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カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー

 

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SEMICON Japan 2024が開催、表面改質・計測評価技術が多数披露

5ヶ月 ago
SEMICON Japan 2024が開催、表面改質・計測評価技術が多数披露

 エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2024」が昨年12月11日~13日、東京江東区の東京ビッグサイトで開催され、延べ10万3165人が来場した。

 今回は、変化する半導体~システム全体の設計・検証分野に注目して、現状の課題や次世代の方向性を共有するサミット「Advanced Design and Innovation Summit」(ADIS)が初めて開催されたほか、後工程、パッケージ分野の材料、開発環境、デバイス、製造にフォーカスした第3回目となる「Advanced Packaging and Chiplet Summit」(APCS)や、「半導体と医療」をテーマにした講演と「AI Summit」と題する講演などが行われた。

 半導体製造装置において、3D構造を伴った微細化の進展や、微細化によらず集積度を向上できる3D NANDフラッシュメモリーの高度化などが進む一方で、生産性向上のための高スループット化や、半導体の歩留まり向上のためのコンタミネーションコントロール、ESD対策などが求められる中で、各種の表面改質技術や計測評価技術が披露された。

 大塚電子(https://www.otsukael.jp/)は、ニーズに合わせて選べる組み込み型膜厚計のラインナップを紹介した。顕微分光膜厚計「OPTM series」はパターン作成後のインライン測定が可能で、①高精度(正確さ、高い安定性)、②微小スポット(最小φ3μm)でパターンが狙える、③高速(1ポイント1秒以下)、④測定ポイント上の視野を観察可能(パターンアライメント機能)などの特徴を持つ。膜厚測定範囲は、1nm~ 92μm(SiO2換算)。膜厚測定範囲が10nm~ 90μm(SiO2換算)の「MCPD series」と膜厚測定範囲が10μm~ 775μm(SiO2換算)の「SF-3」はいずれも研磨工程でのin-situ測定が可能。前者の特徴は、①ファイバー光学系のためプロセスに組み込みやすい、②高速測定(最短5msec ~)、③研磨中の膜厚終点検出にも最適で、後者の特徴は、①ファイバー光学系のためプロセスに組み込みやすい、②高速測定(最短1msec~)、③研磨中の膜厚終点検出にも最適、など。

大塚電子のブース

 東京電子(https://www.toel.co.jp/)は、非破壊/破壊型分析型超高感度質量ガス分析装置の販売を行う一方で、ユーザーが分析結果について評価し、装置の性能を実感できるよう、同質量ガス分析装置による受託分析サービスを行っていることをアピールした。すでに半導体デバイスや車載デバイスにおけるプロセス評価やデバイスの品質管理・品質解析などを目的に、ユーザーから半導体デバイス等のサンプルを預かり、同社の埼玉事業所(埼玉県富士見市)に設けた受託分析ラボに設置した非破壊/破壊型分析型超高感度ガス分析システムにより、ガス分析を行う受託サービスが本格化しているという。

東京電子のブース

 日本コーティングセンター(https://www.jcc-coating.co.jp/)は、難加工材用工具の被膜として有効とされる水素フリーDLC(ta-C)タイプの被膜「TETRAスリック」を披露した。高硬度で高い耐摩耗性を持ち、優れた密着性や耐熱特性により工具や治具の長寿命化を実現する。特に硬度を低く抑えて内部応力を下げることで、密着力を重視した長寿命の被膜としている。密着力の高いTETRAスリックではクラックが入りにくく再コーティングでも長寿命化を実現できる。TETRAスリックはまた、ドロップレットを抑制する独自の成膜法によって、被膜の良好な面粗さを実現している。

日本コーティングセンターのブース

 

admin 2025年1月28日 (火曜日)
admin

大陽日酸、金属3Dプリンター用造形品質モニタリングシステム国内で提案

5ヶ月 ago
大陽日酸、金属3Dプリンター用造形品質モニタリングシステム国内で提案

 大陽日酸( https://www.tn-sanso.co.jp/ )は、米国のPhase3D(フェーズ スリーディー)社が開発した金属アディティブ・マニュファクチャリング(金属AM)用造形品質モニタリングシステム「Fringe Inspection」の国内販売に向けた契約を締結した。高い品質が求められる日本市場において、造形品質をモニタリングできる本システムをAMによるものづくりに必須のソリューションとして顧客に提案していく。

 Phase3D社は、金属AMに求められる欠陥検査の造形品質モニタリングシステムを提供している。同社製「Fringe Inspection」は、パターン投影(縞模様)を用いて、Laser Powder Bed Fusion方式と Binder Jetting方式の各層(造形層と粉末層)をμmオーダーで測定するシステム。従来、造形後に行っていた品質管理を造形中に行うことで、リアルタイムに異常を検出し、造形品質を向上させることができる。

 本システムは、パターン投影用プロジェクターと読込用カメラで構成されており、顧客が持っている3Dプリンターに後付可能。すでに3Dプリンターを導入し部品を造形している企業においても、新たな品質管理ツールとして使用できる。

パターン投影(金属 3D プリンター内)

 

admin 2025年1月28日 (火曜日)
admin

大同特殊鋼、5Gアンテナや難密着プリント基板に適したターゲット材

5ヶ月 ago
大同特殊鋼、5Gアンテナや難密着プリント基板に適したターゲット材

 大同特殊鋼( https://www.daido.co.jp/ )は、高密着性とエッチング性に優れた難密着基板用ターゲット材を開発した。

 同品を用いてスパッタリング法で成膜した膜は、難密着基板であるポリイミド樹脂に対して高い密着性を示す。また、この密着膜は配線の形成がしやすいため、5Gアンテナや電子デバイスの量産工程の早期立ち上げに貢献できる。密着性と配線形成のしやすさを両立したターゲット材を新たにラインナップすることで、今後の需要拡大が見込まれる5Gアンテナやインターポーザなどに使われる微細配線基板の分野において、難密着基板用ターゲット材の受注拡大を目指し、高度化する電子デバイスの普及拡大に貢献していく。

 同品により成膜した膜は、①高密着性:難密着基板であるポリイミド樹脂に対して高密着(図1)②易エッチング性:銅エッチングに用いる一般的な塩化第二鉄でエッチングが可能なため、3層 密着層・シード銅層※6・めっき※7銅層の一括エッチングが可能(図2 、図3)
これらの特長により、5Gアンテナやインターポーザの製造工程を一部省略でき、量産工程の早期立ち上げに貢献できます(図4)、などの特長がある。

