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ダイセル・エボニック、PEEK樹脂がマルチフィラメントの仮撚加工に成功

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 ダイセル・エボニックの耐薬品性、耐熱性に優れたPEEK樹脂「ベスタキープ」製のマルチフィラメントを、福井県工業技術センターが特殊な仮撚技術を用いて柔軟性、伸縮性を保持させることに成功した。

写真:福井県工業技術センター提供 ベスタキープ製の仮撚加工されたマルチフィラメント写真:福井県工業技術センター提供 ベスタキープ製の仮撚加工されたマルチフィラメント

 高い弾性率を持つPEEKフィラメントは、クリープなど高い応力が発生する用途に適している。 また、フィラメントをPEEK医療グレード(ベスタキープ Care)で製造することにより、生体適合性を必要とされる分野への展開も可能にした。

 プラスチックらしからぬ柔らかな風合いはコットンのようだが、綿とは異なり、高い弾力性を発揮する。

 また、PEEKの持つ優れた耐薬品性と、耐オートクレーブ特性により、120℃を超える高温下での滅菌工程にも耐えることができるため、その他の医療用機器・装置などへの展開も期待できる。

 ダイセル・エボニックでは、これらの特徴を活かし、多岐にわたる医療分野への浸透を目指すとともに、ガンマ線への高い耐性を活かし、航空宇宙産業や原子電力発電関連への展開をも見据えている。