Aggregator
材料相場表/PDFで公開
カーボンナノチューブを用いた表面処理がサウジアラムコで採用
竹中製作所( https://www.takenaka-mfg.co.jp )とGSIクレオス( https://www.gsi.co.jp )が共同開発した高機能表面処理「ナノテクト®」が、サウジアラビア王国の世界最大石油会社 Saudi Aramco(サウジアラムコ)にプラント用締結部材向け表面処理として採用されることが決定した。
サウジアラムコは2015年より、カーボンナノチューブ充填ナノテクト®塗装物の高い機械的特性、耐腐食性に注目し、長期間のフィールドテストを実施、また厳しい性能評価を複層で続けてきたが、昨年までにすべての試験に合格し、2月末に社内認証もすべて完了、今回の正式発表に至ったもの。
サウジアラムコは、既存の表面処理に比べたナノテクト®表面処理品の塗膜の高い機械的特性および耐腐食性、また超高性能由来のプラント超長寿命化による CO2排出量の大幅低減提案に対しても高く評価したという。
今回の採用を機に、竹中製作所とGSIクレオスは、2016年に共同設立した UAE(アラブ首長国連邦)内拠点を活用し、サウジアラムコが有する巨大石油・ガスプラント等に向けてナノテクト®表面処理品の供給を開始し、これら販売活動を通じて「構造物の超長期間の保全」に向けた取組みを進め、「環境負荷の低減」と「持続可能な社会の実現」に貢献していく。
ナノテクト®は、GSIクレオスのカップ積層型カーボンナノチューブ(CSCNT)を、竹中製作所の有する高度な分散技術と被膜形成技術を駆使して塗料内に複合被膜化したことで生まれた超高機能表面処理で、カーボンナノチューブ由来の高い耐摩耗性や衝撃耐久性に加え、業界最高水準の防錆性(塩水噴霧試験で4000 時間以上の防錆能力)などの高い性能を持つ。
CSCNT模式と塗膜内の分散ナノテクト®の各種性能この表面処理は、2016年に「カーボンナノチューブ複合樹脂塗膜」としてJIS規格化された。これはカーボンナノチューブが含まれる工業製品としては、我が国初のJIS規格化事例となっている。
竹中製作所とGSIクレオスは、中東沿岸地域や砂漠などの過酷環境に位置するプラントでナノテクト®表面処理金属部材(ボルト・ナット等)の販売活動を強化しており、2019年にはUAE国営石油ガス会社ADNOCグループでのナノテクト®採用も発表している。他にも中東特有の極端な寒 /温、乾/湿など激しい天候にも対応し得る表面処理として、様々な分野、用途で採用が進んでいる。
admin 2023年4月6日 (木曜日)JX金属、台湾拠点で半導体用スパッタリングターゲット生産能力増強
JX金属の子会社である台湾日鉱金属は、半導体用スパッタリングターゲットの加工設備の増強を行い、同拠点における生産能力を現行から約80%引き上げることとした。今後、新規ラインの設計・建設・立上げを行い、2024年度下期以降、随時稼働予定。
JX金属グループの半導体用スパッタリングターゲットは、最先端のロジックやメモリなどをはじめ、各種半導体デバイスの製造に用いられている。製品は業界トップのシェアを有しており、「2040年JX金属グループ長期ビジョン」において「フォーカス事業」として位置付けている先端素材分野の主力製品の一つ。世界的なデジタル化進展に伴って半導体産業の拡大が進み、長期的な観点で需要増が見込まれることから、現在同社グループでは国内外で同製品の生産能力の増強を行っている。この一環として、最先端半導体の生産拠点である台湾においても、従来比2倍の能力とするための設備投資を今年度に完了したが、同地域の将来的な需要増を見据え、今般、これにさらに上積みして生産能力増強を行うことを決定した。
台湾日鉱金属admin 2023年4月6日 (木曜日)