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カーボンニュートラル実現に向けた歯車システムとトライボロジー

 

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ロボット関連3団体、2020年 新年賀詞交換会を開催

5年 3ヶ月 ago
ロボット関連3団体、2020年 新年賀詞交換会を開催 in kat 2020年01日14日(火) in in

 日本ロボット工業会、製造科学技術センター、マイマロマシンセンターのロボット関連3団体は1月10日、東京都港区の東京プリンスホテルで「2020年 ロボット関連3団体新年賀詞交歓会」を開催した。

 当日は3団体を代表して橋本康彦・日本ロボット工業会会長(川崎重工業常務)が挨拶に立ち、「昨年は米中貿易摩擦の影響が実体経済に及び世界的な景気減速が見られ、また年末には英国のEU離脱(ブレグジット)が決定的となった。その一方で米中通商会議の第一弾が昨年末に合意され、世界経済の回復に期待感を抱かせた。このような状況の中、2019年のわが国のロボット産業は、需要の約7割を占める輸出で依然マイナスの状況が続き、受注額は対前年度比14%減の8240億円、生産額も約14%減の7800億円にとどまる見通しだ。本年2020年は7月に東京オリンピック・パラリンピックが開催されることで景気面での一層の盛り上がりが期待される。世界的には貿易摩擦による景気減速やブレグジットに加え、年初から米国とイランの緊張が高まるなど中東地域でのリスク要因もあるが、ある程度の方向感が示されつつある。そうした中、自動化に対する潜在ニーズは大変強い。半導体関連の投資なども回復基調にあり、一度きっかけが得られれば、自動化に向けたロボット導入の投資が一気に加速することも考えられる。こうしたことから本年のロボット受注額は対前年度比6%増の8700億円、生産額も6%増の8300億円と、昨年からの回復を期待している」と述べた後、3団体の活動計画について報告した。

挨拶する橋本会長

 

 日本ロボット工業会については、業界活性化のさらなる推進に向け、重要項目としてまず、ロボット革命イニシアティブ協議会との協力のもと、ロボット活用の裾野の拡大に向けたマッチング活動や、人材育成ならびに環境整備など、具体的な成果につながるよう、引き続き積極的に取組みを進めていく。2018年4月に同工業会にFA・ロボットシステムインテグレーター協会を設立し、業界ネットワークの構築、経営基盤や事業基盤の向上、システムインテグレーターに対する専門性の高度化に向けた、活動を積極的に展開しているが、本年は、ロボットシステムインテグレーションを行う上で必要な知識の習得レベル、技能の習熟レベルを図る「ロボットSI検定3級」を実施する予定だ。

 また、イノベーションの加速化に向けた、産学連携の推進だ。競争力をベースとしたグローバル市場での優位性の確保のもと、AIおよびソサエティ5.0を通じた潜在需要の顕在化を図るうえでも、イノベーションの加速化を通じた市場の獲得・拡大が急務となっているが、イノベーションの加速化を図るうえでも、引き続き日本ロボット学会はじめ関係学会、関係諸団体との連携を図っていく。

 さらに、国際標準化の推進、国際協力・協調の推進だ。国際標準については、欧米が市場獲得の手段として戦略的に取り組んでいるが、引き続きわが国においても官民あげての取組みが非常に重要となる。国際標準化活動に対してわが国はロボットのリーディングカントリーとして、引き続き積極的に取り組んでいくとともに、国際ロボット連盟の活動とも併せて、国際交流を積極的に推進していく。

 製造科学技術センターではロボット、ファクトリーオートメーション、ものづくりなどにおける製造科学技術の調査研究や標準化に取り組んでいる。また、ものづくり、事づくり、人づくりへと幅広く調査研究活動を積極的に行っている。

 まずロボット関連では、インフラ維持管理のロボット等の性能評価指標に基づき、その普及や改訂、福島ロボットテストフィールドを活用した、ロボット開発を目指した人材育成に関する事業も推進していく。

 ものづくりでは、人とロボットとの革新的な協力形態の実現により、複雑な産業機械製品の新たな生産手法の確立を図る調査研究を進める。標準化では、製品に関するデジタルデータの活用や製造ラインにおける省エネ・効率化のためのデジタル検証について取り組んでおり、その成果についてこれからのものづくりの基盤形成に着々と貢献しつつある。特に産業オートメーションシステム等に関する国際規格である、ISO TC184の国内審議団体として、スマートマニュファクチャリングシステムの推進にも取り組んでいる。わが国のものづくりの課題に応えるとともに、未来に向けた競争力の活力の創生に寄与するために活動を充実していく。

