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日本精工、従来比2倍以上の走行寿命を実現する長寿命直動案内を開発

4年 6ヶ月 ago
日本精工、従来比2倍以上の走行寿命を実現する長寿命直動案内を開発kat 2021年01日27日(水) in in

 日本精工(NSK)は、独自熱処理技術の適用により従来比2倍の走行寿命を実現した直動案内「NSKリニアガイドTM長寿命シリーズ DH・DS型」を開発した。2021年4月より販売を開始し、2026年度に年間60億円の売上を目指す。

DH・DS型

 

 NSKリニアガイドは、半導体・液晶製造装置、自動車製造設備、搬送用ロボット、工作機械などの各種生産設備を中心に幅広い用途で使用されている。リニアガイドには、従来から装置の信頼性向上を実現させるため長寿命化が求められており、同社では転動体(ボール)とレース溝との接触面圧分布を最適化するボール溝形状の設計により信頼性を向上させた「NH・NS型」で市場の要求に対応してきた。

 昨今のスマートファクトリー化の加速により、装置には一層のタクトアップ・昼夜連続稼働による生産性向上、小型化による省エネルギー化などが要求されており、これを実現するためリニアガイドには、より一層の高い信頼性や長寿命化が求められている。

 これに対し同社では今回、さらなる走行寿命延長を目指し、長寿命シリーズ DH・DS型では独自の熱処理技術であるTF(タフ)化技術をリニアガイドに適用した。

 TF化技術とは長年の軸受開発の中で培った熱処理技術の一つで、材料の鋼材に存在する残留オーステナイト量の最適化により、ボールが異物などを踏むことで発生するボール溝圧痕の縁形状をなだらかにし、応力集中を小さくすることではく離を抑制、走行寿命延長(転がり要素の長寿命化)を達成するもの。

 開発した長寿命シリーズ DH・DS型では、TF化技術の適用により、従来比2倍の長寿命を実現、世界最高レベルの動定格荷重を実現した。これにより、設備のさらなる信頼性向上や小型化を可能とし、小型化による軽量化・低摩擦化により省エネルギーに貢献できる。

 また、幅広いラインナップを用意。寸法は国際標準ISO規格に準拠しており、従来品と置き換えが可能となっている。

さらに、高防塵シール、潤滑ユニットなど、従来品同様に豊富なオプションを用意している。

 開発品は大幅な信頼性の向上や生産性の向上に貢献するほか、小型化による軽量化・低摩擦化により省エネルギー化を実現する。

 半導体・液晶製造設備や自動車製造設備、搬送用ロボット、工作機械、プラットホーム用ドア、CTスキャナ など各種設備機械・装置と広範な用途が見込まれている。

kat

日本精工、工作機械スピンドル用高信頼性単列円筒ころ軸受技術を開発

4年 6ヶ月 ago
日本精工、工作機械スピンドル用高信頼性単列円筒ころ軸受技術を開発kat 2021年01日27日(水) in in

 日本精工は、工作機械スピンドル用軸受向けに、新開発のころ案内保持器の採用により、組立や慣らし運転時の作業負荷低減と信頼性向上を両立する技術を開発した。今後、市場の反響を踏まえながら、2021年度以降の早期の量産化を目指す。

 

 マシニングセンタの主要要素であるスピンドルに使用される単列円筒ころ軸受は、グリース潤滑で使用する際、スピンドルを組み立てた後に、グリースを最適な位置に最適な量配置するための「慣らし運転」という工程に長い時間を要し、生産性向上のネックとなっている。また、オイルエア潤滑で使用する場合、低速回転時に軸受温度が異常に上昇してしまう課題もあった。

 これらの問題を解決する手段としては、保持器の位置を安定させるための方法を「ころ案内方式」にすることで可能になるが、この方式では保持器に過大な力が掛かることがあり保持器が破損しやすいという課題があることから、これまでは「外輪案内方式」が一般的だった。

 開発した新技術では、従来品と同等の耐久性を有した「ころ案内方式」保持器の開発に成功したほか、保持器形状の改良によって余剰なグリースの排出性を向上させ、グリース潤滑での慣らし運転時間を外輪案内方式に比べ最大約7割短縮した。

 また、オイルエア潤滑においては、ころ案内方式の採用によって、従来の外輪案内方式で課題だった、低速運転時に軸受内部へ潤滑油が過剰滞留して発生する軸受の異常昇温も低減。これにより、オイルエア潤滑でもスピンドルの安定した運転が可能となる。

 さらに、ころ案内形式で問題となる保持器の破損を防止するため保持器の形状と材料を最適化したことで、ころ案内保持器の耐久性(信頼性)向上を実現した。

 本技術は、グリース潤滑スピンドルの組立時間短縮により、工作機械メーカーでの生産性向上に貢献するほか、オイルエア潤滑での異常昇温の低減、ころ案内保持器の強度向上により、運転時の高い信頼性に貢献する。

 自動車部品/一般機械部品加工用マシニングセンタなどで使用されるビルトインモータスピンドルでは、スピンドル本体の発熱によって軸方向の膨張が発生するため、スピンドルのリア側に円筒ころ軸受が採用されているが、今回開発された技術は、このリア側支持用軸受に最適としている。

kat

光洋サーモシステム、高温域まで処理可能な実験開発用・少量生産用多目的熱処理装置を開発

4年 6ヶ月 ago
光洋サーモシステム、高温域まで処理可能な実験開発用・少量生産用多目的熱処理装置を開発

 光洋サーモシステムは、過熱水蒸気雰囲気を採用したバッチタイプで、高温域まで処理可能な実験開発用・少量生産用多目的熱処理装置「Allfit®(オールフィット)シリーズ AF-μBF」を開発した。過熱水蒸気の効果の有無を確認できるほか、低酸素雰囲気処理を実現している。

多目的熱処理装置「Allfitシリーズ AF-μBF」

 

 過熱水蒸気は加熱空気より比熱が高く、輻射効果も得られるため、開発した装置では短時間の均一に加熱できるほか、低酸素処理が可能となっている。また、過熱水蒸気雰囲気により処理品との反応を促進し、生産性の向上やランニングコストの低減に寄与できる。

 処理用途としては電子部品の脱バインダー・焼成や、金属部品の乾燥・脱脂、セラミック部品の脱脂、樹脂の除去などのほか、従来方式では加熱効率向上が実現できなかった製品の熱処理などに適している。

 熱処理装置の仕様は、最高温度(加熱室内・マッフル外での値):1000℃、常用使用温度範囲(加熱室内・マッフル外での値):400~900℃、マッフル内有効寸法(mm):200(W)×200(H)×400(D)、耐荷重(等分布荷重):10kg、処理雰囲気:過熱水蒸気・N2・Air・H2、残留酸素濃度:20ppm以下(過熱水蒸気導入時・参考値)

kat 2021年1月27日 (水曜日)
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