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トライボコーティング技術研究会、令和3年度第1回研究会・総会を開催

2年 10ヶ月 ago
トライボコーティング技術研究会、令和3年度第1回研究会・総会を開催

 トライボコーティング技術研究会は5月28日、埼玉県和光市の理化学研究所で「令和3年度第1回研究会及び総会」を開催した。当日は実地およびオンラインによるハイブリッド開催となった。

開催のもよう

 

 当日は大森 整会長(理化学研究所)の開会挨拶に続いて、以下のとおり講演がなされた。

・「FCVセパレータ向けなどトライボコーティングの最近の話題」滝沢正明氏(IHIハウザーテクノコーティングB.V.)…同社がPVD装置を提供している装飾用途、トライボ用途、ツール用途のうち、トライボ用途でのダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングの応用例として、自動車の燃料噴射系や動弁系、ピストンシステム、風力発電装置向けテーパーころ軸受などを紹介した。また、最先端アークコーティングCARC+処理による水素フリーDLC(ta-C)およびドロップレットのない平滑な膜を密着性良く成膜できる高出力インパルスマグネトロンスパッタリング(HIPIMS)の技術進化(HIPIMS第1~3世代)について解説。さらに、同社の燃料電池車セパレータ向けカーボンコーティングが接触抵抗(ICR)測定や耐食性試験、定常・動的負荷試験で良好な性能が確認されており、パイロット生産フェーズでは最大サイズのバッチ式成膜装置FLEXICOAT1500が、量産フェーズではインライン成膜装置「METALLINER」が適用できると述べた。

講演する滝沢氏

 

・「金型や摺動部材の表面改質熱処理技術に関する紹介」渡邊陽一氏(日本パーカライジング)…製品の高強度化+加工の高サイクル・高面圧化が求められる金型に関してトレンドとなってきている窒化系表面硬化処理の高精度化と複合化について、また、日産自動車「e-POWER」を例に高いモーター回転数~30000rpm=高強度化(高面圧・高滑り速度)、静粛性=低ひずみの要求に対して摺動部材に高機能化+低ひずみの表面改質⇔窒化系表面硬化処理の高精度化と複合化について紹介。酸化と窒化を同時に行う新しい塩浴酸軟窒化法「イソナイトLS」では、この最表面に形成されるLi+Fe複合酸化層による独特の機能を活かして、ダイカスト金型、各種鍛造金型、および摺動部材への適用が堅調に進む傾向があるとした。ガス窒化・軟窒化技術は、窒化ポテンシャル制御技術の一層の高精度化に加え、窒化組織や窒化機構および高機能特性が解明されつつあり、これを契機に窒素を利用した高・多機能化開発による新たな摺動部品や金型への展開が進むと予想した。

講演する渡邊氏

 

 研究会に続いて総会が開催され、令和2年度 活動報告・会計報告がなされ、令和3年度 活動計画が発表された。役員改選では、会長に大森 整 氏(理化学研究所 主任研究員)、副会長に熊谷 泰 氏(ナノコート・ティーエス社長)と野村博郎 氏(理化学研究所 大森素形材工学研究室 嘱託)が再任された。

総会のようす:議事進行を務める熊谷副会長

 

 総会後は、理化学研究所・伊藤ナノ医工学研究室の見学会が行われ、伊藤嘉浩氏が開発した、微量採血(検体量20μL)で41項目を同時に30分で検査できるマイクロアレイ・バイオチップを用いた検査システムなどが紹介された。

見学会のようす

 

kat 2021年6月16日 (水曜日)
kat

レスカ、スクラッチ試験などの受託測定を開始

2年 10ヶ月 ago
レスカ、スクラッチ試験などの受託測定を開始

 レスカ( https://www.rhesca.co.jp/ )は、自社が製造・販売する試験・測定機器を用いてスクラッチ試験、摩擦摩耗試験、摺動型はく離強度試験などの受託測定サービスを開始した。

 受託測定サービスは、メーカーとして経験豊富な同社の専門エンジニアが測定から報告まで対応。流れとしては、①電話またはメールで問い合わせ、②評価方法や試料の内容など測定内容の確認、③お試し測定(測定可否確認のため3試料まで無償対応)、④見積もり、⑤測定依頼、⑥測定結果の報告書送付、となっている。標準的な受託測定であれば、納期は試料受理後2週間だという。受託測定に使用する装置は以下のとおり。

・スクラッチ試験機「CSR1000」
・超薄膜スクラッチ試験機「CSR5100」
・摩擦摩耗試験機「FPR2200」
・摺動型はく離強度試験機「OST3000」
・タッキング試験機「TAC1000」
・熱伝導率測定装置「TCM1001」
・粉体ぬれ性試験機「WET1001」
・はんだぬれ性試験機「5200TN/ZC/Ad」

  また、受託測定サービスの料金など詳細はこちらから確認できる。

摩擦摩耗試験機「FPR2200」

 

admin 2021年6月15日 (火曜日)
admin

ニッチュー、いわき工場が操業開始

2年 10ヶ月 ago
ニッチュー、いわき工場が操業開始

 ニッチュー( https://www.blast.co.jp/ )は、福島県いわき市にブラスト装置の製造やブラストの受託加工を行う「いわき工場」を新設、このほど操業を開始した。

 新工場の敷地面積は約10400m2。延べ床面積は約5000m2。いわき市のいわき四倉中核工業団地に立地する。新工場開設に伴い新たに10人の地元雇用を行った。いわき工場では、ブラスト装置の製造・販売、中古装置の引取り・販売、大型ブラストルームを備えて受託加工を行っていく。

 今回の新工場建設に関しては、同社我孫子工場(千葉県)が手狭になったことに加え、近年福島第一原子力発電所に関わる除染用ブラスト装置を手掛けたことをきっかけに、福島イノベーション・コースト構想に賛同し国や県、市の支援を受けたことから福島県への進出を決定した。今後は、すでに我孫子工場で認証取得しているISO9001やJIS Q 9100の手法を活用して、同構想や航空宇宙産業においても県内の企業と連携して事業を行っていく。

 同社は、1959年にショットブラスト装置メーカーとして設立。現在ではエアブラストやウェットブラストなどの各種ブラスト装置や周辺装置、また同社製品を使用した受託加工を行っている。

