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NSKとNTN、共同持株会社設立による経営統合で基本合意

2週 4日 ago
NSKとNTN、共同持株会社設立による経営統合で基本合意kat 2026年05日12日(火) in

 日本精工(NSK)とNTNは、共同株式移転(株式移転)の方法により2027年10月をめどに共同持株会社を設立し、両社を共同持株会社の完全子会社とする方法により経営統合を行うことで基本的な合意に達し、5月12日付で、それぞれの取締役会において本経営統合に関する基本合意書を締結することを決議し、締結した。

 両社の経営統合に向けた基本合意に関して同日、東京都千代田区のパレスホテル東京で、市井明俊NSK社長と鵜飼英一NTN社長の両名による記者会見が開かれた。

市井明俊NSK社長(左)と鵜飼英一NTN社長(右)
各企業文化の化学反応によるシナジー発現の思いをこめて
市井社長がNTNカラーのネクタイを、鵜飼社長がNSKカラーのネクタイを着用

 

 冒頭、NSK市井社長が、1916年創業のNSK、1918年創業のNTNという100年以上の歴史を持つ軸受を中心とした日本発の企業として、切磋琢磨しながら成長してきた両社が経営統合を行う背景について、以下のように説明した。

・中国経済の成長鈍化、欧州製造業の不振、米国関税政策の影響等による市場回復の遅れや不確実性の増大といった状況下で、自動車・産業機械業界ともに成長が鈍化しており、既存市場の急激な拡大が見込めず、軸受業界内の競争激化や中国企業の台頭により、シェア減少や収益低下のリスクに直面している現状がある

・欧米では軸受業界内の合従連衡によりスウェーデンのSKF、ドイツのシェフラー、米国のティムケンの大手3社に集約されたが、欧米各社も足元の厳しい状況から事業分社化や大幅な構造改革など体質改善に注力している

・両社はそれぞれ、生産再編をはじめとした構造改革に取り組み持続的成長に向けた収益改善に注力しているものの、日本の軸受産業としての主体的な発展と、軸受産業および軸受ユーザーである国内製造業の国際競争力の維持のためには、上述の欧米市場で進んできたグローバルな再編と同様に、国内での業界再編が必須との認識で一致した

 NSK市井社長はこうした背景から、軸受や精密機器等の分野において世界的に事業を展開する日本発の企業として、統合により両社の力を結集して強靭で持続可能な事業基盤を構築し、事業の成長と価値創造を通じて産業および環境・社会に貢献すると同時に、将来にわたり国際競争力を維持・強化することを目的として、対等の精神に基づいた本経営統合の実現に向け、協議・検討を進めていくと報告。両社が、本経営統合により、①単なる規模の拡大ではなく、危機感に裏打ちされた長期的かつ利益ある成長を実現すること、②日本発の技術・品質・経営を確実に継承し、世界における日本の産業基盤の地位を確保すること、③「持続可能な社会」の実現に寄与することを目指していく、と説明した。

 続いて、NTN鵜飼社長が、両社が本経営統合の目的を早期に実現するために、以下の戦略に沿った具体的施策を検討し、継続的に企業価値を向上させていくことで合意したことを報告した。

・経営資源への投資と最適活用:グローバルに事業環境や技術が大きく変化する中、両社の経営資源への投資と最適活用によって、それぞれが取り組んできた経営の効率化やサプライチェーンの強靭化への取り組みを発展させ、より持続可能な事業基盤を構築していく

・ポートフォリオの変革:PLM(Product Lifecycle Management)や補修市場向けビジネスなど、両社が持つ高付加価値領域への取り組みを強化することで、既存事業のポートフォリオ変革を進化させ、長期的な価値創造を実現する

・文化の垣根を越えた技術・人材・知見の結集:両社が培ってきた技術、人材および知見を結集し、新製品開発やソリューション提供を含む新たな価値を創造するとともに、持続可能な社会に貢献していく

 NTN鵜飼社長はまた、経営統合によるシナジー発現に向けた施策として、①収益性改善:グローバル市場でのプレゼンス拡大とブランド力向上、②販売力強化:相互の顧客基盤・代理店網・製品ラインアップの活用、③コスト削減:生産集約、部品調達の最適化、営業・生産拠点の相互活用、④投資・R&Dの増強:技術共用による重複投資のR&D費用・技術人材の効率運用、⑤新規事業への取り組みの推進:ロボット・医療・ドローン・宇宙など成長分野への効率的なリソースの投下を挙げた。

