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THK、高速コンパクトボールねじのラインナップを拡充

2年 7ヶ月 ago
THK、高速コンパクトボールねじのラインナップを拡充kat 2021年09日30日(木) in in

 THKは、高速使用に適したコンパクトタイプ精密ボールねじ「SDAN-V形」に、ねじ軸径φ32~63、リード 5~40mmを追加し、組合せの製品ラインナップを従来の20形番から47形番へと拡充した。同社では引き続き、一般産業機械から精密機械、大型の高精度な工作機械まで、幅広い装置の高速化とコンパクト化、高剛性化に貢献していく。

SDAN-V形

 

 SDAN-V形は、ナット外径がISO規格に準拠したコンパクトサイズの精密ボールねじ。ボールねじナットには理想的なボール循環構造を実現する新技術を採用し、よりスムーズな回転運動を促すことによって、高速使用での用途を可能にしている。また、二つのナットの間に間座を挟んで予圧を与えるダブルナット方式によって、ボールねじ軸方向のすきまを0以下にした予圧が与えられることで、軸方向荷重に対して変位量を小さくし、高い剛性が得られる構造となっている。

 SDAN-V形では、NC工作機械や精密機械向けを中心に、ねじ軸径 φ32、φ36、φ40、φ45、φ50、φ55、φ63の7種類、リード 5mm、6mm、8mm、10mm、12mm、16mm、20mm、25mm、30mm、40mmの10種類を新たに追加した。
特徴は以下のとおり。

・高速回転・高速駆動 ボールを接線方向にすくい上げる方式を採用し、理想的なボール循環構造により最高回転数5000min⁻1(DN値 最高16万)の高速回転が可能となったほか、長時間の高速駆動でも安定したトルクが得られる

・高剛性:二つのナットの間に間座を挟んで予圧を与えるダブルナット方式を採用しているため、ボールねじ軸方向のすきまを0以下にした予圧が与えられることで、軸方向荷重に対して変位量を小さくし、高い剛性が得られる

・豊富なラインナップ:ねじ軸径φ31~63、リード5~40mmの組み合わせ、全47形番で展開

接線方向すくいを採用(イメージ図はボールリテーナ入りタイプ)

 

kat

NTN、ピッキングロボット用フィーダを開発

2年 7ヶ月 ago
NTN、ピッキングロボット用フィーダを開発kat 2021年09日29日(水) in

 NTNは、従来のパーツフィーダに、モータ駆動による回転円盤とエンコーダを組み合わせたピッキングロボット用の部品供給機「TRINITTE(トリニッテ)」を開発した。

 カメラおよびピッキングロボットと連携接続し、TRINITTEから出力するパルス信号とカメラから得られる画像処理信号をピッキングロボットに取り込むことにより、円弧軌道上のワークに追従して移動中のワークを掴む「円弧コンベアトラッキング技術」を活用した、非常に安定した部品の連続ピッキングを実現。これにより設備稼働率を大幅に向上できる。

 ワークの検査、組立、パレタイジングなどを人手で行う部品メーカーや、ロボットメーカー、システムインテグレーター(ロボットメーカーとユーザーの間に位置しシステム設計、製作を担う事業者)などに提案を進め、2024年に2億円/年の販売を目指す。

TRINITTE


 ピッキングロボット、および周辺装置は、生産現場の省人化、効率化に向けて提案がなされており、ピッキング性能を左右するロボット性能(演算速度や位置決め精度など)やカメラの解像度などの高精度化が進んでいる。さらに、対象部品(以下:ワーク)形状の小型化、複雑化など多様化が進む中で、安定した連続稼働が求められている。

 通常、パーツフィーダは、ワークに応じてボウル(姿勢選別用の仕掛け)、シュート、ワーク切り出し機構を個別に設計、製作する専用機のため、ワークごとに構成部品の再設計・再製作が必要となり、段取り替えにも時間を要することが、長年の課題となっていた。

 今回開発したピッキングロボット用フィーダTRINITTEでは、TRINITTEから出力する回転円盤のパルス信号とカメラから得られる画像処理信号を、スカラ、多関節、パラレルリンクなどのピッキングロボットに取り込みます。その信号に基づき、円弧コンベアトラッキング技術を活用してロボットに動作指令を送ることにより、ワークの安定した連続ピッキングを実現した。

 さらに、専用ボウルにより多種多様なワークの供給を1 台で対応できるため、段取り替え時間の大幅な短縮を可能にした。

 なお、TRINITTEは、振動体・ボウル・円盤の三つの調和のとれたシステムを「Trinity(三位一体)と形容し、さらに「取りに行って」という日本語の意味を重ねたネーミングとしている。

 特徴は以下のとおり。

・ピッキングロボットとの連携接続による安定した連続ピッキング性能(設備稼働率の大幅アップ)

・設置面積△30%の省スペースレイアウトが可能(ボウル、シュート、切り出し機構がオールインタイプ)

 

ピッキングロボットと連携接続させたTRINITTE


 

kat

エボニック ジャパン、川崎テクノロジーセンターに特殊添加剤事業の研究所を統合

2年 7ヶ月 ago
エボニック ジャパン、川崎テクノロジーセンターに特殊添加剤事業の研究所を統合kat 2021年09日27日(月) in

 エボニック ジャパンはこのほど、川崎市高津区の「川崎テクノロジーセンター」(旧:川崎研究所)の設備を増強し、石油添加剤など特殊添加剤を扱うスペシャルティアディティブス部門の研究所を統合した。

エボニック ジャパン 川崎テクノロジーセンター

 

 川崎テクノロジーセンターは、塗料向け添加剤、ポリウレタンフォーム向け添加剤、石油添加剤、架橋剤を扱う四つのビジネスラインの研究所で構成される。筑波テクノロジーセンターにあった石油添加剤の研究所が新たに加わった。この統合により、規模は約2倍となり、研究設備の拡張も行った。

 四つのビジネスラインは以下のとおり。

・コーティングアディティブス部:塗料、コーティング、印刷インク業界における高機能ソリューションを提供。塗料・インキ用抑泡剤・脱泡剤、分散剤、消泡剤、レベリング剤、湿潤剤など

・コンフォート&インシュレーション部:ポリウレタン業界向け添加剤のリーディングサプライヤーとして革新的なソリューションを提供。テゴスターブ(シリコーン製泡剤)、ダブコおよびポリキャットシリーズ(アミン触媒)など

・クロスリンカー部:エポキシ硬化剤やイソホロン化学のリーディングサプライヤーとしてコーティング剤や接着剤に加えて高性能エラストマーや複合材料においても広範囲な製品を提供。アミン系硬化剤、イソホロン、ジアミン、ジイソシアネート、粉体塗料用硬化剤など

