メインコンテンツに移動
mstkouenkai

 

mst配信ニュース 表面改質の情報サイト

日本製鉄、酸化チタンを用いた抗ウイルス鋼板を開発

3年 3ヶ月 ago
日本製鉄、酸化チタンを用いた抗ウイルス鋼板を開発

 日本製鉄( https://www.nipponsteel.com )は、酸化チタンを用いた可視光応答型光触媒機能鋼板を「FeLuce®(フェルーチェ)」開発した。酸化チタンは、光エネルギーにより活性化され強い酸化作用を持つ物質として知られており、その作用により抗ウイルス効果が得られる。また、光触媒には抗菌、消臭、抗アレルゲン効果もあるという。

 同社が今回、開発した光触媒機能鋼板は、表面処理鋼板に光触媒機能を付与するもので、表面処理鋼板が持つ意匠性、耐食性、耐指紋性等の諸性能に加えて新たな特性が得られる。成形加工後も光触媒層が残存しており加工品としてもその機能が維持できる。

 光触媒機能の実装化においては、これまでに蓄積した知見、塗料設計技術、製造ノウハウが活かされています。

 衛生意識の高まりの中で、不特定多数の人が手に触れる製品あるいは飛沫が飛散する環境での適用が考えられる。具体的にはオフィス、病院、学校、介護福祉施設の内装、公共トイレ、エレベーター内、間仕切りや宅配ボックス・書架などをイメージしている。

 同社では、現在、各種の表面処理鋼板に対して光触媒機能付与について開発を進めており、今回、高意匠性鋼板(ヘアライン調電気めっき鋼板)「FeLuce®」に、光触媒機能を付与することで抗ウイルス機能を有する高意匠・光触媒機能鋼板を開発し、屋内の実環境に即した「低照度」での性能を評価した。JIS R 1756(可視光応答型光触媒材料の抗ウイルス性試験方法-バクテリオファージQβを用いる方法)により抗ウイルス性試験を行い、照度500lx(ルクス)で鋼板に付着したウイルスが99.99%不活化することを確認した。

FeLuceを用いた光触媒機能鋼板の抗ウイルス性能

 各種抗ウイルス薬剤の散布、塗布サービスが提供されているが、光触媒機能鋼板を適用した製品の拡がりによりこれらの施工、メンテナンス作業が軽減でき、コスト削減にも貢献できると考えている。

admin 2021年8月4日 (水曜日)
admin

パーカー熱処理工業、振動摩擦摩耗試験機の国内100台目を東京理科大・佐々木研究室に納入

3年 3ヶ月 ago
パーカー熱処理工業、振動摩擦摩耗試験機の国内100台目を東京理科大・佐々木研究室に納入

 パーカー熱処理工業(https://pnk.co.jp/)はこのほど、ドイツOptimol Instruments Prüftechnik社が開発した振動摩擦摩耗試験機「SRV®」の国内での100台目の納入を達成した。100台目の納入先は、東京理科大学・佐々木信也教授の研究室。ドイツをはじめとする欧州、日本、中国などにおいて、潤滑剤や自動車向けトライボロジー試験機のデファクトスタンダードとなっている。今回佐々木研究室に納入されたのはその最新機種となるSRV®5で、「アプリケーション指向の試験機」としてユーザーの実部品を実使用に近い環境で試験でき、正確で再現性の高い試験結果が得られるもの。

佐々木研究室に納入されたSRV®5

 

SRVに貼られた国内納入100台目の記念シール

 

 SRV®5は、オシレーション(揺動)セットアップおよびローテーション(回転)セットアップと、オシレーション・ローテーション両方の動きを模擬でき実部品で評価できる「Combi-Drive」によって、各種の工業用潤滑油やグリース、自動車部品、ベアリングなどの試験評価に活用されている。また、新しい評価法としては、ギヤ油の評価におけるFZG試験、グリースの評価におけるFE8試験など、試験時間が長くコストのかかる各種試験法の試験時間を短縮し開発コストを削減できる「スクリーニング試験」としての有用性も評価されている。

 今回SRV®5の導入を決めた佐々木教授は、「SRV®ラウンドロビン試験報告会」や「SRV®ユーザーズミーティング」を主催する「トライボロジー特性のデファクト標準に関する研究会」の主査を務め、第1世代の装置から自身のトライボロジー研究に供している、SRV®ヘビーユーザーの一人。

 佐々木教授は、導入したSRV®5への期待や感慨、抱負を以下のように語っている。「摩擦摩耗試験の難しさは、様々な要因によって摩擦係数や摩耗量の値が影響を受ける点にある。すなわち、摩擦条件(摩擦材料、潤滑剤、荷重、速度など)が同じであっても、評価試験機が違えば単純に測定値の大小で優劣を判定することはできない。そのため、トライボロジー分野においては、デファクトスタンダート機がその評価において非常に大きな役割を担っている。SRV®試験機は、国際的なデファクト試験機としての地位を確立し、摩擦材料や潤滑剤のスクリーニング評価にはなくてはならない装置といっても過言ではない。当研究室では、初期よりSRV®試験機を用いることで信頼性の高いデータの発信に努めてきたが、この度、新たに計測系を中心に最新技術が搭載されたSRV®5を導入することにより、これまで以上に質が高く、汎用性の高い成果の発信を推進することとした。図らずも今回の装置が国内に導入された通算100台目のSRV®試験機ということで、Optimol社やパーカー熱処理工業との長年の付き合いも思い出され、喜びもひとしお。今後も国際ラウンドロビンテストへの参加、国内ラウンドロビンテストの実施などを通し、トライボロジー特性評価方法の向上に貢献していきたいと思っている」。

佐々木信也教授

 

kat 2021年7月29日 (木曜日)
kat

HEFグループ、フォトニクス関連3社を買収、防衛・民生用フォトニクス分野参入へ

3年 3ヶ月 ago
HEFグループ、フォトニクス関連3社を買収、防衛・民生用フォトニクス分野参入へ

 仏HEFグループはフォトニクス(光工学)分野のメジャープレイヤーとなりグループの多角化を推進する目的で、フォトニクス関連企業である米国ABRISA Technologies、仏KERDRY、仏FICHOUの3社を買収した。

 

 HEFはフォトニクス分野において市場調査から科学分析までの、また技術開発から大量生産までの垂直統合モデルを構築してきたが、今回新たに3社が強みとする防衛・民生用フォトニクスという戦略的分野に参入し、長年グループ内で培ってきたPVD/PECVD薄膜やフェムト秒レーザー、表面特性評価ノウハウといった専門知識を、この新分野で活用することによって、60年の歴史を持つ表面処理加工の技術革新を図り、ビジネス活動を拡げていく。

 HEFではフォトニクス分野を多角化戦略の重要な分野と位置付けており、2021年にはフォトニクス事業の売上がグループ総売上の約10%になると見ている。HEFでは戦略的ターゲット市場として防衛・医療・宇宙・デジタルにフォーカス、さらに事業を拡大していきたい考えだ。

