精密鋳造タービンホイール 日立メタルプレシジョンは、自動車の省燃費化ニーズを受けて需要急増が予測されるターボ車向けに、精密鋳造(ロストワックス法)タービンホイールの増産投資を30億円超の規模で行い、生産能力を5割増強する。
自動車の省燃費技術として、小型化したガソリンエンジンにターボを組み合わせるダウンサイジングコンセプトが世界的に注目されている。同コンセプトによるターボエンジンは、当初欧州メーカーを中心として採用されていたが、現在は、米州・日本でも広がっている。数ある省燃費技術と比較しても、コストメリットに優れることから、今後は、欧米・日本だけでなく、中国・アジア地域でも需要拡大が期待される。
同社の超耐熱合金製精密鋳造(ロストワックス法)タービンホイールは、ターボ部品として広く採用されている。これまで同社では、顧客のニーズに応じた形状・素材設計技術、短納期対応、そして設備増強による物量対応を行ってきたが、ターボエンジンの需要急拡大に伴い、質・量ともにさらなる対応力が求められてきているという。
こうした需要に応えるため、同社では、工場建屋を拡張するとともに製造ラインや加工設備を増設し、2020年度までに生産能力を5割増強(2016年度対比)する。さらに、工程改善によりこれまで以上に精密かつ複雑な形状を実現するなど、品質の高さも追求する。