Aggregator
ニデックマシンツール、インド新工場を来月稼働 歯車向け工具5割増産
アマダ、山梨体制が発足 新中計アクセル、異次元の成長描く
1on1 働き方相談(65)部下への理解深めるには
進む健康経営/明電舎 就業中禁煙→喫煙5%減
働き方改革(202)九州電化 資格取得で働きがい創造
材料相場表/PDFで公開
素顔/経済産業事務次官に就任する飯田祐二(いいだ・ゆうじ)氏
ハイウィン、中空径340mmの超薄型DDモーターの受注・販売を開始
ハイウィンは、超薄型で大中空径を誇るダイレクトドライブ(DD)モーターDMTシリーズに、圧倒的な大中空径340mm、薄さ30mmの「DMTK3」の受注・販売を本年6月から開始している。
DMTシリーズは、超薄型で低重心、そして大中空径が特徴のモーターで、高精度を要求される半導体製造工程やAOI検査装置への使用に適しているシリーズ。しかし、DMTシリーズを含め市場では、12インチウエハを中空径に通せるDDモーターがなく、従来の12インチウエハ関連の工程ではダイレクトドライブ方式以外の機構や円弧状機構の一部を使用して大きな中空ステージを製作していたものの、粉塵の影響や重量、大きさ、精度、構造などの欠点があった。
そこでハイウィンでは今回、中空径が340mmに広がった「DMTK3」を開発。12インチウエハを中空径に通すことができ、さらに自由度の高いウエハ検査装置などの設計を可能としている。
超薄型のコンパクトさと中空径にケーブルやエア配管を通せることにより、装置メーカーにおけるステージの設計や組立工数を圧縮可能で、例えば同社製リニアモーターと組み合わることで、比較的容易に全高250mm程度の高精度XYΘステージを組むことができるなど、装置の省スペース化や低重心化だけでなく、剛性向上にも寄与できる。
製品の特徴は以下のとおり。
・大中空径340mm、薄さ30mm
・ギヤなし、ゼロバックラッシュ
・高分解能で優れた位置決め精度
・独自の磁気回路設計により高トルク
・当社製高剛性クロスローラーベアリングを内蔵
主な用途として、12インチウエハ関連工程(ウエハダイシングやウエハ検査など)、マイクロLEDマストランスファー工程など、高精度だけでなく大中空径や薄型・省スペース要件を求めるアプリケーションに適している。
NTN、射出成形機用ボールねじ支持転がり軸受を開発
NTNは、業界初となるセパレータ保持器を採用し、業界最高水準の長寿命化と高速回転対応を両立した射出成形機用ボールねじ支持転がり軸受「IMT軸受」を開発した。電動式射出成形機のメンテナンスコスト低減やサイクルタイムの短縮化に貢献するとともに、クリーン環境にも対応する。
射出成形機用ボールねじ支持転がり軸受「IMT軸受」
樹脂製品の製造に使用される射出成形機は、省エネルギー化や環境負荷の低減を背景に、従来の油圧式から、ボールねじとサーボモータを組み合わせた電動式が主流になっている。また、生産性の向上を目的に、射出成形機のメンテナンスコストの低減やサイクルタイムの短縮化が進み、ボールねじに使用される軸受には長寿命化や高速回転への対応が求められている。さらに、医療や食品分野などにおいてはクリーンルームなどの環境で射出成形機が使用されるケースも増えており、軸受の潤滑に用いられるグリースの飛散を防止するニーズも高まっている。
これに対し今回開発した射出成形機用ボールねじ支持転がり軸受「IMT軸受」は、内部設計の見直しとセパレータ保持器およびシールの採用により、長寿命化と許容回転速度の向上、グリース飛散の防止を実現した。ボールのサイズや個数など内部設計を見直すことで、アキシアル基本動定格荷重を従来品比で約1.2倍、定格寿命を約1.7倍、許容回転速度を約1.8倍に向上、高負荷容量と高速回転対応を両立した。また、一般的に使用されるリング状の一体型保持器に比べて幅方向の寸法を抑えることができるセパレータ保持器を業界で初めて射出成形機用ボールねじ支持軸受に採用したことで、内部空間容積が同社従来品(一体型保持器)比で約30%増加した。これにより、軸受の寸法を変えることなくグリースの飛散を防止するシールを追加することが可能で、軸受周辺の環境をクリーンに保つことができる。さらにグリース充填量の増加も可能となり、グリース寿命も向上している。
日本ではすでに射出成形機の電動化が進んでいるほか、今後は中国や欧州などにおいても電動化が進んでいくことが予想されており、ボールねじ支持軸受の需要はさらに拡大していくと見られている。同社では、本開発品をグローバルに提案し、電動式射出成形機の生産性向上やランニングコストの低減に貢献していく。
開発品の特徴は以下のとおり。
・長寿命化:内部設計の見直しにより、同社従来品比でアキシアル基本動定格荷重を約1.2倍向上、定格寿命を約1.7倍向上(ともに業界最高水準)。セパレータ保持器の採用により、同社従来品比で内部空間容積が約30%増加、グリース封入量を増やすことでグリース寿命が向上
・クリーン環境に対応(グリースの飛散防止):セパレータ保持器の採用により、軸受の片側にシールを装着
・高速回転対応:内部設計の見直しにより、同社従来品比で許容回転速度を1.8倍向上
・互換性:従来のシール無し軸受からの置き換えが可能
NTN、流体動圧軸受の販売を拡大
NTNは、独自に開発した流体動圧軸受「動圧ベアファイト」の販売を拡大している。「動圧ベアファイト」は小型・軽量で優れた静音性を持ち、自動車のEV・電動化に伴い、より高い静音性が求められる車載装置向け冷却ファンモータなど新たな用途への採用が拡大している。2025年度には、2022年度の約1.5倍となる約1億5000万個/年の生産を目指す。