・オイルアディティブス部:自動車、工業用潤滑油、作動油、燃料、および石油精製プロセスでの使用を目的とする石油添加剤を提供。省燃費・生産性の向上、および炭素排出量の削減をサポート

 アジアは世界における化学業界の売上の約60%を占め、今後も成長が見込まれる。エボニックではアジア市場の拡大に引き続き注力しており、イノベーションはそれを実現するための要と位置付けている。

 川崎テクノロジーセンターは、アジアにおける研究開発ネットワークの拠点として、上海(中国)、シンガポール、ムンバイ(インド)とともに機能。日本における四つのビジネスラインの技術力が集結し、グローバルネットワークの一部として機能することで、より多くの交流が促進され、アイデアが活発に生まれる機会が増える。自動車産業をはじめ、様々な業界向けの技術開発を行い、顧客のニーズを迅速に把握し、最適なソリューションを提案していく。

 日本におけるエボニックグループの代表であるフロリアン・キルシュナー氏は、「エボニックは、顧客のニーズを実現するための製品や卓越した技術、専門的なスタッフを擁している。自動車産業をはじめ、イノベーションが日本の強みであることは言うまでもない。川崎テクノロジーセンターが、極めて優れた技術力を持つ日本の顧客のニーズに応え、持続的なビジネスの成長に貢献できると確信している」とコメントしている。

 

新設されたスプレーブース(コーティングアディティブス部)

 

kat

ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2021年9月号「特集1:射出成形機」「特集2:自動車」発行!

2年 7ヶ月 ago
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt」2021年9月号「特集1:射出成形機」「特集2:自動車」発行!admin 2021年09日27日(月) in in

 ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第32号となる2021年9月号が9月27日に小社より発行された。

 今号は、特集1「射出成形機」、特集2「自動車」で構成。

 特集1「射出成形機」では、プラスチック加工の多様なニーズに対応する射出成形技術や、電動射出成形機向けボールねじにおける環境保全への取組み、射出成形機の信頼性を支えるグリース・潤滑システムのサービス向上の取組みなどを紹介する。

 特集2「自動車」では、カーボンニュートラルにおけるトライボロジーの重要性や、超低粘度エンジンオイルの動向と今後の課題、自動車部品用高性能水素フリーDLC(ta-C)コーティングの量産に向けた取組み、駆動系ユニットの電費改善に向けた転がり軸受の抵抗低減技術などを紹介する。

特集1:射出成形機

◇プラスチック加工の多様なニーズに対応する射出成形技術・・・住友重機械工業 助田 直史、竹内 滋、平野 智裕
◇電動射出成形機向けボールねじにおける環境保全への取組み・・・日本精工 高橋 大樹 氏 に聞く  
◇射出成形機の信頼性を支えるグリース・潤滑システムのサービス向上の取組み・・・リューベ 堀越 栄治郎 氏、中村 晋哉 氏、豊田 章宏 氏、HORIKOSHI 堀越 大二郎 氏、大竹 章弘 氏 に聞く
◇射出成形機におけるベアリング&モーション技術・・・編集部

特集2:自動車

◇カーボンニュートラルとトライボロジー・・・本田技研工業 吉田 聡
◇超低粘度エンジンオイルの動向と今後の課題・・・日産自動車 佐川 琢円
◇自動車部品用高性能ta-Cコーティングの量産に向けて・・・HEFフランス J.デュフィス、E.マクロン、C.エオー、A.シャヴァン、HEF Durferrit Japan ジュリアン・グリモ、ナノコート・ティーエス 熊谷 泰
◇駆動系ユニットの電費改善に向けた転がり軸受の抵抗低減技術の提案・・・不二越 西崎 匡

連載

注目技術:樹脂製自動車部品向け装飾めっきの市場・技術動向・・・マクダーミッド・パフォーマンス・ソリューションズ・ジャパン
あるコスモポリタンの区区之心 第2回 ブラジルのサンパウロ大学にて・・・紺野 大介
Q&A「浄油技術」の基礎知識 第2回 保全の分類・・・RMFジャパン テクニカルサポートDiv

トピックス

ナノコート・ティーエス、水素フリーDLCコーティングの受託加工を開始
パーカー熱処理工業、振動摩擦摩耗試験機にブロックオンリング試験モジュールを追加

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大塚電子、10/19にDLCテーマにWebセミナー【膜厚測定 特別セミナー】を開催

2年 7ヶ月 ago
大塚電子、10/19にDLCテーマにWebセミナー【膜厚測定 特別セミナー】を開催kat 2021年09日22日(水) in

 大塚電子(https://www.otsukael.jp/event/detail/eventid/382)は10月19日15時から、Webセミナー【膜厚測定 特別セミナー】を開催する。

 当日は、トライボロジー表面改質、固体潤滑被膜の研究の第一人者である名古屋大学教授・梅原徳次氏が、”反射分光膜厚計による無潤滑下及び潤滑油下の摩擦界面その場観察による摩擦メカニズムのその場解析”をテーマに、各種薄膜のトライボロジー特性の改善における反射分光膜厚計を用いた有効性について講演を行う。受講料は無料。

 透明なサファイアガラスと固体表面の無潤滑下および潤滑油下での摩擦界面を反射分光膜厚計で観察し、窒素雰囲気下におけるCNx膜の構造変化層の厚さと物性の摩擦係数に及ぼす影響が明らかになり、薄膜の固体潤滑理論で摩擦係数の推定が可能であることが明らかになった。また、潤滑油下においても極表面の油の分極率と摩擦の関係が明らかになった。さらに、不均一な油の油潤滑における潤滑油層の濃度分布が明らかになっている。具体的な講演の項目は以下のとおり。

1.反射分光膜厚計を用いた摩擦界面その場分析法の有効性
2.窒素含有DLC膜(CNx膜)の窒素雰囲気下超低摩擦機構の解明
3.ベース油中CNx膜の摩擦メカニズムの解明
4.二液分離油による摩擦における摩擦メカニズムの解明

 また、大塚電子・後藤秀平氏より、同社の光干渉法と高精度分光光度計により、非接触・非破壊かつ高速、精度で膜厚測定を可能にした反射分光膜厚計についての紹介がなされる。

 

顕微分光膜厚計 OPTM series主催

大塚電子

開催日

2021年10月19日(火)15:00~16:30

受講料

無料

プログラム

・15:00~16:00 梅原徳次氏(名古屋大学大学院 工学研究科 教授)

・16:00~16:10 後藤秀平氏(大塚電子)

・16:10~16:30 梅原徳次氏(名古屋大学大学院 工学研究科 教授)

会場

オンライン

申込先

大塚電子

https://www.otsukael.jp/event/entry/eventid/382

ホームページ

大塚電子

https://www.otsukael.jp/event/detail/eventid/382

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THKの自律移動型サイネージロボットが神奈川県新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業に採択

