテーマに、可動用途に特化したモーション・プラスチック製品を紹介した。金属から樹脂への置き換えにより完全無給油・メンテナンスフリーで使用でき、低摩擦・耐摩耗特性により発塵を抑制することで半導体製造プロセスのクリーン環境に最適なモーション・プラスチック製品として、リニアガイド・リニアブッシュとの寸法互換があり静音・軽量で狭い設置スペースにも対応できる直動製品「ドライリン®」やクリーン搬送に最適な耐摩耗性に優れた摺動テープ「イグリデュール®トライボテープ」無潤滑旋回座ベアリング「イグリデュール®PRT」、無潤滑ピローブロックを含む樹脂製ベアリングユニット「イグボール®」などを展示。さらにギヤをはじめとする複雑形状部品を一体造形でき射出成形品と同等以上の優れた耐久性を実現できる3Dプリンティング技術を披露した。

無潤滑で高精度・高剛性の3Dプリンティング品などモーション・プラスチック製品

 

木村洋行

 木村洋行は、採用実績の多い宇宙機器と同様の真空環境、広い温度領域で作動する半導体製造プロセスにおいて幅広く適用されている「ケイドン超薄型ボールベアリング」を展示した。独自軸受設計に加えて、長年の経験に基づく内外輪および保持器の材質や潤滑剤の選定・適用によって、潤滑剤が250℃以上の高温下にさらされる条件や10-8~10-12Torrレベルの高真空下での運転を実現しつつ、希薄潤滑条件でのマイクロパーティクル発生の最小化や腐食性雰囲気への耐性、長寿命化を実現できる。また、スモーリー社の「ウェーブスプリング」(波状ばね)を紹介。ベアリング予圧用として配置、適切な荷重を加えることで、ベアリングの作動温度を下げ振動を低減、摩耗を最小限に抑制し静かで滑らかな性能を付与できる。ケイドン超薄型ベアリングとのセットでの適用を提案した。そのほか、2020年より取り扱いを開始しているエバリックスのピラー型をはじめとする電動アクチュエータや、特徴のあるローラースクリューといった直動製品を披露した。

内径が大きくなっても断面サイズが一定のケイドン超薄型ベアリング
ジェイテクト

 ジェイテクトは、主にターボ分子ポンプに使用される磁気軸受とともに使われ、非常停止時にポンプを保護する「磁気軸受用タッチダウン軸受」を紹介した。新開発のMoS2コーティングにより長寿命を実現、機械の安定稼働に貢献する。また、高真空10-8Paまで対応可能で環境負荷物質を含まないフッ素グリースを封入した新開発の「真空・クリーン用軸受」を初出展した。特殊なフッ素系被膜をコーティングした軸受もラインナップし、幅広い真空・クリーン環境に対応。半導体製造装置に要求される高度なクリーン性維持に貢献する。さらに、様々なセラミック材料を使用した「耐食軸受」をラインナップ、ほとんどの腐食環境に対応可能。半導体製造装置内の強い腐食環境に対しても優れた信頼性があり、フィルム製造装置や、半導体製造工程内の酸化、エッチング工程などに使用されている。

磁気軸受用タッチダウン軸受THK

 THKは、強磁場や腐食性薬剤の影響を伴う特殊環境下でも、通常環境に匹敵する直動・回転案内性能が発揮できる軸受に求められる機能と非磁性を高次元で両立する、ボールねじといった「高機能非磁性・超高耐食製品」を紹介した。半導体の製造プロセスでは例えば、超微細回路パターンを描く電子線描画装置をはじめ、フォトレジストなどを用いたフォトリソグラフィ工程などは、磁気の影響を極端に嫌い、特殊薬剤による耐食性を極限までに要求される技術領域がある。これに対し磁気をほとんど帯びず、かつ軸受に適した硬度を持つ特殊合金「THK-NM1」を使用することで、比透磁率が1.005未満という高水準の非磁性を実現しつつ、その酸化皮膜によって極めて優れた耐食性を有する高機能非磁性・超高耐食製品は、同社の代表製品である直動案内「LMガイド」、ボールねじ、ボールスプライン、クロスローラーリングの「高機能非磁性・超高耐食製品」をラインナップしている。THK-NM1は、一般的な高硬度のセラミックス材と比較するとボール接触面が適度な弾性変形を伴うことで予圧の付与ができ、軸受に適した特殊材の中でも磁気の影響を受けずガタつきのない滑らかな動きが可能となる。

