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SEMICON JAPAN 2022が開催

1年 8ヶ月 ago
SEMICON JAPAN 2022が開催 in kat 2022年12日27日(火) in in

 エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2022」が12月14日~16日、東京ビックサイトで開催された。今回は半導体の微細化や高集積化、三次元化など製造の難易度/コストが高まる中で求められている半導体製造プロセスの「後工程」のイノベーションや最新技術動向を取り上げる展示・講演・交流会を組み合わせたイベント「APCS(Advanced Packaging and Chiplet Summit)」も開催された。
半導体の微細化や高集積化、三次元化などが進む一方で、生産性向上のための高スループット化や、半導体の歩留まり向上のためのコンタミネーションコントロール、ESD対策などが求められる中で、各種のベアリング&モーション技術・製品が多数展示された。

会場のようすイグス

 イグスは、「発塵で困っている」、「メンテナンスの手間や設置スペースを削減したい」といった課題解決をテーマに、可動用途に特化したモーション・プラスチック製品を紹介した。金属から樹脂への置き換えにより完全無給油・メンテナンスフリーで使用でき、低摩擦・耐摩耗特性により発塵を抑制することで半導体製造プロセスのクリーン環境に最適なモーション・プラスチック製品として、リニアガイド・リニアブッシュとの寸法互換があり静音・軽量で狭い設置スペースにも対応できる直動製品「ドライリン®」やクリーン搬送に最適な耐摩耗性に優れた摺動テープ「イグリデュール®トライボテープ」無潤滑旋回座ベアリング「イグリデュール®PRT」、無潤滑ピローブロックを含む樹脂製ベアリングユニット「イグボール®」などを展示。さらにギヤをはじめとする複雑形状部品を一体造形でき射出成形品と同等以上の優れた耐久性を実現できる3Dプリンティング技術を披露した。

無潤滑で高精度・高剛性の3Dプリンティング品などモーション・プラスチック製品

 

木村洋行

 木村洋行は、採用実績の多い宇宙機器と同様の真空環境、広い温度領域で作動する半導体製造プロセスにおいて幅広く適用されている「ケイドン超薄型ボールベアリング」を展示した。独自軸受設計に加えて、長年の経験に基づく内外輪および保持器の材質や潤滑剤の選定・適用によって、潤滑剤が250℃以上の高温下にさらされる条件や10-8~10-12Torrレベルの高真空下での運転を実現しつつ、希薄潤滑条件でのマイクロパーティクル発生の最小化や腐食性雰囲気への耐性、長寿命化を実現できる。また、スモーリー社の「ウェーブスプリング」(波状ばね)を紹介。ベアリング予圧用として配置、適切な荷重を加えることで、ベアリングの作動温度を下げ振動を低減、摩耗を最小限に抑制し静かで滑らかな性能を付与できる。ケイドン超薄型ベアリングとのセットでの適用を提案した。そのほか、2020年より取り扱いを開始しているエバリックスのピラー型をはじめとする電動アクチュエータや、特徴のあるローラースクリューといった直動製品を披露した。

内径が大きくなっても断面サイズが一定のケイドン超薄型ベアリング
ジェイテクト

 ジェイテクトは、主にターボ分子ポンプに使用される磁気軸受とともに使われ、非常停止時にポンプを保護する「磁気軸受用タッチダウン軸受」を紹介した。新開発のMoS2コーティングにより長寿命を実現、機械の安定稼働に貢献する。また、高真空10-8Paまで対応可能で環境負荷物質を含まないフッ素グリースを封入した新開発の「真空・クリーン用軸受」を初出展した。特殊なフッ素系被膜をコーティングした軸受もラインナップし、幅広い真空・クリーン環境に対応。半導体製造装置に要求される高度なクリーン性維持に貢献する。さらに、様々なセラミック材料を使用した「耐食軸受」をラインナップ、ほとんどの腐食環境に対応可能。半導体製造装置内の強い腐食環境に対しても優れた信頼性があり、フィルム製造装置や、半導体製造工程内の酸化、エッチング工程などに使用されている。

