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HEF DURFERRIT JAPAN、水素関連ソリューション向けにPVDコーティング技術を披露
HEF DURFERRIT JAPAN(https://www.hefdurferritjapan.co.jp/)は3月17日~19日、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された「H2 & FC EXPO【春】~第25回 【国際】水素・燃料電池展~」に出展、燃料電池車(FCV)や水素関連設備向けに最新のPVDコーティング技術を披露した。
燃料電池セパレータ用PVDコーティング
HEFでは、プロトン交換膜(PEM)型燃料電池(FC)のセパレータ(バイポーラプレート)用に、導電性、耐食性、密着性に優れたPVD(物理蒸着)コーティングを開発している。
バイポーラプレートの基材には、機械的物性、高い電気伝導性、高いガス遮断性といったセパレータに要求される性能を満たす各種の合金が用いられるが、金属表面で発生する電気化学的な腐食への対処が必要になる。これに対しHEFが開発したバイポーラプレート向けPVDコーティング(コーティング成分としてAu、C、Cr等があるが、性能とコストの観点からC(カーボン)コーティングが主流)では、ステンレス、チタン、アルミニウムといったバイポーラプレートの基材を問わず高い耐食性(陽極:1μA/cm2未満・アクティブピークなし、陰極:1μA/cm2未満)・導電性(100S/cm以上)と低い接触抵抗値(0.01Ω・cm未満)を持つ被膜を開発している。
燃料電池車の開発は日本が先行しており、今後、乗用車、商用車、定置用などで、日本での量産立ち上げへの移行が見込まれている。これに対しHEFでは、成膜面を最適な状態にする自動洗浄ラインから、最大の生産効率を実現する専用治具、生産性を最大化する最先端の成膜装置といったすべての専用生産設備を設計・開発・製造しており、それらを組み込んだ「自動インライン式コーティング設備」の初号機が先ごろ完成し、現在フランス本社で試運転を行っている。2027年ごろに予定されているFCV向けカーボンコーティングの日本での受託加工の際には、燃料電池専用の新拠点を設立し、そこに自動インライン式コーティング設備を設置して量産に対応する計画としている。
自動インライン式コーティング設備の模型
水電解装置用PVD/PECVDコーティング
水電解装置(エレクトロライザー)では、再生可能電源からの電流を使用して水分子が酸素と水素に分解される。水電解装置はスタック(複数のセルの直列アッセンブリー)と、発電機、コンプレッサー、ポンプ、水処理などのユニットで構成されている。水素電解装置内の各セルには、水素イオン(プロトン)が通る多孔質輸送層(PTL)と、バイポーラ/セパレータプレートが含まれ、ガスや水などの流体の輸送と電気伝導において重要な役割を果たす。
これらは腐食性の高い環境下で動作するため、性能を最適化し耐久性を保証するために表面改質技術が要求される。HEFは、欧州で先行するプロトン交換膜(PEM)型水電解装置において、PVDおよびプラズマCVD(PECVD)技術によって水電解装置用コーティングを開発している。本コーティングは水電解の性能を損なうことなく、貴金属の使用量を削減できることを確認している。
HEFでは表面改質/機能化に関して、さまざまな水電解技術の材料課題に対応。競争力のある価格での大量生産や、高性能で持続可能なソリューション、ユーザーニーズに合わせたオーダーメイドのソリューションを提供できる。
日本国内では、ナノコート・ティーエス 石川事業所で受託加工を行う予定となっている。
kat 2026年3月31日 (火曜日)
日本滑り軸受標準化協議会、第42回総会を開催
日本滑り軸受標準化協議会(PBSA)は3月13日、東京都千代田区のTKP 東京駅セントラルカンファレンスセンターで「2025年度 第2回総会(通算第42回総会)」を開催した。
開催のようす
会の冒頭、挨拶に立った濵﨑俊一氏(オイレス工業)は、「当協議会は、ISO/TC 123国内委員会のISO規格、JIS規格を対象とした標準化活動の支援を目的として2004年10月に設立され、ISO/TC 123国内委員会メンバーの国際会議への参加費用の支援を主業務としている。この費用は会員各位の会費で賄っており、当協議会の運営へのご協力を感謝申し上げるとともに、引き続きのご協力をお願いしたい。2004年設立のため2024年が当協議会の設立20周年に当たっていたが、コロナ禍等もあり記念行事が行われていない。そこで、記念行事の2027年度開催をめどに2026年度に準備委員会を設け詳細を決めていければと思っている。一方、経済産業省では毎年10月、産業標準化推進活動に優れた功績を有する方を表彰する「産業標準化事業表彰」を実施しているが、今年度令和7年度は理事で産業技術総合研究所の是永 敦氏が、経済産業大臣表彰を受賞した。詳細は後ほど報告する。さらに、本日は2件の講演を予定している。最初が、今年度で標準化活動を引退する大豊工業の山田 晃氏の講演となる。おそらく現職のメンバーの中では最も古くから活動されていて、今のようにいろいろなことがオンラインでできる時代と違い、ご苦労が多かったものと推察され、我々の知らない時代の話題が聞けるものと思う。次が、ISO/TC 70(往復動内燃機関)の国内委員会委員長を務める東海大学の畔津昭彦氏の講演となる。TC 123とは異なるTCでの活動の様子をお聞きできるものと思う」と述べた。
挨拶する濵﨑会長
