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JIMTOF2024の開催規模、過去最大の1262社/5743小間に
11月5日~10日の6日間にわたり東京ビッグサイトで開催される世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)」に関して、主催の日本工作機械工業会(日工会)と東京ビッグサイトは10月2日、東京都港区の芝パークホテルで「第2回 記者発表会」を開催した。
JIMTOF2024は、東京ビッグサイト全館を利用して総展示場面積11万8540㎡で開催、合計出展者数が1262社/5743小間と、2022年に開催した前回のJIMTOF2022に比べ175社/125小間増えた、60年以上の歴史で最大規模の開催となる。そのうち、前回新設した「Additive Manufacturing Area(AMエリア)」での出展規模も拡大し53社/192小間となる。中国、台湾、ドイツ、スイス、韓国、米国など19カ国・地域の企業・団体が出展する、国内最大規模のB to B展示会に位置付けられる。
当日主催者挨拶に立った日工会の柚原一夫 専務理事は、「JIMTOF2024では『技術のタスキで未来へつなぐ』というテーマのもと、最新鋭の工作機械、最先端の技術を発信していく。日工会からは40社以上の会員企業が世界初披露となる製品技術を紹介する。デジタル技術の活用による機械の状態監視や予防保全の高度化、ロボットなど周辺機器との融合による工程集約や自動化・省人化がさらに進化し、多数の機械をつないだ生産システム全体の効率化・最適化に向けたソリューションが展示される。JIMTOF2024は、まさに時代のニーズを的確にとらえた技術を発信できる場となるだろう」と語った。
挨拶する柚原氏
主催者挨拶としてはまた、東京ビッグサイトの岩瀬和春 代表取締役 常務取締役が、「総来場者数13万人、海外からの来場者数1万3000人を目標に、日本のものづくりを応援するYouTubeチャンネル「JIMTOF INSIGHTS(ジムトフ・インサイツ)の公開や各種SNSを活用した情報発信の強化と最新技術に触れる機会の創出や、ものづくり業界発展の一助となるような、さまざまな取り組みを進めている。今回は、全館での開催となるが、来場者が展示製品技術をくまなく均一に見ることができるように、西・南展示棟の開場時間を9時~17時、東展示棟の開場時間を10時~18時とする時差開場とする。また、目的のホールへ効率よく移動できるよう、シャトルバスとジャンボタクシーを柔軟に運行する。内外の工作機械および周辺機器の取引の拡大、貿易振興に、できる限り寄与していきたい」と述べた。
挨拶する岩瀬氏
今回の記者発表会でクローズアップされた目玉企画は以下のとおり。
アカデミックエリア工作機械業界および「ものづくり」に関しての理解を深めることを目的に、過去のJIMTOFにおいて会場内に分散していた主催者企画に加えて、学生を対象に、南4ホールに集約した「アカデミックエリア」を新設した。特に学生が出展企業の総務・人事担当者と直接交流できる「キャリアマッチングスクエア」や、工作機械業界に関心を持つ学生を対象に、テーマに沿って関連する日工会会員企業の出展ブースをツアー形式で案内する「日工会学生ブースツアー」、工作機械業界への知見を深められる体験型コンテンツをはじめとした「企画展示」、工業系の大学をはじめ53機関の研究発表が一堂に集まる「IMEC(国際工作機械技術者会議)ポスターセッション」が設けられる。さらに、多目的ステージに併催された「オープンカフェ」は、ドリンクサービスと無料Wi-Fiを完備し、リラックス空間として活用できる。
キャリアマッチングスクエア体感コンテンツ「工作機械×動かす」
汎用旋盤による加工体験 CAMプログラミング体験
(協力:都立職業能力開発センター)
講演会・セミナー
開催初日の11月5日には、基調講演として「ものづくりに夢を!THKが挑戦する新発想EV」と題し、THK 代表取締役会長CEOの寺町彰博氏と、SN DESIGN PLATFORM 代表取締役CEOの中村史郎 氏が講演。THKが世界で初めて開発した工作機械の重要な構成要素である直動転がり案内(LMガイド)や、ボールねじの技術を応用した電動アクチュエータを搭載した、EV プロトタイプ「LSR-05」の開発の道のりや今後の展望について語る。
THKとSN DESIGN PLATFORMが共同開発したEVプロトタイプ クロスオーバー4シータークーペ「LSR-05」
(提供:THK)
また特別講演では、トヨタ自動車 Executive Fellowの河合 満氏による「モノづくりは 人づくり」、前田建設工業 ICI総合センター 執行役員ICI総合センター長の岩坂照之氏らによる「前田建設ファンタジー営業部における異業種共創の具体例~JSOLと共にオープンイノベーションのマネジメントを考える~」、宇宙航空研究開発機構(JAXA)有人宇宙技術センター 技術領域主幹の大塚聡子氏による「宇宙ロボットのものづくり」などの講演がなされる。