ニッチュー いわき工場

 

admin 2021年6月15日 (火曜日)
admin

日本トライボロジー学会、2020年度学会賞を発表

2年 10ヶ月 ago
日本トライボロジー学会、2020年度学会賞を発表

 日本トライボロジー学会(JAST)はこのほど、「2020年度日本トライボロジー学会賞」の受賞者を発表した。表面改質関連では、以下のような受賞があった。

論文賞

「Intercalation Technology for Preparing a Mica-Organic Hybrid Solid Lubricant and Spectroscopic Evaluation of Its Lubrication Mechanism大下 賢一郎氏(日本パーカライジング)、小見山 忍氏(日本パーカライジング)、佐々木 信也氏(東京理科大学大学院工学研究科) 

 インターカレーション法とは、層状物質の層間、すなわちへき開面に、化学的特性が異なる原子や分子、イオンなどを挿入する反応の総称である。本研究では、層状粘土鉱物の固体潤滑剤としての機能向上を目的に、インターカレーション法によって層間にアルキルアンモニウム塩を担持させた有機変性マイカを合成し、摩擦特性の評価およびへき開メカニズムの解析を行った。

 化学構造が異なる3種類のアルキルアンモニウム塩をマイカの層間に担持させたところ、未変性マイカと比較して、有機変性マイカでは有意に摩擦特性が向上することが分かった。そして、その摩擦低減効果はアルキル鎖長が大きく、かつモノアルキルアンモニウム塩よりもジアルキルアンモニウム塩の方が、より顕著に発現することが分かった。

 次に、マイカのへき開性に最も深く関与している層間密着性を、インターカレーションによる層間の化学的特性の変化に着目し、分光光度学的に解析したところ、摩擦特性が優れるマイカほど層間密着性が低くなっていることが、FTIRおよびXPSのピークシフトの解析から明らかになった。さらに摺動面におけるマイカの残膜をFTIRで解析したところ、摩擦特性が優れるマイカでは、へき開面に相当する(001)面で層間すべりを起こしながら、潤滑が継続していることを明らかにした。

 インターカレーション法では、層間を修飾するための有機化合物の候補は無数にあるが、適切な材料を選択することによって、目的に応じた摩擦特性を自在にマイカに付与できる可能性がある。インターカレーション法および本解析技術が近い将来、固体潤滑剤の高機能化と地球環境保全に大きく貢献することが期待されている。

インターカレーション法によってへき開面を有機修飾したマイカ
 


「MoDTC 添加油中の硬質コーテイングと金属の摩擦によるナノ界面形成」 小池 亮氏(トヨタ自動車東日本)、鈴木 厚氏(アイシン精機)、栗原 和枝氏(東北大学多元物質科学研究所)、足立 幸志氏(東北大学大学院工学研究科) 

 本論文は、ピストンリング等に用いられる硬質被膜に着眼し、摩擦調整剤であるモリブデンジチオカーバメート(MoDTC) に起因するトライボフィルムの形成過程およびトライボフィルム形成に及ぼす被膜の結晶構造の影響を明らかにするとともに、それらの知見に基づき、効率的に添加剤の効果を得るための材料の設計指針を提案したものである。

 近年の自動車の電動化を背景に、ハイブリッド車ではエンジンの油温が上がりにくくなることに伴い、反応系摩擦調整剤の効果発現が困難になるため、特に境界潤滑下における摩擦調整剤の反応に起因するトライボフィルムの形成制御が求められている。これに対し著者らは、独自に導入した摩擦初期のなじみ過程の解析手法を用いた精級な実験と分析により、なじみにおけるトライボフィルムの形成過程のナノレベルでの現象解明を試みている。

 本論文では、4種の硬質被膜と軸受鋼の摩擦系において低摩擦を示す窒化クロム(CrN)膜上には、ナノメートルオーダの結晶性を有する鉄の酸化膜を界面に二硫化モリブデン(MoS2)を含むトライボフィルムが形成されていることを明らかにした。さらにこの結晶性を有するナノ界面は、CrNに対し整数倍の格子定数を有する強固な結合をしており、この格子定数の関係を有する界面形成が、安定した低摩擦を発現するMoS2膜形成の鍵を握ることを明らかにした。

 以上のように、ナノレベルの界面現象の解明にもとづき低摩擦を発現するトライボフィルム形成のためのMoDTC を含む潤滑油中における最適な硬質被膜の設計指針を明示する本論文は、学術的および実用的価値の高い研究であり、日本トライボロジー学会表彰規程に該当するものと認められた。

  技術賞 

「超長寿命自動車用円すいころ軸受の開発」藤原宏樹氏・川井 崇氏・大木 力氏(NTN)

 本軸受は、自動車のトランスミッションおよびデファレンシャルに供される長寿命円すいころ軸受である。

 経済活動に伴う二酸化炭素排出量の増加による地球環境への影響が社会問題化しており、低炭素化社会の実現が国際的課題となっている。自動車の燃費基準は年々厳しくなっており、省燃費化のため自動車は軽量化される傾向にある。トランスミッションやデファレンシャルも小型化、軽量化されており、軸受に対する負荷は過酷さを増している。ハウジングの薄肉化、軸受の小径化によって剛性が低下し、軸受部のミスアライメントは大きくなる。このような厳しい使用条件下において、長寿命の軸受が求められている。

 この課題に応えるため、超長寿命自動車用円すいころ軸受を開発した。転がり接触面における接触面圧を最小化し、接触領域端部の過大な圧力(エッジロード)の発生を抑制できる対数曲線で表されるクラウニングの設計方法を開発し、円すいころに適用した。これにより、従来品比2.5倍以上の転がり疲れ寿命とともに、許容ミスアライメント最大4倍を達成した。また、軸受鋼の結晶粒を微細化する熱処理方法を開発し、異物噛込みや表面粗さ突起接触による表面起点型はく離に対する耐久性を向上させることで、異物混入条件下で従来品比3.8倍以上の寿命を得た。さらに、ころと内輪および保持器のすべり接触部の形状を改良することで、許容回転速度を約10%向上させた。

 本円すいころ軸受は、部品単体に求められる省燃費要求に応えると同時に、自動車ユニットの小型化に寄与できることから、自動車の省燃費化に対する効果が大きい。また、多方面に展開することにより、低炭素化社会の実現に貢献できる。

超長寿命自動車用円すいころ軸受(自動車用ULTAGE円すいころ軸受)

 

「転がり軸受の革新的な寿命向上を実現する材料・熱処理技術」金谷 康平氏・佐田  隆氏・大町 真輝氏(ジェイテクト)、 根石  豊氏・鈴木 崇久氏・山下 朋広氏(日本製鉄)

 本技術は、農建機車両や自動車に使用される転がり軸受の高性能化、特に早期に発生する圧痕起点はく離と白色組織はく離に対する寿命向上を合わせて実現する鉄鋼材料・熱処理に関する技術である。

