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静岡理工科大、地域共創で講演会 赤城乳業OB登壇
多様性を育む/外国人ドライバー支援機構 母国で実習・日本語教育
経営ひと言/東京都立大学・栗田玲教授「泡研究者育てる」
材料相場表/銘柄掲載の見直しについて(おことわり)
エリコンバルザース、ダイヤモンド被膜を開発
エリコンバルザース(本社:リヒテンシュタイン)は、セラミック材料の加工に使用される切削工具用向けに新たに設計された、CVD(化学気相成長)法によるダイヤモンドコーティング被膜「BALDIA VARIA」を発表した。
特に航空宇宙、医療、成形の分野でCFRP(炭素繊維強化プラスチック)、複合スタック材、グラファイト、アドバンスト・セラミックスなどの特殊材料の使用が増加し続ける中、同被膜は、部品の品質向上、工具使用率の向上、製造コストの削減に寄与する。ダイヤモンドコーティングは、エリコンのCVDプラズマ技術に基づいており、緻密なナノ結晶コーティング構造を実現している。この構造組成は、摩耗の早期検出と工具利用の最適化を可能にする。さらに工具管理と生産計画に対する最適な費用対効果をもたらす。
エリコンのBALDIA ダイヤモンドコーティングのプロダクトマネージャーであるマチュー・ギヨン氏は「非常に高い硬度と段階的摩耗挙動を持つBALDIA VARIAは、明確な目的を持って開発された。それは、メーカーがより高い信頼性と費用対効果で特殊材料を加工できるようサポートすることである」と述べている。さらに、「プラズマ駆動のCVDテクノロジーを組み合わせることで、マイクロツールおよび大型ツールにも処理可能であることに加え、工具の寿命を延ばし、総所有コストを削減するダイヤモンドコーティングが実現した」とした。
なお、同被膜の日本国内の問い合わせについてはエリコンジャパン( https://www.oerlikon.com/balzers/jp/ja/ )で受け付けている。
admin 2025年7月23日 (水曜日)
SK Art、CHEMEON社製の3価クロムベースの金属表面処理剤を販売開始
SK Art( https://skart-corp.co.jp/ )は、米・CHEMEON Surface Technology(CHEMEON社)が開発した3価クロムベースの金属表面処理剤「eTCP®」の販売を開始した。
同品は、化成皮膜処理と陽極酸化処理に使用が可能。これにより、耐食性向上、ペイント付着性向上、導電性向上、皮膜の耐久性向上が望めるという。使用が可能な素材はアルミニウム、陽極酸化アルミニウム、亜鉛および亜鉛合金、マグネシウム、亜鉛めっき鋼、IVD、カドミウム、チタン、ジルコニウムなど。処理方法は浸漬、スプレー、ブラッシング、タッチアップと使用用途によって選択できる。既存の6価クロム処理よりも硬質仕上げが可能で低温で処理が行えるという。また、トップコートが不要なことも特徴の一つ。皮膜が紫色と目立つため処理済みのパーツが一目で分かる。
CHEMEON社は、同品を米国海軍航空システム司令部(NAVAIR)および艦隊即応センター南東部と協力して次世代研究プロジェクトで開発。MIL-DTL-817068に準拠した塗装密着性試験と塩水噴霧試験に合格。MIL-A-8625Fの耐腐食性試験(塩水噴霧試験336時間)に適合、MIL-A-8625Fに準拠したアルマイトシールとして塗装密着性試験に適合した。さらに、低電気抵抗(LER)結果においても良好な結果を示した。
admin 2025年7月23日 (水曜日)
ベッコフオートメーション、ハンス・ベッコフ氏が欧州の技術革新賞「ルドルフ・ディーゼル・メダル」を受賞
ベッコフオートメーションは本年7月10日、ドイツ・アウクスブルクにて開催された授賞式において、同社の創業者兼マネージングディレクターであるハンス・ベッコフが、欧州で最も歴史ある技術革新賞「ルドルフ・ディーゼル・メダル(Rudolf Diesel Medal)」を受賞したことを発表した。産業オートメーション分野での卓越した技術革新の実績が高く評価され、「最も成功したイノベーション実績(Most Successful Innovation Achievement)」部門での受賞となったもの。
