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深層断面/キオクシア、販売構造を複線化 “AI向けSSD”戦略の柱
11月の企業向けサービス価格、3%上昇 インバウンド寄与
経営ひと言/全国地方銀行協会・秋野哲也会長「増益基調続く」
工場改善とEnglishフレーズ(3)
非鉄金属、国際相場横ばい 銅・アルミともに高値圏
新時代のリスク対応(113)企業を取り巻くサイバー攻撃リスクに備える
材料相場表/PDFで公開
アキレス、ガラス基板への高密着めっき形成技術を開発
アキレス( https://www.achilles.jp )は、同社独自のポリピロールめっき法を用いて、ガラス基板への高密着めっき形成を可能にする技術を開発した。
めっき処理前(左)、処理後(右)のガラス基板外観同社は導電性高分子であるポリピロールを用いた独自のめっき技術を開発し、様々な難めっき素材に対応する密着性の高いめっき技術を提供してきた。また、ポリピロールめっき法に関連する特許を取得し、約50件を権利化している。これまでガラス基板に密着性の高いめっき膜を形成することは難易度が高いとされていたが、同社はこのポリピロールめっき法を用い、低温・常圧のプロセスで密着性の高いめっき膜をガラス基板に形成する技術を開発した。
めっきによりガラス基板上に微細配線を形成半導体の微細化・高集積化が進む中で、半導体パッケージ基板の新たな材料としてガラスが注目されている。同社は今回開発した新技術について微細配線形成に関する研究開発をさらに進めるとともに量産技術の確立を図り、次世代半導体の製造分野における利用を図る考え。
ポリピロールめっき法は、同社が独自に開発したナノ分散ポリピロール液を用いためっき処理技術。2003年から10年以上の開発期間を経て事業化を実現した。主な特長として、①ナノ分散ポリピロール液を塗工した部分にのみ、めっきが析出する、②様々な基材への密着性が高いめっき処理が可能、③エッチング処理が不要のため環境負荷が低い、などがある。スマートフォン等の電磁波シールド用途では、製品のさらなる薄型化・軽量化に貢献している。
admin 2024年12月26日 (木曜日)THK、国内の自社工場にクラウド型スキルマネジメントシステムを展開
THKは、OEEOEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedgeOMNIedge(オムニエッジ)」 から提供中のクラウド型スキルマネジメントシステム「スキル管理AIソリューション」を自社の日本国内工場に展開する。人財スキルデータを一元管理・可視化し、技能伝承や最適な人員配置の対応を急ぐ狙い。
スキル管理AIソリューションの展開は、2023年9月に開始した試験研究部門を皮切りに、同社の日本国内の主要7工場を対象としている。スキルや資格、教育計画などのデータを一元化し、技術伝承や多能工化を中心とした人財育成や応援対応、さらには人財交流を中心とした人員の最適配置までを効率化することで、生産部門が近い将来直面するスキルマネジメントの課題解決にいち早く対応する。今後は日本のみならず海外工場へのさらなる展開も視野に入れていく。
スキル管理AIソリューションを展開するTHKの主要7工場の生産部門では、三つの重要課題に取り組んでいる。一つは、同社の成長を支えてきた団塊世代から若手への技術伝承、もう一つは多様な顧客のニーズに応える製品生産を担う多能工の育成。さらに三つ目として、同社がグローバル展開を推進し日本・米州・欧州・中国・アジアほかにおいて現地での生産・販売を一体化した体制を構築していることに伴い、海外拠点で活躍できる人財の育成も最重要課題となっている。このような状況下、従業員一人ひとりの力量を正確に把握し、そのデータを効果的に活用することが不可欠となっている。