磁気軸受用タッチダウン軸受THK

 THKは、強磁場や腐食性薬剤の影響を伴う特殊環境下でも、通常環境に匹敵する直動・回転案内性能が発揮できる軸受に求められる機能と非磁性を高次元で両立する、ボールねじといった「高機能非磁性・超高耐食製品」を紹介した。半導体の製造プロセスでは例えば、超微細回路パターンを描く電子線描画装置をはじめ、フォトレジストなどを用いたフォトリソグラフィ工程などは、磁気の影響を極端に嫌い、特殊薬剤による耐食性を極限までに要求される技術領域がある。これに対し磁気をほとんど帯びず、かつ軸受に適した硬度を持つ特殊合金「THK-NM1」を使用することで、比透磁率が1.005未満という高水準の非磁性を実現しつつ、その酸化皮膜によって極めて優れた耐食性を有する高機能非磁性・超高耐食製品は、同社の代表製品である直動案内「LMガイド」、ボールねじ、ボールスプライン、クロスローラーリングの「高機能非磁性・超高耐食製品」をラインナップしている。THK-NM1は、一般的な高硬度のセラミックス材と比較するとボール接触面が適度な弾性変形を伴うことで予圧の付与ができ、軸受に適した特殊材の中でも磁気の影響を受けずガタつきのない滑らかな動きが可能となる。

高機能非磁性・超高耐食製品

 

日本ベアリング

 日本ベアリングは、注力製品の一つであるクロスローラーガイドの新製品として、従来製品であるSV形の設計を見直し大幅な性能アップを図った「HV形スライドウェイ」を参考出品した。2023年4月に発売される予定。設計見直しの一つが、ローラーと軌道台の接触長さを長くしたことで、ローラー/軌道台に発生する面圧を従来よりも小さくした。また、ローラーピッチを短くすることでローラー数の増加につなげている。これによって、従来品と比較して許容荷重を2倍に、定格寿命距離を7倍に高めている。HV形への置き換えだけで装置・設備の耐久性向上に貢献できるほか、同等性能でサイズダウン/コンパクト化が可能となる。また、コンパクトタイプのボールねじスプライン「SPBR-KP形/SPBF-KP形」を展示。いずれも1軸で「位置決め」「直線運動」「回転運動」が行え、これらの運動を組合わせることでスパイラル運動やスカラ形ロボット、組立機、ローダーなど様々な機械に使用できる。

許容荷重と定格寿命距離が大幅に向上したHV形スライドウェイ

 

ハイウィン

 ハイウィンは、「Semiconductor Subsystem」として、ウェハ搬送ロボットとウェハアライナーを展示した。ウェハ搬送ロボットは高剛性で高性能な自社製DD(ダイレクトドライブ)モーターやクロスローラベアリングを搭載し、12インチ(300mm)ウェハまで対応でき、主要コンポーネンツが自社製のためハードウェアとソフトウェアを統合し高品質でリーズナブルな価格を実現できる。ウェハアライナー「HPAシリーズ」は3軸制御の製品で、 HIWIN単軸ロボットモジュールを採用し、高速、高精度、高剛性、高効率、省スペースを実現。内蔵式コントローラーの設計で、外にコントローラー配置および配線スペースが不要で、同スペックのものでは容積が業界最小。インテリジェントな透光性レーザーセンサーを搭載し、透明、半透明、不透明な物の輪郭が検知できる。8インチ、12インチウェハに対応。最短4.9秒以内にウェハのエッジ検査が可能で、ウェハの中心および角度などの補正に対応できると同時にセンタリングも可能。位置決め精度は±0.025mm。

Semiconductor Subsystem


 

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BASFなど、低摩擦表面技術技術搭載のボーイング777が初の旅客飛行