 近年、市場における軸受の故障は、過酷な使用条件によるものがほとんどである。中でも多くの割合を占める故障が、潤滑剤への異物の混入に起因する圧痕起点はく離と、振動や回転変動を受ける軸受で発生事例が増えている白色組織はく離である。これらは、軸受本来の寿命である内部起点はく離よりも短時間で発生するため、様々な用途の軸受で対策が求められている。

 圧痕起点はく離は、硬質異物によって形成される圧痕の周縁部の応力集中に伴う組織疲労が原因であり、この応力集中の緩和と組織疲労の抑制が寿命向上に有効である。一方、白色組織はく離は、鋼中に侵入した水素の応力集中部への集積による局所的な塑性変形が主要因と推定されることから応力集中部への水素の移動(拡散)を防止し、水素を無害化することが寿命向上に有効と考えた。そこで、熱力学計算による合金設計と転動試験による組成の最適化などによって、新たな軸受用鋼を開発するとともに、その開発鋼に適用する熱処理方法を考案することで、応力集中の緩和、組織疲労の抑制、水素の拡散防止を同時に実現する技術を確立した。

 本技術を適用した軸受は、標準的な軸受に比べて、圧痕起点はく離寿命が2倍、白色組織はく離寿命が5倍以上に向上するため、産業機械や種々の車両の信頼性・安全性の向上、ならびに小型軽量化や軸受の交換頻度低減による省資源・省エネルギーに貢献することができる。さらに、従来の農建機車両用軸受に用いられている肌焼鋼と比較して、希少金属の総添加量を25%削減したことで軸受自体の省資源を実現するとともに、中炭素鋼としたことで熱処理時間の40%短縮を可能にし、軸受製造過程における省エネルギーにも大きく貢献する。これらの優れた性能により、本技術はすでに農建機車両の駆動部品用円すいころ軸受に採用されており、今後も幅広い用途の軸受に拡大が期待される。

kat 2021年6月10日 (木曜日)
kat

サーフテクノロジー、独自微粒子投射処理技術で、配管内の粉体付着トラブルを解決

2年 10ヶ月 ago
サーフテクノロジー、独自微粒子投射処理技術で、配管内の粉体付着トラブルを解決

 サーフテクノロジーはこのほど、食品用粉体の空気輸送などに使われる配管内の粉体付着トラブルに対し、同社の独自微粒子投射処理技術である「マイクロディンプル処理®(MD処理®)の配管内処理専用特殊ノズルを開発した。配管の内面全体へのMD処理を可能にすることで、粉体の詰まりによる供給量低下、食品ロスの問題を解決するとともに、洗浄メンテナンスの軽減に寄与する。

 食品製造ラインには様々な工程があり、それぞれで食品用粉体を空気輸送している。たとえば粉体精製工程では、①解袋機から②ストックホッパー、③ミキサー、④ミル、⑤真空乾燥機、⑥自動篩機、⑦小袋充填機が稼働、それぞれで粉体の付着抑制や洗浄性向上などを目的にMD処理が採用されている。

 一方で、①から⑦までの粉体の空気輸送に使われる長い配管では、「空気輸送の際に粉体が詰まって供給量が落ちる上、食品ロスが発生する」、「洗浄頻度が少なくなく、その度に配管を取り外すのが大変」、「洗浄・乾燥に時間がかかる」といった課題を抱えていた。

 これに対しサーフテクノロジーでは今回、MD処理の配管内処理専用特殊ノズルを開発し、粉体詰まりをなくすことで供給量を改善するとともに食品ロスを抑制、洗浄頻度の低減と、洗浄時間・乾燥時間の短縮に寄与するソリューションを確立したもの。

 施工可能なサイズはサニタリー配管50A~(内径φ50mm以上)で、配管長さについては都度相談・対応していく。

粉体精製工程の一例:各プロセス間で粉体を空気輸送する配管が使われる


 

kat 2021年6月7日 (月曜日)
kat

日本製鉄、電動車向けの鉄鋼ソリューションコンセプトと次世代モビリティ向けの生産ソリューションコンセプト構築

2年 10ヶ月 ago
日本製鉄、電動車向けの鉄鋼ソリューションコンセプトと次世代モビリティ向けの生産ソリューションコンセプト構築

 日本製鉄( https://www.nipponsteel.com/ )は、電動車向けの鉄鋼ソリューションコンセプトとして「NSafe®-AutoConcept xEV(以下、NSAC xEV)”を構築した。 これにより、安全で性能・コストを両立し、かつ鉄という素材を使うことで環境に優しい電動車の製造が可能になるという。

 さらに、今後、車のカタチが多様化すると想定される中で、次世代モビリティ向けの生産ソリューションコンセプトとして「NSafe®-AutoFrameConcept」(以下、NSAFC)”を構築。これにより、軽量で、短工期・低コスト、多種多様な次世代モビリティの開発・製造が可能になるという。

電動車向けNSAC xEV

 電動車、特にEVでは大型バッテリーの搭載により、安全性・性能・コストの面で従来のクルマづくりとは異なる課題を抱えている。また、顧客においての開発の短工期化も求められ、電動車普及の大きなハードルとなっている。それらに対し、日本製鉄グループは、電動車の主要部品である電池、バッテリーボックスを含む車体構造、モーター分野において、先進素材と、素材性能を最大限に引き出すための「設計」「加工」「評価」を一貫で実施するソリューション対応力により、それらの課題を解決する「安全で性能・コストバランスに優れた提案」を実現した。このソリューションを適用することで、性能面や顧客の開発の短工期・低コスト化のサポートが可能となり、早期の電動化の実現する。加えて、CO2削減という観点では、車両走行時だけでなく、電動車製造時などを含めたLCA(Life Cycle Assessment)の面からも最も環境に優しい材料である鉄を適用頂くことは、最適な提案となっている。

NSAC xEV の構成コンセプト
◆2.0G-HSをはじめとするハイテンを中心とした材料、鉄製冷却システムによる、軽量でコスト性能バランスの高いオール鋼製バッテリーボックス

◆鉄材料による安全性・高効率性・コスト競争力のあるセルケースの実現(対アルミ製)

◆高機能電磁鋼板によるモーターの高効率化

少量生産次世代モビリティ向けダイレス生産ソリューションコンセプト“NSAFC”

