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トライボコーティング技術研究会、第15回岩木賞贈呈式、第25回シンポジウムを開催

1年 8ヶ月 ago
トライボコーティング技術研究会、第15回岩木賞贈呈式、第25回シンポジウムを開催

 トライボコーティング技術研究会と理化学研究所は2月24日、埼玉県和光市の理化学研究所 鈴木梅太郎記念ホールで、「岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)第15回贈呈式」および「第25回『トライボコーティングの現状と将来』シンポジウム-ナノ多孔高分子フィルム、先進コーティング、高機能3Dプリンタ、CT技術-」をハイブリッド開催した。

第15回岩木賞受賞者と関係者


 岩木賞は表面改質、トライボコーティング分野で多大な業績を上げた故・岩木正哉博士(理化学研究所元主任研究員、トライボコーティング技術研究会前会長)の偉業を讃えて、当該技術分野と関連分野での著しい業績を顕彰するもの。トライボコーティング技術研究会が提唱して2008年度に創設、現在は未来生産システム学協会(FPS)が表彰事業を行っている。

 第15回目となる今回は、東海国立大学機構 岐阜大学 武野明義氏が業績名「クレージング現象を利用したナノ多孔高分子フィルムおよび繊維の開発」により大賞に輝いた。また、新明和工業が業績名「ダイヤモンド成膜工具の刃先先鋭化装置の開発」により事業賞に輝いた。さらに、慶応義塾大学 小池 綾氏が業績名「高重力場を援用した高機能 3Dプリンタの開発」により奨励賞を受賞した。

 大賞の業績「クレージング現象を利用したナノ多孔高分子フィルムおよび繊維の開発」は、高分子材料の初期破壊現象であり工業的には抑制されるべき現象であるクレージング現象を制御しつつ活用しナノ多孔高分子フィルムおよび繊維を開発するという世界唯一の技術である。高分子のクレーズの内部はナノオーダーのフィブリル(繊維束)とボイド(孔)からなるスポンジ状ナノ構造であり、本業績では、脆性に破壊する高分子フィルムの破壊直前の状態を管理・制御する技術を開発することで、フィルムあるいは繊維状の素材に、安定したクレーズを生じさせるとともに、規則構造を持たせることに成功したもの。本技術により、視点により透明性が異なる視界制御性フィルムや水中にマイクロバブルを発生する膜として上市されていることや、本技術を繊維製品等に多用途展開するベンチャー企業FiberCrazeがスタートしていることなどが評価され、受賞に至った。

 受賞の挨拶に立った武野氏は、「大学院生だった40年前に理化学研究所で岩木正哉先生のご指導を受けて研究を進めた。今回岩木先生の偉業を讃えて創設されたこの賞を受賞する栄誉にあずかり、岩木先生から賞をいただいた気分で大変感慨深い」と語った。

左から、大森会長、武野氏、当日プレゼンターを務めたFPS表彰顕彰部門長 藤井 進氏

 

 また、事業賞の業績「ダイヤモンド成膜工具の刃先先鋭化装置の開発」は、一般的にダイヤモンド成膜がTiNやTiAlNなどのPVD膜に比べて膜厚が厚く切削工具に施すと刃先Rが大きくなり切削性能が低下するのに対し、プラズマイオン処理によりダイヤモンド成膜された切削工具の刃先を先鋭化する装置を開発し、CFRP加工などで従来から行われている「捨て穴加工」を排除し生産効率向上に寄与する技術を確立したもの。従来からレーザーを用いてダイヤモンド成膜した切削工具の刃先を先鋭化する技術はあったが、ツールパスの設定が難しく、加工後の表面状態が必ずしも良好とは言えず一部基材の露出も見られる場合がある。本開発は、プラズマのアンテナ効果を利用し、主として刃先のダイヤモンド被膜をイオンエッチングすることで先鋭化とドロップレットの低減を可能にしたほか、一度に複数本の工具が処理可能で従来技術が抱える問題を解決できることなどが評価された。

 受賞の挨拶に立った岡本氏は、「栄誉ある賞をいただき、先鋭化装置の開発者一同が喜びを感じている。本賞を受賞し評価されたことは装置の大きなPRとなる。これを機に拡販へとつなげていきたい。先鋭化装置は販売実績がありながらも、まだまだ改良すべき点も多く、関係各位のご指導をいただきながら、より良い装置に仕上げていきたい」と語った。

左から、大森会長、岡本氏、藤井氏


 

 さらに、奨励賞の業績「高重力場を援用した高機能 3Dプリンタの開発」は、世界に先駆けて実施した高重力場アディティブマニュファクチャリング(AM)の研究成果である。宇宙空間の微小重力場で金属AMを用いた保全などを行う際、粉末が浮き、スパッタがどこまでも飛び、内部欠陥が浮力の減少でいつまでも排出されないなど、粉末床溶融結合法(PBF)は実行困難となる。本業績では、10Gまでの高重力場を作用させる装置を開発、造形プロセス評価において、1Gでは造形面に粉末が凝集したのに対し、10Gでは凹凸の少ない粉末床を形成し、スパッタの発生が合成加速度の逆数に比例して減少することが、また、造形物品質評価では、1層造形物のうねりが10Gで低減しボーリング現象を抑制することや多層造形物の密度と硬さが向上し金属組織の微細化が図られることが確認された。高重力場を援用した超微細構造造形を用いることで機能性表面生成への重要な一歩となる可能性が評価された。

 受賞の挨拶に立った小池氏は、「栄えある賞を受賞したことを機に、開発技術を社会に広めていきたい。同時に、社会に役立てていただけるよう研究開発を深化させたい」と述べた。

左から、大森会長、小池氏、藤井氏

 

 贈呈式の後はシンポジウムに移行。岩木賞の記念講演として大賞に輝いた東海国立大学機構 岐阜大学 武野明義氏が、事業賞に輝いた新明和工業 岡本氏が、奨励賞に輝いた慶応義塾大学 小池氏がそれぞれ講演を行った後、以下のとおり3件のトライボコーティング技術研究会会員による講演がなされた。

・「DLC コーティング技術とアルミ切削工具への応用展開」小磯裕太氏(日本電子工業)…従来の水素含有DLC(a-C:H)膜中にケイ素(Si)を含有させた豊田中央研究所開発のDLC-Siコーティング技術を同社のプラズマ熱処理技術とプラズマCVD装置のノウハウにより実用化した「NEO Cコーティング」のほか、UBMS法+PACVD法で成膜するDLC-P(a-C:H)やアークイオンプレーティング法で成膜するDLC-A(ta-C)、UBMS法で成膜するDLC-S(a-C:H)やW-DLC(a-C:H:W)、PACVD法で成膜するSi-DLC(a-C:H:Si)など多種の標準ラインナップを有するPVD方式で成膜した「NEO VCコーティング」の技術を紹介。製造プロセスにより構造や硬さ、表面粗さなどの特性の異なる各種のNEO VCコーティングを成膜した切削工具を用いてアルミニウム合金のドライ切削特性について評価したところ、アルミニウム合金のドライ切削にはドロップレット数を抑えたta-C膜であるDLC-Aが適している一方で、シリコンを多く含むアルミニウム合金の切削では工具摩耗が見られたことを報告した。

・「無機-有機ハイブリッドコーティングの設計と応用―機能性ハードコート材の開発―」佐熊範和氏(東京都立産業技術研究センター)…無機結合を代表するシロキサン結合(Si-O)エネルギーは極めて大きく耐光性・耐久性に優れる。しかしこうした優位性を持つポリシロキサン樹脂をコーティング用途に展開するには、脆性・密着性・硬化性・溶解性・安定性などのハンドリング性に劣るため、その改善を目的にHybrid sol-gel法を用いて有機ポリマーとハイブリッド化した無機-有機ハイブリッド樹脂を合成した。粒子ハイブリッドとしてはコロイダルシリカ(ナノシリカゾル)表面の-SiOHを反応対象としHybrid sol-gel法による有機ポリマーとの共重合により硬度・耐熱・耐久性が高まった透明ハードコート化が可能になる。無機-有機ハイブリッドコーティングとしてはまた、防汚型ハードコートやUV吸収性ハードコート、屈折率制御型ハードコートなどが実現できることを紹介した。

・「新たに発見された離散ラドン逆変換厳密解に基づくCT画像」高梨宇宙氏(理化学研究所)…フィルター逆投影(FPB)法はCT画像再構成法の数学的な基礎を与える連続空間上で定義されたラドン変換から自然に導かれるが、計測データが離散的なため骨と軟部組織の境界や金属と樹脂部品の境界などで再構成画像にアーチファクトを生じる。一方、吸収係数を未知数、投影データ群を既知数とした連立方程式を解くことで画像再構成を行う代数的再構成(ART)法は問題設定の段階から空間を離散化して取り扱うため同様のアーチファクトが生じにくい反面、ラドン変数で保障される投影データと断層画像の一対一対応が壊れてしまう。こうした問題に対し、適切な離散化で意図的に過剰系を作りそこに含まれる正則系を取り出すことでラドン変換の逆変換の厳密解を構成するアルゴリズム「SOL」を考案した。3Dプリンタで造形した既知の体積の撮像ターゲットを作成し同ターゲットのX線CT画像データを取得、SOLとFBP法を用いて同じデータに対し三次元再構成を行い、得られた三次元データを、画像解析ソフトによるセグメンテーション手法で体積を評価し撮像ターゲットの体積と比較したところ、SOLの体積評価精度がより高い結果となり、SOLの厳密解再構成画像の評価値が有効であると示された。