ルドルフ・ディーゼル・メダルは、内燃機関の発明者として知られるルドルフ・ディーゼルの息子、オイゲン・ディーゼルにより1953年に創設された。現在は、ドイツ発明協会(Deutsche Institut für Erfindungswesen, D.I.E. e.V.)によって授与されており、「技術革新」「社会的貢献」「経済的成果」「持続可能性」などの観点から評価される、権威ある賞で、毎年、以下の4部門において表彰が行われる。
・最も成功したイノベーション実績(Most Successful Innovation Achievement)
・最も持続可能なイノベーション実績(Most Sustainable Innovation Achievement)
・最優秀イノベーション促進(Best Innovation Promotion)
・最優秀メディアコミュニケーション(Best Media Communication)
ベッコフ氏はこのうち、最も成功したイノベーション実績部門での受賞となった。
ハンス・ベッコフ氏は、1980年にドイツ・フェアルにてベッコフオートメーションを創立。1985年にPC制御という革新的なコンセプトを発表し、翌1986年に世界初となる産業用PCを市場に投入した。この技術は、産業オートメーションにおける従来の制御概念を根本から覆すパラダイムシフトをもたらした。以降、Lightbus(1989年)、バスターミナル(1995年)、EtherCAT(2003年)など、数多くの革新的な技術を開発し、産業界の技術標準を打ち立ててきた。
これらの絶え間ない革新の歩みにより、ベッコフオートメーションは現在、世界41か国に拠点を展開し、従業員数は約5300名、2024年の年間売上高は11.7億ユーロを達し、グローバル企業としての成長を遂げている。
今回の受賞は、ベッコフ氏が長年にわたりソフトウェア中心の制御技術の確立に尽力してきた背景や、ITとオートメーションの融合、高速かつ高い信頼性を誇る通信技術の開発、さらに近年ではAIを組み込んだ自律型システムの推進など、産業オートメーション分野の進歩に貢献する数々の技術革新を生み出してきたことが高く評価されたもの。また、常に「複雑な技術を、シンプルかつ効率的に」という姿勢を貫き、エンジニアリングを通じて社会に貢献しようとする強い信念も、今回の選考において重要な要素となった。
ハンス・ベッコフ氏は受賞にあたって、「この受賞は、私一人ではなく、ベッコフの全社員を代表して受賞するもの。600名を超える開発者、2000名以上のセールス担当、そして世界中のユーザーの皆さまからの貴重なフィードバックがあってこその成果と言える。“発明は楽しい”というメッセージを次の世代に伝えたい」と述べている。
ハンス・ベッコフ氏は現在、“Automation Brain”と題したプロジェクトに取り組んでおり、機械に知性や人格をもたせる、次世代の自動化技術の実現を目指している。
左から、アレクサンダー・J. ヴルツァー教授(ドイツ発明協会理事)、ハンス・ベッコフ氏(ルドルフ・ディーゼル・メダル受賞者・ベッコフオートメーション)、グンター・ヘル教授(ベルリン・シュタインバイス大学総合ビジネス・イノベーション戦略教授・ディーゼル・メダル評議会科学顧問)
写真提供:©Dominik Wagner, Eichmeister Kreativagentur
日本金属、金型摩耗を抑制するステンレス鋼を環境配慮製品"エコプロダクト"として販売
日本金属( https://www.nipponkinzoku.co.jp/ )は、金型摩耗を抑制するステンレス鋼「L・DieL®(ルディール)仕上」を、環境配慮製品"エコプロダクト"として新たに販売を強化する。L・DieL仕上は、ステンレス表層の不働態皮膜を改質(軟質化)することにより、プレス加工時の金型摩耗を抑制し、顧客の生産性向上やコストダウンに寄与する。
ステンレス鋼の耐食性を維持している不働態皮膜はクロム酸化物が主成分で非常に硬質である。被膜厚さは10nm程度と非常に薄いが、繰り返し接触するプレス金型には悪影響(摩耗促進)を及ぼす。この皮膜を軟質化し金型摩耗を抑制させる表面処理としてL・DieL仕上を開発した。
同品は①プレス加工時の金型摩耗を低減し、寿命の向上が期待できる②SUS304、SUS430などほとんどのステンレス鋼・仕上に対応している③化学成分、機械特性はJISに準拠している④外観および耐食性は一般のステンレスと変わらない、など。
