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 先ごろエリック・クラプトンが来日、ともにUKロック3大ギタリストと称されるジェフ・ベックと競演した。本作は、そのクラプトンのアンプラグドなナンバー『チェンジ・ザ・ワールド』が主題曲、『サタデー・ナイト・フィーバー』のジョン・トラボルタが主演の、ハートウォーミング・ラブストーリーである。

 カリフォルニア州の田舎町ハーモンで自動車整備工場を経営するジョージ(ジョン・トラボルタ)は、気さくな人柄から町中の人々に愛されている。購入した太陽電池パネルも組み立てられず、家具アーティストのレイス(カイラ・セジウィック)への思いも打ち明けられないような不器用なジョージだったが、37歳の誕生パーティが開かれた夜、不思議な閃光を受け気絶してから才気あふれる人物に一変する。寝る間を惜しんで乱読しては大量に知識を吸収、彼の頭には、次々に画期的なアイデアが浮かんでいく。家庭菜園も手がけるジョージは、導入した太陽光発電との連想からか、ごみ発電システムも考案する。

 ごみ発電は、廃棄物の焼却により発生する熱を利用して発電を行う。従来型のごみ発電では、ごみの中の有害成分で焼却炉ボイラーが腐食するのを防ぐため、蒸気温度を250?300℃と低めにして蒸気タービンを回していたため発電効率は5?15%と低かった。そこで、ごみ焼却によって作られた蒸気をさらにガスタービンの高温排熱で加熱、タービンを回す蒸気の温度を350?400℃とし蒸気タービンの出力を増加させ、発電効率30?34%を達成する複合発電システムが導入されている。また、廃棄物を熱で固形燃料化(RDF化)し、これを燃料に焼却炉ボイラーで450?500℃の蒸気を作り、この蒸気でタービンを回して発電することで発電効率約30%を実現するのがごみ固形燃料(RDF)発電である。ジョージが肥料から発想したのであれば、これかもしれない。

 ところで不眠不休で発明に励むジョージだが、いやに血色がよく、いっこうに痩せた様子もないどころか、ふくよかなのが何とも不自然だ。知恵は切れているが、動きは『サタデー・ナイト・フィーバー』のときのような切れは、ないんだろうなあ。