第25回シンポジウムのもよう

 

kat 2023年3月6日 (月曜日)
kat

表面技術協会、第74回通常総会・協会賞など各賞授与式を開催

1年 8ヶ月 ago
表面技術協会、第74回通常総会・協会賞など各賞授与式を開催

 表面技術協会( https://www.sfj.or.jp/ )は2月28日、オンライン会議システムを利用したリモート方式により「第74回通常総会および各賞授与式」を開催した。

第74回通常総会のもよう

 当日は第73期事業報告、会計報告が行われた後、第74期事業計画・収支予算について審議、満場一致で可決された。事業報告では、第145回講演大会(3月8日~9日)は新型コロナウイルス感染拡大の状況を踏まえオンライン方式で開催したこと、第146回講演大会(9月6日~7日)は埼玉工業大学との共催により対面開催したことなどを報告した。事業計画では、第147回講演大会を千葉工業大学津田沼キャンパスで開催することや第148回講演大会を山形大学米沢キャンパスで開催すること、ISO/TC107からの提案事項の審議を行うことなどを確認した。

 役員改選では、前期に引き続いて会長に松永守央氏(北九州産業学術推進機構 理事長)、副会長に幅﨑浩樹氏(北海道大学 大学院工学研究院 教授)、山本渡氏(山本鍍金試験器 代表取締役社長)が再任。今期より近藤英一氏(山梨大学 大学院総合研究部 教授)、鈴木一徳氏(スズキハイテック 代表取締役社長)が副会長に選任された。

 理事を代表して挨拶に立った松永会長は「会員数が減少している問題がある。将来計画委員会でも話し合われているが、当協会は特に女性会員が非常に少ない。今年度もう一度各委員会で対策を検討していきたい。研究課題としてはカーボンニュートラルとCASEを含めた新しいモビリティの問題、5Gの問題など色々と表面技術が関わる問題がある。こうした問題についても表面技術誌やセミナーを通して発信していきたい。会員増加にもつながるはずだ」と述べた。

挨拶する松永会長

 当日の席上では、「2023年度 表面技術協会 各賞授与式」が行われ、各賞選考委員長が受賞者と業績、受賞理由を述べた。協会賞には、安住和久氏(北海道大学 大学院工学研究院 特任教授)が業績「金属の表面処理に関する実験的および理論的研究」で受賞。安住氏は腐食防食および表面処理分野において研究開発を行ってきた。腐食科学分野においては、鉄やチタンなどの不働態皮膜の半導体的性質に関する研究において分光エリプソメトリー、光電流スペクトル、インピーダンススペクトル、電気抵抗法などを活用して、nmオーダーの極薄膜である不働態皮膜の光学物性と不働態電場保持機能の解明、皮膜の厚さおよび構造と電子物性との関係などを明らかにした。またカップリング電流マッピングによるすきま腐食、大気腐食などの腐食進展解析、光電気量マッピングによる金属中水素透過挙動解析など、各種の腐食現象可視化技術を開発している。このほか、高レベル核廃棄物地下埋設環境におけるコンテナ候補金属材料、特に極低酸素濃度環境における銅の腐食挙動解析を進めてきた。近年は、マルチ埋込み電極によるコンクリート鉄筋の腐食挙動解析、氷点下での腐食現象解明に取り組み、カップリング電流マッピングによる氷下の鋼表面の腐食挙動の可視化、積雪下腐食モニタリング、実環境における大気腐食モニタリングなどを実現している。
 表面処理分野においては、アルミニウム、マグネシウムなどの難めっき軽金属合金への耐食めっき前処理に関する研究を進め、アルミニウムの2回ジンケート前処理機構の解明、マグネシウム合金への化成処理および無電解めっき前処理、銅ナノ粒子析出活性化処理を併用したイオン液体浴からのマグネシウム上へのアルミニウムめっきの実現、薄層複合対極からの合金析出など新規めっき法の開発を行った。また、量子計算による電析素過程の解析、イオン液体浴からのチタン合金析出の効率化、イオン液体相変化におけるインピーダンス挙動解析と3成分系相図作成への応用などの新たな手法を開発した。さらに、液中大気圧プラズマの解析と応用、二酸化炭素の電気化学的還元の効率化に関する研究、導電性ポリマー多層膜の製膜と応用、各種pHセンサの開発など、幅広い分野にわたり研究業績をあげている。

協会賞を受賞した安住氏

 また技術賞では、馬渕豊氏(宇都宮大学 大学院地域創生科学研究科)ら3名が業績「AEを用いた潤滑下におけるDLC膜の密着力評価方法の開発」で受賞。開発された技術は、汎用的な摩擦試験機にDLC膜のはく離を検知するアコースティックエミッション(AE)センサを加えることで、エンジン実部品と相関のある密着力を計測する簡易的な評価方法である。課題解決のポイントは、エンジンにて高負荷条件で頻繁に生じるはく離現象の再現のため、ドロップレット等による表面欠陥の影響の緩和策として先端曲率の大きい3/8inchベアリング鋼球を圧子とした点である。また、無潤滑下での摩擦係数の変動や異物に対する感受性を潤滑下での試験条件に変更することで抑制し、AEのみによる膜のはく離検知を可能とした点である。さらに、密着力評価の際にDLC膜の適用先の油種を用いる場合もあるため、異なる油種の影響に関する解析を行った。その結果、試験後の表面粗さと摩耗による曲率変化を把握し潤滑パラメータλで整理することで、油種違いでのはく離荷重を補正比較する手法を確立した。本技術は、汎用のPin/Disk試験機にAEセンサとアンプのみを装着することで実現可能であり、わずかな投資でDLC膜の密着力を評価できる。本技術の普及のため学会発表や解説記事の執筆がなされており、2022年5月にISO4821すべり軸受-潤滑状態でのDLCコーティング部品の動的接着試験方法として発行された。本技術の確立によりDLC膜の研究・開発が促進され、機械の効率化によるCO2削減やメンテナンス費の削減、性能の向上が期待される。

技術賞を受賞した馬渕氏

 同じく技術賞で高徳誠氏(JCU 総合研究所)ら4名が業績「ポリイミドへの無電解めっき技術の実用化」で受賞。スマートフォンに代表される小型携帯情報端末には、薄くて折り曲げ可能なフレキシブル回路基板(FPC)が多用されており、絶縁層としてのポリイミドフィルム上に銅の導体層を形成したフレキシブル銅張積層板(FCCL)をもとに製造されている。FCCLの一種であるスパッタ材は、スパッタリング法によりポリイミド上に直接NiCr/Cuシード層を形成し、その後硫酸銅めっきにて導体層を形成している。スパッタ材はポリイミド/導体層界面が極めて平滑で微細配線形成に有利であるが、高価である課題を抱えていた。一方、安価なシード層形成方式として無電解めっき法がある。ポリイミド上無電解めっきプロセスで長年実用化を妨げていたのは熱負荷後の密着強度の低下である。本技術では、その原因がめっき触媒をポリイミド表面に吸着させるためのアルカリ改質層の厚みにあることを明らかにし、めっき触媒にカチオン系末端基を有する塩基性アミノ酸Pd錯体を用いることで10nm以下の薄い改質層へもめっき析出が可能となった。また、これに伴い密着強度は市場要求の150℃168時間後0.4kN/mを達成した。さらに、FPC製造時の配線はく離問題も改質層ナノレベル化が有効であることを明らかにし、量産技術の確立に貢献した。その後、生産性向上のためロール・ツー・ロール式無電解めっき装置の開発に取り組み、めっき触媒のローラー転写・めっき析出、めっき皮膜欠陥が課題であったが、めっき液硫によるフィルムの非接触ターンで解決している。

技術賞を受賞した高徳氏

 受賞者、業績などの一覧は以下のとおり。

協会賞

・安住和久氏(北海道大学 大学院工学研究院 特任教授)
業績「金属の表面処理に関する実験的および理論的研究」

功績賞

・横井昌幸氏(元 大阪府立産業技術総合研究所)
・高島敏行氏(北海道科学大学 顧問、北海道科学大学 名誉教授)

論文賞

岡井和久氏(JFEスチール)、中野博昭氏(九州大学)
業績「亜鉛めっき鋼板の耐白錆性に及ぼす化成皮膜成分複合化の影響」
(表面技術 第72巻 第5号 295~302ページ)

技術賞

・馬渕豊氏(宇都宮大学)、池原賢亮氏(日産自動車)、保田芳輝氏(堀場製作所)
業績「AEを用いた潤滑下におけるDLC膜の密着力評価方法の開発」

・高徳誠氏・松本守治氏・宮田実香氏・福本ユリナ氏(JCU)
業績「ポリイミドへの無電解めっき技術の実用化」

進歩賞

・松本歩氏(兵庫県立大学 大学院工学研究科 助教)
業績「無電解プロセスによるシリコンの表面処理と高感度レーザー分析への応用」
(表面技術 第69巻 第12号 628~632ページ ほか)

技術功労賞

・及川悦男氏(日本プレーテック)
・蘇武岳彦氏(日鉄テクノロジー 研究試験事業所)
・西本信幸氏(東洋鋼鈑 下松事業所 品質統括部)
・大山隆雄氏(JFEスチール 表面処理研究部)
・池田真二氏(メテック 生産部)
・原英樹氏(元 サーテックカリヤ)

会員増強協力者

・井上泰志氏(千葉工業大学 工学部)
・蒲生西谷美香氏(東洋大学 理工学部)
・坂本幸弘氏(千葉工業大学 工学部)

 

admin 2023年3月6日 (月曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2023年2月号 特集「表面改質最前線」、キーテク特集「表面観察」2月24日発行!