用途例admin 2025年7月23日 (水曜日)
BASFコーティングス、協業による持続可能なツートンカラー塗装のイノベーション推進で表彰
BASFのコーティングス事業本部は、ルノー・グループ(ルノー社)およびデュル社とともに、本年6月に開催された「L'industrie s'engage par l'Usine Nouvelle」のイベントで、オーバースプレーフリー塗装(OFLA)のプロセス(ルノー社ではジェットプリントと呼称)を用いた自動車製造の未来を提示した。これにより、革新的プロセス部門の「Trophée de l'Industrie s'engage 2025」を受賞した。このプロセスは、ツートンカラーの車両塗装の実施方法を再定義するもの。自動車OEMの運用コストとプロセス時間の削減に加え、環境への影響も減らすことで、自動車生産の新たなベンチマークとなる持続可能な塗装技術として、画期的であると評価されている。
このOFLAプロセスはルノー社のモブージュ工場に導入されており、革新的な一体型のウェットオンウェット塗装プロセスにより、新たなツートンの量産ラインにおいて、1回の塗装工程で同時に2色を塗布することを可能にしている。BASFのコーティングス事業本部では、OFLAプロセスにおける最適なパフォーマンス、高精度性、そして自動化を一貫した品質で実現するため、特別に開発したデココート塗料技術によって、このイノベーションに貢献した。完璧に調整されたセンサーとソフトウェアを使用し、デュル社のジェット塗装機(EcoPaintJet Pro)と、ロボット自動化技術の革新により、スプレー塗装によるはみ出しがまったく発生しない高精度の塗装が可能となっている。
従来のツートンカラーの塗装では、車両は塗装工程を2回通過する必要があり、その間、人の手で、保護資材を用いて広範囲をマスキングしなければならない。その結果、多くの労力と時間を要するプロセスとなり、大量の廃棄物とエネルギー消費が発生する。
OFLAは、デジタル印刷技術に着想を得たミストフリーで高精度なジェット塗装システムを採用することで、こうした従来のプロセスに革命をもたらした。これにより、異なる色のルーフやA-Cピラー部なども、塗りはみ出しなしでピンポイントに塗装することが可能になる。マスキング材が不要となるため、完全に自動化されたこの塗装方法によって、塗装工場におけるツートンカラー車の生産能力を向上させることができる。
自動車OEMコーティングのグローバルマーケティング担当バイスプレジデントであるレイチェル・チュー氏は、「当社の視点では、OFLAは、サステナビリティと製造におけるパフォーマンスを組み合わせた画期的な技術。これは、お客様のサステナビリティ目標と経済的目標をサポートするバリュー重視の効率性を体現している」と述べている。
また、BASFのコーティングス事業本部のグローバル開発ベースコートチームのプロジェクトリーダーであるシュテファン・ロールマン氏は、「マスキングと組み合わせた従来のスプレー塗装と比較して、塗着効率は100%となり、この技術は環境、経済の両面で目に見える効果をもたらす。塗装にかかるコストは最大70%削減でき、マスキング材の廃止によって車両あたり1.6kgもの廃棄物が削減された。また、エネルギー消費量は最大80%削減、CO₂相当排出量も約80%削減された(BASFコーティングスの塗装工場のライフサイクルアセスメントツールであるGLASSを使用して、年間20000台の自動車生産に基づいて計算)」と語っている。
BASFコーティングスとパートナーによる今回の受賞は、価値ある革新的な技術を共に探求するコラボレーションの成果。この取り組みは、未来の塗装工場を形づくり、自動車業界における持続可能な変革を推進する力があることを実証している。また、欧州メーカーが工業生産において効率性と環境責任を両立し、業界における新たな基準を示す存在であることも強調されている。OFLAは、設計の柔軟性や生産効率を高めるだけでなく、この分野における持続可能な製造の新たなベンチマークとなっている。
フランス・モブージュにあるルノーの生産拠点にてBASFコーティングスのチーム
bmt2025年7月号「特集:産業用ロボット」、「キーテク特集:設備の予兆保全技術」7/25発行!
