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材料相場表/PDFで公開
三洋貿易、実践講座「トライボロジーの基礎」を開催、7月5日、7月26日の会場・オンライン参加を継続募集
三洋貿易は6月7日、東京理科大学 佐々木信也教授を講師に4回シリーズで開講される実践講座「トライボロジーの基礎」の第1回を開催した。
いずれも佐々木教授による座学と実演・実習が行われる。第1回目となる今回は「摩擦・摩耗のメカニズム」をテーマに、実学としてトライボロジーを見た場合の制御対象となる課題が①摩擦の制御、②摩耗の制御、③エミッションの制御に大別されることを解説。摩擦のメカニズムについては摩擦表面と真実接触、ストライベック線図、摩擦の潤滑形態について解説した。また、摩耗メカニズムについては①凝着摩耗、②アブレシブ摩耗、③腐食摩耗、④疲れ摩耗の四つにシンプルに分類することで対策が取りやすいとした。摩擦摩耗試験にいついては、その分類(カテゴリーⅠ~Ⅲ)、形態と関連工業標準、今後のDXのための要件としては質の良いデータを多くとることがあり、データの汎用性と信頼性、天のデータから面・空間へ、感性価値の定量化など求められるトライボロジー特性に関する評価・分析装置を使うことが重要、と総括した。
佐々木教授による座学のようす
座学に続いて、三洋貿易の取り扱い製品としてRtec-Instruments製を中心とした摩擦摩耗試験機の性能・特長について紹介、その後、Rtec-Instruments製多機能摩擦摩耗試験機「MFT-5000」を用いたボールオンディスク試験(回転と往復動)の実演・実習が行われた。
多機能摩擦摩耗試験機「MFT-5000」を用いた実習・実演のようす
次回は6月14日で座学は「摩擦材料とその評価方法」で、実演・実習は四球試験とスラストシリンダーオンディスク試験、7月5日の座学は潤滑剤とその評価方法で、実演・実習はリングオンブロック試験とトラクション試験、7月26日の座学は表面改質とその評価方法で、実演・実習はスクラッチ試験とインデンテーション試験、表面形状・粗さ計測。
三洋貿易では、7月5日と26日の実践講座について、会場参加についても若干の枠があるとして追加募集を行っている。会場参加が難しい場合は、オンラインでの視聴が可能。参加申し込みは、こちらまで。
ハイウィン、コンパクト・高トルク・高精度波動歯車減速機の新シリーズを発売開始
ハイウィンは本年6月、コンパクト・高トルク・高精度な波動歯車減速機「DATORKER🄬」の新シリーズを日本で発売した。6月19日から東京都江東区の東京ビッグサイトで開催される「機械要素技術展[東京]で初披露される。
同社では今回、波動歯車減速機DATORKER🄬に、新しい重負荷型の「DGC/DGHシリーズ」、耐モーメント型の「DSC-Mシリーズ」、軽量型の「DLCシリーズ」を新たに追加したほか、標準型も従来よりもサイズ展開が広がっている(11、40)。
「DATORKER」の新シリーズ
小型・軽量で組み立てが簡単で、各種産業用ロボットだけでなく、工作機械や半導体製造装置、歯科ミリングマシンなど幅広い精密機器に使用可能。厳しい負荷条件でも高い角度伝達特性を発揮し、産業用ロボットや工作機械などに最適。コンパクトなだけでなく、高性能で長寿命、ゼロバックラッシュで安定した高い位置決め精度と、幅広いラインナップが特徴となっている。
主な用途は、産業用ロボット、自動化設備、半導体装置(ウエハ研磨装置・ウエハ搬送ロボット)、工作機械(レーザー加工機)、歯科ミリングマシン、など。
HIWIN波動歯車減速機「DATORKER」の仕様概要
日本熱処理技術協会 中部支部、第3回熱処理技術コンテストの結果を発表
日本熱処理技術協会 中部支部は4月24日、愛知県刈谷市の愛知県技術開発交流センターでの対面参加とオンライン参加によるハイブリッド形式で、「第 14 回中部支部講演大会・第 3 回熱処理コンテスト―結果発表会―」を開催した。
会場のようす
熱処理コンテストは、中部支部が企画したイノベーション活動で、支給された試験片に対して課された要求特性を満たすために、各参加チームが知恵と工夫を凝らして熱処理を施し、優れた要求特性を発現した上位チームに賞を授与するもの。今回で3回目となる。
この企画は、鋼の熱処理技術を良い意味で楽しみながら、熱処理によって得られるさまざまな強度を比較、競争することで、①熱処理技術に関する学び、②失敗の共有によるイノベーション促進、③熱処理技術者の人材交流活性化につなげることを目的としている。