2年 8ヶ月 ago
THKの自律移動型サイネージロボットが神奈川県新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業に採択kat 2021年09日10日(金) in in

 THKのSEED Solutions Platform Robots「自律移動型サイネージロボット」が、神奈川県が実施する「令和3年度新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業(以下、本事業)」において、「フロア案内ロボット」のプロジェクトとして採択された。

 

自律移動型サイネージロボット

 

 本事業のプロジェクトテーマの一つ「フロア案内ロボット」として採択された自律移動型サイネージロボットは、神奈川県が委託した課題解決事業者(エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所)の支援のもと、医療法人沖縄徳洲会 湘南鎌倉総合病院内にて実証が行われ、その後、効果検証を経て、施設での実装・運用を目指す。

 自律移動型サイネージロボットは、自律型の走行台車と、情報デバイスとして最近露出が高まっているデジタルサイネージ(電子看板)を組み合わせた自律搬送ロボット。走行台車は狭所でも全方向移動、360°旋回が可能で、サイネージはマルチメディアコンテンツの視聴や検温モニターなど、多彩な用途に活用できる。

 また、遠隔オペレータによる双方向コミュニケーションと遠隔操作にも対応、病院内での利用用途としてはたとえば、目的の診療科が分かっていてもそこまでのルートが分からず立ち往生している来院者に対し、遠隔オペレータと自律移動を駆使して目的の場所まで案内できる。

 サイネージ部分は遠隔オペレータが利用者の背丈に合せて上下に高さ調整ができ、利用者とより対面に近いコミュニケーションを図ることが可能。

 THKでは、機械要素部品メーカーとして培ってきた技術と実績をもとに、市場の急速な変化に即してビジネススタイルの変革を図り、今後の成長戦略の一角をなすサービスロボットのコア技術を最大限に活かすことで、人手不足や感染症拡大といった社会的課題の解決支援を行っていく。

kat

イグス、高精度、高剛性の丸軸用リニアベアリングを新開発

2年 8ヶ月 ago
イグス、高精度、高剛性の丸軸用リニアベアリングを新開発kat 2021年09日10日(金) in in

 イグスは、高精度な動作を実現する丸軸用リニアベアリング「ドライリンR W360CMシリーズ」を新開発した。アルミニウム製のハウジングと薄いスライド部で構成、高い剛性とスムーズかつ静かな動作が特徴で、クリアランスがほとんどないため精密な動きが可能。リニアベアリングのスライド部に高機能ポリマー「イグリデュールW360」を使用しているため潤滑剤が要らずメンテナンスフリーで環境汚染の心配もない。金属製のリニアブッシュと寸法互換性があり、容易に交換できる。

 リニアガイドは、物体を直線的に移動させたり、装置や機械を調整したりする際に使用されるが、中でも顕微鏡のテーブルやX線装置などでは位置決め精度が重要になる。開発品は、高い位置決め精度が求められる用途に対応、丸軸リニアガイド「ドライリンR」において最高レベルの精度と剛性を実現している。

 リニアベアリングのスライド部はイグリデュールW360を用いた射出成形品のため、コスト効率に優れているほか、肉薄ながら材質強度が高いことから弾性率が低減され、動作点でのベアリングクリアランスが小さいため、非常に静かで滑らかな動作が可能。使用温度範囲は0〜50℃。

 設計はシンプルで、スライド部をハウジング内の溝にはまるまでに押し込むスナップフィット式になっており、高荷重・高温下でもスライド部のずれを防止できる。
 

ドライリンR W360CMシリーズ

 

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ナノコート・ティーエス、水素フリーDLCの受託加工を開始

2年 8ヶ月 ago
ナノコート・ティーエス、水素フリーDLCの受託加工を開始 in kat 2021年09日10日(金) in

 ナノコート・ティーエス(https://www.nanocoat-ts.com/)はこのほど、石川県能美市の石川事業所にフランスHEFグループの開発したスパッタリング+陰極アーク+プラズマCVDのハイブリッドプロセスを用いた、中型ta-Cコーティング装置「TSD 550-CMT」を導入し、水素フリーのダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティング(ta-C)「セルテス® CERTESS® TC」の受託加工を開始した。50GPaを超える高硬度で優れた耐摩耗性を示すとともに、最適化された下地層・中間層により極めて優れた密着力を有する。特に鋼上の密着力が強いことを強みとしている。また、2μm以上の厚膜ta-Cが量産レベルで容易に可能なことや、成膜温度180℃以下の低温処理が可能なことも大きな特徴。

ナノコート・ティーエス 石川事業所

 

 同社では、成膜後研磨技術を併用しながら、HEFグループで実績のある自動車部品のほか、非鉄金属材料向けの精密成形金型・治工具分野の市場開拓を進めていく考えだ。

 情報通信機器や自動車部品、家電・電子機器の小型化や多機能化に伴い、金型の高精度化や長寿命化、被成形品の表面品質向上の要求が高まっているほか、生産性向上や製造コスト低減などのニーズから、精密金型に表面改質を施すケースが増えてきており、中でも、精密金型における相手材の耐凝着性や離型性、耐摩耗性を向上させることが可能なDLCコーティングの適用が拡大してきている。

 精密金型にDLCコーティングを適用する際、被膜の密着性や被成形材の凝着性・離型性、表面の平滑性、耐摩耗性は重要な要素で、特にアルミニウムや銅、ニッケル、リードフレーム材、樹脂材料などの非鉄金属材料は、成形中に金型表面に付着しやすいため、被成形品の表面にカジリや傷などが発生し、寸法・品質不良となることがある。このような金型表面への被成形材付着の抑制には平滑性と熱・化学安定性の高いDLCコーティングを選定することが重要で、また、DLCコーティングを硬くすることにより被膜の耐摩耗性や耐カジリ性を向上できる。こうしたことから精密金型の使用条件に最適なDLCコーティングとして、平滑性に優れ硬度の高いta-Cコーティングへの要望が高まっていた。

 今回石川事業所に設置した、ta-Cコーティング装置「TSD 550-CMT」で成膜されたta-C「セルテス® CERTESS® TC」は、精密金型用コーティングとして要求される高密着性と50GPaという高い硬度を実現できる。
 

ta-Cコーティング装置 TSD 550-CMT


 

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イグス、最高クラスのクリーンルームに対応する低摩耗のケーブル保護管

2年 8ヶ月 ago
イグス、最高クラスのクリーンルームに対応する低摩耗のケーブル保護管kat 2021年09日02日(木) in in

 イグスは、最高クラスのクリーンルームクラスに対応するケーブル保護管「エナジーチェーン C6型」(Cはクリーンルームを、6は1リンクあたりの部品の数を表す)を開発した。