図1 難密着基板との密着特性

 

図2 エッチング特性

 

図3 配線形成の工程

 

図4 インターポーザ断面図

 近年、AIやビッグデータなどの情報処理に関する多くのシステムや、自動運転、IoT、5Gなどの新しい技術の普及により、膨大なデータを迅速に処理することが求められている。この要求に応えるため、高性能かつ低消費電力の電子デバイスの需要が高まっている。5Gのような高周波の伝送においては、信号の劣化を防ぐために、伝送経路を短縮させた微細配線が必要になる。さらに、伝送ロスを減らすために、ポリイミド樹脂などの低誘電基板の適用が進んでいるが(図5)、配線材料である銅は、基板との密着性が低く、断線のリスクが高いため密着膜が必要とされている。これまで、密着膜には、一般的にチタン膜が使用されていたが、チタン膜は、銅と同じエッチング液で配線が形成できないため、2回のエッチング工程が必要になる。同品による膜は、難密着基板に対して密着性が高く、かつ一般的なエッチング液で銅配線と一括エッチングが可能だという。

図5 難密着基板および樹脂の誘電率と密着性の関係


 

admin 2025年1月28日 (火曜日)
admin

島津製作所、従来機種と比べて10分の1で物性情報を取得できる走査型プローブ顕微鏡

5ヶ月 2週 ago
島津製作所、従来機種と比べて10分の1で物性情報を取得できる走査型プローブ顕微鏡

 島津製作所( https://www.an.shimadzu.co.jp )は、従来機種と比べて10分の1の時間で局所的な物性情報を取得できる走査型プローブ顕微鏡「SPM-9700HT Plus」の販売を開始した。操作性と効率性を兼ね備えた走査型プローブ顕微鏡(SPM=Scanning Probe Microscope)の汎用モデルとして、ナノ材料の評価・研究に寄与する。

SPM-9700HT Plus

 同品は、信号処理速度の向上と制御方法の最適化で、物性画像取得速度の高速化を実現した。従来機種では6時間程度かかっていた物性観察結果のマッピング画像が、専用ソフトウェア「ナノ3DマッピングFast」(オプション)を利用することで30分以下で取得できる。また、観察条件を自動で設定して安定的な画像取得を支援する「NanoAssist」機能をソフトウェアに搭載した。スピーディーに試料を交換できる「ヘッドスライドメカニズム」、消耗品である探針の取り付けが容易な「カンチレバーマスター」(オプション)など操作性を高める機構も備えている。

 走査型プローブ顕微鏡は、先端が10nm程度の探針(プローブ)を試料に近づけて、試料と探針間の力学的・電磁気的な相互作用力を検出しながら走査し、試料表面の三次元形状や物性情報を取得する。原子間力顕微鏡(AFM=Atomic Force Microscope)とも呼ばれる。電子線を使う電子顕微鏡は真空中での観察が必要だが、SPMは大気や溶液中の観察・測定ができる。高分子材料や電池材料、生体などの形状観察や物性評価といった用途で、ナノテクノロジー・ナノサイエンスの研究に必須の手法として利用されている。

admin 2025年1月15日 (水曜日)
admin

東大など、ダイヤモンド表面を原子レベルで観察する技術を開発

5ヶ月 2週 ago
東大など、ダイヤモンド表面を原子レベルで観察する技術を開発

 東京大学大学院新領域創成科学研究科の杉本宜昭教授らの研究グループは、東京大学物性研究所の尾崎泰助教授らの研究グループと産業技術総合研究所(以下、産総研)先進パワーエレクトロニクス研究センターの小倉政彦主任研究員らの研究グループと共同で、ダイヤモンド表面を原子レベルで観察する技術を開発しました。

 ダイヤモンドは究極の半導体として、パワーデバイスや量子デバイスの材料として注目されている。デバイスの製作過程において、微細加工技術で作製される微小なデバイスであるほど、原子レベルの欠陥がデバイス性能へ及ぼす影響が無視できなくなる。デバイスの性能を向上させるためには、ダイヤモンド表面を原子スケールで評価することが必要だという。

 本研究グループは、原子間力顕微鏡を用いることでダイヤモンド表面の個々の炭素原子の可視化に世界で初めて成功した。本手法によって原子スケールのダイヤモンドの分析への道が開けたため、今後ダイヤモンド薄膜の成長機構の解明や、ダイヤモンドデバイスの性能向上に大きく貢献することが期待できる。

プローブ先端の原子の元素識別の模式図。赤い球と青い球は基板上の既知の原子を表す。その既知原子にプローブ先端の原子を近づけて、化学結合エネルギーを計測して元素識別する

 

admin 2025年1月15日 (水曜日)
admin

日本製鉄、自社の新規・更新制御盤に着色高耐食めっき鋼板を適用

5ヶ月 2週 ago
日本製鉄、自社の新規・更新制御盤に着色高耐食めっき鋼板を適用

 日本製鉄( https://www.nipponsteel.com/ )は、生産設備の新設・更新時のCO2排出量削減を目的として、制御盤筐体の仕様標準に、塗装工程を省略できる着色高耐食めっき鋼板「スーパーダイマ®GB」を追加した。

スーパーダイマGBを適用した制御盤

 スーパーダイマGBは高耐食めっき鋼板スーパーダイマの後処理において顔料を用いて、一般的な電設資材に用いられる色調マンセル値「5Y7/1」近似色を着色した鋼板。制御盤などの電設資材は、その防錆機能を塗装により担保していたが、同社が提供する高耐食めっき鋼板(スーパーダイマ、ZAM)を適用することにより、製造(塗装)工程でのCO2排出量を削減することが可能。

 今回、同社に電機制御システムの納入実績があるTMEIC、同社の制御盤を製造するティエスイーと共同で、溶接以外の接合方法などの諸課題を解決したことから、同社名古屋製鉄所の制御盤91面(鋼材ベースで約45t)、東日本製鉄所君津地区の制御盤4面(同2t)での適用を決定し、既に制御盤の製造、その設置を開始している。

admin 2025年1月15日 (水曜日)
admin

日本金属、高い表面絶縁抵抗を有するステンレス鋼

5ヶ月 2週 ago
日本金属、高い表面絶縁抵抗を有するステンレス鋼

 日本金属は、高い表面絶縁抵抗を有するステンレス鋼「FI(Fine Insulation)仕上」を開発した。

 近年、スマートフォンやゲーム機などに代表される電子機器においては小型化、低背化が顕著になっている。これまでは導通部に触れる箇所へ絶縁テープや樹脂との複合体を設けることにより、短絡を回避する対策が取られてきたが、コスト高や小型化、低背化の妨げとなっていた。