 買収したABRISA Technologiesは2020年の売上高が23億円で従業員は142名。1980年以降、精密光学コーティングとカスタムメイドのガラス製品の設計・製造を行っており、米国カリフォルニア州にAbrisa Industrial GlassとZC&R Coatings for Opticsという二つの製造拠点を持つ(総敷地面積は12500m²)。ABRISA Technologiesは、プロトタイプから量産まで、光学ガラスの加工、切断、研磨、処理(ABRISA INDUSTRIAL GLASS)から真空薄膜蒸着によるあらゆる種類の光学コーティング(ZC&R)までを自社で一貫生産している。得意とする技術は、①透明・導電性(電気的接続を伴う)、②反射防止膜、③誘電体フィルターおよびミラー、④耐熱か・腐食防止処理、⑤あらゆる光学、フォトニクス(UV-可視光-IR)向けの表面処理で、一般産業、防衛産業向けの主な適用先としては、①超薄型ガラス製品、②一体型ディスプレイ、③光センサー用フィルター、ビューポート、④過酷な環境下で使用されるコーティングの耐久性改善などがある。

反射防止膜

 

 KERDRYはまた、フランス・ランニョン市に拠点を置き、2020年の売上高が3億円で従業員は20名。光学薄膜および金属薄膜成膜専用の実用的な成膜装置を開発。その装置は精緻に制御された高真空下で様々なコーティング薄膜を蒸着・形成できる。現在、PVD装置15台が広さ1000m²以上のクリーンルーム内に設置されており、フォトリソグラフィーにも対応している。宇宙、医療、防衛、航空、デジタルマーケット、さらには高級ファッション業界や研究開発施設向けに、①メタライゼーション:電子ビーム蒸着、スパッタリング、熱蒸着、あるいはそれらの組み合わせであらゆるタイプの基板(ガラス、単結晶、有機)への導体薄膜コーティングの成膜、②UVからIRまでの光学系処理(反射防止、誘電体、インテンスブラック、ダイクロイック、フィルターなど)、③フォトリソグラフィーによるマスキングと光学アッセンブリー製造、などのサービスを提供している。

フォトリソグラフィー

 

 さらにFICHOUは、フランス・フレンヌ市に拠点を置き、2020年の売上高が4億円で従業員は35名。1946年以降、常にユーザーニーズに対応した高品質な光学部品を製造しており、2017年にクリーンルームを備えた2300m²の新施設に移転、これにより磨き工程、コーティング工程を統合したより効率的なレイアウトを実現している。2018年にはフランス防衛関連の中小企業向けベンチャーキャピタルDefinvest(ファンド)の支援を受けたことで継続的生産性の改善と持続的企業成長を図っている。あらゆる種類の部品や基板(プリズム、レンズ、ビューポート、ミラーなど)、また、あらゆる種類の材料(ガラス、サファイア、シリカ、金属、UVおよびIRクリスタル)を扱い、λ/20の精度で、φ1000mmまでの寸法に対応。光学系表面処理はUVからIRまで、ガラス、シリカ、クリスタル上の反射防止、セパレーター、反射、ダイクロイックセレクターのほか、一般的なインデックス基板の標準的な処理:反射防止MC400-700nmと反射アルミニウム保護膜にも対応している。主に宇宙、航空、防衛産業や、各種研究機関向けにビジネス展開している。

光学薄膜蒸着

 

 HEFグループ会長のファブリス・プロスト氏は、「この3社の買収でまたとない好機をつかむことができた。3社ともに、フォトニクス分野で世界的プレイヤーになるというHEFグループの戦略に賛同しており、200名もの有能な従業員を迎えることができて本当に喜ばしい。我々が持っているプロセス/表面処理、技術的専門知識が相互に補完し合って生じるシナジー効果は、大きな原動力を生み出すだろう。そして、防衛・医療・宇宙・モビリティ・デジタル等を含む、あらゆる産業分野での新プロジェクト、ビジネスチャンスを次々と獲得していくことだろう」と語っている。

kat 2021年7月28日 (水曜日)
kat

エリコンバルザース、コーティング技術が航空機エンジン部品に採用

3年 3ヶ月 ago
エリコンバルザース、コーティング技術が航空機エンジン部品に採用

 エリコンバルザース(本社:リヒテンシュタイン)は、ドイツ・MTU Aero Engines社と10年契約を結び、中距離向け商業旅客機「エアバスA320neo」で使用される次世代GTF航空エンジンのエアロフォイル部品に対してコーティング技術を提供する。

 今回、MTU Aero Engines社が所有する耐浸食コーティング「ERCoatnt」のラインナップにエリコンバルザースが販売しているコーティング装置「INNOVENTA giga」によるコーティング技術が採用されたもの。INNOVENTA gigaにより成膜した被膜が旅客機エンジンの効率を従来以上に高めることができるという。

 今回の契約により、エリコンバルザースはMTU Aero Engines社に対してINNOVENTA gigaを10年間販売、サポートしていく。ドイツの主要な航空エンジンメーカーである、MTU Aero Engines社は真空物理蒸着(PVD)コーティングの主要サプライヤーの専門知識やノウハウ、その装置ポートフォリオにより、短納期で一貫性、再現性の高い商品品質を提供することが可能になる。それぞれの能力を活用しMTU Aero Engines社の高圧コンプレッサーエアロフォイルに耐浸食コーティングを施すことで、アメリカ・Pratt & Whitney社製「PW1100G-JM」航空エンジンの効率向上にさらに貢献する。

 INNOVENTA gigaは、ハイテク技術を駆使したINNOVENTAコーティングシステムの中で最も大きな装置で、高さ1.7m以上、最大直径0.7m、最大積載量は3000kgまでのワークに対してコーティングが可能となっている。

 MTU Aero Engines社の購買責任者のホルガー・アウアー氏は「エリコンバルザースは、このコーティングプロジェクトの初期段階において、MTUにとって信頼できるパートナーであることを証明した。その技術力と顧客志向に基づき、ヨーロッパとアジアにおける強力で信頼できるサプライチェーンの確立を期待している。さらに、我々の共通の目標は、MTUが所有するERCoatntアプリケーションをさらに向上させることである。エリコンバルザースの意欲的なチームが、この非常に要求の多いプロジェクトを開発・量産において満足のいくように全うしてくれると確信している」と話している。