エナジーチェーン C6型

 

 C6型は、クリーンルーム向けに多くの導入実績を持つ「エナジーチェーンE6型」と「エナジーチェーンE6.1型」をベースに開発されたもので、デザインスタディ(試作段階)として、さらにクリーンルーム用に最適化されているほか、フリースパン走行で長寿命を実現するために特別設計されている。電子機器製造、半導体産業、包装機械、医療機器、医薬品製造業界などの各種クリーンルーム内の中距離ストロークで、ケーブルやホースをスムーズにガイドする。

 C6型では、個々のチェーンリンクに新しいタイプの接続システムを採用し、チェーンの組み立てを容易にして軽量化を図るとともに、強度と減振性を向上させた。

 また、可動時の接触面を最小限にすることで、極めて低い摩耗性と静かな動作も実現している。

 さらに、イグスの可動用プラスチックの知識を活かして、ケーブルと接触する全ての部分のために特別な新素材を開発。これにより、摩擦を最小限に抑えることができ、 かつ従来のシリーズと比べて26%の軽量化を実現している。

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NTN、自動車電動ウォータポンプ用低トルク樹脂軸受を開発

2年 8ヶ月 ago
NTN、自動車電動ウォータポンプ用低トルク樹脂軸受を開発kat 2021年08日18日(水) in in

 NTNは、HEVやEV、FCVなど電動車の冷却システムに使用される電動ウォータポンプ向けに、スラスト面に設けた特殊潤滑溝によりトルクを従来品比で30%低減した自動車電動ウォータポンプ用「低トルク樹脂軸受」を開発した。自動車の低燃費化への貢献を前面に、HEV、EV、FCV用電動ウォータポンプや住宅設備(自然冷媒ヒートポンプ給湯機、燃料電池コージェネレーションシステム)の電動ウォータポンプなどへの適用を提案、2026年度に2億円/年の販売を目指す。

自動車電動ウォータポンプ用 低トルク樹脂軸受

 

 近年、自動車の電動化および低燃費化において、エンジンやインバータ、バッテリ、モータなど車両コンポーネントの熱管理(サーマルマネジメント)が重要な課題となっている。電動車では冷却水を循環させる電動ウォータポンプが自動車1台あたり複数個搭載されており、電動ウォータポンプ内で冷却水を押し出す役割を担うインペラ(羽根車)に軸受が使用されている。

 電動ウォータポンプ用軸受には、PPS樹脂などを使った樹脂軸受やカーボン軸受など小型・軽量かつ耐薬品性を有するすべり軸受が使用されており、いずれの軸受も燃費向上を目的にさらなる低トルク化が求められている。

 今回開発された低トルク樹脂軸受は、固体潤滑剤などの独自配合により、水中使用時に優れた低摩擦・低摩耗特性を発揮するNTN製ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂材料を使用するとともに、スラスト面に特殊潤滑溝を形成。従来は、潤滑溝に矩形溝を形成していたが、本開発品の特殊潤滑溝は、軸受の反回転方向に徐々に溝が浅くなる勾配を設けることで、軸受回転時に冷却水を反回転方向に押し込み、動圧効果による圧力を発生させる設計としている。これにより、軸受のスラスト面の接触部に冷却水が入り込みやすくなり、従来品と同等以上の耐久性を維持しながらトルクを30%低減することに成功した。

特殊潤滑溝の構造

 

 本開発品は、カーボン軸受に発生しやすいクラック(割れや欠け)の心配がなく、水中における優れた耐摩耗性を有しており、カーボン軸受からの置き換えも可能なことから、電動ウォータポンプ用途でのさらなる販売拡大を見込んでいる。

 本開発品で使用しているPPS樹脂は耐薬品性にも優れているため、冷却水だけでなく、溶剤などさまざまな液体中で使用が可能です。自動車のほかにも、ZEH(Net Zero Energy House)対応の住宅設備で使用される自然冷媒ヒートポンプ給湯機や、家庭用燃料電池コージェネレーションシステムなどの循環や冷却用の電動ウォータポンプにも使用可能で、省エネルギー化に貢献する。

 NTNでは、本開発品を電動ウォータポンプの省電力化に貢献する商品として、自動車部品メーカーや住宅設備メーカーへの提案を進め、自動車の電動化や省エネルギー化によるCO2排出量の削減に貢献していく考えだ。

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ジェイテクト、日立ソリューションズの生産計画ソリューションと連携を開始

2年 9ヶ月 ago
ジェイテクト、日立ソリューションズの生産計画ソリューションと連携を開始kat 2021年08日05日(木) in

 ジェイテクトは、IoEソリューション強化と顧客への付加価値向上を目的とし、日立ソリューションズとの協業を進めていたが、7月から日立ソリューションズグループの生産計画ソリューションである「SynPLA」との連携を開始した。

 SynPLAは、製造現場が実現可能な生産日程計画を立案するための、多彩なスケジューリングロジックを搭載したパッケージソフトウェア。今回の連携により、SynPLAを利用する企業は、設備の稼働状況を工事レスで簡単に見える化できるジェイテクトの「稼働アップNaviシリーズ」を導入することで簡単に実績データを取得し、SynPLA上で最適な生産スケジュールを行えるようになった。同様に、IoEソリューションを利用する企業は、SynPLAを導入することで、設備や作業員の実績情報を活用した生産スケジュールを行えるようになった。

 ジェイテクトと日立ソリューションズは、運用技術(OT)と情報技術(IT)を融合したスマートファクトリーの領域で協業を合意し、2019年12月より協創活動を進めてきた。ジェイテクトでは引き続き日立ソリューションズとの連携強化を進め、企業のスマートファクトリー化を支援していく考えだ。

 日立ソリューションズ 執行役員の臼杵誠剛氏は、「当社は、製造現場での豊富な経験を持つ、ジェイテクトと協創活動できることを光栄に思う。当社と同様に“人”を大切にするジェイテクトとともに、“人が主役のスマートファクトリー”の実現をめざし、互いの強みを活かした、協創ソリューションの開発を推進している。今後も様々なテーマで協創活動を行い、双方の顧客へ新たな価値を提供していく」と語っている。

両社による協業の概要

 

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ジェイテクト、低トルク・耐寒冷ロバストを向上したハブユニットを開発

2年 9ヶ月 ago
ジェイテクト、低トルク・耐寒冷ロバストを向上したハブユニットを開発kat 2021年08日04日(水) in in

 ジェイテクトは、トルクの低減と極寒冷地でも高い密封性を実現するシールを採用したハブユニットを開発した。日本国内をはじめ極寒冷地を含むグローバル市場で自動車メーカーへの提案・適用を進め、2025年に25億円/年の売上を目指す。同社では、開発したハブユニットの適用拡大を通じて、低炭素社会の実現へ貢献していく。