FI仕上のイメージ図

 そうした課題を背景に、同社はステンレス表面に絶縁抵抗を有する無機皮膜(膜厚1μm程度)をプレコートした、FI仕上を独自開発した。FI仕上は後加工で表面処理を実施する必要がないため、省スペース化にも対応した製品で、顧客の工程省略や生産性向上、コスト低減などにも貢献する。

 同品は新たなニーズに対応した製品で、電子機器や二次電池用途での今後の販売拡大を目指す。

admin 2025年1月15日 (水曜日)
admin

高機能トライボ表面プロセス部会、第25回例会を開催

6ヶ月 ago
高機能トライボ表面プロセス部会、第25回例会を開催

 表面技術協会 高機能トライボ表面プロセス部会(代表幹事:岐阜大学 上坂裕之氏)は12月16日、名古屋市千種区の名古屋大学 EI 創発工学館で第25回例会を開催した。

 今回は上坂代表幹事から開会の挨拶の後、以下のとおり、講演が行われた。

挨拶する上坂代表幹事

「ガスインジェクションパルスプラズマCVD法を用いたa-C:H膜の超高速成膜」針谷達氏(岐阜大学)…真空中のガス流を利用したプラズマCVD法により、従来法より一桁以上高速なDLC形成を可能にするガスインジェクションパルスプラズマCVD法(GIPP-CVD法)を開発。Ar とC2H2の混合ガスを流れを持たせて導入し、基板ステージ近傍に低速プラズマ流を生成させるGIPP-CVD法によって、DLC成膜速度2.5μm/min以上、ナノインデンテーション硬さ18 GPaと、DLCの優れた機械的特性を有したまま超高速な形成が可能であることを示した。

「Effect of Increasing Residence Time of Methane on Amount of Exhausted Methane in DLC Coating with Plasma CVD」上坂裕之氏(岐阜大学)…DLCのプラズマCVD法による成膜において、流入させたガスの90%以上がプラズマ中で未反応の状態で排気されていることから、原料ガスの高い成膜効率でのプラズマCVDプロセスについて検証した。原料ガスであるCH4分解率に着目し、放電プラズマ内の原料ガスの滞在時間が長くなると1μm成膜ごとに原料ガスの排気が1/100程度に減り、滞在時間を上げると原料ガスの有効利用につながる、と述べた。

「工具・金型への多結晶ダイヤモンド被膜の適用と課題解決事例の紹介」岡本浩一氏(新明和工業)…ダイヤモンドコーティング超硬工具リサイクルに貢献する、刃先が丸くならずに超硬素材にダメージを与えずに除膜できるイオンエッチング装置や、工具の硬化(プラズマ窒化)と刃先の先鋭化の複合処理を実現できるプラズマイオン処理装置、ダイヤモンドコーティングを再コートできるダイヤモンドコーティング装置を紹介した。

「過飽和窒素固溶化による型材表面のナノ構造化;ステンレス鋼・CoCrMo超合金の型材化を事例として」相澤龍彦氏(表面機能デザイン研究所)…過飽和窒素処理(MNS処理)を施した医療用CoCrMo超合金型材の硬さ試験と摩擦摩耗試験の結果では、表面硬度が1500HVとセラミック部品に匹敵する表面硬度を、ドライ環境での摩擦係数μが0.45と化学的安定性ゆえに低摩擦・低摩耗を示した。また、MNS処理した超合金型による高強度ステンレス鋼・チタン合金の高圧下率鍛造では、500MPa級の微細結晶粒材のニアネット鍛造を実現した。

開催のようす

 

kat 2024年12月27日 (金曜日)
kat

アキレス、ガラス基板への高密着めっき形成技術を開発

6ヶ月 ago
アキレス、ガラス基板への高密着めっき形成技術を開発

 アキレス( https://www.achilles.jp )は、同社独自のポリピロールめっき法を用いて、ガラス基板への高密着めっき形成を可能にする技術を開発した。

めっき処理前(左)、処理後(右)のガラス基板外観

 同社は導電性高分子であるポリピロールを用いた独自のめっき技術を開発し、様々な難めっき素材に対応する密着性の高いめっき技術を提供してきた。また、ポリピロールめっき法に関連する特許を取得し、約50件を権利化している。これまでガラス基板に密着性の高いめっき膜を形成することは難易度が高いとされていたが、同社はこのポリピロールめっき法を用い、低温・常圧のプロセスで密着性の高いめっき膜をガラス基板に形成する技術を開発した。

めっきによりガラス基板上に微細配線を形成

 半導体の微細化・高集積化が進む中で、半導体パッケージ基板の新たな材料としてガラスが注目されている。同社は今回開発した新技術について微細配線形成に関する研究開発をさらに進めるとともに量産技術の確立を図り、次世代半導体の製造分野における利用を図る考え。

 ポリピロールめっき法は、同社が独自に開発したナノ分散ポリピロール液を用いためっき処理技術。2003年から10年以上の開発期間を経て事業化を実現した。主な特長として、①ナノ分散ポリピロール液を塗工した部分にのみ、めっきが析出する、②様々な基材への密着性が高いめっき処理が可能、③エッチング処理が不要のため環境負荷が低い、などがある。スマートフォン等の電磁波シールド用途では、製品のさらなる薄型化・軽量化に貢献している。

admin 2024年12月26日 (木曜日)
admin

不二越、熱処理工程に置いて飛躍的に省エネを高める真空脱脂洗浄装置

6ヶ月 ago
不二越、熱処理工程に置いて飛躍的に省エネを高める真空脱脂洗浄装置

 不二越( http://www.nachi-fujikoshi.co.jp/ )は、金属熱処理工程において、環境負荷低減や省エネなどのコストダウンに寄与する省エネ真空脱脂洗浄装置「NVD-10HP」を開発・市場投入した。

 カーボンニュートラルの実現に向け、あらゆる産業において省エネなどの取り組みが求められている。近年、電力価格が高騰するなか、ものづくりを支えている金属熱処理の前後に行う洗浄工程においても大量のエネルギーを消費していることから、電力消費量の少ない省エネ型の洗浄装置のニーズが高まっている。同社はこれまで独自の減圧蒸留再生器を搭載した炭化水素系の真空脱脂洗浄装置を販売し、自動車、産業機械分野における熱処理工程の洗浄ニーズに応えてきた。今回、従来品に比べて、飛躍的に省エネを実現する高効率のヒートポンプを搭載した炭化水素系省エネ真空脱脂洗浄装置を開発した。