 わが国の電子産業においては政府が推進するコネクテッドインダストリーにおけるソサイエティ5.0の実現に不可欠な、IoTシステムの構築、ロボット、AIセンサーなどのキーデバイスとしてのMEMSの技術革新を目指した研究が活発化してきている。こうした状況のもと、マイクロマシンセンターでは、重要項目としてまず、MEMSのオープンイノベーションセンターであるマイクロナノ・オープンイノベーションセンター(MNOIC)のファンドリー事業について、関係業界からの強い期待が寄せられているため運営の拡充、強化に努めていく。

 また、業界として必要とされる研究シーズの検討を行い、医療やバイオ、エネルギー分野などを含め、幅広く将来の研究開発プロジェクトにつなげていく。

 さらに、国際標準化において国際電気標準会議(IEC)におけるMEMS分野の幹事団体として海外関係団体、企業との連携を強化することにより、MEMS分野の国際標準化に積極的に取り組んでいく。

 同センターは本年も、マイクロマシン・MEMS分野における産学官連携のセンターハブとなる活動を展開していく考えだ。

kat

日本工作機械工業会、2020年新年賀詞交歓会を開催

5年 4ヶ月 ago
日本工作機械工業会、2020年新年賀詞交歓会を開催 in admin 2020年01日14日(火) in in

 日本工作機械工業会は1月9日、東京都港区のホテルニューオータニで新年賀詞交歓会を開催した。

 会の冒頭、挨拶に立った飯村幸生会長(東芝機械 会長)は、「工作機械の競争軸は加工精度や剛性、Iot対応などの単なる機能性能から、工程集約や自動化、生産体制の構築、あるいは地域特性に合わせたカスタマイズなど生産設備全体のエンジニアリングの提案力にシフトしつつある。激しい変化の時期は競争環境が激化し、優勝劣敗の局面でもある。技術革新や競争軸の変化をビジネスチャンスとして世界市場でプレゼンスを向上することが求められている。当工業会は一昨年、1兆8000億円を超える空前の受注額を記録した。昨年は世界各地の景気後退と米中摩擦の長期化が設備投資の下押し圧力となり急な下り坂となった。2019年の受注総額は1兆2500億円を下回る見込みだ。本年については昨年同様、世界経済や社会を形作っている枠組みに対する国家間の齟齬が予見さる中、中国経済の動向、秋の大統領選に向けた米国の政治・経済状況、ブレグジットを控えた欧州情勢など、世界の政治・経済の行方が非常に見通しづらい状況にある。内需については、政府の経済対策による景気下支え効果や自動化・省力化投資の発現が見込まれる。外需に関しては、総じて軟調に推移するものと見ている。受注はしばらく一進一退の局面が続くと思われるが、内外の生産技術革新に向けた根強いニーズに支えられれて設備投資マインドは徐々に好転し、今年前半に受注の底を打ち、緩やかに反転すると期待している。以上を踏まえて、2020年の日工会の受注額を1兆2000億円と見通している」と今年の見通しを述べた。

挨拶する飯村会長

 また、来賓を代表して経済産業大臣政務官の宮本周司氏が挨拶。「我が国は自由貿易の旗手として、また自由で公正なルールづくりをしっかりと主導していく。その中にはデータ化やデジタル化といった我々がまず積極的に取り組まないとならないものがある。特にデジタル技術やデータを最大限に活用する新たなビジネスやサービスを生み出すことが求められている。また、デジタル市場のルール整備や5G時代の情報通信技術の確立、これまでの発想にとらわれない大胆な政策を講じて日本中でイノベーションの創出を強く後押ししていく覚悟だ。特に基幹産業である工作機械業界のさらなる発展には、デジタル技術やデータ活用が極めて重要だと考えている。AIやIotを活用した知能化技術、ロボットとの連動による自動化・省人化に加えて、製造工程全体の自動化、また工場に留まらない製造業全体の生産性向上を支えていただくことに大なる期待が寄せられていると拝察している」と述べた。

挨拶する宮本氏

 