1年 9ヶ月 ago
メカニカル・サーフェス・テック2023年2月号 特集「表面改質最前線」、キーテク特集「表面観察」2月24日発行!

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2023年2月号 特集「表面改質最前線」キーテク特集「表面観察」が当社より2月24日に発行される。

 今回の特集「表面改質最前線」では、 樹脂フィルム材に高速で信号伝送が可能な電子回路基板に応用可能な表面処理技術について、メガネやカメラレンズの表面、液晶ディスプレイやスマートフォン画面フィルムの表面に適用される反射防止膜の技術動向について、半導体製造設備の各種部材に適用が進んでいるドライコーティングの概要について、ドライコーティングの密着性を高めるための炭化水素系洗浄剤を使用した洗浄方法について紹介する。

 また、キーテク特集「表面観察」においては、優れた特性を持つ産業用および研究用AFMの最新技術と表面改質・薄膜関連の評価事例について、高精度カメラによる外観検査技術の概要と外観検査のアプリケーション例について紹介する。

特集:表面改質最前線

◇Beyond 5G/6Gに向けた電子デバイスと表面処理技術・・・関東学院大学 盧 柱亨

◇反射防止膜の技術動向・・・ニデック 川島 崇睦

◇半導体製造プロセス向けドライコーティングの開発と適用・・・日本コーティングセンター 川名 淳雄 氏、角谷 行崇 氏に聞く

◇ドライコーティングにおける洗浄技術の動向・・・東ソー 大川 朋裕

キーテク特集:表面観察

◇原子間力顕微鏡の最新技術と評価事例・・・パーク・システムズ・ジャパン 田 小維、金 鍾得

◇高精度カメラによる外観検査技術と、FCVセパレータなど高機能部品への適用・・・コニカミノルタ 宇田川 純一 氏に聞く

連載

注目技術:ハノーバーメッセ2023で披露されるコーティング技術・・・コーティング関連出展各社

トピックス

ASTEC/SURTECH/nano tech2023などが開催、表面改質や表面試験・評価技術が一堂に

日本半導体製造装置協会、半導体・FPD製造装置の需要予測を公表

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admin 2023年2月22日 (水曜日)
admin

ASTEC/SURTECH/nano tech2023などが開催、表面改質や表面試験・評価技術が一堂に

1年 9ヶ月 ago
ASTEC/SURTECH/nano tech2023などが開催、表面改質や表面試験・評価技術が一堂に

 「ASTEC2023 第18回先端表面技術展・会議」や「SURTECH2023 表面技術要素展」、「nano tech2023国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」など14の展示会が、2月1日~3日に東京都江東区の東京ビッグサイトで開催され31137名が来場、表面改質と表面試験・評価関連で多数の展示がなされた。

SURTECH2023のようす

 Rtec-Instruments(https://rtec-instruments.com/?lang=ja)は、多機能摩擦試験機「MFT-5000」を展示した。摩擦試験では、試験前後のサンプルの正確な深さ、粗さの変化、実際の接触範囲を測定するため、顕微鏡での詳細な観察が重要になる。MFT-5000では、摩擦試験と顕微鏡観察を1台で行うことができるため、サンプル交換の簡略化のほか、摩耗の経時変化による評価など、高いレベルでの表面形状解析に貢献できる。そのほか、一つのプラットフォームでスクラッチ試験、インデンテーション試験、3Dプロファイラー、膜厚測定といった複数の試験が可能な表面材料試験機「SMT-5000」を紹介した。

Rtec-Instruments「SMT-5000」

 大塚電子(https://www.otsukael.jp/)は、ゼータ電位・粒子径・分子量測定システム「ELSZneo」を展示した。ELSZseriesの最上位機種で、粒子濃度(個数)測定やマイクロレオロジー測定、ゲルの網目構造解析、多角度測定による粒子径分布の分離能の向上などを新機能として追加している。本年からはまた、ELSZneoの新機能すべては必要ないが、粒子径測定専用機「nanoSAQLA」では機能が足りないというユーザーに対し、研究内容や予算に合わせて必要な新機能を一つから選択でき、研究内容に最適な装置としてカスタマイズ化できる粒子径・ゼータ電位測定専用機「ELSZneoSE」の販売を開始した。

大塚電子「ELSZneo」

 神戸製鋼所(https://kobelco-coating.com/jp/)は、従来品と比べて、生成する被膜の長寿命化を達成したアークイオンプレーティング(AIP)装置「AIP-iXシリーズ」を紹介した。搭載した新型蒸発源「μ-ARC」により、被膜の金属元素のうちAl含有率が70at%以上でも立方晶を維持、硬質で表面粗度も良好なAlCrN被膜の成膜が可能。また、新型エッチングシステム「Me-FAPE」が奥まった部分の密着性を向上し、処理空間内でのエッチング性能の均一性も改善。これら搭載機能により、従来のハイエンド工具と比較して約1.5倍の寿命向上が確認されている。さらに、広範囲な操業データをサンプリング・表示可能な状態モニターシステムを採用、トラブル発生時のスムーズな原因特定に貢献する。

神戸製鋼所のブース

 新東科学( https://www.heidon.co.jp/ )は、直交バランスアーム方式や測定中にカバー可能な機構を採用したスタンダードモデルの摩擦摩耗試験機「トライボギアTYPE:40」の実機を展示した。摩擦力を測定する荷重変換器を測定子直上に配置し、不要な機構をなくしたことにより、高いレスポンスとセッティングの誤差を排除した。また、試料テーブルの摺動方向をアームに対して直交させことにより、往路復路の荷重変動をなくし耐摩耗性評価の信頼性を大幅に向上させた。さらにY方向ステージを標準装備して13mmストロークするように設計、一度試験が終わった後もサンプルを付け替えることなく別の部分で測定が行える。オプションのトライボソフトを使用するとパソコンから簡単に条件入力、解析、さらに試験操作まで行える。

新東科学のブース

 ナノテック( https://www.nanotec-jp.com/ )は、国内最大級の大型DLCコーティング装置による長尺品DLCコーティングのサンプル展示、薄膜の硬度、摩擦摩耗、密着性などの評価分析の紹介、膜厚測定器の展示などを行った。また、今年春頃からの販売開始となる小型で機能を限定したDLCコーティングが可能な実験用の成膜装置「水素フリーICF330-SP」を紹介。同装置は①HiPIMSによる成膜が可能②ボンバード機能を省き熱に弱い材料をターゲットに採用③真空引きを5分に短縮しタクトタイムを1/5に高速化④軽量で可搬性があるため様々な場所に移動可能、などの特徴を備えている。

ナノテック「水素フリーICF330-SP」

 パーク・システムズ・ジャパン(https://www.parksystems.com/jp/)は、人工知能(AI)を搭載した次世代自動原子間力顕微鏡(AFM)「Park FX40」を展示した。ロボティクスと機械学習機能、安全機能、特殊なアドオンとソフトウェアを搭載。プローブ交換、プローブ識別、レーザーアライメント、サンプルの位置調整、サンプルへのチップアプローチ、イメージングの最適化など、スキャンにおけるパラメーターおよび事前準備に関わるすべての設定を自動で行える。機械学習の積み重ねでAIによる自動機能の適正化、スキャン前の煩わしい準備の自動化、複数のポイントを目的に応じて自動測定など、自動化AFMの実現によるユーザーの利便性とパフォーマンスを向上させた。

パーク・システムズ・ジャパン「Park FX40」

 パルメソ( https://palmeso.co.jp/ )は、ウェットブラスト技術を応用して微細な粒子と水を投射することで、材料の表面から内部まで連続した強さデータを取得できる「MSE試験装置」の紹介を行った。今回は異なる基材(PMMAとPC)に膜厚6μm、9μm、11μmで成膜した同一材料の薄膜に対しての試験結果を紹介。その結果、MSE試験では基材の影響を受けずに膜だけの強さを高分解能で測定している、とした。また膜厚違いにおいても膜厚の影響を受けずに膜表面から界面まで強さを分解して表示することができる、とした。このほか、めっき前の樹脂表面改質層の強さ分析や超硬チップ表面コーティングの膜質分析と耐久性評価、自動車塗装の加速劣化試験変化などを公開した。同社では装置販売とともに受託試験にも注力している。

パルメソのブース

 

admin 2023年2月15日 (水曜日)
admin

日本熱処理技術協会、5月15日、16日に2023年度 第1回熱処理技術セミナーを開催

1年 9ヶ月 ago
日本熱処理技術協会、5月15日、16日に2023年度 第1回熱処理技術セミナーを開催

 日本熱処理技術協会は5月15日、16日、対面参加(エッサム神田ホール1号館7F 701:東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2)およびオンライン参加からなるハイブリッド形式により、「2023年度 第1回熱処理技術セミナー-熱処理基礎講座Ⅰ-」を開催する。

 本講座は、「強化機構」、「金属の基礎」、「焼入れと焼戻しの基礎」から始まり「耐熱性」、「摩耗特性」、「疲労特性」および「熱処理変形と焼割れ」について、国内の著名な講師が解説する。新入社員教育などをはじめとした企業における人材育成にも最適なプログラムとなっている。

 参加申込締切は5月2日で、以下のURLから申し込みができる。定員はオンライン参加が80名で、対面参加が先着20名。参加費は正会員36000円(税込)、維持会員36000円(税込)、非会員56000円(税込)。今回からはさらに高専、大学、大学院に所属する学生会員および非会員に適用される学生価格10,000円(税込)を設定している。

URL  https://forms.office.com/r/KvCKxwRrvM

 内容は以下のとおり。

5月15日

・9:55~10:00「オンライン配信に当っての注意事項」日本熱処理技術協会事務局

・10:00~12:00「強化機構と強度-金属材料が強くなるメカニズムは?-」髙木節雄氏(九州大学名誉教授)