 同品の主な特徴は、①省エネ性:低温洗浄を可能にしたことで、洗浄液加熱に必要なエネルギーを削減し、省エネ性が向上。さらに、高効率なヒートポンプの採用により、消費電力を従来品(NVD-10E)比で 50%以上削減(標準時 50%減、省エネモード時 74%減)②省資源:洗浄液を直接加熱しない温水間接加熱方式の採用で熱媒体油が不要となり、省資源化に貢献③小型化:共通ベースの小型化で設置面積を従来品比で 20%削減。さらに、ユニット化により既存品との置き換えも容易。

不二越「NVD-10HP」

 

admin 2024年12月26日 (木曜日)
admin

トライボコーティング技術研究会、令和6年度第3回研究会を開催

6ヶ月 ago
トライボコーティング技術研究会、令和6年度第3回研究会を開催

 トライボコーティング技術研究会(会長:理化学研究所 大森 整 主任研究員)は12月13日、東京都江東区の東京都立産業技術研究センターで「令和6年度 第3回トライボコーティング技術研究会」を開催した。

 当日は、大森会長の開会挨拶に続いて、以下のとおり講演がなされた。

「PVD・CVD硬質膜の密着性」仁平宜弘氏(仁平技術士事務所)…PVD・CVDによる硬質膜に適用されている密着性評価としてスクラッチ試験、圧痕試験、曲げ試験を挙げ、スクラッチ試験ではTiN膜を連続荷重方式と一定荷重負荷方式で測定した事例やCrN膜のスクラッチ痕における膜の破断形態を示した。また、AEと摩擦力の臨界荷重(Lc値)が一致する事例としてTiN膜/SKH51のスクラッチ波形やTiAlN膜/SKH51のスクラッチ波形を示した。一方、一致しない事例としてCrN膜/SKH51のスクラッチ波形や顕微鏡像を示した。このほか、スクラッチ試験と圧痕試験による被膜の破壊状況の整合性を観察した事例やスクラッチ試験と曲げ試験による被膜の破壊状況の整合性を観察した事例を示した。さらに、PVD・CVDの密着性に及ぼす不具合因子や密着不具合事例を具体的に示し、最後に密着性の改善事例として中間膜の適用事例を多数示した。

講演する仁平氏

「冷間金型用鋼におけるPVD・CVDコーティング時の留意事項~ダイス鋼およびハイス特有の熱処理特性と関連して~」仁平宜弘氏(仁平技術士事務所)…冷間金型用のダイス鋼とハイス鋼に存在する主な炭化物や化学成分と用途例を紹介し、炭化物に関する留意事項、PVD・CVDコーティング時の留意事項を示した。冷間金型用ダイス鋼の焼入れ焼き戻しに伴う一般的な組織変化では、低温焼戻しでは残留オーステナイトがそのまま残存するとした。ダイス鋼を急冷した際の各温度領域における生地組織については焼入温度が高い程マルテンサイト変態の始まりと終了の温度は低下して残留オーステナイト量が増加すると報告した。残留オーステナイトの増大によって生じる支障として耐摩耗性が劣ることや寸法収縮、研磨割れが生じやすいことなどを挙げた。その上でSKD11の焼戻し温度と残留オーステナイト量の関係や体積変化に及ぼす焼入温度の影響、焼戻し温度と変形率などを具体的に示した。

令和6年度第3回研究会のようす

 

admin 2024年12月26日 (木曜日)
admin

メカニカル・サーフェス・テック2024年12月号 特集「DLCコーティングの最新技術動向」12月25日発行!

6ヶ月 1週 ago
メカニカル・サーフェス・テック2024年12月号 特集「DLCコーティングの最新技術動向」12月25日発行!

 表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2024年12月号 特集「DLCコーティングの最新技術動向」が当社より12月25日に発行される。

 今回の特集では、浴室鏡の水垢汚れを抑止するDLCコーティングと性能評価技術について、DLCコーティングの色合い・膜厚管理に有用な分光測色計について、微細印刷・成形ロール向けDLCコーティングの技術動向についてについて、フランス・HEFにおける電気自動車用デファレンシャルシャフトへのDLCコーティングの適用について、手広くDLCコーティングの受託加工を行う東研サーモテックの分析・評価技術について紹介する。

特集:DLCコーティングの最新技術動向

◇浴室鏡の水垢汚れを抑止するDLCコーティング技術と性能評価技術・・・TOTO 園川 沙織 氏に聞く

◇ガラス表面へのDLCなどに適用される表面改質技術と色合い・膜厚管理に有用な分光測色計・・・コニカミノルタジャパン 西本 昌弘 氏 × 編集部

◇微細印刷・成形ロール向けDLC膜の技術動向・・・シンク・ラボラトリー 佐藤 吉伸、吉岡 正之、生田 航

◇フランスにおける電気自動車用デファレンシャルシャフトへのDLCの適用・・・ナノコート・ティーエス 熊谷 泰、IREIS エチエン・マクロン

◇DLCなどドライコーティングの分析・評価技術に関する雑感・・・東研サーモテック 髙橋 顕 氏に聞く

連載

注目技術:第79回 トライボロジー試験機を用いたDLCなど硬質薄膜の試験評価・・・PCS Instruments、島貿易

酒飲み世界紀行:第6回 英国生活編:遙かなるCambridge その1・・・横浜国立大学 梅澤 修

トピックス

第17回岩木賞に、東京理科大学/ジオマテック、愛媛大学/山口大学、英PCS Instruments /島貿易、芝浦工業大学が受賞

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表面設計コンソーシアム、SURTECH 2025「トライボコーティング/試験評価機器ゾーン」で表面の困りごと相談室を設置

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admin 2024年12月23日 (月曜日)
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東京理科大学トライボロジーセンター、コンパクトサイズのオシレーション摩擦摩耗試験機1号機を設置

6ヶ月 1週 ago
東京理科大学トライボロジーセンター、コンパクトサイズのオシレーション摩擦摩耗試験機1号機を設置

 東京理科大学トライボロジーセンター(センター長:佐々木信也 教授)は先ごろ、ドイツOptimol(Optimol Instruments Prüftechnik)社の日本総代理店であるパーカー熱処理工業(https://srv-pnk.jp/)の協力のもと、コンパクトサイズのオシレーション摩擦摩耗試験機「ETS(Easy Tribology Screener)」1号機を設置した。表面改質や潤滑油剤、材料などさまざまなトライボロジー試験で活用していく予定だ。

