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ジェイテクトサーモシステム、半導体・オブ・ザ・イヤー2022 製造装置部門 優秀賞を受賞

2年 4ヶ月 ago
ジェイテクトサーモシステム、半導体・オブ・ザ・イヤー2022 製造装置部門 優秀賞を受賞

 ジェイテクトサーモシステム(https://www.jtekt-thermos.co.jp/)は、産業タイムズ社主催の第28回半導体・オブ・ザ・イヤー2022において、製造装置部門で「SiCパワー半導体用ランプアニール装置」が評価され優秀賞を受賞した。

 今回同社が受賞した製造装置部門の優秀賞は、最新のエレクトロニクス製品の開発において最も貢献した製品を称える賞。対象製品は2021年4月~2022年3月までに新製品(バージョンアップ等含む)として発表された製品・技術で、①半導体デバイス、②半導体製造装置、③半導体用電子材料の3部門から選出される。

 受賞したSiCパワー半導体用ランプアニール装置は、パワー半導体製造用として開発されたランプアニール装置。従来機種では国内シェア70%を有し、主にオーミックコンタクトアニール処理などに用いられている。今回開発したRLA-4100シリーズは、チャンバーおよび搬送部に真空ロードロックを採用、金属膜の酸化を抑制し製品特性を向上しながら処理時間を33%短縮した(従来機比)。

SiCパワー半導体用ランプアニール装置「RLA-4100シリーズ」

 

 同社では、今後飛躍的に成長が見込まれるSiCパワー半導体用の熱処理装置に対して、本ランプアニール装置に加え、SiCパワー半導体の熱処理に欠かせない活性化炉、酸窒化炉についてもさらなる製品強化を行っていく。
 

kat 2022年7月11日 (月曜日)
kat

ジェイテクトファインテック、低歪熱処理技術を確立

2年 4ヶ月 ago
ジェイテクトファインテック、低歪熱処理技術を確立

 4月1日にジェイテクトグループ企業3社(宇都宮機器、日本ニードルローラー製造、トキオ精工)が合併した新会社であるジェイテクトファインテック(https://www.jtekt-ft.co.jp/)は、従来からの熱処理技術をもとに、熱処理の精度を高める低歪熱処理技術を確立した。

 薄板(鋼板)を加工した製品は、強度を高めるために熱処理を施す場合がある。熱処理では850℃前後で焼入れした後に急冷する際に均一に冷却ができないことより膨張量と収縮量に差が生じ、熱処理歪(そり、うねり)として焼入れ後の寸法精度に影響を与える。

 ジェイテクトファインテックは今回、その熱処理歪を抑制し膨張量と収縮量の差を最小限にした低歪熱処理技術を確立したもの。

 低歪熱処理技術には、熱処理炉の仕様と不可欠な要素技術の双方を成立させることが重要となる。

 新しい熱処理炉の主な仕様・要求特性としては、①高い生産性の確保、②多品種小ロット生産への対応、③薄板(板厚1mm前後)への対応、④高い省エネ性(変成炉不要)、⑤多様な熱処理への対応があり、これらへの対応とこれまでに培った低歪熱処理技術を基盤に、「3室ストレートスルー焼入れ炉」を採用した。

 また、不可欠な要素技術として、①加熱温度と時間、②焼入れのタイミング、③加熱中の炉内雰囲気、④適正な荷姿、⑤焼入れ油の性状・特性という五つの要素技術開発を行い、あらに新たな知見を加味するとともに、各協力メーカーとの技術開発によって、低歪熱処理技術を確立した。

 

 今回の取組みの効果は以下のとおり。
 
・既存熱処理炉と比較して熱処理後の歪量を約1/10に抑制し真円度を向上することで、後工程の旋削や研削を省くことが可能更に新熱処理炉は熱処理で生じるスラッジの発生が無く洗浄工程を省くことも可能

熱処理後の歪量が従来比1/10

 

・既存熱処理炉では変成ガスを排出する変成炉を使用していたが、今回の低歪熱処理技術では変成炉が不要となりCO2排出量を約70%削減でき環境負荷物質の低減に貢献

既存炉の比較


 

kat 2022年7月11日 (月曜日)
kat

ジェイテクト、特殊環境用軸受が素粒子ミュオンの生成に貢献

2年 4ヶ月 ago
ジェイテクト、特殊環境用軸受が素粒子ミュオンの生成に貢献kat 2022年07日11日(月) in

 ジェイテクトの特殊環境用軸受「EXSEV®-WS」が、大強度陽子加速器施設(J-PARC)において、高エネルギー加速器研究機構(KEK)物質構造科学研究所が開発するミュオン回転標的に採用された。同社の高耐熱・高耐久性を誇る特殊環境用軸受の性能が、J-PARCが取り組む安定的なミュオン生成に貢献している。

EXSEV-WS

 

 ミュオンとは、電子と同じような性質を持ちながら約200倍の質量を持つ素粒子。1936年に宇宙線の中で発見された。ミュオンは透過性の高さからこれまでに火山やピラミッド、原子炉などの透視に成功するなど、ミュオン透視技術は大きな注目を集めている。

 J-PARCにおいては、加速した陽子ビーム(原子を構成する粒子のうち正の電荷をもつ陽子が細い流れのように並進したもの)を黒鉛製のミュオン回転標的に照射することで、世界最高の質と強度を誇るミュオンを生成し、物質の構造を解明する物質生命科学や物質の根源を探求する基礎物理学に関わる研究に活用されている。

 ミュオン回転標的におけるミュオンの生成は高温・真空・高放射線場という過酷な環境下で行われるため、これまでの先行研究ではミュオン回転標的に使用される軸受が1年以内に破損するという問題があった。そこで、J-PARCでは2014年、ミュオン回転標的にジェイテクトの特殊環境用軸受EXSEV®-WSを採用。現在に至るまで長期にわたって、ミュオン回転標的の安定的な稼働に貢献している。

 この結果を受け、J-PARCと国際共同研究を行っているスイスのポールシェラー研究所(PSI)でもEXSEV®-WSを採用、2021年12月には1年間の安定的なミュオン回転標的の連続運転を達成した。

 EXSEV®-WSは、耐荷重性に優れており、高温・真空環境下にも適した軸受で、保持器を用いず、二硫化タングステン系自己潤滑複合材のセパレータによって玉を等間隔に保持。セパレータに含有された二硫化タングステンは耐熱350℃と耐熱性が高く、優れた潤滑寿命を有している。

<特殊環境用軸受EXSEV®-WSのスペック>
・潤滑剤に二硫化タングステン系固体潤滑剤を採用することで耐熱性・耐荷重性が要求される真空環境に適応

・圧力:105Pa(大気圧)~10-5Pa(高真空)

・温度:-100℃~350℃

・ミュオン回転標的に採用されたEXSEV®-WSの寸法
 d(内径):17mm、D(外径):40mm、B(幅):12mm

J-PARCのミュオン生成エリア:保守エリアの床面(橙色)から2.4 m低いビームラインにミュオン回転標的は設置される。左下から右上に向かう陽子ビームの経路上に設置されたミュオン回転標的でミュオンが生成され、四方向(写真撮影時は三方向のみ)の紫色の電磁石で実験室に取り出される

 

J-PARCのミュオン回転標的:陽子ビームによって黒鉛標的上に発生する熱や損傷を回転で分散させている

 

kat