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BASF、バイオベースの1,4-ブタンジオールの長期使用権を獲得

6ヶ月 3週 ago
BASF、バイオベースの1,4-ブタンジオールの長期使用権を獲得kat 2023年10日02日(月) in

 独BASFは、米国Cargill社と独HELM社の合弁会社である米国Qore® 社と契約を締結し、バイオベースの1,4-ブタンジオール(BDO)である「QIRA®」の長期的入手を可能にした。

 Qore®は、アイオワ州エディビルにあるCargill(カーギル)のバイオテクノロジー キャンパスとトウモロコシ精製工場でバイオベースのBDOを製造している。BASFはQIRA®によって、例えばポリテトラメチレンエーテルグリコール(ポリテトラヒドロフラン)「PolyTHF®」やテトラヒドロフラン(THF)のバイオベース製品で、既存のBDO誘導体の製品ラインアップを拡大する。最初の商業出荷は2025年第1四半期を予定している。

 Qore®はQIRA®ブランドのもと、バイオベースのBDOを製造している。QIRA®は、トウモロコシから得られる植物由来の糖類の発酵によって製造されており、化石資源由来のBDOと同じ品質の製品規格を実現している。

 Qore®のCEOであるJon Veldhouse氏は、次のように述べています。「QIRA®は、業界がより持続可能な代替品に迅速かつシームレスに切り替えるための、完璧なドロップイン製品(代替可能な製品)。QIRA®に切り替えることで、化石資源由来のBDOよりも製品カーボンフットプリント(PCF)を最大86%削減できる可能性がある」と語っている。

 QIRA®を使用することで、BASFは対応する化石資源由来化学品よりも低いPCFのBDO誘導体を製造できるようになる。QIRA®をベースとするBDO誘導体は、化石資源由来のBDOを用いた誘導体と同等の品質を備えている。

 BASF中間体事業本部 グローバル戦略マーケティング担当のウルフガング・ミュラー氏は、「QIRA®を使用できるようになったことで、PCFを削減するだけでなく、 再生可能原料の物理的含有量も保証するBDO誘導体を、顧客に大量に提供できるようになる。これにより、バイオマスバランス製品、低PCF製品、BASFの「ChemCycling®(ケミサイクリング™)」アプローチに沿って製造された製品などを含む、持続可能なソリュー ションの既存ポートフォリオをさらに多様化していく」と述べている。

 Qore®CEOのJon Veldhouse氏は、「BASFと提携し、より持続可能な材料ソリュー ションを市場に提供できることを誇りに思う。今回の提携によって、QIRA®が化石資源由来のBDOに代わる重要な代替品であり、誘導体のサステナビリティを大幅に高めるものであることが示されている。QIRA®はアパレル、自動車、エレクトロニクスなどの市場においてさまざまな用途に使用できる、革新的なプラットフォーム化学物質だ」と述べている。

 BDOは、水着、スポーツウェア、下着、さらにはシャツやストレッチジーンズなどのアウターウェアなど、幅広いテキスタイルに使用される、伸縮性のあるスパンデックスやエラスタンファイバーに不可欠な出発原料である、PolyTHF®を製造するための重要な前駆体で、PolyTHF®は、熱可塑性ポリウレタン(TPU)製造のための化学的基本的骨格。BASFの顧客はTPUを使用して、主に自動車産業向けの耐摩耗性・伸縮性に優れたホース、フィルム、ケーブル被覆を製造している。その他の用途としては、スケートボードやインラインスケートのホイール製造に使用される熱可塑性ポリエーテルエステル、ポリエーテルアミド、キャストエラストマーなどがある。欧州、北米、アジア太平洋地域に五つのPolyTHF®製造プラントを持つBASFは、多用途中間体の大手サプライヤー。BDOは、主に医薬品の製造に使用されるTHFに活用されている中間体でもある。BASFは世界有数のBDO誘導体の製造業者となっている。

 

kat