 近年、自動車をはじめとするものづくり産業を取り巻く環境は、カーボンニュートラルの達成に向けエネルギーのさらなる低損失化が求められている。そうした中で、自動車のホイールを支えるハブユニットの低トルク化技術は、燃費に直結する必要不可欠な技術となっている。

 ハブユニットで発生するトルクの約半分を占めるシールの材料としてはニトリルゴムが使われるが、低摩擦とゴム物性(強度・耐熱性・耐摩耗性など)がトレードオフの関係にあり、これらの両立が課題となっていた。

 また、ニトリルゴムは通常、耐油性、耐摩耗性、引き裂き強度に優れる一方で、耐寒性が他のゴムより劣る性質がある。

 市場のグローバル化が進み、従来よりも過酷な環境でハブユニットが使われることが想定されることから、同社ではシール用ゴム材の使用可能温度範囲を拡大することを重要課題として、新しいゴム材の開発を進めていたが、今回、低トルクで耐寒性に優れるシール用ゴム材の開発に成功したもの。

 本ゴム材をハブユニットのシールに適用することで、シールトルクを10%低減できる。また、-40°C以下の極寒環境下でもゴムが弾性を失わないため、シールの密封性を維持でき北米やロシアなどの極寒冷地でもハブユニット内部への泥水浸入を防止できる。

 開発したゴム材を使ったシールはハブユニットに限らず活用可能なことから、同社では、その他の自動車部品を含む各種産業向けの軸受用シールへの適用を模索し、拡大に努めていく。

 同社では、開発したゴム材によってSDGs の各種目標(7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに、9.産業と技術革新の基盤をつくろう、12.つくる責任つかう責任)に貢献できるとして、同ゴム材製のシールを採用した軸受の拡販を通じて、ものづくり産業での低炭素社会の実現へ貢献していきたい考えだ。

 

ハブユニットにおけるシール用ゴム(開発品)の搭載箇所

 

従来品とのシールトルク比較

 

従来品とのゴム材使用可能温度比較

 

開発品を通じて貢献可能なSDGsの目標

 

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ジェイテクト、最上位安全コンセプト採用のEPSを開発、トヨタの新型LSと新型MIRAIに搭載

2年 9ヶ月 ago
ジェイテクト、最上位安全コンセプト採用のEPSを開発、トヨタの新型LSと新型MIRAIに搭載kat 2021年08日03日(火) in in

 ジェイテクトは、電源を含むハードウェア完全二重構造(システム異常が発生した場合でも残されたシステムで操舵が可能)となる電動パワーステアリング(EPS)を開発し、本年4月にトヨタ自動車から発売されたLEXUS 新型「LS」、TOYOTA 新型FCV「MIRAI」の一部車両(高度運転支援搭載車両)に搭載された。本EPSでは、ステアリング機能における独自の安全コンセプトで最上位となる「JFOPS4」を採用している。

 ステアリングは自動車の「走る」「曲がる」「止まる」の「曲がる」を担う重要な機能部品で、自動運転時にはより高いレベルの安全性が必要となることから、同社では自動運転の普及を見据えステアリング機能における独自の安全コンセプト「JFOPS(JTEKT Fail-OPerational System)」を定義し、自動運転レベルに応じた安全性を備えるEPSの提供を可能としているが、今回搭載されたEPSには安全コンセプトで最上位となる「JFOPS4」を採用している。

 開発品の主な特徴は以下のとおり。

・電源も含むハードウェア完全二重構造

・完全自動運転にも対応可能な機能を搭載(JFOPS4)

・自動運転中にドライバーが手放し状態でも安全性を確保するためにステアリングMCU(Motor Control Unit)の故障が発生してもアシスト継続が可能

 同社では自動運転の急速な普及を見据え、全ての自動運転レベルに対応するEPSシステムを揃えているが、今後は安全性・信頼性をさらに高め、様々なレベルの自動運転に対応する製品を世界各国の自動車メーカーに提案していく考えだ。

 

回路構成概略図(JFOPS4)

 

独自の安全性に対するコンセプトJTEKT Fail-OPerational System(JFOPS)
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ジェイテクト、耐水素環境用軸受を開発、FCVの耐久性・信頼性の向上へ

2年 9ヶ月 ago
ジェイテクト、耐水素環境用軸受を開発、FCVの耐久性・信頼性の向上へ in kat 2021年08日03日(火) in in

 ジェイテクトは、水素燃料電池車(FCV)の水素循環ポンプなどに使用する、従来比10倍の高耐久・高耐食軸受「EXSEV-H2」を開発した。水素雰囲気という特殊な環境においては、水素脆化(水素の侵入により、金属の強度が著しく低下する現象)による早期破損が課題となっていたが、本開発品により、軸受の長寿命化が可能となり、ユニットの小型軽量化や、低フリクション化が可能となった。同社ではFCVの耐久性と信頼性の向上を実現することで、水素利活用によるカーボンニュートラルの推進に貢献していく。

 2025年に同社四国工場および亀山工場とグループ会社のダイベアで量産を開始する予定で、国内外自動車部品メーカーへの提案を進め、1.3億円/年の売上を目指す

EXSEV-H2

 

 近年深刻化する地球温暖化の対策として、また持続可能な社会の実現のため、「2050年脱炭素化社会の実現」を目指す方針が日本政府から発表されるなど、CO2の排出規制は国内外で拍車がかかっている。

 こうした中で、カーボンニュートラル実現に向けた取組みとして、水素と酸素で発電し動力を発生させるFCVは、CO2を排出しない環境にやさしい自動車として注目が集まっている。

 FCVでは水素を有効活用するために、燃料電池内で未反応の水素を再利用するための水素循環ポンプが使用されることがある。その水素循環ポンプ用軸受は、水素および水蒸気中で使用されるため、水素脆化しにくく、水蒸気中でも腐食しにくい軸受の開発が必要とされていた。

 そこで同社では、新たな素材と熱処理を提供することにより、従来製品の10倍以上となる耐久性と耐食性を持つ軸受を開発したもの。本開発品をFCVの水素循環ポンプに使用することで、FCVの安全性と信頼性の向上に貢献するほか、水素環境下において従来の転がり軸受では水素脆化による早期破損の懸念から使用できなかった用途での使用が可能となっている。

試験結果:水素雰囲気中での寿命比較

 

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光洋メタルテック、密閉式熱間鍛造プレスローリング工法によるニアネットシェイプを確立

2年 9ヶ月 ago
光洋メタルテック、密閉式熱間鍛造プレスローリング工法によるニアネットシェイプを確立kat 2021年08日03日(火) in

 ジェイテクトのグループ会社である光洋メタルテックは、従来の縦型熱間プレス工法では実現できなかった複雑な形状を作り上げる全自動の密閉式熱間鍛造プレスローリング工法を確立した。AT車用多段変速機に使われる遊星ギヤリングを製造する光洋メタルテック上野工場の鍛造ラインに適用を始めている。変速機メーカーや減速機メーカーに提案を進め、6億1800万円/年の売上を目指す。