毎回、競技内容と規定が変更になるが、今回の課題は以下のとおり。
各1チームにつき、SS400生材の硬さ試験片を3個支給、それら試験片について、ロックウェル硬さ(HRC、試験荷重150kg、1点(上位5チームについては追加測定し3点平均)のビッカース硬さ換算値①と、ビッカース硬さ(HV、試験荷重300g、3点平均)で測定した硬さ②の値の合計が最も大きくなるよう熱処理等を実施し、試験片1個を事務局に提出。事務局にて硬さ試験を実施し、①のビッカース硬さ換算値と、②の値の合計で順位を競う。
ルールなどは以下のとおり。
・熱コンのロゴの刻印がある支給した試験片のみ使用可とする
・熱処理等は自由とする
・試験片の厚さの寸法変化が±0.1mmの範囲内であれば、ショットブラスト、表面硬化処理、コーティング、平面研磨も可とするが、全周面取りの状態を維持すること
・熱コンのロゴの刻印が処理後も判別できるようにすること
今回の第3回熱処理コンテストでは全31チームが参加、31チームの試験片は測定する表面の熱コンのロゴは全チーム残存、裏面の熱コンロゴも全チーム残存でチーム名の記載もあり、不合格者はなかった。
全31チームの試験片の硬さ試験を実施した結果、硬さの総合順位で優勝には3522HV(3117HV+41.2HRC)の硬さを実現したアイコクアルファの「楽ラク熱処理チーム」が、準優勝には3212HV(2434HV+63.1HRC)の硬さを実現したDOWAサーモテックとDOWAサーモエンジニアリングの「DOWAサーモテックチーム」が輝いた。また、硬さの総合順位では2145HV(1130HV+70HRC)と10位だったものの、ロックウェル硬さで1位、被膜・コーティングなしで1位、学生・企業合同チームで好成績を収めたという理由から、特別賞として鈴鹿工業高等専門学校とトヨタ自動車の「鈴鹿高専×トヨタ自動車チーム」が選ばれた。受賞チームの詳細は以下のとおり。
優勝:「楽ラク熱処理チーム」(アイコクアルファ)・硬さ:3522HV(3117HV+41.2HRC)
・処理方法:①950℃浸炭焼入れ(油冷)、②800℃浸炭窒化焼入れ(油冷)、③N+Sコーティング
・受賞コメント:「熱処理コンテストへの参加は今回で3回目となり、初めて優勝でき、うれしく思う。今回のコンテストでは「硬さ」を競うこととなり、表面強化の手段として浸炭焼入れなどの熱処理に加え、物理蒸着(PVD)コーティングも有効だろうと考えた。当社は冷間鍛造を強みとしてCVJ内輪やAT用サンギヤを一貫生産しており、金型や工具のコーティング処理で培った技術を生かすことができるのではないかと話し合いを行った。サンプル作成まで数パターンのPVD膜種を試す一方、PVD処理の温度設定により素材が軟化されてしまうことが分かったため、炭化物析出や窒素固溶等で素材の改善を狙い試行錯誤を重ねた結果、ビッカース硬さで勝負すると腹を決め、最終的には浸炭窒化後にPVD処理を施したサンプルを提出した。熱処理コンテストでは、量産で扱わない材料に触れ、さまざまな処理にチャレンジできる学びの機会であり、次回も優勝を目指し、強い意志をもって諦めずに技術を磨いていきたいと思う」。
準優勝:「DOWAサーモテックチーム」(DOWAサーモテック+DOWAサーモエンジニアリング)
・硬さ:3212HV(2434HV+63.1HRC)
・処理方法:①945~930℃浸炭焼入れ(130℃油冷)、②1000℃浸炭(炉冷)、③1085℃TD処理、④500℃ PVD処理、⑤820℃焼入れ(60℃油冷)
・受賞コメント:「TDプロセス・PVDコーティングといった表面処理は最低でも400℃程度まで温度を上げる必要があるが、この温度上昇による内部硬さの低下を避けるため、通常は表面処理前に行う焼入れを全表面処理後に実施し高いロックウェル硬さを実現。また、通常10μm程度の厚さを鋼材中の炭素量の調整で20μm程度まで厚くできたことで、300gのビッカース硬さ試験荷重でも硬質層の硬さのみが反映され高いビッカース硬さを実現できた。SS400は合金元素をほとんど含まないため焼入れによる硬化にはある一定以上の炭素が必要な一方、TDプロセスは鋼材中の炭素を消費し硬質層を成長させるため最終工程の焼入れ時の炭素量不足が懸念された。炭素量不足にも対応できる水焼入れを予定し実際に実施したところ激しい体積変化のため硬質層にクラックが発生、硬質層の硬さが低下する結果になった。これを受け、浸炭処理条件を変更しTDプロセス後でも十分な炭素が鋼材中に残存するよう調整、クラック発生を抑制できる油焼入れの採用を可能とし、両硬さの両立に成功した。一つ一つのプロセスは既存のものでも、それらの組み合わせでこれまでなかった物性を実現できるという、熱処理/表面処理の奥深さを実感できた。今後も未知の領域へのチャレンジを重ね、新たな領域を切り拓いていきたい」。