 CASEやMaaSなどにより、従来の自動車の構造設計とは大きく異なる次世代モビリティのニーズが高まると想定されている。次世代モビリティにおいては、車種が多様化し、各ロットでは少量生産への対応が求められるが、それぞれに対し、生産設備を具備することは非効率となる。
 同社では、優れた性能の鋼管とその加工・構造ソリューション技術をもとに、金型を必要としない、あるいは金型数を削減した生産を実現するダイレス生産ソリューションコンセプト“NSAFC”を構築した。これにより次世代モビリティにおいて、顧客の開発~製造までのサポートが可能となり、軽量で、短工期・低コスト、多種多様な車の開発・製造に寄与する。

NSAFCの構成コンセプト
◆鋼管(閉断面構造)を加工する技術:ハイドロフォーム( 液圧成形)、断面変形プレス曲げ、プレス曲げ、回転引き曲げ、3DQ(3次元熱間曲げ焼入れ)……鋼管を使用することで溶接を削減でき軽量化とコスト削減が可能。また金型の削減が可能であり、部品製造コストの10~30%低減を実現する。

◆スペースフレーム構造:3次元の骨格を用いた自動車の車体構造……モノコック構造に勝る剛性が簡単に得られ、大幅な軽量化を実現する。

◆良加工性超ハイテン鋼管:良加工性超ハイテン鋼板を素材として使用したレーザ溶接鋼管……耐衝撃軽量構造車体を実現する。

NSafe-AutoFrameConcept

 

 

 

admin 2021年6月2日 (水曜日)
admin

日本アイ・ティ・エフ、アーク放電を用いた新型のDLCコーティング装置を開発

2年 10ヶ月 ago
日本アイ・ティ・エフ、アーク放電を用いた新型のDLCコーティング装置を開発

 日本アイ・ティ・エフ( https://nippon-itf.co.jp/ )は、アーク放電を用いた新型のDLC(Diamond-Like Carbon)コーティング装置「MF720」を開発、装置販売とともに受託加工サービスを開始した。

MF720

 DLC膜は摩擦抵抗が少ない膜として知られ、各種工具、金型、機械部品、自動車部品の分野で広く適用されている。DLC膜の中でも、アーク放電を用いた水素を含まない膜は、ダイヤモンドに次ぐ硬さからセラミック並みの硬さまで硬度の制御が可能で耐久性に優れているが、一方で膜表面が粗く、コーティングした部品と組み合わせた部品が摩耗してしまう場合があるため、成膜後に仕上げ研磨が必要だった。

 今回開発した装置は、膜表面の粗さを改善するため、成膜中に発生する不要な粗大粒子と成膜成分を磁気フィルターで分離し、成膜成分のみを基材側に導くフィルタードアーク方式を採用している。従来のフィルタードアーク方式は、フィルターの部分が大きく、複数のユニットを取り付けて量産性を高めるには不向きであり、またメンテナンスも大変手間のかかるものだったという。同社では、この点を重点的に研究し、コンパクトでも粗大粒子の捕獲効率の良いフィルターを開発、基材を出し入れする扉にも取り付けることができ、内部の清掃も容易な構造としメンテナンス性を向上させた。

 これにより、粗大粒子が少なく、欠陥の少ない緻密な被膜を成膜できるようになり、膜厚1μmあたりの表面平均粗さを、従来比の1/6である0.02μmまで改善した。また、本装置はカソード材料供給機構を備え、最大で膜厚20μmまでの厚膜が成膜可能。同時に開発した密着層の成膜プロセスと合わせ、膜と基材との密着性にも大変優れている。DLC膜の膜硬度も15~75GPaと広い範囲での制御が可能で、さまざまな用途に適用できる。

 装置の有効成膜エリアは直径720mm×高さ750mmと大きく、量産に使用できるサイズとなっている。現在はこのサイズ1種類のみだが、今後は小型装置のラインアップを充実していく予定。6月より機械部品、自動車部品を製造する内製メーカー向けに装置の販売を開始するとともに、順次、受託加工サービスを受け付けていく。

admin 2021年6月2日 (水曜日)
admin

大陽日酸、工業炉向けの水素-酸素バーナの開発を開始

2年 10ヶ月 ago
大陽日酸、工業炉向けの水素-酸素バーナの開発を開始

 大陽日酸( http://www.tn-sanso.co.jp )は、水素ガスを燃料として用いる工業炉向けの水素-酸素バーナの開発を開始した。

 同社では水素-酸素バーナを工業炉へ適用するに際して、①水素の1Nm3あたりの低位発熱量は天然ガスに比較して約27%小さいため、天然ガスと同じエネルギーを得るためには多くの流量が必要となる、②水素を燃料とすると火炎温度が高く燃焼速度も大きいため、バーナ近傍が高温になりやすくバーナへの熱負荷が大きい、③火炎温度が高くNOx排出濃度が高くなる、④天然ガスを燃焼させる場合より輻射伝熱が小さい、の課題から、従来のバーナ設計を見直し十分に安定した燃焼が可能な構造を見極める必要があると考えている。

 同社ではこれまで、いくつかの水素-酸素バーナの試験を実施している。まず110kW規模(天然ガス10Nm3/h、水素38Nm3/h相当)の酸素バーナに関して炉内燃焼試験とその数値解析を実施し、炉内温度を評価した。酸素バーナの設計・製作に関してはこれまで培った天然ガス-酸素バーナの知見を応用した。天然ガス専焼と水素ガス専焼の条件で比較したところ、実験においても数値シミュレーションにおいてもほぼ同等の炉内温度を得ることができた。この結果により、実際の炉において水素-酸素バーナを使用する場合、天然ガス-酸素バーナと同等の加熱能力を期待できる。また、シミュレーションの精度を確認できたため、今後は顧客実炉へ水素-酸素バーナを導入した際の予測が可能となった。

バーナ試験炉実験結果(炉内の温度分布)数値シミュレーションの結果(バーナ中央断面の温度分布)

 さらに、550kW規模(天然ガス50Nm3/h、水素190Nm3/h相当)の酸素バーナに関して、大気開放場における燃焼試験を実施した。その結果、天然ガス専焼から天然ガスと水素の混焼、水素専焼と燃料を変えても十分に安定した火炎を得ることが可能となり、550kW規模までの水素-酸素バーナの設計・製作に目処を付けることができた。

水素-酸素バーナの火炎

 同社では、これまでに開発した水素-酸素燃焼技術をベースに、今後は低NOx化、スケールアップなどの課題解決に取り組み、各種の工業炉向けに様々な顧客ニーズに対応できる最適な水素-酸素バーナの開発を行い、実機への導入を提案していく。

admin 2021年5月27日 (木曜日)
admin

FPS、第14回岩木賞の業績募集を開始、表彰費用の賛助も募集

2年 10ヶ月 ago
FPS、第14回岩木賞の業績募集を開始、表彰費用の賛助も募集

 未来生産システム学協会(FPS)は、「第14回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」の業績募集を開始した。締め切りは9月30日。また同時に、岩木賞表彰費用の賛助の募集も実施している。

