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トライボコーティング技術研究会、第17回岩木賞贈呈式、第27回シンポジウムを開催
トライボコーティング技術研究会(会長:大森 整 理化学研究所 主任研究員)と理化学研究所 大森素形材工学研究室は2月21日、埼玉県和光市の理化学研究所 鈴木梅太郎記念ホールで、「第17回岩木賞贈呈式」および「第27回トライボシンポジウム『トライボコーティングの現状と将来』―モスアイ構造創成、液中プラズマ応用、トライボコーティング研究支援・加工現象解析―(通算第155回研究会)」をハイブリッド形式で開催した。
第17回となる今回の岩木賞では、東京理科大学/ジオマテックが業績名「グラッシーカーボンを用いたロール状モスアイ金型の開発」により大賞に輝いた。また、愛媛大学の豊田洋通氏と山口大学の白石僚也氏が業績名「液中プラズマCVD法を基盤技術とした鋼表面へのダイヤモンド直接蒸着法の開発」により優秀賞を、PCS Instruments/島貿易が業績名「DLC膜などに有用なトライボロジー試験機の普及によるトライボコーティング研究支援」により事業賞を受賞した。さらに、芝浦工業大学の澤 武一氏と西山和樹氏が業績名「TiAlNコーティングエンドミルを用いた純ニッケルの工具摩耗機構に及ぼす切削点近傍環境の影響」により奨励賞を受賞した。
第17回岩木賞受賞者と関係者第17回岩木賞受賞者と関係者 ディスプレイやレンズなどの表面反射を防止する手法として真空蒸着での多層膜コーティング法が使用されているが、蛾の目を模倣した反射防止効果のあるモスアイ構造フィルムがディスプレイ表面に搭載されて以来、モスアイ構造フィルムによる反射防止の手法も広まりつつある。多層膜コーティングに比べ広い波長帯と広い入射角に対して反射防止機能を持つほか、金型による樹脂の転写のみで作製できるため、生産のスループットが向上できる。大賞の業績は、グラッシーカーボン(GC)と酸素イオンビーム照射によってロール状モスアイ金型を作製、材料を準備して酸素イオンビームを照射するだけの単純な工程で、従来のポーラスアルミナロールに比べて、大面積化(長さ1560mmまで)と高い歩留まりを実現している。GCモスアイ金型によるモスアイ構造フィルムは、車載用モニタ反射防止やサイネージ反射防止(カバー)、船舶用反射防止・水滴付着防止、車載ドアミラー水滴付着防止などの用途においてすでに多数の量産実績がある上、今後も需要が伸び用途が広がると見られており、その技術の新規性と市場性などが評価されての受賞となった。
受賞の挨拶に立った東京理科大学 谷口 淳氏は、「この研究は、初めは樹脂に転写したときに樹脂が金型に付着してしまい剥がれないという問題があった。接着で言うアンカー効果が働いてしまい非常に離型が難しかった。それを離型剤の工夫などによってクリアし、その後にジオマテック様のご努力により大面積への量産まで可能となった。今後はロール状モスアイ金型の離型性をさらに向上し、金型の転写耐久性を向上させることを考えている」と述べた。
鋼をダイヤモンドコートする方法では、ろう材を用いる方法が実用化され、また、炭素拡散バリア機能と応力緩和効果の両方を有する中間層の研究が行われているが、いずれもダイヤモンド本来の長所を発揮できないなどの課題がある。一方、直接蒸着に関する研究は少なく、どの例も低品質かつ1μmレベルの小さな結晶粒を持つ多結晶ダイヤモンドしか合成されていない。これに対し優秀賞の業績では、液中プラズマCVD法をベースに、ステンレス鋼表面にドリルで溝を付けるというシンプルな手法で、高品質かつ粒径10μmの多結晶ダイヤモンド膜を蒸着することに成功した。直接蒸着のメカニズムとして、ステンレス鋼に含まれるCr・Ni成分による炭素の拡散抑制、溝によるダイヤモンドのはく離抑制について検証。これまでの液中CVD法の実績と、鋼表面へのダイヤモンド直接蒸着の実用化局面での、高性能・低価格のダイヤモンド工具の流通による加工産業の発展や、鋼からダイヤモンドへの直接熱伝達によるヒートシンクの放熱特性向上によるパソコンやスマートフォン等のパワー半導体デバイスの小型化など、産業応用への期待が評価されての受賞となった。
受賞の挨拶に立った豊田氏は、「液中プラズマという技術は私が共同研究者の白石と同じ年齢の37歳の頃(2002年)に発明した技術である。その後、2008年にダイヤモンドの合成に成功し、その後はなかなかうまくいかず、装置を自作するなど恵まれない環境の中で粘り強くやってきた。今回の受賞で報われた思いだ」と述べた。