 また、エリコン サーフェスソリューションズ事業部のCEOであるマーカス・タッケ氏は「この長期契約はMTU Aero Engines社のような顧客が当社の技術を信頼していることの明確な証である。世界的に高い評価を得ている当社の一流のコーティングソリューションを用いて、エンジンや燃料効率の向上、それにより持続可能性への貢献のために、当社の専門知識を提供できることを嬉しく思う。今回の契約は、PVDなどの表面処理ソリューションのリーディングサプライヤーとして、航空宇宙市場において持続可能なイノベーションをさらに提供していくという当社のコミットメントを明確にするものだ」と述べている。

admin 2021年7月26日 (月曜日)
admin

高機能トライボ表面プロセス部会、第16回例会を開催

3年 4ヶ月 ago
高機能トライボ表面プロセス部会、第16回例会を開催

 表面技術協会 高機能トライボ表面プロセス部会(代表幹事:岐阜大学 上坂裕之氏)は7月16日、「高機能トライボ表面プロセス部会 第16回例会」をオンライン開催した。

 冒頭、挨拶に立った上坂代表幹事は、「本部会は設立以来、対面でのディスカッションと懇親に重きを置いてきたことからコロナ禍の2020年度は活動を休止していたが、オンライン開催のノウハウも蓄積してきており、また、その利点も分かってきている。以降は、オンサイトでできるときには対面開催を、それが難しい場合にはオンライン開催をと、両方式を有効に使って、これまでと同様の活発な活動を継続していく予定だ。本部会はトライボロジー、機械向けの表面を創製する技術を活用していくことと、トライボ表面を創るプロセスを理解していくことの二点を目的として活動しているが、今回はトライボ表面創製プロセスのための計測・評価技術や、プロセスのメカニズムを理解するためのシミュレーション技術を紹介する。ぜひとも活発な議論を行っていただきたい」と述べた。

挨拶する上坂氏

 

・「アモルファス状炭素膜のプラズマ気相化学堆積反応の赤外分光計測」篠原正典氏(福岡大学)…成膜における表面反応を制御する上で、表面反応計測・観測が必要であり、プラズマ中の基板表面の状態を計測する手法として、表面吸着物質や薄膜中の官能基、結合状態、赤外活性であるものなどをプラズマ中、実時間・その場で測定が可能な赤外分光法を紹介した。原料分子の結合状態が堆積した膜の化学結合状態に影響を及ぼすことから、エーテルを原料として用いたアモルファス状炭素膜のプラズマ気相化学堆積反応(PECVD)の赤外分光計測結果として、成膜時間10分、膜厚5 nm程度で成膜モード(基板上のダングリングボンド密度など)が変化したことや、エーテルで成膜した膜がメタンで成膜した膜よりも純水に対する接触角が低いこと、特にイソプロピルエーテルを使った成膜でのモード変化(他のエーテルと比べての接触角の低さなど)について報告した。

・「数値シミュレーションで見る微細加工(成膜)技術」李 虎氏(東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ)…解析ツールを活用し、個々の活性種の役割を明らかにすることで、成膜プロセスの最適化を図ることを企図した。マクロスケール解析によるプラズマ強化化学蒸着(PECVD)での解析結果としては、O2+イオンが膜の均一性への影響が、また酸素原子が特に高周波にするほど成膜レートへの影響が高いとした。ナノスケール解析によるプラズマ強化原子層堆積(PEALD)での解析結果としては、酸素イオンのエネルギーが低くなると基板へのダメージは少なく化学反応がメインで起こるものの、不純物が完全に取り除かれないためエネルギーの高いイオンが必要であることなどが分かった。マクロスケールおよびナノスケールの解析を総合的に考えることで、主にイオンとラジカルの基板への影響が把握できてきており、メカニズムの解明が進んできていると総括した。

・「半導体デバイス製造におけるプラズマを用いたTi薄膜の成膜機構」伝宝 一樹氏(東京エレクトロンテクノロジーソリューションズ)…アルゴンベースの新しいPECVDプロセスおよび装置技術について紹介した。プラズマ密度とシース厚を制御できるインピーダンス制御によって高いステップカバレッジのTi薄膜の成膜を実現できるほか、膜の低抵抗化を図れるなどのメリットを発現できると説明した。また、双方向マルチスケールシミュレーションを用いてTi薄膜のPECVDでのプラズマ反応モデルを構築し、そのプラズマ反応モデルをPEALDに適用したところ、成膜装置、プロセス条件、サンプル形状は違うものの、同じ結果をよく再現できており、構築した反応モデルが妥当であると述べた。同モデルを用いて行ったPEALDによるTiCl4の吸着機構としては、誘電体表面にダングリングボンドが形成されて吸着が促進されることが推定された。

kat 2021年7月19日 (月曜日)
kat

パテント・リザルト、鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界の他社牽制力ランキング2020を発表

3年 4ヶ月 ago
パテント・リザルト、鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界の他社牽制力ランキング2020を発表

 パテント・リザルトはこのほど、鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界を対象に、2020年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2020」をまとめた。この集計により、直近の技術開発において競合他社が権利化する上で、阻害要因となる先行技術を多数保有している先進的な企業が明らかになる。集計の結果、2020年に最も引用された企業は、住友電気工業、次いで日本製鉄、日立金属となった。

 1位の住友電気工業の最も引用された特許は「車両の走行軌跡情報を利用して正確な逆走行判定を行い、その情報を報知できる危険走行情報提供装置」に関する技術で、ROBERT BOSCHなどの計7件の審査過程で引用されている。このほかには「コア材を取り出す作業の際の作業性が良い電気絶縁ケーブル」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、日立金属の「複合ケーブル及び複合ハーネス」など計7件の拒絶理由として引用されている。2020年に、住友電気工業の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は矢崎総業(96件)、次いで古河電気工業(58件)、パナソニックIPマネジメント(50件)となっている。

 2位の日本製鉄の最も引用された特許は「自動車構成部材用成形部材」に関する技術で、東亜工業、いすゞ自動車の計4件の審査過程で引用されている。このほかには「工場にある、回転機器、加熱圧延機器などの点検装置」に関する技術が引用された件数の多い特許として挙げられ、NEC、東芝などの計4件の拒絶理由として引用されている。2020年に、日本製鉄の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、JFEスチール(141件)、次いでPOSCO(57件)、神戸製鋼所(34件)となっている。

 3位の日立金属の最も引用された特許は「発泡性樹脂を用いることなく、電気特性と機械特性に優れた細径の同軸ケーブル」に関する技術で、東京特殊電線の「多芯通信ケーブル」関連特許4件の審査過程において拒絶理由として引用されている。2020年に、日立金属の特許によって影響を受けた件数が最も多い企業は、住友電気工業(49件)、住友電装(21件)、パナソニックIPマネジメント(19件)となっている。

 そのほか、4位 JFEスチールは「汎用的に適用でき、異常を高精度に検知できる異常監視システム」、5位 古河電気工業は「接続構造体、及び半導体装置」が、最も引用された特許として挙げられる。

鉄鋼・非鉄金属・金属製品業界 他社牽制力ランキング2020 上位10社

 

admin 2021年7月19日 (月曜日)
admin

新東工業、大型H形鋼用ブラスト装置の販売を開始

3年 4ヶ月 ago
新東工業、大型H形鋼用ブラスト装置の販売を開始

 新東工業(  https://www.sinto.co.jp )は鉄骨用ショットブラストのKACXシリーズに、高さ1300mm×幅500mmまでの大型のH形鋼のブラスト処理が可能な「KACX-Ⅳ」を追加、販売を開始した。

