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ブルカージャパン、大阪でAFMミーティング「AFMを用いた電池特性評価技術」を開催

11ヶ月 4週 ago
ブルカージャパン、大阪でAFMミーティング「AFMを用いた電池特性評価技術」を開催kat 2024年09日13日(金) in

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は10月17日13:00~17:00、大阪市淀川区のアットビジネスセンターPREMIUM新大阪(正面口駅前)905号室で、AFMミーティング2024<関西>を開催する。テーマは「AFMを用いた電池特性評価」。

 AFMユーザーによる最新の研究成果や、測定のための技術など、特に電池関連の研究者に役立つプログラムとして企画。トークセッションでは、周りに相談できないさまざまな疑問や質問などトピックスを募集しており、測定のヒントやコツなど、参加者の困りごとに答える機会としている。トークセッションの準備として、事前に参加予定者からの質問を、登録フォームへのご記載にて受け付けている。

 概要とプログラムは以下のとおり。

定員:60名

対象:ブルカーに限らずAFMを使用している、または検討しているユーザー、測定技術に興味のある方、これから携わりたい方など

申込み:こちらから

プログラム:13:00開始 (12:30受付開始)

・13:00~13:05    開催挨拶 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 統括部長 鈴木大輔 氏

・13:05~13:35 「原子間力顕微鏡を用いた蓄電池の電極と電解液の界面における物性と反応機構のin-situ解析」自然科学研究機構分子科学研究所 主任研究員 湊 丈俊 氏…蓄電池の開発において、材料の物性の理解は重要であるが、充放電中の蓄電池内部における材料の状態を解析することは容易ではない。原子間力顕微鏡は、充放電中の蓄電池内部の材料物性や反応機構を直接解析できる手法で、高い空間分解能を持つことから、これまで不明であった物性や反応機構を解析できる。本講演では、原子間力顕微鏡を用いた蓄電池の解析における最近の展開などを紹介する。

・13:35~14:05 「Liイオン電池合材電極の電子伝導解析」産業技術総合研究所 電池技術研究部門 研究グループ長 前田 泰 氏、研究員 蒲生浩忠 氏…Liイオン電池では、個々の活物質粒子までの電子・イオン経路が重要だが、従来のマクロスコピックな解析だけでは、これを評価することが困難。産総研では、AFMベースの電気伝導測定により、電極内部の導電ネットワークの評価を試みている。本講演では、液系Liイオン電池や全固体電池の合材電極を対象とした測定例を紹介するほか、三次元シミュレーションとの組み合わせによる電極内部の導電パスに関する解析事例についても紹介する。

・14:05~14:35 「走査型拡がり抵抗顕微鏡法を用いたLIB電極の電子伝導性解析」コベルコ科研 物理解析センター 解析部 主任部員 常石英雅 氏…リチウムイオン電池の電極は活物質、導電助剤、バインダー、電解質で構成されており、電池特性向上のために非常に複雑に設計されている。SPMはそれぞれの部材の通電状態を評価できる唯一の分析手法であり、設計に対する効果を直接的に可視化することが可能となる。今回は主に液系リチウムイオン電池の電極シートを題材に、SSRMによって得られた抵抗マッピング像を用い、その定量値や位置情報を活かした解析事例を紹介する。

・14:35~14:55 「原子間力顕微鏡を用いた二次電池の局所領域の特性評価 ~基礎から応用~」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 アプリケーション部 
アプリケーションエンジニア 寺山剛司 氏…現在、液系リチウムイオン電池のエネルギー密度の向上や課題に対応するため、全固体電池、次世代二次電池、革新型蓄電池の研究開発が進められている。しかしながら、各種次世代二次電池にも克服すべき課題が存在し、解析のために原子間力顕微鏡が用いられている。本講演では二次電池向けの原子間力顕微鏡の測定モードの原理から最新の事例などを紹介する。

・14:55~15:30 休憩:情報交換(お茶とお菓子を用意)

