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日本アイ・ティ・エフ、量産性を高めたPVDコーティング装置を開発
日本アイ・ティ・エフ( https://nippon-itf.co.jp/ )は、大型の金型や多数の小型部品を大量に搭載できるなど量産性を高めたアーク式イオンプレーティング法のコーティング装置「iDS-720」を開発、iDSシリーズとして販売を開始した。同社では、2021年度以降にiDSシリーズで10億円/年の売上を目指す。
iDS720同社では2010年以降、膜の平滑性向上やサイクルタイムの短縮、材料コストの低減といったコーティング装置の高性能化を図り、2014年に真空中でアーク放電を利用して硬質薄膜を成膜する新型アークイオンプレーティング装置「iDS-500」を発売した。その後2017年にシリーズの最大モデルとなる「iDS-1000」、2018年に最小モデルとなる「iDS-mini」を開発した。
今回、ラインアップ化の最後のモデルである「iDS-720」を開発し、iDSシリーズの主要装備であるステアワン蒸発源や、高排気速度真空ポンプを備え、コーティングゾーンを直径720mm×高さ800mmとした。約700kgの基材搭載が可能であり、大型の金型や多数の小型部品を大量に搭載できるなど量産性を高めた。金型や機械部品(自動車生産用のプレス金型や、エアコンのコンプレッサー部品、製造設備などの各種回転軸)市場へ展開を図っていく。
高性能化のポイントは、金属材料を蒸発させる部分であるアーク蒸発源にあるという。コーティングを行う際、アーク放電によって金属材料が溶けすぎて、ドロプレットと呼ばれる粗大な粒子が飛び出し、膜が粗くなる現象が起きる。同社は独自構造(ステアワン蒸発源)である、永久磁石をモーターで回転させ、アーク放電が起こるスポットを絶えず動かすことで、金属材料の溶けすぎを防止した。これにより、平滑な硬質薄膜の成膜を実現した。
また、円板形状である金属材料を大口径化(直径 φ160mm)したことで、材料コストを従来装置に比べて2~5割低減した。さらに、アーク方式だけでなくスパッタ方式の蒸発源も搭載できる構造にした。このほか、高出力のヒーターや、排気速度の高い真空ポンプなどの使用により、サイクルタイムが従来装置よりも約4割短縮できた。
admin 2020年9月7日 (月曜日)東洋アルミニウム、大阪大学に半導体共同研究講座を開設
東洋アルミニウム( https://www.toyal.co.jp/ )は、大阪大学大学院工学研究科に「東洋アルミニウム半導体共同研究講座」を2020年9月1日に開設した。
同共同研究講座では、大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻・結晶成長工学領域 (藤原研究室)の結晶成長技術および評価技術とともにAl合金プロセスを発展させ、量産性のある技術によって低コストでシリコン基板上にSiGeおよびSiSn層を形成する技術開発を行う。
この技術により、SiGe/Siウェハのコストを大幅に低コスト化することができ、今後の太陽光発電および半導体アプリケーションへの展開を目指す。
また、大阪大学の産学連携の枠組みを通じて、相互の研究者の人財交流を図り、研究開発ネットワークを構築するとともに、半導体分野における学術の発展、技術課題の解決、および創造力豊かな人財育成への貢献を目指す。同社からはシニアスペシャリストのダムリン マルワン氏が特任教授(常勤)として大阪大学に出向する。
admin 2020年9月7日 (月曜日)東朋テクノロジー、余命予兆診断システムの取扱いを開始
東朋テクノロジーは、振動解析によって設備・機器の状態を監視し設備の残存寿命を約1ヵ月前から検知できる余命予兆診断システム「Foresight」の取扱いを開始した。
同システムは、設備の状態を常時監視することで、設備の状態変化から故障に繋がる異常を早期に検知、FFT解析だけでなく時間同期・エネルギー解析など複数の手法を組み込んだ総合的なデータ解析と、機械学習より省データかつ高精度で予測を可能にする推計学に基づくアルゴリズムによって、危険率が閾値を越えるまでの残存寿命(RUL)を通知する。
コンベア、攪拌機、ポンプ、船舶用原動機、工作機械など、ギヤ・シャフト・ベアリングから構成される回転機構を診断できる。
定期的な点検・部品交換では、点検前に設備が故障したり、逆に過剰な部品交換、計画停止を伴うメンテナンスを行ってしまう場合もあるが、同システムでは継続的な遠隔監視により設備状態に合わせた保全を可能にし、ダウンタイムの最小化や点検・部品交換タイミングの最適化による保全コストの削減を実現する。
AIを活用したシステムでは3ヵ月~1年程度の故障時のデータを含む膨大な稼働データを必要とする上、故障個所の特定が難しいのに対し、同システムでは1日程度の正常運転データの収集のみで診断を開始でき、ギヤ・シャフト・ベアリング単位の異常を検知・特定できる。
主な機器構成は、振動センサ、光学センサやRS485ケーブル、タコメータ/分岐ユニット、コンピュータユニットで、センサ・通信機器・解析アルゴリズムを含めトータルソリューションとして提供する。
Foresightでは複数の設備・機器を登録・管理することができる。登録された各機器は画面上でギヤ・シャフト・ベアリングごとの状態を直感的に一覧でき、詳細な傾向データを確認できる。機器自体の健康指標(HI)・残存寿命(RUL)は機械要素ごとの指標を統合し、シンプルに表示される。
Foresightでは、各健康指標(下図の青点)を平滑化し将来の状態と残存寿命を推定する(下図の紫・緑線)。回転数の変動を追従して解析ができるため、従来の技法と比較してより正確な診断が可能。
山口産業、振動可視化システムの取扱いを開始
山口産業は、米国RDI Technologies社製の振動可視化システム「Iris M™」の取扱いを開始した。
振動可視化システム Iris M
同品は世界で初めて振動を“見える化”したシステムで、ハイスピードカメラと特許技術を用いて、人の目では感知できない微振動を増幅させる。たとえば遠い場所や高い場所など、人間が入ることのできないエリアを非接触で測定することが可能なため、非常に安全に作業を行うことができる。
また、撮影範囲のあらゆる点をセンサーに変える機能によりカメラのフレーム内すべての振動を同時に測定できるため、的確なスクリーニングを可能にする。
サンプルレートはデフォルトで120fpsまたは100fps、解像度を下げた場合には最大1300fps。周波数範囲は、0~50Hz@100fps、0~60Hz@120fps、0~650Hz@1300fps。運動増幅率は1~50倍。
設備改造によってケーシングの振動が高くなったことから補強を計画していた押出機について、現状を把握するためIris M™での撮影を実施した事例では、撮影から増幅動画確認まで30分程度の作業で完了。従来の振動や変位の測定方法では、各センサー設置に多大な時間と費用が必要なのに対して、センサー準備や設備停止が不要なため現状把握を効率的に低コストで実施できた。また、増幅映像を見ただけでも捻れ振動がすぐに分かり補強計画に反映できたという。