ベアリング&モーション技術の総合情報誌「bmt(ベアリング&モーション・テック)」の第55号となる2025年7月号が7月25日に小社より発行される。
今号は「特集:産業用ロボット」、「キーテク特集:設備の予兆保全技術」で構成。特集「産業用ロボット」では、各種産業での自動化に資する協働ロボットの導入事例などについて紹介するとともに、それら自動化機器を支える電動アクチュエータや樹脂製ロボットハンド、DDモータ付き磁性流体シールなどベアリング&モーション技術(bmt)関連の製品・技術を紹介する。
また、キーテク特集「設備の予兆保全技術」においては、機械要素からアプローチする設備の予兆保全技術と潤滑油剤からアプローチする設備の予兆保全技術について、その一端を紹介する。
特集:産業用ロボット◇産業現場の自動化を支える協働ロボットの技術と導入事例・・・ロボットメーカー各社に聞く
◇超薄型ボールベアリング・電動アクチュエータの技術とロボットへの適用・・・木村洋行 北澤 潤 氏、青木 和久 氏に聞く
◇球体型ドローンとMID機能付きロボットフィンガーの技術と適用・・・DIC 森 耕太郎 氏に聞く
◇DDモーター付き磁性流体シールの技術と適用・・・ハイウィン 林 育志 氏、フェローテック 来住 和広 氏に聞く
キーテク特集:設備の予兆保全技術◇機械要素からアプローチする設備の予兆保全技術・・・編集部
◇潤滑油剤からアプローチする設備の予兆保全技術・・・編集部
連載注目技術:第47回 9月22日~26日開催、EMOハノーバー2025に見るbmt技術・・・出展各社
現場に行こう No.003・・・㈱東研サーモテック イノベーション事業部 オープン・イノベーション・センター
トップインタビュー No.022・・・大豊工業 加納 知広 氏 に聞く
あるコスモポリタンの区区之心 第25回 昔話、趣味の量子力学と格闘して・・・紺野 大介
トピックス日本トライボロジー学会、第70 期会長に佐々木信也氏(東京理科大学)
日本滑り軸受標準化協議会、第41 回総会を開催、新会長に濵﨑俊一氏(オイレス工業)
日本トライボロジー学会、2024 年度学会賞表彰式を開催
日本工作機器工業会、創立70 周年式典を開催
雑誌ご購入BASFコーティングス、トヨタ モーター ヨーロッパと補修塗料に関する戦略的パートナーシップ契約を締結
BASFのコーティングス事業本部は、トヨタ モーター ヨーロッパと欧州における「トヨタBody&Paintプログラム」の開発に向けた戦略的パートナーシップ契約を締結した。
この協力により、トヨタ、レクサスの両ブランドと、長期的かつ戦略的協力の基盤が構築される。欧州市場で展開される本プログラムには、BASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランドGlasurit®(日本では非売品)および、R-M®が導入される。また、このプログラムには、BASFのコンサルティングサービス「Bodyshop BOOST」(日本では導入未定)に加え、クラウドベースのデジタルプラットフォームRefinity®(リフィニティ®)が提供する各種モジュールを利用できる。
このパートナーシップ契約を通じて、BASFコーティングスは、トヨタ モーター ヨーロッパが掲げるサステナビリティ目標の達成と、トヨタの高級ブランド車の補修塗装において最高品質の基準を実現できるよう支援する。
BASFコーティングスは、欧州市場で最も持続可能で、効率的な補修方法の達成を保証するほか、欧州市場におけるトヨタ自動車のボディーショップネットワークを支援し、加盟工場にとって、ビジネスチャンスの拡大につながることを重視している。これらはすべて「絶え間無い改善」の理念に基づいている。
BASFコーティングス自動車補修塗料事業のグローバルディレクターであるクリス・ジャックマン氏は、「BASFコーティングスはこれまで多くの完成車メーカーと継続的な技術革新に取り組んできた。そこで蓄積された、最高レベルの精度の調色技術や、顧客体験の向上のための専門知識は、将来のモビリティ社会における自動車補修業界の基準となることだろう。今回のパートナーシップにより、欧州市場におけるトヨタ自動車のボディーショップネットワークに、BASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランドGlasurit®とR-M®を提供できることを光栄に思う」と述べている。
BASF、5拠点目のクリエーションセンターを韓国に開設
BASFは本年6月17日、5拠点目となるクリエーションセンターを韓国・安山市に開設した。
このクリエーションセンターは、顧客が機能性ソリューション素材の可能性を体感し、最先端の設計ソリューションのアイデアを得て、共同開発を行うことができる協業スペースとして設計されている。また、製品の設計開発の初期段階において、材料用途の発見や理解を促す役割も担う。
