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日立ハイテクなど、SEMで第69回大河内記念生産賞を受賞
日立製作所と日立ハイテクはこのほど、大河内記念会が主催する「第69回(令和4年度)大河内賞」において、「極端紫外線露光世代の半導体測長SEMの開発と高精度化」で「大河内記念生産賞」を受賞し、3月22日に日本工業倶楽部会館にて行われた贈賞式にて表彰された。
贈賞式のもよう大河内賞は、生産工学、生産技術、生産システムの研究ならびに実施などで、学術の進歩と産業の発展に大きく貢献した顕著な個人、グループまたは事業体を表彰するもの。大河内記念生産賞は、特に会社、工場などの事業体に対して送られる賞となる。
近年、半導体デバイスの微細化が進む中、ウェーハ上に形成された微細パターンの寸法計測に特化した測長SEMは0.1nmレベルの精度と安定性が要求されている。今回の受賞は、端紫外線(EUV)露光世代の半導体パターン計測用に開発した測長SEM(製品名:CG7300)を対象として、高精度化、安定性、デジタル技術装置の3点に着目した技術開発に対して、その成果が評価されたもの。
スマートフォンなどで用いる最先端の半導体デバイスでは、nmレベルの極めて小さな素子が用いられている。このような半導体デバイスでは、回路パターンを小さくすることによる高性能化とデバイスの製造コストの低減を両立しなければならず、今後もさらに小さな回路パターンを製造することが求められている。
日立製作所と日立ハイテクは、この小さな回路パターンの寸法を計測するため、高精度なフォーカス合わせを実現する対物レンズ、電子ビーム揺れ抑制技術および電子ビーム形状補正デジタル処理技術を開発した。これにより、個別装置間のパターン寸法計測値差(機差)を従来機種比で約10%精度向上(機差:0.10nm以下レベル)に成功し、世界最高水準の半導体パターン検査技術を確立した。
開発した技術により半導体パターンの検査精度が向上し、半導体製造の歩留まり向上に寄与する。これにより、CG7300はEUV対応半導体パターンの測長SEMとして高く評価され、世界中の半導体メーカーに多数導入されているという。
CG7300admin 2023年4月13日 (木曜日)
第38回素形材産業技術表彰、DOWAサーモやブルー・スターR&Dが受賞
素形材センターはこのほど、「第38回素形材産業技術表彰」の受賞者を発表した。表面改質関連では、素形材センター会長賞にトヨタ自動車とDOWAサーモテックの「環境負荷に配慮した真空浸炭焼入プロセスと量産設備の開発」、素形材産業技術表彰委員会特別賞にブルー・スターR&Dの「水中の超音波振動と脱気を利用したバリ取り洗浄技術の開発」、ティーケーエンジニアリング、あいち産業科学技術総合センター、愛知産業の「熱処理シミュレーションと金属3Dプリンターによる誘導加熱用加熱コイルの開発」、が受賞した。
同賞は、素形材産業の技術水準の進歩向上に貢献した技術の開発者等を表彰する制度。素形材産業の重要性等を広く社会一般に周知し、素形材業界の活性化を図るために行われている。今回は、経済産業大臣賞1件、中小企業庁長官賞1件、経済産業省製造産業局長賞1件、素形材センター会長賞3件、素形材産業技術表彰委員会特別賞4件、奨励賞4件が選定された。表面改質関連の受賞者、受賞技術は以下のとおり。
素形材センター会長賞「環境負荷に配慮した真空浸炭焼入プロセスと量産設備の開発」坂上秀幸氏・横本祥平氏・池山正芳氏(トヨタ自動車)、藤田貴弘氏・柴田大樹氏・上岡真弥氏(DOWAサーモテック)
HEV や BEV の歯車など自動車用駆動部品の強化処理である浸炭焼入は、連続ガス浸炭が主流である。このプロセスは処理時間が長く、大型設備・大ロットでの処理となり「エネルギロスが大きくCO2排出量が多い」「運搬や中間在庫のムダが発生する」などの問題がある。これらを解決すべく、機械加工ラインと一連で設置可能なコンパクトで生産能力の高い真空浸炭焼入技術を開発した。
昇温や冷却など加工点のばらつき低減を軸とした短時間処理プロセスと、高さを2m以下に抑えた真空浸炭室や地下ピットを廃止した冷却油槽を持つ量産設備の開発により、浸炭焼入れの現場を変える「運搬レス・在庫ミニマム」と「低CO2 (▲29%)」を実現した。また、複数の小ロット浸炭室を個別条件で稼働させることにより、多種少量生産や需要変動にもフレキシブルに対応できるとともに、品質ばらつき低減による部品の小型・軽量化、低コスト化など、ものづくりの進化への貢献も期待できる。
本技術は2018年から量産を開始し、国内外の部品生産に展開している。今後、ガス浸炭炉の置換えや新部品への採用など社内外への展開により、カーボンニュートラルのさらなる加速に貢献していく。
工程の概念図素形材産業技術表彰委員会特別賞「水中の超音波振動と脱気を利用したバリ取り洗浄技術の開発」柴野佳英氏(ブルー・スターR&D)
