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TOTO、スルホン酸表面改質技術で市村産業賞 功績賞

6日 12時間 ago
TOTO、スルホン酸表面改質技術で市村産業賞 功績賞

 市村清新技術財団主催の「第58回(令和7年度)市村賞」において、TOTOの森井 勇次 氏、篠原 賢次 氏、畑中 啓司 氏が「防汚性に優れた水まわり製品を可能にするスルホン酸表面改質技術」で「市村産業賞 功績賞」を受賞した。

 水まわりの衛生維持において、有機汚れの堆積や水垢の固着は長年の課題である。従来の撥水技術(シリコーン等)は界面活性剤を含む汚れに弱く、また、一般的な親水技術(水酸基等)は水垢成分と化学結合して強固に固着する問題があった。そこでTOTOでは、高極性でありながら水垢と結合しない「スルホン酸基」に着目、油汚れを浮かせつつ、水垢の固着も抑制するという相反する課題を解決し、洗剤や過度な清掃に頼らずとも、長期間清潔な状態を維持できる画期的なマテリアル技術の開発を目指した。

 本技術は、スルホン酸基を部材の極表面(数十nm)に高濃度で偏在化・固定化させる独自の表面改質技術である。通常、高極性な官能基は材料内部に潜伏する性質があるが、塗料成分の相溶性を精密に制御し、特殊成分の揮発に伴い表面へ意図的に偏析させる塗料設計を確立した。さらに、紫外線(UV)硬化プロセスを用いてこの偏析状態を瞬時に固定化することに成功。表面に高い親水性を持たせつつ、塗膜主鎖には緻密な高架橋アクリル骨格を採用することで、水まわりの過酷な環境に耐えうる優れた長期耐久性と、安定した量産性を両立した。

スルホン酸基の偏析プロセス

 本技術による表面は、水が汚れと基材の間に入り込む「ローリングアップ効果」により、皮脂等の油汚れを水だけで浮き上がらせる。また、スルホン酸基は水垢と結合しないため、付着した水あかとの化学的固着を防ぎ、軽い力で容易に除去可能である。これにより、清掃時間短縮による家事負担軽減と、洗剤使用量削減による環境負荷低減に大きく貢献する。本技術は浴室床やカウンター等に搭載され、年間数十万台規模で出荷されており、きれいで快適な住生活文化の創造に寄与している。

油汚れに対する防汚効果

 

admin 2026年3月30日 (月曜日)
admin

「ハノーバーメッセ2026 プレスプレビュー」が開催、展示会の概要・見どころを紹介

6日 16時間 ago
「ハノーバーメッセ2026 プレスプレビュー」が開催、展示会の概要・見どころを紹介 in kat 2026年03日30日(月) in

 本年4月20日~4月24日にドイツ・ハノーバー国際見本市会場で開催される世界最大の産業技術見本市「HANNOVER MESSE(ハノーバーメッセ)2026」(主催:ドイツメッセ)に関して、2月25日に同国際見本市会場で「Hannover Messe 2026 Press Preview」が開催され、世界中からジャーナリスト約100名が参加する中、概要と見どころが紹介された。

 会場のようす

 

ハノーバーメッセの概要と、地政学的現状での産業競争力向上における役割

 当日はまずプレスカンファレンスが行われ、主催者であるドイツメッセCEOのJochen Köckler氏が挨拶に立ち、ハノーバーメッセ2026の開催の見どころや地政学的問題を抱える中での産業競争力向上に対して本展示会が果たす役割などについて紹介した。

 熾烈な地政学的競争、高まるコストと関税圧力、そしてAIの理論から実用化への移行が進む中で、ハノーバーメッセ2026では、フィジカルAI、エネルギー、産業インフラ、そして研究と技術移転に明確に焦点を当てる。

 アマゾンウェブサービス、ボッシュ、グーグル、マイクロソフト、シーメンスなどの世界的企業から、ベッコフ、フエスト、ハーティング、シェフラー、ハーティング、イグス、シュンクなどの中堅企業に、DMG森精機やツァイス、アジャイルロボット、ユニバーサルロボット、ジャーマン エッジ クラウドなどの新規出展社を加えたほか、フラウンホーファー研究機構やカールスルーエ工科大学(KIT)などの研究機関、さらに300社を超えるスタートアップ企業など、60カ国以上から約3500社の出展が見込まれる。

 刷新されたホールレイアウトで、革新的なマスタークラスやラウンドテーブル、スピードデート、センターステージが設けられ、中でもセンターステージ(ホール25)は、「人材とトピックス」を通してハノーバーメッセの重要性を示す場となる。産業におけるAIの活用など、実用的な応用分野に焦点を当てる。日別テーマ別フォーカスエリア:4月20日「政治と産業の共存」、4月21日「防衛フォーカス」、4月22日「スタートアップ」。

