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東陽テクニカ、7/9に硬度・機械特性評価技術をテーマにオンラインセミナーを開催
東陽テクニカ(https://www.toyo.co.jp/microscopy/)は7月9日13:30~14:30に、長年にわたり販売をしているナノインデンター(薄膜硬度計)に関するオンラインセミナー(第6回)「硬度・機械特性評価技術-DLCやアルマイト等の自動車用硬質材料の評価事例紹介-」を開催する。参加費用は無料で、以下から申し込みができる。
https://www.toyo.co.jp/microscopy/seminar/detail/indenter_webinar202105-07
最先端デバイスで多用されている機能性薄膜の機械特性は、そのデバイスの耐久性を左右する重要なファクターで、ナノインデンテーション法は現在ダイヤモンドライクカーボン(DLC)などの硬質材料から、粘着剤などの軟質材料まで幅広く利用されている。
自動車用エンジンでは摩擦低減を目的に硬質薄膜などによる表面改質が行われているが、今回のセミナーでは、表面改質時の膜の硬さや押込み試験時のクラック挙動について紹介する。
セミナーの内容は以下のとおり。
・ナノインデンターを用いたビッカース硬さの算出
・DLC膜の硬度・ヤング率の測定
・アルマイト処理表面の押込みによる割れの発生
kat 2021年7月5日 (月曜日)
ジェイテクト、鉄鋼圧延機用長寿命ドライブシャフトを開発
ジェイテクトは、これまでの長寿命化技術に新開発の高密封オイルシールを加え、耐用年数が従来比最大4倍となる鉄鋼圧延機用ドライブシャフトを開発した。商品・技術を販売するだけでなく、定期メンテナンスサービスを充実させることにより、保守・補修にかかる費用の従来比最大50%削減を実現する。グループ会社の光洋機械工業で製造。国内外の鉄鋼メーカーに販売を展開し、5億円/年の売上を目指す。
イメージ図 圧延機のドライブシャフト
ドライブシャフトは、機械の動力をワークロールに伝える回転軸で、圧延機においては、振動や衝撃に加え高温かつ水やスケールの飛散などを伴う過酷な環境下で24時間連続稼働されるため、強靭さが求められている。圧延機においてドライブシャフトの故障は、機械の稼働率に直接影響を与えることから、日々の保全活動は生産性向上とコスト削減の鍵となる。
そこで同社は、長寿命化技術と補修メンテナンスサービスとを組み合わせて提供することにより、ユーザーの生産性向上と安定操業に貢献していく。
鉄鋼圧延機用ドライブシャフトの長寿命化技術と補修メンテナンスサービスは、以下のとおり。
1.プレミアム仕様(長寿命化技術)によりメンテナンスサイクルが従来の最大2倍となる約2年に延長
2.点検結果に基づく適切な補修によりライフサイクルが従来品の最大4倍となる約6年に延長(主な補修事例と技術提案を以下に記す)
・構成部品単位に分解洗浄後、外観点検、寸法測定、非破壊検査し、豊富な知見や経験に基づき補修内容を提案。 特に軸受部品でもあるクロスベアリングには軸受メーカーとしてのノウハウから最適な補修諸元を設定
・履歴管理データベースによる定期点検補修サイクルの提案→突発費用の抑制(補修費用の安定化)
・ドライブシャフトの使用状態の共有化による技術提案
補修および技術提案の事例
3.定期メンテナンス化により、突発損傷を抑制することでメンテナンス費用が従来比最大50%削減
定期メンテナンス化
同社の熱間圧延機用ドライブシャフトは日本・韓国の約80%のシェアを獲得しており、そのノウハウからユーザーの生産性向上と安定操業、CO2削減に貢献していく。
ジェイテクト、鉄鋼圧延設備用軸受荷重センシング技術を開発
ジェイテクトは、鉄鋼圧延設備における軸受荷重センシング技術を開発した。同社では、開発技術を用いることで正確な設備状態の”見える化”と“壊れない軸受”の提案を実現、設備の健全化と生産性の向上に貢献していく。国内外の鉄鋼メーカーに販売を展開し、5億円/年の売上を目指す。
荷重測定方法の概略鉄鋼圧延設備は、高温・重荷重・高速回転などの過酷な環境においても安定した稼働と整備コストの低減が求められている。設備の安定稼働のためには主要部品である軸受の突発損傷や、それに起因する設備の二次被害を防止することが重要だが、従来の設備管理は、温度や振動変化の傾向を一定期間管理しての、過去の経験に基づく健全化対応が主流だった。