・15:30~16:20 座談会「みんなで話そう電池特性評価」AFMを用いた電池特性評価の課題や期待をパネリストと意見交換できるプログラム。質問・相談を登録フォームより受付中。
モデレーター:自然科学研究機構分子科学研究所 湊 丈俊 氏
パネリスト:各講演者

・16:20~16:40 「ブルカー製品の案内とお知らせ」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 営業部

kat

ブルカージャパン、大阪でAFMミーティング「AFMを用いた電池特性評価技術」を開催

11ヶ月 4週 ago
ブルカージャパン、大阪でAFMミーティング「AFMを用いた電池特性評価技術」を開催

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部は10月17日13:00~17:00、大阪市淀川区のアットビジネスセンターPREMIUM新大阪(正面口駅前)905号室で、AFMミーティング2024<関西>を開催する。テーマは「AFMを用いた電池特性評価」。

 AFMユーザーによる最新の研究成果や、測定のための技術など、特に電池関連の研究者に役立つプログラムとして企画。トークセッションでは、周りに相談できないさまざまな疑問や質問などトピックスを募集しており、測定のヒントやコツなど、参加者の困りごとに答える機会としている。トークセッションの準備として、事前に参加予定者からの質問を、登録フォームへのご記載にて受け付けている。

 概要とプログラムは以下のとおり。

定員:60名

対象:ブルカーに限らずAFMを使用している、または検討しているユーザー、測定技術に興味のある方、これから携わりたい方など

申込み:こちらから

プログラム:13:00開始 (12:30受付開始)

・13:00~13:05    開催挨拶 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 統括部長 鈴木大輔 氏

・13:05~13:35 「原子間力顕微鏡を用いた蓄電池の電極と電解液の界面における物性と反応機構のin-situ解析」自然科学研究機構分子科学研究所 主任研究員 湊 丈俊 氏…蓄電池の開発において、材料の物性の理解は重要であるが、充放電中の蓄電池内部における材料の状態を解析することは容易ではない。原子間力顕微鏡は、充放電中の蓄電池内部の材料物性や反応機構を直接解析できる手法で、高い空間分解能を持つことから、これまで不明であった物性や反応機構を解析できる。本講演では、原子間力顕微鏡を用いた蓄電池の解析における最近の展開などを紹介する。

・13:35~14:05 「Liイオン電池合材電極の電子伝導解析」産業技術総合研究所 電池技術研究部門 研究グループ長 前田 泰 氏、研究員 蒲生浩忠 氏…Liイオン電池では、個々の活物質粒子までの電子・イオン経路が重要だが、従来のマクロスコピックな解析だけでは、これを評価することが困難。産総研では、AFMベースの電気伝導測定により、電極内部の導電ネットワークの評価を試みている。本講演では、液系Liイオン電池や全固体電池の合材電極を対象とした測定例を紹介するほか、三次元シミュレーションとの組み合わせによる電極内部の導電パスに関する解析事例についても紹介する。

・14:05~14:35 「走査型拡がり抵抗顕微鏡法を用いたLIB電極の電子伝導性解析」コベルコ科研 物理解析センター 解析部 主任部員 常石英雅 氏…リチウムイオン電池の電極は活物質、導電助剤、バインダー、電解質で構成されており、電池特性向上のために非常に複雑に設計されている。SPMはそれぞれの部材の通電状態を評価できる唯一の分析手法であり、設計に対する効果を直接的に可視化することが可能となる。今回は主に液系リチウムイオン電池の電極シートを題材に、SSRMによって得られた抵抗マッピング像を用い、その定量値や位置情報を活かした解析事例を紹介する。