続いて、来賓の挨拶に立った経済産業省 産業技術環境局 国際標準課の青山直充氏が、「ISO/TC 123国際標準化活動に協力をいただき感謝している。高市早苗首相も、国際標準化を国家戦略の中核に位置付けている。これまでの「決められたルールを守る側」から積極的にルール形成に関与する「ルールを作る側」への転換を目指しており、それには官民が一体となって国際標準化に戦略的に関与している体制を築いていくことが重要で、これが日本国内産業の国際競争力強化に直結するものと捉えている。引き続き国際標準化活動への協力をお願いしたい」と述べた。
来賓の挨拶を行う青山氏
その後、ISO/TC 123国内委員会の2025年度活動報告および2026年度活動計画が発表された。最初にISO/TC 123国内委員会委員長の片桐武司氏(大同メタル工業)がTC123活動へのPBSA会員からの協力に対する感謝を述べ、続いて山田 晃幹事(大豊工業)が2025年度の国際標準規格開発状況・国際会議参加状況、および2026年度の活動計画について説明した。2026年度目標として、「静圧気体軸受用語に関する国際標準化(SC6、ISO/NP 26572)」に関してNP投票終了、NP登録、CD作成、CD協議開始(30.20)に進める計画であること、2026年度のISO/TC 123国際会議は本年10月にドイツ・ベルリンでの開催が予定されておりPBSAへ支援要求書を提出したことが報告された。
挨拶する片桐委員長
続いてPBSAの2025年度の活動報告と2026年度の活動計画について、会計を務める橋爪 剛氏(オイレス工業)より報告がなされ、2025年度の活動報告として、2025年6月と2026年3月に2回の総会が開催されたこと、昨年10月に韓国・栄州で開催されたISO/TC 123国際会議の旅費などをPBSAが支援したことなどを報告し、さらに2025年度会計報告がなされた。2026年度の活動計画としては、第1回総会(通算第43回総会)を本年6月にオンラインで開催し、第2回総会(通算第44回総会)を2027年3月に対面で開催することや理事会を必要に応じて開催する予定であることなどを報告した。また、本年10月にドイツ・ベルリンで開催されるISO/TC 123国際会議の支援や、ISO/TC 123国内委員会活動の支援、第2回総会で講演会を開催することなどを報告した。また、新たに正会員となった夏目順一氏(大豊工業)と遠藤紗希氏(オイレス工業)の2名の紹介が行われたほか、PBSA監事の山田氏から夏目氏への交代が示され、賛成多数で承認された。
報告を行う橋爪氏
その後、是永 敦理事(産業技術総合研究所)が「令和7年度 経済産業省 産業標準化事業表彰 経済産業大臣表彰」を受賞したことが報告され、濵﨑会長より記念品の「国鉄EF66形電気機関車HOゲージ(Nゲージより大きいレール幅16.5mm、縮尺1/80〜1/87の鉄道模型規格)」が授与された。是永理事からは、受賞の感想とISO/TC 123 国内委員会および日本滑り軸受標準化協議会への謝意が示された。
総会終了後には、以下の2件の講演がなされた。
・「ISO/TC 123 国内委員会の活動の歴史」山田 晃氏(大豊工業、ISO/TC 123国内委員会 幹事…ISO/TC 123は1967年にソ連(現ロシア)が幹事国とし設立、日本は翌年に発言権のないOメンバーとして参加した。ISO/TC 123国内委員会は、ISO/TC 123に対応する日本の組織として設立され、2000年代以降本格的な活動を展開してきた。当初は既存規格への対応が中心であったが、2000年に日本が投票等の義務のあるPメンバーとなり、国際会議への継続的参加や国内意見の集約が進展した。2004年には日本主導でSC6(用語・共通事項)を設立、2008年にはTC 123幹事国を日本が獲得するなど、主導的立場を確立した。日本滑り軸受標準化協議会(PBSA)設立により支援体制も強化され、2010年代以降は新規規格提案や複数SCの立ち上げを通じて国際標準化を牽引している。こうした活動は、日本の技術の国際社会への反映、産業競争力の強化、人材育成に大きく貢献してきた。また、これらを実現したISO/TC 123 国内委員会の活動は、TC 123国際議長を務めた故染谷常雄先生の尽力によるところが大きい、と述べた。
・「ISO/TC 70(往復動内燃機関専門委員会)国内審議委員会の活動」畔津昭彦氏(東海大学客員教授、日本内燃機関連合会参与、ISO/TC 70 国内審議委員会委員長)…ISO/TC 70(陸用・舶用・鉄道用などの往復動内燃機関を対象に、用語定義、性能、試験方法、排ガス計測などの国際規格を策定する専門委員会)の生い立ちや取り扱う内燃機関の適用範囲、日本の対応組織(日本内燃機関連合会)および内燃機関に関する規格開発を行っている他のTCについて解説、ISO/TC 70がさまざまな業界団体・組織と関与しているTCであることが説明された。ISO/TC 70はPメンバー16カ国、Oメンバー22カ国と、ISO/TC 123と比べて多くの国が参加しワーキンググループ活動も活発であり、2回/年以上の頻度で国際会議を開催している。昨年のISO/TC 70の国際会議は機械振興会館(東京都港区)で開催されたが、懇親会場の選定を工夫することで費用を抑えながらも参加者の満足を得られるとの示唆があった(ISO/TC 70の2025年国際会議の懇親会は、2014年に日米首脳の「居酒屋会談」に利用された「権八」(東京都港区)で開催された)。また、ISO/TC 123と異なる点として、①CAG(Chair Advisory Group)が設置されており、SBP(Strategic Business Plan)およびPWI(Preliminary Work Item)を審議していること、②日本内燃機関連合会が機械学会・日本滑り軸受標準化協議会の両方を担う組織として活動していること、が説明された。一方、ISO/TC 70 国内審議委員会の前委員長が故染谷先生であり、ISO/TC 123 国内委員会と深い関係があることも示された。
講演する畔津氏