ラインのイメージ

 

 本工法によって、被加工材を最終形状にするための切削・研磨などの仕上げ作業をほとんど必要としない完成品に近い状態に作り上げる「ニアネットシェイプ化」を実現。機械加工のリードタイムの短縮と工数の低減、更には省資源化による低炭素社会の実現に貢献する。

 国内外において、多段AT車の需要が年々高まっているが、需要の高まりに反して、その材料となる鋼材が年々不足している。

 光洋メタルテックでは、長年培った軸受製造技術を生かし、自動車変速機用遊星ギヤリング用軸受の製造ラインの見直しを図り、密閉式熱間鍛造プレスローリング工法によるニアネットシェイプ化を確立したことで、素材である鋼材の投入重量の削減を実現した。また、この工法により、機械加工のサイクルタイムを従来の10%削減できる(同社比)ことも実証している。

 密閉式熱間鍛造プレスローリング工法の特徴は、以下のとおり。
 
・省エネ:小動力熱間プレス機で小さな荒地を成形し、自社開発のローリング機で大きく圧延/形状化する

・工程設計の見直し:素材の投入重量は増やさずに、ローリング前のプレス荒地品の端面を形状化し、ローリング完了後の端面欠肉の問題を解決

・内径深溝加工の拡大:内径角度をよりネットシェイプした深溝形状品を実現
(下図は鍛造品の断面で、赤は完成品形状、灰色は鍛造品形状)

従来品と開発品の形状比較

 

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NTN、産業用IoTプラットフォーム向け軸受診断アプリを開発、生産性向上に貢献

2年 9ヶ月 ago
NTN、産業用IoTプラットフォーム向け軸受診断アプリを開発、生産性向上に貢献 in kat 2021年08日03日(火) in

 NTNは、産業用IoTプラットフォーム「Edgecross®」(Edgecrossコンソーシアム提供)に対応した軸受診断アプリケーションを開発し、7月から無料体験版の提供を開始している。近年、省人化や生産性の向上を背景に、生産設備の予知保全へのニーズが高まっているが、IoTを活用し、設備や稼働状況を監視するとともに、生産現場でデータをリアルタイムに収集・分析することで、設備の不具合や故障をいち早く知り、計画的にメンテナンスや部品交換の実施につなげることが可能となる。本アプリの体験版は、Edgecrossマーケットプレイス(https://www.marketplace.edgecross.org/product-detail/71660005)から申し込みが可能。

 同社が開発した軸受診断アプリケーションは、軸受近傍に設置された振動センサのデータを収集し、軸受の異常を診断するソフトウェア。簡単・迅速に診断ができるほか、軸受情報や運転情報などの設定が不要で、同社以外の軸受の診断も行える。

 開発にあたっては、軸受の損傷を検知する技術や損傷の進展をモニタリングする手法など、軸受メーカーとして蓄積してきた技術やノウハウに加え、大型風力発電装置向けの状態監視システム「Wind Doctor®」において開発した軸受診断のアルゴリズムを活用している。

 同社は、本年4月からスタートした中期経営計画「DRIVE NTN100」Phase2において、新たな事業領域の一つとしてサービス・ソリューション事業の強化に取り組んでいる。従来から展開してきた大型風力発電装置向けの状態監視サービスに加え、本開発品をはじめとするAIやIoTなどデジタル技術を活用した商品・サービスの開発、提供を通じて、各産業の生産性の向上に貢献するとともに、事業の拡大を図っていく。

 軸受診断アプリケーションの主な特徴は、以下のとおり。

・軸受のリアルタイム診断:軸受の診断結果を3秒~10秒ごとに更新。わずかな時間に現れる変化も捉えることができる

・軸受情報の設定不要:診断対象の軸受情報や運転状況の設定が不要。NTN以外の軸受の診断も可能

・シンプルな出力:診断開始時点を基準に状態レベルを4段階で出力。センサからの診断結果を最大16ヵ所まで同時に確認することが可能

・インターネット接続不要:導入、運用にあたり、インターネット接続は不要。データを外部に出したくない場合やネットワーク環境が整っていない場合でも利用できる

 

軸受診断アプリケーションの構成例

 

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不二越、省エネソレノイドバルブを市場投入

2年 9ヶ月 ago
不二越、省エネソレノイドバルブを市場投入kat 2021年07日30日(金) in

 不二越は本年8月から、省エネソレノイドバルブ「SS/SA-G01-40」の販売を開始する。工作機械・鍛圧機械などの産業機械向けに提案を進め、2022 年度までに50 万台/年の販売を目指す。

省エネソレノイドバルブ「SS/SA-G01-40」

 

 地球温暖化の防止に向けて、環境保全、エネルギー消費の抑制が重要な取組みとなる中、油圧機器においてもエネルギー効率の改善による省エネ性能の向上が求められている。同社では、1960 年代にソレノイドバルブを発売して以来、ソレノイド(電磁石機構)を自社で開発し、自由度の高い設計、複雑な構造にも対応できる製造技術を活かし、様々な製品を市場投入し、ユーザーの多様なニーズに対応してきた。

 同社では今回、従来品の最高圧力・最大流量はそのままに、消費電力を大幅に低減し、安全性と使いやすさを向上した省エネソレノイドバルブ「SS/SA-G01-40」を開発、ユーザーの設備の省エネ・コスト削減に貢献していく。特徴は、以下のとおり。

1.省エネルギー:クラストップレベルの低消費電力で定評のあった同社従来品「SS/SA-G01-31」と比較し、消費電力を約25%低減、圧倒的な低消費電力を実現

2.高圧・大容量:同一サイズでは最高使用圧力35MPa、最大流量100L/min、許容背圧21MPa のトップレベルの性能

3.安全性の向上:消費電力を抑えたことで、コイル表面温度を従来品比で約30℃低減し、機械・設備の安全性を向上

4.海外安全規格への対応:海外安全規格のCE(欧州)、UL(米国)、cUL(カナダ)に対応

5.使いやすさの向上:産業機械向けとして一般的で、配線が容易なM12-4ピンコネクタをオプション化し、ワンタッチ接続が可能

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イグス、デジタルプレスカンファレンスを開催、新提案商品などを紹介

2年 9ヶ月 ago
イグス、デジタルプレスカンファレンスを開催、新提案商品などを紹介kat 2021年07日29日(木) in

 イグスは6月28日、ドイツ本社と日本をつないでの「デジタルプレスカンファレンス」を開催、販売および生産に関する状況報告やサスティナビリティへの取組みについて報告するとともに、168点に及ぶ2021年新提案商品の中のハイライト商品について紹介した。