同センターは、BASFが顧客とより緊密に連携することができる新たなプラットフォームを提供し、主要産業におけるイノベーションの加速に対するBASFのコミットメントを強化するもの。
BASFパフォーマンスマテリアルズ事業本部アジア太平洋地域のシニア・バイスプレジデントであるアンディ・ポスルスウェイト氏は、「韓国にクリエーションセンターを開設することで、技術や設計に関する専門知識を結集して、素材選定から試作段階に至るまでの支援を行う。これにより、世界をリードするソリューションプロバイダーとしての地位をさらに高めていく。今回の投資は、アジア太平洋地域におけるBASFの戦略的市場およびイノベーション拠点としての韓国に対する継続的なコミットメントを反映するもの」と述べる。
BASFのクリエーションセンターは、トレンド調査、デザイン思考、そして技術力を組み合わせることで、製品開発の初期段階における顧客支援を目的としたグローバルネットワークの一環であり、ルートヴィッヒスハーフェンから、上海、横浜、ムンバイ、そして安山に展開する全てのクリエーションセンターは、現実的な課題に応える製品コンセプトの設計段階から、素材の価値を最大限に引き出すための協業環境を提供している。
今回設立した韓国のクリエーションセンターでも、協業的なアプローチを継承し、モビリティ、消費財、ライフスタイル、エレクトロニクスといった産業分野に対して個別にカスタマイズしたサポートを提供することで、グローバルな専門知識を基盤にした地域密着型の戦略を強化していく。
開所式のようす韓国クリエーションセンター
メルセデス・ベンツ、BASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランドとグローバルパートナー契約を更新
メルセデス・ベンツは、BASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランドであるGlasurit®(グラスリット®、日本では非売品)とR-M®とのパートナーシップを更新し、アジア太平洋地域におけるBASFの塗料技術への信頼を再認識した。
今回の選定により、Glasurit®は、従来の対象地域であるオーストラリア、韓国、台湾に加え、新たに中国本土のメルセデス・ベンツの認定工場でも使用が承認された。また、マレーシアおよびタイでは、同ブランドが推奨パートナーとして位置づけられている。
日本では、R-M®とメルセデス・ベンツのパートナーシップが継続される。
BASFは最も持続可能なソリューションを提供することで、今後も継続的にメルセデ
ス・ベンツをサポートします。これには、革新的な水性ベースコート「Glasurit 100 Line」(日本では非売品)や、環境配慮と収益を実現するリフィニティ®が提供するコンサルティングサービス「Bodyshop BOOST」(日本では導入未定)が含まれる。
BASF東アジア地域統括本部 アジア太平洋地域 自動車補修塗料本部 副社長のスーザン・クルーゲ氏は、「メルセデス・ベンツとの長期的なパートナーシップを強化できることを光栄に思う。これは、競争の激しいアジア太平洋地域における私たちの強力な戦略の証であり、このパートナーシップは持続可能性とデジタルトランスフォーメーションを推進しながら、最先端のソリューションを提供することに重点を置いている」と語る。
この契約更新は、BASFコーティングスがアジア太平洋地域全体のメルセデス・ベンツのユーザーに卓越したサービスを約束するもので、契約対象地域に加え、香港特別行政区、インドネシア、モンゴル、シンガポールのメルセデス・ベンツとその認定工場へのサービスを継続する。
BASFコーティングスのグローバル戦略アカウントマネージャーであるマイケル・ヒル氏は、「パートナーシップの更新は、革新性、持続可能性、卓越性という共通の価値観のもとに築かれた、メルセデス・ベンツとBASFのグローバル規模での協力関係と信頼関係を反映したもの。我々はこれからもメルセデス・ベンツをサポートし、世界中の自動車補修ネットワークに最高水準の品質と効率を提供できることを誇りに思う」と述べている。
NTNの移動型独立電源が熱中症対策として活躍
NTNが開発した移動型独立電源「N3 エヌキューブ」が、7月13 日に東京都多摩地域で開催された国際自転車ロードレース「THE ROAD RACE TOKYO TAMA 2025」において、空調設備付きの休憩所として活用された。熱中症対策として設置され、風力と太陽光の再生可能エネルギーで発電した電力でエアコンや照明などの設備を稼働し、涼しく快適な空間を提供した。