 岩木賞はトライボコーティング技術研究会が提唱し、NPO法人である精密科学技術ネットワーク(PEN)が2008年度から創設し表彰していたが、2011年度からは一般社団法人であるFPSが継承し表彰している。

 表面改質、トライボコーティング分野で多大な業績を上げた故 岩木正哉博士(理化学研究所 元主任研究員、トライボコーティング技術研究会 前会長)の偉業を讃えて、当該技術分野と関連分野での著しい業績を顕彰するもの。募集対象は表面加工、表面改質、表面分析、トライボロジー、コーティングに関わる研究・開発・技術・支援・交流・事業化などで著しい成果、業績(製品、サービス、学会発表や特許申請/登録されたものを含む)を上げた個人、法人、団体で、表彰対象は受賞業績が公表できること、FPSに参加できること、と定めている。

 本年度は大賞、優秀賞、特別賞、奨励賞を中心に募集を行うが、国際賞、事業賞、功績賞の申請も受け付ける。国際賞以外は、原則として日本国内に居住地、研究室や本社、本部、主力工場などの活動拠点を有する個人、法人、もしくは団体が対象。国際賞は、海外に居住地などの主たる活動拠点を有する個人、法人、団体が対象となる。

 各賞の審査基準は以下のとおり。

【大賞】
・開発技術が世界的に高い水準にあり、新規独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化されており、経済的・社会的貢献が認められるもの。
【優秀賞】
・開発技術が日本国内において高い水準にあり、新規独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化されており、社会的貢献が認められるもの。
【特別賞】
・開発技術が当該業界において高い水準にあり、新規/独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化されているか、実用化の途上にあり、社会的貢献が認められるもの。
【奨励賞】
・開発技術が当該業界において優れており、新規/独創性に優れたもの。
・開発技術が実用化の途上にあり、実用化の努力が認められるもの。
【事業賞】
・事業化技術または事業/ビジネスモデル、サービスなどが当該業界で影響力を有し、当該業界の知名度を上げる、インフラの構築を行う、社会生活に恩恵をもたらすなどの効果を通して、活性化、発展に貢献をなし、波及効果を生むなどの活動の成果、努力が認められるもの。
【国際賞】
・開発技術または事業化技術または事業/ビジネスモデル、サービスなどが当該業界で影響力を有し、当該業界の我が国との関係において協力、連携、協調関係を育み、または当該業界の知名度を上げ、活性化、発展に貢献をなし、波及効果を生むなどの活動の成果、努力が認められるもの。
【功績賞】
・大賞、優秀賞、特別賞、奨励賞の評価尺度と、事業賞、国際賞の評価尺度のいずれの面でも極めて顕著な業績が認められるもの。

 岩木賞受賞業績については、2022年2月に開催予定のシンポジウム「トライボコーティングの現状と将来」で、表彰および受賞業績の記念講演がなされる。岩木賞に関する問い合わせ、申請様式の請求は、FPS表彰顕彰部門岩木賞表彰事業部内 事務局まで(E-mail:award@fpst.work)。

 同研究会ではまた、岩木賞表彰費用の賛助を募集している。問い合わせ・申し込みは、トライボコーティング技術研究会 岩木賞表彰基金まで(award@tribocoati.st)。

 

admin 2021年5月20日 (木曜日)
admin

三井化学、抗ウイルスフィルムがSIAAの抗ウイルス材料に認定

2年 11ヶ月 ago
三井化学、抗ウイルスフィルムがSIAAの抗ウイルス材料に認定

 三井化学( https://jp.mitsuichemicals.com/ )は、同社の銅合金蒸着技術を用いた抗ウイルスフィルム「カッパーストッパー®」が、SIAA(抗菌製品技術協議会)認定試験機関の評価試験において、多様なウイルスに効果を発現することを確認したと発表した。併せて、SIAAの抗ウイルス材料認定を取得したという。

カッパーストッパー®フィルム

 カッパーストッパーは、ポリプロピレンフィルムの片面に、銅合金蒸着技術を施したもの。同社が独自に開発した銅合金蒸着法によるコーティング材料で、銅が持つ抗菌・抗ウイルス性能を落とさず、錆びやすく変色しやすい欠点を合金化することで解決している。フィルム化することで、銅の持つ抗菌・抗ウイルス性を幅広い工業製品に応用することが可能になる。

カッパーストッパー®フィルムの構成図

 この結果を受けて同社は、コロナ下で拡大する抗ウイルスマーケットへの本格的な市場開発を開始する。安定的に抗ウイルス性を必要とし、繰り返し使用する用途に適していることから、医療・介護・福祉・住宅・オフィス・学校・飲食店・工場等での使用を想定している。

admin 2021年5月11日 (火曜日)
admin

日立ハイテクサイエンス、光学部材の分光特性検査に特化した分光光度計

2年 11ヶ月 ago
日立ハイテクサイエンス、光学部材の分光特性検査に特化した分光光度計

 日立ハイテクサイエンス( https://www.hitachi-hightech.com/hhs/ )は、先端産業分野で需要が高まる光学部材の分光特性検査に特化した分光光度計「UH4150AD+」の販売を開始した。

分光光度計「UH4150AD+」

 近年、人間の目では見ることができない波長800nm~1700nmの近赤外線によるカメラやセンサーが先端産業の幅広い分野で活用されている。特に、自動運転やスマートフォンで利用が始まったLiDAR(近赤外光を利用したリモートセンシング技術)によるリモートセンシング技術、夜間など暗い状況下でも撮影可能な暗視カメラ、セキュリティを守るための顔認証や虹彩・静脈認証、5Gで需要が増加する光通信など、その用途は範囲が拡大しており、技術も高度化している。

 こうした光学機器の性能向上に伴い、使用されるレンズやフィルタをはじめとした光学部材の吸光度、透過率、反射率などの分光特性を高精度に測定できる装置が求められている。また、光学部材には光学薄膜や光吸収剤によって特定波長のみを透過させ、不要な波長域をカットするバンドパス機能が施されているが、この機能を高精度にするため、評価指標の一つである測光レンジの範囲拡大が必要とされている。

 今回開発した「UH4150AD+」(Advanced Spec Plus)は、光学部材向け分光特性検査装置として、従来機よりも近赤外線領域における分光特性の測定性能を向上させたモデルで、先端産業での利用が盛んな光学部材の測定に適した装置となる。主な特徴は以下のとおり。