KACX-Ⅳ

 同品は、大型のH形鋼においても表面粗さRz50μm以上の表面粗さを確保して摩擦力を高める。ブラスト処理は反転作業不要で1度にすべての処理が可能であることや、処理後にフランジ面に残留した投射材を払い落とす機能も搭載しているため、作業の効率化や作業者の負担解消にもつながる。処理時間は従来のサンダー処理の約10分の1以下になるという。

 また、同品はJASS6(鉄骨工事標準仕様書)が規定している、すべり係数0.45を確保することが可能。鉄骨工事におけるブラスト処理は、その他の工法と比較してすべり係数が高くなるため、品質の高い製品を提供することができる。

 ブラスト処理を行うH形鋼のサイズに合わせて処理機構の稼働を最適化することにより電力消費量を抑えランニングコストを低減、省エネにも貢献する。さらに、ブラスト装置の設置にあたり、顧客でのピット施工工事が不要なため工事費用の削減が可能となっている。

 昨今、建築物の大型化や高強度化に伴い、建築資材となるH形鋼の大型化が進んでいる。しかし、H形鋼はJASS6において、接合摩擦面(他の部材と接合する面)のすべり係数が0.45以上となるように処理をする必要がある。そのため、これまで大型のH形鋼については、作業者がサンダー処理を行ったのち、赤さびを発生させて、すべり係数の確保を行っていた。

admin 2021年7月16日 (金曜日)
admin

新東工業、大型H形鋼用ブラスト装置の販売を開始

3年 4ヶ月 ago
新東工業、大型H形鋼用ブラスト装置の販売を開始

 新東工業(  https://www.sinto.co.jp )は鉄骨用ショットブラストのKACXシリーズに、高さ1300mm×幅500mmまでの大型のH形鋼のブラスト処理が可能な「KACX-Ⅳ」を追加、販売を開始した。

KACX-Ⅳ

 同品は、大型のH形鋼においても表面粗さRz50μm以上の表面粗さを確保して摩擦力を高める。ブラスト処理は反転作業不要で1度にすべての処理が可能であることや、処理後にフランジ面に残留した投射材を払い落とす機能も搭載しているため、作業の効率化や作業者の負担解消にもつながる。処理時間は従来のサンダー処理の約10分の1以下になるという。

 また、同品はJASS6(鉄骨工事標準仕様書)が規定している、すべり係数0.45を確保することが可能。鉄骨工事におけるブラスト処理は、その他の工法と比較してすべり係数が高くなるため、品質の高い製品を提供することができる。

 ブラスト処理を行うH形鋼のサイズに合わせて処理機構の稼働を最適化することにより電力消費量を抑えランニングコストを低減、省エネにも貢献する。さらに、ブラスト装置の設置にあたり、顧客でのピット施工工事が不要なため工事費用の削減が可能となっている。

 昨今、建築物の大型化や高強度化に伴い、建築資材となるH形鋼の大型化が進んでいる。しかし、H形鋼はJASS6において、接合摩擦面(他の部材と接合する面)のすべり係数が0.45以上となるように処理をする必要がある。そのため、これまで大型のH形鋼については、作業者がサンダー処理を行ったのち、赤さびを発生させて、すべり係数の確保を行っていた。

admin 2021年7月16日 (金曜日)
admin

日立建機とNIMS、歯車の再利用可否の判定手法を開発

3年 4ヶ月 ago
日立建機とNIMS、歯車の再利用可否の判定手法を開発

 日立建機( https://www.hitachicm.com/global/jp/ )と物質・材料研究機構(NIMS、 https://www.nims.go.jp/ )は、建設機械の部品の一つである歯車について再利用可否の判定手法を共同で開発した。

歯車の再利用可否判定の様子

 本手法を活用することで、再生部品を製造する工程において、歯車の再利用可否を定量的な基準に沿って判断できるようになる。これにより、これまで廃棄していた歯車が減少するため、CO2排出量の抑制および産業廃棄物の削減が可能となる。

 日立建機の部品再生事業は、顧客の使用済み純正部品(油圧シリンダ、油圧ポンプ、走行装置など)を修理や定期交換時に回収し、分解・整備後、新品同等の機能保証付きの再生部品として、顧客にリユースしてもらう事業。

 再生部品を製造する工程で、例えば減速機の場合は、複数の歯車の組み合わせで構成されているため、分解後に各部品の再利用可否や、どの程度の加工・修理を行うべきかを判断する必要がある。歯車の再利用可否は、表面の傷、摩耗の度合いなど、目視などによる外観上の検査で推定寿命を判断していたため、定量的な基準を設けることが課題となっていた。

 本手法は、日立建機 ライフサイクルサポート本部 再生事業部とNIMS構造材料研究拠点環境疲労特性グループが共同開発したもので、2019年から取り組んできた。さまざまな稼働時間の建設機械から取り外した減速機の歯車にX線を照射して、表層組織の変化を測定する試験を重ね、疲労の蓄積による金属組織の変化と残留応力の変化に相関関係があることが分かった。

 この相関関係に着目しながら、表層組織の変化を定量的に測定するNIMSの技術と日立建機の再生部品に関するデータや知見を組み合わせることで、歯車の損傷の有無を定量的な基準で定め、再利用の可否を判定できるようになった。なお、本手法を用いた場合、超大型油圧ショベルでの部品の定期交換において、1台当たり約14トンのCO2排出量の低減が見込まれる。

歯車が組み込まれている旋回減速機(左)と走行減速機(右)

 本手法は、日立建機の土浦工場と常陸那珂工場において、2021年1月より試験的に導入を開始しており、2021年度中に本格的な導入を予定している。将来的には、再生事業を行っている日立建機グループの海外拠点への導入も計画している。日立建機とNIMSは、これからも共同開発を継続し、再生部品のデータベースとAIを組み合わせて、より高精度かつ迅速に歯車の再利用可否を判定する手法の開発を目指す。

admin 2021年7月12日 (月曜日)
admin

東陽テクニカ、7/9に硬度・機械特性評価技術をテーマにオンラインセミナーを開催

3年 4ヶ月 ago
東陽テクニカ、7/9に硬度・機械特性評価技術をテーマにオンラインセミナーを開催

 東陽テクニカ(https://www.toyo.co.jp/microscopy/)は7月9日13:30~14:30に、長年にわたり販売をしているナノインデンター(薄膜硬度計)に関するオンラインセミナー(第6回)「硬度・機械特性評価技術-DLCやアルマイト等の自動車用硬質材料の評価事例紹介-」を開催する。参加費用は無料で、以下から申し込みができる。
https://www.toyo.co.jp/microscopy/seminar/detail/indenter_webinar202105-07