1年 8ヶ月 ago
BASFなど、低摩擦表面技術技術搭載のボーイング777が初の旅客飛行

 BASFとルフトハンザ テクニックが共同開発した低摩擦表面技術「AeroSHARK(エアロシャーク)」を搭載したスイス・インターナショナル・エアラインズ(SWISS)のボーイング777-300ERが、初めて旅客飛行を行った。この航空機の胴体とエンジンナセルには、約950平方メートルのリブレットフィルムが貼られており、抵抗を減らすためにサメの皮のような流動効率の良い特性を再現。流動シミュレーションの結果、この種の航空機では1%強の摩擦抵抗の削減効果があることがすでに確認されている。HB-JNHとして登録されたこの航空機による最初の定期便は、この削減効果の可能性を日々のフライトで検証する役割を果たすこととなる。

AeroSHARKを搭載したHB-JNH

 

 リブレットと呼ばれる微細なリブで構成された特殊な表面構造のおかげで、AeroSHARKはこの航空機の表面の摩擦抵抗を1%以上減らすことが計算と流動シミュレーションによって明らかになり、その結果燃料消費量と二酸化炭素排出量を同程度に削減することが可能となった。SWISSのボーイング777-300ER型機の場合、年間約400tの灯油と1200t以上の二酸化炭素を削減することに相当する。

 HB-JNHのAeroSHARKへの改修は8月末に始まり、9月8日と9日に数回のテスト飛行で終了。この飛行では、AeroSHARKがボーイング777の運航の安全性と操縦性に悪影響を与えないことを詳細に示す必要があった。

 実際の運航で計算上のコスト削減効果が確認され次第、ローンチカスタマー(最初に発注した航空会社)であるSWISSとルフトハンザ カーゴでの本格的な展開が開始される予定で、今後ボーイング777型機は、定期点検中にAeroSHARKを搭載する予定。両社は今後、保有するボーイング777-300ERおよび777Fに順次AeroSHARK搭載していく意向で、これにより両社は旅客・貨物の航空会社として世界で初めて、サブフリート全体をこの低摩擦表面処理技術で最適化することになる。ルフトハンザ カーゴの11機、SWISSの12機のボーイング777型機がすべてAeroSHARKを搭載した場合、ルフトハンザグループの二酸化炭素排出量は年間2万5000t以上削減されることになる。

kat 2022年12月27日 (火曜日)
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ジェイテクト、低振動ドライブシャフトを開発、LEXUS RXに採用

1年 8ヶ月 ago
ジェイテクト、低振動ドライブシャフトを開発、LEXUS RXに採用kat 2022年12日27日(火) in in

 ジェイテクトは、自動車の乗り心地向上に貢献する「低振動ドライブシャフト」を開発した。

低振動ドライブシャフト

 

 ドライブシャフトは、デファレンシャルギヤからタイヤへの駆動力伝達、タイヤの操舵・上下運動に対応し、あらゆる角度で回転を等速に伝達する装置。同社は1980年からドライブシャフトを量産、優れたトルク伝達効率の高さから多くの自動車メーカーでの採用実績を有する。

 同社では今回、自動車の乗り心地向上といった市場ニーズに応えるべく、「アイドル振動低減」に貢献するタイヤ側ジョイントの「折り曲げ抵抗低減」をコンセプトに、「低振動ドライブシャフト」を開発したもの。

 開発品では、タイヤ側ジョイントにおいて6個あるボールのうち対向する3個のボールの押し出し荷重を互いに打ち消し合うように、荷重方向を逆向きにさせる「対向溝構造」を採用したことで、内部摩擦力を半減した。

従来品と開発品のタイヤ側ジョイント構造比較

 

 これにより、トルク負荷時にジョイントの微小な角度変動に伴って発生する折り曲げ抵抗を低減でき、アイドリング時のエンジン振動が車体に伝わりにくくなる。アイドル振動低減を達成したことで、快適な乗り心地に貢献する。また、内部摩擦力を低減したことで燃費向上にも貢献します。

アイドリング時のエンジン振動の伝達経路

 

kat