・14:35~14:55 「原子間力顕微鏡を用いた二次電池の局所領域の特性評価 ~基礎から応用~」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 アプリケーション部 
アプリケーションエンジニア 寺山剛司 氏…現在、液系リチウムイオン電池のエネルギー密度の向上や課題に対応するため、全固体電池、次世代二次電池、革新型蓄電池の研究開発が進められている。しかしながら、各種次世代二次電池にも克服すべき課題が存在し、解析のために原子間力顕微鏡が用いられている。本講演では二次電池向けの原子間力顕微鏡の測定モードの原理から最新の事例などを紹介する。

・14:55~15:30 休憩:情報交換(お茶とお菓子を用意)

・15:30~16:20 座談会「みんなで話そう電池特性評価」AFMを用いた電池特性評価の課題や期待をパネリストと意見交換できるプログラム。質問・相談を登録フォームより受付中。
モデレーター:自然科学研究機構分子科学研究所 湊 丈俊 氏
パネリスト:各講演者

・16:20~16:40 「ブルカー製品の案内とお知らせ」ブルカージャパン ナノ表面計測事業部 営業部

kat 2024年9月13日 (金曜日)
kat

JASIS2024開催、表面試験・評価・分析機器などが展示

11ヶ月 4週 ago
JASIS2024開催、表面試験・評価・分析機器などが展示

 日本分析機器工業会と日本科学機器協会は9月4日~6日、千葉市美浜区の幕張メッセ 国際展示場で、分析機器・科学機器の総合展示会「JASIS2024」を開催した。展示会では、407社・機関、1214小間(昨年354社・機関、1096小間)の出展と「新技術説明会」、「トピックスセミナー」などの講演が多数催された。リアル展示会への来場者は21918名(昨年16115名)だった。表面試験・評価機器関連では以下のような展示があった。

JASIS2024の会場のもよう

 エビデント(https://www.olympus-ims.com/ja/)は、限界見本をそのまま覚える拡大観察・欠陥判定外観AIによって、欠陥の自動検出・自動分類が可能なデジタルマイクロスコープ「DSX1000+NuLMiL」を紹介した。不良部分を塗りつぶすだけで直感的・効率的に欠陥を学習、学習結果に基づき取得した画像から不良箇所を自動で判定。NG限度見本との類似度設定でOK/NGを調整、R&Dから量産まで適用できる。また、微細観察・粗さ測定において業界最高峰レベルの測定性能を実現するとともに、「実験トータルアシスト」によって実験計画表の作成からデータ取得、解析、分析、レポート作成までの作業を効率化できる3D測定レーザー顕微鏡「OLS5100」を展示した。表面粗さ測定に最適なレンズ選択をアシストする「スマートレンズアドバイザー」で、測定結果の信頼性を向上できる。測定結果の異常値をリアルタイムで可視化する「ヒートマップ表示」も搭載。

エビデントのブースのようす

 大塚電子( https://www.otsukael.jp/ )は、測定する人も場所も選ばずに、瞬時に対象物(フィルムやガラスなどの透明材料)の三次元情報として、光の波の情報全て(光波動場)を独自の波面センサーで取得して、可視化する光波動場三次元顕微鏡「MINUK」を紹介した。観察および測定対象(以後、対象)から生じる光波動場を、結像素子を介さずに波面センサーに記録して、任意の面の像を計算処理で生成する。視野700×700μm、深さ1400μmの三次元情報を対象にフォーカスを合わせることなく2秒未満(標準)で取得して、取得した三次元情報を、後から無段階で任意面を再生できる(デジタルリフォーカシング)。また、防振に優れた独自設計のため設置環境をあまり気にしないで済む。

大塚電子「MINUK」

 協和界面科学( https://www.face-kyowa.co.jp/ )は、主力の接触角計を紹介したほか、自動摩擦摩耗解析装置「TSf-503」を展示した。同装置は天秤構造を採用したことで不要な力を検出せず、正確な摩擦の波形取得を実現した。標準繰返し測定は最大12回まで往復運動をして静・動摩擦係数測定を行う。また同装置は、往復測定か往路のみの測定かを選択でき、往路測定の場合は天秤を自動でピックアップし原点位置まで復帰する。連続静摩擦測定では、設定した移動速度、距離、回数で連続測定を実施する。さらに、4種類の荷重(100g~1000g)で静・動摩擦係数を測定し、荷重による影響を比較することもできる。