 最先端デバイスで多用されている機能性薄膜の機械特性は、そのデバイスの耐久性を左右する重要なファクターで、ナノインデンテーション法は現在ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などの硬質材料から、粘着剤などの軟質材料まで幅広く利用されている。

 自動車用エンジンでは摩擦低減を目的に硬質薄膜などによる表面改質が行われているが、今回のセミナーでは、表面改質時の膜の硬さや押込み試験時のクラック挙動について紹介する。

 セミナーの内容は以下のとおり。
・ナノインデンターを用いたビッカース硬さの算出
・DLC膜の硬度・ヤング率の測定
・アルマイト処理表面の押込みによる割れの発生
 

ナノインデンテーション試験

 

kat 2021年7月5日 (月曜日)
kat

ヤマハ発動機など、ショットピーニングで硬質な窒化層を短時間で形成

3年 4ヶ月 ago
ヤマハ発動機など、ショットピーニングで硬質な窒化層を短時間で形成

 ヤマハ発動機( https://global.yamaha-motor.com/jp )は、静岡大学 菊池将一准教授と東京電機大学 井尻政孝助教と共同で、チタン合金表面を加熱することなく硬質な窒化層を短時間で形成させることに成功した。

 軽くて強くて錆びないチタン合金は構造材料として実用されているが、チタン合金の適用範囲拡大には摩擦摩耗特性に乏しい点を克服することが不可欠となっている。そのため、窒素拡散を利用した表面硬化法が広く用いられているが、チタン合金を窒素雰囲気で長時間加熱する必要があった。

 研究では、常温・大気環境で窒素含有微粒子を高速投射するプロセス(ショットピーニング)により、チタン合金表面に硬い窒化層が形成されることを明らかにした。処理時間はわずか30秒ほどで、従来手法と比較して大幅に短縮された。さらに、従来手法の課題であった加熱によるチタン合金組織の粗大化を防ぐこともできる。

窒素を含む微粒子を高速で衝突させることにより、常温・大気環境でチタン合金の表面に窒化層を形成

 窒素含有微粒子によるショットピーニングにより、窒素含有微粒子の一部がチタン合金の表面に付着し、短時間でチタン合金表面に硬い窒化層が形成されることを明らかにした。さらに、窒素含有微粒子の衝突時にチタン合金の表面組織が改質されることも明らかにした。従来手法では加熱によってチタン合金組織が粗大化したが、本研究ではチタン合金の表面組織を微細化させることにも成功した。

窒素を含む従来の窒化処理と比較して窒化層の形成速度が高いことを見出したチタン合金の表面組織が微細化

 同社では今後、本研究で得られた成果が優れた摩擦摩耗特性と強度特性を併せ持つ多機能チタン合金の開発につながると考えており、航空機、自動車、生体医療分野などへの応用展開が期待されます。

admin 2021年7月1日 (木曜日)
admin

アイシンなど、工業炉バーナの水素燃焼技術に関する実証実験を開始

3年 4ヶ月 ago
アイシンなど、工業炉バーナの水素燃焼技術に関する実証実験を開始

 アイシン( https://www.aisin.com/jp/ )と東邦ガス( https://www.tohogas.co.jp/ )は、アイシンが保有している工業炉バーナを対象とした水素燃焼技術に関する共同実証実験を開始した。

 この取組みにおいて両社は、2050年の脱炭素社会の実現を見据え、燃焼時に二酸化炭素を排出しない水素の工業炉バーナにおける燃焼技術の知見を獲得する。アイシンは水素燃焼による製品への影響評価を、東邦ガスはバーナの設計・評価を主に担当し、2026年3月までに工業炉バーナでの実用化を目指す。

 対象となるのは、アイシン 城山工場の連続式熱処理炉における間接加熱式バーナ。自動車部品の加熱・冷却等の熱処理工程を連続して行う連続式熱処理炉において、水素を燃料とする間接加熱式バーナ(シングルエンド型ラジアントチューブバーナ)を用いて、炉の昇温性能や製品の熱処理具合等の評価を行う。

連続式熱処理炉での評価イメージ

 また、アイシン 西尾工場ではアルミ溶解・保持炉における直接加熱式バーナで実証実験を行う。アルミ溶解・保持炉において、水素を燃料とする直接加熱式バーナを用いて、まずは小規模な試験炉を運転し、水素燃焼に関する基本的な特性を把握する。その後、大規模な生産炉にスケールアップし、アルミニウムの溶解能力等の評価を10月ごろに行う予定。

アルミ溶解・保持炉での評価イメージ

 

admin 2021年6月29日 (火曜日)
admin

YKK、めっき技術の環境負荷大幅低減をLCA調査にて立証

3年 5ヶ月 ago
YKK、めっき技術の環境負荷大幅低減をLCA調査にて立証

YKK( https://www.ykk.co.jp/japanese/ )が開発した、従来のめっき薬品を一切使用せず、シアン、クロム、セレン等の有害物質を100%除去したブラス材向け新めっき技術 AcroPlating® が、サステナビリティコンサルティング会社Peterson Projects B.V.によるライフサイクルアセスメント(LCA)調査にて、「主に熱エネルギー使用、温室効果ガス排出および汚泥排出において、環境負荷低減への利点がある」との結果を得た。

 従来のめっきは、製造工程でシアンやクロム等の環境に有害な物質を含む薬品を使用するほか、大量の水や電気を使用するなど環境負荷への対応が課題となっていた。YKKが開発した AcroPlating® は、従来のめっき薬品を一切使用せず、シアン、クロム、セレンといった有害物質を製造工程から完全に排除することに成功した。これにより、有害物質による環境負荷をなくしたほか、製造工程で排出される温室効果ガスの96%削減、水使用量の66%削減、消費電力の69%削減を実現した。

 YKKでは2019年にAcroPlating®を開発し、同年より本技術を使用したファスナー(スライダー)とスナップ・ボタンを販売開始している。スナップ・ボタンにおいては、2020年4月にPeterson Projects B.V.によるLCA調査を実施しており、今回のファスナーにおけるLCA調査結果を受け、ファスナーとスナップ・ボタンの両商品で、AcroPlating®が環境負荷を大幅に低減することが示された。

AcroPlatingを処理したスライダーAcroPlatingを処理したスナップ・ボタン

 

admin 2021年6月23日 (水曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2021年6月号 特集「金型の表面改質」「窒化処理」6/25に発行

3年 5ヶ月 ago
メカニカル・サーフェス・テック2021年6月号 特集「金型の表面改質」「窒化処理」6/25に発行

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2021年6月号 特集「金型の表面改質」、キーテク特集「窒化処理」が当社より6月25日に発行される。

 今回の特集「金型の表面改質」では、工具鋼・ステンレス鋼型材への低温プラズマ窒化の適用について、様々な金型に適したドライコーティングの概要について、塑性加工・熱処理シミュレーションソフトの概要と活用事例について、日本鋳造工学会東海支部で発表された金型の表面改質技術について紹介する。