ますます複雑化し精密化する各種、成型加工部品の量産工程において、そのバリ取りの自動化技術の確立は、国際競争力確保の上からも非常に重要である。同社は、水を脱気、冷却し、強力な超音波を照射し、直径10mmに達するキャビティー(微小真空核群)を無数に生成させ、その発生と消滅時に生じる正と負の衝撃力でバリを取り、同時に洗浄する技術を世界で初めて開発、実用化した。環境にやさしく、同時に洗浄、乾燥も可能な超音波バリ取り装置は、300機種以上、標準化され、日本はじめ13か国で使用されており、品質も向上と人件費の大幅削減に貢献している。自動車部品産業、電子部品産業、半導体部品、医療用部品、航空宇宙産業部品産業のあらゆる分野で精密加工が進み、バリの微小化と表面の清浄化も求められており、超音波バリ取り洗浄技術は、既存のバリ取り技術に代わる変わることも期待される革新的な技術である。
超音波バリ取り洗浄装置「熱処理シミュレーションと勤続3ディープリンターによる誘導加熱用加熱コイルの開発」下村 豊氏・清水稔彦氏・河辺正臣氏(ティーケーエンジニアリング)、加藤正樹氏・梅田隼史氏(あいち産業科学技術総合センター)、近藤拓未氏(愛知産業)
銅はレーザーの反射率が高いことと、また熱伝導率が高くメルトプールが形成されにくいことから、従来、付加製造(AM)技術の一つである SLM 方式での銅製品の造形は難しいといわれてきた。本開発では、700Wの高出力なレーザーでの適正な造形パラメーターを確立したことにより、密度99.8%以上で面粗さも良好な造形体の製造が可能となり、従来のろう付けコイルより遥かに優れた銅合金(C18150)製のAMコイル®を開発、実用化した。また、CAEとAMを組み合わせることで、新規製品に対する加熱コイル開発期間を「49日から22日」と大幅に短縮できた(コイル再製作の場合)。さらに加熱コイルにおける「トポロジー最適化+AM」の組み合わせの開発では、トポロジー最適化で同定されたコイル形状をAMで製作し、実際に焼入れすると良好な焼入パターンが得られた。これは将来的に誘導加熱のコイル設計・製作が「CAE+AM」に置き換えが可能なことを示唆しており、非常に意義ある検証結果が得られている。
トポロジー最適化+AMadmin 2023年4月13日 (木曜日)
日新電機、ベトナム市場向けPVDコーティングサービスの事業を強化
日新電機( https://nissin.jp )のグループ会社である日新電機ベトナム(本社:ベトナム、以下NEV)は、ベトナム市場向けファインコーティングサービス事業を強化するため、PVDコーティング装置を追加導入した。装置は2月から本格的に稼働開始しており、ベトナム地域の工具・金型ユーザーに対し、用途に合わせた最適なコーティング膜をより迅速に提供している。
ベトナムでは、従来の二輪車産業や電子機器産業に加え、近年、海外大手自動車メーカーの進出やベトナム発の自動車メーカーも立ち上がるなど、自動車の需要拡大も見込まれている。製造業の発展とともに、これらの生産に用いられる切削工具・金型の長寿命化によるコスト削減効果や、加工速度向上によるスループット向上、コスト削減効果への期待からコーティング技術が注目されている。NEVでは2020年7月よりベトナム市場向けコーティング受託サービス事業を開始した。新型コロナウイルス感染症が収束してきた2022年4月以降、ベトナム経済の順調な回復を受けコーティング需要も増加しており、それら需要に応えるため装置を増設した。
今回導入した装置は、同グループ会社である日本アイ・ティ・エフ(森口秀樹社長)が製造した「アドバンスドコーティングシステムM500D」。新型蒸発源「ステアワン蒸発源」を搭載したことにより平滑で高品位なコーティング膜が形成できるため、切削工具や歯切工具、成型金型の耐摩耗性が向上し寿命を大幅に改善することができる。有効コーティング範囲もφ500×H600mmと従来比1.5倍となり、プレス金型などの大型基材への対応が可能となる。またコーティング設備増設により、窒化膜(TiN、AlTiN、AlCrN)やDLC膜など対応膜種の拡充と納期の短縮も実現している。
PVDコーティング製品admin 2023年4月13日 (木曜日)
リガク、半導体デバイスメーカーの計測ニーズに応えるため米にテクノロジーセンター
リガク( https://japan.rigaku.com/ )は、2023年4月11日、半導体デバイスメーカーの計測ニーズに応えるため、アメリカ・カリフォルニア州サニーベールに「リガク・テクノロジーセンター・シリコンバレー」を開設した。
リガク・テクノロジーセンター・シリコンバレー同センターでは、リガクの最新の薄膜デバイス計測技術の紹介、デモ測定、アプリケーション・オペレーション・メンテナンストレーニングなど、様々なサービスを提供する。