 

デジタルプレスカンファレンスのようす

 

◆販売・生産の概況

 当日はまずフランク・ブラーゼCEOが挨拶に立ち、「コロナ禍の影響はあったものの、2020年の売上は4.7%減にとどめることができた。これはリモートでの販売の実績を積んだことや、世界各地で製品の在庫を増やし迅速に納入できるようにしたことなどが功を奏した。今年の売上は1~5月期で62%も伸びており、損失がカバーできている。こうした中、次のステップとして生産能力50%アップを目指して、24000m2の新工場の建設を進めている。2022年末までに完成予定だ。射出成形機は新たに330台を発注、すでに100台近くが稼働している。また、昨年末は在庫を増やし、急な需要にも対応を可能にしている。人事面の増強としてはドイツの工場で250人以上を雇用、さらに220人を雇用する計画がある。研修制度も改善していく」と述べた。

 

◆カーボンニュートラルと樹脂廃棄物ゼロ

 ブラーゼ氏はさらに、これまでの目標である「モーション・プラスチックによる可動部の改善」に加えて、「カーボンニュートラルと樹脂廃棄物ゼロ」を新たな目標に据えたことを報告。新しい目標達成のための取組みのうち、①使用済み製品のリサイクル、②職業訓練生への起業機会の付与、③CO2排出量の測定および監視という三つの試みを紹介した。①については、未分別のプラ廃棄物を約20分でオイルに還元し省資源化を実現する技術を持つMura Technology社への500万ユーロに及ぶ投資を継続している。②については、マイスター制度における職業訓練生が学ぶ最善の方法として、訓練生たちに経営の機会を与え、イグスから出たPCやモニター、キーボード、プロジェクター、コピー機といった電気・電子機器の廃棄物を整備しイグス社員とその家族にオンラインで販売するという事業を採択、同社から出る年間5tの電気・電子機器の廃棄をなくした。③については、2025年までに同社の建物内や生産活動での気候中立の達成を目標に、CO2を吸収する緑の植栽のファサード、屋上へのソーラーパネルやガーデンの設置などの取組みを進めている。

 

フランク・ブラーゼCEO

 

◆2021年新提案商品のハイライト

 これまでで最多となる168点の新提案商品のうち、以下のようなハイライト商品が紹介された。

・耐摩耗性に非常に優れた、高強度巻線構造の高荷重用途向けすべり軸受
「イグリデュールTX2すべり軸受」は建設機械や農業機械などの高荷重用途向けの高荷重用途向けすべり軸受で、高強度の巻線構造により非常に高い負荷に対応できる。厳しい環境条件で稼働する建設機械、鉱山機械、農業機械の軸受部は、高温、低温、泥、粉塵などから影響を強く受けるが、今回発表したイグリデュールTX2すべり軸受は高荷重用途に特化して開発。特殊な高強度の繊維樹脂を巻き付けた巻線構造により、高負荷アプリケーションでの使用を可能にしている。本軸受は、硬質クロムめっき軸を使った揺動試験において、既存のヘビーデューティー向け「イグリデュールTX1すべり軸受」に比べて約3.5倍の耐摩耗性があることが示されている。また、他のイグリデュールすべり軸受と同様に、無潤滑・メンテナンスフリーで使用できるため、軸受部への汚れ付着を防ぎ、メンテナンスや修理コストが削減できるほか、潤滑不足による機械の故障も低減する。さらに、イグリデュールTX2すべり軸受は、温度、薬品、湿度、腐食、海水への耐性も優れているため、幅広い分野での使用が可能で水中および陸上での用途で長寿命を実現できる。

 

イグリデュールTX2すべり軸受

 

・ロボットのワークスペース内のループ形成を防ぎ、省スペースで設置可能な伸縮自在のケーブル保護管
 「トライフレックスR TRX」は、産業用ロボットのケーブルを安全・簡単・コンパクトにガイドするためのケーブル保護管で、内部に独自の伸縮機構を備えており、従来のロボット用ケーブル収納機構や巻取りシステムに代わるもの。ロボットのシステム軽量化、コンパクト化の流れに対応するため、トライフレックスRをベースに巻取りシステムを統合。第3軸に直接かつコンパクトに固定できる、省スペースなエネルギー供給システムとなっている。独自の機構であるチェーンリンクとゴムバンドの採用によって、耐ねじれ性を備え、最大で40%の長さ補正が可能。内蔵されたゴムバンドによって、チェーンリンクが常にスタート地点に戻るように働き、引き込む力を調整している。従来の巻取りシステムと比較して最大83%軽量で、必要なスペースは半分以下のため、ロボットの性能が向上し、追加の巻取りシステムが不要になるため、大幅なコスト削減を実現する。また、既存のトライフレックスR TRE型と互換性があり、相互を簡単に接続することが可能で、ケーブルの収納も容易。

 

トライフレックスR TRX

 

◆日本国内での増強

 北川邦彦イグス社長は日本国内での拠点新設や生産増強に関して、「顧客への納入リードタイムを少しでも短くするために、これまでどおり拠点の新設および生産の増強は順次行っていく。建設中のドイツの新工場はまた、製品によらず、我々のキャパシティーを増強することにつながる」と述べた。

 

北川邦彦社長


 

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イグス、食品向けなどで検出可能な耐摩耗・低摩擦の3Dプリンタ用フィラメントを開発

2年 9ヶ月 ago
イグス、食品向けなどで検出可能な耐摩耗・低摩擦の3Dプリンタ用フィラメントを開発kat 2021年07日27日(火) in in

 イグスは、加工しやすい汎用3Dプリンタ用フィラメント「イグリデュールI150」の改良品として、低摩擦で耐摩耗性に優れたフィラメント「イグリデュールI151」を開発した。開発した青色の新しいフィラメントは、食品業界向けに検出可能な特殊部品の製造に使用でき、FDAおよびEU10/2011に準拠していることから、食品や包装、化粧品業界での使用に適している。

イグリデュールI151

 

 同社が2017年から販売している汎用性の高い3Dプリンタ用フィラメント「イグリデュール I150」は特殊な部品をFDM方式で迅速かつ優れたコスト効率で製造できるが、このほど主に食品業界のユーザーから、このイグリデュールI150と同等の特性を持ち青色でFDAに準拠したフィラメントに対する要望があり、イグリデュールI151の開発に至ったもの。天然素材の食品には青色がないため、目視でも発見しやすい青色パーツを使用することで、万一の混入に備えることができる。