 また、キーテク特集「窒化処理」においては、大気圧下でのプラズマ窒化法と小型部品を大量処理可能な回転式プラズマ窒化法などについて、ガス窒化・軟窒化処理における雰囲気制御システムの概要と炭素鋼S45Cへの適用事例について紹介する。

特集:金型の表面改質

◇金型における低温プラズマ窒化の適用事例・・・表面機能デザイン研究所 相澤 龍彦
◇金型におけるドライコーティングの適用・・・日本コーティングセンター 川名 淳雄 氏、稲垣 真吾 氏に聞く
◇塑性加工・熱処理シミュレーションソフトの活用・・・SCSK 原田 英輝 氏、星 雅人 氏 に聞く
◇日本鋳造工学会の研究部会に見る金型の表面改質技術・・・編集部

キーテク特集:窒化処理

◇本研究室におけるプラズマ窒化の研究開発動向・・・大同大学 宮本 潤示
◇ガス窒化・軟窒化処理の雰囲気制御システム・・・パーカー熱処理工業 平岡 泰

連載

トップインタビュー・・・・木内 礼次郎 氏(ナノフィルムテクノロジーズ ジャパン)
現場に行こう!・・・昭和真空 開発棟
注目技術:ディファレンシャルギヤにおける環境配慮型の塩浴軟窒化処理技術の適用・・・HEFグループ
Dr.クマガイののんび~り地球紀行 第16回 アメリカ西海岸編・・・不二WPC 熊谷 正夫

トピックス

FPS、第14回岩木賞の業績募集を開始、表彰費用の賛助も募集
ニッチュー、いわき工場が操業開始
レスカ、スクラッチ試験などの受託測定を開始
日本トライボロジー学会、2020年度学会賞を発表

雑誌ご購入

定期購読はこちらから

単号のみのご購入はこちらから(外部サイト)

admin 2021年6月22日 (火曜日)
admin

ブルカージャパン、6/29、7/8、7/15にナノスケールDMA評価技術でウェビナーを開催

3年 5ヶ月 ago
ブルカージャパン、6/29、7/8、7/15にナノスケールDMA評価技術でウェビナーを開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部(https://www.bruker-nano.jp/)は、原子間力顕微鏡(AFM)、ナノインデンターそれぞれのナノスケールDMA(動的特性)評価技術について、基礎・事例を紹介するウェビナーを開催する。詳細・登録はこちらで確認できる。

 6月29日 13:30~14:10、7月15日 13:30~14:10には「【わかる!AFM】AFM-nDMAの基礎とコツ~高分子材料の機械特性をナノスケールでマッピング~」を開催する。両日とも同内容で、都合のいい日程を選択できる。プログラムは以下のとおり。

・13:30~13:15  「AFM-nDMA 測定評価のご紹介」

・13:45~13:55  「ユーザーインタビュー」
 ゲスト:ブリヂストン 先端材料部門 五十嵐 貴亮氏…nDMA評価について豊富な利用経験を持つユーザーが、nDMAの信頼性や定量性についての考えや注意点などを、ユーザーの視点からコメントする。

・13:55~14:05   「ブルカーnDMA測定デモンストレーション」

 また、7月8日 10:00~10:40には、「ナノインデンター基礎講座~nanoDMA編~」を開催する。本ウェビナーでは、ナノインデンターの機能の一つであるnanoDMA機能に注目し、その原理・アプリケーション事例を紹介する。

 

kat 2021年6月18日 (金曜日)
kat

トライボコーティング技術研究会、令和3年度第1回研究会・総会を開催

3年 5ヶ月 ago
トライボコーティング技術研究会、令和3年度第1回研究会・総会を開催

 トライボコーティング技術研究会は5月28日、埼玉県和光市の理化学研究所で「令和3年度第1回研究会及び総会」を開催した。当日は実地およびオンラインによるハイブリッド開催となった。

開催のもよう

 

 当日は大森 整会長(理化学研究所)の開会挨拶に続いて、以下のとおり講演がなされた。

・「FCVセパレータ向けなどトライボコーティングの最近の話題」滝沢正明氏(IHIハウザーテクノコーティングB.V.)…同社がPVD装置を提供している装飾用途、トライボ用途、ツール用途のうち、トライボ用途でのダイヤモンドライクカーボン(DLC)コーティングの応用例として、自動車の燃料噴射系や動弁系、ピストンシステム、風力発電装置向けテーパーころ軸受などを紹介した。また、最先端アークコーティングCARC+処理による水素フリーDLC(ta-C)およびドロップレットのない平滑な膜を密着性良く成膜できる高出力インパルスマグネトロンスパッタリング(HIPIMS)の技術進化(HIPIMS第1~3世代)について解説。さらに、同社の燃料電池車セパレータ向けカーボンコーティングが接触抵抗(ICR)測定や耐食性試験、定常・動的負荷試験で良好な性能が確認されており、パイロット生産フェーズでは最大サイズのバッチ式成膜装置FLEXICOAT1500が、量産フェーズではインライン成膜装置「METALLINER」が適用できると述べた。

講演する滝沢氏

 

・「金型や摺動部材の表面改質熱処理技術に関する紹介」渡邊陽一氏(日本パーカライジング)…製品の高強度化+加工の高サイクル・高面圧化が求められる金型に関してトレンドとなってきている窒化系表面硬化処理の高精度化と複合化について、また、日産自動車「e-POWER」を例に高いモーター回転数~30000rpm=高強度化(高面圧・高滑り速度)、静粛性=低ひずみの要求に対して摺動部材に高機能化+低ひずみの表面改質⇔窒化系表面硬化処理の高精度化と複合化について紹介。酸化と窒化を同時に行う新しい塩浴酸軟窒化法「イソナイトLS」では、この最表面に形成されるLi+Fe複合酸化層による独特の機能を活かして、ダイカスト金型、各種鍛造金型、および摺動部材への適用が堅調に進む傾向があるとした。ガス窒化・軟窒化技術は、窒化ポテンシャル制御技術の一層の高精度化に加え、窒化組織や窒化機構および高機能特性が解明されつつあり、これを契機に窒素を利用した高・多機能化開発による新たな摺動部品や金型への展開が進むと予想した。

講演する渡邊氏

 

 研究会に続いて総会が開催され、令和2年度 活動報告・会計報告がなされ、令和3年度 活動計画が発表された。役員改選では、会長に大森 整 氏(理化学研究所 主任研究員)、副会長に熊谷 泰 氏(ナノコート・ティーエス社長)と野村博郎 氏(理化学研究所 大森素形材工学研究室 嘱託)が再任された。

総会のようす:議事進行を務める熊谷副会長

 

 総会後は、理化学研究所・伊藤ナノ医工学研究室の見学会が行われ、伊藤嘉浩氏が開発した、微量採血(検体量20μL)で41項目を同時に30分で検査できるマイクロアレイ・バイオチップを用いた検査システムなどが紹介された。

