三友製作所( http://www.sunyou-ss.co.jp/ )は、独自技術である「マイクロプラズマ技術」と「吸引プラズマ技術」を導入した卓上タイプのプラズマエッチング加工装置を開発した。マイクロプラズマ技術により局所へのプラズマエッチング加工を施すことができるとともに、吸引プラズマ技術により、加工後の残渣が極めて少ない処置が出来るようになったという。大学をはじめとした研究機関での納入実績から、これから本格的に販売を行っていく。
従来のプラズマ加工装置は、大型のものがほとんどで、導入コストも非常に高く、導入のハードルが高いことが難点だった。また、大きな電力量を使用するため、設置・移動には電波法に基づく設置申請が必要だった。
同社のプラズマエッチング加工装置は、独自技術の活用により装置の小型化と低コスト化を実現するとともに、電源50W以下と使用電力量を低減させることにより、電波法の設置申請も不要とすることに成功した。卓上で手軽に使用できる使用感などもあわせ、既存装置よりも導入のハードルを格段に下げることができる。
マイクロ(局所)プラズマ加工は、従来のプラズマ加工のような対象物全体にプラズマ加工を施すものではなく、細い石英ガラス管内にプラズマを起すことで、既存のプラズマ加工技術では不可能だった、マイクロレベルでのきめ細かい部分(局所)的にプラズマ加工を施すことができる。吸引プラズマ技術は、真空容器内にエッチングガスを導入後、プラズマガンの石英ガラス管内にエッチングガスを吸引してプラズマを発生させ、石英ガラス管先端から出たプラズマで加工を行う方法。また、エッチングガスを吸引しながら加工するため、エッチング時に試料上で発生するプラズマ生成物も吸い込む状態となり、噴射プラズマエッチングよりも加工残渣の削減が可能となる。
用途としては、高い操作性・機動性により、半導体の故障・不良解析を迅速に行うことが可能、表面改質・クリーニング機能を活かしデバイス組立時のクリーニングや接着剤の均等付着に活用、従来装置よりも高い使用感によりデバイスの試作や開発に利用、など。