高機能非磁性・超高耐食製品

 

日本ベアリング

 日本ベアリングは、注力製品の一つであるクロスローラーガイドの新製品として、従来製品であるSV形の設計を見直し大幅な性能アップを図った「HV形スライドウェイ」を参考出品した。2023年4月に発売される予定。設計見直しの一つが、ローラーと軌道台の接触長さを長くしたことで、ローラー/軌道台に発生する面圧を従来よりも小さくした。また、ローラーピッチを短くすることでローラー数の増加につなげている。これによって、従来品と比較して許容荷重を2倍に、定格寿命距離を7倍に高めている。HV形への置き換えだけで装置・設備の耐久性向上に貢献できるほか、同等性能でサイズダウン/コンパクト化が可能となる。また、コンパクトタイプのボールねじスプライン「SPBR-KP形/SPBF-KP形」を展示。いずれも1軸で「位置決め」「直線運動」「回転運動」が行え、これらの運動を組合わせることでスパイラル運動やスカラ形ロボット、組立機、ローダーなど様々な機械に使用できる。

許容荷重と定格寿命距離が大幅に向上したHV形スライドウェイ

 

ハイウィン

 ハイウィンは、「Semiconductor Subsystem」として、ウェハ搬送ロボットとウェハアライナーを展示した。ウェハ搬送ロボットは高剛性で高性能な自社製DD(ダイレクトドライブ)モーターやクロスローラベアリングを搭載し、12インチ(300mm)ウェハまで対応でき、主要コンポーネンツが自社製のためハードウェアとソフトウェアを統合し高品質でリーズナブルな価格を実現できる。ウェハアライナー「HPAシリーズ」は3軸制御の製品で、 HIWIN単軸ロボットモジュールを採用し、高速、高精度、高剛性、高効率、省スペースを実現。内蔵式コントローラーの設計で、外にコントローラー配置および配線スペースが不要で、同スペックのものでは容積が業界最小。インテリジェントな透光性レーザーセンサーを搭載し、透明、半透明、不透明な物の輪郭が検知できる。8インチ、12インチウェハに対応。最短4.9秒以内にウェハのエッジ検査が可能で、ウェハの中心および角度などの補正に対応できると同時にセンタリングも可能。位置決め精度は±0.025mm。

Semiconductor Subsystem


 

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ジェイテクト、低振動ドライブシャフトを開発、LEXUS RXに採用

1年 10ヶ月 ago
ジェイテクト、低振動ドライブシャフトを開発、LEXUS RXに採用kat 2022年12日27日(火) in in

 ジェイテクトは、自動車の乗り心地向上に貢献する「低振動ドライブシャフト」を開発した。

低振動ドライブシャフト

 

 ドライブシャフトは、デファレンシャルギヤからタイヤへの駆動力伝達、タイヤの操舵・上下運動に対応し、あらゆる角度で回転を等速に伝達する装置。同社は1980年からドライブシャフトを量産、優れたトルク伝達効率の高さから多くの自動車メーカーでの採用実績を有する。

 同社では今回、自動車の乗り心地向上といった市場ニーズに応えるべく、「アイドル振動低減」に貢献するタイヤ側ジョイントの「折り曲げ抵抗低減」をコンセプトに、「低振動ドライブシャフト」を開発したもの。