見学会のようす

 

kat 2021年6月16日 (水曜日)
kat

レスカ、スクラッチ試験などの受託測定を開始

3年 5ヶ月 ago
レスカ、スクラッチ試験などの受託測定を開始

 レスカ( https://www.rhesca.co.jp/ )は、自社が製造・販売する試験・測定機器を用いてスクラッチ試験、摩擦摩耗試験、摺動型はく離強度試験などの受託測定サービスを開始した。

 受託測定サービスは、メーカーとして経験豊富な同社の専門エンジニアが測定から報告まで対応。流れとしては、①電話またはメールで問い合わせ、②評価方法や試料の内容など測定内容の確認、③お試し測定(測定可否確認のため3試料まで無償対応)、④見積もり、⑤測定依頼、⑥測定結果の報告書送付、となっている。標準的な受託測定であれば、納期は試料受理後2週間だという。受託測定に使用する装置は以下のとおり。

・スクラッチ試験機「CSR1000」
・超薄膜スクラッチ試験機「CSR5100」
・摩擦摩耗試験機「FPR2200」
・摺動型はく離強度試験機「OST3000」
・タッキング試験機「TAC1000」
・熱伝導率測定装置「TCM1001」
・粉体ぬれ性試験機「WET1001」
・はんだぬれ性試験機「5200TN/ZC/Ad」

  また、受託測定サービスの料金など詳細はこちらから確認できる。

摩擦摩耗試験機「FPR2200」

 

admin 2021年6月15日 (火曜日)
admin

ニッチュー、いわき工場が操業開始

3年 5ヶ月 ago
ニッチュー、いわき工場が操業開始

 ニッチュー( https://www.blast.co.jp/ )は、福島県いわき市にブラスト装置の製造やブラストの受託加工を行う「いわき工場」を新設、このほど操業を開始した。

 新工場の敷地面積は約10400m2。延べ床面積は約5000m2。いわき市のいわき四倉中核工業団地に立地する。新工場開設に伴い新たに10人の地元雇用を行った。いわき工場では、ブラスト装置の製造・販売、中古装置の引取り・販売、大型ブラストルームを備えて受託加工を行っていく。

 今回の新工場建設に関しては、同社我孫子工場(千葉県)が手狭になったことに加え、近年福島第一原子力発電所に関わる除染用ブラスト装置を手掛けたことをきっかけに、福島イノベーション・コースト構想に賛同し国や県、市の支援を受けたことから福島県への進出を決定した。今後は、すでに我孫子工場で認証取得しているISO9001やJIS Q 9100の手法を活用して、同構想や航空宇宙産業においても県内の企業と連携して事業を行っていく。

 同社は、1959年にショットブラスト装置メーカーとして設立。現在ではエアブラストやウェットブラストなどの各種ブラスト装置や周辺装置、また同社製品を使用した受託加工を行っている。

ニッチュー いわき工場

 

admin 2021年6月15日 (火曜日)
admin

日本トライボロジー学会、2020年度学会賞を発表

3年 5ヶ月 ago
日本トライボロジー学会、2020年度学会賞を発表

 日本トライボロジー学会(JAST)はこのほど、「2020年度日本トライボロジー学会賞」の受賞者を発表した。表面改質関連では、以下のような受賞があった。

論文賞

「Intercalation Technology for Preparing a Mica-Organic Hybrid Solid Lubricant and Spectroscopic Evaluation of Its Lubrication Mechanism大下 賢一郎氏(日本パーカライジング)、小見山 忍氏(日本パーカライジング)、佐々木 信也氏(東京理科大学大学院工学研究科) 

 インターカレーション法とは、層状物質の層間、すなわちへき開面に、化学的特性が異なる原子や分子、イオンなどを挿入する反応の総称である。本研究では、層状粘土鉱物の固体潤滑剤としての機能向上を目的に、インターカレーション法によって層間にアルキルアンモニウム塩を担持させた有機変性マイカを合成し、摩擦特性の評価およびへき開メカニズムの解析を行った。

 化学構造が異なる3種類のアルキルアンモニウム塩をマイカの層間に担持させたところ、未変性マイカと比較して、有機変性マイカでは有意に摩擦特性が向上することが分かった。そして、その摩擦低減効果はアルキル鎖長が大きく、かつモノアルキルアンモニウム塩よりもジアルキルアンモニウム塩の方が、より顕著に発現することが分かった。

 次に、マイカのへき開性に最も深く関与している層間密着性を、インターカレーションによる層間の化学的特性の変化に着目し、分光光度学的に解析したところ、摩擦特性が優れるマイカほど層間密着性が低くなっていることが、FTIRおよびXPSのピークシフトの解析から明らかになった。さらに摺動面におけるマイカの残膜をFTIRで解析したところ、摩擦特性が優れるマイカでは、へき開面に相当する(001)面で層間すべりを起こしながら、潤滑が継続していることを明らかにした。

 インターカレーション法では、層間を修飾するための有機化合物の候補は無数にあるが、適切な材料を選択することによって、目的に応じた摩擦特性を自在にマイカに付与できる可能性がある。インターカレーション法および本解析技術が近い将来、固体潤滑剤の高機能化と地球環境保全に大きく貢献することが期待されている。

インターカレーション法によってへき開面を有機修飾したマイカ
 


「MoDTC 添加油中の硬質コーテイングと金属の摩擦によるナノ界面形成」 小池 亮氏(トヨタ自動車東日本)、鈴木 厚氏(アイシン精機)、栗原 和枝氏(東北大学多元物質科学研究所)、足立 幸志氏(東北大学大学院工学研究科) 

 本論文は、ピストンリング等に用いられる硬質被膜に着眼し、摩擦調整剤であるモリブデンジチオカーバメート(MoDTC) に起因するトライボフィルムの形成過程およびトライボフィルム形成に及ぼす被膜の結晶構造の影響を明らかにするとともに、それらの知見に基づき、効率的に添加剤の効果を得るための材料の設計指針を提案したものである。

 近年の自動車の電動化を背景に、ハイブリッド車ではエンジンの油温が上がりにくくなることに伴い、反応系摩擦調整剤の効果発現が困難になるため、特に境界潤滑下における摩擦調整剤の反応に起因するトライボフィルムの形成制御が求められている。これに対し著者らは、独自に導入した摩擦初期のなじみ過程の解析手法を用いた精級な実験と分析により、なじみにおけるトライボフィルムの形成過程のナノレベルでの現象解明を試みている。

 本論文では、4種の硬質被膜と軸受鋼の摩擦系において低摩擦を示す窒化クロム(CrN)膜上には、ナノメートルオーダの結晶性を有する鉄の酸化膜を界面に二硫化モリブデン(MoS2)を含むトライボフィルムが形成されていることを明らかにした。さらにこの結晶性を有するナノ界面は、CrNに対し整数倍の格子定数を有する強固な結合をしており、この格子定数の関係を有する界面形成が、安定した低摩擦を発現するMoS2膜形成の鍵を握ることを明らかにした。

