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NTN、高剛性と業界最高水準の高速回転性能を両立した主軸用軸受を開発、工作機械の省エネルギー化に貢献
NTNは、新世代軸受シリーズ「ULTAGE(アルテージ)」の新商品として、「高速・重切削対応 円筒ころ軸受」を開発した。
本開発品は、省エネルギー化に有効なグリース潤滑環境下で、従来品比25倍以上の長寿命を実現するとともに、高剛性と業界最高水準の高速回転性能を両立。これにより、工作機械主軸のグリース潤滑への移行を後押しし、保守負担の軽減や設備稼働率の向上、さらには、製造現場のカーボンニュートラル推進にも貢献する。
近年、工作機械業界では、生産性向上に向けた加工の高速化に加え、高精度加工や重切削への対応が求められている。特に、1台でさまざまな加工を行う複合加工機の普及により、主軸用軸受には高速回転性能と高剛性の両立が求 められている。
また、製造現場ではカーボンニュートラル実現に向けた省エネルギー化や保守負担軽減へのニーズが高まっているため、工作機械主軸用軸受においては、従来のエアオイル潤滑に代わり、消費エネルギーの削減につながるグリース潤滑へ転換が求められている。
一方で、高速回転環境においてグリース潤滑で十分な寿命を確保することが課題となっていた。
こうした背景を踏まえ、NTNは、グリース潤滑環境において高剛性と高速回転性能を両立するとともに、大幅な長寿命化を実現した高速・重切削対応の円筒ころ軸受を開発したもの。
高速・重切削対応 円筒ころ軸受
高速・重切削対応 円筒ころ軸受
本開発品は、グリース潤滑環境下で従来品比25倍以上の長寿命を実現した。さらに、従来品比30%向上となるdmn値115万の業界最高水準の高速回転性能を達成するとともに、重切削に求められる高剛性を確保している。
この長寿命化と、高速回転性能と高剛性の両立を実現するため、保持器の材質や形状を見直した。
一般に、高速回転性能と高剛性は両立が難しい課題だが、新開発の樹脂保持器を採用することで、重切削に求められる高剛性を持つ大径ころを使用しながら、業界最高水準の高速回転性能を実現している。また、保持器を非対称形状にしたことによって最適なグリース配置となり、潤滑油成分を軸受内部へ効率的に供給し、大幅な長寿命化を実現した。加えて、本開発品はエアオイル潤滑にも対応しており、保持器の形状を工夫することで、潤滑油の給油性を向上している。
NTN、センシング機能付き軸受の商品化を加速
NTNは、軸受そのものが設備状態を伝えるセンシング機能付き軸受「しゃべる軸受®」について、商品化に向けた検証を進めている。「しゃべる軸受®」は、軸受内部にセンサーや無線通信機能を搭載し、既存設備の状態をリアルタイムで把握できる。同社では、製造業やプラント、インフラ設備の維持管理を行う事業者での評価を通じて有効性や運用性が確認しており、早期の商品化を目指す。
近年、製造現場では人材不足や熟練技術者の減少が課題となっており、設備の安定稼働や保全業務の効率化へのニーズが高まっている。そのため、設備の異常を早期に検知し、故障を未然に防ぐ状態監視技術が注目を集めている。NTNはこれまで培ってきた設備診断や予知保全技術の適用拡大を目指し、既存軸受と交換するだけで高度な状態監視を可能にする「しゃべる軸受®」の開発を進めている。
しゃべる軸受®は、軸受内部に振動・温度・回転速度センサー、発電機、無線通信デバイスを組み込んだセンシング機能付き軸受。標準軸受と同等サイズで、電源や通信のための配線も不要なため、既存設備の設計変更や大掛かりな改造を行うことなく導入できる。軸受や設備の振動、軸受内部の温度をリアルタイムに取得し、設備の異常の兆候を早期に把握することで、設備停止リスクの低減や保全業務の効率化・省人化に貢献する。
NTNでは、2022年の開発発表以降、ユーザーからの評価やご意見をもとに改良を重ねてきた。
小型サイズを含む対応軸受サイズの拡大に加え、耐熱性能の向上、通信機能の改善、製造現場に設置しやすいデータ収集デバイスの開発や複数設備の同時監視・遠隔監視への対応など、取得データの可視化・活用機能を強化し、実際の設備運用を見据えた機能向上を進めている。
これまでのテストマーケティングでは、モーターやポンプ、ファン、ギヤボックスなどを対象に評価を実施しており、ユーザーからは「既存設備に容易に適用できる」「状態監視データを手軽に取得・活用できる」といった評価を得ている。また、一部の評価先では、設備のオーバーホール周期を従来の2倍以上に延長し、年間の保全費用を半分以下に削減できた事例も確認している。今後はさらに多様な設備や使用環境で評価を進め、実用化に向けた検証を進めていく
NTN、近隣サプライヤーと連携した地域連携型オンサイトPPAを導入
NTNは、岡山製作所(岡山県備前市)における再生可能エネルギーの利用拡大の取り組みとして、Daigasエナジーおよび近隣サプライヤーであるコーワンと連携し、地域連携型オンサイトPPA※を導入する。