  1. 近赤外線領域の測光レンジ7Absに対応・・・最新のカメラやセンサーに用いられるバンドパスフィルタは、6Abs(透過率0.0001%)~7Abs(透過率0.00001%)以下の遮光性能の光学薄膜が施されている。開発品は、低透過率を測光する際の信号処理を改良したことで、近赤外線領域の透過率を従来比100分の1となる7Absでの測光レンジに対応した。これにより、従来は測定ができなかった近赤外線領域での微弱な透過率でも高精度な測定が可能となった。
  2. 高感度なInGaAs半導体検出器を新規搭載・・・従来機では近赤外線領域にPbS検出器を使用していたが、より高感度なInGaAs半導体検出器を新たに搭載した。従来機と比較して、低透過率時での有効な低ノイズ測定が可能になったことで、より正確な測定データを取得できる。
  3. 平行光束の光学系を踏襲・・・カメラのレンズ光学系は平行光線で設計されているため、使用される光学部材の評価装置に対して入射光の平行度が重要とされている。開発品は、従来から定評のある平行光束を採用しているため、透過・反射測定の正確な入射角が担保され、精度の高い反射測定が可能となる。
admin 2021年5月7日 (金曜日)
admin

大同特殊鋼、優れた低反射率と耐久性を併せ持つターゲット材

2年 11ヶ月 ago
大同特殊鋼、優れた低反射率と耐久性を併せ持つターゲット材

 大同特殊鋼( https://www.daido.co.jp/ )は、優れた低反射率と耐久性を併せ持つ、メタルメッシュ黒化膜用ターゲット材を開発し、「STARMESH®(スターメッシュ)-β1(ベータワン)」として販売を開始した。

 同品を用いて、スパッタリング法で成膜した黒化膜は、銅(Cu)の導電膜の反射率を10~20%に抑えることが可能。また、この黒化膜は車載向け電子部品を想定した環境試験(温度85℃、湿度85%、1000時間)で、導電性や色の変化がないことを確認している。そのため、従来の黒化膜の銅酸化物(CuO)と比べ、厳しい環境での使用や適用製品の長寿命化が実現できるという。

 また、同品はインジウムなどの希少金属を使用しない金属ターゲットであるため、タッチパネルの透明導電膜に使用されるセラミックス系のITO(酸化インジウムスズ)と比べて低コストでの生産が可能となる。さらに、同社の特殊溶解技術により、使用後のターゲット材も容易にリサイクルが可能なため、サステナブルな社会に寄与する。

 同社では、今後の需要拡大が見込まれる、車載用タッチパネルや電子黒板などの大型タッチパネルの分野での拡大を目指す。

ターゲット材外観

 

admin 2021年4月30日 (金曜日)
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金沢大学、ダイヤモンドウェハの平坦化における研磨代替技術を開発

2年 11ヶ月 ago
金沢大学、ダイヤモンドウェハの平坦化における研磨代替技術を開発

 金沢大学ナノマテリアル研究所の德田規夫教授らの研究グループは、ドイツDiamond and Carbon Applicationsのクリストフ E. ネーベルCEOとの共同研究により、ダイヤモンドの研磨代替技術となる機械的ダメージフリー平坦化技術を開発した。

今回開発したダイヤモンドウェハの平坦化技術のメカニズム

 カーボンニュートラル実現のために、半導体デバイスのさらなる省エネ化が必要となり、次世代ワイドバンドギャップ半導体の開発が期待されている。その中でも特に高い絶縁破壊電界とキャリア移動度、熱伝導率、そして長時間の量子情報保持などの特長を有するダイヤモンドは、究極の半導体デバイス材料として期待されている。しかし、そのデバイスの土台となるダイヤモンドウェハの製造コストや製造プロセスに関する課題がダイヤモンド半導体の応用を大きく制限している。

 2021年2月に、德田教授らの研究グループはニッケル中への炭素固溶によるダイヤモンドエッチングを基軸としたニッケル鋳型を用いたダイヤモンドのインプリント技術を開発した。インプリント技術は、大量生産・低コスト化に有効なプロセス技術であり、ダイヤモンドのデバイス構造作製のための加工プロセスとして期待されている。一方、ダイヤモンド表面の平坦化には一般的に機械研磨が用いられている。しかし、機械研磨では一見平坦な表面が形成できても、ダイヤモンド表面に機械的なダメージが入りデバイス特性が劣化することが知られていた。今回、研究グループが開発した機械的なダメージが入らないインプリント技術を応用し、ダイヤモンドとニッケルを接触させアニールするだけで平坦なニッケル表面を単結晶ダイヤモンドに転写する新しいダイヤモンドの平坦化法を開発した。

開発技術処理前(左)と処理後(右)の単結晶ダイヤモンド表面の走査型電子顕微鏡像

 今後、この研磨代替技術を発展させ、ダイヤモンドウェハの研磨技術の課題であった機械的ダメージフリー・大面積・低コスト化を解決し、ダイヤモンド半導体の実用化に向けて大きく前進することが期待できるという。

開発技術処理前(左)と処理後(右)の単結晶ダイヤモンド基板の写真

 

admin 2021年4月30日 (金曜日)
admin

日本ペイントHD、岡山県で自動車用塗料生産工場を新設

2年 11ヶ月 ago
日本ペイントHD、岡山県で自動車用塗料生産工場を新設

 日本ペイントホールディングスは、グループ会社で自動車用塗料を手掛けている日本ペイント・オートモーティブコーティングス(NPAC)の自動車用塗料生産工場(NPAC岡山工場)を岡山県勝田郡勝央町に新規に建設する。

 NPAC岡山工場の新設は、2021年3月5日に発表した日本ペイントグループ新中期経営計画(2021~2023年度)に含まれており、既存のNPAC広島工場(広島県広島市南区)の老朽化対策ならびに、中国・九州地区の顧客向けの自動車用塗料製造の主拠点として進めるもの。新工場は、日本ペイント 岡山工場内の敷地に、2021年5月から建設を開始し、2022年5月竣工、同年7月からの稼働開始を予定している。

 NPAC岡山工場においては、生産性・安全性のさらなる向上を目指し、最新の在庫管理システムや生産実行システムなどのスマートファクトリーアイテムならびに自動化技術の導入を計画している。また、生産プロセスにおける省エネルギー・低炭素への対応に向けて、最新設備の導入を予定しており、ESGに配慮した工場を目指している。

