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日本ベアリング、プレファクトを子会社化

1年 1ヶ月 ago
日本ベアリング、プレファクトを子会社化kat 2024年07日25日(木) in

 日本ベアリングは、各種特注加工品の製作を手掛けるプレファクトの全株式を取得し、子会社化した。株式取得の目的は、スライドウェイ(クロスローラーガイド)の安定供給体制を強化するため。

 子会社化したのは山形県東根市に本社を置くプレファクト(2006年4月21日設立、従業員数30名(2024年4月30日現在))で、精密加工技術を売りに、各種特注加工品の製作実績を持つ。

 日本ベアリングでは注力製品の一つであるクロスローラーガイドの生産強化拠点とすることを目的に今回、精密加工技術や熱処理技術に強みを持つプレファクトを子会社化した。プレファクトの持つ技術を生かし、クロスローラーガイドの生産量の拡大や、難易度の高い特殊品への対応能力の強化を目指す。新会社はプレファクトの社名は継承するが、代表取締役会長として日本ベアリング社長の福永暢彦氏が入り、日本ベアリングとプレファクトの協力関係の強化を図る。

 新会社の経営体制は以下のとおり。

代表取締役会長:福永暢彦(日本ベアリング代表取締役社長)
執行役社長:白田良晴(プレファクト前社長)
取締役:渡邉和宏(日本ベアリング)
取締役:大平圭一(日本ベアリング)
監査役:佐藤壽展(日本ベアリング) 

kat

島貿易、粉体の摩擦特性/強度の試験装置の取り扱いを開始

1年 1ヶ月 ago
島貿易、粉体の摩擦特性/強度の試験装置の取り扱いを開始

 島貿易(https://www.shima-tra.co.jp/)はこのほど、ハイテクノライズ(マークテック子会社)の粉体摩擦試験装置「MKPF-S100型」(図1)と粉体強度試験装置「MKPS-A100型」(図2)の取り扱い(装置販売および、これら装置による受託試験)を開始した。ここでは、粉体試験装置2種の概要・特徴と、応用例などについて紹介する。
 
 

図1 粉体摩擦試験装置「MKPF-S100型」

 

図2 粉体強度試験装置「MKPS-A100型」

 

粉体試験装置の概要 粉体摩擦試験装置

 粉体摩擦試験装置MKPF-S100型(図3)は、粉体層の容積を一定に保ちながら行うJIS-Z8835(一面せん断試験による限界状態線(CSL) および壁面崩壊線(WYL)の測定方法)準拠の摩擦試験装置。サーボシリンダによって垂直方向に圧密して形成させた粉体層を垂直方向に加圧した状態で、リニアアクチュエータによって水平方向に横滑りさせたときに生じるせん断応力をロードセルによって高精度に測定する。粉体層の充填性/応力緩和評価や、平面と粉体の付着性・摩擦性評価、ロット間における物性評価などに利用できる。

 特長は以下のとおり。

・1mLのサンプル(試料粉体)でも測定可能

・測定部全体での加温が可能なためムラがなく正確

・一回の測定で、摩擦、付着、圧縮といった多くのパラメーターを取得できる

・底面を任意の基板に変更して測定可能

 図4にせん断応力の測定データ例を示すが、摩擦係数(図4表中のtanθ)が高いほど摩擦力が強く、粉体の流動性が悪いことを示す。また、図5に応力伝達率と応力緩和率の測定データ例を示すが、応力伝達率は壁面摩擦の程度を測定しており、摩擦力が大きいと応力伝達率は低くなる。一方、応力緩和率は粒子の付着特性を測定しており、数値が高いほど粉体の充填性が悪く、付着力が高いことを示す。
 

図3 粉体摩擦試験装置「MKPF-S100型」の機構

 

図4 せん断応力の測定データ例

 

図5 応力伝達率および応力緩和率の測定データ例

 

粉体強度試験装置

 粉体強度試験装置MKPS-A100型(図6)は、粒子を微小な針で加圧することによって粒子が潰れる際の極微小な力を測定できるJIS-Z8844(微小粒子の破壊強度および変形強度の測定方法)準拠の装置。ステージ(試料台)と、精密ばねで支持した接触針(平面圧子)との間に粒子を挟み、ステージを動かして粒子を押し込んでいった際の、粒子の圧壊力、圧壊に要する変形量などをレーザー変位計で検出、粒子の硬さを高精度で測定する。

 特長は以下のとおり。

・3μm以上の小さい粒子が測定可能

・1mN以下の圧壊力でも明確なピークが得られる(10nN~10N)

・温調ステージ(~150℃)で温度依存性を評価可能

 図7に粒子圧壊力の測定データ例を示すが、どの程度の力で粒子が破壊するかという、粒子の極微小な圧壊力を計測するほか、圧壊に要する変形量などのデータも取得できる。また、粒子の圧壊点がない場合でも、バネのみの変位値と粒子がある場合の変位値を算出して、粒子の変形量を測定できる。
 

図6 粉体強度試験装置「MKPS-A100型」の機構

 

図7 粒子圧壊力の測定データ例

 

粉体材料への応用例

 

粉体摩擦試験装置の応用例

 粉体摩擦試験装置MKPF-S100型は、材料均一性の評価、バインダー等の添加による材料特性の評価などに応用できる。リチウムイオン電池用電極は、電極活物質などを含む粉体を圧縮成形して製造されるが、粉体の流動性が電極の生産効率や性能に影響するため、流動性を判断する摩擦力(摩擦係数)の評価は重要となる。

 また、金属3Dプリンティング用の粉体材料においては、造形効率や造形品の品質に関わる、荷重がかかった条件での流動性の評価や、充填性/密度の均一化を目的とした付着力の評価などに応用できる。

粉体強度試験装置の応用例

 電池材料の電極のロールプレス等の工程において、活物質の硬さの不足によって割れが発生してしまうと、電池容量の低下/材料劣化につながる。粉体強度試験装置MKPS-A100型は電池活物質(正/負)の硬さ評価に応用できる。

 全固体電池材料ではまた、積層された正極、固体電解質、負極がプレスされた際に固体電解質が割れてしまうと、導電パスが切れ不具合品となってしまう。こうした場面で、粉体強度試験装置MKPS-A100型は固体電解質の硬さ/変形量の評価に応用できる。

 

受託測定サービス

 島貿易とハイテクノライズでは、ユーザーの試験測定ニーズに合わせて最適な粉体試験装置を提案するほか、装置納入後も装置本来の制度を維持し正確なデータを取得できるよう、点検、診断、校正作業などのトータルサポートを行っていく。

 また、装置販売だけでなく、ユーザーから試験体を預かって上記の粉体試験装置を用いた受託測定も行う。樹脂材料から金属材料、セラミックス材料、医薬材料、食品、電池材料などの多種多様な材料粉体の物性を粉体試験装置で評価しデータを提供して、粉体の物性評価の支援を行っていく。

 粉体の摩擦や強度の測定での困りごとは島貿易まで、ぜひ相談していただきたい。

kat 2024年7月25日 (木曜日)
kat