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ジェイテクト、鉄鋼設備焼結機パレット台車加圧ローラ用軸受の寿命を倍増
ジェイテクトは、鉄鋼設備である焼結機の一層の安定稼働とメンテナンスコストの低減を目的に、パレット台車の加圧ローラ軸受に使用する特殊シールに改良を加えることで、軸受寿命が従来比2倍となる製品の開発に成功した。これにより、メンテナンス周期のさらなる長期化、信頼性の向上を実現し、顧客の生産性向上に貢献していく。量産は2020年1月に大阪府柏原市の国分工場で開始する予定で、国内外の製鉄メーカーに販売を展開し、2億500万円の売上を目指す。
製銑工程の焼結機は鉄の原料となる粉鉱石と粉石炭を焼き固める設備で、パレット台車は焼き固められた焼結鉱を積載運搬する。
鉄鋼設備流れ図(製銑設備~製鋼設備まで)焼結機概略
製銑の工程で使用されるパレット台車用軸受は、高荷重や衝撃荷重といった厳しい使用条件に加え、粉塵と高温という環境下で使用されているため、軸受部品の一層の長寿命化へのニーズが高まっていた。
こうした市場ニーズにお応えするため、ジェイテクトでは2018年2月に、「加圧ローラ軸受」と「車輪用軸受」などからなるユニットを大幅に改良したが、今回、加圧ローラ軸受に使用される「密封型複列円筒ころ軸受」の特殊シールにさらなる改良を加えることで、異物侵入量を従来品比70%低減できる、密封性の高い軸受を開発したもの。
開発した特殊シールの特徴は以下のとおり。
①主リップにばねをつけることで追随性を向上
②柔軟性のあるサイドリップと外径ゴム巻きにより密封性を向上
製品イメージ開発特殊シールの特徴
ダスト侵入量比
第12回岩木賞が発表、大賞・事業賞にナノ炭素研究所・大澤映二氏
トライボコーティング技術研究会、未来生産システム学協会(NPS)などからなる岩木賞審査委員会は、「第12回岩木トライボコーティングネットワークアワード(岩木賞)」を発表した。岩木賞は、表面改質、トライボコーティング分野で著しい業績を上げた個人、法人、団体を顕彰するもので、当該分野で多くの功績を残した故 岩木正哉博士(理化学研究所 元主任研究員、トライボコーティング技術研究会 前会長)の偉業をたたえ、2008年度より創設されたもの。
今回は、ナノ炭素研究所・大澤映二氏(豊橋技術科学大学名誉教授)が業績名「2.6nm爆轟法ナノダイヤモンド分散粒子の生産技術の確立とナノダイヤモンドコロイドの事業化」により、岩木賞初となる大賞・事業賞の同時受賞に輝いた。また、コマツNTC・前花英一氏、東北大学大学院・水谷正義氏・厨川常元氏が業績名「微細ラティスコーティング技術の開発」で特別賞を、IBUKIが業績名「加飾成形用金型の製造技術ならびにAI援用技術に基づくIoT化事業」で事業賞を受賞した。
大賞・事業賞の業績「2.6nm爆轟法ナノダイヤモンド分散粒子の生産技術の確立とナノダイヤモンドコロイドの事業化」は、品質工学の田口メソッドを活用してビーズミリング法によるナノダイヤモンドの解砕条件を最適化、その際にナノ粒子独特の挙動を発見してこれを巧みに利用しつつ、解砕終了後は水を一切添加しないなどの独自プロセスの考案により2.6nmナノダイヤモンド粒子の定常的な生産に成功し、ナノダイヤモンドコロイドの量産・実用化を実現したことが評価されたもの。ナノダイヤモンドコロイド「NanoAmando®B」水溶液の生産技術を確立し、実用化、製品化に成功、販売委託先のニューメタルス・エンド・ケミカルス・コーポレーションを通じ、これまでに研究開発試薬、切削加工液(クーラント)用潤滑・加工助剤や研削加工具(砥石)の性能補助剤(ナノダイヤモンド含有砥石)、コーティング(化学気相成長:CVD)種付け剤など、すでに多くの販売実績を持つ。水性コロイド溶液は濃黒色でやや使いにくいことから、現在は基本粒子の表面にある非ダイヤモンド炭素を除去して無色透明の粉末粒子「NanoAmando®W」の製造を進めるなど、さらなる市場拡大に努めているという。
特別賞の業績「微細ラティスコーティング技術の開発」は、モノとモノとの界面を設計する機能性インターフェース創成方法の新たな提案を行うもの。たとえば、骨との接合性を向上させるなどデジタルインプラント界面への多様な機能を満たすために、①造形の微細性、②自由なデザインの多孔質構造(ラティス構造)、③同構造の曲面など任意のバルク材表面への付与という要件を実現する「微細ラティスコーティング®」を可能にする独自の積層造形法(3Dプリンティング)を開発した。上記の3要件を解決するため、連続パルス発振レーザによる95μmの微細造形の実現や、水平梁構造造形技術、独自開発の粉末供給器の等速運動により一層あたりの粉末堆積厚を均一にする「重力落下式粉末供給法」の開発を行い、多孔質構造による、アンカー効果など各種機能を手軽に付与し活用できるようにしたことが評価された。繊維強化樹脂と金属との異材接合手法としても適用の可能性があることも、期待されている。
事業賞の業績「加飾成形用金型の製造技術ならびにAI援用技術に基づくIoT化事業」は、二次加工を必要としない加飾(樹脂にメタリック感を持たせるなど、繊細で複雑な微細加工を表面に付与)を施す独自の加飾成形金型技術について、従来依存していた熟練者の勘・ノウハウを形式知化したブレインモデルを作り、AIと連携しつつIoT金型を活用して技術伝承を行うとともに、金型製造ノウハウをコンサルティングに転用していることなどが評価されたもの。上述の加飾成形金型の作製ではこれまで、でき上がった型に樹脂を流し込む成形トライで不具合があると、熟練者の感覚を頼りに不具合の原因を探りながら金型修正を繰り返していたが、こうした現場の課題を解決するため、位置センサや温度センサ、圧力センサなどの8種類のセンサを埋め込んだIoT金型を製作して適用、成形中に金型の内部で起こっている樹脂流れや金型挙動を可視化すると同時に、AIを用いて成形の不具合に関する分析を行えるようにした。改良を重ねたIoT金型が完成し、現在は外販も検討中という。
第12回岩木賞の贈呈式と受賞業績の記念講演は、2020年2月28日に東京都板橋区の板橋区グリーンホールにおいて、砥粒加工学会主催「先進テクノフェアATF2020」と同時開催となる「理研シンポジウム:第22回トライボコーティングの現状と将来」で行われる予定。
前回の岩木賞受賞式のもようkat 2019年10月3日 (木曜日)