・13:00~15:00「金属の基礎-鉄の結晶構造と鉄鋼の組織を理解するための基礎-」髙木節雄氏(九州大学名誉教授)

・15:10~16:40「高温変形の基礎-高温材料強化に向けての基本戦略-」寺田芳弘氏(東京工業大学)

5月16日

・9:30~11:30「鋼の焼入れと焼戻しの基礎-鋼の強靱化のための熱処理の本質-」宮本吾郎氏(東北大学)

・12:30~14:00「高硬度鋼の熱処理特性-転がり軸受用鋼の耐久性と熱処理-」大木 力氏(NTN)

・14:10~15:40「焼入れ速度が歪み・靭性・割れに及ぼす影響-ダイス鋼の大きな金型を例に-」河野正道氏(大同特殊鋼)

・15:50~17:20「金属疲労の基礎と応用-金属疲労のメカニズムと疲労破壊の防止-」髙橋宏治氏(横浜国立大学)

kat 2023年2月14日 (火曜日)
kat

第25回トライボコーティングの現状と将来シンポジウムが2023年2月24日にハイブリッド開催、第15回岩木賞贈呈式も実施

1年 9ヶ月 ago
第25回トライボコーティングの現状と将来シンポジウムが2023年2月24日にハイブリッド開催、第15回岩木賞贈呈式も実施

 トライボコーティング技術研究会と理化学研究所 大森素形材工学研究室は2023年2月24日に、「第25回『トライボコーティングの現状と将来』シンポジウム(通算第145回研究会)」を開催する。共催は東京都立産業技術研究センターで、後援は未来生産システム学協会(FPS)と東京都板橋区。今回はリアル開催のほかウェブ会議システムを利用した参加も可能なハイブリッド開催で、当日は「第15回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」の受賞記念講演を行うほか、同賞の贈呈式を実施する。

前回の岩木賞贈呈式のようす

 

 同研究会では現在、同シンポジウムへの参加を募集している。申し込み締め切りは2月10日だが、定員となり次第、締め切りとなる。

 岩木賞は表面改質、トライボコーティング分野で多大な業績を上げた故・岩木正哉博士(理化学研究所元主任研究員、トライボコーティング技術研究会前会長)の偉業を讃えて、当該技術分野と関連分野での著しい業績を顕彰するもの。トライボコーティング技術研究会が提唱して2008年度に創設、未来生産システム学協会(FPS)が表彰事業を行っている。

 今回第15回目となる岩木賞の受賞業績として、大賞に輝いた東海国立大学機構 岐阜大学 武野明義氏が業績名「クレージング現象を利用したナノ多孔高分子フィルムおよび繊維の開発」で、事業賞に輝いた新明和工業が業績名「ダイヤモンド成膜工具の刃先先鋭化装置の開発」で、奨励賞に輝いた慶応義塾大学 小池 綾氏が業績名「高重力場を援用した高機能 3Dプリンタの開発」で、それぞれ講演を行う。

 岩木賞受賞記念講演に続いては、「DLCコーティング技術とアルミ切削工具への応用展開」小磯裕太氏(日本電子工業)、「無機-有機ハイブリッドコーティングの設計と応用」佐熊範和氏(東京都立産業技術研究センター)、「新たに発見された離散ラドン逆変換厳密解に基づくCT画像再構成」高梨宇宙氏(理化学研究所)の3件の会員講演が行われる。

 講演終了後には、交流会も予定されている。

 スケジュールなど詳細は、トライボコーティング技術研究会HP(http://www.tribocoati.st)で確認できる。

 問い合わせ・申し込みは、以下のとおり。
 E-mail tribo@tribocoati.st

 

kat 2023年1月30日 (月曜日)
kat

島貿易、高速回転対応の全自動卓上型油膜厚さ試験機の販売を開始

1年 9ヶ月 ago
島貿易、高速回転対応の全自動卓上型油膜厚さ試験機の販売を開始

 島貿易は、弾性流体潤滑状態における最小油膜厚1nm以上を最大速度20m/sで測定できる油膜厚さ試験機「EHD-HS」の販売を開始した。

EHD-HS

 10nm未満の潤滑油膜で形成することができる超仕上げの接触面や、独自の光干渉法の原理に基づく測定法により、1nmまでの正確な測定を可能にした。

 また、最大速度20m/sの高速回転対応によって、電気自動車の駆動系など高速しゅう動アプリケーションの研究や、自動車用潤滑剤、金属加工油、エマルジョン、タービンオイル、グリース中の添加剤など各種研究の幅を広げる。

 さらに、通常の膜厚測定に加え、純転がりから純すべりまで、任意のすべり率で摩擦係数を測定することが可能となっている。

kat 2023年1月30日 (月曜日)
kat

パーク・システムズ・ジャパン、300mm半導体ウェハー用ナノスケール赤外分光システムを開発

1年 9ヶ月 ago
パーク・システムズ・ジャパン、300mm半導体ウェハー用ナノスケール赤外分光システムを開発

 パーク・システムズ・ジャパンは、300mm半導体ウェハー対応のナノスケール赤外分光システム「Park NX-IR R300」を開発した。

Park NX-IR R300


 同品は、化学特性情報だけでなく、半導体研究の機械特性や形状測定、故障解析、欠陥評価などをこれまでにない高ナノ分解能で提供する。

 主要機能は、①300mmまでの半導体ウェハーの化学・材料特性評価、②ナノスケールの赤外(IR)分光と原子間力顕微鏡(AFM)を一体化した装置、③10nmの空間分解能で化学物質を同定、④ノンコンタクト方式によるダメージのない分光スキャンが可能、⑤オングストローム以下の高さ精度の3Dトポグラフィーとナノメートルの横分解能での材料イメージング、など。

kat 2023年1月30日 (月曜日)
kat

大同特殊鋼、低周波における磁気ノイズ抑制効果を有したパーマロイ箔

1年 9ヶ月 ago
大同特殊鋼、低周波における磁気ノイズ抑制効果を有したパーマロイ箔

 大同特殊鋼( https://www.daido.co.jp/ )は、通信技術やIoT機器の高周波化、自動車の電動化に伴い発生するEMCノイズ(主に磁気ノイズ)の抑制効果を有した「パーマロイ3箔 STARPAS®」に、約100kHz以下の低周波において優れた特性を示す「STARPAS-50PC2S」を新たにラインナップに追加した。

 STARPASには、高透磁率材を用いた弱いノイズを高感度に抑制できるPC2Sシリーズと、高飽和磁束密度材を用いた強磁界ノイズに対応したDF42Nシリーズがある。これらは、いずれも30μm厚以下のシールド材となっており、主にMHz帯までの中周波帯ノイズの抑制効果があるという。

 今回の新製品では、高感度用のPC2Sシリーズで厚みを50μmとし熱処理を工夫することで、特に低周波でのシールド性の向上に成功した。曲げや打ち抜きなどの加工性に優れ、機器への貼り付けが容易なパーマロイで低周波向けのシールド材を開発したことで、低周波における最適なシールド設計を実現し、電動車や自動運転技術で使用される機器などの軽量化や薄型化に寄与するという。

大同特殊鋼「STARPAS-50PC2S」

 

admin 2023年1月27日 (金曜日)
admin

TOWA、高硬度反射防止コーティングを開発

1年 9ヶ月 ago
TOWA、高硬度反射防止コーティングを開発

 TOWA( https://www.towajapan.co.jp/jp/ )は、同社独自のコーティング技術であるバンセラコーティングの技術を応用して、反射防止 (AR) 性能を有する高硬度なセラミックスコーティングを新たに開発した。

開発したコーティングの有無による反射の様子 開発したコーティングの有無による反射の様子

 バンセラコーティングは、成形用金型やガラス製品に応用されており、付着低減により生産性が向上する効果が実証されている。一方、バンセラコーティングそのものは反射率が高く、干渉色を呈しており、ぎらついて見えることから光の透過率が要求されるレンズなどには適用されにくい課題があったという。

 今回それら技術を応用して、反射防止 (AR) 性能を有するセラミックスコーティングを新たに開発した。可視域である380nmから780nmにかけて表面反射率の平均値が1%、同波長域での透過率も95%以上であることから良好な視認性を有している。また、高密着で硬度も9H以上となっており、従来のARコーティングに対して約4倍と大幅に向上した。

 本コーティングはメガネや光学系センサーレンズ、ディスプレイやモニター、さらには太陽光パネルへの用途を想定しており、今春以降に試作・量産対応できるよう順次検討を進めている。

admin 2023年1月27日 (金曜日)
admin

古河電工、インフラ構造物向け表面処理ソリューションの共創拠点を開設

1年 9ヶ月 ago
古河電工、インフラ構造物向け表面処理ソリューションの共創拠点を開設

 古河電気工業( https://www.furukawa.co.jp/ )は、インフラ構造物向けの表面処理ソリューション事業「インフラレーザTM」の共創拠点「インフラレーザラボ」を同社千葉事業所(千葉県市原市)に開設する。これにより、インフラメンテナンス作業の効率化および環境負荷の低減と労働衛生の改善を推進し、インフラ構造物の老朽化対策や長寿命化に貢献する。

インフラレーザラボの実験スペース

 従来のインフラ構造物メンテナンスにおける錆取り・塗膜除去などの表面処理は、薬品を使用する処理やブラスト処理が中心で環境負荷や労働衛生の観点から課題が多いとされていた。インフラレーザTMは、産業用レーザで培った技術を応用した表面処理ソリューションで、インフラ構造物の錆・塗膜除去など、メンテナンス作業の効率化を目指す。従来の工法とは異なりレーザを活用することから研削材などを排出せず、環境負荷の低減や労働衛生の改善を推進し、インフラ構造物の老朽化対策、労働人口問題の解決につながるという。