 以上のように、ナノレベルの界面現象の解明にもとづき低摩擦を発現するトライボフィルム形成のためのMoDTC を含む潤滑油中における最適な硬質被膜の設計指針を明示する本論文は、学術的および実用的価値の高い研究であり、日本トライボロジー学会表彰規程に該当するものと認められた。

  技術賞 

「超長寿命自動車用円すいころ軸受の開発」藤原宏樹氏・川井 崇氏・大木 力氏(NTN)

 本軸受は、自動車のトランスミッションおよびデファレンシャルに供される長寿命円すいころ軸受である。

 経済活動に伴う二酸化炭素排出量の増加による地球環境への影響が社会問題化しており、低炭素化社会の実現が国際的課題となっている。自動車の燃費基準は年々厳しくなっており、省燃費化のため自動車は軽量化される傾向にある。トランスミッションやデファレンシャルも小型化、軽量化されており、軸受に対する負荷は過酷さを増している。ハウジングの薄肉化、軸受の小径化によって剛性が低下し、軸受部のミスアライメントは大きくなる。このような厳しい使用条件下において、長寿命の軸受が求められている。

 この課題に応えるため、超長寿命自動車用円すいころ軸受を開発した。転がり接触面における接触面圧を最小化し、接触領域端部の過大な圧力(エッジロード)の発生を抑制できる対数曲線で表されるクラウニングの設計方法を開発し、円すいころに適用した。これにより、従来品比2.5倍以上の転がり疲れ寿命とともに、許容ミスアライメント最大4倍を達成した。また、軸受鋼の結晶粒を微細化する熱処理方法を開発し、異物噛込みや表面粗さ突起接触による表面起点型はく離に対する耐久性を向上させることで、異物混入条件下で従来品比3.8倍以上の寿命を得た。さらに、ころと内輪および保持器のすべり接触部の形状を改良することで、許容回転速度を約10%向上させた。

 本円すいころ軸受は、部品単体に求められる省燃費要求に応えると同時に、自動車ユニットの小型化に寄与できることから、自動車の省燃費化に対する効果が大きい。また、多方面に展開することにより、低炭素化社会の実現に貢献できる。

超長寿命自動車用円すいころ軸受(自動車用ULTAGE円すいころ軸受)

 

「転がり軸受の革新的な寿命向上を実現する材料・熱処理技術」金谷 康平氏・佐田  隆氏・大町 真輝氏(ジェイテクト)、 根石  豊氏・鈴木 崇久氏・山下 朋広氏(日本製鉄)

 本技術は、農建機車両や自動車に使用される転がり軸受の高性能化、特に早期に発生する圧痕起点はく離と白色組織はく離に対する寿命向上を合わせて実現する鉄鋼材料・熱処理に関する技術である。

 近年、市場における軸受の故障は、過酷な使用条件によるものがほとんどである。中でも多くの割合を占める故障が、潤滑剤への異物の混入に起因する圧痕起点はく離と、振動や回転変動を受ける軸受で発生事例が増えている白色組織はく離である。これらは、軸受本来の寿命である内部起点はく離よりも短時間で発生するため、様々な用途の軸受で対策が求められている。

 圧痕起点はく離は、硬質異物によって形成される圧痕の周縁部の応力集中に伴う組織疲労が原因であり、この応力集中の緩和と組織疲労の抑制が寿命向上に有効である。一方、白色組織はく離は、鋼中に侵入した水素の応力集中部への集積による局所的な塑性変形が主要因と推定されることから応力集中部への水素の移動(拡散)を防止し、水素を無害化することが寿命向上に有効と考えた。そこで、熱力学計算による合金設計と転動試験による組成の最適化などによって、新たな軸受用鋼を開発するとともに、その開発鋼に適用する熱処理方法を考案することで、応力集中の緩和、組織疲労の抑制、水素の拡散防止を同時に実現する技術を確立した。

 本技術を適用した軸受は、標準的な軸受に比べて、圧痕起点はく離寿命が2倍、白色組織はく離寿命が5倍以上に向上するため、産業機械や種々の車両の信頼性・安全性の向上、ならびに小型軽量化や軸受の交換頻度低減による省資源・省エネルギーに貢献することができる。さらに、従来の農建機車両用軸受に用いられている肌焼鋼と比較して、希少金属の総添加量を25%削減したことで軸受自体の省資源を実現するとともに、中炭素鋼としたことで熱処理時間の40%短縮を可能にし、軸受製造過程における省エネルギーにも大きく貢献する。これらの優れた性能により、本技術はすでに農建機車両の駆動部品用円すいころ軸受に採用されており、今後も幅広い用途の軸受に拡大が期待される。

kat 2021年6月10日 (木曜日)
kat

サーフテクノロジー、独自微粒子投射処理技術で、配管内の粉体付着トラブルを解決

3年 5ヶ月 ago
サーフテクノロジー、独自微粒子投射処理技術で、配管内の粉体付着トラブルを解決

 サーフテクノロジーはこのほど、食品用粉体の空気輸送などに使われる配管内の粉体付着トラブルに対し、同社の独自微粒子投射処理技術である「マイクロディンプル処理®(MD処理®)の配管内処理専用特殊ノズルを開発した。配管の内面全体へのMD処理を可能にすることで、粉体の詰まりによる供給量低下、食品ロスの問題を解決するとともに、洗浄メンテナンスの軽減に寄与する。

 食品製造ラインには様々な工程があり、それぞれで食品用粉体を空気輸送している。たとえば粉体精製工程では、①解袋機から②ストックホッパー、③ミキサー、④ミル、⑤真空乾燥機、⑥自動篩機、⑦小袋充填機が稼働、それぞれで粉体の付着抑制や洗浄性向上などを目的にMD処理が採用されている。

 一方で、①から⑦までの粉体の空気輸送に使われる長い配管では、「空気輸送の際に粉体が詰まって供給量が落ちる上、食品ロスが発生する」、「洗浄頻度が少なくなく、その度に配管を取り外すのが大変」、「洗浄・乾燥に時間がかかる」といった課題を抱えていた。

 これに対しサーフテクノロジーでは今回、MD処理の配管内処理専用特殊ノズルを開発し、粉体詰まりをなくすことで供給量を改善するとともに食品ロスを抑制、洗浄頻度の低減と、洗浄時間・乾燥時間の短縮に寄与するソリューションを確立したもの。

 施工可能なサイズはサニタリー配管50A~(内径φ50mm以上)で、配管長さについては都度相談・対応していく。

粉体精製工程の一例:各プロセス間で粉体を空気輸送する配管が使われる


 

kat 2021年6月7日 (月曜日)
kat
Checked
56 分 11 秒 ago
mst配信ニュース 表面改質の情報サイト フィード を購読