英国PCS Instruments社(PCS 社)は、Imperial College London のHugh Spikes教授が率いるトライボロジー研究グループが開発した潤滑油などの各種特性を分析するための試験評価技術を基盤技術として設立、以降トライボロジー試験機のグローバルリーダーの一つとして、自動車や潤滑油をはじめとする産業分野や大学・公共機関などの研究分野に試験機を提供している。島貿易は、日本国内ではまだPCS社の知名度がない2004年に同社と日本国内でのトライボロジー試験機の総代理店契約を締結、試験機の輸入・販売・設置・技術サポートを一貫して行い、同試験機の利点を生かした試験アプリケーションを拡大、表面改質から潤滑まで、幅広いトライボロジー研究支援に寄与している。事業賞の業績は、トライボロジー研究の500以上の文献で採用されているPCS社製トライボロジー試験機の優秀性と、同試験機の利点を最大限に引き出して国内での販売実績とアプリケーション拡大に努めてきた島貿易の取り組み、特に販売台数が多く、潤滑油介在下でのDLCコーティングなど硬質薄膜の摩擦摩耗特性評価で適用実績が多いトラクション試験機「MTM」の普及によるトライボコーティング研究支援が評価され受賞したもの。
受賞の挨拶に立った島貿易 桝野智晴氏は、「弊社は今年120周年ということで記念すべき年となっている。また、PCS Instruments社と代理店契約をして20年と節目の年となる。今までコツコツと取り組んできたことが評価されて大変嬉しく思う。今後も20年、30年と日本市場で貢献できるように取り組んでいきたい」と述べた。
燃料電池や半導体の需要の高まりから近年、苛性ソーダ製造装置に使われる純ニッケルの構造材としての加工需要も増加している。一方で、純ニッケルの切削特性に関しては材料物性に基づいた知見やデータベースがないため、生産現場では勘や経験則による試行錯誤を繰り返して切削加工が行われている。こうした背景のもと、奨励賞の業績では、純ニッケルの切削特性と工具摩耗特性を明らかにし、生産現場で活用できる知見とデータベースを作成することを目的として、切削点近傍環境が工具摩耗機構に及ぼす影響について考究した。①純ニッケルは乾式切削に比べ水道水を供給するとTiAlN膜の酸化で摩耗が増大すること、②不水溶性切削油を供給するとTiAlN膜の酸化が抑制され摩耗が進行しないこと、③強アルカリ水を供給するとTiAlN膜の腐食で摩耗が増大すること、④工具刃先へのニッケルの付着(凝着)で切削抵抗が増加することを検証し、TiAlNコーティングエンドミルを用いた純ニッケルのミーリングでは、工具摩耗を抑制するため、酸化と腐食を抑制する切削点近傍環境の維持が肝要であることを究明。今後の研究の進展が期待されての受賞となった。
オンラインで受賞の挨拶を行った西山氏は、「本研究は純ニッケルの切削特性などを明らかにして生産現場で活用できる知見やデータベースの作成を目的として調査したものである。この研究は私が研究室に配属された時から続けているもので、失敗や苦労も多かったが澤教授をはじめとして研究室メンバーのさまざまな協力があったからこそ今回の受賞に至ったと考えいてる。この場を借りて感謝申し上げたい」と述べた。
贈呈式の後はシンポジウムに移行。岩木賞の記念講演として大賞に輝いた東京理科大学谷口氏が、優秀賞に輝いた愛媛大学 白石氏が、事業賞に輝いたPCS Instruments Tom Welham氏がそれぞれ講演を行った。なお、奨励賞の芝浦工業大学 澤氏、西山氏の記念講演は、6月に行われるトライボコーティング技術研究会の令和7年度第1回研究会で行われる。
admin 2025年2月27日 (木曜日)「EMOハノーバー2025」プレスカンファレンスを開催、参加を呼びかけ
International Linkage ドイツメッセ日本代表部(https://intl-linkage.co.jp/dm)(代表:竹生学史氏)は2月19日、東京都千代田区のステーションコンファレンス東京で、本年9月22日~26日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される世界を代表する工作機械の国際展示会「EMO Hannover 2025(EMOハノーバー2025)」に関するプレスカンファレンス「EMO Hannover 2025 World Tour」を開催した。主催者のドイツ工作機械工業会(VDW)とドイツメッセの各担当者が同展の見どころなどについて紹介し、日本企業の出展と日本からの来場を求めた。
当日はまず、以下2件の基調講演が行われた。
・「ものづくり業界のために開催される生産技術の国際展示会EMOハノーバー2025」マルクス・へーリング氏(ドイツ工作機械工業会(VDW)エグゼクティブ ダイレクター)…世界有数の生産技術の専門展示会である「EMOハノーバー2025」が「Innovate Manufacturing」をテーマに、金属加工のバリューチェーン全体の製品・技術を紹介するとともに、革新性、国際性、インスピレーション、金属加工の未来を示すショーケースであり、金属加工業界のメーカーとユーザーなど国際的な業界関係者が対話できるプラットフォームで、1975年に設立され今年で50周年を迎えることを説明。この半世紀の間にスマートフォンなどのデバイスを含む技術革新に金属加工技術が大きく寄与してきており、今回の「Innovate Manufacturing」のテーマのとおり、EMOが提供する膨大なアイデアと新しいアイデア、新技術を積極的に活用することを呼びかけた。