しかしながら、従来使っていた人事系システムの仕様上、生産現場に求められる粒度の細かな力量情報を入力することは難題となっていた。結果として、各工場が独自のフォーマットや判定基準で運用する望ましくない事態となり、従業員のスキルレベルの判定基準も統一されないままに同じスキルレベルでも習熟度が異なってしまい、同一製品を製造する工場間での円滑な人員配置や相互支援が極めて困難な状況にあった。
こうした背景から生産部門では、工場間で共通した基準によるスキル管理を行い、スキルデータに基づいた計画的な人財育成と戦略的な人員配置を行うために、製造業に特化したスキルマネジメントシステム「スキル管理AI ソリューション」をまずは日本国内の主要7工場から展開することに至ったもの。
スキル管理AIAIソリューションの特長は以下のとおり。
・製造業の現場に特化したスキルの一元管理と可視化:技術者や技能者のスキル、資格、教育記録などを一元管理して、組織全体のスキル総量を可視化。 また、スキルの評価や記録、分析に特化されており、粒度の細かな力量情報を一元管理し、視覚的に把握することが容易なほか、人事系システムとも連携させることで、異動や部署名の変更情報などをリアルタイムにスキルマップに反映させることが可能
・時系列で技術やスキルの喪失リスクを可視化し、計画的に人財を育成:人財育成では、分析機能で強化・喪失スキルを特定した上で育成計画を立案し、多能工化や技能伝承を促進。 また、55年後、1010年後といった中長期的な視点で、組織全体の技術・スキルの喪失リスクの可視化ができるため、重要度に応じて優先順位に基づいた計画的な技術伝承が実現可能
・日本国内や海外の拠点を横断したスキルの一元化・可視化による人財育成・人員配置:各生産拠点において、統一された基準とフォーマット(力量カテゴリーや力量名、レベルなど)でスキル管理を実施することで、工場間の連携が容易に行える。具体的には、多能工化、技術伝承、人財交流など、従来は個別に実施していた人財マネジメントをより戦略的なアプローチで行うことが可能。THKが展開するOEEOEE(設備総合効率)最大化プラットフォーム「OMNIedgeOMNIedge」の部品予兆検知AIAIソリューションやメンテナンス統合管理システムとも連携することで、例えば設備の異常を検知したら、スキルデータを元に最適な人財がレコメンドされ、システム上から保全業務をアサインすることも可能
OEE最大化プラットフォーム「OMNIedgeOMNIedge」の部品予兆検知AIAIソリューションとメンテナンス統合管理システムとの連携イメージ
ジェイテクト、コンパクト電子制御カップリングを新開発
ジェイテクトは、SUBARUの「クロストレック e-BOXER(ストロングハイブリッド)」向けに、コンパクトな電子制御カップリング「オイル共用式ITCC🄬」(ITCC:Intelligent Torque Controlled Coupling)を新開発した。
オイル共用式ITCC
ジェイテクトでは四輪駆動車の前後の駆動力配分を電子制御によってシームレスに調整し、車両の優れた運動性能と高い燃費性能の両立に貢献する製品であるITCCを1998年から手掛けている。その開発で培った電子制御技術や摩擦制御技術、材料技術はジェイテクトグループのコンピタンスの一つとなっている。
e-BOXER(ストロングハイブリッド)がもつ「走りの愉しさ」と「ハイブリッドならではの環境性能」の高次元での両立に寄与するソリューションとして、今回のITCCを開発し、これにより安全・安心なモビリティ社会の実現に貢献する。
開発品の特長は以下のとおり。
・e-BOXER(ストロングハイブリッド)向けに、トランスミッション内へ搭載可能なオイル共用式ITCCを開発。これにより、従来品と比較して全長を約25%短縮のコンパクト化を図りつつ、ITCC内クラッチの潤滑を最適設計することにより、クラッチの放熱性を高め、耐久性を向上
・オイル共用式構造の採用により、トランスミッションとITCCでのオイル総使用量を削減し、環境負荷を低減
と走行性能の向上を実現した