©永井豪/ダイナミック企画/MZ制作委員会アニメ、ゲームといった空想世界に存在する建造物を本当に受注し現状の技術・材料で建設するとしたらどうなるかを、工期、工費を含め公開するコンテンツ
「前田建設ファンタジー営業部」
また、JIMTOF2024特別併催展として、南展示棟1階で開催する「Additive Manufacturing Area in JIMTOF2024」内の主催者セミナー会場でも、日替わりでAM/3Dプリンティングに関するさまざまなセミナーが日替わりで実施される。
JIMTOF INSIGHTSJIMTOFでは、「製造業界の魅力・やりがい・面白さ」を伝え「製造業のイメージアップと将来を担う若年層などへの認知度向上を図るために、日本のものづくりを応援するYouTubeチャンネル「JIMTOF INSIGHTS(ジムトフ・インサイツ)」を本年6月に初公開した。JIMTOF2024期間に限らず、会期前、会期中そして、会期後にも長期的・継続的に情報を更新し、ものづくり業界に関する情報を積極的に発信していく。既に公開している動画「芝浦機械 工場見学編」に加えて、10月中旬にはJIMTOF2024企画展示と連動する形で、新たな動画コンテンツを公開する予定となっている。
JIMTOF INSIGHTSシャトルバス・ジャンボタクシー
広い会場内で目的のホールへ効率よく移動できるよう、シャトルバスとジャンボタクシーをフレキシブルに運行する。今回のJIMTOFで実施する時差開催に対応して、国際展示場駅からの直通ルート、会場内巡回ルートを時間によって設定し、回遊性の向上を図る。
情報は随時更新されるため、詳細はJIMTOF2024公式ウェブサイト(https://www.jimtof.org/)で確認していただきたい。
NTN、和歌山製作所にオンサイトPPAモデルを導入
NTNは、事業活動におけるカーボンニュートラル達成のための施策として、和歌山製作所(和歌山県橋本市)にオンサイトPPA(自社敷地内に第三者であるPPA 事業者が太陽光発電設備を導入し、PPA事業者に電気料金を支払うことで電力を調達する仕組み)モデルを導入した。本年10月から、発電および自己消費を開始する。
今回オンサイトPPA モデルを導入した和歌山製作所は、電気自動車(EV)などに使用されるボールベアリングを生産する工場で、2023年10月に本格稼働を開始した。最新の設備やシステム、デジタル技術を活用し、スマートファクトリーの実践工場として無駄のないものづくりに取り組んでいる。
同製作所においては、すでに工場設備から事務所まですべての使用電力をCO2フリー電力で賄うことで、通常の電力を使用する場合と比べて毎月のCO2排出量を約85%削減している。今回導入したオンサイトPPAモデルによる発電量は1357MWh/年、589t/年のCO2排出量削減を見込んでいる。
和歌山製作所(和歌山県・橋本市)和歌山製作所に設置した太陽光パネル
NTNセールスジャパン、ツール・ド・九州2024に初協賛、各レース会場で「回る学校」を開催
NTNの販売子会社であるNTNセールスジャパンは、10月11日~14日に大分、福岡、熊本の3県で開催される国際自転車ロードレース「ツール・ド・九州2024」(https://www.tourdekyushu.asia/)に初めて協賛し、親子でベアリング(軸受)について学ぶことができる「NTN 回る学校」を各レース会場で開催する。
ツール・ド・九州2024は、UCI(Union Cycliste Internationale、国際自転車競技連合)公認の国際自転車ロードレースで、近年九州を襲った自然災害からの復興を象徴するイベントとして昨年初めて開催され、約88000人が観戦した。2回目の開催となる今回は、10月11日~14日の4日間にわたり、国内外の18チームが転戦型ステージレースおよびクリテリウム(小周回サーキットレース)でタイムを競う。
NTNは、自動車や各種産業機械向けのベアリングに加え、電動アシスト自転車の駆動ユニット、ホイール、ボトムブラケット用など自転車向けにもベアリングなどの商品を開発・提供している。ロードバイクに使用される高級ハブにも同社のベアリングが採用されており、自転車のなめらかな走行に貢献するとともに、環境に優しい移動手段である自転車市場の発展を通じて、環境負荷の低減にも貢献している。また、自転車向けのベアリング技術を生かし、世界大会で入賞の実績もある車いす陸上競技選手へ競技用車いす向けにベアリングも提供している。
今回、各レース会場で開催する「NTN 回る学校」では、普段は目に触れることがないベアリングの組み立て体験を通じてベアリングの役割や仕組みについて楽しみながら理解を深めてもらうほか、ロードバイクなどの自転車に使用される深溝玉軸受について、シールの違いやグリースの有無などによる回転時のなめらかさの違いを体感してもらう展示を行う予定となっている。
ベアリングの組み立て体験:外輪、内輪、保持器、ボールを組み合わせてベアリングの組み立てに挑戦。初めてベアリングを見る人も、ベアリングの構造や仕組みについて学べる