今回同社が開発した鉄鋼圧延設備用軸受の荷重センシング技術は、設備の状態をより早く正確に把握することで、①軸受を通じた設備健全性の見える化、②過酷な負荷条件における信頼性の高い設備改修(高速化・高張力鋼などの難圧延材対応)、③軸受破損原因の推定と,最適設計により壊れない軸受提案、を可能にした。
この軸受荷重センシング技術を用いた設備健全化について同社では,すでに実際の生産現場において提案を開始している。今後の取組みとして同社では、①ワイヤレス化によるセンシング軸受組付けの簡易化、②自己発電等を利用した長時間測定対応、を予定している。
荷重測定の流れ荷重測定から設備安定稼働までの流れ
ジェイテクト、電気自動車モータ用高速回転グリース潤滑玉軸受を開発
ジェイテクトは、電気自動車(EV車)の駆動ユニットのモータ用として使用されるグリース潤滑玉軸受において、世界トップクラスとなるdmn(ピッチ円直径(mm)×回転速度(min-1))185万以上の高速回転を実現した。同社亀山工場・四国工場、グループ会社のダイベアなどで製造する。モータの小型・高出力化による高速回転化に対応し、電費の向上と航続距離の延長に貢献していく。
電気自動車モータ用高速回転グリース潤滑玉軸受
近年急速な勢いで普及しているEV車は環境への負荷が低いことから、今後ますます厳しさを増す燃費規制をクリアする技術として注目されており、電力の高効率化や信頼性の向上のため、更なる技術の開発が求められている。
中でも、自動車の燃費・電費の向上に直結するモータの小型・高出力化が進んでおり、モータを支持する軸受には一層の高速回転性能が要求されていることから、高速回転下でも破損や焼付きが発生しない軸受の開発が課題となっている。
同社では、こうした時代のニーズに応えるため、一層の高速回転性と信頼性を追求し、高速回転時の保持器に作用する遠心力による応力緩和や各部寸法設計の適正化を図ることによってdmn185万以上を実現したもの。
今後EVモータの小型・高出力化はますます加速し、高速回転性能だけでなく高温環境下での高速回転性能が求められると予想されるが、同社では今後の市場への対応を見据えてさらなる開発に取り組んでいく考えだ。
開発品の特徴評価結果
NTN、二輪車スイングアーム用に固形潤滑剤封入針状ころ軸受の量産を拡大
NTNは、二輪車のスイングアーム用「ポリルーブ針状ころ軸受」の量産を拡大する。固形潤滑剤「ポリルーブ」の適用によるメンテナンスフリー(グリース給脂不要)の実現や、組み付け時の取り扱い性に加え、二輪車の設計の多様化に対応する耐高温性などが評価され、欧米メーカーを中心に採用が拡大しているのに対応するもの。
シェル形ポリルーブ針状ころ軸受二輪車のスイングアームは、タイヤ(車軸)と車体(フレーム)をつなぐリアサスペンションの部品の一つで、走行時に路面からの衝撃やタイヤの振動に応じてフレームの連結部を軸に上下に動くことで、衝撃や振動を吸収し、二輪車の安全性や快適性を支える役割を果たす。
フレームの連結部に使用される軸受には耐荷重性と小型化が求められており、一般的にはシェル形針状ころ軸受(総ころ形)が使用されるが、この軸受は定期的なグリース給脂や、ハウジングや軸への給脂穴の設置を必要とするほか、軸受の取り付け時にころが外れやすいなどの課題があった。
今回同社が量産を拡大する針状ころ軸受は、潤滑剤に固形の「ポリルーブ」を用いた商品。ポリルーブは独自に開発した、グリースと樹脂を加熱・冷却処理して固めた固形潤滑剤で、軸受使用時に生じる熱や遠心力を用いて、潤滑剤の油分を軸受に供給する。強い振動や遠心力、水分などが伴う環境でも軸受から漏れにくく、長期にわたって優れた潤滑性能を発揮するため、グリースの給脂および給脂穴の設置が不要となる。また、ポリルーブは、ころを保持する機能も持つため、組み付け時にころが外れる心配がない。組み付け時のグリース塗布も必要なく、組み付け時の取り扱いが容易になる。
近年、二輪車の設計が多様化する中、マフラーとスイングアームの位置が近くなり、スイングアーム部が高温となることがある。メンテナンスフリーや優れた取り扱い性に加え、こうした高温環境に対応可能なポリルーブ商品もラインアップしていることなどが評価され、趣味性の高い中型・大型バイクを製造する欧米メーカーを中心に採用が拡大している。
適用箇所