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2019 国際ロボット展が開催

5年 4ヶ月 ago
2019 国際ロボット展が開催kat 2020年01日14日(火) in in

 日本ロボット工業会と日刊工業新聞社は、2019年12月18日~21日の4日間、東京都江東区の東京ビッグサイトで『ロボットがつなぐ人に優しい社会』をテーマに、「2019 国際ロボット展」を開催した。本展は、2年に1度開催される世界最大規模のロボットトレードショーとして、今回で23回目を迎えた。前回2017年を上回る、637社・団体、3060小間(前回612社・団体2775小間)の過去最大規模での開催となった。

会場のようす

 

 産業用ロボットメーカーによる大規模展示をはじめ、国内外からIoT、AI、関連技術など、ロボットに関わる製品・技術が一堂に揃い、最先端のロボットに触れられる4日間となった。

 ファナックは、AGVに搭載された14㎏可搬小型協働ロボット「CR-14iA/L」が、部品ストッカーと小型切削加工機「ロボドリル」間を移動し、ワークパレットを搬送、6軸多関節ロボット「LR MATE 200ID」による「ロボドリル」へのワーク着脱のデモンストレーションを実施した。また、パラレルリンクロボット「ゲンコツロボットDR-3iB/8L」に装着したソフトハンド「mGrip」によって食品など不定形の多品種ワークをやわらかく掴んで搬送するデモンストレーションを行った。

ファナック AGVに搭載された小型協働ロボットによる部品供給のデモンストレーション

 

 安川電機は新たなソリューションコンセプト「i3-Mechatronics」の最新提案としてデータ活用の進化によるスマートなモノづくりを「メインステージ」でデモしたほか、「人協調ロボットゾーンでは防滴・高可搬・食品仕様の人協働ロボットシリーズを展示した。「AIゾーン」では、AIとデジタル環境によるばら積みピッキングや研磨作業の自動良否判定ロボットシステムを紹介。「溶接・接合ゾーン」では高品質アーク溶接ロボットシステムやジグレス協調レーザ溶接、新型中空スポットロボットによる異常時の自動退避を、「塗装ゾーン」では最適な塗布姿勢で高い塗装品質を実現するロボットシステムや新型7軸ロボットによる高効率シーリングシステムを紹介した。また、「組立ゾーン」では高荷重対応力覚センサとねじ締めロボットによる組立システムを披露したほか、データマネジメントの事例紹介を行った。

安川電機 防滴・高可搬・食品仕様の人協働ロボットシリーズ

 

 川崎重工業は、工場内物流のモデルケースや物流拠点の自動化ソリューションを提案した。「人とロボットの新しい協働のあり方体験ゾーン」では、同社が推進・実現する「共存(同じ空間での作業)」「協調(異空間で同じ作業)」の両方を来場者は、遠隔協調ロボットシステム「Successor(サクセサー)」や人共存型双腕スカラロボット「duAro(デュアロ)」、教示レスを実現するOLP技術などを通じて体験。また、「更なる進化を続けるヒューマノイドロボット”Kaleido”ゾーン」では、災害対応型や電源内蔵型、油圧駆動型とさらなる進化を遂げた同ヒューマノイドロボットの各種のパフォーマンスが披露された。

川崎重工業 「人とロボットの新しい協働のあり方体験ゾーン」

 

 不二越は、『“CONNECTED SMART ROBOTICS”~次世代のものづくりの世界を、ヒトと繋がり、共に考えるロボットソリューションで提案する~』をコンセプトに、「MZ25」(25kg可搬)を加えラインナップを拡充した小型ロボット「MZシリーズ」をはじめとする幅広い商品・システムで、様々な自動化・合理化ソリューションを提案した。小型ロボットを活用した検査・組立などのアプリケーションや、ロボットの稼動状態を確認できるIoT技術、AIを用いたアプリケーションのほか、サーボハンドなどの多彩なハンドリング事例やマシンローディング等各種ロボットシステム、高密度スポット溶接セル、ロボットを使ったFSW接合システムやワンサイドスポット溶接、プラズマ照射、板金折り曲げなどのシステムを紹介した。

不二越「AI異品検知システム」

 