N3 エヌキューブは小型風車と太陽光パネル、蓄電池をコンテナ内に格納しており、トラックなどで運搬可能な高い機動性を特長としている。コンテナ内部はカスタマイズが可能で、平常時はエコトイレやバス停、休憩室などとして活用し、災害に伴う停電発生時には電力を必要とする地域に運び、即座に発電・給電が可能。
台風や豪雨、地震などの自然災害が多発し、これらに伴う停電対策が課題となる中、各自治体を中心に平常時と災害時の両方のシーンで活用可能な本商品の採用が進んでいる。
今回のイベントで使用したN3 エヌキューブは、同社が奈良県桜井市の企業に販売したもので、内部にエアコンや照明、机、椅子を完備しています。猛暑において開催されるイベントのスタッフの安全確保のために、同社がイベントへの貸し出しを申し出られ、レース会場で休憩所として使用された。
レース当日は気温30℃を超える真夏日となりましたが、再生可能エネルギー100%で稼働するエアコンにより涼しく快適な空間を提供し、熱中症の予防に貢献した。
地球温暖化の影響により熱中症対策が深刻な社会問題となる中、昨年、改正気候変動適応法が施行され、気温上昇により深刻な健康被害が予想される際の「熱中症特別警戒アラート」の発表時には、公民館や図書館などの自治体施設や、自治体から指定された民間施設が「クーリングシェルター(指定暑熱避難施設)」として開放されることになった。
NTNは再生可能エネルギー100%で稼働するクーリングシェルターとして活用でき、さらに災害時の停電の備えにもなるN3 エヌキューブの提案を積極的に進めている。
また、自然災害などが多発し、防災・減災への意識の高まりに合わせて「道の駅」を防災拠点として活用する動きがある中、昨年4 月には国土交通省より道の駅における高付加価値コンテナを用いた平常時の地域活性化と災害時の防災機能の強化に向けたガイドラインが制定された。NTNでは、こうした「防災道の駅」に向けたN3 エヌキューブの提案にも注力し、人々の安心・安全な暮らしの実現に貢献していく考えだ。
休憩室として設置されたN3 エヌキューブ屋根に設置した太陽光パネルと小型風車によりエアコンと照明を稼働
室内には机や椅子も設置し、リラックスできる休憩スペースとして活用
NTN、経済産業省こどもデーで「回る学校」を開催
NTNは、8 月6 日、7 日の両日、東京都千代田区の経済産業省本館で開催される「経済産業省こどもデー」において、親子でベアリングについて学ぶことができるイベント「NTN回る学校」を開催する。
経済産業省こどもデーは、霞が関に所在する各府省庁等が連携し、全国の子どもたちとその保護者を対象に、広く社会を知り、政府の施策への理解を深めてもらうほか、イベントへの参加を通じて親子の触れ合いを深めてもらう「こども霞が関見学デー」の一環として毎年夏に実施、各企業や団体により親子で楽しめるさまざまなプログラムが開催される。
今回のNTN 回る学校では、「遊びを通してベアリングの仕組みが分かる体験教室」をテーマに、ベアリングの組み立て体験に加えて、鉄琴を組み合わせた回転台でオリジナルのメロディを作成できるプログラム「回る楽器職人」や、ベアリングや摩擦に関する映像を使ってベアリングの魅力を紹介する。日常生活であまり目にすることのないベアリングを実際に見て、触ってもらい、親子で一緒に楽しみながらその役割や仕組みを楽しく学ぶことができる。
NTNでは「遊びながら学べるこの体験を通して、親子で新しい発見をし、自然と絆が深まるようなワクワクするコンテンツを用意しているので、ぜひ多くの方々に来場をいただきたい」とコメントしている。
イベントの概要は以下のとおり。
・開催期間:8 月6 日(水)~8 月7 日(木)
・開催時間:10:00~16:00
・開催場所:経済産業省本館(東京都千代田区霞が関1-3-1)
1 階(受付)、地下2 階講堂ほか
・オフィシャルサイト:https://www.meti.go.jp/intro/kids/torikumi/index.html
外輪、内輪、保持器、ボールを組み合わせてベアリングの組み立てに挑戦できる。初めてベアリングを見る方も、ベアリングの構造や仕組みについて学ぶことができる
人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMAが開催
自動車技術会は5月21日~23日、横浜市のパシフィコ横浜で「自動車技術展:人とくるまのテクノロジー展 2025 YOKOHAMA」を開催した。617社/約1470小間の規模で開かれ、3日間で7万9808名が来場した。ベアリング&モーション技術(bmt)関連では以下のような出展があった。
開催のようす