 なお、現広島工場の生産機能を岡山工場に2023年7月目途に移転するが、技術、営業、物流等の機能は存続する。

NPAC岡山工場 工場棟完成予想図

 

admin 2021年4月28日 (水曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2021年4月号 特集「工具の表面改質」「浸炭処理」4/26に発行

2年 11ヶ月 ago
メカニカル・サーフェス・テック2021年4月号 特集「工具の表面改質」「浸炭処理」4/26に発行

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2021年4月号 特集「工具の表面改質」、キーテク特集「浸炭処理」が当社より4月26日に発行された。

 今回の特集「工具の表面改質」では、高硬度材の穴あけ加工で長時間、高精度加工を実現するために開発されたコーティング被膜とその被膜を活用した高硬度材加工用ドリルについて、CVD法の耐摩耗性を維持しながらPVD法の耐欠損性を実現する被膜CVD-AlTiNについて、鋳物用アルミ合金であるAC2Aの切削に使用する工具のta-C膜について、インターモールドや金型展などで展示された表面改質技術について紹介する。

 また、キーテク特集「浸炭処理」では、浸炭熱処理炉の異常予兆診断について、熱処理における温度に関する基礎とセンサや計測について紹介する。

特集:工具の表面改質

◇高硬度材加工用ドリルとコーティング被膜の適用事例・・・ダイジェット工業 行成 伸二
◇新世代ミリング用コーティング材種:ナノ積層CVD-AlTiN・・・住友電気工業 奥野 晋
◇切削工具におけるDLC被膜の開発動向・・・オンワード技研 瀧 真
◇「INTERMOLD2021/金型展2021/金属プレス加工技術展2021」に見る工具・金型の表面改質技術・・・編集部

キーテク特集:浸炭処理

◇浸炭熱処理炉の異常予兆診断・・・光洋サーモシステム 戸田 一寿
◇熱処理および炉における温度計測・制御技術の重要性と適用・・・チノー 石川 嘉寿樹

連載

トップインタビュー・・・・黒岩 雅英 氏(東京電子)
現場に行こう!・・・島貿易 トライボロジー・ラボ
注目技術:宇宙分野における固体潤滑技術・・・NASA
Dr.クマガイののんび~り地球紀行 第15回 カンボジア編・・・不二WPC 熊谷 正夫

トピックス

トライボコーティング技術研究会、第13回岩木賞贈呈式、第23回シンポジウムを開催
表面技術協会、第72回通常総会・協会賞など各賞授与式を開催
JAST、金属ドープDLCテーマに機能性コーティングの最適設計技術研究会を開催
サーフテクノロジー/不二WPC、TOKYO PACK 2021で滑り性・耐摩耗性向上の表面改質技術を披露

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admin 2021年4月26日 (月曜日)
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DOWAサーモテック、トヨタ自動車より「技術開発賞」を受賞

2年 11ヶ月 ago
DOWAサーモテック、トヨタ自動車より「技術開発賞」を受賞

 DOWAサーモテック( https://www.dowa.co.jp/thermo-tech/ )は、トヨタ自動車と共同で開発した「SS真空浸炭炉」について、その取組みおよび成果が高く評価され、革新的な技術でものづくりを推進したサプライヤーに授与される「技術開発賞」をトヨタ自動車より受賞したと発表した。

 熱処理ラインは、機械加工ラインとは離れた専用エリアに大型設備を並べ、24時間連続操業のもと、まとめて大量に生産する方法が一般的。今回DOWAサーモテックがトヨタ自動車と共同で開発した「SS真空浸炭炉」は、複数セル方式を採用することにより小ロット生産を可能にし、同時に処理時間も短縮できることから、機械加工ライン内への設置を可能にした。これにより、前後の機械加工ラインと同期した生産が可能となり、必要な時に必要な量を生産することができる。また、小ロット生産化により品質ばらつきの低減や生産リードタイムの短縮、コスト低減が期待できる。さらに、この熱処理設備は真空浸炭技術の活用により、クリーンな作業環境の実現やCO2排出量の大幅な削減にも寄与できるため、従来の熱処理プロセスを画期的に改善することが期待できるという。

 トヨタ自動車においては、2020年に「SS真空浸炭炉」を導入することにより、生産性を維持したまま、熱処理ラインの工数の削減および操業時間の短縮を実現している。また、非稼働時のロスや物流在庫も削減することができ、熱処理ラインの原価低減にも寄与しているという。

admin 2021年4月22日 (木曜日)
admin

ヤマシタワークス、感染症対策への協力で尼崎市から感謝状を授与

3年 ago
ヤマシタワークス、感染症対策への協力で尼崎市から感謝状を授与

 ヤマシタワークス(http://www.yamashitaworks.co.jp/)は、本社のある兵庫県尼崎市の医療従事者への寄付など、新型コロナウイルス感染症対策への様々な取組みが評価され、稲村和美・尼崎市長から表彰状を授与された。

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け国が労働者や企業のための支援策を打ち出している中、同社では昨年2月ごろから近隣の給食の牛乳や生花などの購入支援、マスクの入手が困難な中での多彩な図柄の手作りマスクの医療機関・学校・幼稚園などへの寄贈、医療従事者への寄付など、感染症対策への様々な取組みを続けている。今回、この感染症対策への協力が評価され、尼崎市からの感謝状贈呈に至ったもの。

 同社は、ゼラチンが主成分の食品性研磨材を核に水分を含有して弾力性・粘着性を持たせダイヤモンド砥粒を複合させた研磨材を、高速で滑走させ発生する摩擦力でワーク表面を磨く独自技術「エアロラップ」を持つ。乾式と湿式の中間的な湿潤状態で相手材にダメージを与えることなく、精密研磨、最終仕上げや鏡面仕上げを可能にするこの工法を用いて同社では、感染症治療で需要が急増している人工呼吸器の部品や備品の鏡面仕上げ加工なども手掛けている。
 

尼崎市長からの感謝状を手にするヤマシタワークス社員

 

kat 2021年4月14日 (水曜日)
kat

日本鋳造工学会、金型の表面処理テーマに第137回非鉄鋳物研究部会

3年 ago
日本鋳造工学会、金型の表面処理テーマに第137回非鉄鋳物研究部会

 日本鋳造工学会 東海支部 非鉄鋳物研究部会は3月12日、「第137回研究部会」をWEB ミーティング形式で開催した。今回は「金型の表面処理技術-新化―」をテーマに4件の講演と総合討議がなされた。