特別賞「鈴鹿高専×トヨタ自動車チーム」(鈴鹿工業高等専門学校+トヨタ自動車)
・処理方法:1300℃焼きなまし、②970℃真空浸炭焼入焼戻し(油冷)、③-195℃サブゼロ、④ショットピーニング(2段)
・受賞コメント:「我々が重視したのは‟学生・企業の両者が持つ強みを生かす”という点。学生側は専門教育による学術的知識、企業側は量産現場で培われた業務遂行能力と熱処理の知見といった両者の強みを理解し、対等な立場で議論することでお互いに新たな視点で考察することができた。また熱コンを‟各々が学んできた知識を生かす場”として捉え、愚直にトライ&エラーを積み重ねたことで、焼入硬さという結果だけでなく熱処理への理解を深めることにもつながった。教科書や量産現場では見たことのない題材にチーム一丸となって取り組んだことで、熱処理技術を教科書から学ぶだけの「知識」ではなく、実践することのできる「知恵」として身に付けられたと実感している。実際の活動では短期開発で、かつ離れた拠点間の協業というハードルに対して、日程・検証項目・TPの状態をスプレッドシートで一元管理し、抜け漏れや手戻り無く検証を進めることができた」。
kat 2024年6月18日 (火曜日)
エボニック、エコヴァディスのサステナビリティ調査で最高位「プラチナ」評価を再度獲得
エボニック インダストリーズは、 サステナビリティに対する取り組みにおいて、格付け機関であるエコヴァディス(EcoVadis)からプラチナ評価を獲得した。これにより、スペシャルティケミカルカンパニーであるエボニックは、過去12カ月間にエコヴァディスの調査対象となった企業の中で、上位1%に入る高い評価を受けることになった。同社のプラチナ評価獲得は、2021年、2022年に続いて3回目となる。
エボニックの最高人事責任者兼労務担当取締役・サステナビリティ担当執行役員のトーマス・ヴェッセル氏は、「エコヴァディスからプラチナ評価をいただけたということは、当社のサステナビリティ管理システムの質の高さが認められたということ。またバリューチェーン全体を通じて透明性を確保するという当社のコミットメントを証明するものでもある。我々は、ステークホルダーとともに、このテーマを継続的に推進している」と述べている。
この目標達成に向けて、エボニックは自社の生産とビジネスプロセスだけでなく、バリューチェーン全体、とりわけサプライチェーンと顧客にとっての製品のメリットや用途にも常に注意を払っている。
エコヴァディスのサステナビリティ評価では、「環境」、「労働と人権」、「倫理」、「持続可能な資材調達」の各分野における企業のサステナビリティ・パフォーマンスが評価の対象となる。また、公開情報をもとに評価が行われる。
エボニックは、化学業界のイニシアチブ"Together for Sustainability” (TfS:サステナビリティのための協力)の創設メンバーで、パートナー企業はサプライヤーに対し統一性のある監査と評価を実施し、さらにトレーニングを行うことで、グローバルサプライチェーンの透明性と持続可能性を高めたいと考えている。本イニシアチブのパートナーであるエコヴァディスは毎年、サステナビリティ評価を通じてTfSメンバー企業の評価を行っている。
イグス、最高110℃に耐える3Dプリント材質を開発
イグスは、最高110℃の耐高温性を有する3Dプリンター用粉末状材質「イグリデュールi230」を開発、提供を開始した。本材質により、3Dプリント部品の適用が難しい高温環境での使用可能性が広がっている。
110℃の環境でも使用可能な粉末状3Dプリント材質「イグリデュールi230」
少量生産品や試作部品を迅速にコスト効率よく製造するために、3Dプリントを利用する設計者が増えている。3Ⅾプリントの造形方法の中でも、粉末焼結積層造形(SLS)方式は強度が高く人気の方式である一方で、PA12のような標準的なSLS用材質は一般的に80℃を超える環境で使用すると寸法安定性が失われていた。
周辺温度が高い環境でも使用できる3Dプリント製品の需要の高まりを受け、イグスでは今回、熱に強い粉末状3Dプリント材質「イグリデュールi230」を開発したもの。i230は、最高110℃の環境で長期間使用が可能で、DIN EN ISO 75 HDT-AおよびHDT-Bに準拠した外部認定機関の試験によって耐熱性が証明されている。