 ETS は、摩擦摩耗試験機大手のOptimol社が開発・製造した、簡単・スピーディーにトライボロジー評価試験が行える入門機。荷重は最大300Nであるが、コーティング薄膜や潤滑油・グリースなどのスクリーニング評価には十分な仕様となっており、試験中の摩耗進行や薄膜隔離などをオンライン計測できる点に優位性がある.また、ETSはトレーニングがほとんど必要なく、簡単かつ直感的に操作できるため、納入初日から高品質な試験結果が得られる。主な仕様は、荷重1~300N、摩擦係数0.001~0.5、ストローク0.01~3.00mm、速度10~70Hz、RT~200℃、オンライン摩耗量測定の分解能は0.1μm(最大2mm)である。

 トライボロジーセンター長の佐々木教授は「センターでは、さまざまなトライボマテリアルや潤滑剤について、ナノレベルでの現象解明からマクロな実用部品評価まで、幅広いトライボロジー研究を行っている。ETSは搭載された静電容量ギャップセンサーによってオンライン摩耗量測定が可能なことに特徴があり、DLCなどの薄膜や改質表面などの密着性や耐摩耗性の評価において、国際的な標準試験機としての普及が期待される」と語る。

 パーカー熱処理工業では、佐々木研究室でETSを活用した研究内容や確認されたETSのメリットなどを検証しながら、ETSの販売促進につなげていく。 
 

トライボロジーセンターに導入されたETS kat 2024年12月23日 (月曜日)
kat

bmt主催 講演会・交流会「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」

6ヶ月 1週 ago
bmt主催 講演会・交流会「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」

 メカニカル・テック社 bmtベアリング&モーション・テック編集部は2025年3月28日、東京都・八重洲で講演会・交流会「カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」を開催します。

 本講演会では、電動車や風力発電装置など、カーボンニュートラル(CN)実現に向けて需要が高まる機械システムにおいても、引き続き重要な役割を果たすと見られる歯車システムへの技術課題と、軸受や潤滑油剤といったトライボロジー技術を中心とするソリューションについて、第一線でご活躍の講師の方々にご講演をいただきます。新分野でのビジネスのヒントとなるよう、また、トライボロジー分野のネットワークを広げていただけますよう、皆様のご参加をお待ちしております。

主催:株式会社メカニカル・テック社 『bmtベアリング&モーション・テック』編集部

コーディネーター:東京理科大学 教授 佐々木 信也 氏

開催日時:2025年3月28日(金)

講演会:13時30分~17時(開場:13時)

交流会:17時~19時

会場:TKP東京カンファレンスセンター8階 ホール8E(東京都中央区八重洲1丁目8-16)

参加費用:37, 730円(税込み、資料代、交流会参加費含む)

プログラム(予定) ※各講演後に5分間の質疑応答を予定しております

・13:30~14:05 「総説:カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー」東京理科大学 教授 佐々木 信也 氏

・14:10~14:45 「自動車用動力伝達技術研究組合(TRAMI)の考えるカーボンニュートラルシナリオとギヤなど機械要素・潤滑技術への期待」日産自動車㈱ パワートレイン・EV技術開発本部 太田 義和 氏

・14:50~15:05 機械要素・潤滑関連の計測評価メーカーによるショートプレゼン①

・15:20~15:55 「洋上風力発電における機械要素・潤滑技術への期待」 (一社)日本風力発電協会 技術部会長 戸田建設㈱ 洋上風力技術部 松信 隆 氏

・16:00~16:15 機械要素・潤滑関連の計測評価メーカーによるショートプレゼン②

・16:20~16:55 「電動車用トランスアクスルの技術課題と電動車用超低粘度トランスアクスルオイルの開発」 トヨタ自動車㈱ パワートレーン先行製品開発部 先行基盤開発室 グループマネージャー 床桜 大輔 氏

・17:00~19:00 交流会

【お申し込み方法】
以下の受付フォームよりお申し込みください。

お申込みはこちらよりお願いいたします(googleフォーム)。 

問い合わせ先
株式会社メカニカル・テック社 TEL:03-5829-6597 E-Mail:info@mechanical-tech.jp

admin 2024年12月19日 (木曜日)
admin

JIMTOF2024が開催、最新の表面改質技術が多数披露

7ヶ月 ago
JIMTOF2024が開催、最新の表面改質技術が多数披露

 世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)」(主催:日本工作機械工業会(日工会)/東京ビッグサイト)が11月5日~10日の6日間にわたって、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。

JIMTOF2024のもよう

 JIMTOF2024は、東京ビッグサイト全館を利用して総展示場面積11万8540m2で開催。中国、台湾、ドイツ、スイス、韓国、米国など19カ国・地域の企業・団体が出展し、合計出展者数が1262社/5743小間と2022年に開催した前回JIMTOF2022に比べ175社/125小間増え、60年以上の歴史で最大規模の開催となった。

 工作機械は各種機械を動かすための部品を製造することから「マザーマシン」と言われるが、中でも自動車のトレンドが工作機械の要求特性に大きく影響することもあり、JIMTOF2024でも「工作機械 × 未来のMobility」という企画展示が設けられている。

 ここでは、JIMTOF2024において披露された、表面改質技術の一端を紹介する。

 厚地鉄工( http://www.atsuchi-ascon.co.jp/ )は、ロボット1台でブラスト処理から搬送までを可能にした「ABS-BS3-AT」の実機を展示。昨今、需要が急増しているロボットとブラスト装置を組み合わせるシステムを提案。ティーチングも含めた多品種対応が可能な点や、ロボットによりブラスト処理の高効率化、品質安定化、省力化を図れる点を訴求した。また、直接見ることのできないパイプ製品の内面をブラストする専用機「AR型」も紹介。標準機でパイプの寸法200~800(φm/m)まで対応しており、それ以外のパイプ寸法は特殊機で対応が可能だという。

厚地鉄工のブース

 エリコンジャパン( https://www.oerlikon.com/ )は、切削工具において従来コーティングであるBALINIT ALCRONA PROよりも30%以上の工具寿命を向上するコーティング「BALINIT ALCRONA EVO」を紹介した。被膜構造の最適化と硬度向上による耐摩耗性向上、被膜の靭性向上による性能向上、圧縮応力低減によるはく離リスクの低減、熱伝導率が低いことによりハイス工具のクレーター摩耗を低減することなどが特徴として挙げられるという。また、優れた耐摩耗性により、再研磨時の再研磨ストックの量は削減され、工具あたりの再研磨サイクルの回数は増加する。これにより貴重な資源を節約し、顧客は新しい工具コストを大幅に削減することが可能になるという。

