日本金型工業会東部支部( http://www.east.jdmia.or.jp )は1月22日、東京・上野公園の上野精養軒で「平成27年新年懇親会」を開催した。
挨拶する加藤支部長 冒頭、挨拶に立った加藤忠郎支部長(日進精機)は、「円安の影響で大企業の一部が国内生産回帰という現象があり結構なことだと思う。我々の業界である金型は、海外との競合状態がずっと続いている。最近は円安の影響もあると思うが、顧客企業の担当者から金型製作のコストだけでなく、メンテナンスや寿命を考えると、日本の金型が世界で一番安いのではないかという話を時々聞く。ただ、顧客企業のトップは金型製作のみの価格を見て中国に比べて高いと仰ることを耳にする。今後、団体の責任者あるいは事務局が経団連のトップセミナーなどで、総合的に見るとコストが下がるという話ができればと思っている」と述べた。続けて、「今年の干支は乙未である。乙という字は植物が地表に出て風雨や寒さの抵抗にあって真っ直ぐに伸びきれない状態を言うようだ。また未は、果物がなっている良い状態を示す意味と、植物が鬱蒼と茂って地面が暗くなるという二つの意味があるようだ。よって、今年は厳しい外部環境の中でも何とか困難を克服すれば果実が実る、逆にそうでなければ暗転である。是非、支部の皆様とがんばって果実が収穫できる年にしたい」と今年の意気込みを語った。
挨拶する牧野会長 続いて同工業会 牧野俊清会長が「金型産業ビジョンで挙げたとおり技術の発信が大切だ。今年開催されるインターモールドでは、賛助会員の工作機械メーカーやソフトメーカーの皆様、また工業会会員が72社出展することになった。前回が50社、前々回が30社ということで我々金型企業が世界に情報を発信する気持ちが強くなり、素晴らしいことだと思う。ただ、残念なのはデフレ状態が解消されていないことである。デフレを脱却するには社員の給料を上げる必要がある。大企業は社員のベースアップを実施しており、それは大企業を支える役割を担ってきた社員に対して当然ではあるが、我々金型企業もサポートインダストリーとして大きな役割を果たしてきた。円高の時にコストを下げることを強制されてきたため、自ら価格を上げて頂くことを言うことも必要だろうし、政府もそういった指導をして頂きたい」と挨拶を述べた。
挨拶する今藤氏 引き続き、経済産業省 製造産業局 素形材産業室 遠山 毅室長が来賓を代表して挨拶を行った。また、その後に行われた新入会員紹介では、正会員として入会したJFE精密のコーティング事業部長代理 今藤雄治氏が「弊社は冷間鍛造と粉末焼結、コーティングを行っている。冷間鍛造は自動車向けを中心に、粉末焼結は通信機器や一般機械向けに製造している。いずれも金型を使用しているところである。両方とも設計と製作の一部、そしてメンテナンスは自社で行っており、金型と非常に強いつながりがある。また、コーティングはPVDコーティングのイオンプレーティングによって受託加工を行っている。処理品目は、切削工具やプレス金型、樹脂金型、ダイカスト金型、その他工業製品などの処理を行っている。そういった意味で、金型とは様々な部門でつながりのある会社と言えるので、会員の皆様とも密な連携ができるかと思う」と述べた。最後に、賛助会員を代表して牧野フライス製作所 牧野二郎社長の発声により乾杯、懇親会に移行した。