 今回大きくフォーカスするAIがカメラやセンサーを通じて現実世界(物理空間)を認識・理解しロボットなどの身体を持って自律的に動く「フィジカルAI」は、AIを画面から現実世界へと持ち込み、その有効性、生産性、効率性を向上させる。身近なコンポーネントであるセンサー、グリッパーとAIを組み合わせたヒューマノイドロボットは、現実世界の生産プロセスに応用が広がっている。ハノーバーメッセ2026では、ものづくり企業がAI活用によって収益につなげることができることを実践的かつ応用重視のアプローチで示す。

 AIの活用はエネルギーを大量に消費するためエネルギー対策は不可欠で、ハノーバーメッセ2026にも組み込まれている。水素は余剰の再生可能エネルギーを分子として貯蔵するための重要な媒体としてフォーカスしている。競争力を高めるにはエネルギーのデジタル管理が不可欠で、安全・安定のエネルギー供給があることで、ヒューマノイドロボットと自動化ソリューションは機能する。

開催概要を紹介するKöckler氏
パートナーカントリー、ブラジル

 ハノーバーメッセ2026のパートナーカントリーであるブラジルは、ハノーバーメッセ2026への参画を機に、水素、先進製造業、アグリテック、AIといった分野における長年の協力関係を具体化しようとしている。

 Apex-BrazilのMarcia Nejaim氏とAlex Figueired氏によるセッションでは、ハノーバーメッセ2026への戦略的参加について概説。脱炭素化、デジタル化、エネルギー効率、そして強靭なサプライチェーンにおけるブラジルの能力を強調し、ドイツおよび世界にとって革新的で信頼性が高く持続可能な技術・産業パートナーとしてのブラジルを訴求した。ブラジルのクリーンエネルギー基盤、バイオ燃料(フレックス燃料イノベーション、SAF、海洋バイオ燃料)におけるリーダーシップや、ブラジルから参加する約140社の出展社のプレゼンスについて詳細に説明。具体的な展示内容としては、スタートアップ企業や研究開発機関(ホール11)、ICTおよびスマート製造企業(ホール16)、産業ソリューションとブラジル・ドイツ技能五輪世界大会(WorldSkills)シミュレーション(ホール17)、そしてエネルギー転換に焦点を当てた国家パビリオン(ホール12)があり、WEG、ヴァーレ、B&H、エンブラエルといった大手企業に加え、ドイツのフォルクスワーゲンやバイエルとのパートナーシップも紹介した。

パートナーカントリー、ブラジルのセッションのようすパネルディスカッション:製造業におけるAI活用

 ボッシュ・コネクテッド・インダストリーのNorbert Jung氏、ジャーマン エッジ クラウドのLilija Kucinskaja氏、アジャイル・ロボッツのSwen Parusel氏によるパネルディスカッション「製造業におけるAIの活用」が行われ、「データ増加のパラドックス」、自律的に推論し問題解決できる「エージェントAI」の台頭、そしてロボットとAIモデルの緊密な統合(フィジカルAI)の必要性などが挙げられた。

 Kucinskaja氏は、中小企業のデジタル化支援に注力しているが、AIを導入する前に、企業はまず基本的なデータの透明性と接続性(垂直統合)を実現し、生産の非効率性を可視化する必要があると主張。また、Jung氏は、製造業は膨大なデータを生成しているものの価値の抽出には時間がかかるという「データ増大パラドックス」の課題を浮き彫りにし、AIエージェント、マシン、そして人間が協働する「製造におけるコ・インテリジェンス」を提唱。AIプロジェクトの95%は、適切なセマンティック・コンテキスト(ある数値が圧力と温度を表わすといった認識)とリーダーシップの関与が欠如しているために価値を提供できていないと強調した。さらに、Parusel氏はフィジカルAIを専門としロボットアームやヒューマノイドロボットにインテリジェンスを付与する取り組みを行っているが、AIをハードウェアに深く統合することで柔軟な製造ソリューションを構築し、基盤モデルを用いて導入を迅速化する必要があると主張した。

パネルディスカッション「製造業におけるAIの活用」のようす

 

ロボティクス・アワード2026

 当日はまた、ロボット工学の専門家からなる審査員団が自動化と物流の分野における革新的なロボット支援ソリューションで産業開発に画期的な進歩をもたらす企業を表彰する「ロボティクス・アワード2026」の大賞受賞者を発表、ドイツのグッドバイツが選定され表彰された。
受賞したロボットは、独自のAI駆動制御ロジックによって制御され、複数の注文が同時に発生した場合でも、ワークフローをインテリジェントに順序付けることができる。これらの自動化された柔軟な生産プロセスにより、病院、大学、企業施設向けに高品質でカスタマイズされた食品供給が保証され、人員レベルや注文の複雑さに関わらず、安定した生産量を維持することなどが評価された。

ロボティクス・アワード大賞表彰式のようす

 

ミニ展示会

 当日は出展予定企業の約3500社を代表して約30社がミニブースを併設し、ハノーバーメッセ2026で出展予定の製品・技術を披露した。ベアリング・モーション技術(bmt)関連の製品・技術では、ハノーバーメッセ2026で披露される予定の、以下のような展示がなされた。