 イグスは、ロボット動作向けのケーブル保護管「トライフレックスR」を6軸ロボットに数分で組み付けるデモンストレーションを行った。また、ステッピングモータ、制御ユニット、ティーチングソフト付きで提供される4軸および5軸の低コストロボット「ロボリンクDP」を披露。関節部には薄型・軽量のロータリーテーブルベアリング「イグリデュールPRT」の歯付き外輪タイプを使用することで軽量、メンテナンスフリーを実現している。AGV(無人搬送車)に取り付けて物の受け渡しを行う用途などで、無潤滑で滑らかな動きを実現するとともに、軽量化によってAGVの省電力化にも貢献する。さらに、IoTにより計画保全を実現する「スマートプラスチック」を紹介した。ユーザーの知りたい最適な時期・間隔で製品の寿命・交換時期の情報がユーザーのデータシステムにクローズドで通知される。これによって、メンテナンス費用の低減や予期しない設備稼働停止の回避、長寿命化、稼働効率の向上、時間節約、異常原因の迅速な発見など生産性の向上に寄与するとともに、エネルギー消費量の節減などコスト削減や環境保全に貢献できる。

イグス「トライフレックスR」の6軸ロボットへの装着デモのようす

 

 木村洋行は、2020年1月から取扱いを開始するEWELLIX(エバリックス)社製の直動製品を紹介。装置の電動化によって省エネ化やメンテナンス性の向上に大きく貢献する。独自のピラー型アクチュエータはストローク量や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、低騒音で堅牢で高荷重に対応できるため、厳しい仕様条件のニーズにも対応できる。電圧は120V ACおよび24V DCに対応、最大定格荷重(押し/引き)はシリーズによって最大6000N、ストロークは700mm以上、動作速度も無負荷時で最速42mm/秒かつ最大負荷時で最速31mm/秒を実現。ブースでは、6軸ロボットにピラー型アクチュエータを組み合わせたシステムを用いて、段ボール箱のピック&プレース作業のデモンストレーションを行った。

木村洋行 ピラー型アクチュエータを用いた「LIFTKIT」をURに接続してのデモンストレーション

 

 ジェイテクトは、労働者人口の減少と高齢化という社会課題と電動パワーステアリングを中心とした同社が持つ人と機械が調和する技術を掛け合わせて立ち上げた新規事業のパワーアシストスーツを紹介。高出力モデル「J-PAS」と中出力モデル「J-PAS LUMBUS」の実機展示と試着による体験も実施した。人の感覚に調和した滑らかなアシストと、重量物を持ち上げることをサポートする高出力性能を示した。また、2020年度の販売開始を目指し開発を進めている、自立歩行支援を目的とした介護機器「J-Walker テクテック」を展示した。東京大学 中澤公孝教授のポールウォーキング理論を取り入れトレーニング機能を保有しており、自動車分野で培った安全技術を取り入れることで、利用者が安心して歩行できる機能を搭載。自立歩行が困難になってきた要介護者の歩行支援を促し、さらには自立度を向上できることをアピールした。

ジェイテクト「J-Walker テクテック」

 

 THKは、直動案内などの機械要素にセンサを後付けして破損・潤滑状態をモニタリングし収集したデータを解析・通知することで予兆検知を行うIoTサービス「OMNIedge」を披露した。12月18日から正式受注を開始。ボールねじの無償トライアルも募集している。また、同社の在庫品検索、短納期品の入手、選定・CADデータ・見積書取得とあらゆる工程をサポートするコミュニケーションプラットフォーム「Omni THK」を紹介した。そのほか、アクチュエータとユニットにより生産現場の工数削減をサポートする「ロボット走行軸用モジュール」や、最適なロボット可動システムを提供して労働力をサポートするシステムインテグレーション「NEXTAGE」、多種形状のワークに対応するハンドで製造ラインをサポートする「ならいハンド」、モノに合わせた多種多様なハンドで物流ピッキングをサポートするピッキングロボットハンドシステム「PRS」、段差や複雑な経路も走行可能なロボットが建設現場をサポートする自律移動制御システム「SIGNAS」、サービス向けロボットテクノロジーが様々なシーンをサポートする「SEED Solutions」などを紹介した。

THK「OMNIedge」

 