同社は、過去 30 年にわたり、半導体デバイス計測業界をリードする様々な製品を開発し、研究開発からインラインファブリケーションまで幅広い用途にX線分析技術と装置を提供し続けている。今回の同センターの設立により、米国の半導体デバイス顧客との関係がより緊密になり、次世代ソリューションの開発促進に拡がることが期待るという。
取締役副社長兼薄膜デバイス事業部⻑の尾形 潔氏は「今回の半導体計測テクノロジーセンターの開設は、半導体の研究開発や大量生産に向けた最先端の計測ソリューションを提供するための重要な一歩である。この新施設は、当社が近い将来展開する多くの重要な取組みの最初のステップとなる」と述べている。
同センターでは、最新技術を駆使した以下の半導体計測ソリューションを体験すること
ができる。
・全反射蛍光X線分析(Total Reflection X-ray Fluorescence、TXRF):基板表裏面の微量コンタミネーション検出
・波⻑分散型蛍光X線分析(Wavelength Dispersive X-ray Fluorescence、WD-XRF:薄膜の高精度膜厚・組成測定
・エネルギー分散型蛍光 X 線分析(Energy Dispersive X-ray Fluorescence、ED-XRF)および光学分析:FEOL(Front End of Lin、素子形成行程)、BEOL(Back End of Line、配線工程)、パッケージングアプリケーション向けの薄膜特性の評価
マイクロスポット ED-XRF と光学顕微鏡の組み合わせは、インライン非破壊計測に活用できる。ED-XRF、XRR、XRD を統合した装置は、超薄膜、多層膜、ベタ膜、パターン膜など様々なアプリケーションをサポートする
・高分解能 X 線回折(High Resolution X-ray Diffraction)、X 線反射率分析(X-ray Reflectivity、XRR):エピタキシャル膜の歪み、組成、膜厚、多結晶膜の結晶相、テクスチャー、多層薄膜の膜厚、密度、ラフネスの測定に使用する
admin 2023年4月13日 (木曜日)
神戸製鋼所、燃料電池セパレータ用チタン圧延材が市村産業賞 功績賞を受賞
市村清新技術財団主催の「第55回(令和4年度)市村賞」において、神戸製鋼所の佐藤俊樹氏、淺 勇輔氏、トヨタ自動車の萱嶋 浩一氏が燃料電池セパレータ用チタン圧延材「NC(Nano-Carbon composite coat)チタン」で「市村産業賞 功績賞」を受賞した。NCチタンは、同社の技術開発本部と素形材事業部門が材料を開発し、機械事業部門の持つ設備技術を融合し、トヨタ自動車とともに世界で初めて量産化に成功したもの。今回の受賞テーマとしては「水素社会実現に貢献する燃料電池向け表面処理チタン材の開発」となる。
NCチタンのコンセプト(断面イメージ図)市村賞は、我が国の科学技術の進歩、産業の発展に顕著な成果をあげ、産業分野あるいは学術分野の進展に多大な貢献をされた個人またはグループを表彰し、市村産業賞、市村学術賞、市村地球環境産業賞、市村地球環境学術賞の4分野が設けられている。市村産業賞は、優れた国産技術を開発し、産業分野の発展に貢献・功績のあった技術開発者に贈呈する表彰で、本年4月17日に帝国ホテル 東京で贈呈式が開催された。
カーボンニュートラルに向けた水素社会実現のためには燃料電池自動車(FCEV)の普及拡大が求められており、基幹モジュールである燃料電池を大量に供給する必要がある。燃料電池1台に対して、その主要部品であるセパレータは数百枚搭載されるが、既存セパレータは生産性の低さが課題であり、燃料電池の大量供給の妨げとなっていた。
同社はチタン表面の酸化被膜中に導電性のカーボン粒子を分散含有することでナノメートルオーダーの緻密な被膜”Nano-Carbon composite coat”を開発した。さらに、表面処理の生産性を高めるコイル状チタン材への連続表面処理技術も確立した。NCチタンは、プレス成形でも皮膜がはく離せず、燃料電池内部の酸性腐食環境でも表面導電性を維持することが可能となる。
既存セパレータは、切板状態のセパレータを1枚ずつ表面処理する必要があり生産性に課題があった。同社は本技術により、表面処理を高速・高効率化し、生産律速であったプレス成形後の表面処理工程を省略できるプレコート型セパレータの実用化を世界で初めて実現した。その結果、セパレータの生産性が大幅に改善され、燃料電池の大量供給が可能となった。NCチタンは2020年に量産を開始し、同年12月にトヨタ自動車より発売のFCEV“MIRAI”に独占的に供給されている。今後、乗用車に限らず、商用車や鉄道、船舶等へ適用を拡大し、水素社会実現への貢献が期待される。
NCチタンと燃料電池セパレータの外観admin 2023年4月13日 (木曜日)