 開発品では、タイヤ側ジョイントにおいて6個あるボールのうち対向する3個のボールの押し出し荷重を互いに打ち消し合うように、荷重方向を逆向きにさせる「対向溝構造」を採用したことで、内部摩擦力を半減した。

従来品と開発品のタイヤ側ジョイント構造比較

 

 これにより、トルク負荷時にジョイントの微小な角度変動に伴って発生する折り曲げ抵抗を低減でき、アイドリング時のエンジン振動が車体に伝わりにくくなる。アイドル振動低減を達成したことで、快適な乗り心地に貢献する。また、内部摩擦力を低減したことで燃費向上にも貢献します。

アイドリング時のエンジン振動の伝達経路

 

kat

NTN、軽可搬重量ピッキングロボット用のロータリアクチュエータ式ハンドを開発

1年 10ヶ月 ago
NTN、軽可搬重量ピッキングロボット用のロータリアクチュエータ式ハンドを開発kat 2022年12日26日(月) in in

 NTNは、5kg以下の軽可搬重量のピッキングロボット向けに、小型・軽量で、0~100°の範囲で設定した任意の2点の角度に姿勢変更が可能な「ロータリアクチュエータ式ハンド」を開発した。ピッキングロボットの先端部に装着し、ランダムな姿勢の対象部品(ワーク)に対して様々な方向・角度からのピッキングが可能となる。ワークの取り逃しや搬送時の落下を防止することにより、搬送や整列における生産性の向上に貢献する。

ロータリアクチュエータ式ハンド

 

 ピッキング作業には、一般的に高速で強度の高い水平多関節ロボット(スカラロボット)が使用されている。スカラロボットは、ワークに対して横方向や斜め方向からのピッキングができず、上方からのピッキングに限定されるため、ピッキング可能な姿勢のワークが流れてくるまで待機することがあった。さらに、ロボットの先端に装着するハンドは一般的に重量が大きく、可搬重量が大きいロボットが必要となり、ロボットの動作速度が遅くなったり、周辺装置との干渉を回避するため装置全体が大型化することも課題となっていた。

 今回開発したロータリアクチュエータ式ハンドはロータリアクチュエータの回転軸を中心にワークを掴むチャック部との締結部が回転することで、チャック部の位置や姿勢を0~100°の範囲で設定した2点の角度に変更することが可能で、ピッキングロボットの先端部で本開発品を回転させることで、横方向や斜め方向からのピッキングが可能となり、ワークの取り逃がしを大幅に削減する。ロータリアクチュエータ、チャック部をコンパクトに一体化することで、小型・軽量化を図るとともに周辺装置の干渉も防止しているほか、チャック部のツメ形状を最適化することによりワークの落下も防止する。

 スカラロボットを用いたピッキングロボットと本開発品を組み合わせることで、従来では困難とされていたランダムな姿勢のワークを高速でピッキングすることが可能となり、生産性の向上に貢献する。さらにピッキング後の搬送中にワークの姿勢を変更することも可能なため、ワーク姿勢を整える機構や工程を省略することができ、搬送ラインのコンパクト化にも貢献する。

kat

イグス、組立式ロボットアームで「indexPro Award 2022」を受賞

1年 11ヶ月 ago
イグス、組立式ロボットアームで「indexPro Award 2022」を受賞kat 2022年12日21日(水) in in

 イグスの組立式ロボットアーム「ロボリンク」(https://www.igus.co.jp/info/articulated-robot)が、インデックスプロ社主催の「indexPro Award 2022」(indexProアワード)で、「自動化システム部門賞」を受賞した。

indexProアワード

 

 indexProアワードは、2021年10月~2022年9月までの1年間に、インデックスプロ社が運営する「indexpro.co.jp」利用者のクリック数が多い製品や企業を対象としたもの。5回目となる今回は、総合賞受賞の3社と部門賞受賞の16社に対し、それぞれトロフィーと賞状が贈られた。

贈られた自動化システム部門賞のトロフィーと賞状

 