・ITCC内部部品の最適化により、エンジンからの駆動力を瞬時に伝達し、あらゆる路面状況において、優れた走行安定性と心地よい加速性能を発揮し、ドライバーに幅広いシーンで走りの愉しさを提供
従来品と開発品のITCC搭載位置比較従来品と開発品のITCC構造比較
不二越、熱処理工程に置いて飛躍的に省エネを高める真空脱脂洗浄装置
不二越( http://www.nachi-fujikoshi.co.jp/ )は、金属熱処理工程において、環境負荷低減や省エネなどのコストダウンに寄与する省エネ真空脱脂洗浄装置「NVD-10HP」を開発・市場投入した。
カーボンニュートラルの実現に向け、あらゆる産業において省エネなどの取り組みが求められている。近年、電力価格が高騰するなか、ものづくりを支えている金属熱処理の前後に行う洗浄工程においても大量のエネルギーを消費していることから、電力消費量の少ない省エネ型の洗浄装置のニーズが高まっている。同社はこれまで独自の減圧蒸留再生器を搭載した炭化水素系の真空脱脂洗浄装置を販売し、自動車、産業機械分野における熱処理工程の洗浄ニーズに応えてきた。今回、従来品に比べて、飛躍的に省エネを実現する高効率のヒートポンプを搭載した炭化水素系省エネ真空脱脂洗浄装置を開発した。
同品の主な特徴は、①省エネ性:低温洗浄を可能にしたことで、洗浄液加熱に必要なエネルギーを削減し、省エネ性が向上。さらに、高効率なヒートポンプの採用により、消費電力を従来品(NVD-10E)比で 50%以上削減(標準時 50%減、省エネモード時 74%減)②省資源:洗浄液を直接加熱しない温水間接加熱方式の採用で熱媒体油が不要となり、省資源化に貢献③小型化:共通ベースの小型化で設置面積を従来品比で 20%削減。さらに、ユニット化により既存品との置き換えも容易。
不二越「NVD-10HP」admin 2024年12月26日 (木曜日)
ジェイテクト、欧州ニードルローラーベアリング事業を再編
ジェイテクトは、第二期中期経営計画で掲げるグローバル体制再構築の一環として、欧州においてニードルローラーベアリング(NRB)の製造販売を行う連結子会社3社(譲渡対象会社)を含むNRB事業の譲渡に向けて、ドイツの金融投資会社であるAEQUITAと基本合意した。
譲渡対象会社は、ドイツ拠点のJTEKT BEARINGS DEUTSCHLANDと、フランス拠点のJTEKT BEARINGS FRANCE、チェコ拠点のJTEKT BEARINGS CZECH REPUBLIC。
本基本合意は、プットオプション契約と呼ばれるもので、本プットオプション契約に基づき、AEQUITAは、本譲渡について確約するものです。フランスの法令に基づき、譲渡対象会社の一つであるJTEKT BEARINGS FRANCEは本譲渡において従業員代表機関との協議が義務付けられており、当該協議の終了後に、JTEKTとAEQUITAグループとの間で株式譲渡契約を締結する見込み。
ジェイテクトは、2024年度から2026年度の第二期中期経営計画において、グローバル体制の再構築による経営・事業体制の強化を進めている。欧州市場においては事業の整理・統合を進め、収益体質の改善により、黒字化を目指している。
今後もジェイテクトは、各地域の市場環境に応じた最適な戦略と事業編成によって、体質改善を進めるとともにお客様のニーズに応えるソリューションを提案していく。
ジヤトコ、CVT油の性能を回復する添加剤を開発
ジヤトコ( http://www.jatco.co.jp/ )は、自動車の無段変速機(CVT:Continuously Variable Transmission)で使用される潤滑油(CVT油)の性能を回復する添加剤を新たに開発した。
開発した添加剤今回開発した添加剤は、現在使用中のCVTやハイブリッド(HEV: 北米/中国などで販売しているCVTタイプのHEV)のCVT油に追添して使用する。これにより、湿式クラッチの締結・解放時のショック改善や、湿式クラッチの耐久性がCVT油全交換時と同等レベルまで回復する。また、本剤は、繰り返し使用することができる。