協和界面科学「TSf-503」

 新東科学( https://www.heidon.co.jp/ )は、比較的安価で幅広い摩擦摩耗試験に対応した「トライボギア TYPE:14FW」を紹介。同品はテーブル速度、移動距離、往復回数を設定することができるため、さまざまな条件下で試験が可能となる。また、同品はアタッチメントを様々に変更できることから、摩擦摩耗試験だけでなく、簡単な引っ張り試験やスクラッチ試験などに対応している。オプションのトライボソフトを使用すればデータの管理、解析を簡単に行うことができる。さらに、同社は摩擦摩耗試験機の専門メーカーとして70年以上の実績を強みに摩擦摩耗試験の受託試験を行っている。様々なシーンに適合した試験機を取り揃えているとともに摩擦摩耗に特化した多様なノウハウにより精確な受託試験が行えることを訴求した。

新東科学「トライボギア TYPE:14FW」

 THK(https://www.thk.com/jp/ja/)は、分析機器など高精度の位置決めが要求されるアプリケーション向けに開発した、8条列を採用しながらもISO 規格に準拠した標準寸法で、世界標準のLMガイド「SHS」と寸法互換が可能な超低ウェービングのボールリテーナ入りLMガイド「SPHシリーズ」を披露した。超低ウェービング・高剛性ボールリテーナ入りLMガイドSPR/SPSで採用した小径ボールをよりサイズダウンして有効ボール数を増やし、剛性とのバランスを取りつつ、SPR/SPSとほぼ同等のnm単位の超低ウェービング性能を実現している。また、分析装置・実験装置への試料のハンドリングを行い24時間の無人での分析や実験を実施できる、ヒト型双腕ロボット「NEXTAGE Fillie」やロボットハンド「ならいハンドTNH」、「コンビネーションモジュール」を用いた自動化システムを提案した。

THK「SPHシリーズ」(写真奥側)

 パーク・システムズ・ジャパン(https://www.parksystems.com/jp)は、200mmウェハーを切り出さずにそのまま評価できる研究用原子間力顕微鏡(AFM)「Park FX200」を初披露した。①低ノイズフロアと低い熱ドリフトによる再現性の高い測定、②スキャンレート50Hzでも鮮明な画像が得られる高速イメージング性能、③11 µmと小口径のレーザービームスポットのためカンチレバー長が非常に短いプローブを利用でき、共振周波数2MHzを用いた高速測定などさまざまな計測が可能、④より広いサイズをとらえつつ線幅0.87μmの高解像度が可能、⑤ヘッド衝突の保護機能・環境センサー機能を有する新世代AFMコントローラー、⑥200mmウェハーからクーポンサイズの試料までをカバー、⑦プローブタイプの自動認識、⑧プローブの自動交換、⑨カンチレバー上の自動レーザービームアライメント、⑩200mmウェハー全体像観察のためのマクロ光学系、など多くの機能を搭載。

パーク・システムズ・ジャパン「Park FX200」

 ブルカージャパン ナノ表面計測事業部( https://www.bruker-nano.jp )は、スループット2倍の高速測定モード、200mm×300mmの広い試験領域を実現、ポリマー薄膜のナノスケール試験の精度向上、コンビナトリアル材料科学のスループット向上、300mm半導体ウェハーのマルチ測定分析などが可能なナノインデンターシステム「Hysitron TI 990 TriboIndenter®」を展示した。新しいPerformech IIIコントローラー、高度なフィードバック制御モード、次世代nanoDMA IV動的ナノインデンテーション、XPM II高速機械特性マッピングなど測定・解析プロセスのあらゆる面で最新技術を採用。ユニバーサル・サンプル・チャックの使用でほぼすべてのサンプルを取り付けることができ、より広い試験領域での測定が可能。

