ホンダ、一充填走行距離約750kmを実現したFCVを発売

　ホンダは、新型燃料電池自動車(FCV)「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」を3月10日に発売した。

　CLARITY FUEL CELLは同社の技術により燃料電池パワートレインの小型化を図り、ボンネット内に搭載することで、セダンタイプのFCVとして世界で初めて15人乗りを実現した。

　また、70MPaの高圧水素貯蔵タンクを搭載し、パワートレインの高効率化や走行エネルギーの低減により、一充填走行距離(参考値)を従来比で約30%延ばし、ゼロエミッションビークルで約750kmを達成した。これにより、毎日の使用からロングドライブまで、日常の自動車としての実用性が大幅に向上。一回あたりの水素充填時間は3分程度と、ガソリン車と変わらない使い勝手を実現している。

　さらに、同時発売の可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」を組み合わせることにより、走る電源として一般家庭のおよそ7日分の電力を供給することができる。

　CLARITY FUEL CELLの導入初年度は、自治体や企業を中心にリースを行い、外部給電器も含めた市場における製品の使用状態や顧客、関連団体の意見、要望を収集し、その後個人の顧客への販売も行う予定。生産は、生産企画統括部/パワートレイン生産企画統括部(栃木県塩谷郡高根沢町)で少量生産から開始し、その後生産規模を拡大する計画をしている。また、2016年中に米国や欧州での展開を予定している。