i230は、耐熱性が高いだけでなく、耐摩耗性にも優れている。イグスの社内試験施設で実施した検証試験において、i230はPA12よりも約80%耐摩耗性が高いことが確認された。同時に、i230は室温での機械強度がPA12よりも約50%高く、曲げ試験では94MPaの圧力にも耐えるという結果を得ている。これにより、従来と同程度の部品強度を備えたより薄いすべり軸受などを実現でき、スペースと重量を減らすことが可能となる。
i230はさらに、静電気散逸性(火災の原因などにもなる静電気の放電から機器を保護する)、PTFE無配合(他のイグス製材質と同様)などの特徴を有している。
従来、3Ⅾプリント部品は耐久性や精度の制約から、産業分野においては評価試験や少量生産の用途に限られるとの理解が一般的だったが、イグスの3Dプリントサービスは以下の特徴により、最終製品としての部品製造が可能となっている。
① 高機能な素材
・摺動に特化したイグスの自社開発素材を使用
・標準的な3Dプリント用プラスチック(PLA/ABS)の最大50倍の耐摩耗性により高耐久を実現
・耐薬品性、FDA対応など、用途に合わせた特性を持つ素材を使用可能
② 高い精度
・射出成形、機械加工では難しい複雑な3D構造を加工可能
・2種類の素材をFDM(熱溶解積層法)で製作可能。複数部品で構成されていた箇所を、一つの部品に設計変更できる
③ 費用算出が簡単
・見積もりが不要、オンライン計算ツールで価格を提示(一部加工を除く)
・1個から必要な数だけ注文可能(最大10000個)
3Dプリントサービスは、オンライン上でCADデータをアップロードし、サイズや数量、表面処理などを選択するわずかなステップで注文が可能。
イグスのオンライン3Dプリントサービスについては以下で確認できる。
https://www.igus.co.jp/info/3d-print-3d-printing-service
オンライン3Dプリントサービスの利用については以下で確認できる。
https://iglidur-designer.igus.tools/model
イグス、AIが無潤滑樹脂部品を提案する日本語対応アプリをリリース
イグスは、機械や設備などの画像からAIが無潤滑化につながる樹脂部品を提案するアプリ「igusGO(イグスゴー)」の日本語対応バージョンをリリースした。AIの提案をもとに従来の金属部品を樹脂部品に置き換えることで、潤滑油が不要になり、環境負荷の低減やコストカットにつながる。
igusGO
igusGO は、2023年にドイツ本国でリリースされて以降、設計者のユーザーを中心に全世界で8000ダウンロードを突破している。
金属部品が使われる機械や設備では、部品同士の摩耗や故障を防ぐために、グリースなどの潤滑油が欠かせない一方で、年間約2220万t以上の潤滑油が水や土壌に流れ、潤滑油の環境への影響が懸念されている。
イグスは可動部におけるすべりの技術を強みに、樹脂部品(モーションプラスチック)を提供しているが、機械や設備で使われる金属部品をモーションプラスチックに置き換えることで、潤滑油が不要になり環境への負荷を下げることができる。また、定期的に潤滑油を差す作業や、潤滑不足による機械故障のダウンタイムがなくなるため、人件費やメンテナンスコストの軽減にもつながる。
2024年にドイツのアーヘン工科大学とイグスが発表した共同研究では、無潤滑のエンジニアリングプラスチック製すべり軸受に置き換えた場合に、年間で最大1400万ユーロ(約23億円)相当の潤滑油が不要になるという調査結果が出ているという。
今回日本語対応バージョンがリリースされたigusGOは、環境に優しく高品質・長寿命なモーションプラスチックの活用・置き換えを、ユーザーがタイムリーかつ手軽に検討できるように開発されたアプリ。日用品から家具、自動車、農工機械、包装機械まで、可動機構を持つ幅広い対象物をAIが認識し、ベアリングやリニアガイドなど、活用・置き換えの可能性があるイグスの無潤滑部品をユーザーに提案する。用途など数項目を選択するだけで、効率的に製品や採用事例を見つけることができ、そのままWebショップでの購入もしくは問い合わせが可能。
製品検索から、問い合わせ・購入までの流れは以下のとおり。
①アプリを用いて撮影し、用途を選択
②採用事例から製品情報を確認
③Webショップで購入、もしくはヘルプデスクへ問い合わせ
igusGO 製品検索から購入までの流れ