本取り組みでは、近接するコーワンの建屋に設置した太陽光発電設備で発電した電力を岡山製作所へ供給する。工場建屋への設置が難しいという課題に対し、近接する企業の未利用スペースを活用して再生可能エネルギーを導入するもので、年間約143万kWhの再生可能エネルギーを創出し、年間約622tのCO₂排出量削減を見込む。2026年10月に工事に着工し、2027年4月の発電開始を予定している。
NTNグループは、2050年カーボンニュートラルの実現に向け、省エネルギー活動や再生可能エネルギーの導入・活用を推進している。
近年、企業の脱炭素化の取り組みが進む一方、拠点によっては建屋の構造や築年数などの制約から、太陽光発電設備を自社敷地内に設置できないケースも少なくない。岡山製作所においても既存建屋への設置が困難であったことから、近隣に立地するコーワンの物流センター屋根を活用することとした。
本取り組みでは、Daigasエナジーが太陽光発電設備の設置・運営を担い、コーワンが設置場所を提供し、NTNが発電した電力を利用する。工場単独では難しい再生可能エネルギーの導入を、地域企業との連携によって実現する取り組みとなる。地域の既存資産を有効活用しながら、生産拠点における再生可能エネルギー利用の拡大と地域の脱炭素化を両立する。
NTN岡山製作所
THK、低発熱・高精度ボールねじの受注を開始
THKは、低発熱・高精度ボールねじ(形番:BPFP)の受注を開始する。低発熱・高精度ボールねじは、工作機械に求められる低トルク、低発熱、移動方向反転時の安定した動き、高い軸方向剛性を一つの製品で実現した精密ボールねじで、独自の摩擦力低減技術により、摩擦トルクを既存製品比で50%以上低減した。
BPFP形摩擦トルクの安定化により、モータ負荷と消費電力を抑えるとともに、発熱に伴うねじ軸の伸びや位置ずれ、周辺装置への熱の影響を低減するほか、象限突起(工作機械で円加工を行った際に生じる突起状のわずかな誤差)などの移動方向反転時のトルク変化を抑制することにより、装置の動的運動精度と加工面品位の向上に貢献する。
外形寸法はISO寸法に準拠し、既存製品と同等の取付寸法および負荷能力を維持しているため、従来品からの置き換えが可能。計31形番(ねじ軸径φ16~φ50)のラインナップを取り揃え、機械の高精度な加工、省エネ、熱変位対策、制御・組立調整の負担低減など多様なニーズに対応する。
特長は以下のとおり。
1.摩擦トルクを50%以上低減:独自の摩擦力低減技術により、摩擦トルクを既存製品比で50%以上低減。装置駆動時のエネルギー消費削減に貢献
2.既存製品と比べて発熱を大幅に低減:摩擦トルクの低減により発熱量を大幅に抑え、周辺装置への熱の影響を低減
3.加工面品位の向上を実現:駆動時の摩擦トルク安定化により、装置の動的運動精度が改善し加工面品位向上を実現
4.用途に合わせたすきま(予圧)をラインナップ:G0すきま(普通予圧)に加え、軸方向剛性を高めるGMすきま(中予圧)をラインナップ。必要な剛性に合わせてすきまを選択可能
5.既存製品と同等の負荷能力:既存製品と同等の取付寸法および負荷能力を維持。従来品からの置き換えが可能
メカニカル・サーフェス・テック2026年10月号:特集「DLC・ドライコーティングの最新技術動向」10月26日発行!
表面改質&表面試験・評価技術の情報誌「メカニカル・サーフェス・テック」の2026年10月号:特集「DLC・ドライコーティングの最新技術動向」が当社より10月26日に発行される。
今回の特集では、DLCコーティング超硬合金の銅加工におけるトライボロジー特性、新産業に対応するドライコーティング技術、熱CVDの高アスペクト形状への適用、硬質PVD薄膜の特性と耐凝着性、薄膜・多層膜の高精度評価を取り上げ、コーティング技術の高度化と適用拡大に向けた最新動向を紹介する。
特集:DLC・ドライコーティングの最新技術動向◇DLCコーティング超硬合金の銅加工におけるトライボロジー特性・・・ナノコート・ティーエス 熊谷 泰、坂下 武雄、今井 健雄
◇新産業の表面課題に応えるドライコーティング技術・・・東研サーモテック 髙橋 顕 氏に聞く
◇熱CVDコーティング技術と高アスペクト形状への適用・・・中日本炉工業 田中 隆太郎
◇硬質PVD薄膜の特徴とトライボロジー特性・・・ウメトク 後 裕介、南馬祐二、荻巣高志
◇自動車の薄膜・多層膜の高精度評価を支えるPERET研磨技術・・・パルメソ 松原 亨
クローズアップ「植物表面を改質するLEDライト技術と計測評価技術」植物生育の光環境をつくる植物育成ライトと分光放射照度計による光環境の定量評価・・・トライテラス 石栗 宏一郎 氏、高良 未来 氏、コニカミノルタジャパン 西本 昌弘 氏に聞く
連載トップインタビュー・・・日本パーカライジング 青山 雅之 氏、中山 隆臣 氏に聞く
酒飲み世界紀行:第17回 白酒と黄酒編:乾杯それとも干杯?・・・横浜国立大学 梅澤 修
トピックスJASIS2026開催、表面試験・評価・分析機器などが展示
サーモテック2026とFoundry Tech+Expo2026が開催
雑誌ご購入 admin 2026年10月23日 (金曜日)