 この新しいフィラメントは、耐摩耗性に優れた部品のプリントに適している。固体潤滑剤が含まれ低摩擦のため追加の潤滑剤が必要なく、潤滑剤の流出による汚染の心配もない。本フィラメントで造形したプリント部品はFDAおよびEU 10/2011の要件に準拠しているため、食品・包装業界および化粧品業界での使用に適している。イグリデュールI151は、ノズル温度を250℃に設定できる3Dプリンタで使用可能。

 イグリデュールI151は、安定性、靭性、層間接着性において、イグリデュールI150に匹敵する機械的特性を有している。また、イグスの社内試験施設で行った摩耗試験では、ABSやナイロンなどの標準的なプラスチックの50倍の耐用年数を記録。この新しいフィラメントは、同社のオンラインショップでロール状の材料として購入できる。また、同社の3Dプリントサービスから、耐摩耗性の特殊部品の製造を依頼することも可能。STEPデータをアップロードし、材質を選択、価格を算出するだけで、耐摩耗性を備えたカスタム部品を直接注文できる。

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THK、製造業向けIoTサービスに安心担保の二大特典を追加

2年 9ヶ月 ago
THK、製造業向けIoTサービスに安心担保の二大特典を追加 in kat 2021年07日20日(火) in in

 THKは、製造現場での機械要素部品の状態基準保全(CBM)の導入を加速させるため、製造業向けIoTサービス「OMNIedge(オムニエッジ)」の新たな特典として、「製造ゼロ待ちチケット」および「IoTリスク補償」の提供を本年9月1日から開始する。同社では新サービス開始に先駆けて7月19日、オンライン記者会見を開催、寺町崇史 取締役専務執行役員 産業機器統括本部長が、OMNIedgeの展開の状況と新特典について説明した。

新特典について説明する寺町専務

 

 国内製造業では高齢化による労働力不足を補うために機械やロボットによる自動化の推進が急務となっている一方で、製造装置の保守点検作業に関しては熟練作業員の感覚に依存している現況がある。そこで人手によらず、定量的に部品の状態を常に把握し、適切なタイミングで保全を実施できるCBMの導入が必要であることを説明。時間基準保全(TBM)は定期的に一律に部品交換を行うため部品代と人件費がかさむ傾向があるのに対し、CBMは機械・設備の稼働状況、個々の構成部品の状態をモニタリングして劣化や異常の度合いに合わせて保全を行う手法で、突然壊れるリスクを低減できるほか、過剰なメンテナンスを抑制できるため部品代や人件費を抑えることができる。

 THKではCBMの普及を目的の一つとして、「簡単・安全・初期コストゼロ」をコンセプトに、IoTを利用して機械要素部品の状態判断や予兆検知を実現する製造業向けIoTサービスOMNIedgeを開発、2020年1月からサービスを開始している。

 OMNIedgeは「THK SENSING SYSTEM」を活用してLMガイド、ボールねじ、アクチュエータなど機械要素部品の状態を数値化し、解析することで予兆検知ができるシステムで、初期投資費用を抑えられるよう1装置 月8000円~の料金体系となっており、かつセンサ、アンプ、通信機器、SIMカードをワンストップで提供し、簡単に導入ができるパッケージ型サービス。

 現在設置済みのユーザー拠点は200拠点に上り、少なくとも年内には600設備に設置予定となっている。また、THKの国内工場では700設備に導入している。加えて製造業向けオープンプラットフォーム「FIELD system」との連携、グローバルSIMに対応した新サービス、中国での正式サービス開始と、全方位体制での展開が進んでいる。

 OMNIedgeの導入が進む中で同社では、製造現場で部品のCBMを導入する際の課題は、部品故障の予兆が把握できるだけでは解決しないことも分かってきた。機械が故障した際、迅速に修理して正常な状態に戻すために必要な部品の入手可能性や、万一、センサが反応せず故障が起きた場合、修理にかかる金銭的負担に対する不安が生じる。そこで同社は、ユーザーの不安を解消しCBMの普及を加速するためのOMNIedgeの新たなサービスとして、「製造ゼロ待ちチケット」と、東京海上日動との連携によって実現した「IoTリスク補償」を提供することを決めたもの。これらはOMNIedgeの特典として契約時に自動付帯されるため、特別な手続きは不要となっている。

今回追加した二つのサービスの内容は、以下のとおり。

1.製造ゼロ待ちチケット
OMNIedgeを利用しているユーザーの機械・装置において、センサを取り付けたLMガイドやボールねじ、アクチュエータなどの機械要素部品の不調・異変により交換を迫られた際、優先的に‟待ち時間ゼロ”でTHK工場に交換部品の製造を手配できる特典。OMNIedge搭載の装置であれば、注文の際に「製造ゼロ待ちチケット」をTHKに提示することで即座に生産に入るシステムとなっている。購入から出荷までのリードタイムが短くなるわけではないが、商品の特性上不可避だった購入時の待ち時間をゼロにする。できるだけ速やかに納入することで、ユーザーの交換部品の入手可能性に関する不安を解消していく。

2.IoTリスク補償
適切な運用がなされているにもかかわらずOMNIedgeの予兆検知機能が働かず、センサを取り付けていた機械要素部品(LMガイド、ボールねじ、アクチュエータ)に損壊が発生した場合に限り、原因箇所の機械要素部品の費用と交換にかかる作業費が東京海上日動の保険によって補償される。OMNIedge適切に設置して閾値も設定し、データ取得を定期的に行っていることが条件で、保証金額は最大100万円。OMNIedge契約時に自動的に付加されるため、特別な手続きは不要となっている。

「簡単・安全・初期コストゼロ」に「安心」を追加したOMNIedge

 

 新特典の説明を終えた寺町専務は、「今回のサービス拡充を通して「簡単・安全・初期コストゼロ」に「安心」を加えることができた。新しいOMNIedgeが機械要素部品のCBMの普及促進の契機となることを願っている。THKでは、今後もユーザーにとって最適なソリューションの開発を進め、製造現場の持続的な生産性向上に向けて、ユーザーに寄り添い、伴走していきたい」と語った。

 また、挨拶に立った梅田恒樹 東京海上日動火災保険 常務執行役員は、「当社は保険商品のサービスを通じて、顧客や社会の課題を解決することを使命あるいは存在意義と考えている。その実現には、変化する課題を適確に察知し、柔軟かつスピーディーに行動し、安心を顧客にしっかりと提供すること、換言すれば、顧客や社会の課題を解決するために保険の力を高めて、安心を日本の隅々まで届けることが必要と考えている。今回THKと協業により生まれた当社のIoTリスク補償が、OMNIedgeの利用者に対して万が一の際の安心と安全を提供でき、また、OMNIedgeという製造業向けIoTサービスが世の中にさらに普及すること、それによりCBMの考え方が製造現場に根付くことにつながるよう祈念している」と述べた。

kat
Checked
25 分 53 秒 ago
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