 インフラレーザラボには、高出力ファイバレーザ発振器とレーザヘッド(レーザ照射部)をフレキシブルに動かすことができる実験用システムが設置され、パートナーが持ち込む幅広いサイズ・形状のサンプルを用いて、レーザ加工の有効性を確認する要素実験を行うことができる。既存のレーザアプリケーションラボはファイバレーザの従来の用途である産業用向けで、インフラ構造物向けの実験は難しい状況だったが、インフラレーザラボは、広さ45m2・天井高さ約5mの実験スペースを確保しており、大型サンプルでの実験にも対応可能。

インフラレーザラボの自動錆・塗膜除去システムイメージ

 また、インフラレーザラボの開設と併せて、出張実験用の車両も配備し、ラボ内だけではなく、屋外・実フィールドでの実験にも対応可能となっている。

admin 2023年1月27日 (金曜日)
admin

日本熱処理技術協会、3月に「2022年度 第4回熱処理技術セミナー」を開催

1年 10ヶ月 ago
日本熱処理技術協会、3月に「2022年度 第4回熱処理技術セミナー」を開催

 日本熱処理技術協会(  https://jsht.or.jp/ )は、3月22日と3月23日の両日、対面参加(エッサム神田ホール1号館7F 701:東京都千代田区神田鍛冶町3-2-2)およびオンラインにて「2022年度 第4回熱処理技術セミナー」を開催する。今回のセミナーは、鉄鋼材料を中心として金属材料の組織が熱処理によってどのように創生され、それがどのように活かされてきたのか、また様々な応用分野での最新の活用技術について学ぶことができる。詳細は以下のとおり。

開催日:2023年3月22 日(水)、3月 23日(木)

申込締切:2023年3月9日(木)

会場:〒103-0026 東京都中央区日本橋兜町15番 6号 製粉会館5F 第 2・3 会議室/Zoomウェビナー

定員:オンライン参加(Zoom Webinar)80 名、対面参加 先着20名

申込み:https://forms.office.com/r/7FCrKx97Sg

詳細:日本熱処理技術協会HP https://jsht.or.jp/seminar/

【問合せ先】 (一社)日本熱処理技術協会 事務局 宮下氏 03-6661-7167/080-7577-7799

 

講義題目および日程

〈3月22日〉                    

9:55~10:00「オンライン配信に当っての注意事項」日本熱処理技術協会 事務局

10:00~12:00「鉄鋼素材における相変態の基礎」髙木 節雄 氏(九州大学名誉教授)

~昼 食~

13:00~14:30「金属組織観察の基礎ー組織と機能の相関」正橋 直哉 氏(東北大学)  

14:40~16:10「自動車用鋼板における組織制御の技術変遷」高橋 学 氏(九州大学)

16:20~17:20「金属積層造形法による異方性組織と熱処理による特性変化」黒田 大介 氏(鈴鹿工業高等専門学校)

〈3月23日〉

10:00~11:30「組織制御のよる金属材料の高耐食化」原 信義 氏(東北大学参与・名誉教授)

~昼食~                

12:30~14:00「油潤滑下における低摩擦化のための鉄鋼材料の組織制御技術」戸高 義一 氏(豊橋技術科学大学)

14:10~15:40「工具鋼の材料設計と組織制御」 片岡 公太 氏(日立金属)

15:50~17:20「 不具合調査事例にみられる金属組織」中村 勲 氏(東京都立産業技術研究センター)

admin 2023年1月12日 (木曜日)
admin

BASFなど、低摩擦表面技術技術搭載のボーイング777が初の旅客飛行

1年 10ヶ月 ago
BASFなど、低摩擦表面技術技術搭載のボーイング777が初の旅客飛行

 BASFとルフトハンザ テクニックが共同開発した低摩擦表面技術「AeroSHARK(エアロシャーク)」を搭載したスイス・インターナショナル・エアラインズ(SWISS)のボーイング777-300ERが、初めて旅客飛行を行った。この航空機の胴体とエンジンナセルには、約950平方メートルのリブレットフィルムが貼られており、抵抗を減らすためにサメの皮のような流動効率の良い特性を再現。流動シミュレーションの結果、この種の航空機では1%強の摩擦抵抗の削減効果があることがすでに確認されている。HB-JNHとして登録されたこの航空機による最初の定期便は、この削減効果の可能性を日々のフライトで検証する役割を果たすこととなる。

AeroSHARKを搭載したHB-JNH

 

 リブレットと呼ばれる微細なリブで構成された特殊な表面構造のおかげで、AeroSHARKはこの航空機の表面の摩擦抵抗を1%以上減らすことが計算と流動シミュレーションによって明らかになり、その結果燃料消費量と二酸化炭素排出量を同程度に削減することが可能となった。SWISSのボーイング777-300ER型機の場合、年間約400tの灯油と1200t以上の二酸化炭素を削減することに相当する。

 HB-JNHのAeroSHARKへの改修は8月末に始まり、9月8日と9日に数回のテスト飛行で終了。この飛行では、AeroSHARKがボーイング777の運航の安全性と操縦性に悪影響を与えないことを詳細に示す必要があった。

 実際の運航で計算上のコスト削減効果が確認され次第、ローンチカスタマー(最初に発注した航空会社)であるSWISSとルフトハンザ カーゴでの本格的な展開が開始される予定で、今後ボーイング777型機は、定期点検中にAeroSHARKを搭載する予定。両社は今後、保有するボーイング777-300ERおよび777Fに順次AeroSHARK搭載していく意向で、これにより両社は旅客・貨物の航空会社として世界で初めて、サブフリート全体をこの低摩擦表面処理技術で最適化することになる。ルフトハンザ カーゴの11機、SWISSの12機のボーイング777型機がすべてAeroSHARKを搭載した場合、ルフトハンザグループの二酸化炭素排出量は年間2万5000t以上削減されることになる。

kat 2022年12月27日 (火曜日)
kat

NIMSなど、ケイ素を含む新しい有機構造体膜の合成に成功

1年 10ヶ月 ago
NIMSなど、ケイ素を含む新しい有機構造体膜の合成に成功

 物質・材料研究機構 (NIMS) と自然科学研究機構 分子科学研究所を中心とした国際共同研究チームは、表面合成に新化学反応を導入することにより、通常は炭素だけで構成されるベンゼン環の一部を周期表同族元素のケイ素で置き換えた2次元の共有結合性有機構造体 (COF) 膜の合成に世界で初めて成功した。この新しいCOF膜は一般的な化学合成手法ではなく、金属表面上での化学反応を利用することで達成され、表面合成を利用した新規材料開発の可能性を示す結果となった。

 ナノメートルサイズの空孔を持つCOF膜は、電池材料、触媒、さらに、小分子の分離など幅の広い応用が期待されている。それらの機能の実現に向け、分子薄膜内の所望の位置に炭素以外の窒素やホウ素などを導入する手法の開発が必要だった。また、人類が使用できる地球表面部分に存在する元素の中で、重量比で二番目に多いケイ素原子 (クラーク数 : 25.8 %) の導入効果に関心が持たれていたものの、ケイ素を導入したCOF膜は実現されていなかった。これは、周期律表で炭素と同じ14族に分類され最も炭素の特性に近いとされるケイ素が無機化学で扱われ、COF膜合成で利用される有機合成に馴染みのない元素であるという事実も否定できないという。

 近年、有機合成した小分子を金属の固体表面上で化学反応させて、炭素薄膜やCOF膜を形成する分子合成技術の開拓が注目されている。今回の成果では、有機合成で小分子にケイ素を導入することなく、金 (111) 表面上に蒸着したケイ素と小分子を直接反応させる新しい分子合成手法を開発、従来技術では作製できなかった「ケイ素を含むCOF膜 (炭素ナノ薄膜) 」の合成に成功した。

 今回の研究で開発した合成手法を応用すれば、より重い同族元素であるゲルマニウムやスズを含む炭素薄膜の合成も可能となり、炭素と同じ14族元素を含む多様な炭素ナノ薄膜の物性解明も進むという。多様な炭素ナノ薄膜を次世代ナノエレクトロニクスで活用すべく、所望の特性を付与する表面合成技術への展開を目指す。

(a) 本研究で開発した表面化学反応。(b) 合成したケイ素を含むCOF膜の概略図。Br : 臭素原子 (赤球) 、Si : ケイ素原子 (紫球) 、炭素原子 (黒球) 、水素原子 (白球) 、基板の金原子 (金球)

 

admin 2022年12月26日 (月曜日)
admin

新東工業、「Expert Bisai Creators Contest 2022」の1インチ部門で準優勝

1年 10ヶ月 ago
新東工業、「Expert Bisai Creators Contest 2022」の1インチ部門で準優勝

 新東工業( https://www.sinto.co.jp/ )は、微細加工工業会が主催する「Expert Bisai Creators Contest 2022」の「1インチ部門」において準優勝を受賞した。

 このコンテストは、日本が世界に誇る微細加工技術を分かりやすい形で発信し、微細加工市場の活性化を図ることを目的とし、微細加工従事者やデザイナー、学生等を対象に、微細加工技術を活かしたデザイン性のある作品を募集し優秀作品を表彰するもの。1インチ部門(25mm以内の寸法以下の作品)、時計・宝飾・オブジェ部門、3Dデザイン部門で構成され、同社が出品した「地球の移ろい」は1インチ部門で準優勝に輝いた。