 ナノコート・ティーエスは、耐摩耗性・耐食性・摺動性・耐焼付き性・離型性などの特性を兼ね備えた先進の低温PVD(物理蒸着)プロセスによるダイヤモンドライクカーボン(DLC)など硬質薄膜「セルテスシリーズ」の受託コーティングについて、製品品質と生産性を飛躍的に向上させるほか、従来法では難しかったアルミ・銅などの低融点金属や樹脂・ゴムなどへのコーティングも可能なほか、1200×600mmサイズ板へのDLCコートも可能なことを示した。また、摩擦係数・摩耗量・摩耗形態、清浄度・帯電特性・仕事関数、膜質・膜厚・硬度・密着力、表面粗さ、離型性・凝着性・接触角といった表面特性受託試験サービスも行っていることをアピール。実際の使用と同じ材料、あるいは同質の材料同士を接触させることで、金型・インプリントなどの離型性やフィルム・薄膜などの密着性・はく離性といった表面力を定量化できる表面力測定試験を開始したことも紹介した。

ナノコート・ティーエス「離型力動体測定受託試験機」

 

 ニコンは、インテリジェントアクチュエータユニット「C3 eMotion」を紹介した。需要の高まる協働ロボットなどロボットの関節部は、モータ、減速機、駆動回路、ブレーキやエンコーダなど様々なパーツで構成され、製造する上で高度な技術とノウハウが必要だが、同品は同社が得意とするエンコーダをはじめ、それらパーツをパッケージ化したロボットの関節ユニット。採用された「ダブルエンコーダ構造」は、入力側であるモータ部と、出力側であるシャフト部の2ヵ所にエンコーダを使った独自の方式。ロボットの関節部はモータが回転し減速機などを介してシャフトに伝えられて駆動する仕組みになっており、一般的にエンコーダはモータ部のみに取り付けられるが、同品では減速されたシャフト側にもエンコーダを搭載することで、入力側と出力側の微細な回転差異を検出し外力を感知することができる。

ニコン「C3 eMotion」を協働ロボット関節部に組み込んでのデモンストレーション

 

 日本ベアリングは、直線運動案内機器とそれを使用したデモ機を多数展示し実際に製品の動きを示して機械設計や開発の提案を行った。小径で長さのあるニードルローラーを転動体として採用、ローラーの総数を増やすことで1個あたりのローラーが受ける荷重は小さくなり、各ローラーの弾性変形量が小さくなった結果として、剛性を1.5倍以上に高めたローラーガイド「EXRAIL(エクスレール)」を展示した。ローラーの数が増えたことで動摩擦力が比較的大きくなり素早く振動が収まることで、従来の1.5倍以上の高減衰性を実現。また、荷重を多数の小径ニードルローラーで受けるためガイド駆動時に発生するウェービングを1/2以下に減少させ、運動精度を高めている。また、ボールねじとスプラインの軌道溝を設けた軸と高剛性で高精度なボールねじナットとボールスプライン外筒で構成され、1軸で位置決めと直線運動、回転運動を行えるため、これら運動を組み合わせることでスカラ形ロボットなどに使用できるボールねじスプライン「SPBR-KP」を紹介。さらに、 スライドガイドと高剛性・高精度ボールねじを一体化したコンパクトな1軸アクチュエータ「BG形・BH形」を展示した。

日本ベアリング「EXRAIL」

 

 日本精工は、ダイレクトドライブモータ技術と直動製品技術を用いて、一軸上で回転と直動運転を実現する「ロッド型 昇降-回転運動アクチュエータ(Z-θアクチュエータ)」を参考出品した。立型工作機械や竪型射出成形機などに、このまま内包することで、コンパクトな搬送設備を簡単に設置でき面積生産性の向上に貢献する。ロボット関節部のベアリングとして、クロスローラーに比べ、小型・低トルク・高剛性を実現する「高剛性薄肉アンギュラ玉軸受」を紹介した。ロボットの小型・軽量化、高速化に貢献する。回転位置決めユニットの理想をカタチにしたもので、ロボットとの連携で、多彩な用途に対応できる「メガトルクモータ™」を展示した。減速機を有さないダイレクトドライブモータを採用した静粛性に優れた車輪ユニット「ダイレクトドライブ車輪ユニット」を参考出品した。バックドライバビリティもあり、人と接触した際にも押し返せるなど安全性も高い仕様で、図書館や病院など人々が行き交う場所で、静かで滑らかな駆動ができる、台車型自動移動ロボットの実現を容易にする。

日本精工「Z-θアクチュエータ」

 

