アイシン精機は、各種エンジン用のピストンおよびピストンピンの製造を行うアート金属工業の株式の過半数を取得し経営統合を行う。
これまでアイシン精機は、エンジン関連部品を一つの柱として、ピストンや冷却ポンプから周辺部品まで含めた幅広い品揃えを強みとして事業拡大してきたが、ヒートマネジメントや軽量化に貢献できる次世代商品でのさらなる成長のためには、開発リソーセスの効率的な運用が急務となっている。
一方、アート金属は、創業以来ピストン専門メーカーとして長年にわたって蓄積した独自の技術をベースに、低コスト技術や小回りの利くものづくりを強みとし、自動車メーカーはじめ多くの顧客に商品採用されてきた。近年は海外での事業展開を加速している。
今後、自動車メーカーがますますグローバル展開を加速していく中で、新興国を中心とするコスト競争の激化に加え、パワートレインの多様化によって技術開発ニーズの拡大も予想される。そうした環境下でそれぞれの課題に対応し持続的に成長し続けるために、両社は今回、世界トップの競争力あるピストン事業の構築と、その関連システム商品の開発加速に向け、経営統合を決断するに至った。統合の時期は平成29年4月1日を予定している。