 「地球の移ろい」は、「太陽」をコンセプトに朝・昼・夜の光の入り方で変化する影の表情を演出した作品で、球体の中には「太陽が育むもの」をイメージし、海・風・山・木々が表現されている。小さな世界での大きな変化を楽しむことができる。

 「太陽」をコンセプトに朝・昼・夜の光の映り込みにより表情が変わるデザインにした、ポップアップカード。 精密板金が得意なマツダとコラボレーションし、小さな世界での大きな変化を楽しめる。 球体の中は「太陽が育むもの」をイメージし、海・風・山・木々を表現した。 忙しい日常の中で、ふと小さな世界の変化に目を向けるきっかけになる作品となっている。

 

admin 2022年12月26日 (月曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2022年12月号 特集「DLCコーティングの現状」、キーテク特集「ブラスト処理」

1年 11ヶ月 ago
メカニカル・サーフェス・テック2022年12月号 特集「DLCコーティングの現状」、キーテク特集「ブラスト処理」

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2022年12月号 特集「DLCコーティングの現状」キーテク特集「ブラスト処理」が当社より12月23日に発行される。

 今回の特集「DLCコーティングの現状」では、潤滑油環境におけるDLC膜の特異的なトライボロジー特性について、腕時計用の被膜として開発された青色DLC膜の開発と応用展開について、ピストンリング用として開発されたDLC膜の応用展開について、再生、再利用が可能なDLC被膜として中間層の存在しないta-C被膜とアルミ合金の摩擦・摩耗試験の結果について紹介する。

 また、キーテク特集「ブラスト処理」においては、金属積層造形品の表面粗さの低減技術としてのブラスト加工や疲労強度向上技術としてのショットピーニング技術について、ウェットブラスト工法の特徴を生かした高機能プラスチック材料への被膜の密着性向上について紹介する。

特集:DLCコーティングの現状

◇ダイヤモンドライクカーボン膜のトライボロジー特性に及ぼす潤滑油の効果・・・横浜国立大学 大久保 光

◇腕時計用青色DLCの開発と応用展開・・・シチズン時計 吉田 陸人 氏に聞く

◇DLC被膜のCASE・非自動車分野での適用拡大・・・TPR 漆戸 昭夫 氏、菅原 駿 氏、山崎 亮 氏 に聞く

◇超硬合金に成膜された中間層レスta-C被膜のアルミ材加工金型における実用性の検討・・・ナノコート・ティーエス 川本 秀士、坂下 武雄、熊谷 泰

キーテク特集:ブラスト処理

◇積層造形におけるブラスト・ピーニングの技術概要・・・新東工業 辻 俊哉

◇ウェットブラストによるコーティング・めっきの密着性向上・・・マコー 佐田 俊彦

連載

トップインタビュー・・・川上 達哉 氏(ナノフィルムテクノロジーズ ジャパン)
現場に行こう!・・・パーカー熱処理工業 計測機器販売部
注目技術:SEMICON JAPAN 2022に見る最新表面改質・計測評価技術・・・出展各社

トピックス

日本熱処理技術協会、2022年秋季講演大会を開催、イノベーション活動を報告
第34回散乱研究会がオンライン開催
第15回岩木賞に東海国立大学機構 岐阜大学 武野明義氏、新明和工業、慶応義塾大学 小池 綾氏が受賞
JIMTOF2022開催、コーティングやブラストなどの表面改質技術が集結

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admin 2022年12月20日 (火曜日)
admin

トライボコーティング技術研究会、令和4年度第3回研究会を開催

1年 11ヶ月 ago
トライボコーティング技術研究会、令和4年度第3回研究会を開催

 トライボコーティング技術研究会(会長:理化学研究所 大森 整 主任研究員)は12月9日、東京都江東区の東京都立産業技術研究センターで「令和4年度第3回トライボコーティング技術研究会」を開催した。

開催のようす

 

 当日は、大森会長の開会挨拶に続いて、以下のとおり講演がなされた。

・「都産技研 光学特性計測分野のご紹介」磯田和貴氏(東京都立産業技術研究センター)…都産技研では技術支援サービスとして、分光測定・オーダーメイド測定を通じた光学測定、光学定数や異方性などのよりミクロに踏み込んだ特性解析、エリプソメトリでの~10nmレベルの感度の膜厚解析を提供していることを紹介した。また、マイクロ~ナノオーダーの材料を基にした研究開発を行っている事例として、太陽光を対象に微細構造による光機能性の付与を試み、季節的な太陽位置の変化に着目して入射角依存の光学特性を設計し、夏と冬との間で~20%の反射率差を示す表面が得られたことなどを報告した。

・「めっき排水処理の課題とファインバブルを用いた排水処理技術」森久保 諭氏(東京都立産業技術研究センター)…めっき浴由来のアンモニアが高濃度で排水に混入することから開発したアンモニア処理技術が、少量でも影響の大きい脱脂剤由来の錯形成剤といった他の妨害物質に適用不可なため、脱脂剤削減を目指したファインバブル(FB)発生装置を利用した洗浄技術を開発。マイクロバブル発生量が高い装置では洗浄効果が高く、FB単独では気泡が届きにくい形状のワークではFBに超音波印加で付着物の除去効果が増加し薬品使用量を低減できることや、FB洗浄で亜鉛の排水処理性が向上することなどを報告した。

 講演後は大森会長が、次回研究会となる「第25回『トライボコーティングの現状と将来』シンポジウム(通算第145回研究会)」について告知、シンポジウムの見どころとして「第15回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」の受賞記念講演について紹介した。大賞に輝いた東海国立大学機構 岐阜大学 武野明義氏が業績名「クレージング現象を利用したナノ多孔高分子フィルムおよび繊維の開発」で、事業賞に輝いた新明和工業を代表して岡本浩一氏が業績名「ダイヤモンド成膜工具の刃先先鋭化装置の開発」で、奨励賞に輝いた慶応義塾大学 小池 綾氏が業績名「高重力場を援用した高機能 3Dプリンタの開発」で、それぞれ講演を行う。

第25回『トライボコーティングの現状と将来』シンポジウムの告知を行う大森会長

 

 その後、上記講演に関連して、分光エリプソメータや紫外・可視・近赤外分光光度計、フーリエ変換赤外分光光度計などを備えた「光学計測実験室」と、FB洗浄装置などを備えた「環境負荷計測実験室」の見学会が行われた。

光学計測実験室の見学会のようす

 

kat 2022年12月10日 (土曜日)
kat

2022日本ダイカスト会議・展示会を開催、表面改質技術などが展示

1年 11ヶ月 ago
2022日本ダイカスト会議・展示会を開催、表面改質技術などが展示

 日本ダイカスト協会主催の「2022日本ダイカスト会議・展示会(j-dec 2022)」が11月10日~12日の3日間、横浜市西区のパシフィコ横浜で開催、展示会では154社・団体が出展した。2年に1回の同展は、2020年はコロナ禍により中止。今回は4年ぶりの開催となった。表面合改質関連では以下などの展示があった。

2022ダイカスト展示会のもよう

 オリエンタルエンヂニアリングは、プラズマCVD法により高張力鋼板のホットスタンプ金型をはじめとした各種用途に対応し、高い耐熱性、密着性、耐焼付き性を付与する硬質薄膜「OMC(H)(Oriental Magic Coating H)」を紹介した。プラズマCVD法のため拡散効果層と薄膜を一回の工程で複合処理できる。また、成膜温度が450~550℃と工具鋼の焼戻し温度以下の低温処理により変形がないという。さらに、被膜は徐々に組成を変える多層傾斜膜となっており高い耐摩耗性の膜が実現した。耐摩耗性と離型性を有しているため、成形精度を維持しつつ金型の寿命を向上させることができる。

オリエンタルエンヂニアリング「OMC(H)のサンプル」

 新東工業は、ショットピーニングを施すことで金型表面に圧縮残留応力を付与し耐ヒートチェック性を改善することにより型寿命が2倍以上に向上する「D-CHECK」、冷却孔止まり穴部へのショットピーニングにより冷却孔の応力腐食割れを抑制することで型寿命を3倍以上に向上する「D-SCC」、ダイカスト金型に細かなディンプルを形成することで鋳造時の湯流れを変化させ、溶湯の表層の温度低下、凝固速度の違い、流速の違い、空気の巻き込みによる不良発生を50%低減する「D-FLOW」を紹介した。また、ショットピーニングを処理した製品の全数検査が可能な表面評価技術「Sightia」のPRも行った。

新東工業のブース

 ニッチューは、ダイカスト製品用のハンガータイプにより製品同士がぶつからず、傷が付かない設計のショットブラスト装置「ZHBSF-100」の実機を展示。同装置は、小ロット生産も対応可能とし、コンパクトに設計された一室式の亜鉛ショット専用機。顧客の希望により硬質研削材対応や安全仕様集塵機へのグレードアップ、制御盤の位置変更等の対応も可能となっている。また、高性能RFD-3型ローターを搭載し、駆動モーターにはインバーターを付けたことでブラストの投射速度の調整も可能。作業者への安全配慮として、ワーク着脱口にはエリアセンサーなども備えている。

ニッチューのブース

 丸眞製作所は、ダイカスト金型向けコーティング(AlCrTiSi系複合多層膜)「MARC-D」を紹介。この被膜は緻密で耐溶着性、離型性、耐溶損性に優れており、TINやTiAlN、AlCrN被膜と比べて摩擦係数が低いという。硬度は3000Hv、膜厚2.5~4.0μm、酸化温度1100℃、処理温度は400~500℃となっている。窒化処理との複合処理を行う「MARC-D plus」も併せて紹介した。また、窒化ポテンシャル制御により用途に合った窒化層を提供するガス軟窒化処理「M-NCプロセス」は、γ'相主体の化合物層形成やε相主体の化合物層形成、ポーラス層を抑制した化合物層の形成、化合物層を形成しない拡散層のみといった機能特性に優れた表面形成が可能とした。