エリコンジャパン「BALINIT ALCRONA EVOを成膜した工具」

 神戸製鋼所(https://kobelco-coating.com/jp/)は、従来品と比べて、生成する被膜の長寿命化を達成したアークイオンプレーティング(AIP)装置「AIP-iXシリーズ」を紹介した。搭載した新型蒸発源「μ-ARC」により、被膜の金属元素のうちAl含有率が70at%以上でも立方晶を維持、硬質で表面粗度も良好なAlCrN被膜の成膜が可能。また、新型エッチングシステム「Me-FAPE」が奥まった部分の密着性を向上し、処理空間内でのエッチング性能の均一性も改善。これら搭載機能により、従来のハイエンド工具と比較して約1.5倍の寿命向上が確認されている。さらに、広範囲な操業データをサンプリング・表示可能な状態モニターシステムを採用、トラブル発生時のスムーズな原因特定に貢献する。

神戸製鋼所のブース

 新明和工業(https://www.shinmaywa.co.jp/products/vacuum/)は、ダイヤモンドコーティング装置による多結晶ダイヤモンド成膜および研磨技術の提案により、切削工具だけでなく、面精度や寸法精度が要求される精密金型へもダイヤコートを可能にし、金型の超長寿命化に貢献できることを訴求した。同社のダイヤモンドコーティングはプレス金型への被覆において、水素フリーDLCに比べ15倍以上の耐久性が確認されている。そのダイヤモンドコーティングとの組み合わせで短時間研磨を、電解アシストによって短時間での平滑化を実現している。精密工具において、先端から側面までの鏡面研磨を可能にしている(特許第7212579 ダイヤモンド被膜付き部材およびその製造方法ならびにダイヤモンド被膜の平滑化方法)。

新明和工業「ダイヤモンドコーティングの研磨技術(ダイヤモンドコーティング工具の先鋭化技術)」

 日本コーティングセンター(https://www.jcc-coating.co.jp/)は、製品の寿命や性能を向上させることにより、環境負荷を低減する「環境貢献型製品」であるコーティング技術を紹介した。中でも新製品として、デンソーと共同開発した、切削工具のリユースの回数を増やしても工具径の減少が極めて少ない、工具寿命を大幅に延長する工具再生技術「DeCoat α」を初披露した。高硬度鋼の高速・高能率切削で高い切削寿命を実現できる「プライムコート-T」などのチタン系コーティングと基材の間に、新開発の保護膜を加えたDeCoat αを施した切削工具(評価では超硬エンドミルを使用)の切削性能の検証では、5回の除膜・再コートを繰り返しても新品同様に定数加工が可能で、刃先の摩耗幅に変化がないことが確認されている。工具径の測定結果からは、DeCoat αを施した工具では3回の除膜・再コートを繰り返しても元の寸法に対する変化が±1μm以内に抑制されていることが確認されている。
 

日本コーティングセンター「DeCoat α」

 日本スピードショア(https://speedshore.co.jp/)/ヤマシタワークス(https://www.yamashitaworks.co.jp/)は、異形状ワークを誰でも簡単に短時間で鏡面仕上げ加工できる装置「エアロラップ」を展示した。エアロラップは、ゼラチンを主成分とした食品性研磨材を核に、水分「マルチリキッド」を含有することで弾力性・粘着性を持たせダイヤモンド砥粒を複合させた研磨材「マルチコーン」を、被加工材(ワーク)表面を高速で滑走させて発生する摩擦力によって磨くもの。乾式と湿式の中間的な湿潤状態で、相手材にダメージを与えることなく、精密研磨、最終仕上げや鏡面仕上げを可能にする。各種金型部品の磨き時間短縮、切削工具の寿命延長、DLCなどドライコーティング成膜の前後処理など、さまざまな用途で使用が可能。ブースでは今回、エアロラップ汎用仕様はもちろん、自動化ロボット仕様や、本展示会が初出展となる協働ロボット仕様の稼働展示も行った。

日本スピードショア/ヤマシタワークス「ワークの出し入れを行うロボットを組み込んだエアロラップ」

 日本電子工業(http://www.ndkinc.co.jp/)は、金属部品の表面改質に使う高周波誘導加熱装置向けの誘導加熱コイルなどを3Dプリンターで造形したサンプルを展示した。同社では、金属粉末を敷き詰めて電子ビームで溶かして固めるパウダーベッド方式の日本電子製金属3Dプリンターを導入しており、純銅粉末を用いた造形において、エネルギー効率の高い電子ビームを採用することで、高い熱伝導率と導電率を有する純銅の造形を可能にしている。無酸素銅で作られた誘導加熱コイルと同等の高品質なコイルを造形できるほか、ヒートシンクや電気部品も造形できる。造形はホットプロセスで行われるため、熱応力による反りや曲がりの発生が少なく、後加工を低減できる。金属3D造形サービスとして、①銅の試作受託造形、②顧客との共同による製品開発支援、③金属3D造形品に関する試験サービスを手掛けていることを紹介。地球環境に配慮した製品作りによって持続可能な社会に貢献していることをアピールした。

日本電子工業「3D造形した高周波焼入れコイルなどの純銅造形品」

 パーカー熱処理工業( https://pnk.co.jp/ )は、同社独自の次世代型自動制御ガス窒化システム「NITRONAVI®」を搭載した窒化装置「RAV-N」を広築と展示した。NITRONAVI®を適用する最大のメリットは表面相制御による機械的特性の改善にあるという。同システムは、窒化ポテンシャル(KN)制御により、鋼表面を化合物層レス、γ’相、またε相へ選択的に制御することができる。この結果、耐疲労性・耐摩耗性・耐食性等の機械的特性改善が可能になる。昨今の環境対応においても、従来のガス窒化/軟窒化で無駄に使用していたNH3ガスを処理ごとに最適化したレシピで運用することでNH3ガス使用量の圧縮が期待できるという。また、NITRONAVI®は自動で設定したKN値になるように雰囲気を制御する。この自動制御によって作業者のスキルに依存しない窒化/軟窒化処理を実現する。