ミニ展示会のようす

 

イグス

 イグスは、企業が導入を容易にするための新たな低コストロボットソリューションを紹介した。

 その一つがサービスハブとしてのオンラインプラットフォーム「RBTX」で、現在約260社のメーカーがこのプラットフォームに参加しており、ロボットコンポーネントはモジュール式のため相互に組み合わせることができる。同社専門家のサポートを受け、数百社がこれまでに自動化ソリューションを実現しており、その95%は18000ユーロ未満で導入されている。ハノーバーメッセの開幕までに、RBTXは、35社のメーカーから95種類のロボットモデルを揃え、ヒューマノイドロボットのラインナップにおいて最大規模となる見込み。

 低コストロボットソリューションではまた、熟練労働者の深刻な不足に対応するローコストのマテリアルハンドリング向けの自律型移動ロボット「ReBeL Move Pro」と、人手不足の現場で活躍する自律型フォークリフト「ReBeL Pallet Mover」も紹介した。用途に応じて、積載量300kg、1400kg、1500kgのモデルを用意しているほか、ニーズに合わせてカスタマイズも可能となっている。
 

イグスブースのようす

 

RBTX

 

ReBeL Pallet Mover

 

シェフラー

 シェフラーは、ロボット工学の論理的な発展形であるヒューマノイド向け技術に特に高い可能性を見出しており、この最先端技術向けにベアリング、ギヤボックス部品、センサー、アクチュエーター、電気モーターなどの主要コンポーネントを提供し、技術的に重要な進歩によってヒューマノイドロボットを最適化できるとアピール。

 その一つとして、軽量ロボットおよび協働ロボット向けの革新的なXZUアンギュラコンタクト針状ころ軸受「XZUシリーズ」を紹介。複列配置により負荷分散が大幅に改善され、運転中のスキューを抑制するほか、従来のクロスローラー軸受に比べて傾き剛性が30%向上する。コンパクトな設計、高効率、軽量性を兼ね備えた優れた特性により、ハノーバーメッセの「HERMES AWARD」にノミネートされている。

 シェフラーではまた、高分解能と直線性により産業用駆動系におけるトルクを非接触で高精度に測定できるトルクセンサーソリューション「TorqueSense」も紹介。制御システムの性能を向上すると同時に、エネルギー消費量を削減するため、建設機械や農業機械の作業工程制御などの用途に最適。産業用機械の過負荷保護機能として設置できるほか、ユーザーのアプリケーションに容易に統合でき、機械の寿命を大幅に延長できる。
 

シェフラーブースのようす

 

XZUシリーズ

 

TorqueSense

 

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NTN、精密リキッドハンドリングシステムのライフサイエンス分野への提案を加速

6日 17時間 ago
NTN、精密リキッドハンドリングシステムのライフサイエンス分野への提案を加速kat 2026年03日30日(月) in in

 NTNは、高粘度の微量な液剤を±15µm(μm:1/1000mm)以下の位置精度で高精度に塗布する「微細塗布装置」の名称を、本年4月より「精密リキッドハンドリングシステムX-CELList(エクセリスト)」(https://www.ntn.co.jp/japan/x-cellist/index.html)に変更し、従来の工業分野に加え創薬実験用途などライフサイエンス分野における提案を加速していく。

精密リキッドハンドリングシステム「X-CELList」(上)とそのロゴ(下)

 

 近年、創薬や再生医療の分野では、細胞や生体材料を高い再現性で取り扱うための精密なリキッドハンドリング技術が求められている。NTNの「X-CELList」は、塗布針の先端に付着させた微量の液剤を対象物に直接塗布する独自の方式により、高粘度な液剤であっても、無駄なく高精度に塗布できる点を特長としている。

 NTNは、抗原検査の研究活動や創薬分野への適用に取り組み、2025年にiPS細胞由来心筋細胞(iPS心筋細胞)を創薬実験用プレート上に効率的かつ高精度に配置(播種)するバイオプリンティング技術を開発した。手作業と同等の細胞生存率を維持しながら、定位置・適量での塗布を実現し、細胞配置作業の自動化を可能としている。

 今回、従来の販売先である工業分野に加えてライフサイエンス分野での提案の加速を目的に、同分野における訴求力を高めた名称として、精密リキッドハンドリングシステムX-CELListに変更した。新名称は「Excellent Liquid Stamp Technology(卓越した液体塗布技術)」を基に、ライフサイエンス分野への適用を象徴する「Cell(細胞)」と、未知の可能性を連想させる「X」を組み合わせたもの。

 NTNは、創薬分野に加え、病気などで機能を失った組織や臓器の再生を目指す再生医療分野においてもX-CELListの適用を進め、新たな成長領域の一つとして位置付けるライフサイエンス分野の拡大を通じ、社会課題の解決に貢献していく。

kat