 また、これら施策を進めることによる想定シナジーとして、①PLMと補修ビジネスの拡大:品揃え拡大、代理店網の拡充、在庫補完での販売機会の捕捉、知見共用によるPLM展開の強化、②高付加価値領域の拡大:高付加価値技術・製品の強化、精密・特殊環境・次世代分野(宇宙、eVTOL(空飛ぶクルマ)への注力、③新事業創出:ロボット事業等での新商品開発、ブレーキ用ボールねじ事業の多用途への展開、④生産・調達の強靭化:生産体制の最適化による生産性向上、最適ソースからの調達や物流の効率化によるコスト競争力の向上を掲げ、これらによって事業基盤の強靭化、既存事業のポートフォリオ変革、新領域における価値創造の実現につなげていきたい、とした。

 NSK市井社長は、「中国企業をはじめとする新興企業の国際競争力が急激にレベルアップする中で、残念ながら日本企業の国際競争力はスピードに欠けるという課題がある。これに対し、両社の経営資源を活用することで日本の軸受産業の国際競争力を高め、それによって日本の産業界の国際競争力の向上にスピーディーに寄与できるものと考えている」と語った。

 NTN鵜飼社長はまた、「両社は長寿命軸受の開発と並行して、軸受の状態監視による予兆保全という、機械設備を止めないことによるサステナブルなソリューションを保有している。こうしたソリューションでサステナブル社会に寄与していくことも、経営統合によるシナジー効果の一つと見ている」と述べた。

kat

ジェイテクト、eAxle向け超高速回転深溝ボールベアリングを開発

2週 4日 ago
ジェイテクト、eAxle向け超高速回転深溝ボールベアリングを開発kat 2026年05日12日(火) in in

 ジェイテクトは、電気自動車に搭載されるeAxle向け超高速回転深溝ボールベアリングを開発し、本年6月より量産を開始する。樹脂保持器の形状と材料を最適化することで、自動車駆動モーター用の深溝ボールベアリングでは世界最高となる40000r/minに対応する超高速回転を実現。これにより、eAxleの小型・軽量化に貢献し、航続距離延長や車載空間拡大といった電気自動車への付加価値創出に寄与する。

eAxle向け超高速回転深溝ボールベアリング

 

 電気自動車の普及拡大に向けて航続距離の延長や車内空間の拡大といったニーズが高まっている。これらの要求を満たすためには、車両に搭載される各部品の小型化・軽量化が不可欠で、特にモーターを小型化すると出力低下が懸念されるため、モーターの回転数を高めることで出力を補う高速回転化が重要となる。しかし、従来のベアリングを高速回転で使用すると、遠心力の影響で樹脂保持器と外輪の干渉による摩耗や、焼付きが生じるという課題があった。

 ジェイテクトはこうした課題に対し、樹脂保持器の設計と材料を最適化することで、最高40000r/minに対応するeAxle向け超高速回転深溝ボールベアリングを開発。これにより、eAxleの小型化・軽量化が可能となり、電費の改善、航続距離の延長に寄与する。また、車載空間の拡大やバッテリー搭載性の向上といった車両設計上の利点も期待できる。

 特長は以下のとおり。

・遠心力の影響を低減する軽量化設計:保持器形状の最適化により回転時に発生する遠心力を抑制。遠心力による保持器の変形量を従来品比約70%低減

・高温時の剛性を維持する樹脂材料を採用:高温環境下でも必要な剛性を確保する樹脂を採用したことで摩耗や変形を防止。40000r/minの高速回転条件下でも保持器と外輪の干渉や焼き付きなし

開発期間の飛躍的な短縮と製品品質を向上させる独自のモデルベース開発手法の活用:2024年11月25日発表(https://www.jtekt.co.jp/news/2024/004206.html)のモデルベース開発を基盤とする設計基幹システムと、ジェイテクトグループの磁気軸受を用いた高性能評価試験手法を適用。デジタル設計とeAxleの要求仕様に相当する超高速回転評価の融合により、シミュレーションと実機試験の整合性を高め、信頼性の高い製品化を実現

 ジェイテクトでは、本開発品は深溝ボールベアリングが用いられている幅広い用途に適用可能で、今後の電気自動車普及への貢献だけでなく、幅広い産業に貢献していく、としている。

kat