パーカー熱処理工業のブース

 不二越(https://www.nachi-fujikoshi.co.jp/)は、切削バリの極小化を実現する切削工具「バリレスシリーズ」として、アルミ合金など非鉄金属用の水素フリーDLCコート工具などの新ラインアップを紹介した。アルミ合金を含む非鉄金属は、切削加工の際に被削材が工具の刃先に凝着しやすく、バリの増大といった品質の低下や工具損傷を引き起こす場合がある。また、これらの被削材は圧縮の力を与えると変形しやすい特性があり、ドリルの先端角によって発生する圧縮の力で、鋼と比べて抜けバリが大きくなる。これに対し新開発の「DLC-REVOコーティング」は、ダイヤモンドに次ぐ膜硬さで耐熱性の高い水素フリーDLCの表面に摺動特性を付加し、低摩擦(耐凝着性向上)を実現。さらに膜厚を薄くすることで、バリレスに求められる切れ味(シャープ性)を担保している。ブースでは、DLC-REVOコーティングを施した新開発の「DLC-REVOドリルバリレス」と「DLC-REVOミルバリレス」を披露、一層のバリ極小化ソリューションを提示した。

不二越「DLC-REVOドリルバリレス」

 山本科学工具研究社( https://www.ystl.jp/ )は、ブリネルやロックウェル、ビッカースといった各種硬さ試験法に使用される試験機の測定結果が正常であるかどうかを確認するための基準的試験片「高精度硬さ基準片」の紹介を行った。熱処理において硬さ管理は重要な品質管理の一種である。硬さ試験におけるISO9000シリーズ等の各種認証には、JIS・ISOに準拠した硬さ試験機の管理が必須となり、その一つに硬さ基準片を用いた管理がある。同社の硬さ基準片は、優れた質(硬さ均一性、JIS・ISOに基づいた普遍的な値、硬さ値の高い安定性)が国際的に認められており、硬さ試験機の始業前点検や間接検証に数多く使用されている。同社では、新しい反発硬さ試験eNM用の硬さ基準片およびナノインデンテーション用基準片など多数の試験片を取り揃えている点をアピールした。

山本科学工具研究社のブース

 

admin 2024年11月29日 (金曜日)
admin

KISTEC、トライボロジー技術フォーラムの参加募集中

7ヶ月 1週 ago
KISTEC、トライボロジー技術フォーラムの参加募集中

 神奈川県産業技術総合研究所(KISTEC、 https://www.kistec.jp/ )機械・材料技術部は12月12日、神奈川県海老名市のKISTEC海老名本部で「令和6年度トライボロジー技術フォーラム ~低炭素社会の実現に向けた摩擦低減システムの開発~」を開催する。当日は会場での開催と同時にオンライン上でライブ配信を行うハイブリッド形式にて開催する。参加費は無料。時間は13時30分~16時30分まで。問い合わせ・申し込みはこちらから。

 フォーラムの内容は以下のとおり。

・13:30 – 13:35「オープニング」青木 信義(KISTEC 機械・材料技術部 部長)

・13:35 – 14:10「スポーツに特化したすべり性を付与した超平面メタルマウスパッドの開発(仮)」永廣 知史(竹内型材研究所 営業本部 リーダー)

・14:15 – 14:50「糖アルコールの摩擦物性とレオロジー特性(仮)」木村 雄輝(物産フードサイエンス 研究開発センター)

・15:00 – 15:35「環境調和型潤滑剤とDLCの組合せによる超低摩擦特性の実用化展望」加納 眞(KANO Consulting Office 代表)

・15:40 – 16:00「糖アルコール潤滑下DLC膜の低摩擦特性」吉田 健太郎(KISTEC 機械・材料技術部 材料物性グループリーダー)

・16:05 – 16:30「KISTEC内トライボロジー関連設備見学」

 

admin 2024年11月21日 (木曜日)
admin

カネカ、北海道に医療用カテーテルの新プラントを新設

7ヶ月 2週 ago
カネカ、北海道に医療用カテーテルの新プラントを新設

 カネカは、本年8月に竣工した血液浄化器プラントに次いで、北海道の苫東工場内にカテーテルの新プラントを建設することを決定した。グループ会社であるカネカメディックスが約を出資、2027年3月の稼働を予定している。

 カネカは、心臓・末梢血管疾患および脳血管疾患の治療デバイスである血管内治療用カテーテルや、がんをはじめとする消化管疾患の治療に用いる消化器用医療機器、不整脈治療に用いる検査・治療用の医療機器など、幅広い診療分野でカテーテル事業をグローバルに展開している。

 今回のカテーテルプラントの新設により、生産能力は現状の約2倍になる。

 先進国を中心に高齢化が世界的に進行し、三大疾病(心疾患、脳疾患、がん)の患者数が増加している。医療用カテーテルを用いた手術は、患者への負担が少ない低侵襲な治療法であることから、グローバルに市場規模が拡大している。これらの旺盛な需要に対し、陸・海・空のアクセスが良好な北海道の苫東地域から競争力のある製品をグローバルに提供することで事業を拡大し、2030年にHealth Care Solutions Unitで3000億円の売上を目指す。

 新プラントはIoTやAI、ロボットなどの先端技術やビッグデータを活用した「スマートファクトリー」で、ラインを自動化したフィールドオペレーションゼロの無人工場を実現する。

 また、鐘かの太陽電池を用いて、工場建物の一次エネルギー消費量をゼロにする「ゼロエネルギーファクトリー」を実現する計画で、サステナブルなものづくりを推進していく考えだ。

バルーンカテーテル製品例

 

kat 2024年11月14日 (木曜日)
kat

パーカー熱処理工業、トライボロジー試験機の専用ウェブサイトを公開

7ヶ月 2週 ago
パーカー熱処理工業、トライボロジー試験機の専用ウェブサイトを公開

 パーカー熱処理工業はこのほど、トライボロジー試験機「SRV®(オシレーション(Schwingung)摩擦(Reibung)摩耗(Verschleiß)」の専用ウェブサイト(https://srv-pnk.jp/)を公開した。

 

 SRV®は、全世界で標準化のためのワーキンググループ(日本・欧州・中国)を持ち、ISO(国際標準化機構)・ASTM(米国試験材料協会)・DIN(ドイツ規格協会)などで規格化された往復動オシレーション試験方法を持つ世界共通の業界標準システムで、世界中で使用されているトライボロジーのデファクトスタンダード試験機と言える。

 同サイトでは最新機種SRV®5の性能や評価できること、試験例のほか、高分解能信号分析(HRA)・電気接触抵抗・アコースティックエミッション(AE)測定・特殊環境対応といった測定機能、さらにはオシレーションモード(往復摺動試験)・ローテーションモード(回転試験)・コンビドライブモード(複合動作試験)の各試験イメージ動画、SRV®受託試験に関する情報、SRV®に関する豆知識、などを掲載している。