・「ダイカスト金型の最新表面処理技術」河田一喜氏(河田技術士事務所)…水素センサと酸素センサにより雰囲気制御をした制御 窒化+酸化 処理は、比較的安価な処理費で小さいピンから大重量のダイカスト金型まで処理可能である。その特性により耐溶損、耐焼付き、耐ヒートチェック性を向上できる。窒化拡散層+高機能膜 (PVDあるいはPCVD)を形成することで、耐焼付き・耐溶損だけでなく耐ヒートチェック性・離型性にも効果を発揮できるとした。

・「最新表面処理(HiPIMS)コーティングの技術紹介」内田智也氏(日本エリコンバルザース)…HiPIMS(高出力インパルスマグネトロンスパッタリング)はドロップレットのない非常にスムースな表面、高硬度と優れたコーティング密着性、高密度のマイクロ構造というメリットが得られる一方で、出力レベルおよびパルス幅を変える場合の選択の柔軟性の低さや、シングルパルスの間に電圧・電流が不安定になりコーティング条件が一定でなくなること、高コストとなることなどの課題があった。これに対し、100%独自開発の電源供給技術によりパルス幅と電流が拡張可能、パルスの形を自由に制御可能、電流密度のレンジを非常に幅広くカバー可能、需要に合わせてコーティングを細かくカスタマイズ可能といった多くの利点を持つ独自のHiPIMS技術「S3p™」を紹介した。

・「鋳造時のインライン浸炭窒ダイカスト環境下における鋳造中の金型軟窒化・炭化プロセス開発化」田端英二氏(トヨタ自動車)…通常の雰囲気下における繰り返しの加熱で脱窒する問題に対して、窒化源を離型剤とともに付与することを検討。尿素配合(尿素28.6wt%)離型剤を使用し950ショット評価した結果、以下の結論を得た。①鋳造中の金型軟窒化が認められた。また窒素濃度、金型表面硬化速度、型温にはそれぞれ相関がある結果を示した。②窒化は短期に拡散し始め飽和する傾向を示した。③高温部においてショット数を重ねると炭化も認められた。窒化+炭化により硬度がさらに上昇した。④ダイカストにおける金型に発生するクラックおよび摩耗を鋳造しながら抑制することが期待できる。

・「ツールマークに左右されない型作り―ショットピーニングによる磨きレス化ヒートクラック対策―」鈴木祐樹氏(SUBARU)…ショットピーニング(SP)を用いることで金型の磨きレス化が可能なことを確認。耐ヒートクラック(H/C)性を得るには圧縮応力は必須だが、表層の組織は効果を左右する恐れがありナノ結晶化等を含め、求める組織と効果の知見を得ることが重要とした。また、加工(切削、放電)条件によって表層の形態、特性が変化するため、SP処理効果を安定的に得るには加工条件⇔SP条件の相関をつかむ必要があり、本磨きレス化は選択肢の一つとして検討の価値があると考えた。本取組みによって同社としては磨き工数削減を得ることができた(80H⇒8Hへ)ほか、耐H/C性の効果を得ることができたと結論。一方で、未だ不安定な状態であり、さらなる安定化、高い再現性を得る必要があるとした。

kat 2021年4月12日 (月曜日)
kat

日本エリコンバルザースとエリコンメテコジャパンが合併へ

3年 ago
日本エリコンバルザースとエリコンメテコジャパンが合併へ

 日本エリコンバルザースとエリコンメテコジャパンは、2021年6月1日に合併を行い、エリコンジャパンとして発足する。

 ドライコーティングの受託加工を中心に行う日本エリコンバルザースと溶射装置や各種溶射材料の販売を中心に行うエリコンメテコジャパンの表面処理事業に携わる二社の経営資源の統合を図り効率化を進める。

 合併は日本エリコンバルザース株式会社を存続会社とする被吸収合併を行う予定。今回の合併により、エリコンメテコジャパン株式会社は、「エリコンジャパン株式会社 メテコ事業本部」となる。また、存続する日本エリコンバルザース株式会社は、2021年6月1日付で「エリコンジャパン株式会社」に商号変更を行い、また、バルザース事業組織は「バルザース事業本部」となる。

 合併後のメテコ事業の組織・運営体制は、現在と変更がないという。メテコ事業本部の本社機能は現在のまま東京オフィスにおき、名古屋支店/ロジスティックス、神戸支店という拠点体制で事業を継続する。営業、技術開発、システムエンジニアリング、フィールドサービス、コーティングサービス、ロジスティックス、広報、管理部門(経理、人事総務、IT)の各部門の所在場所、連絡先、個人のメールアドレスも現在から変更はないという。

日本エリコンバルザース 本社

 

 

admin 2021年4月12日 (月曜日)
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日新電機、インド国内3拠点目となるPVDコーティングサービス工場設立

3年 ago
日新電機、インド国内3拠点目となるPVDコーティングサービス工場設立

 日新電機( https://nissin.jp/ )は、インド北西部のグジャラート州アフマダーバード近郊のマスコット工業団地内にインド国内3拠点目となるコーティングサービス工場を設立、2021年2月からPVD法による窒化物コーティングやDLCコーティングの受託加工を開始した。既に稼働しているデリー近郊のノイダ工場、ムンバイ近郊のプネ工場と合わせて3工場体制とし、広大なインドにおいてサービス体制を強化する。

グジャラート工場外観(左)、iDS-500(右)

 グジャラート州は、自動車でインド国内最大シェア、二輪車で第2位のシェアを占める日系自動車メーカーの現地法人やインドの大手国内自動車メーカー、米国の自動車メーカーが生産工場を構えるインド有数の工業地域であり、各社とも生産能力の増強を進めている。これに伴う切削工具や各種金型、自動車部品などへのコーティング需要に迅速に対応するため、同地でのPVDコーティングサービス工場の設立を決定した。

 マスコット工業団地は、自動車関連企業が集積する地域のほぼ中央にあり、日系企業専用のマンダル工業団地へも車で約30分の立地にあるという。コーティング設備は、日新電機のグループ会社の日本アイ・ティ・エフ( https://nippon-itf.co.jp/ )の最新機種である「iDS®シリーズ」を導入し、最先端のコーティング技術を適用することで、より高度な切削加工・成形加工を望む顧客ニーズに対応する。また、研磨設備などの基材加工設備も併せて導入することで、コーティング膜の性能を最大限発揮できる生産体制を整えた。

 インドでは、中間層の増加により自動車の需要は今後も増加が見込まれる。また、切削工具・金型の長寿命化・加工速度向上によるコスト削減効果や、加工油の使用量削減による環境負荷低減効果への期待からコーティング技術が注目されている。

admin 2021年4月8日 (木曜日)
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Checked
40 分 22 秒 ago
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