ブルカージャパン「Hysitron TI 990 TriboIndenter®」

 ヤマト科学システムは、分光技術を用いた最新の計測・分析技術として、誰でも簡単・迅速・高精度に非破壊で計測できるスマート膜厚計「SM-100P/SM-100S」を紹介した。同品は、分光器の小型化やバッテリー駆動により本体が1.1 kgと軽く、ネックストラップ付きで装置の落下を防止しつつ容易に持ち運びができる。また、シンプルで直感的なインターフェースの採用によって専門知識が不要な簡単測定(プローブをサンプルに当てるだけ)に加え、反射分光法の採用によって最薄0.1 μmまで検量線不要で測定が可能となる。測定対象の膜が透明であれば、プラスチック・ガラスなど基材を選ばずに測定が可能。単層膜専用「SM-100S」と、最大3層までの多層膜を測定可能な「SM-100P」をラインアップしている。

ヤマト科学システム「SM-100シリーズ」

 

admin 2024年9月13日 (金曜日)
admin

高機能トライボ表面プロセス部会、第24回例会を開催

11ヶ月 4週 ago
高機能トライボ表面プロセス部会、第24回例会を開催

 表面技術協会 高機能トライボ表面プロセス部会(代表幹事:岐阜大学 上坂裕之氏)は9月6日、岐阜県岐阜市のハートフルスクエアーG/岐阜市生涯学習センターで第24回例会を開催した。

 今回は上坂代表幹事から開会の挨拶と岐阜大学工学部附属プラズマ応用研究センターの紹介がなされた後、以下のとおり、講演が行われた。

挨拶する上坂氏

・「立方晶窒化ホウ素のイオンビームアシストMBE成長: 結晶多型と電気伝導性の制御」平間一行氏(日本電信電話 NTT物性科学基礎研究所)…①イオンビームアシストMBE法によるcBN薄膜のヘテロエピタキシャル成長において、Ar+照射によるsp3結合の選択的な形成が可能、②BN薄膜の成長相図構築と成長モデルの提案として、FAr+/FB>1:sp3 cBN成長、の式を示し、イオンの役割としてはcBN相の形成とt-BN相の優先的なエッチングがある、③典型的な結晶欠陥と熱的安定性については、低い成長温度では積層欠陥による双晶が形成し、N2雰囲気1300℃まではcBN構造は安定、それ以上ではsp2結合相に構造相転移する、④cBN薄膜上のダイヤモンド成長とn型SiドープcBN薄膜の電気伝導性制御を実証した、と総括した。

講演する平間氏

「層間すべりと化学作用を伴う水潤滑下のhBNの低摩擦特性」齊藤利幸氏(ジェイテクト)…層間すべりと化学作用を伴う水潤滑下のhBNの低摩擦特性に関して、①水潤滑下でhBNは低摩擦・低摩耗を示す、②hBNの層間すべりは低入射XRDでも確認可能、③定量可能な量のアンモニアが摩擦により生成される、④hBNの摩耗は機械な作用が大きい、⑤実用の一案としてはhBN配合材も想定可能、と総括した。

講演する齊藤氏

・「プラズマCVD法を用いた高品質cBNコーティングの合成とその応用」堤井君元 氏(九州大学)…高密度プラズマとフッ素の強い化学作用を用いればcBN生成に強いイオン衝撃は必ずしも必要なく、最小で数eV~10eVの平均イオンエネルギーでもcBNは生成できる。弱いイオン衝撃化で得られる低残留応力cBN膜を用いれば密着性の良い薄膜が形成可能で、WC-Co上では中間層挿入や化学親和層形成が望ましく、バイオ応用も期待される。高結晶性cBN 膜によって電気的応用が可能となりつつあり、現状の多結晶は電子エミッターと誘電体応用が、もし単結晶が可能になれば半導体応用が期待される。今後の課題として、①イオン衝撃を必要としないcBN 膜の形成法、②高品質・大面積バルク単結晶cBN基板の作製法、③長期的視野、分野活性化、支援(人>資金>スペース)、④生成条件の再現性、装置依存性、を挙げた。

