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ジェイテクト、最上位安全コンセプト採用のEPSを開発、トヨタの新型LSと新型MIRAIに搭載

4年 4ヶ月 ago
ジェイテクト、最上位安全コンセプト採用のEPSを開発、トヨタの新型LSと新型MIRAIに搭載kat 2021年08日03日(火) in in

 ジェイテクトは、電源を含むハードウェア完全二重構造(システム異常が発生した場合でも残されたシステムで操舵が可能)となる電動パワーステアリング(EPS)を開発し、本年4月にトヨタ自動車から発売されたLEXUS 新型「LS」、TOYOTA 新型FCV「MIRAI」の一部車両(高度運転支援搭載車両)に搭載された。本EPSでは、ステアリング機能における独自の安全コンセプトで最上位となる「JFOPS4」を採用している。

 ステアリングは自動車の「走る」「曲がる」「止まる」の「曲がる」を担う重要な機能部品で、自動運転時にはより高いレベルの安全性が必要となることから、同社では自動運転の普及を見据えステアリング機能における独自の安全コンセプト「JFOPS(JTEKT Fail-OPerational System)」を定義し、自動運転レベルに応じた安全性を備えるEPSの提供を可能としているが、今回搭載されたEPSには安全コンセプトで最上位となる「JFOPS4」を採用している。

 開発品の主な特徴は以下のとおり。

・電源も含むハードウェア完全二重構造

・完全自動運転にも対応可能な機能を搭載(JFOPS4)

・自動運転中にドライバーが手放し状態でも安全性を確保するためにステアリングMCU(Motor Control Unit)の故障が発生してもアシスト継続が可能

 同社では自動運転の急速な普及を見据え、全ての自動運転レベルに対応するEPSシステムを揃えているが、今後は安全性・信頼性をさらに高め、様々なレベルの自動運転に対応する製品を世界各国の自動車メーカーに提案していく考えだ。

 

回路構成概略図(JFOPS4)

 

独自の安全性に対するコンセプトJTEKT Fail-OPerational System(JFOPS)
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ジェイテクト、耐水素環境用軸受を開発、FCVの耐久性・信頼性の向上へ

4年 4ヶ月 ago
ジェイテクト、耐水素環境用軸受を開発、FCVの耐久性・信頼性の向上へ in kat 2021年08日03日(火) in in

 ジェイテクトは、水素燃料電池車(FCV)の水素循環ポンプなどに使用する、従来比10倍の高耐久・高耐食軸受「EXSEV-H2」を開発した。水素雰囲気という特殊な環境においては、水素脆化(水素の侵入により、金属の強度が著しく低下する現象)による早期破損が課題となっていたが、本開発品により、軸受の長寿命化が可能となり、ユニットの小型軽量化や、低フリクション化が可能となった。同社ではFCVの耐久性と信頼性の向上を実現することで、水素利活用によるカーボンニュートラルの推進に貢献していく。

 2025年に同社四国工場および亀山工場とグループ会社のダイベアで量産を開始する予定で、国内外自動車部品メーカーへの提案を進め、1.3億円/年の売上を目指す

EXSEV-H2

 

 近年深刻化する地球温暖化の対策として、また持続可能な社会の実現のため、「2050年脱炭素化社会の実現」を目指す方針が日本政府から発表されるなど、CO2の排出規制は国内外で拍車がかかっている。

 こうした中で、カーボンニュートラル実現に向けた取組みとして、水素と酸素で発電し動力を発生させるFCVは、CO2を排出しない環境にやさしい自動車として注目が集まっている。

 FCVでは水素を有効活用するために、燃料電池内で未反応の水素を再利用するための水素循環ポンプが使用されることがある。その水素循環ポンプ用軸受は、水素および水蒸気中で使用されるため、水素脆化しにくく、水蒸気中でも腐食しにくい軸受の開発が必要とされていた。

 そこで同社では、新たな素材と熱処理を提供することにより、従来製品の10倍以上となる耐久性と耐食性を持つ軸受を開発したもの。本開発品をFCVの水素循環ポンプに使用することで、FCVの安全性と信頼性の向上に貢献するほか、水素環境下において従来の転がり軸受では水素脆化による早期破損の懸念から使用できなかった用途での使用が可能となっている。

試験結果:水素雰囲気中での寿命比較

 

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光洋メタルテック、密閉式熱間鍛造プレスローリング工法によるニアネットシェイプを確立