丸眞製作所「MARC-Dのサンプル」

 

admin 2022年12月9日 (金曜日)
admin

日本熱処理技術協会、2022年秋季講演大会を開催、イノベーション活動を報告

1年 11ヶ月 ago
日本熱処理技術協会、2022年秋季講演大会を開催、イノベーション活動を報告

 日本熱処理技術協会(https://jsht.or.jp/)は11月24日と25日の両日、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場での対面参加とオンライン参加によるハイブリッド形式で、「第94回(2022年秋季)講演大会」(実行委員長:大林巧治・中部支部長(アイシン))を開催した。オンライン参加を含め約200名が参加して、一般セッションとシンポジウムセッション、田村・川嵜記念講演を含む全35件の講演がなされたほか、企業展示会が盛況裡に行われた。

開催のようす

 24日の開会の挨拶に立った大林実行委員長は「昨日(23日)のサッカーワールドカップでは日本がドイツに劇的な逆転勝利をおさめた。本講演大会でも、特に若い方々にサッカーワールドカップのパワーに負けないようなアグレッシブな発表をお願いしたい。また、久しぶりの対面開催となるこの機会に、質疑応答や意見交換、人材交流を活発に行っていただきたい。」と述べ、本誌取材に対し今講演大会の特色について次のように語った。

 「本講演大会は全てが見どころだが、一つ新しい試みとしてイノベーション活動である新企画『熱処理コンテスト』と『ねつ・が~る』の紹介がある。中部支部では、‟明るく、楽しく、熱く“をスローガンに、熱処理技術に関する学術・技術の発展を通じ、熱処理技術・モノづくりに取り組むすべての人の成長と、サスティナブルで豊かな社会の実現に貢献することを使命に掲げており、これまではセミナー中心の典型的教育活動を実施してきた。しかし参加者も企画する我々幹事も‟明るく、楽しく、熱く”の要素が少ないと考え、中部支部で2つの新企画を試行することにした。
 一つは、支給された試験片に自由に熱処理を施し強度を競う『熱処理コンテスト』で、中部支部発信の企画ながら全国から23チームに参加していただけた。多種多様な熱処理が施され、大企業のチームを抑えて、鳥取県金属熱処理協業組合のTeamTorinetsuが優勝し、コンテストは大変盛り上がった。参加者からは‟熱処理屋冥利に尽きる“、”若手に参加させたい”、‟熱処理の難しさ・面白さをあらためて感じた“など、熱い意見をいただいた。今大会内でのイノベーション活動報告では、その反響から開催が決まった第2回熱処理コンテストの新課題やスケジュールの発表を行い、その場で多くの方々に次回出場の表明をいただいた。
 もう一つは、熱処理に関わる女性からこれまでの歩みを含め自由に自己紹介をしてもらう企画『ねつ・が~る』。これまで8名の『ねつ・が~る』が紹介されており、様々な環境で、女性特有の課題を抱えながらも、職場上司や同僚の支援を受けながら熱処理技術や技能向上への取り組みが聞けて、女性に限らず多くの皆さんの参考、励みになると思う。イノベーション活動に期待していただきたい」。

イノベーション活動について語る大林実行委員長

 24日午後、大林実行委員長を座長にしたイノベーション活動報告では、鈴鹿工業高等専門学校の黒田大介氏から、イノベーション活動のねらい、概要説明と、下記8名の「ねつ・が~る」についての紹介がなされ、また、自薦・他薦を問わない「ねつ・が~る」の募集がなされた。
【ねつ・が~る】
・No.001 NTN 先端技術研究所 佐藤美有さん
・No.002 アイシン 生産技術本部 素形材生技部 舟本三恵さん
・No.003 トヨタ自動車 素形材技術部 表面改質技術室 古賀光絵さん
・No.004 鳥取県金属熱処理協業組合 製造課 高周波窒化係 係長 提嶋恭子さん
・No.005~008 アイシン 岡崎工場 マイルド浸炭ギヤ加工課
      新垣伶実さん、岩元成美さん、河津祐香さん、衣川優紀さん

 次いで、NTNの大木 力氏より、「第1回熱処理コンテスト」の結果、熱処理技術解説と全体考察が発表され、続いて、初代チャンピオンの鳥取県金属熱処理協業組合Team Torinetsuを代表し、川上昭徳氏が「第1回熱処理コンテストへの挑戦」と題して、強さを得るための熱処理技術確立に向けた取組みや、優勝したサンプルの分析・考察などについて発表した。

第1回熱処理コンテスト優勝の鳥取県金属熱処理協業組合を代表して講演した川上昭徳氏(左)と
ねつ・が~るNo.004の鳥取県金属熱処理協業組合の提嶋恭子さん(右)

 イノベーション活動報告の最後には、トヨタ自動車の西田幸司氏から「第2回熱処理コンテスト」の開催案内と課題発表が行われた。第2回熱処理コンテストの競技内容と新課題、規定は以下のとおりである。
【第2回熱処理コンテスト】
・課題:各1チームにつき以下の材質(および規定形状・規定寸法)の3点曲げ試験片を3本支給。3点曲げ試験における耐荷重が最も大きくなるよう熱処理等を実施し試験片1本を事務局に提出、事務局にて3点曲げ試験が実施され、最大耐荷重が評価
・試験片の材質:SPCC
・熱処理は自由で、試験片の厚さおよび幅の寸法変化が±0.1mmの範囲内であればショットブラスト、表面硬化処理、コーティング、平面研磨も可
・参加申込み受付開始:本年11月28日
・参加申込み受付締切:2023年1月20日
・参加者への試験片発送:2023年2月6日(予定)
・熱処理を施した試験片の提出締切:2023年3月31日
・参加費(税込):7000円/1チーム
・参加資格:1チームに1名以上の正会員、学生会員が参加、または維持会員(ただし、維持会員は1口1チーム参加可能とする)
・結果発表:2023年4月に愛知県技術開発交流センターで開催される「第13回中部支部講演大会」内で発表予定

 さらに24日には、同協会会長の奥宮正洋氏(豊田工業大学)による田村・川嵜記念講演「窒素を活用した熱処理の展望」が行われ、カーボンニュートラル等の課題から期待される窒素の有効活用として、高温のオーステナイト相中に窒素を浸入させた後に焼入れを行い浸炭同様に鋼表面の硬さを向上させつつ圧縮残留応力を付与し疲れ強さを向上させる「浸窒焼入れ」のプロセスなどについて解説したほか、アルミニウムの表面硬化熱処理への窒素の有効活用や窒化アルミニウムの機能材料への応用についても発表された。

奥宮会長による田村・川嵜記念講演のようす

 25日には「自動車部品の熱処理技術」をテーマに、大林実行委員長を座長にシンポジウムが開催され、日産自動車の塩飽敬之氏より自動車の電動化と生産技術について概観する基調講演のほか、全5件の熱処理(強化) 技術,装置技術、CAE技術などについての講演がなされた。

 また会期中は、熱処理関連製品、装置を扱う13社(旭千代田工業、ミクニ機工、マコー、アイエムティー、DOWAサーモテック、パルステック工業、山本科学工具研究社、IHI機械システム、日綜電工業、メタルヒート、メトロ電気工業、中外炉工業、堀場製作所)による企業展示会が併設された。

企業展示会場のようす

 例えば、メトロ電気工業は、スズキ、中部電力と共同開発し「平成27年度 省エネ大賞 省エネ事例部門 資源エネルギー庁長官賞」を受賞した「赤外線ヒーター式HIGH POWER金型加熱器」を出展した。加熱時間短縮、均一加熱、温度制御が容易、安全性向上、作業環境の改善、金型メンテナンスの低減、製品不良率の低減、設置が容易、CO2削減など、金型の予備加熱の従来方式であるガス燃焼方式における課題解決に伴う各種メリットの発現をアピールした。

メトロ電気工業「赤外線ヒーター式HIGH POWER金型加熱器」

 山本科学工具研究社は、JIS鉄鋼材料から代表的な材料を選定し、第1類から第7類に分類、これらに厳正な熱処理を施した「代表的な金属標準顕微鏡組織を現出した標本集(解説書付属)」を紹介した。大学や企業などにおいて熱処理後の金属組織を理解するための教材として有効利用が可能とアピールした。

山本科学工具研究社「代表的な金属標準顕微鏡組織を現出した標本集(解説書付属)」


 

kat 2022年12月8日 (木曜日)
kat

JIMTOF2022開催、コーティングやブラストなどの表面改質技術が集結

1年 11ヶ月 ago
JIMTOF2022開催、コーティングやブラストなどの表面改質技術が集結

 日本工作機械工業会と東京ビッグサイトは11月8日~13日、東京都江東区の東京ビッグサイトで4年振りとなる「JIMTOF2022(第31回 日本国際工作機械見本市)」を開催した。多品種少量生産に対応する複合加工機やマシニングセンタ+協働ロボットといった工作機械の出展が見られる中、金型・工具の耐久性向上などに関する表面改質技術が多数披露された。以下に一端を紹介する。

