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安川電機、MOTOPACシリーズにレーザー溶接パッケージを追加

 安川電機は、ロボットアームと溶接設備などをパッケージにした「MOTOPAC(モートパック)シリーズ」として、レーザー溶接に必要な設備を含めた レーザー溶接パッケージ「MOTOPAC-RL2D300-GP25J」を新たにラインアップし販売を開始した。自動車、建機等の金属部品の高速溶接に最適。

レーザー溶接パッケージ「MOTOPAC-RL2D300-GP25JP」
レーザー溶接パッケージ「MOTOPAC-RL2D300-GP25JP」

 

 同社の溶接ロボットではこれまでアーク溶接、スポット溶接向けの用途でユーザーニーズに合わせた豊富な製品ラインアップを揃えてきた。特にアーク溶接向けの用途においては、ロボットのアームに溶接用のトーチや溶接電源を含めた溶接設備の最適な組み合わせをパッケージにした「MOTOPACシリーズを販売しており、ユーザーからの評価も高い。

 溶接分野では近年、溶接速度・品質をさらに向上させるレーザーによる溶接技術の開発が進んでおり 、ユーザーの関心も高まっている。その一方でレーザー溶接の設備導入には、レーザー発振器やレーザー照射ヘッドの選定、そしてロボットアームとの組み合わせや制御方法など、多くの検討項目と手間が必要とされている。

 こうした背景から同社では今回、レーザー溶接に必要な設備をトータルで揃え、ユーザーにおける溶接速度や品質向上に必要な条件設定をスムーズにサポートし、設備導入から稼働 までの手間をできる限り省くことが可能なレーザー溶接パッケージを製品化したもの。

 主な特徴は以下のとおり。

・省スペースパッケージによりアーク溶接設備からの入れ替えが容易:独自開発の小型軽量レーザー照射ヘッド(ガルバノスキャナーヘッド:質量約16kg)は、当社の中型多用途適用型ロボットMOTOMAN-GP25(可搬質量25kg)に搭載が可能で、設備設置面積の省スペース化につながるため、既設のアーク溶接設備への入れ替えや新規導入を容易に行うことができる。さらに、レーザー照射ヘッドまでの配線・配管の一部はロボットアーム内へ収納できるため、取り回しの簡素化と周辺への干渉回避による使い勝手の良さを提供

・溶接条件の設定が容易:パッケージ製品の強みを生かし、構成される機器間の親和性向上を図った。ウォブリング溶接機能、溶接速度、レーザー出力、入射角度などの溶接条件は、すべてロボットのプログラミングペンダントで設定可能。溶接対象の厚み、形状、材質に合わせた最適な溶接条件の検討を効率的に行えるほか、アーク溶接では難しかった溶接途中での条件変更も可能

・高出力(8kW)レーザーザー照射で高速溶接が可能:高出力レーザー照射により、アーク溶接の1.5倍~4倍の溶接速度を実現できるほか、ロボット先端に設置するレーザー照射ヘッドを小型軽量化したことで、高速移動時のロボットへの負荷を低減し、溶接開始位置への移動速度の向上や、溶接中の軌跡精度の向上に貢献・ウォブリング溶接機能搭載:レーザー溶接は溶接点が極小(集光スポット径0.3mm)でエネルギー密度が高いため、高精度な溶接が可能で溶接適用範囲が拡大しますが、アーク溶接の代替には、太い溶接線(数ミリ~数十ミリ)が要求される。そこで、レーザー照射ヘッド内で照射方向を高速・高精度で微動させることで太い溶接線を確保するウォブリング溶接機能を搭載している。ウォブリンク溶接では照射方向を「8」や「の」の字等のパターンに微動させることで、広い範囲を溶接することが可能