添加剤の効果(湿式クラッチμ値が改善)同社のCVTで使用するCVT油はライフで保証しており、交換の必要はない。そのため、対象は従来CVT油の交換をしていた顧客(商用車やタクシーなど長距離を走行する顧客)になる。 本剤の使用により、低コストかつ短時間でCVT油の性能をCVT油全交換時同等レベルまで回復できるだけでなく、CVT油全交換時と比べ廃油量を約90%低減できる。
本剤におけるCVT油性能を回復させる技術は、低炭素・循環型社会の実現に向けて有効な手段であり、持続可能な社会の実現にも貢献する。
NTN、ベアリングのなめらかな回転をダンスで表現した動画を公開
NTNは、学生をはじめとするより多くの層に同社を知ってもらう目的で、主力商品であるベアリングのなめらかな回転をダンスで表現した動画を制作し、YouTubeに公開した。
ブレイキンは、国際スポーツ大会にも正式種目として採用され世界中で人気を集めているダンススポーツで、アメリカ・ニューヨークのストリートから始まった、音楽に合わせてダンスを競うスポーツ。
動画では、NTNの社員、はたまた謎のダンサーである、風変わりすぎるクマ(Bear)が、世界トップクラスのシェアを誇るNTNのベアリングのなめらかな回転をダイナミックかつ華麗なダンスで表現。
以下のNTN YouTubeチャンネルで閲覧できる。
チャレンジするクマ(Bear)!/ブレイキン編(15秒)
https://youtu.be/Q9WFqIu9xTE
チャレンジするクマ(Bear)!/ブレイキン編(30秒)
https://youtu.be/RKAt0d6Fiio
トライボコーティング技術研究会、令和6年度第3回研究会を開催
トライボコーティング技術研究会(会長:理化学研究所 大森 整 主任研究員)は12月13日、東京都江東区の東京都立産業技術研究センターで「令和6年度 第3回トライボコーティング技術研究会」を開催した。
当日は、大森会長の開会挨拶に続いて、以下のとおり講演がなされた。
「PVD・CVD硬質膜の密着性」仁平宜弘氏(仁平技術士事務所)…PVD・CVDによる硬質膜に適用されている密着性評価としてスクラッチ試験、圧痕試験、曲げ試験を挙げ、スクラッチ試験ではTiN膜を連続荷重方式と一定荷重負荷方式で測定した事例やCrN膜のスクラッチ痕における膜の破断形態を示した。また、AEと摩擦力の臨界荷重(Lc値)が一致する事例としてTiN膜/SKH51のスクラッチ波形やTiAlN膜/SKH51のスクラッチ波形を示した。一方、一致しない事例としてCrN膜/SKH51のスクラッチ波形や顕微鏡像を示した。このほか、スクラッチ試験と圧痕試験による被膜の破壊状況の整合性を観察した事例やスクラッチ試験と曲げ試験による被膜の破壊状況の整合性を観察した事例を示した。さらに、PVD・CVDの密着性に及ぼす不具合因子や密着不具合事例を具体的に示し、最後に密着性の改善事例として中間膜の適用事例を多数示した。
講演する仁平氏「冷間金型用鋼におけるPVD・CVDコーティング時の留意事項~ダイス鋼およびハイス特有の熱処理特性と関連して~」仁平宜弘氏(仁平技術士事務所)…冷間金型用のダイス鋼とハイス鋼に存在する主な炭化物や化学成分と用途例を紹介し、炭化物に関する留意事項、PVD・CVDコーティング時の留意事項を示した。冷間金型用ダイス鋼の焼入れ焼き戻しに伴う一般的な組織変化では、低温焼戻しでは残留オーステナイトがそのまま残存するとした。ダイス鋼を急冷した際の各温度領域における生地組織については焼入温度が高い程マルテンサイト変態の始まりと終了の温度は低下して残留オーステナイト量が増加すると報告した。残留オーステナイトの増大によって生じる支障として耐摩耗性が劣ることや寸法収縮、研磨割れが生じやすいことなどを挙げた。その上でSKD11の焼戻し温度と残留オーステナイト量の関係や体積変化に及ぼす焼入温度の影響、焼戻し温度と変形率などを具体的に示した。
令和6年度第3回研究会のようすadmin 2024年12月26日 (木曜日)