研修用の蒸気タービン 三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、横浜本牧工場(横浜市中区)内に「蒸気タービン技術研修センター」を開設した。出力25万キロワットの蒸気タービン実機を使用して、発電所でのメンテナンス技術の習得・向上を目指す施設で、顧客の要請に即座に対応できる人材を育成するのが狙い。また、若手への技能伝承にも活用していく。
蒸気タービン技術研修センターは、実機を用い、蒸気タービン本体や主要弁の開放・組立などの実作業を通して技術習得できるのが最大の特徴。さらに、同工場内に今春開設したNetmation(制御装置)トレーニングセンターも有しており、多様な研修コースを用意して、即戦力の技術者・技能者の育成に役立てる。そのほか、顧客ニーズに対応した研修も開催していく方針。
また、蒸気タービンの構造・仕組みや歴史、最新鋭機の特徴など、蒸気タービンに関するあらゆる知識を習得できる研修の場となっていることから、広く社員教育にも用いて多能工化を図る。
同社は2012年1月に米国ヒューストンにおいても同様のトレーニング・センター(MHPS-TC)を設立しており、これまでガスタービンの技術研修施設とし機能させてきたが、同施設でも蒸気タービン・発電機の技術研修コースを開設した。出力2万6900キロワットの実機を導入して始めたもので、今後、日米両研修拠点の横串機能を充実させてメンテナンス技術・技能の標準化を図る。