出光興産は、オイルによる冷却対象をモータだけでなく、バッテリー、PCUなどその他電子機器に広げ、オイルで直接冷却する「E-AXLE and Electric Parts Cooling Oil」を披露した。特長は①e-Axle、電子機器およびバッテリーの冷却、潤滑を担う液体を1液化することで、冷却システム簡素化を実現、②e-Axleに必要とされるギヤ・ベアリングの潤滑性と高い冷却特性による省電費性を高次元で両立、③モータ、バッテリーなど電子機器を直接冷却することが可能、など。
出光興産「E-AXLE and Electric Parts Cooling Oil」
イグスは、「潤滑剤ゼロ」のPFAS対策として、同社のすべての固体潤滑を含有した標準すべり軸受材料イグリデュールを変更し、PTFEフリーの材料を披露した。すでにすべり軸受、リニアガイド、旋回ベアリング(ロータリーテーブルベアリング)、貼るだけですべりを改善する「トライボテープライナー」など全製品の92%でPTFEフリーおよびPFASテスト済みの代替品を提供開始。PTFEを含む基準材料に比べ性能が大幅に優れていることが確認されている。
イグス「PTFEフリーベアリング」
NTNは、独自開発した特殊熱処理技術「HA-C」を深溝玉軸受に適用した「HA-C軸受」を披露した。従来品と同等の寿命を確保しながら、軸受の外径を約15%小型化、幅寸法を約30%小型化、質量を約55%軽量化することが可能となり、燃費・電費向上を目的としたe-Axleやトランスミッションなど各種自動車の駆動装置に使用される軸受の小型・軽量化ニーズに対応する。また、燃費・電費向上に向けて、駆動装置に使用される潤滑油では摩擦抵抗を抑えるため低粘度化する傾向にあるが、潤滑油が低粘度化した環境下では、軸受の各部品同士が直接接触しやすくなるために、軸受の寿命低下や摩耗が起こりやすくなる。さらに、駆動装置内の異物が軸受に侵入して軸受を損傷させる可能性もあるが、HA-C軸受は長寿命化に加えて耐異物性と耐摩耗性も高水準で実現、これらの苛酷な使用環境にも対応できる。
NTN「HA-C軸受」
三洋貿易は、多機能摩擦試験機「MFT5000」を展示した。モジュールを交換することで、1台で多様なしゅう動試験と環境チャンバーによる高温、低温、塩水噴霧、不活性ガス中などの特殊環境試験に対応。研究開発だけでなく、さまざまな産業のニーズに対応しており、フロアスタンド型を採用し高荷重(5000N)、高回転領域(8000rpm)まで対応可能なほか、各種ASTM試験法にも準拠。インラインで白色干渉計も搭載でき、試験中、試験後の表面状態を試験直後にそのまま測定できる。
三洋貿易「MFT-5000」
ジェイテクトは、自動車・産業機械等において、従来、機能要件が異なることから別々の部品として組み込まれていたギヤとベアリング(軌道輪)を一体化した軸受一体歯車「JIGB®」を披露した。シャフトにベアリングを圧入している現行品のギヤシャフトは、シャフト径の制約により、ベアリングや減速機のサイズダウンが難しく、トルク損失の低減に課題があったが、「内輪一体タイプ」では、ギヤシャフトの外径に軸受軌道を追加しベアリングと一体化することでベアリングの内輪(軌道輪)が省略、ベアリング外径とユニット(軸間距離)のサイズダウン、トルク損失の低減を実現。また、ベアリングの圧入工程の省略により、顧客の生産性も向上する。一方、ギヤの内部にベアリングを組み付ける場合、組み付け時のガタにより、ギヤ全体の強度が低下する可能性があるが、「外輪一体タイプ」では、ギヤ内径をベアリングの外輪とすることにより、ギヤの傾きを低減し、ギヤサイズおよび搭載されるユニットのサイズダウンを実現。また、ギヤ内径へのベアリング圧入工程の省略による部品点数の削減も見込める。
ジェイテクト「JIGB」
大同メタル工業は、低摩擦材料として使用されてきたPTFEと同等の低摩擦性・耐摩耗性を有し従来軸受と互換性を有するPFAS規制対応の「PFAS(有機フッ素化合物)フリー軸受」のほか、耐食性・耐酸化性に優れる水素エンジン用すべり軸受、転がり軸受と比較して、重量を93%削減、3万回転時のフリクションを77%低減できるという超高速回転e-Axle用駆動モータ向けすべり軸受などを披露した。PFASフリー軸受では、PFAS(PTFE)が付与してきた耐久性や耐熱性、耐薬品性、耐候性、非粘着性、撥水・撥油性、潤滑性、難燃性といった諸特性を、同社のコア技術である複合化技術(バイメタル化技術)とコンパウンド技術(材料設計)、トライボロジー技術(表面形状制御技術)によって実現している。
大同メタル工業「PFASフリー軸受」