 ハイウィンは、コンパクトながら自由度が高く敏捷な動きが特長で、幅広い用途に適した可搬重量5~20kgの垂直多関節ロボット「RA/RTシリーズ」を紹介、工作機械でのロボットによるロード・アンロード作業および自動フィーダーを含むシステムや、パレット搬送のデモを行った。自社開発部品を用い、敏捷で高精度、そして自由度の高い運動を実現するスカラロボット「RSシリーズ」を展示、エンドエフェクタ交換により高精度で迅速な組立作業に対応できることを示した。さらに、速度や把持力を調整できるインテリジェント機能を搭載したインテリジェント電動グリッパ「Xシリーズ」を紹介。コンパクトリニアモジュールにより、高速、高精度、高剛性、高効率なコンパクト設計で、協働ロボットにもすぐ使えるとしている。 

ハイウィン「RA/RTシリーズ」によるパレット搬送のデモンストレーション

 

 ミネベアミツミは、小型の6軸ロボットによる動展示を行った。従来のサーボモータでは難しい、ロボット全体軽量の軽量・小型化設計、低価格化を高分解能エンコーダ付きステッピングモータで提案。ロボットハンドには電動グリッパと小型6軸力覚センサを搭載。独自技術により、小型・軽量を追求した6軸力覚センサが一本一本のチャックにかかる力とモーメントをセンシング、フィードバックをすることでロボットへ触覚、力感覚を与える。小さな部品を掴み、所定のところへ納める動作で繊細な力を確実に制御する様子がリアルタイムに確認された。また、ルネサスエレクトロニクスと共同で開発したレゾルバ付きステッピングモータおよび「レゾルバモータ制御ソリューション」の紹介も行った。光学式のエンコーダでは難しかった、熱や埃、振動など厳しい環境でも高精度にモータ制御が可能で、高負荷でも止まらない「脱調レス」の優れた特長がある。展示品では、分解能20万P/Rの高分解能よる減速機なしで実現する非常に滑らかな駆動を披露、従来のオープン制御とレゾルバサーボ制御の違いを示した。

ミネベアミツミ「小型6軸力覚センサ」

 

kat

SEMICON Japan 2019が開催

5年 4ヶ月 ago
SEMICON Japan 2019が開催kat 2020年01日14日(火) in in

 SEMIは2019年12月11日~13日に東京都江東区の東京ビッグサイトで、エレクトロニクス製造サプライチェーンの国際展示会「SEMICON Japan 2019」を開催した。「次代のコアになる。」をテーマに、ICT、自動車、工場自動化、医療、家電など、あらゆる産業のキーデバイスである半導体関連技術のほか、半導体のアプリケーション展示もなされた。15ヵ国から695社・団体が1713小間の規模で出展、52865名が来場した。

開催のようす

 

 半導体製造装置においては「微細化の進展」と、微細化によらず集積度を向上できる「3D NANDフラッシュメモリーの高度化」が進展する中で、ベアリング・モーション機器関連では、半導体製造装置を高精度・高速に稼働させつつコンタミネーションの発生を抑え、また長期稼働の信頼性を支える各種の製品技術が紹介された。

 木村洋行は、2020年1月から取扱いを開始するEWELLIX(エバリックス)社製の直動製品を紹介した。高効率、高精度、高耐久性を兼ね備えたボールスクリューとさらに高荷重を受けられるローラースクリュー、クロスローラーガイドなど各種の高精密レールガイドをラインナップしているほか、アクチュエータも通常のシリンダ型に加えてピラー型など各種をラインナップ。特に装置の電動化によって省エネ化やメンテナンス性の向上に大きく貢献する。独自のピラー型アクチュエータはストローク量や荷重、速度、偏荷重など、アプリケーションごとの仕様条件に合わせた提案が可能で、低騒音で堅牢で高荷重に対応できるため、厳しい仕様条件のニーズにも対応できる。電圧は120V ACおよび24V DCに対応、最大定格荷重(押し/引き)はシリーズによって最大6000N、ストロークは700mm以上、動作速度も無負荷時で最速42mm/秒かつ最大負荷時で最速31mm/秒を実現する。

木村洋行 EWELLIX社製の直動製品群

 

