第113回 秋の叙勲に、わが国ベアリング業界の先進性を思う
提供:NTN 平成22年秋の叙勲では各界で功労のあった計4,173名が受章、ベアリング分野からNTN会長の鈴木泰信氏が旭日重光章を受章した。同氏は、同社社長、会長として産業の発展に寄与したほか、日本ベアリング工業会の会長、ならびに近年設立された世界ベアリング協会の初代会長としてベアリング業界の発展に寄与した功績が評価されたもの。
世界を牽引するベアリング大国日本

ベアリングは本欄でも度々取り上げているとおり、自動車・新幹線や風力発電用など、あらゆる機械の回転部分を支え、省資源や環境保全に貢献する製品として、その重要性が年々高まってきている。また、日本から世界に向け発信できる優位性の高い商品の一つであり、それゆえ日本製ベアリングの世界での流通とともに、1990年代の終わりから偽造ベアリング製品がアジア、中近東、中南米、アフリカなどに多数流通、問題化してきていると言えよう。これに対し日本ベアリング工業会では、こうした偽造品を使用した自動車や電気製品などは早期破損に繋がる可能性が高く、消費者や工場の作業者などを危険にさらすことになるほか、機械の突然停止による生産効率の低下、メンテナンスコストの増大など経済的な損失を招くことも少なくないとの懸念から、世界に先駆け、不正商品の生産拠点があると思われる中国に2000年11月末に第1次ミッションを派遣、以来2008年までに第8次ミッションを派遣し、中国政府機関に対し不正なベアリングによる身体、生命への危険性を訴えながら、その製造・販売の撲滅に向け取締りの要請を行うなどの対策に努めている。WBAでもこの日本ベアリング工業会の取組みが評価され、偽造品対策が強化されてきている。
省エネ・高信頼性ベアリング製品の開発によりと市場投入によりさらなる活性化を

秋の褒章でのベアリング業界からの栄えある受章を機に、あらためて世界に先駆けたわが国ベアリング業界が一丸となっての不正商品撤廃による製品の信頼性向上、地球環境保全への取組みと、世界のベアリング業界への波及の進展を思いつつ、世界に誇る省エネ・高信頼性ベアリング製品のたゆみない開発と市場投入によって、わが国ものづくり産業の活性化につながっていくことを期待したい。