大豊工業は、「独自のトライボロジー技術を活かした製品・製法を電動車(xEV)対応製品に応用」をテーマに、主力製品の滑り軸受やダイキャスト製品で培った基盤技術を活用して、コンパクト鍛造ラインによる「鍛造品のコスト削減」や抄造CFRPによる「軽量化に向けたCFRPの活用」、すべり軸受による「しゅう動部の摩擦・潤滑」、ヒートシンクによる「高温になる部品の冷却」、端子・バスバーによる「電気部品の接続(通電/接続)」などの現場の悩み事へのソリューションを提示した。すべり軸受による「しゅう動部の摩擦・潤滑」のソリューションとしては、転がり軸受のすべり軸受化による省スペース化や流体潤滑によるNV低減、しゅう動面へのテクスチャ追加による油量の制御、CAE解析や実機評価によるユーザーの開発サポートなどについて訴求した。
大豊工業「しゅう動部の摩擦・潤滑のソリューション」
TPRグループブースではファルテックが樹脂基材への加飾技術を紹介。「アルミの質感を持つ金属調塗装」は、基材をアルミから樹脂化して50%以上軽量化しつつ、サテンプラチナめっきからの工法変更でコスト低減を実現できる。塗装表面のアルミフレークを整列化し金属膜を生成、アルミの質感と色つやを軽量な樹脂素材で実現している。また、裏面にレーザー加工した意匠が光の透過で塗装表面に浮かび上がる「塗装表面に光意匠が浮かび上がる新加飾技術」や、超軟質Pad印刷で3D形状に追従した繊細な意匠を実現しつつ塗装レスにより30%以上のCO2削減に寄与できる「塗装レス3Dグラデーション加飾技術」を披露した。
ファルテック「塗装レス3Dグラデーション加飾技術」
東陽テクニカは、自社開発したコンパクトサイズの油中粒子計測器「PI-1000」を展示した。潤滑油中の摩耗紛の大きさと量を高精度に捉えることで、軸受やギヤなどの摩耗状態を把握し、その交換時期を最適化できる。細かな粒子や非磁性の粒子でも測定可能な「レーザー遮光法」を採用、演算処理機能の内臓により、常時オイル粘度によって変化する流速を計算しつつ、摩耗粉の油中の落下時間によって摩耗粉の粒径をその場で演算する。振動や熱、濁りといった外的要因に左右されず、μmレベルで粒子の大きさ、数を測定できる(計測粒子範囲:5~150μm)。さらに、独自の減圧による脱泡手法で摩耗粉と誤認される可能性のある油中の泡(~40μm程度)の誤検知をなくし、数μm単位の高い精度で測定が可能。
東陽テクニカ「PI-1000」
日本精工は、自動車のホイールおよびブレーキディスクに取り付けられるハブユニット軸受の端面加締め部にスプラインを適用することにより、大きなトルクを伝達することを可能とする「Face spline式HUB3軸受」を参考出展した。CVJと軸受の接触面で発生するスティックスリップ音の防止に貢献する。
日本精工「Face spline式HUB3軸受」
BASFジャパンは、ブレーキ液やクーラント、ポリイソブテン、潤滑油用添加剤、合成基油など電動化にも貢献する自動車向けソリューションを提示した。高性能ブレーキ液およびクーラントは、多くのOEMに採用実績があり、CO2排出量低減に貢献可能な製品も提供。ポリイソブテンOppanol®は、90年以上前に同社が世界で初めて特許を権利化、世界中でさまざまなアプリケーションでの実績を持つ。高機能合成エステルSynative®は、サステナブルで幅広い製品群を提供、自動車用途に求められる特性において優れた性能を発揮する。
BASFジャパン「潤滑油添加剤、合成基油などの自動車向けソリューション」
不二越は、軸受サイズを変更せずに各タイプのクリープ現象を抑制する「耐クリープ軸受」を展示した。外輪歪みによるクリープへの対策軸受としては軌道溝を多点接触化することで荷重を分散し外輪変形量を抑制する「多点接触玉軸受」を、軸受トルクが大きい場合に発生するつれ回りクリープへの対策軸受としては外輪外径に特殊コーティングを施すことでハウジングの摩耗を抑制する「外径コーティング軸受」などを提示した。
不二越「耐クリープ軸受」
ミネベアミツミは、電動コンプレッサーの効率的な回転を支える「電動コンプレッサー用ボールベアリング・リテーナリング」を展示した。電動コンプレッサー用ボールベアリングに求められる高い耐荷重性と低く安定したトルクの両立に対する低トルク化ソリューションを提示。従来の外径35mmを超える中径ボールベアリングは浸炭窒化処理に対応。また、可動スクロールのリテーナリングはボールベアリング部品を転用した専用品で、特殊設計・特殊形状に対応している。
ミネベアミツミ「電動コンプレッサ―用ボールベアリング・リテーナリング」
リケンNPRは、ピストンリングで蓄積した表面改質技術の新分野での適用を提案。DLC膜が耐食性にも優れることから耐食環境で用いられる金属製機械部品を保護できることや、窒化チタン(黒TiN)膜が生体親和性に優れ表面積を増やせ静電容量を約5倍アップできることから生体埋め込み型などのメディカルデバイスへの適用が可能であることなどを示した。ブースではボールねじ循環部品にDLC膜を被覆したサンプルや樹脂部品にTi膜を施したサンプルなどを展示した。
リケンNPR「DLCおよびTi系コーティング被覆サンプル」