SRV豆知識オシレーション試験イメージ動画

 

 また、コンパクトサイズのオシレーション摩擦摩耗試験機「ETS(Easy Tribology Screener)」や、高荷重滑り・転がり・転がり滑り接触向け二円筒試験機「2DISKリグテスター」の製品情報も掲載している。

kat 2024年11月13日 (水曜日)
kat

アクティオ、レーザーで錆びや塗膜などを除去するレーザーブラスト搭載車をレンタル

7ヶ月 3週 ago
アクティオ、レーザーで錆びや塗膜などを除去するレーザーブラスト搭載車をレンタル

 アクティオは、高出力レーザーでサビや塗膜などを除去するレーザーブラスト搭載車「CoolLaser®(クーレーザー)、以下 CoolLaser」のレンタルを開始した。

CoolLaser

 近年、インフラの老朽化は先進諸国を中心に世界を悩ませ、特に少子高齢化が進む日本では、メンテナンス工事の担い手が年々減少する社会課題を抱えている。そのような背景から、同社は2023年4月より、老朽化した橋梁等のインフラのメンテナンスを行うトヨコー(静岡県富士市)と「CoolLaser」のデモに関する共同運営を進めてきた。

 「CoolLaser」は、レーザー処理のため、発生する産廃物は除去対象物に限られ、レーザーヘッド先端部に取り付けた集塵ホースから粉塵を瞬時に吸引するため、従来工法にはない、非常にクリーンな作業環境を実現する。さらに、錆びの原因となる塩分も乾式で除去でき、防食便覧で推奨される80μmRzJIS以下の適度な表面粗度が得られる。これまでの塗替工事は塗膜除去(湿式等)、塩分除去(水洗い等)、素地調整(ブラスト等)と各工程に別の装置を設置する必要があったが、「CoolLaser」は1台で完結することが可能。また、速やかに次の塗装作業に移ることができるため、再劣化の原因となる塩分の再付着・戻り錆びの発生を抑制し、塗替工事の回数低減により、人手不足の解消につながる。

CoolLaserによる作業のようす

 

admin 2024年11月6日 (水曜日)
admin

ボド・メラー・ケミー、日本法人設立の記者会見を開催

8ヶ月 ago
ボド・メラー・ケミー、日本法人設立の記者会見を開催

 ドイツに本社を置く接着剤や潤滑剤、コーティング剤(プリント基板用コンフォーマルコーティングなど)といったスペシャリティ・ケミカルズの大手専門商社であるボド・メラー・ケミー(Bodo Möller Chemie)社は10月28日、東京都港区のJETROイノベーションガーデン(アーク森ビル内)で、本年8月に登記した日本法人ボド・メラー・ケミー・ジャパンの設立記者会見を開催した。

記者会見のようす:左が日本法人社長のジュリアン・ベイショア氏、
右がテクノロジー担当バイスプレジデントのクリストフ・シュネル氏

 

 ボド・メラー・ケミーは1975年に設立、ヘンケルやハンツマン、ダウ、デュポン、BASF、エボニック、メルクをはじめとする約200社の化学品メーカーから最終製品と原材料を仕入れて、商社ながら340人の社員の約半数を占めるという技術スタッフの専門知識と五つの研究所の充実した設備による信頼性・耐久性試験や技術コンサルティング、アプリケーション技術サービスを提供し、サステナビリティやEモビリティー、5Gといったメガトレンドに着目しながら60カ国の市場をカバー(その内37カ国は現地法人化済み)しつつ事業を拡大、2023年には2億200万ユーロ(約324億円)の売上を達成している。

 創業から30年程度は欧米を中心に拠点を拡充してきたが、2015年の中国拠点設立以降、インド、ベトナム、タイ、韓国とアジアでのビジネスを強化、今回、メガトレンドの一角をなす自動車関連や二次電池、エレクトロニクス、水素活用などで先行し産業分野で重要な地位を占める日本の市場を開拓すべく、ボド・メラー・ケミー・ジャパンを設立、日本法人社長として、スペシャリティ・ケミカルズ大手企業で自動車を中心に日本市場開拓の豊富な経験と実績を有するジュリアン・ベイショア氏を任命した。

 記者会見当日は、テクノロジー担当バイスプレジデントのクリストフ・シュネル博士が登壇し、上述のボド・メラー・ケミー社の概況を説明するとともに、「商社ながら技術が売り」といった特色・独自性について強調した。

 また、ベイショア日本法人社長が日本法人の役割について説明した。日本法人は、研究所内での小分けなどのリパック作業や解析、調合の最適化、技術コンサルティング、技術トレーニングといった万全のサポート体制によって、①パートナー企業(メーカー)に代わって日本国内のユーザーへの販売=市場開拓を行う。特に国内に日本法人や代理店がないパートナー企業についてはボド・メラー・ケミー・ジャパンが国内総代理店となり、二次代理店も使って拡販していく、②日系企業の海外工場に販路を開拓すべく国内でのスペックイン活動を行う、③日系化学品メーカーのオンリーワンの製品技術を発掘して海外に輸出する、④後継者のいない商社(従業員10〜30人程度の規模)を数社M&Aによってグループ化し、国内での販売力を強化する、と発表した。

 製造時のカーボンフットプリントを削減するバイオベースのエポキシ樹脂システムや、水素貯蔵向け高圧容器に適用できるエポキシ系炭素繊維トウプレグ、希少資源を再利用できるように接合部分の接着剤のデボンディング(はく離)ができるサステナブルな易解体性接着剤など、ボド・メラー・ケミー社が得意とする環境対応製品を、日本が強みを持つ自動車や水素関連、エレクトロニクス、二次電池などの分野に提案していく。

 日本の厳しいユーザーの要求に対し、アフターサービスや信頼性試験に基づくデータ提出などが迅速に行えるよう、数年後をめどに国内に研究所を設ける予定だ。研究対象としては接着剤に限らず潤滑剤やコーティング剤など、新規開拓案件に応じて、適宜日本製の試験評価装置を導入しつつ、フレキシブルに拡充していく。また、従業員も10人程度まで増員していき、5年後の2029年までに30億円/年の売上を目指す。

 当日はまた、商売繁盛、社運隆盛を願っての、高崎産だるまへの「開眼式」が執り行われた。

だるま開眼式のようす kat 2024年10月29日 (火曜日)
kat
Checked
1時間 40 分 ago
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