続いて、世界経済の状況について、中国経済の減速などもあり2024年度は設備投資がグローバルで低下、特に欧州で激減したが、2025年度からは回復に向かうとした。日本は極めて大きな工作機械サプライヤーで輸出も多く、工作機械の市場が拡大する中国は日本の工作機械メーカーにとって大きな市場であるとともにサプライヤーにもなりつつあるとした。さらに、EMOハノーバー2025のフォーカス・トピックスとして、①工具のパレットチェンジャーやワークのハンドリングシステムを含む工作機械あるいは金属加工工程の「自動化」、②新しい工作機械への投資によるエネルギー節減やカーボンフットプリント削減といった「サステナビリティ」、③人工知能(AI)との組み合わせによる生産性向上など工作機械ユーザーのメリット拡大につながる「デジタル化」を掲げた。
・「EMO2025へ訪問すべき理由」ハートヴィヒ・フォン・ザース氏(ドイツメッセ ヘッドオブニュービジネス)…EMOは来場者とパートナーであり出展者であるメーカーをつなぎ、最新の製品・技術、金属加工業界の現状を間近で見ることができる専門見本市。来場者は新しい技術に出会える場であり、国や産業の枠を超えてビジネスを創出しつつパーソナルリレーションシップを構築できる場でもある。ウェブサイトで事前にチェックし訪問リストに加えた展示ブースからの製品・技術情報だけではなく、歩いていて思いがけず新しいソリューション、自らのプロジェクトに活用できるかもしれないソリューションに出会える可能性を秘めている。EMOはつまり、オンラインでは得られない「セレンディピティ」がある。開催地となるハノーバーは産業見本市の中心地であり、海外からの交通の便も良い場所。工作機械の多数の技術革新、最新の製品・技術が披露されるEMO、出展者と来場者をダイレクトにつなぐEMOに是非とも来場してほしいと総括した。
続いて、日本工業大学工業技術博物館 館長の清水伸二氏をモデレーターに、4人のパネリストによるパネルディスカッションが以下のとおり行われた。
ドイツ工作機械工業会(VDW)エグゼクティブ ダイレクターのマルクス・へーリング氏は、同展示会を「ものづくり業界のために開催される生産技術の国際展示会」として、工作機械の自動化やサステナビリティ、デジタル化についての展示をメインになると話した。また、期待している点としては積層造形やスタートアップ、工作機械業界に若者を引き寄せるための基礎であるとした。引き続き、ドイツメッセ ヘッドオブニュービジネスのハートヴィヒ・フォン・ザース氏が、昨今はコミュニケーションのほとんどがオンラインでなされているとして、本展示会はリアルで見てもらうことで自社のブランドを示すことができるとした。また、本展示会とオンラインとの連携も有効である点を述べた。また、リアルの見本市であるからこそ価値あるものを予想しなかったところで見つけられると述べた。
また、出展社の立場としてオークマ 取締役 常務執行役員の山本武司氏、ヤマザキマザック 執行役員 欧州副総支配人の山崎 拓氏が参加した。山本氏は「弊社はEMOには第1回から毎回出展させていただいている。出展理由としては、メーカーである私共としては、お客様のその先のお客様のニーズを知ることによって、私共のお客様が何をしなければならないかを理解してソリューションを提供することができること。もう一つが工作機械のメッカである欧州で弊社のブランドを知っていただくことだ。さらに、昔のことにはなるが世界各国から代理店のお申し出をいただけることが挙げられる。工作機械は欧州が先頭を走っている部分もあるため、EMOは最新の技術やマーケットのトレンドを知ることができる場である。会社としても将来への投資に対する羅針盤のような役割を果たしているのではないかと思う」と述べた。山崎氏は「山本様が仰ったことにすべて同意する。重複する内容は割愛して、その上で二点を追加させていただく。一つ目はEMOという一週間のイベントで弊社の欧州中のスタッフが一堂に会することで結束して士気を高めることができる貴重なイベントである。もう一つは、国際的な展示会は世界中に数多く存在しているが、EMOの特徴は地元のドイツ企業に多少アドバンテージがあるものの、EMOほどフェアな競争ができている展示会はないのではないかと思う。世界各国のメーカーが分け隔てなく出展している展示会のため、我々出展社としても来場者にとっても工作機械のトレンドを知ることができるため、今後の戦略を立てていく上でも大変重要な展示会であると感じている」と述べた。
左から山本武司氏、清水伸二氏、マルクス・へーリング氏、山崎 拓氏、ハートヴィヒ・フォン・ザース氏 EMOハノーバー 2025では日本企業の出展ならびに来場の募集を行っているので、関心のある方は以下まで問い合わせをいただきたい。
International Linkage ドイツメッセ日本代表部 竹生学史(たけお・まさひと)氏
TEL:080-1396-9902または03-6403-5817
E-mail:masahito.takeo@intl-linkage.co.jp