流体動圧軸受「動圧ベアファイト」
動圧ベアファイトは、すべり面で軸を受け、軸受すきまに油などの流体潤滑膜を介在させて回転を支える特殊すべり軸受。独自の精密加工技術により、焼結含油軸受の内径面に深さ数µmのへリングボーン型動圧溝を設けているため、軸受すきまの全周で油膜を形成することができ、アンバランス荷重がかかる場合においても軸の振れ回りを抑え、高速回転に対応することが可能。
非接触で回転を支えるため優れた静音性を実現、動圧ベアファイトを使用したファンモータの騒音(音圧)は、転がり軸受を使用した場合の約1/2に抑えることができる。また、ファンモータや小型モータに使用されるミニアチュア軸受(外径9mm未満の転がり軸受)を動圧ベアファイトに置き換えた場合、外径寸法を30%、重量を24%削減することが可能なため、搭載する装置全体の軽量・コンパクト化にも貢献する。動圧ベアファイトは1998年の発売以来、材料の変更や潤滑油の見直しなどの改良を重ねながら、ノートPCなどのモバイル端末のファンモータなどに多数採用されている。
近年、自動車の電動化が進み、これまで内燃機関車で発生していたエンジン音などのノイズがなくなるため、室内空間の快適性の向上に向けてこれまで以上に電装補機類には作動音の低減が求められている。動圧ベアファイトはこうしたニーズに対応する商品として、その優れた静音性などが高く評価され、新たな用途として車載向け冷却ファンモータへの採用が拡大している。優れた静音性により快適な室内空間を提供するとともに、装置の小型・軽量化による自動車の燃費や電費の改善にも貢献している。
さらに、金属粉末をプレス成形して製造するため、旋削や研削などの加工が不要で、投入した材料のほぼ100%を製品化することが可能となっている。材料を廃棄することなく、資源を有効に活用することで、環境にも優しく生産性の向上にも貢献する持続可能な製造方法も特徴としている。
NTNは、本商品を、EV・電動化の加速に伴い静音性へのニーズがますます高まる車載装置などの自動車をはじめウェアラブル情報機器、一般家電など幅広い分野に展開していく。
一般的なミニアチュア軸受と比較しての本商品の特徴は以下のとおり。
・高い静音性:騒音レベル 約6dB低減(音圧は約1/2)
・軽量・コンパクト:重量24%低減、外径寸法30%低減
・高温環境下における信頼性:耐熱100℃以上
・高回転精度:軸の振れ1/3以下(NRRO:非繰り返し振れ精度)
・高い環境性能:歩留まり100%で投入資源のほぼ100%を製品化、廃棄材料なし
NTN、EV・HEV向け同軸e-Axle遊星減速機用ニードル軸受ユニットを開発
NTNは、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)で使用されるe-Axle向けに「同軸e-Axle遊星減速機用ニードル軸受ユニット」を開発した。本商品は、ニードル軸受(保持器付き針状ころ)とシャフトをセットにしたもので、保持器やころ、シャフトの各要素に改良を加え、耐ピーリング性能や高速回転性能、耐モーメント荷重性能を向上することで、小型・高速化を背景に過酷さを増す同軸e-Axleの使用環境に対応し、車両の省燃費・省電費化に貢献する。
近年、開発・普及が進むEVやHEVには、主な駆動源としてモータ、インバータ、減速機を一体化したe-Axleが搭載されるケースが増えている。e-Axleのうち、遊星減速機を使用する同軸e-Axleには、断面高さが小さく高い負荷容量を持つニードル軸受が使用される。
同軸e-Axleは高効率化を目的に潤滑オイルの低粘度化が進んでいるが、低粘度化により油膜が薄くなると、軸受の軌道面ところ(転動体)が直接接触することで、軸受の損傷の原因となる微小なはく離(ピーリング)や亀裂が表層に発生する。
また、車両の省燃費・省電費化に伴うe-Axleの小型化・高出力化により、軸受の高速回転対応も必要となっている。加えて、遊星減速機には静粛性を確保するため、歯すじがらせん状に入ったヘリカルギヤ(はすば歯車)が使用されているが、軸に対して歯すじが斜めに入ったギヤ同士が噛み合うことで、ギヤを傾けようとするモーメント荷重が発生する。
さらに、同軸e-Axleでは、大きな減速比を得るために、軸方向に長い段付き遊星ギヤを用いるため、シャフトも長くなり、荷重がかかった際にたわみやすくなる。モーメント荷重とシャフトのたわみにより、軸受のころの面取り近傍の面圧が上昇し、それに伴う軸受寿命の低下も課題となっている。
こうした課題に対し開発品では、シャフトの熱処理条件を最適化することで、異物などによる表面損傷への耐久性を高め、ピーリング寿命を当社従来品比で約30%向上させた。
また、材料変更や溶接部の設計、熱処理の諸条件を最適化し、保持器の疲労強度を高め、高速回転性能を当社従来品比で約10%向上さた。
さらに、ころのクラウニング形状の最適化に加えて、シャフトの材料変更により塑性変形によるシャフトの曲がり(高温・高荷重下の長時間使用により、シャフトが撓んで塑性変形する現象)の量を約70%低減。これにより、モーメント荷重の発生時において、面圧を低減し、寿命低下を防止することができる。
NTNでは本商品を同軸e-Axleの遊星減速機に最適な商品としてグローバルに提案を進め、e-Axleの小型化・高速化、さらにはEV・HEVの省燃費・省電費化に貢献していく。
EV・HEV向け「同軸e-Axle遊星減速機用ニードル軸受ユニット」同軸e-Axle(赤丸部分が本商品の使用箇所)