JIMTOF2022のようす

 IHI Hauzer Techno Coating(https://www.hauzertechnocoating.com)は、新開発のバッチ式PVDコーティング装置「Hauzer Flexicoat® 500」を紹介した。Flexicoat® シリーズの最小容量機種であったFlexicoat® 850 をより小型化したプラットフォームで、有効コーティング容量は小さくなるものの、大型の装置と同様に、磁場を最適化し面内均一のアークスポットが可能な独自アークイオンプレーティング「CARC+」や(デュアル)マグネトロンスパッタリング、高出力インパルスマグネトロンスパッタリング(HiPIMS)が、Flexicoat® シリーズのすべての機能を利用できる。CARC+はドロップレット生成を抑えられる上、ターゲット使用率が高く、高い成膜レートを実現できる。また、イオン化率が非常に高く金属イオンと反応性ガスイオンの組成比が高いHuPIMS+の利用によって、平滑・高密度で欠陥がなく密着性の良いコーティングが高いコーティング速度で得られる。デュアルスパッタあるいはデュアルアークの装置構成が可能なため、大学・研究機関のR&D向けから、生産性(成膜速度)が重視される産業向けまでできる。マイクロドリルや複雑形状の金型など、仕上げ研磨の難しいアプリケーションに適している。今回はIHIグループ企業でコーティング受託加工を手掛けるIHI Ionbondや、CVD装置販売を手掛けるIHI Bernexと共同で出展した。

IHIグループのブース

 厚地鉄工( http://www.atsuchi-ascon.co.jp/ )は、強力な噴射力を発揮する直圧式の汎用手動機「BA-1」を展示。同装置は使いやすいコンパクトタイプで、同社独自の機構により加圧されたエアによって噴射力の強いブラスト処理ができる。これにより、ブラスト処理時間の大幅な短縮が可能になる。小さなブラスト装置内に集塵機、レギュレーター、エアフィルター、エア加減弁などの周辺機器を搭載して省スペース化。錆や塗装剥がし、難物の鋳造品・鋳物砂の除去、高硬度金属のブラスト処理など幅広い分野に対応できる。また、ロボット1台でブラスト処理から搬送までを可能にした「ABS-BS3-AT」の実機を展示。昨今、需要が急増しているロボットとブラスト装置を組み合わせるシステムを提案。ティーチングも含めた多品種対応が可能な点や、ロボットによりブラスト処理の高効率化、品質安定化、省力化を図れる点を訴求した。

厚地鉄工のブース

 神戸製鋼所(https://kobelco-coating.com/jp/)は、従来品と比べて、生成する被膜の長寿命化を達成したアークイオンプレーティング(AIP)装置「AIP-iXシリーズ」を紹介した。切削工具向けの代表的な被膜AlCrNは、コーティング被膜中のAlの含有量が多いほど耐酸化性に優れ高速切削や高切込みなどの難加工条件に適している一方で、Alの含有量が多くなりすぎる(概ね65at%以上)場合、被膜構造が高硬度な立方晶から六方晶へと変化し硬度が低下するという課題があった。AIP-iXでは搭載した新型蒸発源「μ-ARC」により、被膜の金属元素のうちAl含有率が70at%以上であっても立方晶を維持、硬質で表面粗度も良好なAlCrN被膜の成膜が可能となっている。また、新型エッチングシステム「Me-FAPE」が奥まった部分の密着性を向上し、処理空間内でのエッチング性能の均一性も改善。これらの搭載機能により、従来のハイエンド工具と比較して約1.5倍の寿命向上が確認されている。さらに、従来よりも大幅に広範囲な操業データをサンプリング・表示可能な状態モニターシステムを採用、トラブル発生時のスムーズな原因特定に貢献するほか、蓄積されたバッチごとのデータの状態推移をグラフ化し予防保全を容易にしている。

神戸製鋼所のブース

 新明和工業(https://www.shinmaywa.co.jp/pbp/)は、ダイヤモンドコーティングの適用について紹介した。同社のダイヤモンドコーティング装置は熱フィラメントCVD法を採用し、大面積にダイヤモンドを合成することが可能で、切削工具へのコーティングなど量産品への適用が可能となっている。独自技術により密着性を最適化し、導電性ダイヤモンドコーティングにも対応している。また、今回は「第15回岩木賞 事業賞」を受賞した、ダイヤモンドコーティングを被覆した工具の刃先先鋭化処理についても紹介した。プラズマイオン処理によりダイヤモンドコーティングが成膜された切削工具の刃先を先鋭化する装置を開発し、CFRP加工などで従来から行われている「捨て穴加工」を排除し生産効率向上に寄与することに成功したもので、プラズマのアンテナ効果を利用し、主として刃先のダイヤモンド被膜をイオンエッチングすることで先鋭化とドロップレットの低減を可能にしたほか、一度に複数本の工具が処理可能となっている。

新明和工業「ダイヤモンドコーティング工具の刃先先鋭化処理」

 CemeCon(https://www.cemecon.com/jp-ja)は、ミクロンサイズの粒子で構成され高い硬度と密着性を実現する「マイクロ・クリスタルライン」と、ナノサイズの微細粒子で構成され非常に滑らかで強靭な「ナノ・クリスタルライン」を交互に積層させる、CVD法によるダイヤモンドコーティングを紹介した。ダイヤモンド膜に最適な機械的/化学的前処理により、各層の比較的大きな粒子と微細な粒子がアンカー効果により優れた密着性を実現するほか、き裂が発生した場合でも層の境界を越えて広がることがない。切削工具用コーティングとして滑らかで高硬度・高靭性の膜を密着性よく成膜、高い寸法制御とシャープエッジ制御が可能なことをアピールした。また、HiPIMS技術によるコーティングを紹介。12μmまでの厚膜が可能で、ドロップレットのない平滑で高硬度・高靭性の膜を高密着に成膜できる。50HRC前後の高硬度材やステンレス鋼、チタンなどの加工に最適なTiAlSiNコーティング「InoxaCon🄬」と、インコネル718の高速加工などに最適なAlTiN コーティング「FerroCon🄬」の提案を展開している。

CemeConのブース

 パーカー熱処理工業( https://pnk.co.jp/ )は、同社独自の次世代型自動制御ガス窒化システム「NITRONAVI®」を搭載した窒化装置「RAV-N」を広築( https://www.hirochiku.co.jp/ )と展示した。NITRONAVI®を適用する最大のメリットは表面相制御による機械的特性の改善あるという。同システムは、窒化ポテンシャル(KN)制御により、鋼表面を化合物層レス、γ’相、またε相へ選択的に制御することができる。この結果、耐疲労性・耐摩耗性・耐食性等の機械的特性改善が可能になる。昨今の環境対応においても、従来のガス窒化/軟窒化で無駄に使用していたNH3ガスを処理ごとに最適化したレシピで運用することでNH3ガス使用量の圧縮が期待できるという。また、NITRONAVI®は自動で設定したKN値になるように雰囲気を制御する。この自動制御によって作業者のスキルに依存しない窒化/軟窒化処理を実現する。

パーカー熱処理工業のブース

 マコー(https://www.macoho.co.jp/)は、超硬チップ(スローアウェイチップ)処理用の最新ウェットブラスト装置「VD-W019」を紹介した。切削工具表面に付着した密着を阻害する不純物を完全除去し、ピュアな表面を露出させることで、コーティングの密着強度を従来の2倍以上に向上させるコーティング前処理効果を発現できる。また、超硬チップのPVDコーティングのドロップレット除去によるコーティングはく離・チッピングの防止や表面粗さ低減を実現できる。さらに、刃先のバリを除去し刃先にR付け(刃先ホーニング)を行うことで刃先のチッピングを防止、工具寿命を1.5~3倍に向上できるほか、すくい面と逃げ面R比率をコントロールし、K値(A/B比)を1.0~2.0に制御、高精度加工や複雑形状の加工に対応できる。

マコーのブース

 ヤマシタワークス(https://www.yamashitaworks.co.jp/)/日本スピードショア(https://speedshore.co.jp/)は、異形状ワークを簡単に短時間で鏡面仕上げ加工できる装置「エアロラップ」を展示した。エアロラップは、ゼラチンを主成分とした食品性研磨材を核に、水分「マルチリキッド」を含有することで弾力性・粘着性を持たせダイヤモンド砥粒を複合させた研磨材「マルチコーン」を、被加工材(ワーク)表面を高速で滑走させて発生する摩擦力によって磨くもの。乾式と湿式の中間的な湿潤状態で、相手材にダメージを与えることなく、精密研磨、最終仕上げや鏡面仕上げを可能にしている。今回は、各種金型部品の磨き時間短縮、切削工具の寿命延長、DLCなどドライコーティング成膜の前後処理など、様々な用途で使用が可能で、再生可能なエコ製品で、食品素材をコアに持つ研磨材を用いていることをアピールした。今回はエアロラップにロボットを組み合わせて、ワークを所定の位置に設置、加工した後にワークを取り出してパレットに並べていくといった、自動化の提案を行った。

ヤマシタワークス/日本スピードショア「エアロラップの自動化システム」

 山本科学工具研究社( https://www.ystl.jp/ )は、JISやISOなどの各種硬さ試験規格(ロックウェル、ビッカース、ブリネル、ショア、リープ、超微小硬さ試験用など)で規定された硬さ試験機の定期検証・日常点検に利用される「高精度硬さ基準片」を展示。同社の基準片は、試験片面のどの部分を測定しても同じ硬さが出るように均一に製造されている。同社では、こうした精度の高い硬さ基準片を製造するための材料工学、熱処理技術、仕上加工技術を保有している。安定した数値が出ることから日本国内をはじめ、世界のあらゆる国でも認められ、国際的に広く使用されているという。

山本科学工具研究社「高精度硬さ基準片」

 

admin 2022年11月30日 (水曜日)
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