 自動化システム部門賞を受賞したロボリンクは、イグスの高機能樹脂によって摩擦特性を最適化した関節部を備えた、軽量の多関節ロボットアーム。最大5自由度、可動範囲が最大790mm、最大可搬重量が3kgで、組立品として利用できるほか、用途に合わせてエンコーダや制御システムの有無も選択できる。パレタイジングやピック&プレース、試験装置などの用途でメンテナンスフリーや長寿命化を実現するソリューションとなっている。

自動化システム部門賞を受賞したロボリンク

 

kat

THK、 特殊環境向けの高機能非磁性・超高耐食製品をラインナップに追加

1年 11ヶ月 ago
THK、 特殊環境向けの高機能非磁性・超高耐食製品をラインナップに追加kat 2022年12日21日(水) in in

 THKは、強磁場や腐食性薬剤の影響を伴う特殊環境下でも、通常環境に匹敵する直動・回転案内性能が発揮できる「高機能非磁性・超高耐食製品」のラインナップを追加する。

 高機能非磁性・超高耐食製品の直動・回転案内は、磁気をほとんど帯びない高水準の非磁性性能と軸受に適した高硬度の特徴を併せ持つ特殊合金「THK-NM1」で構成され、既存の直動・回転案内とほぼ同等の耐荷重性能に優れた非磁性製品が製作可能なほか、腐食性薬剤が飛散する環境下でも極めて優れた耐食性を発揮する。

「高機能非磁性・超高耐食製品」のラインナップ

 

 半導体の製造プロセスでは特殊環境と呼ばれる工程が数多く存在し、例えば超微細回路パターンを描く電子線描画装置をはじめ、フォトレジストなどを用いたフォトリソグラフィ工程などは、磁気の影響を極端に嫌い、特殊薬剤による耐食性を極限までに要求される技術領域がある。

 最先端技術を有する特殊環境下では、非磁性、耐食性といった特徴の一点一点を追求する製品がこれまで広く採用されてきたものの、近年は、強磁場や腐食性薬剤を扱う環境下でも通常環境に匹敵する動作性能を厳しく評価、検証するケースが増えてきている。半導体業界もその一つであり、非磁性・高精度・高耐食の三拍子が揃ったニッチな汎用製品を強く望む声が寄せられていたことから、同社では代表製品である直動案内「LMガイド」やボールねじ、ボールスプライン、クロスローラーリングの高機能非磁性・超高耐食製品をラインナップし、課題としてあった非磁性・高精度・高耐食を実現した。

 とりわけ特殊合金「THK-NM1」の採用は、一般的な高硬度のセラミックス材と比較すると、ボール接触面が適度な弾性変形を伴うことで予圧の付与ができ、軸受に適した特殊材の中でも磁気の影響を受けずガタつきのない滑らかな動きが可能となる。また、腐食性薬剤への耐食性にも優れ、さらに高精度な動作を実現できるようになったことで、技術の高度化が近年目まぐるしく進む半導体製造プロセスの分野に寄与する。

 高機能非磁性・超高耐食製品の特徴は以下のとおり。

・高水準の非磁性 磁気をほとんど帯びない高水準の非磁性(比透磁率が1.005未満)のため、強磁場環境や電荷を帯びた粒子を制御する機器等で使用するのに最適

・優れた耐荷重性能 特殊合金THK-NM1は軸受に必要な硬度を有しているため、従来の特殊鋼(ステンレス鋼、オーステナイト系非磁性鋼、チタン、セラミックなど)と比べると耐荷重性能が大幅に向上する

・特殊合金THK-NM1製の直動・回転案内製品は、材質が適度な弾性を有するため予圧を付与することができ、高精度でガタつきのない滑らかな動きを実現できる

・極めて優れた耐食性 極めて優れた耐食性を備える特殊合金THK-NM1は、腐食性薬剤が飛散する環境下でも装置性能の維持に寄与する

kat
Checked
35 分 40 秒 ago
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