 THKは、製造業向けIoTサービス「OMNIedge」(オムニエッジ)を披露した。第一弾としては直動案内機器(THK製品名「LMガイド」)の予兆検知から対応を開始しているが、第二弾としてはボールねじの予兆検知への対応を予定。来年夏の受注開始に向けて、試験導入を希望する50社を対象とした無償トライアルの募集を開始している。同社ではLMガイドやボールねじなどの機械要素部品にセンサを装着し、収集したデータを数値化、状態を可視化でき、LMガイドの破損や潤滑状態、ボールねじの予圧やガタの状態を検知できる「THK SENSING SYSTEM(TSS)」を開発。専用開発したセンサとアンプ、直動案内のトップシェアメーカーとして蓄積してきた膨大なデータベースを活用した、アルゴリズムを確立している。従来、現場の作業員の感覚で確認判断していたものを数値化することで、計画的なメンテナンスを可能とし、担当者の経験やスキルを問わず保全の効率化を実現するとともに、予備在庫の管理コストを削減できる。また、これまでの時間管理から状態管理に移行することで、交換時期を適正化して設備稼働率を高め、全体の生産効率を向上できる。さらに、すでに製造現場で稼働している設備にも装着できるよう、後付けが簡単にできる設計とした。

THK「OMNIedge」

 

 日本ベアリングは、精密研削加工された軌道台とスタッドローラーを内蔵したRリテーナー(樹脂製)で構成され高精度を必要とされる光学機器や計測器に最適な「NBスライドウェイNV形」を展示した。軌道台はスタッドローラーが滑らかに動くように最適設計が施され、またRリテーナーのスタッドローラーにより軌道台と転動体のスリップがなく、スライドウェイでは難しかった昇降やタクトの速い動作に適している。特にNV形はローラーと軌動面の接触長さを増やし、またローラーピッチを細かくしてローラー数を増やしたことで定格荷重を高めた高剛性タイプで、上下動で使ってもケージずれがない。ワークを運ぶピック&プレースユニットに同社のリニアガイドを、θ補正のθ軸ユニットに同社のボールスプラインを、XY補正のカムポジショニングステージに同上のスライドウェイをそれぞれ用いて、微小ワークの高速搬送を行うデモンストレーションなどを実施した。

日本ベアリング「NBスライドウェイNV形」

 

 ハイウィンは、金属間の接触がないため摩擦による誤差や摩耗がない超高精度位置決めステージ「DiAMOND」を紹介した。独自のカウンターバランスと誤差修正プログラムにより、ステージ本体の振動を抑制する。また、EtherCAT、MECHATROLINK-Ⅲ、Mega-UlinkおよびProfinetに対応する「E1ドライバ」が、モーション制御に必要な高速通信と大容量通信を実現し、最大16軸制御可能であるHIWIN製PLC(HIMCシリーズ)との組み合わせが可能とした。また、高速・省スペース、生産設備の生産性向上とダウンサイジングが可能な多関節ロボットがエンドエフェクタを交換することにより多種の自動生産ラインに適用できることや、速度と精度を両立した単軸リニアモーター位置決めステージ「SSAシリーズ」が最高速度5000mm/s、分解能0.1μm、繰返し精度±1μmを実現、上面にカバーを取り付けて安全性を確保し、側面部の加工によりハンドリング性能を向上できることをアピールした。

ハイウィン「DiAMOND」と多関節ロボットを用いたウェハー搬送・位置決めのデモンストレーション

 

 フェローテックブースでは、2020年1月1日付けで合併するフェローテックセラミックスとアドマップのそれぞれの保有技術である、ファインセラミックスおよびマシナブルセラミックス技術とCVD(化学蒸着)-SiC(炭化ケイ素)技術が紹介された。同ブースでは今回、小型旋盤によるマシナブルセラミックス「ホトベール」の快削性のデモンストレーションが行われたが、半導体製造プロセスでは、快削性に加えて機械的強度にも優れるマシナブルセラミックス「ホトベールⅡ」が、検査装置の部品(プローバーのガイド)に採用されている。穴径35μmの貫通孔を位置精度高く形成することが可能で、角穴形状の高精度加工技術も確立していることなどをアピール。CVD-SiC技術ではコーティング技術と膜単体製造技術があるが、前者では、等方性高純度黒鉛および各種焼結SiC基材に高純度で均質性に優れたコーティングを提供、後者ではコーティング技術を応用し、緻密なSiC膜のみで構成された製品を提供。平板をはじめ、複雑形状まで幅広く適応可能なことを紹介。コーティング技術のアプリケーションとしてはたとえば半導体製造装置用チューブ・ボートなどが、膜単体製造技術のアプリケーションとしてはSiCダミーウェハなどがある。

フェローテック 小型旋盤を用いた「ホトベール」の快削性のデモンストレーション

 

kat