講演する堤井氏

「電子ビーム励起プラズマCVD法によるcBN膜コーティング」髙島成剛氏(中日本炉工業)… 現在のcBN切削工具は焼結体のみで、大きさ、形状が制限されるため、cBN膜コーティングによる切削加工の高速化・多様化の実現を目指した。しかし、cBN成膜はダイヤモンド合成と同様に高温高圧状態が必要なため、高密度なプラズマ源が必要、成膜時にイオン衝突を必要とし、膜中に巨大な内部(圧縮)応力を蓄積するため密着性が乏しく、はく離が発生するという課題があった。これに対し、電子加速電圧を変えることで最適な電子エネルギーを選択でき高密度なプラズマを生成できる電子ビーム励起プラズマ(EBEP)CVD装置を用いて、ホウ素膜とBN傾斜膜の中間層の形成による密着性の確保(ホウ素膜:cBN膜の膜応力の緩和、BN傾斜膜:ホウ素膜とcBN膜の密着性確保)を実現した。厚膜化の要求に対しては、膜厚(BN傾斜膜+cBN膜)の成膜時間依存性をクリアする成膜温度制御によって成膜時間を短縮、基材の温度制御によって50GPa以上の高硬度化と60N以上の密着力を実現している。

講演する髙島氏当日のもよう

 

admin 2024年9月13日 (金曜日)
admin

小船 昭氏(協同油脂 元社長・会長)のお別れの会が開催

11ヶ月 4週 ago
小船 昭氏(協同油脂 元社長・会長)のお別れの会が開催kat 2024年09日13日(金) in

 協同油脂は8月30日、東京都千代田区の東京會舘で、本年7月2日に逝去した小船 昭氏(協同油脂 元社長・会長、享年87歳)のお別れの会を執り行った。産業界および学界から多くの関係者が参列して祭壇で献花を行い、また、会場で投影された小船 昭氏の思い出の写真を見つめながら、氏の人柄や功績を偲んだ。
 
 

祭壇での献花のようす

 

 小船 昭氏は1937年、協同油脂初代社長である小船惣四郎氏の弟で二代目社長の小船伊助氏の長男として出生、1960年に同社に入社し、1987年~2006年まで18年間にわたり社長を、2006年~は会長を務め、同社の発展に大きく貢献した。

 社長就任後に『トライボロジー精神の実践』を具体化し、創業の原点に立ち戻るため、社員一人ひとりが日々取るべき行動や心構えとして『行動規範』(人間として取り組む、心と足と頭の行動、誠意と熱意、素直に謙虚に)を制定し、浸透させた。

 事業活動においては、辻堂工場、伊丹工場から亀山・笠岡両工場への移転を進め、最新鋭のクリーンな生産体制を整備した。また、シンガポールの拠点設立を皮切りに、米国、欧州、アジアに海外拠点を設立し、グローバル化に対応した。

 1970年に開催され1983年に一時中断していた「トライボロジー研究会」をトライボロジカルな情報交換の場として1989年に再開し、産業界の発展に貢献した。

 業界団体での活動では、日本グリース協会会長(1994年~2006年)、全国工作油剤工業組合副理事長(1990年~2007年)、潤滑油協会理事(1997年~2007年)を長く務めた。日本グリース協会会長としては、環境問題対策活動、グリース業界のグローバル化に尽力し、特にNLGI(米国潤滑グリース協会)との連携強化については、NLGI功労賞を授与されている。
これらの功績から、2007年には旭日双光章を受章し、2024年に従六位を追叙された。
 

会場では小船 昭氏の数々の思い出の写真が投影された

 
 

旭日双光章の勲章(中央)と従六位の位記(右)

 

kat