三菱重工業は、カナダ・Telesat社(テレサット社、本社:オタワ)の通信放送衛星Telstar 12 VANTAGEをH-IIAロケット29号機で打ち上げ、予定されていた軌道への投入に成功したと発表した。同社初の商業衛星打上げ輸送サービスで、今後の宇宙事業に大きな前進をもたらすという。
H-IIAロケット29号機は、10月24日15時50分(日本時間)に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の種子島宇宙センター(吉信射点)から打ち上げられ、その後約4時間27分後にTelstar 12 VANTAGEの分離が確認された。H-IIAロケット29号機は、JAXAによる基幹ロケット高度化開発の成果を第2段機体に適用(高度化仕様)することで静止衛星の打上げ性能が向上しており、今回の成功に貢献しているという。
Telstar 12 VANTAGEは、西経15度地点でテレサット社の既存の通信放送衛星Telstar 12と交代し、南米、アフリカ、カリブ海域、地中海域、大西洋、および北海といった成長市場における強力なKu帯域をかなり拡張することになる。
H-IIAロケットは、日本の基幹ロケットであり、世界的にも信頼性が高い。今回の打上げ成功で、H-IIAおよびH-IIBの打上げは連続28回成功となり、成功率は97%に達している。