4年 4ヶ月 ago
光洋メタルテック、密閉式熱間鍛造プレスローリング工法によるニアネットシェイプを確立kat 2021年08日03日(火) in

 ジェイテクトのグループ会社である光洋メタルテックは、従来の縦型熱間プレス工法では実現できなかった複雑な形状を作り上げる全自動の密閉式熱間鍛造プレスローリング工法を確立した。AT車用多段変速機に使われる遊星ギヤリングを製造する光洋メタルテック上野工場の鍛造ラインに適用を始めている。変速機メーカーや減速機メーカーに提案を進め、6億1800万円/年の売上を目指す。

ラインのイメージ

 

 本工法によって、被加工材を最終形状にするための切削・研磨などの仕上げ作業をほとんど必要としない完成品に近い状態に作り上げる「ニアネットシェイプ化」を実現。機械加工のリードタイムの短縮と工数の低減、更には省資源化による低炭素社会の実現に貢献する。

 国内外において、多段AT車の需要が年々高まっているが、需要の高まりに反して、その材料となる鋼材が年々不足している。

 光洋メタルテックでは、長年培った軸受製造技術を生かし、自動車変速機用遊星ギヤリング用軸受の製造ラインの見直しを図り、密閉式熱間鍛造プレスローリング工法によるニアネットシェイプ化を確立したことで、素材である鋼材の投入重量の削減を実現した。また、この工法により、機械加工のサイクルタイムを従来の10%削減できる(同社比)ことも実証している。

 密閉式熱間鍛造プレスローリング工法の特徴は、以下のとおり。
 
・省エネ:小動力熱間プレス機で小さな荒地を成形し、自社開発のローリング機で大きく圧延/形状化する

・工程設計の見直し:素材の投入重量は増やさずに、ローリング前のプレス荒地品の端面を形状化し、ローリング完了後の端面欠肉の問題を解決

・内径深溝加工の拡大:内径角度をよりネットシェイプした深溝形状品を実現
(下図は鍛造品の断面で、赤は完成品形状、灰色は鍛造品形状)

従来品と開発品の形状比較

 

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NTN、産業用IoTプラットフォーム向け軸受診断アプリを開発、生産性向上に貢献

4年 4ヶ月 ago
NTN、産業用IoTプラットフォーム向け軸受診断アプリを開発、生産性向上に貢献 in kat 2021年08日03日(火) in

 NTNは、産業用IoTプラットフォーム「Edgecross®」(Edgecrossコンソーシアム提供)に対応した軸受診断アプリケーションを開発し、7月から無料体験版の提供を開始している。近年、省人化や生産性の向上を背景に、生産設備の予知保全へのニーズが高まっているが、IoTを活用し、設備や稼働状況を監視するとともに、生産現場でデータをリアルタイムに収集・分析することで、設備の不具合や故障をいち早く知り、計画的にメンテナンスや部品交換の実施につなげることが可能となる。本アプリの体験版は、Edgecrossマーケットプレイス(https://www.marketplace.edgecross.org/product-detail/71660005)から申し込みが可能。

 同社が開発した軸受診断アプリケーションは、軸受近傍に設置された振動センサのデータを収集し、軸受の異常を診断するソフトウェア。簡単・迅速に診断ができるほか、軸受情報や運転情報などの設定が不要で、同社以外の軸受の診断も行える。

 開発にあたっては、軸受の損傷を検知する技術や損傷の進展をモニタリングする手法など、軸受メーカーとして蓄積してきた技術やノウハウに加え、大型風力発電装置向けの状態監視システム「Wind Doctor®」において開発した軸受診断のアルゴリズムを活用している。

 同社は、本年4月からスタートした中期経営計画「DRIVE NTN100」Phase2において、新たな事業領域の一つとしてサービス・ソリューション事業の強化に取り組んでいる。従来から展開してきた大型風力発電装置向けの状態監視サービスに加え、本開発品をはじめとするAIやIoTなどデジタル技術を活用した商品・サービスの開発、提供を通じて、各産業の生産性の向上に貢献するとともに、事業の拡大を図っていく。

 軸受診断アプリケーションの主な特徴は、以下のとおり。

・軸受のリアルタイム診断:軸受の診断結果を3秒~10秒ごとに更新。わずかな時間に現れる変化も捉えることができる

・軸受情報の設定不要:診断対象の軸受情報や運転状況の設定が不要。NTN以外の軸受の診断も可能

・シンプルな出力:診断開始時点を基準に状態レベルを4段階で出力。センサからの診断結果を最大16ヵ所まで同時に確認することが可能

・インターネット接続不要:導入、運用にあたり、インターネット接続は不要。データを外部に出したくない場合やネットワーク環境が整っていない場合でも利用できる

 

軸受診断アプリケーションの構成例

 

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